JP2010079552A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮影環境の変動に影響を受けることなく、有効な画像情報を含む合成画像データを生成できる画像処理装置および画像処理方法を提供する。
【解決手段】補正部2335は、偏差算出部2333から受けた偏差ΔEに応じて、「明るさ」上下限範囲を更新(シフト)する。補正部2335は、「明るさ」上限値の初期値Emax0および下限値の初期値Emin0を予め受付けており、更新後の「明るさ」上限値および下限値は、それぞれ(Emax0+ΔE)および(Emin0+ΔE)となる。この補正部2335で算出された更新後の「明るさ」上下限範囲は、トーンマッピング部へ与えられる。
【選択図】図12

Description

この発明は、撮影範囲を異なる露光条件で複数回撮影して得られる複数の画像データを用いることで、ダイナミックレンジを拡大した合成画像データを生成する画像処理装置および画像処理方法に関するものである。
FA(Factory Automation)分野などにおいては、ワークなどの被測定物に生じる欠陥などを光学的に検査したり、その大きさなどを光学的に計測したりする装置として、いわゆる視覚センサが実用化されている。
このような視覚センサを用いて検査や計測を行なう場合には、被測定物を適切に撮影する必要がある。一般的に、CCD(Coupled Charged Device)やCIS(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)などの撮像素子のダイナミックレンジ(光を検出可能な階調範囲)は有限である。そのため、撮影時の露光時間が長くなると、全面的もしくは部分的に白飛び(ハレーション)を生じてしまい、被測定物の輝度および色情報を正確に取得できない。逆に、撮影時の露光時間が短くなると、全面的もしくは部分的に黒つぶれを生じてしまい、有効な輝度を取得できない。さらに、局所的に反射率が異なる部分をもつ被測定物や曲率の大きな部分をもつ被測定物では、照明などの影響を受けて、部分的な白飛びや黒つぶれが発生し得る。
このように、同一の被測定物から放射される光パワー(単位時間当たりに入射する光エネルギー)の最小値と最大値との差が、撮像素子のダイナミックレンジの範囲を超える場合には、被測定物の全体を適切に撮影することができないという問題があった。
そこで、同一の被測定物を異なる露光条件で複数回撮影し、これによって得られる複数の画像データを合成することで、ダイナミックレンジを拡大させる技術が知られている。このような処理は、ハイダイナミック合成処理やスーパーラチチュード処理(Super Latitude process;SL処理)とも称される。たとえば特開2002−334326号公報(特許文献1)には、ダイナミックレンジ拡大を少ない計算処理負荷によって実現する視覚センサが開示されている。
特開2002−334326号公報
ところで、二酸化炭素の低減化といった近年の環境問題の高まりから、工場内の照明の一部として、太陽光を取り入れることも多くなっている。たとえば、工場の屋根に天窓を設け、当該天窓から太陽光が工場内に取り込まれる。
このような太陽光の取り入れは、省エネルギーの観点から推奨されるべきであるが、視覚センサから見れば外乱要因となり得る。すなわち、太陽光は、時間帯(昼と夜)や季節などによって、その明るさが大きく変動する。被測定物にこのような太陽光が照射されている場合には、視覚センサから放射される光パワーが時間的に変化することになる。
一般的に、視覚センサでは、ある撮影環境下において、適切な撮影条件や判断条件などがチューニングされるが、撮影環境がチューニング時から変化すると、これらの設定値が不適切なものとなるからである。
また、このような撮影環境が変化することで、被測定物から有効な画像情報を含む合成画像データを生成できなくなる場合もある。
そこで、この発明は、これらの問題を解決するためになされたものであり、その目的は、撮影環境の変動に影響を受けることなく、有効な画像情報を含む合成画像データを生成できる画像処理装置および画像処理方法を提供することである。
この発明のある局面に従えば、撮像部および表示部に接続された画像処理装置を提供する。撮像部は、複数の画素に区画された撮像素子を含み、かつ露光条件を変更可能である。画像処理装置は、撮像部に異なる露光条件で撮影範囲を複数回撮影させることにより、複数の画像データを取得する取得手段と、複数の画像データに基づいて、撮像素子に入射する光エネルギーの分布に応じた輝度分布を算出する算出手段と、輝度分布を表示部に表示すべき階調値の分布に変換する変換手段と、撮像素子に入射する光エネルギーに基づいて、対応関係における第1範囲を更新する更新手段と、更新手段は、第1範囲の更新が許容される範囲である第2範囲を受付ける手段とを含む。そして、変換手段は、第1範囲内の輝度と有効な階調値との対応関係に従って変換を行なう。
好ましくは、画像処理装置は、表示部に輝度分布を表示させる表示手段をさらに含み、更新手段は、設定された第2範囲を輝度分布と同時に表示する。
好ましくは、更新手段は、撮像部で撮像される画像データに対する領域設定を受付ける手段と、領域設定された画素の輝度に基づいて、第1範囲の幅を維持したまま、位置をシフトする手段とをさらに含む。
さらに好ましくは、更新手段は、第1範囲の一部が第2範囲外に更新された場合に、エラー処理を実行する手段をさらに含む。
また、さらに好ましくは、更新手段は、表示部に第1範囲の時間的な変化履歴を表示する手段をさらに含む。
さらに好ましくは、更新手段は、第1範囲の時間的な変化履歴に基づいて、第2範囲を設定する手段をさらに含む。
好ましくは、更新手段は、第1範囲の初期値を受付ける手段をさらに含み、第1範囲の初期値の設定可能範囲は、第2範囲内に制限される。
好ましくは、画像処理装置は、複数の画像データに含まれる色情報と対応する画素の階調値とに基づいて、合成画像データを生成する生成手段さらに含む。
この発明の別の局面に従えば、撮像部および表示部に接続された装置における画像処理方法を提供する。撮像部は、複数の画素に区画された撮像素子を含む。画像処理方法は、輝度についての第1範囲を受付けるステップと、第1範囲を包含する第2範囲を受付けるステップと、撮像部に異なる露光条件で撮影範囲を複数回撮影させることにより、複数の画像データを取得するステップと、複数の画像データに基づいて、撮像素子に入射する光エネルギーの分布に応じた輝度分布を算出するステップと、第1範囲内の輝度と有効な階調値との対応関係について、撮像素子に入射する光エネルギーに基づいて第1範囲を更新するステップと、更新後の対応関係に従って、輝度分布を表示部に表示すべき階調値に変換するステップとを含む。
この発明のさらに別の局面に従う画像処理装置は、複数の画素に区画された撮像素子を含み、かつ露光条件を変更可能な撮像部と、撮像部に、複数の異なる露光条件で撮影範囲を撮影させることにより、複数の画像データを取得する取得手段と、複数の画像データおよび各画像データに対応する露光条件に基づいて、撮像素子に入射する光エネルギーに応じた輝度値であって、有効ダイナミックレンジ内で一定以上の輝度分解能を有する輝度値を算出し、撮像素子に入射する光エネルギーの分布に応じた輝度値分布を算出する算出手段と、有効ダイナミックレンジに含まれ、当該有効ダイナミックレンジよりも狭い範囲の第1範囲内の輝度値を、既定の数値範囲内の階調値で表される既定範囲階調値に対応させて変換することで、輝度値分布を既定範囲階調値分布に変換する変換手段と、撮像素子に入射する光エネルギーの変動に応じて、変換手段において既定範囲階調値に対応付ける第1範囲を、有効ダイナミックレンジに含まれ、当該有効ダイナミックレンジよりも狭い範囲であって、第1範囲とは異なる更新後第1範囲の輝度値に更新する更新手段とを含む。
好ましくは、画像処理装置は、既定範囲階調値分布を表示する表示部をさらに含む。
また好ましくは、画像処理装置は、撮像部で撮像される画像データに対する領域設定を受付ける手段をさらに含み、更新手段は、更新後に変換手段により変換されて得られうる領域設定内の階調値分布が、更新前の階調値分布と略同じになるように、第1範囲を更新後第1範囲に更新する。
さらに好ましくは、更新手段は、第1範囲が有するダイナミックレンジの幅と同じダイナミックレンジの幅を有する更新後第1範囲に更新する。
また好ましくは、更新手段は、第2範囲を受付ける手段を含む。
さらに好ましくは、画像処理装置は、第2範囲の輝度値を有効ダイナミックレンジの輝度値と同時に表示する表示部をさらに含む。
好ましくは、更新手段は、更新後第1範囲の一部が有効ダイナミックレンジ外に更新された場合に、エラー処理を実行する手段をさらに含む。
好ましくは、更新手段は、第1範囲の初期値を受付ける手段をさらに含み、第1範囲の初期値の設定可能範囲は、有効ダイナミックレンジ内に制限される。
この発明のある局面によれば、撮影環境の変動に影響を受けることなく、有効な画像情報を含む合成画像データを生成できる。
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
<全体装置構成>
図1は、この発明の実施の形態に従う画像処理装置を含む視覚センサシステム1の全体構成を示す概略図である。図2は、この発明の実施の形態に従う画像処理装置を含む視覚センサシステム1の配置状況の一例を示す概略図である。
図1を参照して、視覚センサシステム1は、代表的に生産ラインなどに組込まれ、被測定物(以下「ワーク」とも称す。)における欠陥などを光学的に検査したり、その大きさなどを光学的に計測したりする。一例として、この発明の実施の形態においては、ワーク2は、ベルトコンベヤなどの搬送機構6によって搬送され、搬送されたワーク2は、撮像部8によって逐次撮影される。撮像部8が撮影範囲を撮影することで得られた画像データ(以下「入力画像データ」とも称す。)は、本実施の形態に従う画像処理装置を具現化する代表例であるコンピュータ100へ伝送される。本実施の形態においては、主として、カラーの入力画像データを扱う処理について説明する。
また、ワーク2が撮像部8の撮影範囲に到達したことは、搬送機構6の両端に配置された光電センサによって検出される。具体的には、光電センサは、同一の光軸上に配置された受光部4aと投光部4bとからなり、投光部4bから放射される光がワーク2で遮蔽されることを受光部4aで検出することによって、ワーク2の到達を検出する。なお、搬送機構6の制御自体は、図示しないPLC(Programmable Logic Controller)などによって制御される。
図2を参照して、本実施の形態に従う視覚センサシステム1は、工場建屋FAC内に配置されているものとする。この工場建屋FACの天井には、天窓20が設けられている。この天窓20を通して、太陽光がワーク2を含む工場内に取り込まれる。また、撮像部8で撮影されるワーク2に対して光を照射する専用照明22が設けられる。さらに、工場建屋FAC内には、蛍光灯や水銀灯などの室内照明(図示しない)も設けられる。
したがって、撮像部8は、ワーク2が、専用照明22および室内照明からの照明光、ならびに太陽光を受けて放射する光(反射光)を画像として捉えることになる。
再度、図1を参照して、撮像部8は、上述した光電センサによってワーク2の到着が検出されると、これに応じてワーク2の撮影を開始する。あるいは、連続的に撮影を行っておき、ワーク2の到着が検出されたタイミングで、後述するワーク2の検査や計測を開始するようにしてもよい。
一例として、撮像部8は、レンズなどの光学系に加えて、CCD(Coupled Charged Device)やCIS(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)センサといった、複数の画素に区画された撮像素子を含んで構成される。各画素に対応する撮像素子は、入射する光に対して1つまたは複数の分光感度を有している。
より具体的には、撮像部8の撮像素子は、一例として、各画素について、光の三原色に基づく「赤色」「緑色」「青色」のそれぞれに分光感度を有している。そして、撮像部8の撮像素子は、入射する光についての「赤色」「緑色」「青色」の3色の検出値(R輝度、G輝度、B輝度)を出力する。ここで、たとえば、R輝度は、撮像素子に入射する光のうち、赤色の分光感度に含まれる波長成分に相当する光のエネルギー(光強度)の大きさを示す。G輝度およびB輝度についても、それぞれ対応の分光感度に含まれる波長成分に相当する光のエネルギーの大きさを示す。また、本実施の形態においては、R輝度、G輝度、B輝度は、いずれも8ビット(0〜255階調)の範囲で規定されるものとする。
なお、撮像素子が有する分光感度は3つ(3バンド)に限定されることなく、より多くの色に分光感度をもつようにしてもよい。このようなマルチバンドの撮像素子を用いることで、より撮像可能な色域を拡大させることができる。あるいは、光の三原色の補色である「シアン」「マゼンダ」「黄色」の3色の検出値(C輝度、M輝度、Y輝度)を分光感度として有していてもよい。また、単板式のCCDなどを用いる場合には、各画素が「赤色」「緑色」「青色」のうち1色だけについて受光感度を有している場合がある。このような場合には、図示しない補間部によって、「赤色」「緑色」「青色」の各々についての輝度をもつ入力画像データを生成してもよい。
特に、本実施の形態に従う撮像部8は、撮影時の露光条件(典型的には、露光時間)を変更可能である。この露光条件とは、1回の撮像において撮像素子に入射する光エネルギーを調整するための値であり、代表的に、光学系のしぼり量や機械的または電子的なシャッター速度によって調整される。本実施の形態では、露光条件の代表例として「露光時間」を調整する構成について例示するが、露光時間に限られず、しぼり量などを調整するようにしてもよい。
一方、コンピュータ100は、FD(Flexible Disk)駆動装置111およびCD−ROM(Compact Disk-Read Only Memory)駆動装置113を搭載するコンピュータ本体101と、モニタ102と、キーボード103と、マウス104とを含む。そして、コンピュータ本体101は、予め格納されたプログラムを実行することで、本実施の形態に従う画像処理装置を実現する。
<ハードウェア構成>
図3は、この発明の実施の形態に従うコンピュータ100のハードウェア構成を示す概略構成図である。
図3を参照して、コンピュータ本体101は、図1に示すFD駆動装置111およびCD−ROM駆動装置113に加えて、相互にバスで接続された、CPU(Central Processing Unit)105と、メモリ106と、固定ディスク107と、カメラインターフェイス部109と、PLCインターフェイス部115と、センサインターフェイス部117とを含む。
FD駆動装置111にはFD112が装着可能であり、CD−ROM駆動装置113にはCD−ROM114が装着可能である。上述したように、本実施の形態に従う画像処理装置は、CPU105がメモリ106などのコンピュータハードウェアを用いて、プログラムを実行することで実現される。一般的に、このようなプログラムは、FD112やCD−ROM114などの記録媒体に格納されて、またはネットワークなどを介して流通する。そして、このようなプログラムは、FD駆動装置111やCD−ROM駆動装置113などにより記録媒体から読取られて、記憶装置である固定ディスク107に一旦格納される。さらに、固定ディスク107からメモリ106に読出されて、CPU105により実行される。
CPU105は、プログラムされた命令を逐次実行することで、各種の演算を実施する演算処理部である。メモリ106は、CPU105でのプログラム実行に応じて、各種の情報を一時的に格納する。
カメラインターフェイス部109は、コンピュータ本体101と撮像部8との間のデータ通信を仲介する。より具体的には、カメラインターフェイス部109は、画像バッファと露光時間設定部とを含む。画像バッファは、撮像部8で撮影され逐次伝送される入力画像データを一旦蓄積し、1回の撮影分の入力画像データが蓄積されると、その蓄積されたデータをメモリ106または固定ディスク107へ転送する。露光時間設定部は、CPU105からの内部コマンドに従って、撮影前に撮像部8にコマンドを送信し、撮像部8における露光時間を設定する。
PLCインターフェイス部115は、コンピュータ本体101と図示しないPLCとの間のデータ通信を仲介するための装置である。また、センサインターフェイス部117は、上述した光電センサなどからの検出信号を受信して、CPU105へ伝達する。
固定ディスク107は、CPU105が実行するプログラムや入力画像データなどを格納する不揮発性の記憶装置である。
コンピュータ本体101に接続されるモニタ102は、CPU105が出力する情報を表示するための表示部であって、一例としてLCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)などから構成される。後述するように、本実施の形態に従うモニタ102には、ワーク2を撮影して生成される合成画像、1回あたりの合成処理に要する見込みの処理時間、合成画像データの「明るさ」についてのヒストグラムなどが表示される。
マウス104は、クリックやスライドなどの動作に応じたユーザからの指令を受付ける。キーボード103は、入力されるキーに応じたユーザからの指令を受付ける。
また、コンピュータ100には、必要に応じて、プリンタなどの他の出力装置が接続されてもよい。
<動作モード>
本実施の形態に従う視覚センサシステム1は、ワーク2を撮影することで生成される合成画像データを用いて実際に検査や計測を実行する「稼動モード」と、ワーク2についての合成処理に係る設定を行なうための「設定モード」とを選択することが可能である。
ユーザは、「設定モード」において、モニタ102に表示される合成画像データに基づく合成画像を参照しながら、適切な撮影条件を設定する。また、「稼動モード」では、実際に生産ラインを流れるワーク2を撮影して得られる合成画像データを生成し、この合成画像データに対して検査や計測が行われる。
<画像合成処理>
次に、合成画像データを生成するための画像合成処理について説明する。本実施の形態に従う画像合成処理は、主として撮像部8のダイナミックレンジを拡大させるためのものである。
図4は、ワークとして腕時計の裏面を撮影した場合の入力画像データを示す図である。
図4(a)は、露光時間が相対的に長い条件下で1回の撮影により得られた撮影画像を示し、図4(b)は、露光時間が相対的に短い条件下で1回の撮影により得られた撮影画像を示す。なお、図4(a)および図4(b)において、入射する光の強度は同じ条件であるとする。図4に示すワークは、金属製の時計本体部と皮革製のバンド部とを含む。両者の反射率は大きく異なるので、各部から放射される光パワー(単位時間当たりに放射される光エネルギー)にも大きな差がある。
そのため、露光時間が長くなると、相対的に反射率の高い時計本体部は白飛びを生じてしまい、有効な輝度を取得することができない。すなわち、図4(a)に示すように、時計本体部に記された文字が識別できなくなっていることがわかる。これに対して、露光時間が短くなると、相対的に反射率の低いバンド部から十分に光エネルギーを受光することができず、有効な輝度を取得することができない。すなわち、図4(b)に示すように、バンド部は黒つぶれを生じており、ステッチなどの欠陥が識別できなくなっていることがわかる。
そこで、本実施の形態に従う画像処理装置は、同一のワーク2を異なる露光条件(露光時間)で複数回撮影し、撮影された複数の入力画像データから合成画像データを生成する。入力画像データは、撮像部8に入射する光エネルギーの分布を示す値(各色の輝度分布)を含んでおり、本実施の形態に従う画像処理装置は、各画素に対応するそれぞれの入力画像データの光エネルギーを示す値(各色の輝度)と、対応する入力画像データの撮影時の露光条件(露光時間)とに基づいて、合成画像データの各画素の色情報(以下、「合成色情報」とも称す。)および輝度(以下、「合成輝度」とも称す。)を算出する。そして、合成色情報及び合成輝度に基づいて、合成画像データが生成される。
すなわち、合成輝度は、撮像部8の撮像素子に入射する光エネルギーに応じた輝度値に相当し、有効ダイナミックレンジ内で一定以上の輝度分解能を有する。さらに、それぞれの合成輝度から、撮像部8の撮像素子に入射する光エネルギーの分布に応じた輝度値分布が算出される。なお、有効ダイナミックレンジとは、合成輝度の最小値と最大値との差、あるいはこれらの間の範囲を意味する。
概略すると、この合成輝度の算出処理では、各画素について、入力画像データのそれぞれにおける光エネルギーを示す値(輝度)を露光時間で規格化される。そして、その規格化された輝度の大きさが適切な範囲にあるものが優先的に採用される。言い換えれば、合成画像データにおける各画素の合成輝度は、複数の入力画像データの対応する画素がそれぞれもつ情報のうち、ワーク2から放射される光パワー(単位時間当たりに入射する光エネルギー)に適した露光時間で撮影された画素がもつ情報を主成分として算出される。このような処理によって、適切な露光時間で撮影された輝度をもつ画素の集合として、合成画像データを生成できる。図4(c)は、本実施の形態に従う画像合成処理によって生成された合成画像データの一例を示す図である。図4(c)に示すように、上述の画像合成処理を行なうことで、図4(a)のような白飛びや図4(b)に示すような黒つぶれを含まない合成画像データを生成できる。
広いダイナミックレンジを有限の階調をもつ1枚の画像で表現するためには、非線形なトーンマッピングをすることが有効である。トーンマッピングには、種々の方法があり、関数を用いて算出される非線形トーンマッピングの代表例としては、対数変換やガンマ補正などがある。あるいは、関数ではなく予め定められたルックアップテーブルを用いることにより任意の形状のトーンマッピングを行なうこともできる。一方、トーンマッピングをかけるタイミングとして、加算処理を行った後に処理する場合と、加算処理の前に処理する場合の2つの方法が可能である。つまりトーンマッピングには複数のバリエーションがあり、また、処理タイミングとして2つの方法があることになる。
本実施の形態では、これらの処理の一例として、対数変換を行った後に加算処理を行なう場合の構成を示す。
本実施の形態に従う画像合成処理は、主として以下の5つの処理によって実現される。
(1)ワーク2を異なる露光時間で逐次撮影する処理(撮影処理)
(2)撮影された入力画像データの輝度から合成輝度を算出する処理(輝度合成処理)
(3)算出された合成輝度から階調値を算出する処理(階調値変換処理)
(4)撮影された入力画像データの色情報から合成色情報を算出する処理(色合成処理)
(5)合成色情報と階調値とから合成画像データを生成する処理(生成処理)
特に、本実施の形態に従う画像処理装置は、「明るさ」追従処理を実行する。この「明るさ」追従処理では、撮影環境(特に、ワーク2への照明環境)の変化に応じて、(3)の階調値変換処理において用いる対応関係が逐次更新(追従)される。この対応関係は、算出された合成輝度のうち、合成画像データとして有効に表示すべき範囲を定義ものである。すなわち、本実施の形態に従う画像処理装置は、撮影環境の変動幅より広いダイナミックレンジでワーク2を撮影し、このワーク2で撮影された合成輝度の特定のレンジにあるものを、画像として表現すべき階調値範囲に割当てる。具体的には、この対応関係は、合成輝度のダイナミックレンジのうち、特定の範囲と有効な階調値とを対応付けたものである。
本実施の形態に従う画像処理装置は、撮像素子に入射する光エネルギー(輝度)に基づいて、この有効な階調値範囲に割当てる合成輝度の特定の範囲を動的に変更する。これにより、撮影環境の変動に影響を受けることなく、有効な画像情報を含む合成画像データを生成できる。
以下、まず(1)〜(5)の処理の概略について説明した後、本実施の形態に従う特徴的な処理について説明する。
<全体制御構造>
図5は、この発明の実施の形態に従う画像処理装置の全体制御構造を示す機能ブロック図である。
図5を参照して、本実施の形態に従う画像処理装置は、上述の(1)の撮影処理を実現するための制御構造として、撮影制御部200と、選択部202と、画像バッファ204a〜204hと、画像情報抽出部206a〜206hとを含み、上述の(2)輝度合成処理を実現するための制御構造として、輝度合成部210と、ヒストグラム生成部218とを含み、上述の(3)階調値変換処理を実現するための制御構造として、トーンマッピング部214と、追従部230とを含み、上述の(4)色合成処理を実現するための制御構造として、色合成部208を含み、上述の(5)生成処理を実現するための制御構造として、画像生成部212を含む。さらに、本実施の形態に従う画像処理装置は、処理時間算出部222を含む。
以下、本実施の形態に従う画像処理装置における各処理の内容を各機能ブロックの動作とともに説明する。
(1)撮影処理
図5を参照して、撮影制御部200は、撮像部8に同一のワーク2を異なる露光時間で複数回撮影させることにより複数の入力画像データを取得する。撮影制御部200は、ユーザ設定に応じて、どのように露光時間を変更するかについて決定する。より具体的には、本実施の形態に従う撮像部8は、一例として、シャッター速度を任意に設定可能な電子シャッターを有しており、これにより露光時間を任意に変更可能である。その変更可能な露光時間は、一例として「1/10秒」,「1/20秒」,「1/40秒」,「1/80秒」,「1/160秒」,「1/320秒」,「1/640秒」,「1/1280秒」の8通りを標準として含む。この変更可能な露光時間群は、「1/10秒」を基準(最も遅い値)として、2のべき乗で順次早くなるように設定されている。
撮影制御部200は、予め定められる撮影回数および各撮影における露光時間に従って、各撮影前に撮像部8の露光時間を逐次設定し、各設定された露光時間において撮像部8を用いてワーク2を逐次撮影させる。さらに、撮影制御部200は、各撮影に同期して、選択部202に選択指令を与え、撮像部8がワーク2を逐次撮影することで生成される入力画像データを画像バッファ204a〜204hに逐次的に記憶させる。
選択部202は、撮像部8と、画像バッファ204a〜204hとの間に配置され、撮影制御部200からの選択指令に応じて、画像バッファ204a〜204hのいずれか1つと撮像部8とを電気的に接続する。このような動作によって、これにより、撮像部8がワーク2を撮影することで生成される入力画像データは、画像バッファ204a〜204hに逐次的に記憶される。なお、以下では、画像バッファ204a〜204hを総称して「画像バッファ204」とも記す。
画像バッファ204は、撮像部8の露光時間に対応付けて構成されており、対応する特定の露光時間において撮影された入力画像データを記憶する。たとえば、画像バッファ204aは、露光時間が「1/10秒」の条件で撮影された入力画像データのみを記憶し、画像バッファ204bは、露光時間が「1/20秒」の条件で撮影された入力画像データのみを記憶するといった具合である。
画像情報抽出部206a〜206hは、それぞれ画像バッファ204a〜204hに対応付けられており、対応の画像バッファ204に記憶された入力画像データから、色情報および輝度をそれぞれ抽出する。代表的に、入力画像データが各画素に入射する光エネルギーに応じた値である3色の輝度(R輝度、G輝度、B輝度)から構成されるものとする。入力画像データの色情報は、これらの3色の輝度を規格化した上で、各輝度の相対関係(相対比)を表わしたものである。また、入力画像データの輝度は、各画素に入射する光エネルギーを総合的に表わしたものであり、3色の輝度の平均値(あるいは、総和)に相当する。
そして、画像情報抽出部206a〜206hは、抽出した色情報を色合成部208へ出力するとともに、抽出した輝度を色合成部208および輝度合成部210へ出力する。
(2)輝度合成処理
輝度合成部210は、撮像部8による一連の撮影(予め設定された露光時間におけるすべての撮影)が完了した後、それぞれの入力画像データの輝度を対応する露光時間によってそれぞれ規格化した上で、各画素の合成輝度を算出する。上述したように、撮像部8における露光時間を変更することで、撮影に適した光パワーの範囲が変動する。すなわち、露光時間が相対的に短ければ、光パワーのより大きな範囲の撮影に適し、露光時間が相対的に長ければ、光パワーのより小さな範囲の撮影に適する。
そこで、本明細書においては、ワークから放射される光エネルギーの大きさに応じた「明るさ」という指標を用いる。なお、「明るさ」は、撮像部8の性能に依存する相対的な値であり、同じ「明るさ」であっても、撮像素子の感度や光学系の開放値などが異なれば、実際の光エネルギーは異なったものとなる。
一般的に、撮像部8(撮像素子)に入射する光エネルギーの大きさは、露光時間に比例すると考えられる。そのため、本明細書における「明るさ」としては、代表的に、撮像部8で検出された輝度を露光時間で割り、その値について対数をとったものを採用する。したがって、本明細書における「明るさ」は、単位露光時間あたりの光エネルギー(光パワー)の大きさを示す指標である。このような「明るさ」を用いることで、撮像部8に設定可能な各露光時間に対応させて、撮像部8による撮影に適した「明るさ」範囲を予め規定することができる。
より具体的には、本実施の形態に従う撮像部8に設定可能な8つの露光時間は、2のべき乗で順次短くなるようになっているので、各露光時間と「明るさ」との対応関係を図6のように定めることができる。
図6は、撮像部8に設定される露光時間と撮影に適した「明るさ」範囲との関係の一例を示す図である。
図6を参照して、露光時間が「1/10秒」である場合に撮影に適した「明るさ」範囲を「10〜30」に設定すると、露光時間を1/2倍した「1/20秒」である場合には、撮影に適した「明るさ」範囲を「10」だけ加算した「20〜40」に設定できる。このように逐次設定することで、露光時間を「1/10秒」〜「1/1280秒」の範囲に対応付けて、「10〜100」の「明るさ」範囲をカバーするように設定できる。
また、各「明るさ」範囲を複数の露光時間がカバーするように構成することが好ましい。図6に示す例においては、「明るさ」範囲が10〜90の範囲では、少なくとも2つの露光時間によってカバーするように設定されている。すなわち、たとえば「明るさ」が「50」に対応する露光時間は、「1/40秒」,「1/80秒」,「1/160秒」の3つである。このような設定を行なうことで、ユーザが入力する「明るさ」上下限範囲(後述する)が狭い場合であっても、異なる露光時間で複数回の撮影が選択されるようになる。
この図6に示す露光時間と「明るさ」範囲との関係は、撮像部8で撮影可能な「明るさ」範囲のうち、ユーザによって必要な「明るさ」範囲が設定されると、当該設定に対応する複数の露光時間の各々での撮影が行なわれるようになる。すなわち、撮像部8に設定可能なすべての露光時間において撮影が行なわれるのではなく、特定の露光時間における撮影のみを行なうことで、画像合成処理に係る処理時間を短縮することもできる。
より具体的には、ユーザによって、「明るさ」範囲が「30〜60」に設定された場合には、その範囲内に含まれる「1/20秒」,「1/40秒」,「1/80秒」の露光時間で1処理あたり3回の撮影が行なわれる。特に、本実施の形態に従う画像処理装置では、後述するように、撮影環境の変動幅に応じた「明るさ」範囲をカバーできるように、撮影が行なわれる。
再度、図4を参照して、輝度合成部210は、ワーク2に対する一連の撮影によって取得された複数の入力画像データを用いて、合成画像データの各画素の輝度である合成輝度を算出する。より具体的には、輝度合成部210は、合成画像データの各画素(座標位置i)に対応するP個の入力画像データにおけるそれぞれの画素の輝度を露光時間で規格化することで、各画素の合成輝度Eを算出する。輝度合成部210による合成輝度Eの算出式は(1)式のようになる。
(1)式において、「ln(g(Zi,j)−lnΔt)」の項が、各入力画像データにおける輝度を露光時間で規格化した上で、「明るさ」として評価した値に相当する。これは、たとえば同じ輝度「128」であっても、露光時間が相対的に短ければ、その実際の「明るさ」はより大きな値として評価すべきであり、露光時間が相対的に長ければ、その実際の「明るさ」はより小さな値として評価すべきであるという技術思想に基づくものである。すなわち、上記の項は、ln{g(Zi,j)/Δt}と変形できるように、対応の入力画像データの撮影時の露光時間に応じた係数1/Δtを乗じることで露光時間による規格化(=g(Zi,j)/Δt)を行ない、この規格化した値を用いて合成輝度Eが算出される。
代表的に、合成輝度Eは、図6に示す各露光時間と「明るさ」範囲との関係に従って、0〜100の範囲の値として算出される。なお、理解を容易にするために、0〜100の範囲で表しているが、合成して得られる画像の「明るさ」の階調は、1回の撮影で得られる画像がもつ階調(たとえば、8ビット)よりも大きくなることから、データとしては、小数点以下の桁も有する値である(たとえば、16ビットのデータを用いて小数点以下4桁までの値として取扱う)。
上式においては、さらに、重み関数w(Z)と撮像部8の撮像素子の応答関数g(Z)を導入している。図7を参照して、これらの関数について説明する。
図7は、重み関数および応答関数の特性の一例を示す図である。図7(a)は、重み関数w(Z)の特性を示し、図7(b)は、応答関数g(Z)の特性を示す。
図7(a)を参照して、重み関数w(Z)は、撮像部8から出力される輝度の値に応じて、その信頼度を反映するための関数である。すなわち、ある露光時間において、撮像部8から出力される輝度のうち、その下限値(0)または上限値(255)に近い値は、その中間値(128)に近い値に比較して信頼度が低いと考えられる。換言すれば、仮に撮像部8がある露光時間において最も適した「明るさ」をもつ被測定物を撮影すると、その輝度はほぼ中間値になると考えられる。
そこで、このような特性を考慮して、重み関数w(Z)としては、輝度階調値の中間値の近傍に比較して、下限値または上限値の近傍の値がより小さくなるような関数を用いることが好ましい。一例として、本実施の形態では、輝度階調値の中間値が最大値(128)となるとともに、下限値および上限値でそれぞれゼロとなるような三角形状の重み関数を採用する。このような重み関数を採用することで、露光時間毎の入力画像データのうち、その輝度が所定範囲内にあるものを優先的に採用して合成輝度が算出される。
また、図7(b)を採用して、応答関数g(Z)は、撮像部8から出力される輝度分布と実際に撮像部8に入力する光エネルギー分布との間の非線形性を補償するための関数である。たとえば、CCDなどの撮像素子では、入力する光エネルギーあるいは光量と出力される電圧信号との関係は非線形となる。このような非線形特性はガンマ特性などとも称される。応答関数g(Z)は、このようなガンマ特性を補償して、撮像部8から出力される輝度を、実際に撮像部8に入力する光エネルギーに比例するように補正するものである。なお、図7(b)には、簡単化のため、撮像部8から出力される輝度が入力する光エネルギーと比例関係にある場合の応答関数g(Z)を示す。
なお、上式中の定数項の「C」は、各露光時間と「明るさ」範囲との関係を図6のように定めた場合に生じるオフセットを補償するための項であり、各露光時間と「明るさ」範囲との関係に応じて適宜設定することができる。
また、上式中では、ネイピア数「e」を底にした自然対数を用いているが、必ずしも「e」に限定されるものではなく、「2」を底にした対数や「10」を底にした常用対数などを用いてもよい。
再度、図5を参照して、輝度合成部210は、算出した合成輝度Eをヒストグラム生成部218へ出力する。ヒストグラム生成部218は、合成輝度Eについてのヒストグラムを生成する。すなわち、ヒストグラム生成部218は、合成輝度Eの分布をモニタ102に表示させるための分布データを生成する。より具体的には、輝度合成部210は、各画素の合成輝度Eを所定幅の階級に区分した上で各階級の頻度を算出する。これは、ユーザが、輝度合成部210によって算出される合成輝度Eのうち相対的に比率の高い範囲を参照しながら、「明るさ」上限値および「明るさ」下限値を初期設定することを助ける。
また、ヒストグラム生成部218は、ユーザ設定に応じて、ヒストグラムの生成処理を中断または再開可能に構成される。
(3)階調値変換処理
再度、図5を参照して、トーンマッピング部214は、輝度合成部210で算出された合成輝度Eをモニタ102に表示すべき階調値に変換する。具体的には、トーンマッピング部214は、各画素の合成輝度E(輝度範囲:0〜100;但し、256階調より大きな階調をもつ)を合成画像データの対応する画素の階調値Y(たとえば、0〜255階調値)に割当てることで、合成画像データの濃度を決定する。なお、各画素の合成輝度Eの分解能(ダイナミックレンジ)は、入力画像データより高くなるので、合成画像データの階調値を入力画像データの階調値より細分化することで、より精度の高い合成画像データを生成および表示できる。
トーンマッピング部214は、追従部230によって逐次的に更新(追従)される対応関係に従って、合成輝度Eから階調値Yへの変換を実行する。具体的には、トーンマッピング部214は、追従部230から、階調値への割当てを行なうべき「明るさ」上下限の設定値を受けて、当該範囲内の合成輝度Eを対応する階調値Yへ変換する。この階調値Yの分布は、規定の数値範囲内の階調値で示される規定範囲階調値の分布に相当する。
図8は、トーンマッピング部214による割当て処理を説明するための図である。
図8を参照して、説明を簡素化するために、トーンマッピング部214が線形の割当て処理を行なう場合について例示する。最も簡単な例としては、輝度範囲が0〜100である合成輝度Eの比例関係を保ったまま、0〜255の範囲の階調値への割当てである。これにより、モニタが持つ表示能力より大きな階調をもつデータを、モニタの持つ表示能力に合わせた階調(たとえば、8ビット表示)で表示することができる。
上述したように、「明るさ」上限値Emaxと「明るさ」下限値Eminが設定された場合には、トーンマッピング部214は、以下のような式に従って、階調値Yへの割当てを行なう。
=255×(E−Emin)/(Emax−Emin
すなわち、トーンマッピング部214において、合成輝度Eから階調値Yへの変換に用いられる対応関係は、「明るさ」上限値Emaxおよび「明るさ」下限値Eminを変更することで、適宜更新されることになる。
なお、「明るさ」上限値Emaxより大きな合成輝度Eをもつ画素は、すべて最大の階調値(たとえば、255)に変換されるので、その明るさについての情報は失われる。同様に、「明るさ」下限値Eminより小さな合成輝度Eをもつ画素についても、すべて最小の階調値(たとえば、0)に変換されるので、その明るさについての情報は失われる。したがって、その合成輝度Eの値が「明るさ」下限値Eminから「明るさ」上限値Emaxの範囲にある画素のみが合成画像データ上で有効な階調値をもつ画素となる。
以下の説明では、「明るさ」下限値Eminから「明るさ」上限値Emaxの範囲を、『「明るさ」上下限範囲』とも称し、この「明るさ」上下限範囲が本願発明の「第1範囲」に相当する。
すなわち、「明るさ」上下限範囲は、合成輝度Eの有効ダイナミックレンジに含まれ、かつ合成輝度Eの有効ダイナミックレンジよりも狭い範囲を意味する。そして、この「明るさ」上下限範囲内の合成輝度Eは、既定の数値範囲内の階調値で表される既定範囲階調値である階調値Yに対応させて変換されて、合成輝度Eの分布が既定範囲階調値分布に相当する階調値Yの分布に変換される。
{計算例}
一例として、それぞれ3つの露光時間「1/20秒」,「1/40秒」,「1/80秒」において撮影が行なわれることで入力画像データが取得された場合において、3つの入力画像データの座標位置iにおける輝度が、それぞれ「190」,「100」,「50」であるとする。この場合において、当該座標位置iに対応する画素の合成輝度Eは以下のように算出される。但し、W(190)=65,W(100)=100,W(50)=50である。
=10×{65×(log190+log20−8)+100×(log100+log40−8)+50×(log50+log80−8)}/(65+100+50)=40
そして、ユーザによって、「明るさ」上限値Emaxが「60」で、「明るさ」下限値Eminが「30」に設定された場合には、合成画像データの座標位置iの階調値Yは以下のように算出される。
=255×(40−30)/(60−30)=85
(4)色合成処理
再度図5を参照して、色合成部208は、複数の入力画像データの色情報から合成色情報を算出する。後述するように、合成画像データは、色合成部208で算出される各画素の合成色情報に、トーンマッピング部214によって算出される対応する階調値(濃度)を乗じて得られる。そのため、色合成部208から出力される合成色情報は、各画素の濃度の情報をもたない、「赤色」、「緑色」、「青色」の相対的な比を示す値となる。
また、色合成部208は、上述の輝度合成部210と同様に、各座標位置に対応する複数の入力画像データにおけるそれぞれの画素の色情報に基づいて、合成画像データの各画素の合成色情報を算出する。より具体的には、色合成部208は、各入力画像データの色情報と、その信頼度に応じた重みとを乗算した値を累積加算することで、合成色情報を算出する。
ここで、j番目の入力画像データの座標位置i(0≦i≦画素数n)における色情報を(ri,j,gi,j,bi,j)とする。但し、色合成部208は、画像情報抽出部206a〜206hから出力される色情報を、ri,j+gi,j+bi,j=1が成立するように予め規格化する。また、j番目の入力画像データの座標位置iにおける輝度をZi,jとする。この規格化された色情報および輝度を用いると、合成色情報(r,g,b)の算出式は(2.1)〜(2.3)式のようになる。
ここで、重み関数w(Z)は、図8(a)と同様の特性を有する。すなわち重み関数w(Z)は、撮像部8から出力される輝度の値に応じて、その信頼度を反映するための関数である。この重み関数w(Z)の技術的な意味については、上述したので詳細な説明は繰返さない。
そして、色合成部208は、算出した合成色情報を画像生成部212へ出力する。
(5)生成処理
画像生成部212は、輝度合成部210およびトーンマッピング部214によって算出された階調値Yを、対応する合成色情報(r,g,b)に順次乗じることによって、座標位置iの画素の画像情報を順次算出し、これによって合成画像データを生成する。
すなわち、合成画像データの座標位置iの座標における絶対的な色情報(R,G,B)は、以下のように表わすことができる。
(R,G,B)=Y×(r,g,b
以上のような手順に従って、合成画像データが生成される。
(その他)
処理時間算出部222は、1つの合成画像データの生成に要する見込みの処理時間を算出する。より具体的には、処理時間算出部222は、撮影制御部200からの情報に基づいて、撮像部8による撮影回数、各撮影における露光時間、画像合成処理の処理量などを考慮して、処理時間を推定する。この処理時間は、稼動モードにおいて、1つの合成画像データを生成するために要する時間に相当し、ユーザは、この処理時間を参照して、実際の生産ラインに適用可能な設定を決定する。
<撮影環境の変動による合成画像データの画質低下の例>
図9は、撮影環境の変動による合成画像データの画質低下の一例を示す図である。図9には、本実施の形態に従う画像処理装置が「稼動モード」である場合における、モニタ102上の画面表示例を示す。なお、図9に示す画面表示例においては、図5に示すトーンマッピング部214において、合成輝度Eのうち有効な階調値への割当ての対象となる範囲は変化させないものとする。
図9(a)は、ある撮影環境で初期設定が完了した直後の状態を示し、図9(b)は、図9(a)に対して撮影環境が変化した状態(より具体的には、照明が強くなった状態)を示す。図9(a)と図9(b)とを比較してわかるように、図9(b)に示される合成画像データは、全体的に白っぽくなっており、部分的な白飛び(ハレーション)が生じている。これは、ワークからの反射光の強度が高くなったためである。
<「明るさ」追従処理の概要>
以下、本実施の形態に従う「明るさ」追従処理の概要について説明する。
図10は、図9に示す合成画像データに対応するヒストグラムの一例を示す図である。図10(a)に示すヒストグラムは、図9(a)に示す合成画像データに対応し、図10(b)に示すヒストグラムは、図9(b)に示す合成画像データに対応する。
図10(a)に示すように、初期設定の完了直後においては、「明るさ」上下限範囲は、合成輝度Eの広がりに応じて設定される。この設定後、撮影環境が変化すると、合成輝度Eの分布は、全体的に明るさ方向にシフトする。その結果、初期設定された「明るさ」上下限範囲が実際に取得される合成輝度Eの分布とは一致しなくなる。
すなわち、図10に示すように、有効な合成輝度Eが算出されていたとしても、有効な画像情報を含む合成画像データを生成することができない。そこで、合成輝度Eのシフトに応じて、「明るさ」上下限範囲を逐次更新する。
より具体的には、「明るさ」上下限範囲は、初期設定された「明るさ」上下限範囲の幅を維持したまま、その位置を合成輝度Eのシフト量に相当する量だけシフトする。すなわち、シフト(更新)前の「明るさ」上下限範囲が有するダイナミックレンジの幅は、シフト(更新)後の「明るさ」上下限範囲が有するダイナミックレンジと同じ幅となる。このような更新処理によって、撮影環境の影響を受けず、有効な画像情報を含む合成画像データを生成することができる。
すなわち、撮像部8の撮像素子に入射する光エネルギーの変動に応じて、既定範囲階調値である階調値Yの範囲に対応付ける「明るさ」上下限範囲を、合成輝度Eの有効ダイナミックレンジに含まれ、かつ当該有効ダイナミックレンジよりも狭い範囲に更新する。なお、更新後の「明るさ」上下限範囲は、更新前の「明るさ」上下限範囲の範囲とは異なったものとなる。
また、同一の被写体(ワーク2および搬送機構6を含む)の反射率は、実質的に一定であるとみなすことができる。そのため、1つ以上の画素についての合成輝度Eの時間的変化を監視することで、合成輝度Eのシフト量を判断することができる。たとえば、初期設定時において、特定の複数の画素における合成輝度Eの平均値がEであったとし、その後のある時点における同一の複数の画素における合成輝度Eの平均値がEaveに変化していたとすれば、両者の偏差ΔE=|Eave−E|がシフト量に相当する。
そこで、本実施の形態に従う画像処理装置は、このシフト量に応じて、「明るさ」上下限範囲を更新(シフト)する。
このような「明るさ」上下限範囲を更新(シフト)は、更新後の「明るさ」上下限範囲によって得られる階調値分布が、補正前の「明るさ」上下限範囲によって得られる階調値分布と略同じとなるように実行される。言い換えれば、図10(a)に示す「明るさ」上下限範囲を基準としたヒストグラム形状と、図10(b)に示す「明るさ」上下限範囲を基準としたヒストグラム形状とが略一致するように、「明るさ」上下限範囲の更新(シフト)が実行されることを意味する。
また、図10に示すように、上述のような「明るさ」上下限範囲を更新するためには、撮影環境の変動によりシフトする合成輝度Eの分布をカバーするように、予め複数の入力画像データを取得しておく必要がある。すなわち、撮影環境の変動幅より広いダイナミックレンジでワーク2を撮影する必要がある。
ここで、撮影環境の変動により広く対応できるように、可能な限り多くの撮影回数でワークを撮影することも可能である。しかしながら、撮影回数が増えるに従って、1つの合成画像データを生成するのに要する時間も増える。
一方、FA分野などにおいては、ライン全体のタクトタイムなどによって、1つのワークの検査に割当てることのできる時間が制限されている場合もある。そのため、1つのワークに対する撮影回数を無制限に増やすことができな場合もある。そのような場合には、撮影環境の変動に対応できる範囲を設定しておくことが好ましい。以下の説明では、この撮影環境の変動に対応できる範囲を、『「明るさ」追従上下限範囲』とも称し、この「明るさ」追従上下限範囲が本願発明の「第2範囲」に相当する。
すなわち、「第1範囲」に相当する「明るさ」上下限範囲の更新は、「第2範囲」に相当する「明るさ」追従上下限範囲内で許容されることになる。
また、「明るさ」追従上下限範囲が予め設定されることで、ワーク2に対する撮影回数および各撮影における露光時間が定まるので、撮影環境の変動に伴って、1つの合成画像データの生成に要する時間がばらつくことも抑制できる。
<「明るさ」追従処理の効果の例>
図11は、この発明の実施の形態に従う「明るさ」追従処理の効果の一例を示す図である。図11(a)は、図9(a)と同様に、ある撮影環境で初期設定が完了した直後の状態を示し、図11(b)は、図11(a)に対して撮影環境が変化した状態(より具体的には、照明が強くなった状態)を示す。図11(a)と図11(b)とを比較してわかるように、本実施の形態に従う「明るさ」追従処理を用いることで、撮影環境の変動に影響を受けることなく、有効な画像情報を含む合成画像データを生成することができる。
<「明るさ」追従処理の制御構造>
図12は、図5に示す追従部230のより詳細な制御構造を示す機能ブロック図である。
図12を参照して、追従部230は、その制御構造として、抽出部2331と、平均化部2332と、偏差算出部2333と、初期値格納部2334と、補正部2335と、監視部2336とを含む。
抽出部2331は、後述するように、入力画像データに対する追従領域の設定を受付ける。そして、抽出部2331は、輝度合成部210(図5)から逐次出力される合成輝度Eのうち、この設定された追従領域内に存在する画素の合成輝度Eを抽出する。さらに、抽出部2331は、抽出した各画素の合成輝度Eを平均化部2332へ出力する。
平均化部2332は、追従領域に含まれる画素についての合成輝度Eの代表値を算出する。具体的には、平均化部2332は、抽出部2331から受けた各画素の合成輝度Eを平均化して、平均合成輝度Eaveを算出する。そして、平均化部2332は、算出した平均合成輝度Eaveを偏差算出部2333および初期値格納部2334へ出力する。なお、追従領域に含まれる画素に何らかの外乱が含まれている場合もあるので、代表値の算出方法として、平均化処理に代えて、あるいは平均化処理に加えて、中間値処理を採用してもよい。
初期値格納部2334は、入力画像データに対する追従領域が設定または変更された直後に平均化部2332で算出される平均合成輝度Eaveを初期合成輝度Eとして記憶する。すなわち、初期値格納部2334は、撮影環境の変動を評価するための基準値として、追従領域が設定または変更された直後の平均合成輝度Eaveを保持する。
偏差算出部2333は、平均化部2332で逐次算出される平均合成輝度Eaveの平均化部2332から受ける初期合成輝度Eに対する偏差ΔEを逐次算出する。すなわち、偏差ΔEは、追従領域が設定または変更された時点の撮影環境からの変動量を示す値である。偏差算出部2333は、偏差ΔEを補正部2335へ出力する。
補正部2335は、偏差算出部2333から受けた偏差ΔEに応じて、「明るさ」上下限範囲を更新(シフト)する。補正部2335は、「明るさ」上下限範囲(「明るさ」上限値および下限値)の初期値Emax0およびEmin0を予め受付けており、更新後の「明るさ」上限値および下限値は、それぞれ(Emax0+ΔE)および(Emin0+ΔE)となる。なお、ユーザが設定できる「明るさ」上下限範囲は、合成輝度Eの有効ダイナミックレンジ内であって、かつ「明るさ」追従上下限範囲内に制限される。
そして、補正部2335は、この初期値として受付けた「明るさ」上限値および下限値にそれぞれ偏差ΔEを加算することで、更新後の「明るさ」上下限範囲を出力する。この補正部2335で算出された更新後の「明るさ」上下限範囲は、トーンマッピング部214(図5)へ与えられる。また、補正部2335は、更新後の「明るさ」上下限範囲を監視部2336へ逐次出力する。
監視部2336は、補正部2335で算出される、更新後の「明るさ」上下限範囲に基づいて、「明るさ」追従処理の異常の有無やユーザガイダンスなどを提供する。
具体的な一例として、監視部2336は、更新後の「明るさ」上下限範囲の時間的な変化履歴を記憶するとともに、モニタ102にそれを表示する。また、監視部2336は、更新後の「明るさ」上下限範囲の時間的は変化履歴に基づいて、適切な「明るさ」追従上下限範囲を設定したり、その範囲をユーザに通知したりする。さらに、監視部2336は、更新後の「明るさ」上下限範囲が予め設定される「明るさ」追従上下限範囲を超えた場合などには、警告の通知やそのときの状態値(ログ)の記憶といったエラー処理を実行する。すなわち、「明るさ」上下限範囲の一部が「明るさ」追従上下限範囲外に更新された場合、言い換えれば、「明るさ」上下限範囲の一部がその有効ダイナミックレンジ外に更新された場合に、エラー処理が実行される。
<稼動モードにおける処理>
上述したように、本実施の形態に従う「明るさ」追従処理では、予め設定された「明るさ」追従上下限範囲をカバーするように、撮影回数および各撮影における露光時間が定められる。
図13は、この発明の実施の形態に従う画像処理装置の「稼動モード」における制御構造の動作を説明するための図である。
図13を参照して、一例として、「明るさ」追従上下限範囲を3回の撮影でカバーできる場合には、撮像部8が、対応する3つの露光時間に順次設定されて撮影が行なわれる。なお、「稼動モード」では、ヒストグラム生成部218におけるヒストグラムの生成処理は中断される。
これに伴って、8つの画像バッファ204のうち、3つの画像バッファ204のみから入力画像データが出力されていることがわかる。このように、ヒストグラムを非表示に選択すると、撮像部8による撮影時間および処理時間を効率化して、全体の処理時間を短くすることもできる。
<画面表示例>
図14〜図18は、この発明の実施の形態に従う画像処理装置のモニタ102に表示される「設定モード」における画面表示例を示す図である。なお、CPU105および図示しないグラフィックボードなどが協働することで、図14〜図18に示すような設定画面を表示させる。このような画面表示は、OS(Operating System)の一部として組込まれるGUI(Graphical User Interface)プログラムによって実現され、またGUIは、ユーザがキーボード103やマウス104により操作される画面上のカーソルを用いて、さまざまなユーザ設定を行なうための環境も提供する。
図14を参照して、ユーザが「HDR設定」タブ416を選択すると、設定モード画面402が表示される。なお、その他の初期設定(撮像部8などの設定)は完了しているものとする。
ユーザは、まず、この設定モード画面402において、「明るさ」上下限範囲(「明るさ」上限値および下限値)の初期値を設定する。
より具体的には、設定モード画面402は、撮像設定入力エリア410と、合成画像表示エリア412と、合成画像全体表示エリア414とを含む。
撮像設定入力エリア410には、合成画像データの「明るさ」についてのヒストグラム420が表示されるとともに、同一軸上に、ユーザ設定された「明るさ」上限値および下限値を示すインジケータ422および424がそれぞれ表示される。なお、ヒストグラム420は、ヒストグラム生成部218(図5)によって逐次生成される。
また、撮像設定入力エリア410には、「明るさ」下限値を設定するためのスライドバー432、「明るさ」上限値を設定するためのスライドバー434が表示される。このスライドバー432および434の操作によって設定される「明るさ」上下限範囲は、図5に示す追従部230(より具体的には、図12に示す補正部2335)に入力される。さらに、撮像設定入力エリア410には、「明るさ」下限値および上限値の直接的な数値入力を受付ける数値入力ボックス426および428が表示される。
ユーザは、表示されるヒストグラム420を参照しながら、スライドバー432もしくは434、または、数値入力ボックス426もしくは428を操作して、所望の「明るさ」上下限範囲を設定する。初期値の「明るさ」上下限範囲としては、ヒストグラム420のほぼ全体をカバーできるような範囲が好ましい。なお、これらのユーザ設定に応じて、インジケータ422および424の表示位置が更新される。
合成画像表示エリア412には、ユーザ設定された「明るさ」上下限範囲に応じて生成される合成画像データが表示される。この合成画像表示エリア412に表示される合成画像データは、稼動モードにおいて検査や計測に用いられる合成画像データを表示するものであり、ユーザは、この合成画像表示エリア412の表示を参照して、ワーク2に対する照明条件や「明るさ」上下限範囲などの設定を調整する。この合成画像表示エリア412に表示される合成画像は、リアルタイムで更新されるので、上述のようなユーザ操作によって、「明るさ」上下限範囲が変更されると、当該変更後の「明るさ」上下限範囲に従って生成される合成画像データが表示される。
また、合成画像表示エリア412では、合成画像データの拡大表示が可能となっている。
合成画像全体表示エリア414は、合成画像表示エリア412と同様に、合成画像データを全体表示する。すなわち、合成画像表示エリア412に合成画像データが拡大表示された場合、すなわち合成画像データの一部が表示されている場合であっても、合成画像全体表示エリア414には、当該合成画像データの全体が表示される。これにより、ユーザは、合成画像データの全体を把握しながら、注目すべき部分(領域)を拡大して観察することができる。
また、設定モード画面402には、「撮影枚数」や「合成時間」なども表示される。これらの情報は、処理時間算出部222(図5)によって算出される。
以上のような、「明るさ」上下限範囲の初期設定が完了すると、ユーザは、続いて図15に示す設定モード画面404上で、「明るさ」追従上下限範囲を設定する。
図15を参照して、ユーザが「明るさ追従設定」タブ418を選択すると、設定モード画面404が表示される。設定モード画面404は、明るさ追従設定入力エリア430と、合成画像表示エリア412と、合成画像全体表示エリア414とを含む。
明るさ追従設定入力エリア430には、合成画像データの「明るさ」についてのヒストグラム420、ならびに初期設定された「明るさ」上限値および下限値を示すインジケータ422および424がそれぞれ表示される。さらに、ヒストグラム420と同一軸上に、ユーザ設定された「明るさ」追従上限値および下限値を示すインジケータ442および444がそれぞれ表示される。すなわち、モニタ102には、「第2範囲」である「明るさ」追従上下限範囲が合成輝度Eの分布であるヒストグラム420と同時に表示される。
また、明るさ追従設定入力エリア430には、「明るさ」追従下限値を設定するためのスライドバー450、および「明るさ」追従上限値を設定するためのスライドバー452が表示される。このスライドバー450および452の操作によって設定される、「明るさ」追従上下限範囲は、図5に示す追従部230(より具体的には、図12に示す補正部2335)に入力される。さらに、撮像設定入力エリア410には、「明るさ」追従下限値および追従上限値の直接的な数値入力を受付ける数値入力ボックス446および448が表示される。
ユーザは、表示されるヒストグラム420を参照しながら、スライドバー450もしくは452、または、数値入力ボックス446もしくは448を操作して、所望の「明るさ」追従上下限範囲を設定する。なお、これらのユーザ設定に応じて、インジケータ442および444の表示位置が更新される。
ユーザは、表示されるヒストグラム420、および既に設定されている初期値の「明るさ」上下限範囲を参照しながら、スライドバー450もしくは452、または、数値入力ボックス446もしくは448を操作して、所望の「明るさ」追従上下限範囲を設定する。なお、「明るさ」上下限範囲が「明るさ」追従上下限範囲に含まれる範囲でのみ設定可能となるように、ユーザ入力が制限される。
また、明るさ追従設定入力エリア430には、「明るさ」追従処理の有効化/無効化を切換えるためのチェックボックス456と、後述する、「明るさ」追従上下限範囲における合成輝度Eの平均値がEを示す数値表示ボックス454とが表示される。さらに、明るさ追従設定入力エリア430には、追従領域を変更もしくは設定するためのボタン460と、「明るさ」上下限範囲を自動設定するためのボタン458とが表示される。
合成画像表示エリア412および合成画像全体表示エリア414には、図14と同様に合成画像データが表示される。
以上のような、「明るさ」追従上下限範囲の初期設定が完了すると、ユーザは、図16に示す設定モード画面406上で、「明るさ」追従上下限範囲を設定する。
ユーザが図15に示す設定モード画面404上で、ボタン460(図15)を選択すると、図16に示すような設定モード画面406が表示される。設定モード画面406には、追従領域の形状を選択するアイコン群468が表示される。ユーザが、これらのアイコン群468のいずれかを選択すると、選択された形状の追従領域416が合成画像表示エリア412に重ねて表示される。なお、追従領域416の形状は、基本的に、長方形のみとなるようにしてもよい。
この合成画像表示エリア412に表示される追従領域416は、ユーザによるマウス操作(たとえば、クリックおよびドラッグなど)によって、その大きさおよび位置を変更可能である。
さらに、設定モード画面406には、追従領域416の座標位置(数値)を受付ける数値入力ボックス462,464,472,474、および追従領域416の座標位置を変更するための十字ボタン466,467が表示される。より具体的には、数値入力ボックス462および464、ならびに十字ボタン466は、追従領域416の左隅の座標値設定に用いられる。同様に、数値入力ボックス472および474、ならびに十字ボタン476は、追従領域416の右下の座標値設定に用いられる。なお、これらのユーザ設定に応じて、追従領域416の表示位置が更新される。
ユーザは、合成画像表示エリア412に表示される合成画像データを参照しながら、追従領域416を適切な位置に設定する。なお、追従領域416は、ワークに対する撮影環境の変動を評価するための領域であり、生産ラインの稼動に伴う影響を受けないような位置に設定することが好ましい。たとえば、搬送機構6が搬送位置にかかわらず一定の位置関係を保つ場合には、当該搬送機構6の一部を追従領域416に設定してもよく、あるいは、撮像部8の撮影範囲のほぼ同じ位置にワーク2が常に搬送される場合には、当該ワーク2の一部を追従領域416に設定してもよい。あるいは、撮像部8で撮影される入力画像データの全体を追従領域416に設定してもよい。この場合には、入力画像データの含まれるすべての画素の輝度が、撮影環境の変動を評価するための対象となる。
以上の操作によって、本実施の形態に従う「明るさ」追従処理についての設定操作が完了する。
図17および図18は、本実施の形態に従う画像処理装置が「設定モード」である場合において、撮影環境の変動があった場合の画面表示例を示す。
図17に示すように、「明るさ」上下限範囲および「明るさ」追従上下限範囲が設定された後、撮影環境がより明るく変化したとする。すると、表示される設定モード画面は、図18に示すように変化する。
図18に示す設定モード画面では、「明るさ」についてのヒストグラム420が全体的に右側(より「明るい」側)へ移動しており、これに伴って、「明るさ」上下限範囲も右側へシフトしている。その結果、合成画像表示エリア412に表示される合成画像データは、図17において表示される合成画像データとほぼ同じ画質を維持していることがわかる。
<監視機能>
図12に示す監視部2336は、(1)「明るさ」上下限範囲の時間的な変化履歴を記憶および表示する、(2)「明るさ」上下限範囲の時間的な変化履歴に基づいて、「明るさ」上下限範囲を自動設定する、(3)「明るさ」上下限範囲が「明るさ」追従上下限範囲を超えた場合にエラー処理を実行する、といった監視機能を実行する。
図19は、図12に示す監視部2336に記憶される「明るさ」上下限範囲の時間的な変化履歴の一例を示す図である。
図19を参照して、追従領域に含まれる画素の合成輝度Eに基づいて算出される平均合成輝度Eaveが時間的に変動すると、これに伴って、「明るさ」上下限範囲も変動する。このような「明るさ」上下限範囲の時間的な変化履歴を所定期間(たとえば、1日や1週間など)にわたって記憶しておくことで、撮影環境の程度や設定されている「明るさ」追従上下限範囲の妥当性などを検証することができる。さらに、これらの検証に基づいて、生産ラインの照明設備の改善や「明るさ」追従上下限範囲の設定変更などの処置を行なうことができる。これにより、「明るさ」追従処理を適切に実行することができるとともに、撮影環境の変化による計測誤差などの発生を抑制できる。なお、図19に示すような「明るさ」上下限範囲の時間的な変化履歴は、ユーザ操作に応じて、モニタ102に表示するようにしてもよい。さらに、これらのデータを図示しないポータブルメディアや外部装置へ送信してもよい。
また、図15に示す設定モード画面404において、「明るさ」上下限範囲を自動設定するためのボタン458が選択された場合に、図19に示すような「明るさ」上下限範囲の時間的な変化履歴が記憶されていれば、これらの「明るさ」上下限範囲の最大値と最小値とが抽出された上で、「明るさ」追従上下限範囲が自動設定される。
さらに、監視部2336は、「明るさ」上下限範囲が「明るさ」追従上下限範囲を逸脱した場合、すなわち、「明るさ」上限値が「明るさ」追従上限値を超えた場合、あるいは「明るさ」下限値が「明るさ」追従下限値を下回った場合には、エラー処理を実行する。
「稼動モード」である場合のエラー処理の具体例としては、当該時点のワークについて検査結果をNGとする、接続されているPLCなどに対してエラー信号を出力する、当該時点の入力画像データを記憶する、といった処理が挙げられる。
このようなエラー処理を実行することで、ユーザは、「明るさ」追従処理が適切に実行されていないことを把握することができる。さらに、ユーザは、生産ラインの照明設備の改善や「明るさ」追従上下限範囲の設定変更などの処置が必要であること認識できる。
<処理手順>
図20は、この発明の実施の形態に従う画像処理装置における全体処理を示すフローチャートである。図20に示すフローチャートは、CPU105が固定ディスク107などに予め格納されたプログラムをメモリ106に読出して実行することにより実現される。なお、初期モードは「稼動モード」であるとする。
図20を参照して、CPU105は、モード切替えの指令が与えられたか否かを判断する(ステップS100)。モード切替えの指令が与えられていない場合(ステップS100においてNOの場合)には、CPU105は、ステップS102からステップS116までの検査計測処理を実行する。
すなわち、CPU105は、光電センサによるワーク2の到着が検出された否かを判断する(ステップS102)。ワーク2の到着が検出されていない場合(ステップS102においてNOの場合)には、ステップS102の処理を繰返す。
ワーク2の到着が検出された場合(ステップS102においてYESの場合)には、CPU105は、設定モードにおいてユーザ設定された「明るさ」追従上下限範囲に応じた、所定の露光時間・撮影回数でワーク2を撮影する(ステップS104)。なお、露光時間および露光回数は、「明るさ」追従上下限範囲の「明るさ」をカバーするように予め設定される。そして、CPU105は、設定された回数の撮影が完了したか否かを判断する(ステップS106)。設定された回数の撮影が完了していない場合(ステップS106においてNOの場合)には、CPU105は、ステップS104の処理を繰返す。
設定された回数の撮影が完了している場合(ステップS106においてYESの場合)には、CPU105は、画像合成処理サブルーチン(稼動モード)を実行する(ステップS108)。この画像合成処理サブルーチン(稼動モード)の実行により、撮影された入力画像データから合成画像データが生成する。そして、CPU105は、生成した合成画像データをモニタ102などに表示する(ステップS110)。
続いて、CPU105は、生成された合成画像データに基づいて検査計測処理を実行する(ステップS112)。なお、検査計測処理の一例としては、たとえば、予め登録された画像パターンに一致する部分を探索するサーチ処理や、ワークのエッジを検出してエッジ間の距離を計測するエッジスキャン処理などが挙げられる。
最終的に、CPU105は、その検査計測処理の結果をモニタ102などに表示する(ステップS114)とともに、PLCなどの外部装置へ出力する(ステップS116)。そして、一連の処理は終了する。ステップS100以下の一連の処理が所定周期で繰返し実行される。
これに対して、モード切替えの指令が与えられた場合(ステップS100においてYESの場合)には、CPU105は、「設定モード」へ移行する(ステップS118)。そして、図23に示す処理が実行される。
(画像合成処理サブルーチン(稼動モード))
図21は、図20に示す画像合成処理サブルーチン(稼動モード)における処理を示すフローチャートである。図21に示すフローチャートは、CPU105が固定ディスク107などに予め格納されたプログラムをメモリ106に読出して実行することにより実現される。
図21を参照して、CPU105は、座標位置iを初期値(i=1)に設定し(ステップS200)、撮影された複数の入力画像データの座標位置iに対応するそれぞれの画素の色情報および輝度を取得する(ステップS202)。
続いて、CPU105は、複数の入力画像データの座標位置iに対応する画素のそれぞれの輝度に基づいて、座標位置iの合成輝度Eを算出する(ステップS204)。同様に、CPU105は、複数の入力画像データの座標位置iに対応する画素の合成輝度および色情報に基づいて、座標位置iの合成色情報(r,g,b)を算出する(ステップS206)。
そして、CPU105は、座標位置iが入力画像データに含まれる最後の座標であるか否かを判断する(ステップS208)。座標位置iが入力画像データに含まれる最後の座標でない場合(ステップS208においてNOの場合)には、CPU105は、現在の座標位置iに「1」を加算して(ステップS210)、ステップS202以下の処理を繰返す。
座標位置iが入力画像データに含まれる最後の座標であれば(ステップS208においてYESの場合)には、CPU105は、追従領域に含まれる画素の合成輝度Eを抽出し(ステップS212)、さらに、これらの抽出した画素の合成輝度Eについての平均合成輝度Eaveを算出する(ステップS214)。
続いて、CPU105は、CPU105は、平均合成輝度Eaveの設定モードにおいて予め取得された初期合成輝度Eに対する偏差ΔEを算出する(ステップS216)。さらに、CPU105は、更新後の「明るさ」上下限範囲を算出する(ステップS218)。具体的には、CPU105は、更新後の「明るさ」上限値Emaxおよび下限値Eminとして、それぞれ以下のような演算を実行する。
max=Emax0+ΔE
min=Emin0+ΔE
その後、CPU105は、監視処理サブルーチンを実行する(ステップS220)。
監視処理サブルーチンの実行後、CPU105は、座標位置iを初期値(i=1)に設定し(ステップS222)、更新後の「明るさ」上限値Emaxおよび下限値Eminに基づいて、座標位置iの合成輝度Eから階調値Yを算出する(ステップS224)。さらに、CPU105は、算出した階調値Yを座標位置iの合成色情報(r,g,b)に乗じることで、合成画像データの座標位置iの座標における絶対的な色情報(R,G,B)を算出する(ステップS226)。
そして、CPU105は、座標位置iが入力画像データに含まれる最後の座標であるか否かを判断する(ステップS228)。座標位置iが入力画像データに含まれる最後の座標でない場合(ステップS228においてNOの場合)には、CPU105は、現在の座標位置iに「1」を加算して(ステップS230)、ステップS224以下の処理を繰返す。
座標位置iが入力画像データに含まれる最後の座標であれば(ステップS228においてYESの場合)には、CPU105は、各座標位置における絶対的な色情報(R,G,B)を含む合成画像データを出力する(ステップS232)。そして、処理はリターンする。
(監視処理サブルーチン)
図22は、図21に示す監視処理サブルーチンにおける処理を示すフローチャートである。図22に示すフローチャートは、CPU105が固定ディスク107などに予め格納されたプログラムをメモリ106に読出して実行することにより実現される。
図22を参照して、CPU105は、図21のステップS218において算出された、更新後の「明るさ」上限値Emaxおよび下限値Eminを時間(もしくは、時刻)に関連付けて記憶する(ステップS300)。
続いて、CPU105は、更新後の「明るさ」上限値Emaxが「明るさ」追従上限値を超えているか否かを判断する(ステップS302)。更新後の「明るさ」上限値Emaxが「明るさ」追従上限値を超えていない場合には(ステップS302においてNOの場合)、CPU105は、更新後の「明るさ」下限値Eminが「明るさ」追従下限値を下回っているか否かを判断する(ステップS304)。
更新後の「明るさ」上限値Emaxが「明るさ」追従上限値を超えている場合(ステップS302においてYESの場合)、もしくは、更新後の「明るさ」下限値Eminが「明るさ」追従下限値を下回っている場合(ステップS304においてYESの場合)には、CPU105は、現在の更新後の「明るさ」上限値Emaxおよび下限値Emin、ならびに平均合成輝度Eaveを記憶する。
続いて、CPU105は、エラー処理を実行する(ステップS308)。ステップS308のエラー処理には、(1)現在のワークについて検査結果についてのNGフラグのオン、(2)接続されているPLCなどに対してエラー信号の出力、(3)現在の入力画像データの記憶、などが含まれる。そして、処理はリターンする。
一方、更新後の「明るさ」上限値Emaxが「明るさ」追従上限値を超えていない場合(ステップS302においてNOの場合)には、その他の処理を実行を行なうことなく、リターンする。
(設定モード)
図23は、この発明の実施の形態に従う画像処理装置における「設定モード」における処理を示すフローチャートである。図23に示すフローチャートは、CPU105が固定ディスク107などに予め格納されたプログラムをメモリ106に読出して実行することにより実現される。
図23を参照して、CPU105は、撮像部8に設定可能なすべての露光時間・撮影回数でワーク2を撮影する(ステップS400)。そして、CPU105は、必要な回数の撮影が完了したか否かを判断する(ステップS402)。必要な回数の撮影が完了していない場合(ステップS402においてNOの場合)には、CPU105は、ステップS402の処理を繰返す。
必要な回数の撮影が完了している場合(ステップS402においてYESの場合)には、CPU105は、画像合成処理サブルーチン(設定モード)を実行する(ステップS404)。この画像合成処理サブルーチン(稼動モード)の実行により、撮影された入力画像データから合成画像データが生成する。そして、CPU105は、生成した合成画像データをモニタ102などに表示する(ステップS406)。
続いて、CPU105は、生成された合成画像データに含まれる合成輝度Eに基づいて、ヒストグラムを生成する(ステップS408)。
続いて、CPU105は、ユーザにより、「明るさ」上下限範囲の設定が変更されたか否かを判断する(ステップS410)。「明るさ」上下限範囲の設定が変更されていない場合(ステップS410においてNOの場合)には、CPU105は、「明るさ」追従上下限範囲の設定が変更されたか否かを判断する(ステップS412)。
「明るさ」上下限範囲の設定が変更された場合(ステップS410においてYESの場合)、もしくは、「明るさ」追従上下限範囲の設定が変更された場合(ステップS412においてYESの場合)には、CPU105は、変更後において、「明るさ」上下限範囲が「明るさ」追従上下限範囲の範囲内であるか否かを判断する(ステップS414)。変更後において、「明るさ」上下限範囲が「明るさ」追従上下限範囲の範囲内でない場合(ステップS414においてNOの場合)には、設定変更の受付けを拒否する(ステップS416)。
変更後において、「明るさ」上下限範囲が「明るさ」追従上下限範囲の範囲内である場合(ステップS414においてYESの場合)には、設定変更を有効に受付ける(ステップS418)。さらに、CPU105は、「明るさ」追従上下限範囲の「明るさ」範囲をカバーするように、撮像部8による露光時間および撮影回数(「稼動モード」用)を決定する(ステップS420)。
「明るさ」追従上下限範囲の設定が変更されていない場合(ステップS412においてNOの場合)、またはステップS416もしくはS420の実行後、CPU105は、ユーザにより、追従領域の設定が変更されたか否かを判断する(ステップS422)。追従領域の設定が変更されている場合(ステップS422においてYESの場合)には、CPU105は、追従領域に含まれる各画素の合成輝度Eを平均化して、平均合成輝度Eaveを算出する(ステップS424)。さらに、CPU105は、算出した平均合成輝度Eaveを記憶する(ステップS426)。
その後、CPU105は、モード切替えの指令が与えられたか否かを判断する(ステップS428)。モード切替えの指令が与えられていない場合(ステップS428においてNOの場合)には、CPU105は、ステップS400以下の処理を繰返し実行する。
モード切替えの指令が与えられた場合(ステップS428においてYESの場合)には、CPU105は、「稼動モード」へ移行する(ステップS430)。そして、図20に示す処理が実行される。
(画像合成処理サブルーチン(設定モード))
図24は、図23に示す画像合成処理サブルーチン(設定モード)における処理を示すフローチャートである。図24に示すフローチャートは、CPU105が固定ディスク107などに予め格納されたプログラムをメモリ106に読出して実行することにより実現される。
図24を参照して、CPU105は、座標位置iを初期値(i=1)に設定し(ステップS500)、撮影された複数の入力画像データの座標位置iに対応するそれぞれの画素の色情報および輝度を取得する(ステップS502)。
続いて、CPU105は、複数の入力画像データの座標位置iに対応するそれぞれの画素の輝度に基づいて、座標位置iの合成輝度Eを算出し(ステップS504)、さらに、ユーザ設定された、「明るさ」上下限範囲の初期値Emax0およびEmin0に基づいて、合成輝度Eから階調値Yを算出する(ステップS506)。
同様に、CPU105は、複数の入力画像データの座標位置iに対応するそれぞれの画素の輝度および色情報に基づいて、座標位置iの合成色情報(r,g,b)を算出する(ステップS508)。
さらに、CPU105は、算出した階調値Yを座標位置iの合成色情報(r,g,b)に乗じることで、合成画像データの座標位置iの座標における絶対的な色情報(R,G,B)を算出する(ステップS510)。
そして、CPU105は、座標位置iが入力画像データに含まれる最後の座標であるか否かを判断する(ステップS512)。座標位置iが入力画像データに含まれる最後の座標でない場合(ステップS512においてNOの場合)には、CPU105は、現在の座標位置iに「1」を加算して(ステップS514)、ステップS502以下の処理を繰返す。
一方、座標位置iが入力画像データに含まれる最後の座標である場合(ステップS512においてYESの場合)には、CPU105は、各座標位置における絶対的な色情報(R,G,B)を含む合成画像データを出力する(ステップS516)。そして、処理はリターンする。
<本実施形態の作用効果>
この発明の実施の形態によれば、ユーザ設定された「明るさ」上下限範囲より広い「明るさ」追従上下限範囲に応じた露光時間および撮影回数で被測定物(ワーク)が撮影される。そのため、「明るさ」追従上下限範囲に相当するダイナミックレンジで被測定物が撮影される。そして、これらの撮影データのうち、「明るさ」上下限範囲内の輝度が有効な階調値に変換されることで、合成画像データとして生成される。
ここで、撮影環境(特に、照明環境)が変動したとしても、その変動が「明るさ」追従上下限範囲に収まるものであれば、有効に被測定物を撮影できる。そして、この撮影環境に応じて、いずれの輝度レンジを有効な階調値へ変換するかという対応関係を順次更新することで、最終的に生成される合成画像データにおいては、このような撮影環境の影響を排除することができる。
これにより、撮影環境の変動に影響を受けることなく、有効な画像情報を含む合成画像データを生成できることができる。
また、この発明の実施の形態によれば、「明るさ」上下限範囲の時間的な変化履歴が監視される。そのため、ユーザは、このような「明るさ」上下限範囲の時間的な変化履歴を参照することで、撮影環境の程度や設定されている「明るさ」追従上下限範囲の妥当性などを検証することができる。さらに、これらの検証に基づいて、生産ラインの照明設備の改善や「明るさ」追従上下限範囲の設定変更などの処置を行なうことができる。
これにより、「明るさ」追従処理を適切に実行することができるとともに、撮影環境の変化による計測誤差などの発生を抑制できる。
さらに、「明るさ」上下限範囲が「明るさ」追従上下限範囲を逸脱した場合には、エラー処理が実行される。このようなエラー処理が実行されることによって、ユーザは、「明るさ」追従処理が適切に実行されていないことを把握することができる。さらに、ユーザは、生産ラインの照明設備の改善や「明るさ」追従上下限範囲の設定変更などの処置が必要であること認識できる。
[実施の形態の第1変形例]
上述の本実施の形態に従う画像処理装置では、撮影環境の変動による「明るさ」の変動に応じて、「明るさ」上下限範囲を更新することで、有効な階調値として変換する合成輝度Eの範囲を変更する構成について例示した。これに対して、本第1変形例では、算出される合成輝度E自身を補正することで、同様の効果を得られる構成について例示する。
本第1変形例に従う画像処理装置の全体制御構成は、追従部の制御構造を除いて、図5と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
図25は、この発明の実施の形態の第1変形例に従う追従部230Aのより詳細な制御構造を示す機能ブロック図である。
図25を参照して、本第1変形例に従う追従部230Aは、その制御構造として、抽出部2331と、平均化部2332と、偏差算出部2333と、初期値格納部2334と、補正部2335Aと、監視部2336Aとを含む。なお、抽出部2331と、平均化部2332と、偏差算出部2333と、初期値格納部2334とについては、図12に示す追従部230のそれと同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
本第1変形例に従う追従部230Aの補正部2335Aは、平均合成輝度Eaveの初期合成輝度Eに対する偏差ΔEに基づいて、輝度合成部210(図5)で算出される各画素の合成輝度Eを補正(シフト)する。すなわち、補正部2335Aは、上述の図10に示すような合成輝度Eの分布のシフトを元に戻すために、当該シフト量に相当する偏差ΔEを合成輝度Eから減じる。より具体的には、補正部2335Aは、合成輝度(補正後)#Eを以下の数式に従って算出する。
合成輝度(補正後)#E=合成輝度E−偏差ΔE
そして、トーンマッピング部214(図5)は、この合成輝度(補正後)#Eに対して、対応する階調値Yを算出する。このとき、トーンマッピング部214(図5)で用いられる「明るさ」上下限範囲は、初期設定された「明るさ」上下限範囲のまま維持される。
また、監視部2336Aは、偏差ΔEの大きさに基づいて、「明るさ」追従処理の異常の有無やユーザガイダンスなどを提供する。その具体的な処理の内容は、上述した監視部2336と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
また、その他の制御構造および処理手順などについては、上述した実施の形態と同様であるので、詳細な説明は繰返さない。
[実施の形態の第2変形例]
上述の本実施の形態に従う画像処理装置では、(1)式に示されるように、各画素の輝度を規格化した値(=g(Zi,j)/Δt)の対数に基づいて、各画素の合成輝度Eを算出する例について説明した。このような算出方法に代えて、各画素の輝度を規格化した値についての重み付きの加重平均を算出(加算処理)した上で、対数をとって各画素の合成輝度Eを算出してもよい。以下、このような算出方法を用いる場合について例示する。
具体的には、本第2変形例に従う各画素の合成輝度Eの算出式は、(3)式のようになる。
(3)式において、「(g(Zi,j)/Δt)」の項が、各入力画像データにおける各画素の輝度を露光時間で規格化した上で、「明るさ」として評価した値に相当する。そして、この規格化した値に対して重み付きの加重平均を算出(加算処理)した上で、対数が計算される。
[実施の形態の第3変形例]
上述の本実施の形態に従う画像処理装置では、(1)式に示されるように、各画素の輝度を規格化した値(=g(Zi,j)/Δt)の対数に基づいて、各画素の合成輝度Eを算出する例について説明した。このような算出方法に代えて、各画素の輝度を規格化した値についての重み付きの加重平均を算出(加算処理)した上で、ガンマ補正(γべき乗)を行って各画素の合成輝度Eを算出してもよい。以下、このような算出方法を用いる場合について例示する。
具体的には、本第3変形例に従う各画素のガンマ補正後の合成輝度Oの算出式は、(4.1)のようになり、合成輝度Eの算出式は、(4.2)式のようになる。
(4.1)式において、γはガンマ補正量を調整するための変数であり、aおよびbは任意に設定可能な定数である。ガンマ補正は、上述の第2変形例に示すような対数変換と、線形変換との中間的な補正特性を示し、その補正量は、γの大きさで定まる。すなわち、γ=1のときは、線形変換(重み付きの加重平均そのもの)となり、γ→0のときは、対数変換と近似した補正特性を示す。また、0<γ<1のときは、線形変換と対数変換との間の中間的な補正特性を示す。
(4.2)式において、「(g(Zi,j)/Δt)」の項が、各入力画像データにおける各画素の輝度を露光時間で規格化した上で、「明るさ」として評価した値に相当する。そして、この規格化した値に対して重み付きの加重平均を算出される。
[その他の実施の形態]
本発明に係るプログラムは、コンピュータのオペレーティングシステム(OS)の一部として提供されるプログラムモジュールのうち、必要なモジュールを所定の配列で所定のタイミングで呼出して処理を実行させるものであってもよい。その場合、プログラム自体には上記モジュールが含まれずOSと協働して処理が実行される。このようなモジュールを含まないプログラムも、本発明にかかるプログラムに含まれ得る。
また、本発明に係るプログラムは他のプログラムの一部に組込まれて提供されるものであってもよい。その場合にも、プログラム自体には上記他のプログラムに含まれるモジュールが含まれず、他のプログラムと協働して処理が実行される。このような他のプログラムに組込まれたプログラムも、本発明に係るプログラムに含まれ得る。
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記憶された記録媒体とを含む。
さらに、本発明に係るプログラムによって実現される機能の一部または全部を専用のハードウェアによって構成してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の実施の形態に従う画像処理装置を含む視覚センサシステムの全体構成を示す概略図である。 この発明の実施の形態に従う画像処理装置を含む視覚センサシステムの配置状況の一例を示す概略図である。 この発明の実施の形態に従うコンピュータのハードウェア構成を示す概略構成図である。 ワークとして腕時計の裏面を撮影した場合の入力画像データを示す図である。 この発明の実施の形態に従う画像処理装置の全体制御構造を示す機能ブロック図である。 撮像部に設定される露光時間と撮影に適した「明るさ」範囲との関係の一例を示す図である。 重み関数および応答関数の特性の一例を示す図である。 トーンマッピング部による割当て処理を説明するための図である。 撮影環境の変動による合成画像データの画質低下の一例を示す図である。 図9に示す合成画像データに対応するヒストグラムの一例を示す図である。 この発明の実施の形態に従う「明るさ」追従処理の効果の一例を示す図である。 図5に示す追従部のより詳細な制御構造を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態に従う画像処理装置の「稼動モード」における制御構造の動作を説明するための図である。 この発明の実施の形態に従う画像処理装置のモニタに表示される「設定モード」における画面表示例(その1)を示す図である。 この発明の実施の形態に従う画像処理装置のモニタに表示される「設定モード」における画面表示例(その2)を示す図である。 この発明の実施の形態に従う画像処理装置のモニタに表示される「設定モード」における画面表示例(その3)を示す図である。 この発明の実施の形態に従う画像処理装置のモニタに表示される「設定モード」における画面表示例(その4)を示す図である。 この発明の実施の形態に従う画像処理装置のモニタに表示される「設定モード」における画面表示例(その5)を示す図である。 図12に示す監視部に記憶される「明るさ」上下限範囲の時間的な変化履歴の一例を示す図である。 この発明の実施の形態に従う画像処理装置における全体処理を示すフローチャートである。 図20に示す画像合成処理サブルーチン(稼動モード)における処理を示すフローチャートである。 図21に示す監視処理サブルーチンにおける処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態に従う画像処理装置における「設定モード」における処理を示すフローチャートである。 図23に示す画像合成処理サブルーチン(設定モード)における処理を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態の第1変形例に従う追従部のより詳細な制御構造を示す機能ブロック図である。
符号の説明
1 視覚センサシステム、2 ワーク、4a 受光部、4b 投光部、6 搬送機構、8 撮像部、20 天窓、22 専用照明、100 コンピュータ、101 コンピュータ本体、102 モニタ、103 キーボード、104 マウス、106 メモリ、107 固定ディスク、109 カメラインターフェイス部、111 FD駆動装置、113 CD−ROM駆動装置、115 PLCインターフェイス部、117 センサインターフェイス部、200 撮影制御部、202 選択部、204,204a〜204h 画像バッファ、206a〜206h 画像情報抽出部、208 色合成部、210 輝度合成部、212 画像生成部、214 トーンマッピング部、218 ヒストグラム生成部、222 処理時間算出部、230,230A 追従部、2331 抽出部、2332 平均化部、2333 偏差算出部、2334 初期値格納部、2335,2335A 補正部、2336,2336A 監視部、FAC 工場建屋。

Claims (17)

  1. 撮像部および表示部に接続された画像処理装置であって、前記撮像部は、複数の画素に区画された撮像素子を含み、かつ露光条件を変更可能であり、
    前記撮像部に異なる露光条件で撮影範囲を複数回撮影させることにより、複数の画像データを取得する取得手段と、
    前記複数の画像データに基づいて、前記撮像素子に入射する光エネルギーの分布に応じた輝度分布を算出する算出手段と、
    前記輝度分布を前記表示部に表示すべき階調値の分布に変換する変換手段とを備え、前記変換手段は、第1範囲内の輝度と有効な階調値との対応関係に従って変換を行ない、
    前記撮像素子に入射する光エネルギーに基づいて、前記対応関係における前記第1範囲を更新する更新手段とを備え、前記更新手段は、前記第1範囲の更新が許容される範囲である第2範囲を受付ける手段を備える、画像処理装置。
  2. 前記表示部に前記輝度分布を表示させる表示手段をさらに備え、
    前記更新手段は、設定された前記第2範囲を前記輝度分布と同時に表示する、請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記更新手段は、
    前記撮像部で撮像される画像データに対する領域設定を受付ける手段と、
    前記領域設定された画素の輝度に基づいて、前記第1範囲の幅を維持したまま、位置をシフトする手段とをさらに含む、請求項1または2に記載の画像処理装置。
  4. 前記更新手段は、
    前記第1範囲の一部が前記第2範囲外に更新された場合に、エラー処理を実行する手段をさらに含む、請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 前記更新手段は、
    前記表示部に前記第1範囲の時間的な変化履歴を表示する手段をさらに含む、請求項3または4に記載の画像処理装置。
  6. 前記更新手段は、前記第1範囲の時間的な変化履歴に基づいて、前記第2範囲を設定する手段をさらに含む、請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記更新手段は、第1範囲の初期値を受付ける手段をさらに含み、前記第1範囲の初期値の設定可能範囲は、前記第2範囲内に制限される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  8. 前記複数の画像データに含まれる色情報と対応する画素の階調値とに基づいて、合成画像データを生成する生成手段さらに備える、請求項1〜7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  9. 撮像部および表示部に接続された装置における画像処理方法であって、前記撮像部は、複数の画素に区画された撮像素子を含み、
    輝度についての第1範囲を受付けるステップと、
    前記第1範囲を包含する第2範囲を受付けるステップと、
    前記撮像部に異なる露光条件で撮影範囲を複数回撮影させることにより、複数の画像データを取得するステップと、
    前記複数の画像データに基づいて、前記撮像素子に入射する光エネルギーの分布に応じた輝度分布を算出するステップと、
    第1範囲内の輝度と有効な階調値との対応関係について、前記撮像素子に入射する光エネルギーに基づいて前記第1範囲を更新するステップと、
    更新後の前記対応関係に従って、前記輝度分布を前記表示部に表示すべき階調値に変換するステップとを含む、画像処理方法。
  10. 複数の画素に区画された撮像素子を含み、かつ露光条件を変更可能な撮像部と、
    前記撮像部に、複数の異なる露光条件で撮影範囲を撮影させることにより、複数の画像データを取得する取得手段と、
    前記複数の画像データおよび各画像データに対応する露光条件に基づいて、前記撮像素子に入射する光エネルギーに応じた輝度値であって、有効ダイナミックレンジ内で一定以上の輝度分解能を有する輝度値を算出し、前記撮像素子に入射する光エネルギーの分布に応じた輝度値分布を算出する算出手段と、
    前記有効ダイナミックレンジに含まれ、当該有効ダイナミックレンジよりも狭い範囲の第1範囲内の輝度値を、既定の数値範囲内の階調値で表される既定範囲階調値に対応させて変換することで、前記輝度値分布を既定範囲階調値分布に変換する変換手段と、
    前記撮像素子に入射する光エネルギーの変動に応じて、前記変換手段において前記既定範囲階調値に対応付ける前記第1範囲を、前記有効ダイナミックレンジに含まれ、当該有効ダイナミックレンジよりも狭い範囲であって、前記第1範囲とは異なる更新後第1範囲の輝度値に更新する更新手段とを備える、画像処理装置。
  11. 前記既定範囲階調値分布を表示する表示部をさらに備える、請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 前記撮像部で撮像される画像データに対する領域設定を受付ける手段をさらに備え、
    前記更新手段は、更新後に前記変換手段により変換されて得られうる前記領域設定内の階調値分布が、更新前の階調値分布と略同じになるように、前記第1範囲を前記更新後第1範囲に更新する、請求項10に記載の画像処理装置。
  13. 前記更新手段は、前記第1範囲が有するダイナミックレンジの幅と同じダイナミックレンジの幅を有する前記更新後第1範囲に更新する、請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 前記更新手段は、前記第2範囲を受付ける手段を含む、請求項10に記載の画像処理装置。
  15. 前記第2範囲の輝度値を前記有効ダイナミックレンジの輝度値と同時に表示する表示部をさらに備える、請求項14に記載の画像処理装置。
  16. 前記更新手段は、前記更新後第1範囲の一部が前記有効ダイナミックレンジ外に更新された場合に、エラー処理を実行する手段をさらに含む、請求項10に記載の画像処理装置。
  17. 前記更新手段は、第1範囲の初期値を受付ける手段をさらに含み、
    前記第1範囲の初期値の設定可能範囲は、前記有効ダイナミックレンジ内に制限される、請求項10に記載の画像処理装置。
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