JP2010083887A - フルオロエーテルカルボン酸フルオライド及びフルオロエーテルカルボン酸の製造方法 - Google Patents

フルオロエーテルカルボン酸フルオライド及びフルオロエーテルカルボン酸の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特定のフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に収率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明は、溶媒中で、触媒の存在下に、−30〜40℃の温度で、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドとカルボニルフルオライドとを反応させて、下記式(I):
CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COF (I)
で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に得る工程を含み、上記触媒は、金属フッ化物、3級アミン、3級ジアミン、及び、テトラアルキルアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種であり、上記溶媒は、非プロトン性極性溶媒であることを特徴とするフルオロエーテルカルボン酸フルオライドの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、フルオロエーテルカルボン酸フルオライド及びフルオロエーテルカルボン酸の製造方法に関する。
フルオロエーテルカルボン酸フルオライドから得られるフルオロエーテルカルボン酸(2,3,3,3−テトラフルオロ−2−[1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−(トリフルオロメトキシ)プロポキシ]−プロパン酸)は、界面活性剤として好適に用いることができ、特に含フッ素ポリマーの製造等の用途に使用することができる。
この中間体であるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドは、従来次のような方法により製造できることが知られている。
特許文献1には、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドとカルボニルフルオライドとをジエチレングリコールジメチルエーテル中、フッ化セシウムを触媒に用いて50℃で反応させ、CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COFのn=1〜6のオリゴマーとし、これを蒸留することでn=1のフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを、さらには、加水分解することで相当するカルボン酸を得たことが開示されている。しかし、大部分はn=2以上の成分である。
特許文献2には、特許文献1と同様に、75℃で反応し、上記n=0のフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを得、さらにこれをアルカリと反応させることでパーフルオロメチルビニルエーテルを製造したことが記載されている。しかし、上記n=1のフルオロエーテルカルボン酸フルオライドや相当するカルボン酸を得たという記述は無い。
特許文献3には、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドとカルボニルフルオライドとをジエチレングリコールジメチルエーテル中、ヨウ化カリウム存在下、−20℃で反応させた後、メタノールと反応させることで、CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COOMeのn=1〜5のオリゴマーを得たことが記載されている。しかし、n=1のオリゴマー成分の収率の記載は無く、n=1〜5のオリゴマーが得られていることから、選択的にn=1のオリゴマー成分が得られているとは言い難い。
特許文献4及び5には、非プロトン性溶媒中、テトラアルキル低級尿素又はアルキレン尿素化合物の存在下、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドとカルボニルフルオライドとを反応させることにより、パーフルオロメトキシプロピオン酸フロリドが得られることが記載されている。ここでも、少量の高分子量成分が得られるという記述はあるが、上記n=1のフルオロエーテルカルボン酸フルオライドが得られたという記述やその収率等の記述は無い。
特許文献6及び7には、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドとパーフルオロアルキル酸フルオライドとを反応させることによってパーフルオロアルコキシプロピオン酸フルオライドを得ることが記載されている。
特許文献8〜12には、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドの単独オリゴマーの製造方法が記載されている。
米国特許第3250808号明細書 米国特許第3114778号明細書 特開昭63−77835号公報 特開平2−4733号公報 特開平4−159246号公報 特開昭52−156810号公報 米国特許第3271341号明細書 特開平2−237955号公報 特開昭55−51032号公報 特開平1−157933号公報 特開昭57−64641号公報 特開平2−172944号公報
ところで、下記式(I):
CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COF (I)
で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドは、含フッ素ポリマーの製造において界面活性剤として使用されるフルオロエーテルカルボン酸の中間体として有用である。上記フルオロエーテルカルボン酸フルオライドは、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドと酸フルオライドとを反応させることによって得られる複数の生成物のうちの1つとして製造できる。
しかしながら、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドと酸フルオライドとを従来の方法により反応させると、以下のような副反応が生じ、上記式(I)で表されるフルオロエーテルカルボン酸以外の化合物が生成してしまう。
a)ヘキサフルオロプロピレンオキサイド〔HFPO〕の3分子以上の付加反応
COF + k(HFPO) → CFO(CF(CF)CFO)k−1CF(CF)COF
(式中、kは3以上の整数を表す。)
b)ヘキサフルオロプロピレンオキサイドのオリゴマー化
l(HFPO) → CFCFCFO〔CF(CF)CFO〕l−2CF(CF)COF
(式中、lは2以上の整数を表す。)
本発明の目的は、上記現状に鑑み、上記式(I)で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に収率よく製造する方法を提供することにある。
本発明は、溶媒中で、触媒の存在下に、−30〜40℃の温度で、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドとカルボニルフルオライドとを反応させて、下記式(I):
CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COF (I)
で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に得る工程を含み、上記触媒は、金属フッ化物、3級アミン、3級ジアミン、及び、テトラアルキルアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種であり、上記溶媒は、非プロトン性極性溶媒であることを特徴とするフルオロエーテルカルボン酸フルオライドの製造方法である。
本発明は、溶媒中で、触媒の存在下に、−30〜40℃の温度で、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドとカルボニルフルオライドとを反応させて、下記式(I):
CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COF (I)
で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に得る工程、及び、上記フルオロエーテルカルボン酸フルオライドから下記式(II):
CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COOX (II)
(式中、Xは水素原子、アンモニウム基又はアルカリ金属原子を表す。)で表されるフルオロエーテルカルボン酸を得る工程を含み、上記触媒は、金属フッ化物、3級アミン、3級ジアミン、及び、テトラアルキルアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種であり、上記溶媒は、非プロトン性極性溶媒であることを特徴とするフルオロエーテルカルボン酸の製造方法である。
本発明は、溶媒中で、触媒の存在下に、−30〜40℃の温度で、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドと下記式(i):
CFOCF(CF)COF (i)
で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドとを反応させて、下記式(I):
CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COF (I)
で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に得る工程を含み、上記触媒は、金属フッ化物、テトラ鎖状アルキル尿素、環状アルキル尿素、3級アミン、3級ジアミン、及び、テトラアルキルアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種であり、上記溶媒は、非プロトン性極性溶媒であることを特徴とするフルオロエーテルカルボン酸フルオライドの製造方法である。
本発明は、溶媒中で、触媒の存在下に、−30〜40℃の温度で、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドと下記式(i):
CFOCF(CF)COF (i)
で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドとを反応させて、下記式(I):
CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COF (I)
で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に得る工程、及び、上記フルオロエーテルカルボン酸フルオライドから下記一般式(II):
CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COOX (II)
(式中、Xは水素原子、アンモニウム基又はアルカリ金属原子を表す。)で表されるフルオロエーテルカルボン酸を得る工程を含み、上記触媒は、金属フッ化物、テトラ鎖状アルキル尿素、環状アルキル尿素、3級アミン、3級ジアミン、及び、テトラアルキルアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種であり、上記溶媒は、非プロトン性極性溶媒であることを特徴とするフルオロエーテルカルボン酸の製造方法である。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法は、溶媒中で、触媒の存在下に、−30〜40℃の温度で、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドとカルボニルフルオライドとを反応させて、下記式(I):
CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COF (I)
で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に得る工程を含むものである。
本発明の製造方法は、また、溶媒中で、触媒の存在下に、−30〜40℃の温度で、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドと下記式(i):
CFOCF(CF)COF (i)
で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドとを反応させて、下記式(I):
CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COF (I)
で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に得る工程を含むものでもある。
上記式(I)で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドは、下記一般式(II):
CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COOX (II)
(式中、Xは水素原子、アンモニウム基又はアルカリ金属原子を表す。)
で表されるフルオロエーテルカルボン酸の中間体として有用である。
本発明の製造方法は、特定の温度範囲で、特定の触媒と溶媒とを使用することによって、上記式(I)で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に得ることができる。
ヘキサフルオロプロピレンオキサイドとカルボニルフルオライドとを反応させる際に使用する触媒は、金属フッ化物、3級アミン、3級ジアミン、及び、テトラアルキルアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種である。なかでも、式(I)で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に得ることができる点で、金属フッ化物が好ましく、フッ化セシウム、及び、フッ化カリウムからなる群より選択される少なくとも1つの金属フッ化物であることがより好ましい。
ヘキサフルオロプロピレンオキサイドとカルボニルフルオライドとを反応させる場合、触媒にテトラ鎖状アルキル尿素又は環状アルキル尿素のみを使用すると、上記式(I)で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に得ることができない。
しかし、触媒として金属フッ化物を使用し、金属フッ化物とテトラ鎖状アルキル尿素及び環状アルキル尿素からなる群より選択される少なくとも1種とを使用することは、式(I)で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に得ることができ、金属フッ化物の使用量を減らせる点で好ましい。フッ化セシウム、及び、フッ化カリウムからなる群より選択される少なくとも1つの金属フッ化物とテトラ鎖状アルキル尿素及び環状アルキル尿素からなる群より選択される少なくとも1種とを使用することがより好ましい。
ヘキサフルオロプロピレンオキサイドと式(i)で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドとを反応させる際に使用する触媒は、金属フッ化物、テトラ鎖状アルキル尿素、環状アルキル尿素、3級アミン、3級ジアミン、及び、テトラアルキルアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種である。なかでも、式(I)で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に得ることができる点で、金属フッ化物が好ましく、フッ化セシウム及びフッ化カリウムからなる群より選択される少なくとも1つの金属フッ化物であることがより好ましい。また、金属フッ化物とテトラ鎖状アルキル尿素及び環状アルキル尿素からなる群より選択される少なくとも1種とを使用することも好ましく、フッ化セシウム及びフッ化カリウムからなる群より選択される少なくとも1つの金属フッ化物とテトラ鎖状アルキル尿素及び環状アルキル尿素からなる群より選択される少なくとも1種とを使用することがより好ましい。
上記金属フッ化物としては、アルカリ金属(1族)、アルカリ土類金属(2族)、11族の金属、12族の金属のフッ化物等が挙げられる。アルカリ金属(1族)のフッ化物としては、フッ化セシウム、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム等が好ましく挙げられ、アルカリ土類金属(2族)のフッ素化物としてはフッ化カルシウムが好ましく挙げられ、11族のフッ素化物としてはフッ化銀が挙げられる。上記金属フッ化物としては、アルカリ金属(1族)のフッ化物が好ましく選ばれ、フッ化セシウム及びフッ化カリウムからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく選ばれる。
上記テトラ鎖状アルキル尿素としては、テトラメチル尿素、テトラブチル尿素等が挙げられ、テトラメチル尿素が好ましく選ばれる。
上記環状アルキル尿素としては、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2−ピリミジノン等が挙げられる。
上記3級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン等が挙げられる。
上記3級ジアミンとしては、アルカンジイル鎖中に10個以下の炭素原子を有し、アルキル基中に6個以下の炭素原子を有する第3級テトラアルキル置換脂肪族ジアミン化合物、及び、ヘテロ環式ジアミン類が挙げられ、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラプロピルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルイソプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキシリデンジアミン、ビス(3−メチルピペリジノ)メタン、N,N’−ジメチルピペラジン等が挙げられる。
上記テトラアルキルアンモニウム塩としては、
一般式: NR
(式中、Rは、同一であるか又は異なって、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖を持つ炭化水素基を表し、Xはフッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。)で表されるものが入手の容易性などの点で好ましく選ばれる。
上記溶媒としては、非プロトン性極性溶媒が好ましく選ばれ、ニトリル系溶媒、ニトロ系溶媒、スルホキシド系溶媒、スルホン系溶媒、N,N−ジアルキル置換アミド系溶媒、及び、エーテル系溶媒からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく選ばれる。
上記エーテル系溶媒としては、グライム系化合物、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソール、クラウンエーテル類等が挙げられ、なかでも、グライム系化合物及びクラウンエーテル類からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく選ばれる。
上記グライム系化合物は、炭化水素系エーテル化合物であり、一般式RO(CHCHO)Rで表される(式中、Rは−C2p+1を示し、pは1〜5の整数を示し、qは1〜10の整数を示す。)。
上記グライム系化合物としては、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、モノエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル〔ジグライム〕、トリエチレングリコールジメチルエーテル〔トリグライム〕、テトラエチレングリコールジメチルエーテル〔テトラグライム〕、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられ、なかでも、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、及び、テトラエチレングリコールジメチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく選ばれる。
上記ニトリル系溶媒としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリル、アジポニトリル等が挙げられる。
上記ニトロ系溶媒としては、ニトロメタン、ニトロベンゼン等が挙げられる。
上記スルホキシド系溶媒としては、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
上記スルホン系溶媒としては、スルホラン等が挙げられる。
上記N,N−ジアルキル置換アミド系溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。
上記式(i)で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドは、公知の方法によって製造することができ、例えば、特開平2−4733号公報記載の製造方法によって製造できる。
本発明の製造方法において、反応温度は−30〜40℃であり、より好ましくは−20〜30℃であり、更に好ましくは−15〜20℃である。触媒系によって好適な温度範囲に差異があるが、反応温度が高すぎると、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドのオリゴマー化反応等の副反応が促進されるおそれがある。
上記触媒は、反応容器に投入するカルボニルフルオライドに対して100〜0.1モル%の割合で用いることが好ましく、より好ましくは100〜1モル%であり、反応容器に投入するフルオロエーテルカルボン酸フルオライドに対して30〜0.01モル%の割合で用いることが好ましく、より好ましくは20〜0.1モル%であり、更に好ましくは10〜0.5モル%である。触媒量が多すぎると経済的に不利となり、少なすぎるとヘキサフルオロプロピレンオキサイドのオリゴマー化反応等の副反応が促進されるおそれがある。上記触媒の使用量は、異なる2つ以上の触媒を同時に使用する場合は、それら合計の使用量である。
上記溶媒は、カルボニルフルオライド1質量部に対して100〜0.1質量部の割合で用いることが好ましく、50〜1質量部の割合で用いることがより好ましく、フルオロエーテルカルボン酸フルオライド1質量部に対して10〜0.01質量部の割合で用いることが好ましく、1〜0.1質量部の割合で用いることがより好ましい。溶媒量が多すぎると経済的に不利となり、少なすぎるとヘキサフルオロプロピレンオキサイドのオリゴマー化反応等の副反応が促進されるおそれがある。
上記溶媒、触媒等は再利用が可能である。再利用する場合は不足量を補うためにそれらを追加添加してもよい。
本発明の製造方法において、得られるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドの選択性の観点から、触媒がフッ化セシウム及び金属カリウムからなる群より選択される少なくとも1種の金属フッ化物であり、かつ、溶媒がジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル又はテトラエチレングリコールジメチルエーテルであることが好ましい。この好ましい態様において、反応温度は、−20〜5℃であることが好ましく、−15〜0℃であることがより好ましい。反応温度が高すぎるとヘキサフルオロプロピレンオキサイドのオリゴマー化反応等の副反応が促進されて選択性が低下するおそれがあり、反応温度が低すぎると反応速度が低下するおそれがある。
本発明の製造方法において、カルボニルフルオライドを出発原料として用いる場合、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドはカルボニルフルオライドに対して100〜500モル%を使用することが好ましく、より好ましくは100〜300モル%である。式(i)で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを出発原料として用いる場合、原料となるヘキサフルオロプロピレンオキサイドは、フルオロエーテルカルボン酸フルオライドに対して50〜500モル%を使用することが好ましく、より好ましくは50〜200モル%である。また、フルオロエーテルカルボン酸フルオライドを得るための反応は、反応条件にもよるが、例えば、1〜48時間行うことが好ましい。
ヘキサフルオロプロピレンオキサイドとカルボニルフルオライドとを反応させると、上記式(I)で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドの他に、下記式(i):
CFOCF(CF)COF (i)
で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドが生成する場合がある。この場合、式(i)で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを回収して、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドと回収したフルオロエーテルカルボン酸フルオライドとを反応させることによって、下記式(I):
CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COF (I)
で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に得ることもできる。
上記のような回収及び再利用が可能であることから、式(i)で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを生成する副反応が生じたとしても工業上のデメリットは小さいが、カルボニルフルオライドに対するヘキサフルオロプロピレンオキサイドの3分子以上の付加反応やヘキサフルオロプロピレンオキサイドのオリゴマー化といった副反応はできるだけ抑制することが好ましい。本発明の技術的意義は、特にこのような副反応を抑制できるところにある。
本発明の製造方法によれば、式(I)で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドの収率を40モル%以上、好ましくは50モル%以上とすることができ、選択率を40モル%以上、好ましくは50モル%以上とすることができる。
上記選択率は、反応により得られる下記一般式:
CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COF
(式中、nは0、1、2又は3を表す。)
で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライド、及び、下記一般式:
CFCFCFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COF
(式中、mは0、1又は2を表す。)
で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドの合計に対する式(I)で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドの割合(モル%)として求められる。
各フルオロエーテルカルボン酸フルオライドの割合は、島津製作所社製GC−14AのガスクロマトグラフィーにSE−30の3.0mのカラムを装着して、ガスクロマトグラフィー分析を行うことにより求める値である。
本発明の製造方法は、フルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に得る工程の後、フルオロエーテルカルボン酸フルオライドを回収する工程を含んでもよい。上記回収は、反応生成物が2相に分離している場合は上相と下相とを分液していずれかを回収する操作を含むものであってもよい。
本発明の製造方法は、回収したフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを蒸留する工程を含むものであってもよい。上記蒸留は、単蒸留であっても精留であってもよい。
本発明は、上記の製造方法により得られたフルオロエーテルカルボン酸フルオライドから下記一般式(II):
CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COOX (II)
で表されるフルオロエーテルカルボン酸を得る工程を含むフルオロエーテルカルボン酸の製造方法でもある。
上記Xは、1価の水素原子、アンモニウム基(NH)又はアルカリ金属原子を表す。アルカリ金属原子としては、Li、Na、K等が挙げられる。すなわち、得られるフルオロエーテルカルボン酸は、酸型であってもよいし、アンモニウム塩又はアルカリ金属塩であってもよい。
本発明のフルオロエーテルカルボン酸の製造方法は、式(I):
CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COF (I)
で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に得る工程、
得られたフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを回収する工程、
回収したフルオロエーテルカルボン酸フルオライドに水又は酸を接触させる工程、
所望によりアルカリ又はアンモニアで中和する工程、及び、
下記一般式(II):
CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COOX (II)
(式中、Xは水素原子、アンモニウム基又はアルカリ金属原子を表す。)
で表されるフルオロエーテルカルボン酸を回収する工程
を含むことが好ましい。
上記酸としては、塩酸、硫酸、又は、硝酸であることが好ましい。
上記アルカリとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又は、それらの水酸化物であることが好ましい。
本発明の製造方法は、回分式プロセス、半回分式プロセス、又は、連続式プロセスの何れのプロセスでも実施できる。式(I)で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドは、回分式プロセス、半回分式プロセス、又は、連続式プロセスの何れのプロセスによっても選択的に得ることができる。例えば、反応の進行に伴ってヘキサフルオロプロピレンを反応容器に添加する半回分式プロセスでの実施が可能である。また、原料を反応容器に投入し半回分式で反応させた後、得られたフルオロエーテルカルボン酸フルオライドのみを反応容器から回収し、再び原料を反応容器に投入するプロセスでの実施も好ましい態様の一つである。
本発明の製造方法により得られたフルオロエーテルカルボン酸は、界面活性剤として好適に用いることができる。上記界面活性剤は、上記一般式(II)で表されるフルオロエーテルカルボン酸を少なくとも1種含有するものであれば、界面活性剤として用いることができるが、フルオロエーテルカルボン酸を2種以上含有するものであってもよい。
上記フルオロエーテルカルボン酸からなる界面活性剤は、各種用途において、適度な界面活性能を発揮することができる。上記界面活性剤は、含フッ素ポリマーの製造等の用途に使用することができる。
上記界面活性剤は、水溶性の面から、塩の形で用いられることが好ましく、更に、加熱処理により容易に除去でき、樹脂中に残存しにくいという点で、アンモニウム塩が好ましい。
また、上記界面活性剤は、カルボン酸の形で用いることも好ましい。この場合、水中での界面活性が塩に比べ向上し、例えば同モル濃度での表面張力がカルボン酸の方が低くなり、その結果、重合に用いた場合、より安定で小さなポリマー粒子が得られる、得られたポリマーコロイドの安定性が高い、重合中の凝集物の発生が少なく、高濃度まで重合を行える等の利点がある。
上記フルオロエーテルカルボン酸は、また、水性媒体中で含フッ素モノマーの重合を行う工程を含むことを特徴とする含フッ素ポリマーの製造方法にも好適に使用できる。
上記含フッ素ポリマーの製造方法は、界面活性剤として、上記フルオロエーテルカルボン酸を少なくとも1種用いれば、含フッ素ポリマーを効率よく製造することが可能である。また、上記含フッ素ポリマーの製造方法において、界面活性剤として、上記フルオロエーテルカルボン酸を2種以上同時に用いてもよいし、揮発性を有するもの又は含フッ素ポリマーからなる成形体等に残存してもよいものであれば、上記フルオロエーテルカルボン酸以外のその他の界面活性能を有する化合物を同時に使用してもよい。上記その他の界面活性能を有する化合物としては、特に限定されるものではないが、公知のものを使用できる。また、上記含フッ素ポリマーの製造方法において、上記フルオロエーテルカルボン酸と、所望により用いるその他の界面活性能を有する化合物に加え、各化合物を安定化するため添加剤を使用することができる。上記添加剤としては連鎖移動剤、ラジカル補足剤、緩衝剤、乳化安定化剤、分散安定剤などを用いることができる。
上記含フッ素ポリマーの製造方法において、重合は、重合反応器に、水性媒体、上記フルオロエーテルカルボン酸、モノマー及び必要に応じて他の添加剤を仕込み、反応器の内容物を撹拌し、そして反応器を所定の重合温度に保持し、次に所定量の重合開始剤を加え、重合反応を開始することにより行う。重合反応開始後に、目的に応じて、モノマー、重合開始剤、連鎖移動剤及び上記フルオロエーテルカルボン酸等を追加添加してもよい。
上記重合において、通常、重合温度は、5〜120℃であり、重合圧力は、0.05〜10MPaGである。重合温度、重合圧力は、使用するモノマーの種類、目的とする含フッ素ポリマーの分子量、反応速度によって適宜決定される。
上記含フッ素ポリマーの製造方法において、重合開始時のpHを調整することが好ましく、例えば、pHを6以下、好ましくは5以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは3以下に調整することで、より安定なポリマーコロイドが得られる。
上記フルオロエーテルカルボン酸は、合計添加量で、水性媒体100質量%に対して0.0001〜10質量%の量を添加することが好ましい。より好ましい下限は0.001質量%であり、より好ましい上限は1質量%である。0.0001質量%未満であると、分散力が不充分となるおそれがあり、10質量%を超えると、添加量に見合った効果が得られず、却って重合速度の低下や反応停止が起こるおそれがある。上記化合物の添加量は、使用するモノマーの種類、目的とする含フッ素ポリマーの分子量等によって適宜決定される。
上記重合開始剤としては、上記重合温度範囲でラジカルを発生しうるものであれば特に限定されず、公知の油溶性及び/又は水溶性の重合開始剤を使用することができる。更に、還元剤等と組み合わせてレドックスとして重合を開始することもできる。上記重合開始剤の濃度は、モノマーの種類、目的とする含フッ素ポリマーの分子量、反応速度によって適宜決定される。
上記水性媒体は、重合を行わせる反応媒体であって、水を含む液体を意味する。上記水性媒体は、水を含むものであれば特に限定されず、水と、例えば、アルコール、エーテル、ケトン等のフッ素非含有有機溶媒、及び/又は、沸点が40℃以下であるフッ素含有有機溶媒とを含むものであってもよい。例えば、懸濁重合を行うとき、C318等のフッ素含有有機溶媒を用いることができる。
上記重合において、更に、目的に応じて、公知の連鎖移動剤、ラジカル捕捉剤を添加し、重合速度、分子量の調整を行うこともできる。
上記含フッ素ポリマーの製造方法は、また、上記フルオロエーテルカルボン酸の存在下に水性媒体中においてモノマーを乳化重合して水性乳濁液(シードディスパージョン)を得る工程、及び、上記水性乳濁液(シードディスパージョン)の存在下にモノマーを乳化重合(シード重合)する工程を含むものであってもよい。
上記含フッ素ポリマーは、フッ素含有モノマーを重合することにより得られるものであり、目的に応じて、フッ素非含有モノマーを共重合させるものであってもよい。
上記含フッ素モノマーとしては、フルオロオレフィン、好ましくは炭素原子2〜10個を有するフルオロオレフィン;環式のフッ素化された単量体;式CY=CYOR又はCY=CYOROR(Yは、H又はFであり、R及びRは、水素原子の一部又は全てがフッ素原子で置換されている炭素数1〜8のアルキル基であり、Rは水素原子の一部又は全てがフッ素原子で置換されている炭素数1〜8のアルキレン基である。)で表されるフッ素化アルキルビニルエーテル等が挙げられる。
上記フルオロオレフィンは、好ましくは、炭素原子2〜6個を有するものである。上記炭素原子2〜6個を有するフルオロオレフィンとしては、例えば、テトラフルオロエチレン[TFE]、ヘキサフルオロプロピレン[HFP]、クロロトリフルオロエチレン[CTFE]、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン[VDF]、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブチレン及びパーフルオロブチルエチレン等が挙げられる。上記環式のフッ素化されたモノマーとしては、好ましくは、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール[PDD]、パーフルオロ−2−メチレン−4−メチル−1,3−ジオキソラン[PMD]等が挙げられる。
上記フッ素化アルキルビニルエーテルにおいて、上記R及びRは、好ましくは、炭素原子1〜4個を有するものであり、より好ましくは水素原子の全てがフッ素によって置換されているものであり、上記Rは、好ましくは、炭素原子2〜4個を有するものであり、より好ましくは、水素原子の全てがフッ素原子によって置換されているものである。
上記フッ素非含有モノマーとしては、上記フッ素含有モノマーと反応性を有する炭化水素系モノマー等が挙げられる。上記炭化水素系モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のアルケン類;エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、吉草酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、パラ−t−ブチル安息香酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、モノクロル酢酸ビニル、アジピン酸ビニル、アクリル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、桂皮酸ビニル、ウンデシレン酸ビニル、ヒドロキシ酢酸ビニル、ヒドロキシプロピオイン酸ビニル、ヒドロキシ酪酸ビニル、ヒドロキシ吉草酸ビニル、ヒドロキシイソ酪酸ビニル、ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸ビニル等のビニルエステル類;エチルアリルエーテル、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、イソブチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル等のアルキルアリルエーテル類;エチルアリルエステル、プロピルアリルエステル、ブチルアリルエステル、イソブチルアリルエステル、シクロヘキシルアリルエステル等のアルキルアリルエステル類等が挙げられる。
上記フッ素非含有モノマーとしては、また、官能基含有炭化水素系モノマーであってもよい。上記官能基含有炭化水素系モノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類;イタコン酸、コハク酸、無水コハク酸、フマル酸、無水フマル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ブテン酸等のカルボキシル基を有するフッ素非含有モノマー;グリシジルビニルエーテル、グリシジルアリルエーテル等のグリシジル基を有するフッ素非含有モノマー;アミノアルキルビニルエーテル、アミノアルキルアリルエーテル等のアミノ基を有するフッ素非含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、メチロールアクリルアミド等のアミド基を有するフッ素非含有モノマー等が挙げられる。
上記含フッ素ポリマーの製造方法により好適に製造される含フッ素ポリマーとして、ポリマーにおけるモノマーのモル分率が最も多いモノマー(以下、「最多単量体」)がTFEであるTFE重合体、最多単量体がVDFであるVDF重合体、及び、最多単量体がCTFEであるCTFE重合体等が挙げられる。
TFE重合体としては、好適には、TFE単独重合体であってもよいし、(1)TFE、(2)炭素原子2〜8個を有する1つ又は2つ以上のTFE以外のフッ素含有モノマー、特にHFP若しくはCTFE、及び、(3)その他のモノマーからなる共重合体であってもよい。上記(3)その他のモノマーとしては、例えば、炭素原子1〜5個、特に炭素原子1〜3個を有するアルキル基を持つフルオロ(アルキルビニルエーテル);フルオロジオキソール;パーフルオロアルキルエチレン;ω―ヒドロパーフルオロオレフィン等が挙げられる。
TFE重合体としては、また、TFEと、1つ又は2つ以上のフッ素非含有モノマーとの共重合体であってもよい。上記フッ素非含有モノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン等のアルケン類;ビニルエステル類;ビニルエーテル類が挙げられる。TFE重合体としては、また、TFEと、炭素原子2〜8個を有する1つ又は2つ以上のフッ素含有モノマーと、1つ又は2つ以上のフッ素非含有モノマーとの共重合体であってもよい。
VDF重合体としては、好適には、VDF単独重合体[PVDF]であってもよいし、(1)VDF、(2)炭素原子2〜8個を有する1つ又は2つ以上のVDF以外のフルオロオレフィン、特にTFE、HFP若しくはCTFE、及び、(3)炭素原子1〜5個、特に炭素原子1〜3個を有するアルキル基を持つパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)からなる共重合体等であってもよい。
CTFE重合体としては、好適には、CTFE単独重合体であってもよいし、(1)CTFE、(2)炭素原子2〜8個を有する1つ又は2つ以上のCTFE以外のフルオロオレフィン、特にTFE若しくはHFP、及び、(3)炭素原子1〜5個、特に炭素原子1〜3個を有するアルキル基を持つパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)からなる共重合体であってもよい。
CTFE重合体としては、また、CTFEと、1つ又は2つ以上のフッ素非含有モノマーとの共重合体であってもよく、上記フッ素非含有モノマーとしては、エチレン、プロピレン等のアルケン類;ビニルエステル類;ビニルエーテル類等が挙げられる。
上記含フッ素ポリマーの製造方法により製造される含フッ素ポリマーは、ガラス状、可塑性又はエラストマー性であり得る。これらのものは非晶性又は部分的に結晶性であり、圧縮焼成加工、溶融加工又は非溶融加工に供することができる。
上記含フッ素ポリマーの製造方法では、例えば、(A)非溶融加工性樹脂として、テトラフルオロエチレン重合体[TFE重合体]が、(B)溶融加工性樹脂として、エチレン/TFE共重合体[ETFE]、TFE/HFP共重合体[FEP]及びTFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体[PFA、MFA等]が、(C)エラストマー性共重合体として、TFE/プロピレン共重合体、TFE/プロピレン共重合体/第3モノマー共重合体(上記第3モノマーは、VDF、HFP、CTFE、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類等)、TFEとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類とからなる共重合体;HFP/エチレン共重合体、HFP/エチレン/TFE共重合体;PVDF;VDF/HFP共重合体、HFP/エチレン共重合体、VDF/TFE/HFP共重合体等の熱可塑性エラストマー;及び、特公昭61−49327号公報に記載の含フッ素セグメント化ポリマー等が好適に製造されうる。
上記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)は、式:
Rf(OCFQCFk1(OCRCFCFk2(OCFk3OCF=CF
(式中、Rfは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基を表す。k1、k2及びk3は、同一又は異なっていてもよい0〜5の整数である。Q、Q及びRは、同一又は異なって、F若しくはCFである。)で表されるものである。
上記含フッ素ポリマーは、コアシェル構造を有していてもよい。コアシェル構造を有する含フッ素ポリマーとしては、例えば、粒子中に高分子量のPTFEのコアと、より低分子量のPTFE又は変性のPTFEシェルとを含む変性PTFEが挙げられる。このような変性PTFEとしては、例えば、特表2005−527652号公報に記載されるPTFEが挙げられる。
上記含フッ素ポリマーの製造方法により好適に製造される上述の(A)非溶融加工性樹脂、(B)溶融加工性樹脂及び(C)エラストマー性重合体は、以下の態様で製造することが好ましい。
(A)非溶融加工性樹脂
上記含フッ素ポリマーの製造方法において、TFEの重合は、通常、重合温度10〜100℃、重合圧力0.05〜5MPaGにて行われる。
上記重合は、攪拌機を備えた耐圧の反応容器に純水及び上記フルオロエーテルカルボン酸を仕込み、脱酸素後、TFEを仕込み、所定の温度にし、重合開始剤を添加して反応を開始する。反応の進行とともに圧力が低下するので、初期圧力を維持するように、追加のTFEを連続的又は間欠的に追加供給する。所定量のTFEを供給した時点で、供給を停止し、反応容器内のTFEをパージし、温度を室温に戻して反応を終了する。
上記TFE重合体の製造において、知られている各種変性モノマーを併用することもできる。本明細書において、テトラフルオロエチレン重合体[TFE重合体]は、TFE単独重合体のみならず、TFEと変性モノマーとの共重合体であって、非溶融加工性であるもの(以下、「変性PTFE」という。)をも含む概念である。
上記変性モノマーとしては、例えば、HFP、CTFE等のパーハロオレフィン;炭素原子1〜5個、特に炭素原子1〜3個を有するアルキル基を持つフルオロ(アルキルビニルエーテル);フルオロジオキソール等の環式のフッ素化された単量体;パーハロアルキルエチレン;ω―ヒドロパーハロオレフィン等が挙げられる。変性モノマーの供給は、目的や、TFEの供給に応じて、初期一括添加、又は、連続的若しくは間欠的に分割添加を行うことができる。
変性PTFE中の変性モノマー含有率は、通常、0.001〜2モル%の範囲である。
上記TFE重合体の製造において、上述のフルオロエーテルカルボン酸は、上述した上記含フッ素ポリマーの製造方法における使用範囲で用いることができるが、通常、水性媒体の0.0001〜2質量%の量を添加する。上記フルオロエーテルカルボン酸の濃度は、上記範囲であれば特に限定されないが、通常、重合開始時に臨界ミセル濃度(CMC)以下で添加される。添加量が多いとアスペクト比の大きい針状粒子が生成し、水性分散体がゲル状となり安定性が損なわれる。
上記TFE重合体の製造において、重合開始剤としては、過硫酸塩(例えば、過硫酸アンモニウム)や、ジコハク酸パーオキシド、ジグルタル酸パーオキシド等の有機過酸化物を、単独で又はこれらの混合物の形で使用することができる。また、亜硫酸ナトリウム等の還元剤と共用し、レドックス系にして用いてもよい。更に、重合中に、ヒドロキノン、カテコール等のラジカル捕捉剤、又は、亜硫酸アンモニウム等のパーオキサイドの分解剤を添加し、系内のラジカル濃度を調整することもできる。
上記TFE重合体の製造において、連鎖移動剤としては、公知のものが使用できるが、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン等の飽和炭化水素、クロロメタン、ジクロロメタン、ジフルオロエタン等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノール等のアルコール類、水素等が挙げられるが、常温常圧で気体状態のものが好ましい。
上記連鎖移動剤の使用量は、通常、供給されるTFE全量に対して、1〜1000ppmであり、好ましくは1〜500ppmである。
上記TFE重合体の製造において、更に、反応系の分散安定剤として、実質的に反応に不活性であって、上記反応条件で液状となる炭素数が12以上の飽和炭化水素を、水性媒体100質量部に対して2〜10質量部で使用することもできる。また、反応中のpHを調整するための緩衝剤として、炭酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等を添加してもよい。
上記TFE重合体の重合が終了した時点で、固形分濃度が30〜70質量%、平均粒子径が50〜500nm、の水性分散体を得ることができる。上記水性分散体は、上記フルオロエーテルカルボン酸、及び、含フッ素ポリマーを含有する。また、上記フルオロエーテルカルボン酸を使用することによって0.3μm以下の微小粒子径のTFE重合体からなる粒子を有する水性分散体を得ることができる。上記重合終了時のTFE重合体は、数平均分子量1,000〜10,000,000のものである。
上記TFE重合体の水性分散体は、凝析、洗浄、乾燥を経てファインパウダーとしてもよく、このファインパウダーは各種用途に使用することができる。上記TFE重合体の水性分散液に対して凝析を行う場合、通常、ポリマーラテックス等の乳化重合により得た水性分散体を、水を用いて10〜20質量%のポリマー濃度になるように希釈し、場合によっては、pHを中性又はアルカリ性に調整した後、撹拌機付きの容器中で反応中の撹拌よりも激しく撹拌して行う。上記凝析は、メタノール、アセトン等の水溶性有機化合物、硝酸カリウム、炭酸アンモニウム等の無機塩や、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸等を凝析剤として添加しながら撹拌を行ってもよい。上記凝析は、また、インラインミキサー等を使用して連続的に行ってもよい。
上記凝析前や凝析中に、着色のための顔料や機械的性質を改良するための各種充填剤を添加することにより、顔料や充填剤が均一に混合した顔料入り又は充填剤入りのTFE重合体ファインパウダーを得ることができる。
上記TFE重合体の水性分散体を凝析して得られた湿潤粉末の乾燥は、通常、上記湿潤粉末をあまり流動させない状態、好ましくは静置の状態を保ちながら、真空、高周波、熱風等の手段を用いて行う。粉末同士の、特に高温での摩擦は、一般にファインパウダー型のTFE重合体に好ましくない影響を与える。これは、この種のTFE重合体からなる粒子が小さな剪断力によっても簡単にフィブリル化して、元の安定な粒子構造の状態を失う性質を持っているからである。
上記乾燥は、10〜250℃、好ましくは100〜200℃の乾燥温度で行う。
得られるTFE重合体ファインパウダーは、成形用として好ましく、好適な用途としては、航空機及び自動車等の油圧系、燃料系のチューブ等が挙げられ、薬液、蒸気等のフレキシブルホース、電線被覆用途等が挙げられる。
上記重合により得られたTFE重合体の水性分散体は、また、ノニオン性界面活性剤を加えることにより、安定化して更に濃縮し、目的に応じ、有機又は無機の充填剤を加えた組成物として各種用途に使用することも好ましい。上記組成物は、金属又はセラッミクスからなる基材上に被覆することにより、非粘着性と低摩擦係数を有し、光沢や平滑性、耐摩耗性、耐候性及び耐熱性に優れた塗膜表面とすることができ、ロールや調理器具等の塗装、ガラスクロスの含浸加工等に適している。
上記TFE重合体の水性分散体又は上記TFE重合体ファインパウダーは、加工助剤として使用することも好ましい。加工助剤として使用する場合、上記水性分散体又は上記ファインパウダーをホストポリマー等に混合することにより、ホストポリマー溶融加工時の溶融強度向上や、得られたポリマーの機械的強度、電気特性、難燃性、滴下防止性、摺動性を向上することができる。
上記TFE重合体の水性分散体又は上記TFE重合体ファインパウダーは、電池用結着剤として使用することも好ましい。
上記TFE重合体の水性分散体又は上記TFE重合体ファインパウダーは、また、TFE重合体以外の樹脂と複合させてから加工助剤として使用することも好ましい。上記水性分散体又は上記ファインパウダーは、例えば、特開平11−49912号公報、特開2003−24693号公報、米国特許第5804654号明細書、特開平11−29679号公報、特開2003−2980号公報に記載されたPTFEの原料として好適である。上記水性分散体又は上記ファインパウダーを使用した加工助剤は、上記各刊行物に記載された加工助剤に比べてもなんら劣るものではない。
上記TFE重合体の水性分散体は、熱溶融加工性フッ素樹脂の水性分散液と混合して凝析させることにより、共凝析粉末とすることも好ましい。上記共凝析粉末は、加工助剤として好適である。
上記熱溶融加工性フッ素樹脂としては、例えば、FEP、PFA、ETFE、EFEP等が挙げられるが、中でもFEPが好ましい。
上記共凝析粉末を添加するフッ素非含有樹脂は、パウダー状であってもよいし、ペレット状であってもよいし、エマルションであってもよい。上記添加は、各樹脂を充分に混合する点で、押出混練、ロール混練等の公知の方法により剪断力を与えながら行うことが好ましい。
上記TFE重合体の水性分散体は、塵埃抑制処理剤として使用することも好ましい。上記塵埃抑制処理剤は、発塵性物質と混合し、該混合物に20〜200℃の温度で圧縮−せん断作用を施すことによりTFE重合体をフィブリル化して発塵性物質の塵埃を抑制する方法、例えば特許第2827152号、特許第2538783号等の方法において、用いることができる。上記TFE重合体の水性分散体は、例えば、国際公開第2007/004250号パンフレットに記載の塵埃抑制処理剤組成物に好適に用いることができ、国際公開第2007/000812号パンフレットに記載の塵埃抑制処理方法にも好適に用いることができる。
上記塵埃抑制処理剤は、建材分野、土壌安定材分野、固化材分野、肥料分野、焼却灰及び有害物質の埋立処分分野、防爆分野、化粧品分野等の塵埃抑制処理に好適に用いられる。
上記TFE重合体の水性分散体は、分散紡糸法(Dispersion Spinning method)によりTFE重合体繊維を得る原料として使用することも好ましい。上記分散紡糸法とは、上記TFE重合体の水性分散体とマトリックス高分子の水性分散体とを混合し、当該混合物を押出加工して中間体繊維構造物を形成し、該中間体繊維構造物を焼成することによって上記マトリックス高分子を分解及びTFE重合体粒子の焼結を行ってTFE重合体繊維を得る方法である。
上述のフルオロエーテルカルボン酸を用いて高分子量PTFEを製造することもできる。乳化重合により得られる高分子量PTFE粉末は、PTFE多孔体(膜)の原料としても有用である。例えば高分子量PTFE粉末をペースト押出し圧延後、未焼成又は半焼成し、少なくとも1方向に延伸して(好ましくは、圧延方向にロール延伸し次いでテンターにより幅方向に延伸して)、PTFE多孔体(膜)を得ることができる。延伸することによりPTFEは容易にフィブリル化し、結節と繊維からなるPTFE多孔体(膜)となる。
この多孔体(膜)は、各種フィルターとして有用であり、薬液フィルターとして、特にエアフィルター濾材として好ましく使用できる。
上述のフルオロエーテルカルボン酸を用いて、低分子量PTFEを製造することもできる。低分子量PTFEは、重合により製造しても良いし、重合で得られた高分子量PTFEを公知の方法(熱分解、放射線照射分解等)で低分子量化して製造することもできる。
分子量60万以下の低分子量PTFE(PTFEマイクロパウダーとも呼ばれる)は、化学的安定性に優れ、表面エネルギーが極めて低いことに加え、フィブリル化が生じにくいので、滑り性や塗膜表面の質感を向上させることなどを目的とした添加剤として、プラスチック、インク、化粧品、塗料、グリース、オフィスオートメーション機器部材、トナー等の製造に好適である(例えば、特開平10−147617号公報参照。)。
また、更に連鎖移動剤の存在下、水性媒体中に重合開始剤及び乳化剤として上述のフルオロエーテルカルボン酸を分散させ、TFE、又は、TFEと共重合し得るモノマーとTFEを重合させることによって、低分子量PTFEを得てもよい。
乳化重合により得られる低分子量PTFEを粉末として用いる場合、上記水性分散液を凝析させることで粉末粒子とすることができる。
上述のフルオロエーテルカルボン酸を用いて得られたPTFEファインパウダーから、未焼成テープ(生テープ)を得ることもできる。
上記凝析、又は、洗浄により発生した廃水、及び/又は、乾燥工程で発生するオフガスから、上記一般式(II)で表される1種又は2種以上のフルオロエーテルカルボン酸を回収し、精製する工程を含む方法により再生フルオロエーテルカルボン酸を製造してもよい。上記回収、及び、精製を行う方法としては特に限定されるものではないが、公知の方法により行うことができる。
(B)溶融加工性樹脂
(1)上記含フッ素ポリマーの製造方法において、FEPの重合は、重合温度60〜100℃、重合圧力0.7〜4.5MPaGにて行うことが好ましい。
FEPの好ましい単量体組成(質量%)は、TFE:HFP=(60〜95):(5〜40)、より好ましくは(85〜90):(10〜15)である。上記FEPとしては、また、更に第3成分としてパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類を用い、全単量体の0.5〜2質量%である範囲内で変性させたものであってもよい。
上記FEPの重合において、上記フルオロエーテルカルボン酸は、上記含フッ素ポリマーの製造方法における使用範囲で用いることができるが、通常、水性媒体100質量%に対して0.0001〜2質量%の量を添加する。
上記FEPの重合において、連鎖移動剤としては、シクロヘキサン、メタノール、エタノール、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチル等を使用することが好ましく、pH緩衝剤としては、炭酸アンモニウム、燐酸水素二ナトリウム等を使用することが好ましい。
(2)上記含フッ素ポリマーの製造方法において、PFA、MFA等のTFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体の重合は、通常、重合温度60〜100℃、重合圧力0.7〜2.5MpaGで行うことが好ましい。
TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体の好ましい単量体組成(モル%)は、TFE:パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)=(95〜99.7):(0.3〜5)、より好ましくは(97〜99):(1〜3)である。上記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、式:CF=CFORf(式中、Rfは炭素数1〜6のパーフルオロアルキル基)で表されるものを使用することが好ましい。
上記TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体の重合において、上述のフルオロエーテルカルボン酸は、上記含フッ素ポリマーの製造方法における使用範囲で用いることができるが、通常、水性媒体100質量%に対して0.0001〜10質量%の量で添加することが好ましい。
上記TFE/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体の重合において、連鎖移動剤としてシクロヘキサン、メタノール、エタノール、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチル、メタン、エタン等を使用することが好ましく、pH緩衝剤として、炭酸アンモニウム、燐酸水素二ナトリウム等を使用することが好ましい。
(3)上記含フッ素ポリマーの製造方法において、ETFEの重合は、重合温度20〜100℃、重合圧力0.5〜0.8MPaGで行うことが好ましい。
ETFEの好ましい単量体組成(モル%)は、TFE:エチレン=(50〜99):(50〜1)である。上記ETFEとしては、また、更に第3モノマーを用い、全単量体の0〜20質量%である範囲内で変性させたものであってもよい。好ましくは、TFE:エチレン:第3モノマー=(63〜94):(27〜2):(4〜10)である。上記第3モノマーとしては、パーフルオロブチルエチレン、パーフルオロブチルエチレン、2,3,3,4,4,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンテン(CH=CFCFCFCFH)、2−トリフルオロメチル−3,3,3−トリフルオロプロペン((CFC=CH)が好ましい。
上記ETFEの重合において、上述のフルオロエーテルカルボン酸は、上記含フッ素ポリマーの製造方法における使用範囲で用いることができるが、通常、水性媒体100質量%に対して0.0001〜2質量%の量で添加する。
上記ETFEの重合において、連鎖移動剤として、シクロヘキサン、メタノール、エタノール、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチル等を使用することが好ましい。
(4)上記含フッ素ポリマーの製造方法を使用して、電解質ポリマー前駆体を製造することもできる。上記含フッ素ポリマーの製造方法において、電解質ポリマー前駆体の重合は、重合温度20〜100℃、重合圧力0.3〜2.0MPaGで行うことが好ましい。電解質ポリマー前駆体とは、下記に示すようなビニルエーテルモノマーからなり、加水分解処理を経てイオン交換性ポリマーに変換しうるものである。
電解質ポリマー前駆体に用いられるビニルエーテルモノマーとしては、下記一般式(IV):
CF=CF−O−(CFCFY−O)−(CFY−A (IV)
(式中、Yは、フッ素原子、塩素原子又はパーフルオロアルキル基を表す。yは、0〜3の整数を表す。y個のYは、同一であってもよいし異なっていてもよい。Yは、フッ素原子又は塩素原子を表す。xは、1〜5の整数を表す。x個のYは、同一であってもよいし異なっていてもよい。Aは、−SO及び/又は−COZを表す。Xは、ハロゲン原子を表す。Zは、炭素数1〜4のアルコキシル基を表す。)で表される含フッ素モノマーを挙げることができる。電解質ポリマー前駆体の好ましい単量体組成(モル%)は、TFE:ビニルエーテル=(50〜93):(50〜7)である。
上記電解質ポリマー前駆体は、全単量体の0〜20質量%である範囲内で第3モノマーで変性させたものであってもよい。第3モノマーとしては、CTFE、フッ化ビニリデン、パーフルオロアルキルビニルエーテル、ジビニルベンゼン等の多官能モノマー等を挙げることができる。
このようにして得られた電解質ポリマー前駆体は、例えば膜状に成形した後、アルカリ溶液による加水分解及び、鉱酸による処理を経て、高分子電解質膜として燃料電池等に使用することができる。
上述した方法により得た溶融加工性樹脂は、紡糸延伸方法により溶融加工性樹脂繊維を得る原料として使用することも好ましい。上記紡糸延伸方法とは、溶融加工性樹脂を溶融紡糸してから冷却固化して未延伸糸を得た後、該未延伸糸を加熱筒状体中を走行させて延伸することにより溶融加工性樹脂繊維を得る方法である。
上記溶融加工性樹脂の水性分散体又は上記溶融加工性樹脂は、電池用結着剤として使用することも好ましい。
(C)エラストマー性重合体
上記含フッ素ポリマーの製造方法において、エラストマー性重合体の重合は、攪拌機を備えた耐圧の反応容器に純水及び上記フルオロエーテルカルボン酸を仕込み、脱酸素後、モノマーを仕込み、所定の温度にし、重合開始剤を添加して、反応を開始する。反応の進行とともに圧力が低下するので、初期圧力を維持するように、追加のモノマーを連続的又は間欠的に追加供給する。所定量のモノマーを供給した時点で、供給を停止し、反応容器内のモノマーをパージし、温度を室温に戻して反応を終了する。乳化重合する場合、ポリマーラテックスを連続的に反応容器より取り出すことが好ましい。
特に、熱可塑性エラストマーを製造する場合、国際公開第00/01741号パンフレットに開示されているように、一旦含フッ素ポリマー微粒子を高い濃度で合成してから希釈して更に重合を行うことで、通常の重合に比べて、最終的な重合速度を速くできる方法を使用することも可能である。
上記エラストマー性重合体の重合は、目的とするポリマーの物性、重合速度制御の観点から適宜条件を選択するが、重合温度は通常−20〜200℃、好ましくは5〜150℃、重合圧力は通常0.5〜10MPaG、好ましくは1〜7MPaGにて行われる。また、重合媒体中のpHは、公知の方法等により、後述するpH調整剤等を用いて、通常2.5〜9に維持することが好ましい。
上記エラストマー性重合体の重合に用いるモノマーとしては、フッ化ビニリデンの他に、炭素原子と少なくとも同数のフッ素原子を有しフッ化ビニリデンと共重合し得る含フッ素エチレン性不飽和モノマーが挙げられる。上記含フッ素エチレン性不飽和モノマーとしては、トリフルオロプロペン、ペンタフルオロプロペン、へキサフルオロブテン、オクタフルオロブテンが挙げられる。なかでも、へキサフルオロプロペンは、それが重合体の結晶成長を遮断した場合に得られるエラストマーの特性のために特に好適である。上記含フッ素エチレン性不飽和モノマーとしては、また、トリフルオロエチレン、TFE及びCTFE等が挙げられるし、1種若しくは2種以上の塩素及び/又は臭素置換基をもった含フッ素モノマーを用いることもできる。パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、例えばパーフルオロ(メチルビニルエーテル)も用いることができる。TFE及びHFPは、エラストマー性重合体を製造するのに好ましい。
エラストマー性重合体の好ましい単量体組成(質量%)は、フッ化ビニリデン:HFP:TFE=(20〜70):(30〜48):(0〜32)である。この組成のエラストマー性重合体は、良好なエラストマー特性、耐薬品性、及び、熱的安定性を示す。
上記エラストマー性重合体の重合において、上述のフルオロエーテルカルボン酸は、上記含フッ素ポリマーの製造方法における使用範囲で用いることができるが、通常、水性媒体100質量%に対して0.0001〜2質量%の量で添加する。
上記エラストマー性重合体の重合において、重合開始剤としては、公知の無機ラジカル重合開始剤を使用することができる。上記無機ラジカル重合開始剤としては、従来公知の水溶性無機過酸化物、例えば、ナトリウム、カリウム及びアンモニウムの過硫酸塩、過リン酸塩、過硼酸塩、過炭素塩又は過マンガン酸塩が特に有用である。上記ラジカル重合開始剤は、更に、還元剤、例えば、ナトリウム、カリウム又はアンモニウムの亜硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、ハイポ亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩若しくはハイポ亜リン酸塩により、又は、容易に酸化される金属化合物、例えば第一鉄塩、第一銅塩若しくは銀塩により、更に活性化することができる。好適な無機ラジカル重合開始剤は、過硫酸アンモニウムであり、過硫酸アンモニウムと重亜硫酸ナトリウムと共にレドックス系において使用することが、より好ましい。
上記重合開始剤の添加濃度は、目的とする含フッ素ポリマーの分子量や、重合反応速度によって適宜決定されるが、モノマー全量100質量%に対して0.0001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%の量に設定する。
上記エラストマー性重合体の重合において、連鎖移動剤としては、公知のものを使用することができるが、PVDFの重合では、炭化水素、エステル、エーテル、アルコール、ケトン、塩素化合物、カーボネート等を用いることができ、熱可塑性エラストマーでは、炭化水素、エステル、エーテル、アルコール、塩素化合物、ヨウ素化合物等を用いることができる。なかでも、PVDFの重合では、アセトン、イソプロピルアルコールが好ましく、熱可塑性エラストマーの重合では、イソペンタン、マロン酸ジエチル及び酢酸エチルは、反応速度が低下しにくいという観点から好ましく、I(CFI、I(CFI、ICHI等のジヨウ素化合物は、ポリマー末端のヨウ素化が可能で、反応性ポリマーとして使用できる観点から好ましい。
上記連鎖移動剤の使用量は、供給されるモノマー全量に対して、通常0.5×10−3〜5×10−3モル%、好ましくは1.0×10−3〜3.5×10−3モル%であることが好ましい。
上記エラストマー性重合体の重合において、PVDFの重合では、乳化安定剤としてパラフィンワックス等を好ましく用いることができ、熱可塑性エラストマーの重合では、pH調整剤として、リン酸塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を好ましく用いることができる。
上記含フッ素ポリマーの製造方法によって得られるエラストマー性重合体は、重合が終了した時点で、固形分濃度が10〜40質量%、平均粒子径が0.03〜1μm、好ましくは0.05〜0.5μm、数平均分子量が1,000〜2,000,000のものである。
上記含フッ素ポリマーの製造方法によって得られるエラストマー性重合体は、必要に応じて、炭化水素系界面活性剤等の分散安定剤の添加、濃縮等をすることにより、ゴム成形加工に適したディスパージョンにすることができる。上記ディスパージョンは、pH調節、凝固、加熱等を行い処理される。各処理は次のように行われる。
上記pH調節は、硝酸、硫酸、塩酸若しくはリン酸等の鉱酸、及び/又は、炭素数5以下でpK=4.2以下のカルボン酸等を加え、pHを2以下とすることからなる。
上記凝固は、アルカリ土類金属塩を添加することにより行われる。上記アルカリ土類金属塩としては、カルシウム又はマグネシウムの硝酸塩、塩素酸塩及び酢酸塩が挙げられる。
上記pH調節及び上記凝固は、いずれを先に行ってもよいが、先にpH調節を行うことが好ましい。
各操作の後、エラストマーと同容量の水で洗浄を行い、エラストマー内に存在する少量の緩衝液や塩等の不純物を除去し、乾燥を行う。乾燥は、通常、乾燥炉内で、高温下、空気を循環させながら、約70〜200℃で行われる。
上記含フッ素ポリマーは、通常、上記重合を行うことにより得られる水性分散体の10〜50質量%の濃度である。上記水性分散体中において、含フッ素ポリマーの濃度の好ましい下限は10質量%、より好ましい下限は15質量%、好ましい上限は40質量%、より好ましい上限は35質量%、更に好ましい上限は30質量%である。
上記重合を行うことにより得られる水性分散体は、濃縮するか又は分散安定化処理してディスパージョンとしてもよいし、凝析又は凝集に供して回収し乾燥して得られる粉末その他の固形物としてもよい。
上記フルオロエーテルカルボン酸は、重合により得られた含フッ素ポリマーを水性媒体に分散させるための分散剤としても、好適に用いることができる。
上記水性分散体は、含フッ素ポリマーからなる粒子と、上記フルオロエーテルカルボン酸と、水性媒体を含有するものである。上記水性分散体は、上記フルオロエーテルカルボン酸の存在下、含フッ素ポリマーからなる粒子が水性媒体中に分散しているものである。
上記フルオロエーテルカルボン酸は、上記水性分散体の0.0001〜15質量%であることが好ましい。0.0001質量%未満であると、分散安定性に劣る場合があり、15質量%を超えると、存在量に見合った分散効果がなく実用的でない。上記フルオロエーテルカルボン酸のより好ましい下限は0.001質量%であり、より好ましい上限は10質量%であり、更に好ましい上限は2質量%である。
上記水性分散体は、上述した重合を行うことにより得られる水性分散体、この水性分散体を濃縮するか又は分散安定化処理して得られるディスパージョン、及び、含フッ素ポリマーからなる粉末を、上記フルオロエーテルカルボン酸の存在下に水性媒体に分散させたものの何れであってもよい。
上記水性分散体を製造する方法としてはまた、上記重合により得られた水性分散体を、ノニオン界面活性剤の存在下に、陰イオン交換樹脂と接触させる工程(A)と、工程(A)で得られた水性分散体を、固形分濃度が水性分散体100質量%に対して30〜70質量%となるように濃縮する工程(B)により精製水性分散体を製造することもできる。
ノニオン界面活性剤は、特に限定されるものではないが、公知のものを使用できる。上記陰イオン交換樹脂は、特に限定されるものではないが、公知のものを用いることができる。また、上記陰イオン交換樹脂と接触させる方法は、公知の方法を用いることができる。
上記濃縮の方法としては公知の方法が採用され、例えば相分離、電気濃縮、限外ろ過等が挙げられる。上記濃縮は、用途に応じて、含フッ素ポリマー濃度を30〜70質量%に濃縮することができる。濃縮によりディスパージョンの安定性が損なわれることがあるが、その場合は更に分散安定剤を添加してもよい。上記分散安定剤としては、上記フルオロエーテルカルボン酸や、その他の各種の界面活性剤を添加してもよい。上記各種の分散安定剤としては、例えば、ポリオキシアルキルエーテル等のノニオン界面活性剤、特に、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(例えばローム&ハース社製のトライトンX−100(商品名))、ポリオキシエチレンイソトリデシルエーテル(例えば第一工業製薬社製のノイゲンTDS80C(商品名)、ライオン社製のレオコールTD90D(商品名)、クラリアント社製のゲナポールX080(商品名))、ポリオキシエチレンエーテル類が挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
上記分散安定剤の総量は、上記ディスパージョンの固形分に対し0.5〜20質量%の濃度である。0.5質量%未満であると、分散安定性に劣る場合があり、20質量%を超えると、存在量に見合った分散効果がなく実用的でない。上記分散安定剤のより好ましい下限は2質量%であり、より好ましい上限は12質量%である。
上記の濃縮操作によって、上記フルオロエーテルカルボン酸を除去してもよい。上記フルオロエーテルカルボン酸は水溶性が高いので、従来の含フッ素界面活性剤と比べて除去効率が高い。
上記重合を行うことにより得られた水性分散液は、また、用途によっては濃縮せずに分散安定化処理して、ポットライフの長い水性分散体に調製することもできる。使用する分散安定剤としては上記と同じものを挙げることができる。
上記水性分散体の用途としては特に限定されず、水性分散体のまま適用するものとして、基材上に塗布し乾燥した後必要に応じて焼成することよりなる塗装;不織布、樹脂成形品等の多孔性支持体を含浸させ乾燥した後、好ましくは焼成することよりなる含浸;ガラス等の基材上に塗布し乾燥した後、必要に応じて水中に浸漬し、基材を剥離して薄膜を得ることよりなるキャスト製膜等が挙げられ、これら適用例としては、水性分散型塗料、電極用結着剤、電極用撥水剤等が挙げられる。
上記水性分散体は、公知の顔料、増粘剤、分散剤、消泡剤、凍結防止剤、成膜助剤等の配合剤を配合することにより、又は、更に他の高分子化合物を複合して、コーティング用水性塗料として用いることができる。
上記凝析、又は、洗浄により発生した廃水、及び/又は、乾燥工程で発生するオフガスから、上記一般式(II)で表される1種又は2種以上のフルオロエーテルカルボン酸を回収し、精製する工程を含む方法により再生フルオロエーテルカルボン酸を製造してもよい。上記回収、及び、精製を行う方法としては特に限定されるものではないが、公知の方法により行うことができる。
上記凝析により発生した廃水、洗浄により発生した廃水、及び、乾燥工程で発生するオフガスから、上記フルオロエーテルカルボン酸を回収し、精製する方法としては特に限定されるものではないが、従来公知の方法を採用することができ、例えば、米国特許出願公開第2007/15937号明細書、米国特許出願公開第2007/25902号明細書、米国特許出願公開第2007/27251号明細書に記載の方法が挙げられ、具体的には以下の方法が挙げられる。
上記廃水からフルオロエーテルカルボン酸を回収する方法としては、廃水にイオン交換樹脂、活性炭、シリカゲル、クレイ、ゼオライト等の吸着粒子を接触させて上記フルオロエーテルカルボン酸を吸着させた後、廃水と吸着粒子とを分離する方法が挙げられる。上記フルオロエーテルカルボン酸を吸着した吸着粒子を焼却すれば、上記フルオロエーテルカルボン酸の環境への放出を防ぐことができる。
また、上記フルオロエーテルカルボン酸を吸着したイオン交換樹脂粒子から公知の方法によりフルオロエーテルカルボン酸を脱離・溶出させて回収することもできる。例えば、イオン交換樹脂粒子が陰イオン交換樹脂粒子である場合、鉱酸を陰イオン交換樹脂に接触させることによりフルオロエーテルカルボン酸又はその塩を溶出させることができる。続いて得られる溶出液に水溶性有機溶媒を添加すると通常2相に分離するので、フルオロエーテルカルボン酸を含む下相を回収して中和することにより、フルオロエーテルカルボン酸を回収できる。上記水溶性有機溶媒としては、アルコール、ケトン、エーテル等の極性溶媒が挙げられる。
フルオロエーテルカルボン酸をイオン交換樹脂粒子から回収する別の方法としては、アンモニウム塩と水溶性有機溶媒を使用する方法、アルコールと所望により酸とを使用する方法が挙げられる。後者の方法ではフルオロエーテルカルボン酸のエステル誘導体が生成するので、蒸留することによりアルコールと容易に分離できる。
上記廃水に含フッ素ポリマー粒子や他の固形分が含まれる場合、廃水と吸着粒子とを接触させる前にこれらを除去しておくことが好ましい。含フッ素ポリマー粒子や他の固形分を除去する方法としては、アルミニウム塩等を添加することによりこれらを沈殿させた後、廃水と沈殿物とを分離させる方法、電気凝固法等が挙げられる。また、機械的な方法により除去してもよく、例えば、交差流ろ過法、深層ろ過法、プレコートろ過法が挙げられる。
上記オフガスから上記フルオロエーテルカルボン酸を回収する方法としては、スクラバーを使用して、脱イオン水、アルカリ水溶液、グリコールエーテル溶媒などの有機溶媒等と接触させて、フルオロエーテルカルボン酸を含むスクラバー溶液を得る方法が挙げられる。アルカリ水溶液として高濃度アルカリ水溶液を使用すると、上記フルオロエーテルカルボン酸が相分離した状態でスクラバー溶液が回収できるので、上記フルオロエーテルカルボン酸の回収と再利用が容易である。アルカリ化合物としてはアルカリ金属水酸化物、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
上記フルオロエーテルカルボン酸を含むスクラバー溶液を逆浸透膜等を使用して濃縮してもよい。濃縮したスクラバー溶液は通常フッ素イオンを含むが、濃縮後さらにアルミナを添加して該フッ素イオンを除去することにより、上記フルオロエーテルカルボン酸の再利用を容易にすることもできる。また、スクラバー溶液に吸着粒子を接触させて上記フルオロエーテルカルボン酸を吸着させて、上述した方法によりフルオロエーテルカルボン酸を回収してもよい。
上記のいずれかの方法により回収したフルオロエーテルカルボン酸は、含フッ素ポリマーの製造に再利用することができる。
本発明の製造方法は、フルオロエーテルカルボン酸フルオライド及びフルオロエーテルカルボン酸を高い選択率で収率良く得ることができる。
各実施例及び比較例において、各物性の測定は以下の方法により行った。
ガスクロマトグラフィー分析
サンプリングは、攪拌を停止し静置した後に反応槽に備えたサンプリング管により行い、反応槽中の2層分離した下層の酸フルオライド層を約5g取り出した。これを氷冷したメタノール約10mlと充分に混合しメチルエステルとした後、さらにここに純水を約0.5ml混合すると2層分離したので、その下層を分析サンプルとした。以下の各実施例においては生成した酸フルライドの組成は相当するメチルエステル体の組成としてガスクロマトグラフィー分析した。
ガスクロマトグラフィー分析は、島津製作所社製GC−14AのガスクロマトグラフィーにSE−30の3.0mのカラムを装着し、検出器はTCDを用いて、分析サンプルを約0.1μl導入して行った。この結果検出されたピークのうち、表1に示す全ての化合物のピークの面積の和を100として、各化合物のピークの面積の割合(GC%)を算出した。また、別途これらの化合物の純品を様々な比率で混合したものをガスクロマトグラフィー分析することで、各化合物の面積比と各化合物のモル比の相関を取り、これより各化合物の割合(GC%)を計算により補正したものを各化合物の割合(モル%)に換算した。
以下の実施例において、下記一般式:
CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COF
で表される化合物をPMPFと称し、下記一般式:
CFCFCFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COF
で表される化合物をPFと称する。
実施例1
圧力ゲージ、バルブ、安全弁、サンプリング管を取り付けた耐圧硝子社製ジャケット付6Lオートクレーブにテトラグライム1000mL、CsFの75gを入れオートクレーブを密栓した。オートクレーブ内を数回窒素で置換した後、減圧した。冷凍機(ヤマト化学社製BB3440)をジャケットにつなぎ冷却し、内温を−11℃とした。ここにCFOCF(CF)COF(n=0PMPF)を2100g仕込んだ。再び内温を−10℃まで冷却した後、HFPOをオートクレーブに導入し反応を開始した。反応温度が−10℃に保たれるようにHFPOの導入流量を調節しながら、最終的にHFPOを1510g仕込んだ。その後攪拌しながら室温まで昇温した。1晩放置した後、下抜きのバルブより内容物を抜き出した。内容物は二層に分離していたので、分液ロートにより上層と下層を分離した。上層は1320g、下層は3290gであった。反応物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、下層より目的物のCFOCF(CF)CFOCF(CF)COF(n=1PMPF)が主成分として検出され、その組成は表1の様になった。
さらに、下層の酸フルオロライド層を精留することにより、n=1PMPFを1810g単離することができた。沸点は82℃、収率は50モル%であった。
次に、単離したn=1PMPF1000gに純水1000gを加え加水分解した。その後、PFA樹脂製の分液ロートで分液して有機層(下層)を回収した。回収した溶液を純水、5wt%HSO水、10wt%HSO水、濃硫酸で順に洗浄した。さらにこれを単蒸留することで、CFOCF(CF)CFOCF(CF)COOH(n=1PMPA)を991g得た。
次に、28wt%アンモニア水溶液76gと純水600gを混合した水溶液に、攪拌しながら500gのn=1PMPAを1時間かけて滴下した。滴下終了後30分攪拌した後に、28wt%アンモニア水溶液を加えてpHが7になるように調整した。これを凍結乾燥することで、CFOCF(CF)CFOCF(CF)COONH(n=1PMPA(N))521gを得た。
実施例2
反応温度を−7℃とした以外は実施例1と同様に行った。
実施例3
反応温度を−5℃とした以外は実施例1と同様に行った。
実施例4
反応温度を−2℃とし、溶媒に同量のトリグライムを用いた以外は実施例1と同様に行った。
実施例5
圧力ゲージ、バルブ、安全弁、差込管を取り付けた耐圧硝子社製ジャケット付200mLオートクレーブにトリグライムの70.5g、CsFの4.9gを入れオートクレーブを密栓した。オートクレーブ内を数回窒素で置換した後、窒素を内圧が大気圧になるまで満たした。冷凍機をジャケットにつなぎ冷却し、内温を−10℃とした。次にバルブを開き開放系とした後に、カルボニルフルオライド〔COF〕とHFPOとのモル比がCOF/HFPO=2.09(COF:83.5cc/分、HFPO:40.0cc/分))の混合ガスを差込管よりオートクレーブ内に導入し、120分間反応した。未反応のガスは大気中に開放した。このとき、内温を−10℃となるように冷凍機で調整した。その後攪拌しながら室温まで昇温し、下抜きのバルブより内容物を抜き出した。内容物は二層に分離していたので、分液ロートにより上層と下層を分離した。下層の反応物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、目的物のCFOCF(CF)CFOCF(CF)COF(n=1PMPF)が主成分として検出され、反応物の組成は表1の様になった。その後の処理は、実施例1と同様に行い相当するカルボン酸を得た。
実施例6
オートクレーブ内を数回窒素で置換した後、真空にし、バルブを閉じたままCOFとHFPO(モル比:COF/HFPO=2.09)の混合ガスを内圧が0.04MPaの一定圧になる様に導入し反応を行った事以外は実施例5と同様に行った。
実施例7
圧力ゲージ、バルブ、安全弁、サンプリング管を取り付けた耐圧硝子社製200mLオートクレーブにトリグライム70g、スプレードライKF0.3gを入れオートクレーブを密栓した。オートクレーブ内を数回窒素で置換した後、減圧した。ドライアイス−アセトンバスで冷却し、内温を−15℃とした。ここにCOFを4.8g仕込んだ。再び内温を−15℃まで冷却した後、HFPOをオートクレーブに導入し反応を開始した。HFPOの導入流量を13cc/minに調節して、反応温度を−15〜−10℃に保ち、最終的にHFPOを24.1g仕込んだ。HFPOとCOFの仕込みモル比は2.0とした。その後30分攪拌後、30分静置した。内容物は二層に分離していたので、サンプリング管により下層(生成物層)を分取した。下層の反応物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、目的物のCFOCF(CF)CFOCF(CF)COF(n=1PMPF)が主成分として検出され、その組成は表1の様になった。
実施例8
スプレードライKFの仕込み量を0.5gにした以外は実施例7と同様に行った。
実施例9
溶媒に同量のテトラグライムを用いた以外は実施例7と同様に行った。
実施例10
圧力ゲージ、バルブ、安全弁、サンプリング管を取り付けた耐圧硝子社製200mLオートクレーブにトリグライム70g、テトラメチル尿素4.5g、スプレードライKF0.5gを入れオートクレーブを密栓した。オートクレーブ内を数回窒素で置換した後、減圧した。ドライアイス−アセトンバスで冷却し、内温を−15℃とした。ここにCOFを4.8g仕込んだ。再び内温を−15℃まで冷却した後、HFPOをオートクレーブに導入し反応を開始した。HFPOの導入流量を13cc/minに調節して、反応温度を−15〜−10℃に保ち、最終的にHFPOを24.1g仕込んだ。HFPOとCOFの仕込みモル比は2.0とした。その後30分攪拌後、30分静置した。内容物は二層に分離していたので、サンプリング管により下層(生成物層)を分取した。下層の反応物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、目的物のCFOCF(CF)CFOCF(CF)COF(n=1PMPF)が主成分として検出され、その組成は表1の様になった。
実施例11
触媒に同量のCsFを用いた以外は実施例10と同様に行った。
実施例12
圧力ゲージ、バルブ、安全弁、サンプリング管を取り付けた耐圧硝子社製ジャケット付500mLオートクレーブにテトラグライム100g、CsFの7gを入れオートクレーブを密栓した。オートクレーブ内を数回窒素で置換した後、減圧した。冷凍機(ヤマト化学社製BB3440)をジャケットにつなぎ冷却し、内温を−3℃とした。ここにCFOCF(CF)COF(n=0PMPF)を200g仕込んだ。再び内温を−3℃まで冷却した後、HFPOの導入流量を50cc/minに調節して、反応温度を−3℃に保ち、最終的にHFPOを143g仕込んだ。HFPOとn=0PMPFの仕込みモル比は1.0とした。その後攪拌しながら室温まで昇温した。その後30分攪拌後、30分静置した。内容物は二層に分離していたので、サンプリング管により下層(生成物層)を分取した。下層の反応物をガスクロマトグラフィーで分析したところ、目的物のCFOCF(CF)CFOCF(CF)COF(n=1PMPF)が主成分として検出され、その組成は表1の様になった。
実施例13
実施例12で反応終了後、下層(生成物層)のみを下部バルブから抜き出し、上層(CsFを含むテトラグライム層)のみを系内に残し、n=0PMPFを200g仕込み、実施例12と同様に反応温度を−3℃に保ちHFPOを143g導入した。反応終了後に下層を抜出し、上層を残したままn=0PMPFとHFPOを導入する操作を10回繰り返した。10回目の反応を行った結果、下層の組成は表1の様になった。
Figure 2010083887
本発明の製造方法は、特に含フッ素ポリマーを製造する際に有用な界面活性剤を得る方法として有用である。

Claims (16)

  1. 溶媒中で、触媒の存在下に、−30〜40℃の温度で、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドとカルボニルフルオライドとを反応させて、下記式(I):
    CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COF (I)
    で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に得る工程を含み、
    前記触媒は、金属フッ化物、3級アミン、3級ジアミン、及び、テトラアルキルアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種であり、
    前記溶媒は、非プロトン性極性溶媒である
    ことを特徴とするフルオロエーテルカルボン酸フルオライドの製造方法。
  2. 触媒は、金属フッ化物である請求項1記載のフルオロエーテルカルボン酸フルオライドの製造方法。
  3. 触媒は、フッ化セシウム、及び、フッ化カリウムからなる群より選択される少なくとも1つの金属フッ化物である請求項1又は2記載のフルオロエーテルカルボン酸フルオライドの製造方法。
  4. 触媒は、金属フッ化物であり、前記金属フッ化物に加えて、テトラ鎖状アルキル尿素及び環状アルキル尿素からなる群より選択される少なくとも1種を使用する請求項1、2又は3記載のフルオロエーテルカルボン酸フルオライドの製造方法。
  5. 溶媒中で、触媒の存在下に、−30〜40℃の温度で、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドとカルボニルフルオライドとを反応させて、下記式(I):
    CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COF (I)
    で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に得る工程、及び、
    前記フルオロエーテルカルボン酸フルオライドから下記一般式(II):
    CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COOX (II)
    (式中、Xは水素原子、アンモニウム基又はアルカリ金属原子を表す。)
    で表されるフルオロエーテルカルボン酸を得る工程を含み、
    前記触媒は、金属フッ化物、3級アミン、3級ジアミン、及び、テトラアルキルアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種であり、
    前記溶媒は、非プロトン性極性溶媒である
    ことを特徴とするフルオロエーテルカルボン酸の製造方法。
  6. 触媒は、金属フッ化物である請求項5記載のフルオロエーテルカルボン酸の製造方法。
  7. 触媒は、フッ化セシウム、及び、フッ化カリウムからなる群より選択される少なくとも1つの金属フッ化物である請求項5又は6記載のフルオロエーテルカルボン酸の製造方法。
  8. 触媒は、金属フッ化物であり、前記金属フッ化物に加えて、テトラ鎖状アルキル尿素及び環状アルキル尿素からなる群より選択される少なくとも1種を使用する請求項5、6又は7記載のフルオロエーテルカルボン酸の製造方法。
  9. 溶媒中で、触媒の存在下に、−30〜40℃の温度で、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドと下記式(i):
    CFOCF(CF)COF (i)
    で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドとを反応させて、下記式(I):
    CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COF (I)
    で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に得る工程を含み、
    前記触媒は、金属フッ化物、テトラ鎖状アルキル尿素、環状アルキル尿素、3級アミン、3級ジアミン、及び、テトラアルキルアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種であり、
    前記溶媒は、非プロトン性極性溶媒である
    ことを特徴とするフルオロエーテルカルボン酸フルオライドの製造方法。
  10. 触媒は、金属フッ化物である請求項9記載のフルオロエーテルカルボン酸フルオライドの製造方法。
  11. 触媒は、フッ化セシウム、及び、フッ化カリウムからなる群より選択される少なくとも1つの金属フッ化物である請求項9又は10記載のフルオロエーテルカルボン酸フルオライドの製造方法。
  12. 溶媒中で、触媒の存在下に、−30〜40℃の温度で、ヘキサフルオロプロピレンオキサイドと下記式(i):
    CFOCF(CF)COF (i)
    で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドとを反応させて、下記式(I):
    CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COF (I)
    で表されるフルオロエーテルカルボン酸フルオライドを選択的に得る工程、及び、
    前記フルオロエーテルカルボン酸フルオライドから下記一般式(II):
    CFO(CF(CF)CFO)CF(CF)COOX (II)
    (式中、Xは水素原子、アンモニウム基又はアルカリ金属原子を表す。)
    で表されるフルオロエーテルカルボン酸を得る工程を含み、
    前記触媒は、金属フッ化物、テトラ鎖状アルキル尿素、環状アルキル尿素、3級アミン、3級ジアミン、及び、テトラアルキルアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1種であり、
    前記溶媒は、非プロトン性極性溶媒である
    ことを特徴とするフルオロエーテルカルボン酸の製造方法。
  13. 触媒は、金属フッ化物である請求項12記載のフルオロエーテルカルボン酸の製造方法。
  14. 触媒は、フッ化セシウム、及び、フッ化カリウムからなる群より選択される少なくとも1つの金属フッ化物である請求項12又は13記載のフルオロエーテルカルボン酸の製造方法。
  15. 非プロトン性極性溶媒は、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、及び、テトラエチレングリコールジメチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1、2、3、4、9、10又は11記載のフルオロエーテルカルボン酸フルオライドの製造方法。
  16. 非プロトン性極性溶媒は、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、及び、テトラエチレングリコールジメチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種である請求項5、6、7、8、12、13又は14記載のフルオロエーテルカルボン酸の製造方法。
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