JP2010080644A - 固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製品ごとのESRばらつきを抑制でき、かつ十分な低ESR化及び信頼性の確保が図られる固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法を提供する。
【解決手段】 固体電解コンデンサ1では、コンデンサ素子2の層間への導電性ペースト部13の入り込み量が非導電性接着剤21によって規制されるので、固体電解コンデンサ1間でのESRばらつきを低減できる。また、コンデンサ素子2の層間への導電性ペースト部13の入り込みを規制することで、積層されたコンデンサ素子2の角部に相当する部分23で導電性ペースト部13が肉厚となるため、低ESR化が図られる。さらに、端部領域Rを除いた領域が空隙Sとなっているので、金属部材12をコンデンサ素子2の陽極部4に当接させる際の圧力がコンデンサ素子2の弾性によって逃げ易く、コンデンサ素子2のクラックの発生を抑制できる。
【選択図】図1
【解決手段】 固体電解コンデンサ1では、コンデンサ素子2の層間への導電性ペースト部13の入り込み量が非導電性接着剤21によって規制されるので、固体電解コンデンサ1間でのESRばらつきを低減できる。また、コンデンサ素子2の層間への導電性ペースト部13の入り込みを規制することで、積層されたコンデンサ素子2の角部に相当する部分23で導電性ペースト部13が肉厚となるため、低ESR化が図られる。さらに、端部領域Rを除いた領域が空隙Sとなっているので、金属部材12をコンデンサ素子2の陽極部4に当接させる際の圧力がコンデンサ素子2の弾性によって逃げ易く、コンデンサ素子2のクラックの発生を抑制できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法に関する。
従来の固体電解コンデンサとして、例えば特許文献1に記載のコンデンサがある。この従来のコンデンサは、定電圧素子を設置した電極板の一方面に誘電体酸化皮膜及び導電性高分子層を形成してなるコンデンサ素子を有している。そして、導電性接着剤をコンデンサ素子間に介在させることにより、複数のコンデンサ素子を積層している。
また、例えば特許文献2に記載の固体電解コンデンサでは、例えば浸漬法を用いることにより、コンデンサ素子積層体における陰極部側の端部を覆うように導電性ペースト部を形成し、コンデンサ素子の陰極部同士を電気的に接続している。
特開平5−166682号公報
特開2007−235101号公報
コンデンサ素子の陰極部側の端部に導電性ペースト部を形成する方法として、例えば浸漬法がある。この浸漬法によってコンデンサ素子の陰極部側の端部に導電性ペーストを塗布する際、例えば塗布装置の制御ばらつきにより、コンデンサ素子間への導電性ペーストの入り込み量が変化することが考えられる。導電性ペーストの入り込み量が変化すると、製造される固体電解コンデンサ間でESRばらつきが生じるという問題がある。
また、導電性ペーストの入り込み量が過剰になると、コンデンサ素子の端部に残る導電性ペーストの量が相対的に減少するおそれがある。この場合、積層されたコンデンサ素子の角部に相当する部分で導電性ペースト部が肉薄になり、コンデンサ素子のESRに影響することが考えられる。
一方、コンデンサ素子の陽極部の接続に金属部材を用いる場合、金属部材と陽極部とが確実に接続するように、金属部材を各コンデンサ素子の陽極部側の端面に押し付ける必要がある。このとき、金属部材からの圧力によってコンデンサ素子にクラックが生じると、固体電解コンデンサの信頼性が低下するおそれがある。そこで、コンデンサ素子のクラックを抑制できるようなコンデンサ素子間の構成を考慮する必要もある。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、製品ごとのESRばらつきを抑制でき、かつ十分な低ESR化及び信頼性の確保が図られる固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本発明に係る固体電解コンデンサは、陽極部と陰極部とを有するコンデンサ素子を複数積層してなる固体電解コンデンサであって、各コンデンサ素子の長手方向の一端部を覆うように設けられ、コンデンサ素子の陰極部同士を電気的に接続する導電性ペースト部と、各コンデンサ素子の長手方向の他端部に当接して固定され、コンデンサ素子の陽極部同士を電気的に接続する金属部材とを備え、コンデンサ素子間において、導電性ペースト部に連続する端部領域には、コンデンサ素子の幅方向の一端部から他端部にかけて充填材が充填され、端部領域を除いた領域には、空隙が形成されていることを特徴としている。
この固体電解コンデンサでは、コンデンサ素子の層間への導電性ペースト部の入り込み量が充填材によって規制されるので、例えば塗布装置の制御ばらつきが生じたとしても、製造される固体電解コンデンサ間でのESRばらつきを低減できる。また、コンデンサ素子の層間への導電性ペースト部の入り込みを規制することで、積層されたコンデンサ素子の角部に相当する部分で導電性ペースト部が肉厚となるため、低ESR化が図られる。さらに、コンデンサ素子の層間において、端部領域を除いた領域が空隙となっているので、金属部材をコンデンサ素子の陽極部に当接させる際の圧力がコンデンサ素子の弾性によって逃げ易い。したがって、コンデンサ素子のクラックの発生を抑制でき、信頼性を確保できる。
また、充填材は、非導電性接着剤によって形成されていることが好ましい。充填材として導電性接着剤を用いる場合、この導電性接着剤と導電性ペーストとを合わせた導電部分の体積が製品ごとにばらつき易くなる。したがって、充填材として非導電性接着剤を用いることで、製造される固体電解コンデンサ間でのESRばらつきを一層確実に低減できる。
また、本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、陽極部と陰極部とを有するコンデンサ素子を複数準備する準備工程と、コンデンサ素子における長手方向の一端部に連続する端部領域に、それぞれ充填材を塗布する充填材塗布工程と、充填材を塗布したコンデンサ素子を順次積層する積層工程と、コンデンサ素子を積層方向にプレスし、端部領域においてコンデンサ素子の幅方向の一端部から他端部にかけて充填材を充填させるプレス工程と、各コンデンサ素子の長手方向の他端部に金属部材を当接して固定し、コンデンサ素子の陽極部同士を電気的に接続する陽極部接続工程と、各コンデンサ素子の一端部を覆うように導電性ペースト部を形成し、コンデンサ素子の陰極部同士を電気的に接続する陰極部接続工程とを含むことを特徴としている。
この固体電解コンデンサの製造方法では、コンデンサ素子の層間への導電性ペーストの入り込み量が充填材によって規制されるので、例えば塗布装置の制御ばらつきが生じたとしても、製造される固体電解コンデンサ間でのESRばらつきを低減できる。また、コンデンサ素子の層間への導電性ペーストの入り込みを規制することで、積層されたコンデンサ素子の角部に相当する部分で導電性ペーストが肉厚となるため、低ESR化が図られる。さらに、コンデンサ素子の層間において、端部領域を除いた領域が空隙となっているので、金属部材をコンデンサ素子の陽極部に当接させる際の圧力がコンデンサ素子の弾性によって逃げ易い。したがって、コンデンサ素子のクラックの発生を抑制でき、信頼性を一層確保できる。
また、充填材塗布工程において、コンデンサ素子の幅方向に沿って直線状に充填材を塗布することが好ましい。こうすると、プレス工程において充填材がコンデンサ素子の幅方向の一端部から他端部にかけてしっかりと押し広げられるので、陰極部接続工程において、コンデンサ素子の層間への導電性ペーストの入り込み量を充填材によってより確実に規制できる。
また、充填材塗布工程において、コンデンサ素子の一端部側に凸となる円弧状に充填材を塗布することが好ましい。この場合も、プレス工程において充填材がコンデンサ素子の幅方向の一端部から他端部にかけてしっかりと押し広げられるので、陰極部接続工程において、コンデンサ素子の層間への導電性ペーストの入り込み量を充填材によってより確実に規制できる。
また、充填材として非導電性接着剤を用いることが好ましい。充填材として導電性接着剤を用いる場合、この導電性接着剤と導電性ペーストとを合わせた導電部分の体積が製品ごとにばらつき易くなる。したがって、充填材として非導電性接着剤を用いることで、製造される固体電解コンデンサ間でのESRばらつきを一層確実に低減できる。
本発明によれば、製品ごとのESRばらつきを抑制でき、かつ十分な低ESR化及び信頼性の確保が図られる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係る固体電解コンデンサ及び固体電解コンデンサの製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る固体電解コンデンサの一実施形態を示す断面図である。同図において、固体電解コンデンサ1は、複数層(本実施形態では5層)のコンデンサ素子2を積層してなる積層体3を備えている。コンデンサ素子2は、略長方形状をなす箔状又は板状のアルミニウム基体7を有しており、長手方向にそって陽極部4と陰極部5とが形成されている。また、陽極部4と陰極部5との間には、レジスト部6が設けられている。
図2は、コンデンサ素子2の一部構造を詳細に示す拡大断面図である。同図に示すように、アルミニウム基体7の表面は、表面積を増やすべく粗面化(拡面化)されてポーラス状になっている。このポーラス状の表面には、化成処理によって絶縁性の酸化アルミニウム皮膜8が形成されている。化成処理は、例えばアジピン酸アンモニウム水溶液中にアルミニウム基体7を浸漬させた状態で、例えば6Vの電圧を印加して行われる。化成処理されたアルミニウム基体7の基端側領域は、表面の粗面化構造が破壊された状態となっており、上記の陽極部4を構成している。
アルミニウム基体7における陽極部4及びレジスト部6を除く領域の表面上には、導電性高分子化合物を含む固体高分子電解質層9が形成されている。この固体高分子電解質層9は、アルミニウム基体7の粗面化によって形成された微細穴7aに入り込んだ状態となっている。固体高分子電解質層9の形成は、例えば3,4−エチレンジオキシチオフェン(Bayel社製BAYTRON M)0.9gと、パラトルエンスルホン酸鉄溶液(Bayel社製BAYTRON C−B50)10.81gと、ブタノール2.63gとの混合溶液(重合液)にアルミニウム基体7を含浸させ、化学酸化重合させることによって行われる。固体高分子電解質層9の最大厚さは、例えば10μm程度である。
固体高分子電解質層9上には、グラファイトペースト層10及び銀ペースト層11が順に形成されている。グラファイトペースト層10及び銀ペースト層11は、例えば浸漬法により形成される。グラファイトペースト層10の厚さは、例えば3μm程度であり、銀ペースト層11の厚さは、例えば5〜20μm程度である。以上の固体高分子電解質層9、グラファイトペースト層10及び銀ペースト層11は、上記の陰極部5を構成している。
レジスト部6は、例えばスクリーン印刷法等によりエポキシ樹脂等を塗布することによって形成されている。レジスト部6は、陽極部4と陰極部5とを電気的に絶縁する機能を有している。また、レジスト部6は、アルミニウム基体7を重合液に浸漬させる際に、ポーラス状になっているアルミニウム基体7の表面の毛細管現象によって重合液が陽極部4側に上がってくることを防止する機能を有している。
各コンデンサ素子2の陽極部4同士は、図1に示すように、金属部材12を介して互いに電気的に接続されている。金属部材12は、例えば鉄、ニッケル、銅及びこれらの合金等によって板状に形成されている。金属部材12は、各陽極部4の位置が揃った状態でコンデンサ素子2における陽極部4側の端面2aに当接し、例えばレーザ溶接によってコンデンサ素子2に接合されている。
また、各コンデンサ素子2の陰極部5同士は、導電性ペースト部13を介して互いに電気的に接続されている。導電性ペースト部13は、例えば浸漬法を用いた銀接着剤の塗布により、各コンデンサ素子2における陰極部5側の端部を覆うように設けられている。導電性ペースト部13の厚みは、例えば150μm程度となっている。また、導電性ペースト部13は、各コンデンサ素子2の層間において、各コンデンサ素子2の陰極部5側の端面2bから200μm程度内側に入り込んでいる。これにより、陰極部5同士の電気的な接続及び物理的な固定が確保されている。
さらに、図1及び図3に示すように、コンデンサ素子2の層間には、例えばエポキシ系樹脂などからなる非導電性接着部14がそれぞれ形成されている。非導電性接着部14は、図3に示すように、積層方向から見て、コンデンサ素子2の層間に入り込んだ導電性ペースト部13に連続する端部領域Rに充填されている。端部領域Rにおいて、非導電性接着部14は、コンデンサ素子2の幅方向の一端部から他端部にかけて隙間なく充填されている。したがって、コンデンサ素子2の層間への導電性ペースト部13の入り込み量は、非導電性接着部14に接する位置で規制されている。
また、非導電性接着部14は、コンデンサ素子2の長手方向について、コンデンサ素子2の陰極部5側の端面2bから200μm程度内側の位置から1mm程度の幅で形成されている。コンデンサ素子2の層間において、端部領域Rを除いた領域、すなわち、端面2b側から見て非導電性接着部14よりも奥側の領域には、陽極部4側の端面2aに至る空隙Sが形成されている。
次に、上述した構成を有する固体電解コンデンサ1の製造方法について説明する。
固体電解コンデンサ1の製造にあたっては、まず、陽極部4、陰極部5、及びレジスト部が形成された複数のコンデンサ素子2を準備する(準備工程)。コンデンサ素子2の製造手法については、公知技術を適用可能であるため、詳細な説明は省略する。
次に、コンデンサ素子2における陰極部5側の端部に連続する端部領域Rに、非導電性接着剤21をそれぞれ塗布する(充填材塗布工程)。端部領域Rは、図4に示すように、コンデンサ素子2の幅と等幅に、コンデンサ素子2の陰極部5側の端面2bから200μm程度内側の位置から1mm程度にわたって設定されている。そして、非導電性接着剤21を吐出するディスペンサ(不図示)を用いることにより、端面2b側に向かって凸となる円弧状に非導電性接着剤21を塗布する。このときの非導電性接着剤21の幅は、例えば500μm程度とする。
次に、非導電性接着剤21を塗布したコンデンサ素子2を順次積層し、積層体3を得る(積層工程)。積層体3の最上層には、非導電性接着剤21が塗布されてないコンデンサ素子2を積層する。積層体3の形成の後、コンデンサ素子2を所定の圧力で積層方向にプレスする(プレス工程)。これにより、コンデンサ素子2の端面2b側に向かって凸となる円弧状に塗布された非導電性接着剤21がコンデンサ素子2の層間において押し広げられ、端部領域Rにおいて、コンデンサ素子2の幅方向の一端部から他端部にかけて非導電性接着部14が形成される。プレス時に非導電性接着剤21がコンデンサ素子2の幅方向の一端部又は他端部からはみ出た場合には、適宜これを除去する。
プレス工程の後、金属部材12を各コンデンサ素子2における陽極部4側の端面2aに当接して固定し、コンデンサ素子2の陽極部4同士を電気的に接続する(陽極部接続工程)。金属部材12の固定の際、積層方向から見て各コンデンサ素子2の端面2aの位置がばらついている場合を考慮し、図5に示すように、金属部材12の平面部分をコンデンサ素子2の端面2aに対して所定の圧力で押し付ける。これにより、コンデンサ素子2の端面2aの位置が上下で揃い、金属部材12と各陽極部4とを密着させることができる。その後、金属部材12側から溶接用のYAGレーザ等を数点照射することにより、金属部材12を各陽極部4に固定する。
続いて、各コンデンサ素子2の陰極部5側の端部を覆うように導電性ペースト部13を形成し、コンデンサ素子2の陰極部5同士を電気的に接続する(陰極部接続工程)。導電性ペースト部13の形成には、例えば浸漬法が用いられる。浸漬法では、図6に示すように、例えば銀ペーストで満たされたペースト浴22を用意する。そして、コンデンサ素子2の積層体3を塗布装置(不図示)にセットし、陰極部5が下向きになるようにペースト浴22の上方に配置する。そして、積層体3を下降させ、コンデンサ素子2における陰極部5側の端部をペースト浴22に浸漬させた後、ペースト浴22から引き上げる。
これにより、各コンデンサ素子2の陰極部5側の端部を覆うように導電性ペースト部13が形成される。また、浸漬によってコンデンサ素子2の層間にも導電性ペースト部13が入り込み、陰極部5同士が導電性ペースト部13によってしっかりと接続される。コンデンサ素子2の層間への導電性ペーストの入り込み量は、端部領域Rに予め形成されている非導電性接着部14によって規制される。
なお、1回の浸漬では、コンデンサ素子2の層間に導電性ペースト部13が入り込むことによって導電性ペースト部13の体積が不足し、各コンデンサ素子2の陰極部5側の端部において、コンデンサ素子2の層間の位置に対応して導電性ペースト部13に凹部が生じることがある。この場合には、ペースト浴22への積層体3の浸漬を複数回実施することにより、導電性ペースト部13の平坦化が図られる。
以上説明したように、固体電解コンデンサ1では、コンデンサ素子2の層間への導電性ペースト部13の入り込み量が非導電性接着部14によって規制されるので、例えば浸漬法を実施する際に塗布装置の制御ばらつきが生じたとしても、製造される固体電解コンデンサ1間でのESRばらつきを低減できる。
また、コンデンサ素子2の層間への導電性ペースト部13の入り込みを規制することで、積層されたコンデンサ素子2の角部に相当する部分23(図1参照)で導電性ペースト部13が肉厚となるため、低ESR化が図られる。さらに、固体電解コンデンサ1では、コンデンサ素子2の層間において、端部領域Rを除いた領域が空隙Sとなっているので、金属部材12をコンデンサ素子2の陽極部4に当接させる際の圧力がコンデンサ素子2の弾性によって逃げ易くなっている。したがって、コンデンサ素子2のクラックの発生を抑制でき、信頼性を確保できる。
また、固体電解コンデンサ1では、導電性ペースト部13の入り込み量を規制する充填材として非導電性接着剤21を用いている。充填材として導電性接着剤を用いる場合、この導電性接着剤と導電性ペーストとを合わせた導電部分の体積が製品ごとにばらつき易くなる。したがって、充填材として非導電性接着剤21を用いることで、製造される固体電解コンデンサ1間でのESRばらつきを一層確実に低減できる。
また、本実施形態に係る固体電解コンデンサ1の製造方法では、充填材塗布工程において、コンデンサ素子2における陰極部5側の端面2bに向かって凸となる円弧状に非導電性接着剤21を塗布している。これにより、プレス工程においてコンデンサ素子2に積層方向の圧力をかけたときに、非導電性接着剤21がコンデンサ素子2の幅方向の一端部から他端部にかけてしっかりと押し広げられる。したがって、ペースト塗布工程において、コンデンサ素子2の層間への導電性ペースト部13の入り込み量を確実に規制できる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上述した実施形態では、充填材塗布工程において、コンデンサ素子2における陰極部5側の端面2bに向かって凸となる円弧状に非導電性接着剤21を塗布しているが、例えば図7に示すように、端部領域Rの中央付近を通るように、コンデンサ素子2の幅方向に沿って直線状に非導電性接着剤25を塗布してもよい。
続いて、本発明に係る固体電解コンデンサの効果確認試験について説明する。
この効果確認試験は、コンデンサ素子の端部領域に充填材を設けた場合と設けない場合とで、製造された固体電解コンデンサのESRを測定したものである。実施例として、図4と同様に陰極部側の端面に向かって凸となる円弧状に非導電性接着剤を塗布したコンデンサ素子を積層・プレスし、コンデンサ素子の層間への導電性ペーストの入り込み量を規制する構造を設けたサンプルを用意した。また、比較例として、非導電性接着剤によるコンデンサ素子の層間への導電性ペーストの入り込み量を規制する構造を設けないサンプルを用意した。各サンプルは、80個を1セットとし、比較例ではA,B,Cの3セット分の測定を実施し、実施例ではA,Bの2セット分の測定を実施した。
図8は、その試験結果を示す図である。同図に示すように、比較例Aでは、各サンプルのESRの値は、4.9mΩから8.5mΩであり、ESRの平均値は6.3mΩであった。比較例Bでは、各サンプルのESRの値は、5.5mΩから8.1mΩであり、ESRの平均値は6.7mΩであった。比較例Cでは、各サンプルのESRの値は、6.1mΩから9.9mΩであり、ESRの平均値は7.9mΩであった。
これに対し、実施例Aでは、各サンプルのESRの値は、4.0mΩから9.9mΩであり、ESRの平均値は5.0mΩであった。また、実施例Bでは、各サンプルのESRの値は、4.2mΩから6.4mΩであり、ESRの平均値は5.0mΩであった。この結果から、本発明のようにコンデンサ素子間に導電性ペーストの入り込み量を規制する充填材を設けることが、固体電解コンデンサの製品ごとのESRばらつきを低減させ、かつ低ESR化を実現できることが確認できた。
1…固体電解コンデンサ、2…コンデンサ素子、4…陽極部、5…陰極部、12…金属部材、13…導電性ペースト部、14…非導電性接着部、21,25…非導電性接着剤、R…端部領域、S…空隙。
Claims (6)
- 陽極部と陰極部とを有するコンデンサ素子を複数積層してなる固体電解コンデンサであって、
前記各コンデンサ素子の長手方向の一端部を覆うように設けられ、前記コンデンサ素子の前記陰極部同士を電気的に接続する導電性ペースト部と、
前記各コンデンサ素子の長手方向の他端部に当接して固定され、前記コンデンサ素子の前記陽極部同士を電気的に接続する金属部材とを備え、
前記コンデンサ素子間において、前記導電性ペースト部に連続する端部領域には、前記コンデンサ素子の幅方向の一端部から他端部にかけて充填材が充填され、前記端部領域を除いた領域には、空隙が形成されていることを特徴とする固体電解コンデンサ。 - 前記充填材は、非導電性接着剤によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
- 陽極部と陰極部とを有するコンデンサ素子を複数準備する準備工程と、
前記コンデンサ素子における長手方向の一端部に連続する端部領域に、それぞれ充填材を塗布する充填材塗布工程と、
前記充填材を塗布したコンデンサ素子を順次積層する積層工程と、
前記コンデンサ素子を積層方向にプレスし、前記端部領域においてコンデンサ素子の幅方向の一端部から他端部にかけて前記充填材を充填させるプレス工程と、
前記各コンデンサ素子の長手方向の他端部に金属部材を当接して固定し、前記コンデンサ素子の前記陽極部同士を電気的に接続する陽極部接続工程と、
前記各コンデンサ素子の前記一端部を覆うように導電性ペースト部を形成し、前記コンデンサ素子の前記陰極部同士を電気的に接続する陰極部接続工程とを含むことを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。 - 前記充填材塗布工程において、前記コンデンサ素子の幅方向に沿って直線状に前記充填材を塗布することを特徴とする請求項3記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記充填材塗布工程において、前記コンデンサ素子の前記一端部側に凸となる円弧状に前記充填材を塗布することを特徴とする請求項3記載の固体電解コンデンサの製造方法。
- 前記充填材として非導電性接着剤を用いることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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