JP2010080265A - 色素増感型太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄型軽量化した場合であっても、電極どうしが接触して短絡することがない、色素増感型太陽電池を提供する。
【解決手段】第一の基板と、その基板の内面に、少なくとも二以上の独立した領域となるように設けられた導電層と、一方の導電層上に設けられた、色素を担持した酸化物半導体層と、前記第一の基板と対向して配置された第二の基板と、前記第一の基板と前記第二の基板との間に配置される電解質層と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】第一の基板と、その基板の内面に、少なくとも二以上の独立した領域となるように設けられた導電層と、一方の導電層上に設けられた、色素を担持した酸化物半導体層と、前記第一の基板と対向して配置された第二の基板と、前記第一の基板と前記第二の基板との間に配置される電解質層と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、色素増感型太陽電池に関し、より詳細には、薄型軽量化した場合であっても電極どうしが接触して短絡することがない色素増感型太陽電池に関する。
近年、地球温暖化等の環境問題が世界的にも指摘されており、環境負荷の少ないクリーンエネルギーとして太陽光発電が注目され、太陽電池素子の積極的な研究開発が進められている。太陽電池としては、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、化合物半導体太陽電池などが既に実用化されているが、製造コストの問題や、製造段階でのエネルギー消費が大きいといった問題が指摘されている。このような観点から、比較的安価に製造でき、製造段階でのエネルギー消費も低減できる可能性の高い新規な太陽電池として、色素増感型の太陽電池が注目されはじめている。
色素増感型太陽電池は、一般的に、光の入射する側から、透明基板、透明電極(第一電極層)、色素増感剤が担持された酸化物半導体層、電解液からなる電解質層、および第二電極層を備えた対電極基板が順に積層されたセル構造を有する。色素増感型太陽電池は、このように、電極間に電解液を狭持したような単純な構造を有するため、例えば、特開平11−288745号公報(特許文献1)や特開2002−313444号公報(特許文献2)等に提案されているように、基板として樹脂シート等を用いることにより、フレキシブルなシート状の太陽電池を実現させることも可能である。
特開平11−288745号公報
特開2002−313444号公報
しかしながら、基板として樹脂シート等を用いた場合、太陽電池を屈曲させると中央部分に応力が集中するため、光電極と対電極とが接触して短絡することがある。このような電極どうしの接触による短絡の問題は、太陽電池を薄型軽量化したような場合、より顕著に発生することが予想される。
したがって、本発明の目的は、薄型軽量化した場合であっても、電極どうしが接触して短絡することがない、色素増感型太陽電池を提供することである。
また、本発明の別の目的は、このような色素増感型太陽電池を用いた太陽電池モジュールを提供することである。
本発明による色素増感型太陽電池は、第一の基板と、その基板の内面に、少なくとも二以上の独立した領域となるように設けられた導電層と、一方の導電層上に設けられた、色素を担持した酸化物半導体層と、前記第一の基板と対向して配置された第二の基板と、前記第一の基板と前記第二の基板との間に配置される電解質層と、を備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の態様においては、前記第一の基板および/または第二の基板が透明であることが好ましい。
さらに、本発明の態様においては、前記酸化物半導体層が設けられていない側の導電層上に、触媒層が設けられていることが好ましい。
また、本発明の態様においては、前記酸化物半導体層が設けられた導電体層が透明材料から形成されることが好ましく、その場合、前記酸化物半導体層が設けられた導電体層以外の導電体層が透明材料から形成されることがより好ましい。
さらに、本発明の態様においては、前記第一の基材および第二の基材の少なくとも一方が、可撓性材料からなることが好ましい。
本発明の別の態様においては、上記色素増感型太陽電池が複数連結された色素増感型太陽電池モジュールも提供される。
酸化物半導体層が設けられた導電層(従来の光電極に相当)と、他方の導電層(従来の対電極に相当)とが、同一基板上に併置された構造を有するため、構造的に両方の導電層が接触することはなく、従来の色素増感型太陽電池のように、薄膜軽量化した場合であっても短絡の恐れがない。従って、電気絶縁層を設ける必要がないため、より構造を簡略化でき、薄膜軽量化した色素増感型太陽電池を実現することができる。
<色素増感型太陽電池>
本発明による色素増感型太陽電池を、図面を参照しながら、以下説明する。
本発明による色素増感型太陽電池を、図面を参照しながら、以下説明する。
図1は、本発明による色素増感型太陽電池の概略断面図を示したものである。本発明による色素増感型太陽電池は、第一の基板1と、その基板の内面に、少なくとも二以上の独立した領域となるように設けられた導電層2,3と、一方の導電層2上に設けられた、色素を担持した酸化物半導体層4と、前記第一の基板1と対向して配置された第二の基板7と、前記第一の基板と前記第二の基板との間に配置される電解質層(第一の基板1と第二の基板7と接着剤層6とで隔離された間隙部分)とから構成されている。すなわち、一般的な色素増感型太陽電池の光電極(本発明の導電層2に相当)と対電極(本発明の導電層3に相当)とが、同一の基板上に併置された構成を有する。このような構成とすることにより、構造的に両方の導電層が接触することはなく、従来の色素増感型太陽電池のように、薄膜軽量化した場合であっても短絡の恐れがない。すなわち、従来の色素太陽電池は、図4に示されるように、一対の対向する基板11,17のそれぞれ両方に、酸化物半導体層14を設けた光電極12と、対電極13とが対向して配置され、接着層16によって、両基板11,17が貼着された構造を有しており、場合によっては、対電極13上に触媒層15が設けられていた。このような構造の太陽電池においては、図4に示されるように、湾曲した場合に、酸化物半導体層14と触媒層15とが接触し、短絡が発生する場合があった。太陽電池を薄膜化する場合、このような短絡の問題が顕著となるが、本発明による色素増感型太陽電池においては、光電極と対電極に相当する一対の導電層が、同一基板上に併置して設けられているため、太陽電池を薄膜化した場合であっても短絡することがない。
導電層2,3は、第一の基板上に、少なくとも二以上の独立した領域となるように設けられる。導電層2と導電層3とが、互いに接触したり、重なりあっていたりすると、短絡が生じるためである。
本発明においては、後記するような触媒層5を、酸化物半導体層4を設けられていない導電層3上に設けることが好ましい。図2に、第一基板の内面側の構成を斜視した概略図を示す。第一の基板1上に設けられる導電層は、太陽電池からの起電力を外部へ取り出すための電極端子として機能するよう、基板の周縁部に延びるように突出した部分を設けることができる。同様に、対電極である導電層3も、外部へ電力を取りさせるように、基板の周縁部に延びるように突出した部分を設けることができる。両導電層の形状は、特に限定されるものではなく、どのような形状としてもよい。また、突出部自体の形状は図2に示すような矩形のみならず、棒状であってもよく、特に限定されるものではない。
一方の導電層2上には、色素を担持した酸化物半導体層4が設けられており、他方の導電層3上には、触媒層5が設けられている。そして第一の基板の周縁部に所定の幅を有して接着層6が形成され、第二の基板7が第一の基板1と貼着されることにより、図1に示すような構造の色素増感型太陽電池とすることができる。
次に、本発明による色素増感型太陽電池を構成する各部材について説明する。
<基板>
本発明による色素増感型太陽電池に使用される第一の基板は、通常、太陽電池の受光面となるものである。従って、基板は光の透過性に優れていることが好ましい。本発明において、基板の種類等は、特に限定されるものではなく、一般的な色素増感型太陽電池と同様のものを用いることができる。
本発明による色素増感型太陽電池に使用される第一の基板は、通常、太陽電池の受光面となるものである。従って、基板は光の透過性に優れていることが好ましい。本発明において、基板の種類等は、特に限定されるものではなく、一般的な色素増感型太陽電池と同様のものを用いることができる。
具体的には、ガラス、可塑性のないリジッド材、フィルム基材等を挙げることができるがこれらに限定されるものではない。リジッド材としては、例えば石英ガラス、パイレックス(登録商標)、合成石英板等を挙げることができる。また、フィルム基材としては、例えば、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエーテルサルフォン(PES)フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)フィルム、ポリエーテルイミド(PEI)フィルム、ポリイミド(PI)フィルム、ポリエステルナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂フィルム基材等を挙げることができ、中でも二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリエステルナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)が好ましい。このような可撓性フィルム基材は加工性に優れ、製造コストの低減ができるとともに、可撓性の太陽電池を実現できる。
また、上記支持体は、一種類のみを単独で用いても良く、また、2種以上を積層して用いても良い。
第一基板の厚みは、特に限定されるものではないが、基板の強度、加工性の観点から、50〜500μm程度が好ましい。
本発明においては、第二の基板も、第一の基板と同様の材料を用いることができる。ところで、従来の色素増感型太陽電池は、第一の基板および第二の基板の両側にそれぞれ導電層(光透明電極および対電極)を有し、光透明電極が設けられた側の基板のみが透明材料で形成され、一方の面からのみ受光していたが、本発明による色素増感型太陽電池は、一方の基板側に、一対の電極が併置された構造を有するため、第一の基板から受光した場合であっても、第二の基板から受光した場合であっても、いずれも光電効果を生じる。従って、本発明においては、第一および第二の基板の両方が透明材料からなることが、より好ましい。
<導電層>
第一の基板上に設けられる導電層は、上記した通り、少なくとも2箇所の独立した領域を有する。その一方の導電層には酸化物半導体層が積層されるが、この導電層は、光照射により生じる電荷を集電する機能を有するものである。従って、上記導電層は光の透過性、導電性に優れていることが好ましい。本発明において、透明電極膜の種類等は、特に限定されるものではなく、一般的な色素増感型太陽電池素子と同様のものを用いることができる。
第一の基板上に設けられる導電層は、上記した通り、少なくとも2箇所の独立した領域を有する。その一方の導電層には酸化物半導体層が積層されるが、この導電層は、光照射により生じる電荷を集電する機能を有するものである。従って、上記導電層は光の透過性、導電性に優れていることが好ましい。本発明において、透明電極膜の種類等は、特に限定されるものではなく、一般的な色素増感型太陽電池素子と同様のものを用いることができる。
透明導電層は、通常、金属酸化物からなるものである。上記金属酸化物としては、例えば、SnO2、FTO(フッ素ドープ酸化すず)、ATO(アンチモンドープ酸化すず)、ITO、ZnOを挙げることができ、中でもFTOおよびITOが好ましい。FTOおよびITOは、光の透過性、導電性に優れているからである。
また、上記透明導電層は、単層構造を有するものであっても良く、複層構造を有するものであっても良い。複層構造の透明電極膜としては、例えば、互いに仕事関数が異なる層を積層したもの、互いに異なる金属酸化物層を積層したもの等を挙げることができる。
導電層の厚みは特に限定されるものではないが、光照射により生じる電荷を集電する機能を有するためには、概ね0〜20Ω/□程度の表面抵抗値を有するように形成されることが好ましい。例えば、スパッタ法やイオンプレーティング法によって、上記の金属酸化物からなる薄膜を形成することにより、表面抵抗値が上記範囲内となるように導電層を形成することができる。
他方の導電層は、導電性のあるものであれば特に限定されるものではなく、一般的な色素増感型太陽電池素子と同様のものを用いることができるが、第二の基板が透明材料からなる場合は、上記したように、第二基板側からの受光によっても光電効果を得るため、導電層も光の透過性、導電性に優れていることが好ましい。透明導電層としては、上記したものと同様のものを使用することができる。
第一基板上の少なくとも2箇所の独立した領域に導電層を設けるには、例えば、第一基板に、所定の形状にパターニングされたマスクを介して、金属酸化物を蒸着したり、あるいは、導電層形成用塗工液を2箇所の独立した領域に塗り分けることにより、別個独立した領域に導電層を形成することができる。したがって、マスクを介して別個独立した領域に導電層を形成する場合には、各導電層とも同一の材料により形成することにより、製造工程をより簡略化することができる。
<酸化物半導体層>
酸化物半導体層は、上記の導電層上に形成され、一般的に、色素増感剤を含有する多孔質の層である。本発明において、上記酸化物半導体層の種類等は、特に限定されるものではなく、一般的な色素増感型太陽電池素子と同様のものを用いることができる。
酸化物半導体層は、上記の導電層上に形成され、一般的に、色素増感剤を含有する多孔質の層である。本発明において、上記酸化物半導体層の種類等は、特に限定されるものではなく、一般的な色素増感型太陽電池素子と同様のものを用いることができる。
酸化物半導体層は、通常、金属酸化物半導体微粒子を含有するものである。上記金属酸化物半導体微粒子としては、例えば、TiO2、ZnO、SnO2、ZrO2、Mn3O4、Y2O3、WO3、Nb2O5、La2O3等を挙げることができ、中でもTiO2が好ましい。これらの金属酸化物半導体微粒子は、多孔質の酸化物半導体層を形成するのに適しているため、好適に用いられる。また、上記金属酸化物半導体微粒子は、コアシェル構造を有するものであっても良い。さらに、上記酸化物半導体層は、上記金属酸化物半導体微粒子を一種用いたものであっても良く、二種以上用いたものであっても良い。
また、上記金属酸化物半導体微粒子の粒径としては、特に限定されるものではないが、例えば1nm〜10μmの範囲内、中でも10nm〜1000nmの範囲内であることが好ましい。金属酸化物半導体微粒子の粒径が小さすぎると、各々の金属酸化物半導体微粒子が凝集し二次粒子を形成する可能性があり、金属酸化物半導体微粒子の粒径が大きすぎると、酸化物半導体層が厚膜化し、膜抵抗が大きくなる可能性があるからである。
一方、上記酸化物半導体層は、通常、色素増感剤を担持するものである。上記色素増感剤としては、特に限定されるものではないが、例えば有機色素または金属錯体色素を挙げることができる。上記有機色素としては、具体的にはアクリジン系色素、アゾ系色素、インジゴ系色素、キノン系色素、クマリン系色素、メロシアニン系色素、フェニルキサンテン系色素等が挙げられ、中でもクマリン系色素が好ましい。一方、上記金属錯体色素としては、具体的には、ルテニウム系色素を挙げることができ、中でもルテニウム錯体であるルテニウムビピリジン色素およびルテニウムターピリジン色素が好ましい。
上記酸化物半導体層の厚みとしては、特に限定されるものではないが、例えば1μm〜100μmの範囲内、中でも5μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。酸化物半導体層の厚みが小さすぎると、担持させる色素の吸着量が不十分となり、厚みを大きくしすぎると酸化物半導体層にクラックが発生する場合がある。
<触媒層>
本発明においては、酸化物半導体層が設けられていない側の導電層上に、触媒層が設けることが好ましい。触媒層を設けることにより、光電変換効率を向上させることができる。触媒層は、一般的な色素増感型太陽電池に用いられる触媒を用いることができ、例えば、白金、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、導電性高分子等を有することができる。
本発明においては、酸化物半導体層が設けられていない側の導電層上に、触媒層が設けることが好ましい。触媒層を設けることにより、光電変換効率を向上させることができる。触媒層は、一般的な色素増感型太陽電池に用いられる触媒を用いることができ、例えば、白金、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、導電性高分子等を有することができる。
<電解質層>
電解質層は、第一の基板と前記第二の基板との間に配置されるものである。電解質層は、一方の導電層上の酸化物半導体層に担持された色素増感剤と、他方の導電層との間の電荷輸送を担う機能を有する。
電解質層は、第一の基板と前記第二の基板との間に配置されるものである。電解質層は、一方の導電層上の酸化物半導体層に担持された色素増感剤と、他方の導電層との間の電荷輸送を担う機能を有する。
電解質層は、一般的な色素増感型太陽電池素子に用いられるものを用いることができ、溶媒として、常温溶融塩やカーボネート系、ニトリル系、アルコール系等の有機溶媒を用いることができる。常温溶融塩としては、四級化された窒素原子を有する化合物をカチオンとした常温溶融性塩や、BE4−、PF6−、F(HF)n−、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド[N(CF3SO2)2−]、ヨウ化物イオン、臭化物イオン、ジシアノアミド等のアニオン性常温溶融塩が挙げられる。
上記電解質層は酸化還元対を含有するものである。上記酸化還元対としては、特に限定されることなく、ヨウ素/ヨウ化物イオン、臭素/臭化物イオンなどのペアを添加して得ることができる。ヨウ化物イオンまたは臭化物イオンの供給源としては、リチウム塩、四級化イミダゾリウム塩、テトラブチルアンモニウム塩などを単独または複合して用いることができる。
また、上記電解質層の形態としては、電荷輸送を行うことができるものであれば特に限定されるものではなく、液体状のものや固体状または半固体状のものを使用できる。
本発明においては、酸化物半導体層が設けられた導電層(従来の光電極に相当)と、他方の導電層(従来の対電極に相当)とが、同一基板上に併置された構造を有するため、構造的に両方の導電層が接触することはなく、従来の色素増感型太陽電池のように、薄膜軽量化した場合であっても短絡の恐れがない。従って、電気絶縁層を設ける必要がないため、より構造を簡略化でき、薄膜軽量化した色素増感型太陽電池を実現することができる。
<色素増感型太陽電池の製造方法>
本発明に用いられる色素増感型太陽電池は、上記の各構成部材を積層することにより形成される。具体的には、第一基板上に、導電層、酸化物半導体層、触媒層、電解質層を積層した後、基板の周縁部に接着層を設けて、第二の基板を貼着することにより形成される。接着層としては、第一基板と第二基板との密着性が確保できるものであれば、特に制限されるものではなく、一般的な色素増感型太陽電池に用いられる材料を用いることができる。具体的には、ヒートシール剤、粘着剤、接着剤、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を挙げることができる。
本発明に用いられる色素増感型太陽電池は、上記の各構成部材を積層することにより形成される。具体的には、第一基板上に、導電層、酸化物半導体層、触媒層、電解質層を積層した後、基板の周縁部に接着層を設けて、第二の基板を貼着することにより形成される。接着層としては、第一基板と第二基板との密着性が確保できるものであれば、特に制限されるものではなく、一般的な色素増感型太陽電池に用いられる材料を用いることができる。具体的には、ヒートシール剤、粘着剤、接着剤、熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を挙げることができる。
色素増感型太陽電池素子の形状としては、特に限定されるものではないが、例えば、短冊状、円状、渦巻き状等を挙げることができる。
<色素増感型太陽電池モジュール>
本発明による色素増感型太陽電池モジュールは、図3に示すように、複数の色素増感型太陽電池が配列して接続された構造を有する。各電池の接続は、直列に接続されたものであってもよく、また並列に接続されたものであってもよい。例えば、図3に示すように、一方の導電層の一部2と、他方の色素増感型太陽電池の導電層の一部3とを互いに連結させることができる。
本発明による色素増感型太陽電池モジュールは、図3に示すように、複数の色素増感型太陽電池が配列して接続された構造を有する。各電池の接続は、直列に接続されたものであってもよく、また並列に接続されたものであってもよい。例えば、図3に示すように、一方の導電層の一部2と、他方の色素増感型太陽電池の導電層の一部3とを互いに連結させることができる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されるものではない。
実施例1
<電極基板の作製>
31×32mm角のポリエチレンテレフタレート(PET)シートの中央に、幅1mmのマスクを設け、IP法により、マスクを介してITOを蒸着することにより、15×32mm角のITO薄膜が1mmの幅で隣接した構造の導電層を形成した。
<電極基板の作製>
31×32mm角のポリエチレンテレフタレート(PET)シートの中央に、幅1mmのマスクを設け、IP法により、マスクを介してITOを蒸着することにより、15×32mm角のITO薄膜が1mmの幅で隣接した構造の導電層を形成した。
この導電層の一方に、酸化チタンペースト(solaronix製)をアプリケーターにより、10×30mmの範囲に塗布し、100℃のホットプレート上で10分間乾燥させることにより、酸化チタン微粒子からなる膜厚7μmの多孔質酸化物半導体層を形成した。
他方の導電層には、baytronP VP AI4083(スタルク製)をミヤバーにより、10×30mmの範囲に塗布して、触媒層を設けた。
次いで、増感色素として、ルテニウム錯体(N719、Dyesol製)を、濃度が3×10−4mol/lとなるようにアセトニトリルとtert−ブチルアルコールとの混合溶液(体積比1:1)中に溶解させた色素担持用組成物を調製し、この組成物中に、多孔質酸化物半導体層が形成された部分のみを浸漬し、室温で20時間放置した。その後、多孔質酸化物半導体層を設けたシートを色素担持用組成物から引き上げ、多孔質酸化物半導体層に付着した色素担持用組成物をアセトニトリルにより洗浄し、風乾した。このようにして、導電層上に、多孔質酸化物半導体層および触媒層が形成された電極基板を作製した。
<電解質の調製>
0.6Mのヘキシルメチルイミダゾールアイオダイド(富士薬品製)、0.03MのI2(メルク製)、および0.1MのN−メチルベンズイミダゾール(富士薬品製)に、シリカ粒子(日本アエロジル社製、AEROGIL200)を7重量%加えて、乳鉢で混合して電解質組成物を調製した。
0.6Mのヘキシルメチルイミダゾールアイオダイド(富士薬品製)、0.03MのI2(メルク製)、および0.1MのN−メチルベンズイミダゾール(富士薬品製)に、シリカ粒子(日本アエロジル社製、AEROGIL200)を7重量%加えて、乳鉢で混合して電解質組成物を調製した。
上記で得られた電解質組成物を、スクリーン印刷法によって、シート上に形成した多孔質酸化物半導体層および触媒層に、21mm×30mmの範囲となるように塗布した。
<セル組み>
導電層上に、多孔質酸化物半導体層および触媒層を囲むようにして、23mm×32mm角の範囲(幅1mm)で、アイオノマー系樹脂シート(30μm厚)を載置し、その上に、23mm×32mm角のPETシートを貼り合せて、ホットプレート上で加熱することにより、各層を積層した色素増感型太陽電池1を得た。
導電層上に、多孔質酸化物半導体層および触媒層を囲むようにして、23mm×32mm角の範囲(幅1mm)で、アイオノマー系樹脂シート(30μm厚)を載置し、その上に、23mm×32mm角のPETシートを貼り合せて、ホットプレート上で加熱することにより、各層を積層した色素増感型太陽電池1を得た。
比較例1
<光電極基板の作製>
16mm×32mm角のPETシート上に、IP法により、ITOを蒸着することにより、導電層を形成した。この蒸着層上に、酸化チタンペースト(solaronix製)をアプリケーターにより10mm×30mmの範囲となるように塗布し、酸化チタン微粒子からなる膜厚7μmの多孔質酸化物半導体層を形成した。
<光電極基板の作製>
16mm×32mm角のPETシート上に、IP法により、ITOを蒸着することにより、導電層を形成した。この蒸着層上に、酸化チタンペースト(solaronix製)をアプリケーターにより10mm×30mmの範囲となるように塗布し、酸化チタン微粒子からなる膜厚7μmの多孔質酸化物半導体層を形成した。
次いで、増感色素として、ルテニウム錯体(N719、Dyesol製)を、濃度が3×10−4mol/lとなるようにアセトニトリルとtert−ブチルアルコールとの混合溶液(体積比1:1)中に溶解させた色素担持用組成物を調製し、この組成物中に、多孔質酸化物半導体層が形成された部分のみを浸漬し、室温で20時間放置した。その後、多孔質酸化物半導体層を設けたシートを色素担持用組成物から引き上げ、多孔質酸化物半導体層に付着した色素担持用組成物をアセトニトリルにより洗浄し、風乾した。このようにして、導電層上に、多孔質酸化物半導体層が形成された電極基板を作製した。
多孔質酸化物電解質層上に、実施例1で用いた電解質と同様のものを用いて、同様の方法により、10mm×30mmの範囲となるように塗布した。
<対電極基板の作製>
16mm×32mm角のPETシート上に、IP法により、ITOを蒸着することにより、導電層を形成した。この蒸着層上に、baytronP VP AI4083(スタルク製)をミヤバーにより、10×30mmの範囲に塗布して、触媒層を設けることにより、対電極基板を作製した。
16mm×32mm角のPETシート上に、IP法により、ITOを蒸着することにより、導電層を形成した。この蒸着層上に、baytronP VP AI4083(スタルク製)をミヤバーにより、10×30mmの範囲に塗布して、触媒層を設けることにより、対電極基板を作製した。
<セル組み>
得られた光電極基板の周囲に、実施例1と同様の方法により、12mm×32mm角の範囲(幅1mm)にカットした樹脂フィルムを積層し、その上に、得られた対電極基板を触媒層と多孔質酸化物半導体層とが対向するように貼り合せて接着することにより色素増感型太陽電池2を得た。
得られた光電極基板の周囲に、実施例1と同様の方法により、12mm×32mm角の範囲(幅1mm)にカットした樹脂フィルムを積層し、その上に、得られた対電極基板を触媒層と多孔質酸化物半導体層とが対向するように貼り合せて接着することにより色素増感型太陽電池2を得た。
<太陽電池セルの性能評価>
得られた色素増感太陽電池1および2を、10回湾曲させた後で、擬似太陽光(100mW/cm2、AM(AirMass)1.5)を光源として、光電変換効率を求めた。
得られた色素増感太陽電池1および2を、10回湾曲させた後で、擬似太陽光(100mW/cm2、AM(AirMass)1.5)を光源として、光電変換効率を求めた。
その結果、実施例1の太陽電池は変換効率η=0.5%であった。一方、比較例1の太陽電池は、短絡のため起電力が発生せず、変換効率を算出することができなかった。
1 第一の基板
2 導電層
3 導電層
4 酸化物半導体層
5 触媒層
6 接着層
7 第二の基板
2 導電層
3 導電層
4 酸化物半導体層
5 触媒層
6 接着層
7 第二の基板
Claims (7)
- 第一の基板と、その基板の内面に、少なくとも二以上の独立した領域となるように設けられた導電層と、一方の導電層上に設けられた、色素を担持した酸化物半導体層と、前記第一の基板と対向して配置された第二の基板と、前記第一の基板と前記第二の基板との間に配置される電解質層と、を備えたことを特徴とする、色素増感型太陽電池。
- 前記第一の基板および/または第二の基板が透明である、請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
- 前記酸化物半導体層が設けられていない側の導電層上に、触媒層が設けられている、請求項1または2に記載の色素増感型太陽電池。
- 前記酸化物半導体層が設けられた導電体層が透明材料から形成される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池。
- 前記酸化物半導体層が設けられた導電体層以外の導電体層が透明材料から形成される、請求項4に記載の色素増感型太陽電池。
- 前記第一の基材および第二の基材の少なくとも一方が、可撓性材料からなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の色素増感型太陽電池が複数連結された色素増感型太陽電池モジュール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008247404A JP2010080265A (ja) | 2008-09-26 | 2008-09-26 | 色素増感型太陽電池 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2015115607A1 (ja) * | 2014-01-30 | 2015-08-06 | 株式会社フジクラ | 光電変換素子 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005268160A (ja) * | 2004-03-22 | 2005-09-29 | Sekisui Jushi Co Ltd | 太陽電池 |
-
2008
- 2008-09-26 JP JP2008247404A patent/JP2010080265A/ja active Pending
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CN105793942A (zh) * | 2014-01-30 | 2016-07-20 | 株式会社藤仓 | 光电转换元件 |
CN105793942B (zh) * | 2014-01-30 | 2018-09-18 | 株式会社藤仓 | 光电转换元件 |
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