JP2010083447A - 移動体の慣性制御装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】慣性制御装置及び方法において、例えば車両の挙動等の移動体の慣性制御を、より効率的に実現可能とする。
【解決手段】移動体の慣性制御装置(1)は、回転方向が互いに異なると共に、回転可能に支持され且つ第1回転軸(31R、31L等)が延びる方向に沿って互いに向かい合いように配置される一対の第1回転体(21R、21L等)と、回転方向が互いに異なる一対の第2回転体(22R、22L等)と、一対の第1回転体の回転状態を夫々変化させる一対の第1回転手段(110R、110L等)と、一対の第2回転体の回転状態を夫々変化させる一対の第2回転手段(120R、120L)と、移動体の走行状態に応じて、一対の第1回転体の回転状態を変化させるように一対の第1回転手段を夫々制御することに加えて又は代えて、一対の第2回転体の回転状態を変化させるように一対の第2回転手段を夫々制御する制御手段(8)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば車両の挙動を制御する車両挙動制御装置等の移動体の慣性制御装置及び方法の技術分野に関する。
この種の移動体の慣性制御装置として、例えば特許文献1や特許文献2等では、コントロールモーメントジャイロ(CMG:Control Moment Gyro)を用いて車両の回転方向、即ち、ヨー方向、ロール方向、ピッチ方向の少なくともいずれか一つの方向における挙動を制御する技術について開示されている。詳細には、これらの特許文献1等では、フライホイールを、車長方向を回転軸として、ロール方向に回転駆動する手段とに加えて、フライホイールを、車幅方向を回転軸として、ピッチ方向に回転駆動する手段を備える。そして、フライホイールをロール方向に回転中に、当該フライホイールをピッチ方向に回転することによって、車高方向を回転軸として、ヨー方向にジャイロモーメントを発生させる。これにより、車両のヨー方向における挙動として、例えばアンダーステア、オーバーステアなどを制御している。
概ね同様にして、フライホイールをヨー方向に回転中に、当該フライホイールをロール方向に回転することによって、ピッチ方向にジャイロモーメントを発生させる。これにより、車両のピッチ方向における挙動として、例えばノーズタイブ、テールスクワットなどを制御している。
また、この種の移動体の慣性制御装置として、特許文献3等には、エネルギー蓄積装置として、車両の挙動に影響を与えないことを目的とした、所謂、2重反転型のフライホイールに関する技術が開示されている。
実開平5−13878号公報 特開2005−80902号公報 特開平10−281050号公報
しかしながら、上述した特許文献1等に開示された、CMGを利用した慣性制御の技術では、フライホイールの回転を継続させるのみであるので、フライホイールの回転を、電磁ブレーキを掛けるなどの電磁制動によって回生する回生手法について開示されていない。特に、2重反転型のフライホイールを電磁制動によって回生する場合、電気エネルギ損失が多大に生じてしまう可能性があるという技術的な問題点が生じる。
そこで、本発明は、例えば上記の問題点に鑑みなされたものであり、例えば車両の挙動等の移動体の慣性制御を、より効率的に実現可能な移動体の慣性制御装置及び方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る移動体の慣性制御装置は、回転方向が互いに異なると共に、移動体において、回転可能に支持され且つ第1回転軸が延びる方向に沿って互いに向かい合いように配置される一対の第1回転体と、回転方向が互いに異なると共に、前記移動体において、回転可能に支持され且つ第2回転軸が延びる方向に沿って互いに向かい合いように配置される一対の第2回転体と、前記移動体に固定されており、前記一対の第1回転体の回転状態を夫々変化させる一対の第1回転手段と、前記移動体に固定されており、前記一対の第2回転体の回転状態を夫々変化させる一対の第2回転手段と、前記移動体の走行状態に応じて、前記一対の第1回転体の回転状態を変化させるように前記一対の第1回転手段を夫々制御することに加えて又は代えて、前記一対の第2回転体の回転状態を変化させるように前記一対の第2回転手段を夫々制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体のうち一の回転体の回転速度を減速した場合に発生する回生エネルギを回収するように、前記一の回転体の回転状態を変化させる一の回転手段を制御すると共に、前記回収された回生エネルギを、前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体のうち他の回転体の回転エネルギとして使用するように、前記他の回転体の回転状態を変化させる他の回転手段を制御する。
本発明に係る移動体の慣性制御装置によれば、一対の第1回転体は、回転方向が互いに異なると共に、移動体において、回転可能に支持され且つ第1回転軸が延びる方向に沿って互いに向かい合いように配置されている。ここに、本発明に係る「回転軸が延びる方向」とは、移動体における、高さ方向、幅方向、及び長さ方向等の3次元方向のうちいずれの方向であってもよい。典型的には、例えば、移動体が右方向又は左方向に旋回する場合に、移動体にロール方向の慣性力を発生させる場合、回転軸が延びる方向は、移動体の長さ方向でよい。また、移動体にピッチ方向の慣性力を発生させる場合、回転軸が延びる方向は、移動体の幅方向でよい。また、移動体にヨー方向の慣性力を発生させる場合、回転軸が延びる方向は、移動体の高さ方向でよい。また、一対の第2回転体は、回転方向が互いに異なると共に、上述の移動体において、回転可能に支持され且つ第2回転軸が延びる方向に沿って互いに向かい合いように配置されている。尚、第2回転軸が延びる方向は、第1回転軸が延びる方向と同じでよい。或いは、第2回転軸が延びる方向は、第1回転軸が延びる方向と異なっていてよい。
一対の第1回転手段は、上述の移動体に固定されており、一対の第1回転体の回転状態を夫々変化させる。ここに、本発明に係る「移動体に固定されており」とは、移動体に対して何らかの力を伝達可能なように、移動体に支持されていることを意味してよい。典型的には、例えば車体ボデー、アブソーバ、ばね等の弾性力を介して、移動体に対して力を伝達可能なように支持されていることを意味してよい。また、本発明に係る「回転手段」とは、例えば電動機や電動発電機等の回転体を回転させる回転力を付与する手段を意味する。また、本発明に係る「回転状態」とは、回転体における、例えば回転速度、回転加速度、回転力又は回転トルク等の回転する物体の性質や状態を示す物理量を意味する。
また、本発明に係る「一対の回転体の回転状態を夫々変化させる」とは、一対の回転体のうち一方の回転体の回転状態を変化させることに加えて又は代えて、一対の回転体のうち他方の回転体の回転状態を変化させることを意味してよい。典型的には、一方の回転体の回転速度を独立制御又は個別制御で減速させることに加えて又は代えて、他方の回転体の回転速度を独立制御又は個別制御で増速させることを意味してよい。
また、一対の第2回転手段は、上述の移動体に固定されており、一対の第2回転体の回転状態を夫々変化させる。
制御手段の制御下で、一対の第1回転手段は、移動体の走行状態に応じて、一対の第1回転体の回転状態を変化させる。ここに、本発明に係る走行状態とは、例えば移動体の旋回方向や操舵方向、操舵角、操舵角速度、操舵角加速度、旋回状態や操舵状態、走行速度、移動体の高さ、移動体の重量、又は移動体の車輪の状態等の、走行する移動体の状態に加えて、移動体の運動エネルギに影響を及ぼす移動体の属性や性質を示す物理量や変数を意味する。このことに加えて、本発明に係る走行状態とは、例えば横風の強さ、移動体が走行する道路の舗装状態や路面状態(即ち、路面の摩擦係数、所謂、μ、或いは走行抵抗)、道路の白線の位置、地図上の移動体の走行経路の形状や広さ等の、移動体の運動エネルギに影響を及ぼす移動体の外界や環境における状態や属性や性質を示す物理量や変数を意味する。
このことに加えて又は代えて、制御手段の制御下で、一対の第2回転手段は、移動体の走行状態に応じて、一対の第2回転体の回転状態を変化させる。
これにより、移動体の走行状態に応じて、回転状態を維持しようとする一対の第1回転体から、例えばロールモーメント等の一対の第1回転体の第1回転軸が延びる方向を軸とする慣性力を、一対の第1回転手段が固定された移動体において発生させることができる。言い換えると、移動体の走行状態に応じて、一対の第1回転体の回転運動エネルギの増減に起因した反動力を移動体において発生させることができる。
このことに加えて又は代えて、移動体の走行状態に応じて、回転状態を維持しようとする一対の第2回転体から、例えばロールモーメント等の一対の第2回転体の第2回転軸が延びる方向を軸とする慣性力を、一対の第2回転手段が固定された移動体において発生させることができる。言い換えると、移動体の走行状態に応じて、一対の第2回転体の回転運動エネルギの増減に起因した反動力を移動体において発生させることができる。
典型的には、例えば電動発電機等の一対の第1回転手段のうちの一方の第1回転手段において電磁ブレーキを掛けるなどして制動力を付与し、右回転している一対の第1回転体のうちの一方の第1回転体の回転速度を減速した場合、一方の第1回転手段が固定された移動体は、一方の第1回転体が慣性に従って右回転し続けようする慣性力につられて右方向に回転しようとする。これにより、一方の第1回転手段に電磁ブレーキが掛けられることにより、移動体において右ロールモーメントを発生させることができる。他方、概ね同様にして、一対の第1回転手段のうちの他方の第1回転手段においてバッテリ駆動されるなどして回転力を付与し、一方の第1回転体とは逆回転である左回転している一対の第1回転体のうちの他方の第1回転体の回転速度を増速した場合、他方の第1回転手段が固定された移動体は、左回転の回転速度が増速している他方の第1回転体から反動力を受けて、言い換えると、左回転する他方の第1回転体に蹴飛ばされて右方向に回転しようとする。これにより、他方の第1回転手段によって他方の第1回転体の回転速度が増速されることによって、移動体において右ロールモーメントを発生させることができる。尚、このようにして、回転状態を維持しようとする一対の第1回転体に起因して発生する、例えばロールモーメント等の一対の第1回転体の第1回転軸が延びる方向を軸とする慣性力を、以下、適宜、「リアクションホイールの原理に基づいた慣性力」と称す。尚、一対の第2回転体並びに一対の第2回転手段についても概ね同様である。
これにより、移動体において、上述した、例えばロールモーメント等のリアクションホイールの原理に基づいた慣性力を、移動体の走行状態に応じて発生させることができるので、移動体の挙動変化を適切且つ簡便に制御することが可能である。
特に、制御手段の制御下で、一対の第1回転体並びに一対の第2回転体のうち一の回転体の回転状態を変化させる一の回転手段は、この一の回転体の回転速度を減速した場合に発生する回生エネルギを回収する。このことに加えて、制御手段の制御下で、一対の第1回転体並びに一対の第2回転体のうち他の回転体(即ち、一の回転体と異なる回転体)の回転状態を変化させる他の回転手段は、回収された回生エネルギを、この他の回転体の回転エネルギとして使用する。
これにより、一の回転体の回転速度及び一の回転手段の回転速度を減速した場合に発生する回生エネルギを他の回転体及び他の回転手段の回転エネルギとして使用することで、回生エネルギを無駄に失うことを防止することができる。以上より、本発明に係る移動体の慣性制御装置における回転体の回転駆動システムにおいて、電気的エネルギ効率や機械的エネルギ効率等を含む全体的なエネルギ効率を向上することが可能である。
仮に、回生エネルギをバッテリ等の蓄電手段に電気的エネルギとしてのみ蓄えるという手法によれば、蓄電手段の充電状態(SOC:State of Charge)が100%充電完了の状態に近い状態である場合、電気的エネルギとして蓄えること自体が困難であるため、回生自体が困難となってしまい、上述したリアクションホイールの原理に基づいた慣性力を発生自体が不可能となってしまう。
これに対して、本発明によれば、バッテリ等の蓄電手段の充電状態が100%充電完了の状態に近い状態であり、電気的エネルギとして蓄えることが困難である場合においても、回収された回生エネルギを、他の回転体及び他の回転手段の回転エネルギとして使用することで、回収された回生エネルギを電気的エネルギに加えて又は代えて機械的エネルギとして蓄えることができる。これにより、バッテリ等の蓄電手段の充電状態とは無関係に、上述したリアクションホイールの原理に基づいた慣性力を発生させることができるので、リアクションホイールの原理に基づいた慣性力の発生効率をより向上させることができる。
本発明に係る移動体の慣性制御装置の一の態様では、前記他の回転体として、前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体のうち回転方向が前記一の回転体の回転方向と異なる第3回転体を少なくとも一つ選択する第1選択手段を更に備え、前記制御手段は、前記回収された回生エネルギを、前記選択された第3回転体の回転エネルギとして使用するように、前記第3回転体の回転状態を変化させる第3回転手段を制御する。
この態様によれば、上述したエネルギ効率の向上に加えて、回収された回生エネルギを、例えば第3回転体の回転速度を増速するなどして、第3回転体の回転エネルギとして使用する。これにより、第1回転軸が延びる方向と、第2回転軸が延びる方向とが同じ場合、上述したリアクションホイールの原理に基づいた慣性力を増大させることができる。或いは、これにより、第1回転軸が延びる方向と、第2回転軸が延びる方向とが異なる場合、上述したリアクションホイールの原理に基づいた慣性力を2種類の方向に作用させることができる。
典型的には、第1回転軸が延びる方向と、第2回転軸が延びる方向とが同じ場合、例えば電動発電機等の一対の第1回転手段並びに一対の第2回転手段のうち一の回転手段において電磁ブレーキを掛けるなどして制動力を付与し、一対の第1回転体並びに一対の第2回転体のうち右回転している一の回転体の回転速度を減速した場合、一の回転手段が固定された移動体は、一の回転体が慣性に従って右回転し続けようする慣性力につられて右方向に回転しようとする。これにより、一の回転手段に電磁ブレーキが掛けられることにより、移動体において右ロールモーメントを発生させることができる。このことに加えて、一対の第1回転手段並びに一対の第2回転手段のうち第3回転手段においてバッテリ駆動されるなどして回転力を付与し、一の回転体とは逆回転である左回転している第3回転体の回転速度を増速した場合、第3回転手段が固定された移動体は、左回転の回転速度が増速している第3回転体から反動力を受けて、言い換えると、左回転する第3回転体に蹴飛ばされて右方向に回転しようとする。これにより、第3回転手段によって第3回転体の回転速度が増速されることによって、移動体において更なる右ロールモーメントを発生させることができる。
或いは、典型的には、第1回転軸が延びる方向と、第2回転軸が延びる方向とが直交するなどして、異なる場合、例えばロール方向のロールモーメントを一の回転体の回転速度の減速によって発生させることに加えて、例えばピッチ方向のピッチモーメントを第3回転体の回転速度の増速によって発生させることができる。
より具体的には、旋回を開始した初期段階での車両等の移動体における、所謂、ダイブ動作(又はダイビング動作)等でロール軸が斜めにずれる場合でも、上述したリアクションホイールの原理に基づいた慣性力が発生する方向を異ならせることができる。これにより、移動体の挙動変化をより適切に制御することが可能である。
上述した第1選択手段に係る態様では、前記第1選択手段は、前記第3回転体として、回転速度が最小である第4回転体を選択するようにしてよい。
このように構成すれば、回転速度が最小である第4回転体においては、回転速度を標準値まで上昇させるまでの回転エネルギの余力が最大である。ここに、本発明に係る「余力」とは、回転体が現時点で保持可能である回転エネルギの程度を示す。典型的には、回転速度を上述した標準値まで上昇させるまでの仕事或いは仕事量を意味してよい。また、また、標準値とは、例えば回転体の慣性質量や回転体を支持する部材の強度等に基づいて、物理的又は制御上、許容可能な回転体の回転速度を意味してよい。
これにより、一の回転体の回転速度の減速によって回収された回生エネルギを、第4回転体の回転エネルギとして多量且つ迅速に使用することが可能である。この結果、第4回転体の増速によって、上述したリアクションホイールの原理に基づいた慣性力を増大させることができる。
本発明に係る移動体の慣性制御装置の他の態様では、前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体において蓄積可能な回転エネルギの余力を夫々特定する特定手段と、前記他の回転体として、前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体のうち前記特定された余力が大きい順番に回転体を順次選択する第3選択手段とを更に備え、前記制御手段は、前記回収された回生エネルギを、前記順次選択された回転体の回転運動エネルギとして使用するように、前記順次選択された回転体の回転状態を変化させる回転手段を順次制御する。
この態様によれば、特定手段によって、一対の第1回転体並びに一対の第2回転体において蓄積可能な回転エネルギの余力が夫々特定される。ここに、本発明に係る「特定」とは、典型的には、余力を示す何らかの物理量やパラメータの所定範囲を、直接的に「特定」、「選択」等することを意味する。更に、余力を示す何らかの物理量やパラメータを、間接的に「検出」、「測定」、「計測」等することを含んでいてもよい。
これにより、一の回転体の回転速度の減速によって回収された回生エネルギを回転エネルギとして、一対の第1回転体並びに一対の第2回転体のうちの複数の他の回転体(即ち、一の回転体と異なる回転体)において、回転エネルギの余力が大きい順番に、より効率的に使用することが可能である。この結果、回転体の増速によって、上述したリアクションホイールの原理に基づいた慣性力をより効率的に作用させることができる。
本発明に係る移動体の慣性制御装置の他の態様では、前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体の回転速度を夫々検出する検出手段と、前記他の回転体として、前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体のうち前記検出された回転速度が小さい順番に回転体を順次選択する第2選択手段とを更に備え、前記制御手段は、前記回収された回生エネルギを、前記順次選択された回転体の回転エネルギとして使用するように、前記順次選択された回転体の回転状態を変化させる回転手段を順次制御する。
この態様によれば、一対の第1回転体並びに一対の第2回転体のうちの複数の他の回転体(即ち、一の回転体と異なる回転体)において、回転速度が小さい順番に、回転速度を標準値まで上昇させるまでの回転エネルギの余力が順番に大きくなる。これにより、一の回転体の回転速度の減速によって回収された回生エネルギを回転エネルギとして、一対の第1回転体並びに一対の第2回転体のうちの複数の他の回転体(即ち、一の回転体と異なる回転体)において、回転エネルギの余力が大きい順番に、より効率的に使用することが可能である。この結果、回転体の増速によって、上述したリアクションホイールの原理に基づいた慣性力をより効率的に作用させることができる。
本発明に係る移動体の慣性制御装置の他の態様では、前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体は、前記第1回転軸並びに前記第2回転軸が、前記移動体におけるロール軸、ヨー軸及びピッチ軸のうちいずれか一の軸に沿うように配置される。
ここに、本発明に係る「ロール軸」とは、移動体が走行する進行方向を基準にして、移動体の長さ方向に沿って延びる回転軸を意味する。また、本発明に係る「ヨー軸」とは、移動体が走行する地面を基準にして、移動体の高さ方向に沿って延びる回転軸を意味する。また、本発明に係る「ピッチ軸」とは、移動体が走行する進行方向を基準にして、移動体の幅方向に沿って延びる回転軸を意味する。
この態様によれば、第1回転軸が延びる方向と、第2回転軸が延びる方向とが同じになるので、上述したリアクションホイールの原理に基づいた慣性力を、ロール軸、ヨー軸及びピッチ軸のうちいずれか一の軸を回転軸として、より効果的に発生させることができる。仮に、第1回転軸並びに第2回転軸が、ロール軸、ヨー軸及びピッチ軸のうちいずれか一の軸に沿うように配置されない場合、移動体の慣性制御において、不要となるリアクションホイールの原理に基づいた慣性力が発生する可能性が生じてしまう。
上記課題を解決するために、本発明に係る移動体の慣性制御方法は、回転方向が互いに異なると共に、移動体において、回転可能に支持され且つ第1回転軸が延びる方向に沿って互いに向かい合いように配置される一対の第1回転体と、回転方向が互いに異なると共に、前記移動体において、回転可能に支持され且つ第2回転軸が延びる方向に沿って互いに向かい合いように配置される一対の第2回転体と、前記移動体に固定されており、前記一対の第1回転体の回転状態を夫々変化させる一対の第1回転手段と、前記移動体に固定されており、前記一対の第2回転体の回転状態を夫々変化させる一対の第2回転手段とを備えた移動体の慣性制御方法であって、前記移動体の走行状態に応じて、前記一対の第1回転体の回転状態を変化させるように前記一対の第1回転手段を夫々制御することに加えて又は代えて、前記一対の第2回転体の回転状態を変化させるように前記一対の第2回転手段を夫々制御する制御工程とを備え、前記制御工程は、前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体のうち一の回転体の回転速度を減速した場合に発生する回生エネルギを回収するように、前記一の回転体の回転状態を変化させる一の回転手段を制御すると共に、前記回収された回生エネルギを、前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体のうち他の回転体の回転エネルギとして使用するように、前記他の回転体の回転状態を変化させる他の回転手段を制御する。
本発明に係る移動体の慣性制御方法によれば、上述した本発明に係る移動体の慣性制御装置が有する各種利益を享受することが可能となる。
尚、上述した本発明に係る移動体の慣性制御装置が有する各種態様に対応して、本発明に係る移動体の慣性制御方法も各種態様を採ることが可能である。
本発明の作用及び他の利得は次に説明する実施するための最良の形態から明らかにされる。
(基本構成)
先ず、図1を参照して、本実施形態に係る車両挙動制御装置の基本構成について説明する。ここに、図1は、本実施形態に係る車両挙動制御装置を搭載した車両の基本構成を概念的に示した外観斜視図である。尚、本実施形態では、車両挙動制御装置1が車両100の回転方向、即ち、ヨー方向、ロール方向、ピッチ方向のうち、ロール方向における挙動の制御を行う場合について説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
図1に示されるように、本実施形態に係る車両挙動制御装置1は、車両100に搭載されている。この車両100は、左右の前輪101R、101Lが駆動軸(ドライブシャフト)103に回転自在に連結されており、左右の後輪102R、102Lが駆動軸104に回転自在に連結されている。駆動軸103、104の少なくともいずれか一方には、図示しない内燃機関や電動機などの駆動源からの駆動力が伝達される。従って、駆動源からの駆動力は、駆動軸103、104の少なくともいずれか一方を介して左右の前輪101R、101Lあるいは左右の後輪102R、102Lに伝達され、路面で伝達される。これにより、車両100は、車長方向に前進或いは後進することができる。また、車両100は、左右の前輪101R、101Lの操舵を行う操舵装置105が搭載されている。操舵装置105は、運転者がステアリングホイール105aを回転操作することで、ステアリングホイール105aの回転操作に連動して左右の前輪101R、101Lの操舵を行うものである。本実施形態に係る車両挙動制御装置1は、車両100の挙動に対応して、リアクションホイールの原理に基づいて、左右方向又は左方向のロールモーメントを発生させる。この詳細原理については、後述される。
車両挙動制御装置1は、2重反転型ジャイロ(以下、適宜「ジャイロ」と称す)2a、2b及び2cと、車速センサ4と、操舵角センサ5と、回転体センサ61R、61L、62R、62L、63Re及び63Foと、例えばレゾルバ等の電動発電機センサ71R、71L、72R、72L、73Re及び73Foと、制御装置8と、パワー制御部PCU1、PCU2及びPCU3と、回転軸31R、31L、32R、32L、33Re及び33Foを夫々回転させる電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foと、バッテリ11とを備えて構成されている。
ジャイロ2a、2b及び2cは、車両100に対して回転可能に支持された回転軸31R、31L、32R、32L、33Re及び33Foからの回転力が伝達される回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foを備えて構成されている。尚、回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foは、図示しないケーシングにより覆われてよい。
電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foは、回転軸31R、31L、32R、32L、33Re及び33Foを回転させる。電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foは、車両100に固定されており、回転軸31R、31L、32R、32L、33Re及び33Foを介して、回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foを夫々回転させる。特に、電動発電機110R、120Rは、回転軸31R、32Rを夫々、右回転させる(言い換えると、右ロール方向に回転させる)ことにより、回転体21R、22Rを夫々、右回転させる(言い換えると、右ロール方向に回転させる)。他方、電動発電機110L、120Lは、回転軸31L、32Lを夫々、左回転させる(言い換えると、左ロール方向に回転させる)ことにより、回転体21Lを夫々、左回転させる(言い換えると、左ロール方向に回転させる)。また、電動発電機130Reは、回転軸33Reを、車両100の進行方向を基準にして後ろ向き方向に回転させる(言い換えると、後ピッチ方向に回転させる)ことにより、回転体23Reを後回転させる(言い換えると、後ピッチ方向に回転させる)。また、電動発電機130Foは、回転軸33Foを、車両100の進行方向を基準にして前向き方向に回転させる(言い換えると、前ピッチ方向に回転させる)ことにより、回転体23Foを前回転させる(言い換えると、前ピッチ方向に回転させる)。
電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foは、パワー制御部PCU1、PCU2及びPCU3を介して、制御装置8に夫々接続されており、制御装置8により駆動制御が行われる。特に、制御装置8による電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foの駆動制御には、(i)パワー制御部PCU1、PCU2及びPCU3によりバッテリ11から電力が供給されることで回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foを夫々回転するモータ(即ち、電動機)として動作する回転駆動制御と、(ii)パワー制御部PCU1、PCU2及びPCU3により回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foに回転方向と反対方向の制動力を与える、言い換えると、電磁ブレーキ(所謂、回生ブレーキ)を掛けることで発電するジェネレータ(即ち、発電機)として動作する発電駆動制御がある。つまり、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foは、モータジェネレータであり、本発明に係る回転手段の一具体例である。特に、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foは、後述される増速と電磁ブレーキによる制動とを迅速に行えることが、車両100における、より適切な挙動制御を実現する観点で好ましい。
尚、パワー制御部PCU1、PCU2及びPCU3の詳細については、後述される。
回転体21R、22Rは、上述した車長方向に沿って延びる(或いは、このことに加えて、車両100が走行する地面に対向するように延びる)回転軸31R、32Rにより右ロール方向に夫々、回転可能なように支持されている。また、回転体21L、22Lは、上述した車長方向に沿って延びる(或いは、このことに加えて、車両100が走行する地面に対向するように延びる)回転軸31L、32Lにより左ロール方向に回転可能なように支持されている。また、回転体23Reは、上述した車幅方向に沿って延びる(或いは、このことに加えて、車両100が走行する地面に対向するように延びる)回転軸33Reにより車両100の進行方向を基準にして後ろ向きのピッチ方向に夫々、回転可能なように支持されている。また、回転体23Foは、上述した車幅方向に沿って延びる(或いは、このことに加えて、車両100が走行する地面に対向するように延びる)回転軸33Foにより車両100の進行方向を基準にして前向きのピッチ方向に夫々、回転可能なように支持されている。
尚、回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foの半径及び質量は、車両100に要求されるロールモーメントの大きさに応じて予め設定されてよい。また、上述したように回転軸31R、31L、32R、32Lは、基本的に車長方向に平行に配置されているので、回転体21R、21L、22R、22Lは、基本的にロール方向に回転することができる。また、上述したように回転軸33Re、33Foは、基本的に車幅方向に平行に配置されているので、回転体23Re及び23Foは、基本的にピッチ方向に回転することができる。
車速センサ4は、本発明に係る速度検出手段の一具体例であり、車両100の車速を検出する。車速センサ4は、制御装置8に接続されており、検出された車両100の車速Vが制御装置8に出力される。ここで、車速センサ4は、例えば駆動軸103に対向して配置され、駆動軸103の軸周りの変位量を光学的或いは力学的に検出する。また、車速センサ4は、各車輪に設けられた車輪速度センサであって良い。この場合は、制御装置8が、各車輪に設けられた車速センサ4である車輪速度センサからの各車輪の速度に関する信号に基づいて、車両100の車速Vを算出する。
操舵角センサ5は、本発明に係る操舵量検出手段の一具体例であり、車両100における、操舵量を検出する。操舵角センサ5は、本実施形態では、車両100の操舵量として、操舵角、操舵角速度及び操舵角加速度のうち少なくても一の値を検出する。操舵角センサ5は、制御装置8に接続されており、検出された車両100の操舵量である車両100の操舵角θが制御装置8に出力される。ここで、操舵角センサ5は、例えば操舵装置105のステアリングアーム105aに対向して配置され、ステアリングアームの軸周りの変位量を光学的又は力学的に検出してよい。
回転体センサ61R、61L、62R、62L、63Re及び63Foは、回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foの回転速度を夫々検出する。回転体センサ61R、61L、62R、62L、63Re及び63Foは、制御装置8に夫々接続されており、回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foにおいて夫々検出された回転速度が制御装置8に夫々出力される。ここで、回転体センサ61R、61L、62R、62L、63Re及び63Foは、例えば回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foにおける各回転軸に対向して配置され、この各回転軸の周りの変位量を光学的又は力学的に検出する。
電動発電機センサ71R、71L、72R、72L、73Re及び73Foは、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foの回転速度(言い換えると、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foにおける回転軸31R、31L、32R、32L、33Re及び33Foの単位時間当たりの回転数)を夫々検出する。電動発電機センサ71R、71L、72R、72L、73Re及び73Foは、制御装置8に接続されており、検出された電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foの回転速度が制御装置8に夫々出力される。ここで、電動発電機センサ71R、71L、72R、72L、73Re及び73Foは、例えば回転軸31R、31L、32R、32L、33Re及び33Foに対向して配置され、回転軸31R、31L、32R、32L、33Re及び33Foの周りの変位量を光学的或いは力学的に検出する。
(詳細構成)
次に、図2を参照して、本実施形態に係る車両挙動制御装置の詳細構成について説明する。ここに、図2は、本実施形態に係る車両挙動制御装置の制御装置に入出力される各種の制御信号の流れに着目した車両挙動制御装置の一部の詳細構成を図式的に示したブロック図である。
制御装置8は、車両挙動制御装置1を制御するものであり、特に、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foの回転速度を制御すると共に、回転軸31R、31L、32R、32L、33Re及び33Foを介して、回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foの回転速度を夫々制御する。具体的には、図2に示されるように、制御装置8は、車両挙動制御装置1が搭載された車両100の各所に取り付けられたセンサから、各種の入力信号が入力される。入力信号としては、例えば、車速センサ4により検出された車両100の車速、操舵角センサ5により検出された車両100の操舵量としての、操舵角、操舵角速度及び操舵角加速度、回転体センサ61R、61L、62R、62L、63Re及び63Foにより夫々検出された回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foの回転速度、電動発電機センサ71R、71L、72R、72L、73Re及び73Foにより検出された電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foの回転速度などに関する信号がある。
制御装置8は、これら入力信号と、記憶部85に格納されている電磁ブレーキを掛ける時間(所謂、ブレーキ時間)と車速と操舵量との相関関係を示した制御マップ、又は、電動発電機の回転速度と車速と操舵量(又は舵角量)との相関関係を示した制御マップに基づいて、各種の出力信号を出力する。尚、これらの制御マップの詳細については後述される。出力信号としては、例えば、パワー制御部PCU1、PCU2及びPCU3を介した電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foの駆動制御を夫々行う駆動制御信号などがある。
また、制御装置8は、上記の入力信号や出力信号の入出力を行う入出力部(即ち、I/O部:Input Output部)81と、処理部82と、上述した制御マップなどの各種マップなどを格納する記憶部85とにより構成されている。処理部82は、メモリ及びCPU(Central Processing Unit)により構成されている。処理部82は、少なくとも電動発電機回転制御部831R、831L、832R、832L、833Re及び833Foと、電動発電機回転速度算出部841R、841L、842R、842L、843Re及び843Foとを有している。処理部82は、車両挙動制御装置1による車両挙動制御方法などに基づくプログラムをメモリにロードして実行することにより、車両挙動制御装置1による車両挙動制御方法などを実現させるものであっても良い。また、記憶部85は、フラッシュメモリ等の不揮発性のメモリ、ROM(Read Only Memory)のような読み出しのみが可能なメモリ、或いはRAM(Random Access Memory)のような読み出しに加えて書き込みが可能なメモリ、あるいはこれらの組み合わせにより構成することができる。
電動発電機回転速度算出部841R、841L、842R、842L、843Re及び843Foは、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foの回転速度を夫々算出する。電動発電機回転速度算出部841R、841L、842R、842L、843Re及び843Foは、検出された車両100の車速、操舵量、制御マップに基づいて、右操舵又は左操舵された場合に、電磁ブレーキを掛けるブレーキ時間、電磁ブレーキによる電動発電機の回転速度の目標値、又は、増速による電動発電機の回転速度の目標値を、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Fo毎に夫々算出する。特に、これらの値は、車速及び操舵量に加えて、車両100において発生するロールモーメントの大小も更に考慮して、実験的、理論的、経験的、又はシミュレーション等に基づいて、個別具体的に決定してよい。
電動発電機回転制御部831R、831L、832R、832L、833Re及び833Foは、上記の電動発電機回転速度算出部841R、841L、842R、842L、843Re及び843Foにより算出された回転速度に基づいて、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foを夫々駆動制御する。具体的には、電動発電機回転制御部831Rは、パワー制御部PCU1を介して、算出された回転速度と電動発電機センサ71Rより検出された現在の回転速度とに基づいて、電動発電機110Rの回転駆動制御又は発電駆動制御のうちいずれか一方を行う。概ね同様にして、電動発電機回転制御部831Lは、パワー制御部PCU1を介して、算出された回転速度と電動発電機センサ71Lにより検出された現在の回転速度とに基づいて、電動発電機110Lの回転駆動制御又は発電駆動制御のうちいずれか一方を行う。
パワー制御部PCU1、PCU2及びPCU3は、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foの駆動を夫々行う。パワー制御部PCU1、PCU2及びPCU3は、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foと、制御装置8と、バッテリ11とに夫々接続されている、パワー制御部PCU1、PCU2及びPCU3は、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foとバッテリ11との接続状態を制御装置8の駆動制御により夫々切り替えるものである。パワー制御部PCU1、PCU2及びPCU3は、制御装置8により電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foの回転駆動制御が夫々行われる場合、バッテリ11から電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foへ電力を夫々供給することで、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foに回転軸31R、31L、32R、32L、33Re及び33Foを夫々回転させることにより、モータとして動作する。他方で、パワー制御部PCU1、PCU2及びPCU3は、制御装置8により電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foの発電駆動制御が行われる場合、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foの回転軸31R、31L、32R、32L、33Re及び33Foに回転方向と反対方向の制動力を与えることで、言い換えると、電磁ブレーキ(所謂、回生ブレーキ)を掛けることで発電させ、発電した電力をバッテリ11に蓄電させることにより、ジェネレータとして動作する。尚、本実施形態に係る車両挙動制御装置1では、回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foに制動力を付与する手段として電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foを用いたがこれに限定されるものではなく、油圧ブレーキなどのブレーキ装置であっても良い。
バッテリ11は、車両100に搭載されるものである。バッテリ11は、車両100に駆動源として電動機が搭載されている場合に、電動機に電力を供給する、例えば2次電池等のバッテリであってよい。
(電気回路)
次に、図3を参照して、本実施形態に係るパワー制御部PCU1、PCU2及びPCU3における電気回路について説明する。ここに、図3は、本実施形態に係るパワー制御部における電気回路を図式的に示した模式図である。即ちここでは、図1及び図2に示した制御装置8、パワー制御部PCU1、PCU2及びPCU3、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Fo、並びにバッテリ11の詳細について述べる。
図3に示されるように、バッテリ11に対して、電圧センサV1、コンデンサC1、放熱抵抗R及び3相ブリッジ回路910Rを備え、電動発電機110Rを駆動可能な駆動回路91Rと、昇圧コンバータ91URと、概ね同様にして電圧センサV1、コンデンサC1、放熱抵抗R及び3相ブリッジ回路910Lを備え、電動発電機110Lを駆動可能な駆動回路91Lと、昇圧コンバータ91ULと、電動発電機130Reを駆動可能な駆動回路93Reと、昇圧コンバータ93UReと、電動発電機130Foを駆動可能な駆動回路93Foと、昇圧コンバータ93UFoと、電動発電機120Rを駆動可能な駆動回路92Rと、昇圧コンバータ92URと、電動発電機120Lを駆動可能な駆動回路92Lと、昇圧コンバータ92ULとが夫々並列に接続されている。
尚、上述した駆動回路91Rと、昇圧コンバータ91URと、駆動回路91Lと、昇圧コンバータ91ULとによって、パワー制御部PCU1が構成されている。また、上述した駆動回路93Reと、昇圧コンバータ93UReと、駆動回路93Foと、昇圧コンバータ93UFoとによって、パワー制御部PCU3が構成されている。また、上述した駆動回路92Rと、昇圧コンバータ92URと、駆動回路92Lと、昇圧コンバータ92ULとによって、パワー制御部PCU2が構成されている。
また、上述したように、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foの回転速度を夫々検出する、例えばレゾルバ等の電動発電機センサ71R、71L、72R、72L、73Re及び73Foが各電動発電機に備えられている。
バッテリ11は、詳細には、電圧センサV0に加えて、電池モジュール部と、SMR(システムメインリレー)と、電流センサ等を備えてよい。SMRは、制御装置8からの指令により高電圧回路の電源の接続・遮断を行なうもので、電池モジュール部の+−両極に配置された2個のリレーから構成されてよい。バッテリ11に2個のリレーを設けるのは、電源の接続時には、まず一のリレーをオンし、続いて他のリレーをオンし、電源の遮断時には、まず他のリレーをオフし、続いて一のリレーをオフすることにより、確実な作動を行なうことを可能とするためである。電圧センサV0は、電池モジュール部の総電圧値を検出する。電流センサは、電池モジュール部からの出力電流値を検出してよい。電圧センサVo及び電流センサの出力信号は、制御装置8に送信されてよい。
駆動回路91R、91L、92R、92L、93Re及び93Foは、バッテリ11の高電圧直流電流と電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Fo用の交流電流の変換を行なう電力変換装置であり、詳細には、6個のパワートランジスタで構成される3相ブリッジ回路910R、910L、920R、920L、930Re及び930Foを夫々備えており、この3相ブリッジ回路910R、910L、920R、920L、930Re及び930Foにより直流電流と3相交流電流との変換を夫々行なっている。
駆動回路91R、91L、92R、92L、93Re及び93Foは、各相ごとにスイッチング素子としてのトランジスタを2つ1組で備えたトランジスタインバータである。駆動回路91R、91L、92R、92L、93Re及び93Foは夫々、制御装置8に接続されている。制御装置8からの制御信号によって駆動回路91R、91L、92R、92L、93Re及び93Foのトランジスタがスイッチングされると、バッテリ11と電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foとの間に電流が流れる。
詳細には、駆動回路91R、91L、92R、92L、93Re及び93Foには、電圧センサV1、コンデンサC1及び放熱抵抗Rが夫々設けられている。各電圧センサVは、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foの逆起電圧を夫々検出する。3相ブリッジ回路910R、910L、920R、920L、930Re及び930Foの各パワートランジスタの駆動は、制御装置8により制御されると共に、駆動回路91R、91L、92R、92L、93Re及び93Foから制御装置8に対し、駆動回路91R、91L、92R、92L、93Re及び93Foにおける各電圧センサV1にて検出された電圧値や、3相ブリッジ回路910R、910L、920R、920L、930Re及び930Foと電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foとの間に設けられた図示しない電流センサにて検出された電流値など電流制御に必要な情報を送信している。
尚、駆動回路91R、91L、92R、92L、93Re及び93Foにおいて、交流から直流に変換する際に、変換された電圧の大きさを調節することにより、逆起電力が高くなるのを効果的に防止することができる。また、変換された直流は、バッテリ11を経由して、後述されるように、一の電動発電機から他の電動発電機に向かって流れてよい。或いは、変換された直流は、バッテリ11を経由しないで、後述されるように、一の電動発電機から他の電動発電機に向かって流れてよい。
上述した電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foは、例えば同期電動発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有するロータと、(各電動発電機を示す円内に図示された)回転磁界を形成する三相コイルが巻回されたステータとを備えてよい。電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foのステータに巻回された三相コイルは、夫々駆動回路91R、91L、92R、92L、93Re及び93Fo、並びに、昇圧コンバータ91UR、91UL、93URe、93UFo、92UR及び92ULを介してバッテリ11に接続されている。また、上述したように、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foは夫々、バッテリ11からの電力の供給を受けて回転駆動するモータ(即ち、電動機)として動作することもできる(以下適宜、この運転状態を「回転駆動」と称す)。或いは、上述したロータが外力により回転している場合には三相コイルの両端に起電力を生じさせるジェネレータ(即ち、発電機)として機能してバッテリ11を充電することもできる(以下適宜、この運転状態を「回生」と称す)。
昇圧コンバータ91UR、91UL、93URe、93UFo、92UR及び92ULは、2つのトランジスタ、所謂、リアクトルコイルRe、並びに、コンデンサC2を夫々有する。昇圧コンバータ91UR、91UL、93URe、93UFo、92UR及び92ULによって、バッテリ11の電圧が昇圧される。これにより、バッテリ11が、駆動回路91R、91L、92R、92L、93Re及び93Foを介して、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foの負荷に印加する電圧を、規格電圧に維持することが可能である。
特に、本実施形態では、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foのうち少なくとも一の電動発電機の回転速度を減速し、回生により回生電力を生じさせ、この生じた回生電力によって、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foのうち一の電動発電機と異なる他の電動発電機を回転駆動し、この他の電動発電機の回転速度を増速する。
これにより、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foのうち少なくとも一の電動発電機の回転速度、並びに、一の電動発電機に対応される、回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foのうち一の回転体の回転速度を減速した場合に発生する回生エネルギを他の回転体及び他の電動発電機の回転エネルギとして使用することで、回生エネルギを無駄に失うことを防止することができる。以上より、本実施形態に係る車両挙動制御装置1における回転体の回転駆動システムにおいて、電気的エネルギ効率や機械的エネルギ効率等を含む全体的なエネルギ効率を向上することが可能である。
仮に、回生エネルギをバッテリ11等の蓄電手段に電気的エネルギとしてのみ蓄えるという手法によれば、蓄電手段の充電状態(SOC:State of Charge)が100%充電完了の状態に近い状態である場合、電気的エネルギとして蓄えること自体が困難であるため、回生自体が困難となってしまい、上述したリアクションホイールの原理に基づいた慣性力を発生自体が不可能となってしまう。
これに対して、本実施形態によれば、バッテリ11等の蓄電手段の充電状態が100%充電完了の状態に近い状態であり、電気的エネルギとして蓄えることが困難である場合においても、回収された回生エネルギを、他の回転体及び他の電動発電機の回転エネルギとして使用することで、回収された回生エネルギを電気的エネルギに加えて又は代えて機械的エネルギとして蓄えることができる。これにより、バッテリ11等の蓄電手段の充電状態とは無関係に、上述したリアクションホイールの原理に基づいた慣性力を発生させることができるので、リアクションホイールの原理に基づいた慣性力の発生効率をより向上させることができる。
(動作原理)
次に、図4から図9を参照して、本実施形態に係る車両挙動制御装置の動作原理について説明する。ここに、図4は、本実施形態に係る車両挙動制御装置を統括制御する制御装置による挙動制御処理の流れを示したフローチャートである。尚、この挙動制御処理は、例えば数μ秒乃至数十μ秒等の所定周期で繰り返し行われる。図5は、本実施形態に係る車両挙動制御装置を統括制御する制御装置によって減速される電動発電機と、増速される電動発電機との対応関係の一の具体例を示した模式図である。図6は、本実施形態に係る車両挙動制御装置を統括制御する制御装置によって減速される電動発電機と、増速される電動発電機との対応関係の他の具体例を示した模式図である。図7は、本実施形態に係る車両挙動制御装置を統括制御する制御装置による挙動制御処理のサブルーチンである直進中の回転速度制御の流れを示したフローチャートである。図8は、本実施形態に係る車両に固定された電動発電機において、リアクションホイールの原理に基づいて、右及び左ロールモーメントが発生する原理を図式的に示した模式図(図8(a)及び図8(b))である。図9は、本実施形態に係る回転体の減速率若しくは増速率と、車速と、舵角量との相関関係を定量的及び定性的に示したグラフである。
尚、この挙動制御処理は、図1に示されるように、車両挙動制御装置1による挙動制御の一例として、車両100が右旋回Rすることで、車両100の左右のロール方向のうち、旋回方向と反対方向(反時計回り)に車両100が慣性に従って左方向にロールしてしまう場合について説明する。特に、この場合の挙動制御処理として、本実施形態では、車両100が慣性に従ってロールする左方向を打ち消すためにこの左方向のロールと反対方向(即ち、時計回り)に、リアクションホイールに基づいた右方向のロールモーメントを発生させる挙動制御処理について説明する。ここに、本実施形態に係る「リアクションホイールに基づいたロールモーメント」とは、回転状態を維持しようとする回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foに起因して発生する、回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foにおける各回転軸が延びる方向を軸とする慣性力を意味してよい。
先ず、図4に示されるように、制御装置8は、車両100のイグニションスイッチ(IG)が運転者によって「On」されたか否かを判定する(ステップS101)。ここで、車両100のイグニションスイッチが運転者によって「On」されたと判定される場合(ステップS101:Yes)、制御装置8は、車速V、操舵角θを取得し、記憶部85に格納する(ステップS102)。ここでは、制御装置8は、車速センサ4により検出された車速V及び操舵角センサ5により検出された操舵角θを取得する。
次に、制御装置8は、回転体21R及び21Lによって構成されるジャイロ2aを回転駆動する。と共に、制御装置8は、回転体22R、22Lによって構成されるジャイロ2bを回転駆動する。と共に、制御装置8は、回転体23Re、23Foによって構成されるジャイロ2cを回転駆動する。(ステップS103)。即ち、制御装置8の処理部82に含まれる電動発電機回転制御部831R、831Lの制御下で、パワー制御部PCU1にバッテリ11の電力が供給され、電動発電機110R、110Lが回転駆動されると共に、電動発電機110R、110Lの回転力が、回転軸31R、31Lを介して、ジャイロ2aを構成する回転体21R及び21Lに伝達され、回転体21R及び21Lが回転駆動する。概ね同様にして、制御装置8の処理部82に含まれる電動発電機回転制御部832R、832Lの制御下で、パワー制御部PCU2にバッテリ11の電力が供給され、電動発電機120R、120Lが回転駆動されると共に、電動発電機120R、120Lの回転力が、回転軸32R、32Lを介して、ジャイロ2bを構成する回転体22R、22Lに伝達され、回転体22R、22Lが回転駆動する。概ね同様にして、制御装置8の処理部82に含まれる電動発電機回転制御部843Re、843Foの制御下で、パワー制御部PCU3にバッテリ11の電力が供給され、電動発電機130Re、130Foが回転駆動されると共に、電動発電機130Re、130Foの回転力が、回転軸33Re、33Foを介して、ジャイロ2cを構成する回転体23Re、23Foに伝達され、回転体23Re、23Foが回転駆動する。
次に、制御装置8によって、回転体センサ61R、61L、62R、62L、63Re及び63Foによって検出された回転速度に基づいて、全ての回転体、即ち、回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foの回転速度が所定値以上であるか否かが判定される(ステップS104)。ここに、本実施形態に係る所定値とは、車両100の走行に何らかの影響を殆ど又は完全に与えない回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foの回転速度を意味してよい。典型的には、この所定値は、車両100の速度等の走行状態に応じて、可変の値でもよし、移動体の物理的な性質に応じて固定の値でもよい。
このステップS104の判定の結果、制御装置8によって、全ての回転体、即ち、回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foの回転速度が所定値以上であると判定される場合(ステップS104:Yes)、更に、制御装置8によって、車両100が旋回状態であるか否か、言い換えると、車両100が直進状態でないか否かが判定される(ステップS105)。ここで、制御装置8によって、車両100が旋回状態である、言い換えると、車両100が直進状態でないと判定される場合(ステップS105:Yes)、例えば、取得された操舵角及び車速に加えて、図9に示された制御マップM1に基づいて、車両100のロール状態量として、回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foのうちの少なくとも一の回転体の回転速度における目標となる減速率(単位は「m/秒/秒」、即ち「m/秒2」)である目標減速率と、回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foのうち、上述した一の回転体と異なる他の回転体の回転速度における目標となる増速率(単位は「m/秒/秒」)である目標増速率とが制御装置8に取得される(ステップS106)。典型的には、目標減速率は、電磁ブレーキを掛けるブレーキ時間の目標値でよい。
具体的には、図9に示されるように、目標減速率又は目標増速率は、取得された車速V及び操舵角θに基づいて、一義的に決定されてよい。典型的には、例えば電磁ブレーキを掛けるブレーキ時間等の回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foのうちの上述した一の回転体の回転速度における目標減速率は、車速Vがより高速になるに従って大きくなると共に、操舵角θが大きくなるに従って大きくなるようにしてよい。また、上述した他の回転体の回転速度における目標増速率は、車速Vがより高速になるに従って大きくなると共に、操舵角θが大きくなるに従って大きくなるようにしてよい。このように、車両100の車速がより高速であるほど、又は、車両100の操舵角や操舵角速度や操舵角加速度が大きくなるほど、一の回転体或いは、他の回転体において、急ブレーキを掛けて減速率を大きくさせたり、増速率を大きくさせたりすることによって、リアクションホイールに基づいた慣性力をより大きく発生させることが可能である。
次に、制御装置8によって、取得された目標増速率が、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foにおける回転駆動可能な許容範囲内であり、当該目標増速率を設定することができるか否かが判定される(ステップS107)。典型的には、取得された目標増速率が、図9に示された、例えば点P1における増速率より小さい値の範囲等の電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foにおいて、増速側に回転駆動可能な許容範囲内にあるか否かが判定される。
このステップS107の判定の結果、取得された目標増速率が、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foの回転駆動可能な許容範囲内であり、当該目標増速率を設定することができると判定される場合(ステップS107:Yes)、制御装置8は、この設定可能な目標増速率と絶対値の等しい値を目標減速率として設定する(ステップS108)。
他方、上述したステップS107の判定の結果、取得された目標増速率が、電動発電機110R、110L、120R、120L、130Re及び130Foの回転駆動可能な許容範囲内になく、言い換えると許容範囲外であり、当該目標増速率を設定することができないと判定される場合(ステップS107:Yes)、制御装置8は、目標増速率を、図9に示された点P1に対応される上限値Maxに設定すると共に、この上限値Maxと絶対値の等しい値を目標減速率として設定する(ステップS109)。
(右操舵の場合)
次に、制御装置8によって、車両100が右旋回しているか否かが判定される(ステップS110)。ここで、車両100が右旋回していると判定される場合(ステップS110:Yes)、制御装置8によって、電動発電機110R、120R(言い換えると、右モータ)において、目標減速率で減速するように、駆動回路(所謂、ドライバ)91R、92Rにおいて、例えば電磁ブレーキを掛けるブレーキ時間が設定される(ステップS111)。
次に、例えば、電動発電機110L、120L(言い換えると、左モータ)において、回転速度の遅い順番に目標増速率で増速するように駆動回路91L、92Lの駆動条件が設定される(ステップS112)。典型的には、図5に示されるように、駆動回路91Rによって駆動される電動発電機110R及び回転体21Rにおいて、目標減速率で減速する設定が行われると共に、駆動回路92Rによって駆動される電動発電機120R及び回転体22Rにおいて、目標減速率で減速する設定が行われる場合、駆動回路91Lによって駆動される電動発電機110L及び回転体21Lに加えて、駆動回路92Lによって駆動される電動発電機120L及び回転体22Lにおいて、目標増速率で増速する設定が行われる。
これにより、上述したエネルギ効率の向上に加えて、回収された回生エネルギを、回転体21L、22Lの回転速度を増速するなどして、回転体21L、22Lの回転エネルギとして使用する。これにより、上述したリアクションホイールの原理に基づいた慣性力を増大させることができる。これにより、電動発電機110R、120Rにおいて、電磁ブレーキによる制動が行われると共に、電動発電機110L、120Lにおいて、回転駆動が行われる場合、リアクションホイールの原理により、車両100において、右方向のロールモーメントが発生する。
具体的には、このリアクションホイールの原理においては、図8(a)に示されるように、電動発電機110Rが、右回転している回転軸31Rに電磁ブレーキを掛け減速した場合、電動発電機110Rが固定された車両100は、回転体21R及び回転軸31Rが慣性に従って右回転しようする慣性力につられて右ロール方向に回転しようとする。これにより、電動発電機110Rに電磁ブレーキが掛けられ減速させることにより、車両100に右ロールモーメントを発生させることができる。
他方、このリアクションホイールの原理においては、概ね同様にして、図8(b)に示されるように、電動発電機110Lが、左回転している回転軸31Lを増速した場合、電動発電機110Lが固定された車両100は、回転体21L及び回転軸31Lにおいて増速された左回転力から反動力を受けて、言い換えると、左回転が増速している回転体21L及び回転軸31Lに蹴飛ばされて右ロール方向に回転しようとする。これにより、電動発電機110Lが増速されることによって、車両100に右ロールモーメントを発生させることができる。尚、電動発電機120L及び回転体22Lについても概ね同様にして、車両100に右ロールモーメントを発生させることができる。
特に、回転速度が、電動発電機110L及び回転体21Lと比較して、より低い電動発電機120L及び回転体22Lにおいて、目標増速率で増速する設定が優先的に行われることが好ましい。
これにより、回転体21R、22Rの回転速度の減速によって回収された回生エネルギを回転エネルギとして、回転体22L、21Lにおいて、回転エネルギの余力が大きい順番に、即ち、回転体22Lを優先して、より効率的に使用することが可能である。ここに、本実施形態に係る「余力」とは、回転体が現時点で保持可能である回転エネルギの程度を示す。典型的には、回転速度を標準値まで上昇させるまでの仕事或いは仕事量を意味してよい。この結果、回転体22L、21Lの増速によって、上述したリアクションホイールの原理に基づいた慣性力をより効率的に作用させることができる。特に、余力のある回転体22Lの回転エネルギとして多量且つ迅速に使用することが可能である。この結果、回転体22Lの優先的な増速によって、上述したリアクションホイールの原理に基づいた慣性力をより増大させることができる。
或いは、上述したステップS112においては、典型的には、図6に示されるように、駆動回路91Rによって駆動される電動発電機110R及び回転体21Rにおいて、目標減速率で減速する設定が行われると共に、駆動回路92Rによって駆動される電動発電機120R及び回転体22Rにおいて、目標減速率で減速する設定が行われる場合、駆動回路91Lによって駆動される電動発電機110L及び回転体21L、並びに、駆動回路92Lによって駆動される電動発電機120L及び回転体22Lに加えて、駆動回路93Reによって駆動される電動発電機130Re及び回転体23Re、並びに、駆動回路93Foによって駆動される電動発電機130Fo及び回転体23Foにおいて、目標増速率で増速する設定が行われてよい。
これにより、上述したリアクションホイールの原理に基づいた慣性力を2種類の方向に作用させることができる。具体的には、例えばロール方向のロールモーメントを回転体21L、22Lの回転速度の増速によって発生させることに加えて、例えばピッチ方向のピッチモーメントを回転体23Re、23Foの回転速度の増速によって発生させることができる。より具体的には、旋回を開始した初期段階での車両等の移動体における、所謂、ダイブ動作(又はダイビング動作)等でロール軸が斜めにずれる場合でも、リアクションホイールの原理に基づいた慣性力が発生する方向を異ならせることができる。これにより、移動体の挙動変化をより適切に制御することが可能である。
この典型例においても、上述の図5の説明と概ね同様にして、回転速度が低い順番である、優先度1、即ち、優先度が最も高いものとして、電動発電機110L及び回転体21L、続いて、優先度2として、電動発電機130Re及び回転体23Re、続いて、優先度3として、電動発電機130Fo及び回転体23Fo、続いて、優先度4として、電動発電機120L及び回転体22Lの順番で、目標増速率で増速する設定が順次行われることが好ましい。尚、電動発電機130Re及び回転体23Reの回転速度と、電動発電機130Fo及び回転体23Foの回転速度とは等しいが、車両100の進行方向を基準にして後ろ向きに回転している電動発電機130Re及び回転体23Reを優先的に増速する設定を行うことにより、上述したダイブ動作に対応して、移動体の挙動変化をより適切に制御することが可能であることを付記する。
以上より、回転体の回転速度の減速によって回収された回生エネルギを回転エネルギとして、回転体において、回転エネルギの余力が大きい順番に、より効率的に使用することが可能である。
(左操舵の場合)
他方、上述したステップS110の判定の結果、車両100が右旋回していると判定されない場合、即ち、左旋回していると判定される場合(ステップS110:No)、制御装置8によって、電動発電機110R、120R(言い換えると、右モータ)において、目標増速率で増速するように駆動回路91R、92Rの駆動条件が設定される(ステップS113)。
次に、例えば、電動発電機110L、120L(言い換えると、左モータ)において、回転速度の遅い順番に目標減速率で減速するように、例えば電磁ブレーキを掛けるブレーキ時間が設定される(ステップS114)。これにより、電動発電機110R、120Rにおいて、回転駆動が行われると共に、電動発電機110L、120Lにおいて、電磁ブレーキによる制動が行われる場合、上述したリアクションホイールの原理により、車両100において、左方向のロールモーメントが発生する。
(直進中の回転速度制御)
他方、上述したステップS105の判定の結果、制御装置8によって、車両100が旋回状態でない、言い換えると、車両100が直進状態であると判定される場合(ステップS105:No)、車両100が直進中における、回転体21R又は21Lの回転速度制御の流れを示した図7中のサブルーチンへと進む(ステップS150)。
図7に示されるように、次に、制御装置8によって、対になる回転体の回転速度である、回転体21R、22R、23Reの回転速度と、回転体21L、22L、23Foの回転速度とが夫々異なるか否かが夫々判定される。(ステップS151)。ここで、回転体21R、22R、23Reの回転速度と、回転体21L、22L、23Foの回転速度とが夫々異なると夫々判定される場合(ステップS151:Yes)、制御装置8は、例えば、2つの異なる回転体21Rの回転速度と、回転体21Lの回転速度との平均値を、回転体21R及び21Lの目標となる目標回転速度に夫々設定する(ステップS152)。これにより、所謂、ジャイロ制御における0点(初期状態)復帰の制御手法に基づいて、回転体21Rの回転運動エネルギと、回転体21Lの回転運動エネルギとの差を殆ど又は完全に無くすことができる。これにより、この回転運動エネルギの差に起因して発生する不要又は予期しない力を殆ど又は完全に無くすことができるので、車両100の挙動変化をより適切且つ的確に制御することが可能である。
次に、制御装置8は、目標増速率を、上述した図9に示された点P1に対応される上限値Maxに設定すると共に、この上限値Maxと絶対値の等しい値を目標減速率として設定する(ステップS153)。
他方、上述したステップS151の判定の結果、回転体21R、22R、23Reの回転速度と、回転体21L、22L、23Foの回転速度とが夫々異なると夫々判定されない場合、言い換えると、回転体21R、22R、23Reの回転速度と、回転体21L、22L、23Foの回転速度とが夫々同じであると夫々判定される場合(ステップS151:No)、制御装置8は、上述した所定値を、回転体21R及び21Lの目標となる目標回転速度に夫々設定すると共に、上述した所定値を、回転体22R及び22Lの目標となる目標回転速度に夫々設定すると共に、上述した所定値を、回転体23Re及び23Foの目標となる目標回転速度に夫々設定する(ステップS154)。これにより、上述のリアクションホイールの原理に基づいた慣性力を発生させる回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foの回転制御における、初期値を一定にさせることができるので、回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foの回転制御をより高精度に行うことができる。尚、回転体の慣性質量等に応じて、各シャイロ2a、2b及び2cにおける一対の回転体に対する所定値を変化させてよい。
次に、制御装置8は、目標増速率を、上述した図9に示された点P1に対応される上限値Maxに設定すると共に、この上限値Maxと絶対値の等しい値を目標減速率として設定する(ステップS155)。
(回転駆動又は制動)
次に、再び、図4に戻って、制御装置8によって、電動発電機10R及び10Lにおいて、回転駆動又は電磁ブレーキによる制動が行われる(ステップS115)。
次に、制御装置8は、車両100のイグニションスイッチが運転者によって「Off」されたか否かを判定する(ステップS116)。ここで、車両100のイグニションスイッチが運転者によって「Off」されたと判定される場合(ステップS116:Yes)、上述した一連の挙動制御処理は終了する。
他方、ステップS116の判定の結果、車両100のイグニションスイッチが運転者によって「Off」されたと判定されない場合(ステップS116:No)、上述したように、再度、制御装置8によって、回転体センサ61R、61L、62R、62L、63Re及び63Foによって検出された回転速度に基づいて、全ての回転体、即ち、回転体21R、21L、22R、22L、23Re及び23Foの回転速度が所定値以上であるか否かが判定される(ステップS104)。
尚、上述した本実施形態に係る車両挙動制御装置1による挙動制御方法は、上述した実施形態に限定されるものではない。上述したように、本実施形態に係る挙動制御処理は、図1に示されるように、車両挙動制御装置1による挙動制御の一例として、車両100が右旋回Rすることで、車両100の左右のロール方向のうち、旋回方向と反対方向(反時計回り)に車両100が慣性に従って左方向にロールしてしまう場合に、この左方向を打ち消すために、右方向のロールモーメントを発生させる挙動制御処理について説明した。この場合の挙動制御処理として、車両100が慣性に従ってロールする左方向を補助するためにこの左方向のロールと同一方向(即ち、反時計回り)に、リアクションホイールに基づいた左方向のロールモーメントを発生させてよい。この場合、車両100が左旋回する際のロール方向に積極的にロールモーメントを発生させるので、右前輪101R及び右後輪102Rの接地圧を増加することができ、旋回性を向上させることができる。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う移動体の慣性制御装置及び方法もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本実施形態に係る車両挙動制御装置を搭載した車両の基本構成を概念的に示した外観斜視図である。 本実施形態に係る車両挙動制御装置の制御装置に入出力される各種の制御信号の流れに着目した車両挙動制御装置の一部の詳細構成を図式的に示したブロック図である。 本実施形態に係るパワー制御部における電気回路を図式的に示した模式図である。 本実施形態に係る車両挙動制御装置を統括制御する制御装置による挙動制御処理の流れを示したフローチャートである。 本実施形態に係る車両挙動制御装置を統括制御する制御装置によって減速される電動発電機と、増速される電動発電機との対応関係の一の具体例を示した模式図である。 本実施形態に係る車両挙動制御装置を統括制御する制御装置によって減速される電動発電機と、増速される電動発電機との対応関係の他の具体例を示した模式図である。 本実施形態に係る車両挙動制御装置を統括制御する制御装置による挙動制御処理のサブルーチンである直進中の回転速度制御の流れを示したフローチャートである。 本実施形態に係る車両に固定された電動発電機において、リアクションホイールの原理に基づいて、右及び左ロールモーメントが発生する原理を図式的に示した模式図(図8(a)及び図8(b))である。 本実施形態に係る回転体の減速率若しくは増速率と、車速と、舵角量との相関関係を定量的及び定性的に示したグラフである。
符号の説明
1 車両挙動制御装置
2a、2b、2c 2重反転型ジャイロ(ジャイロ)
4 車速センサ
5 操舵角センサ
8 制御装置
11 バッテリ
21R、21L、22R、22L、23Re、23Fo 回転体
31R、31L、32R、32L、33Re、33Fo 回転軸
61R、61L、62R、62L、63Re、63Fo 回転体センサ
71R、71L、72R、72L、73Re、73Fo 電動発電機センサ
81 入出力部(即ち、I/O部:Input Output部)
82 処理部
85 記憶部
91R、91L、92R、92L、93Re、93Fo 駆動回路(所謂ドライバ)
91UR、91UL、93URe、93UFo、92UR、92UL 昇圧コンバータ
100 車両
101R、101L 前輪
103 駆動軸(ドライブシャフト)
102R、102L 後輪
104 駆動軸
105 操舵装置
105a ステアリングホイール
110R、110L、120R、120L、130Re、130Fo 電動発電機
831R、831L、832R、832L、833Re、833Fo 電動発電機回転制御部
841R、841L、842R、842L、843Re、843Fo 電動発電機回転速度算出部
910R、910L、920R、920L、930Re、930Fo 3相ブリッジ回路
PCU1、PCU2、PCU3 パワー制御部。

Claims (7)

  1. 回転方向が互いに異なると共に、移動体において、回転可能に支持され且つ第1回転軸が延びる方向に沿って互いに向かい合いように配置される一対の第1回転体と、
    回転方向が互いに異なると共に、前記移動体において、回転可能に支持され且つ第2回転軸が延びる方向に沿って互いに向かい合いように配置される一対の第2回転体と、
    前記移動体に固定されており、前記一対の第1回転体の回転状態を夫々変化させる一対の第1回転手段と、
    前記移動体に固定されており、前記一対の第2回転体の回転状態を夫々変化させる一対の第2回転手段と、
    前記移動体の走行状態に応じて、前記一対の第1回転体の回転状態を変化させるように前記一対の第1回転手段を夫々制御することに加えて又は代えて、前記一対の第2回転体の回転状態を変化させるように前記一対の第2回転手段を夫々制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体のうち一の回転体の回転速度を減速した場合に発生する回生エネルギを回収するように、前記一の回転体の回転状態を変化させる一の回転手段を制御すると共に、前記回収された回生エネルギを、前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体のうち他の回転体の回転エネルギとして使用するように、前記他の回転体の回転状態を変化させる他の回転手段を制御することを特徴とする移動体の慣性制御装置。
  2. 前記他の回転体として、前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体のうち回転方向が前記一の回転体の回転方向と異なる第3回転体を少なくとも一つ選択する第1選択手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記回収された回生エネルギを、前記選択された第3回転体の回転エネルギとして使用するように、前記第3回転体の回転状態を変化させる第3回転手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の移動体の慣性制御装置。
  3. 前記第1選択手段は、前記第3回転体として、回転速度が最小である第4回転体を選択することを特徴とする請求項2に記載の移動体の慣性制御装置。
  4. 前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体において蓄積可能な回転エネルギの余力を夫々特定する特定手段と、
    前記他の回転体として、前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体のうち前記特定された余力が大きい順番に回転体を順次選択する第3選択手段とを更に備え、
    前記制御手段は、前記回収された回生エネルギを、前記順次選択された回転体の回転運動エネルギとして使用するように、前記順次選択された回転体の回転状態を変化させる回転手段を順次制御することを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の移動体の慣性制御装置。
  5. 前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体の回転速度を夫々検出する検出手段と、
    前記他の回転体として、前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体のうち前記検出された回転速度が小さい順番に回転体を順次選択する第2選択手段とを更に備え、
    前記制御手段は、前記回収された回生エネルギを、前記順次選択された回転体の回転エネルギとして使用するように、前記順次選択された回転体の回転状態を変化させる回転手段を順次制御することを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか一項に記載の移動体の慣性制御装置。
  6. 前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体は、前記第1回転軸並びに前記第2回転軸が、前記移動体におけるロール軸、ヨー軸及びピッチ軸のうちいずれか一の軸に沿うように配置されることを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の移動体の慣性制御装置。
  7. 回転方向が互いに異なると共に、移動体において、回転可能に支持され且つ第1回転軸が延びる方向に沿って互いに向かい合いように配置される一対の第1回転体と、回転方向が互いに異なると共に、前記移動体において、回転可能に支持され且つ第2回転軸が延びる方向に沿って互いに向かい合いように配置される一対の第2回転体と、前記移動体に固定されており、前記一対の第1回転体の回転状態を夫々変化させる一対の第1回転手段と、前記移動体に固定されており、前記一対の第2回転体の回転状態を夫々変化させる一対の第2回転手段とを備えた移動体の慣性制御方法であって、
    前記移動体の走行状態に応じて、前記一対の第1回転体の回転状態を変化させるように前記一対の第1回転手段を夫々制御することに加えて又は代えて、前記一対の第2回転体の回転状態を変化させるように前記一対の第2回転手段を夫々制御する制御工程とを備え、
    前記制御工程は、前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体のうち一の回転体の回転速度を減速した場合に発生する回生エネルギを回収するように、前記一の回転体の回転状態を変化させる一の回転手段を制御すると共に、前記回収された回生エネルギを、前記一対の第1回転体並びに前記一対の第2回転体のうち他の回転体の回転エネルギとして使用するように、前記他の回転体の回転状態を変化させる他の回転手段を制御することを特徴とする移動体の慣性制御方法。
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