JP2008032491A - 検査装置、検査方法、検査プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

検査装置、検査方法、検査プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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Abstract

【課題】アライメントマーク部分に輝点欠陥があった場合でも、当該輝点欠陥を検出することができる検査装置および検査装置が備える位置検出装置を提供する。
【解決手段】液晶パネルモジュール11に位置検出のためのアライメントマークを目視困難な輝度で点灯させる制御部7と、アライメントマークを点灯した表示用パネルを撮像した画像に基づいて、その表示用パネルの位置を検出する画像処理部6とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示用パネルの位置を検出するための装置に関するものであり、特に表示用パネルの欠陥を検査するための検査装置が備える位置検出装置に関するものである。
フラットパネルディスプレイ(以下、FPDと称する)は、赤、青、緑の3色に発光する多くのドットの組み合わせで映像の表示を行っている。このFPDの製造において欠陥が発生することがある。欠陥には多くの種類が有り、その中には、ドットが常時発光したままになる輝点欠陥、ドットが点灯しなくなる黒点欠陥、多くのドットの発光量が均一でないムラ欠陥が含まれる。これらの欠陥は検査を行う検査工程で発見され、修正や製品の等級の設定の対象となる。
FPDの検査工程は、製造工程の様々な段階で行われている。その中で点灯検査工程は、FPDに映像を表示させ、欠陥がないか検査を行う工程である。この点灯検査工程には、表示を行う板状のパネル部分のみの検査を行う工程と、パネルに強度を持たせる額縁状のベゼルや、パネルを点灯するための電気回路を組み込んだモジュールの状態で検査を行う工程とが含まれる。モジュールは部品としてFPD のメーカーへ販売されることがあるため、モジュールの状態での検査工程は重要な地位を占めている。
従来モジュールの点灯検査では、検査員による目視検査が行われており、その判定は検査員に欠陥が見えるか否かで判断されていた。FPDは人間が見るためのものであるため、たとえ回路上に微小な異常があったとしても、人間に見えない異常であれば欠陥ではないともいえる。目視検査を効率良く行うための検査装置は、例えば特許文献1に記載されている。
近年、FPDの大型化、高精細化が進み、細かな部分を見る必要性と、広い領域を見る必要性が高まり、目視による判定での負担が増大してきている。また、検査員の目視に頼った判定では、見逃しや、判断基準のばらつきがあり、製品の品質管理をしにくいといった問題点がある。
このため、FPD点灯検査装置が開発され、実用に供されている。このFPD点灯検査装置は、FPDに特定の映像を表示させ、表示された状態を撮像装置で撮像し、撮像した画像に対して画像処理を行うことによって欠陥の有無を判断する。このようなFPD点灯検査装置は、例えば、特許文献2や3に記載されている。
多くのFPD点灯検査装置は、パネルのみのFPDの検査を行う検査装置である。パネルのみの検査工程では、パネルは壊れやすく、また、パネルを駆動するためにコンタクトプローブと呼ばれる電極にパネルの端にある電極を正確に接触させるための位置あわせを行う必要があり、作業員の手搬送で行うことは困難である。そのため、搬送系に自動搬送機構及び位置決め機構が搭載されており、作業員は機構部を操作しつつ、目視で検査する作業をこれまで行っていた。そのため、パネルのみの検査工程にFPD点灯検査装置を導入する場合には、パネルの正確な位置を検出する機構を新たに設ける必要はない。
一方、モジュール状態での検査工程では、パネルはベゼルに保護されているため壊れにくく、パネルを駆動するためにはハーネスと呼ばれる端がコネクタになっている配線を差し込むだけであるため、正確な位置あわせはこれまで必要なかった。また、ハーネスを差し込む作業は自動化が難しい作業であるため、もっぱら作業員が行っていた。さらに、モジュールは、外側のベゼルとパネルとの組み付け精度により、外側のベゼルを正確に位置あわせしても、パネルの位置は製品によって多少ばらつくといった問題もあった。そのため、モジュールの検査工程にFPD点灯検査装置を導入する場合には、パネルの正確な位置を検出する仕組みが必要となる。
パネルの正確な位置を検出する方法のひとつとして、パターン検査や露光を行うときに、パネルの端にアライメントマークを作成し、そのアライメントマークを照明して撮像を行い、位置を検出する方法が挙げられる。
しかし、モジュールの検査を行う場合、パネルの端部はベゼルに隠れてしまうことから、表示領域付近にアライメントマークを作成する必要がある。更にFPD点灯検査装置で、輝点欠陥を検出する場合、輝点欠陥のわずかな発光も撮像するために、外乱光が入らないような暗室状態で撮像を行うことが要求されるため、この方法を用いるには、輝点欠陥を検出する撮像装置のほかに、その撮像装置では検出できない波長の光を照明する照明装置と、その波長の光で撮像できる撮像装置とが必要となり、コストが高くなることから、上記の検出方法を実施することは困難である。
パネルの正確な位置を検出する別の方法として、パネルのアライメント時に、当該パネルにアライメントマークを表示させ、そのアライメントマークを撮像し、パネルの位置を検出する方法が挙げられる。このような、パネルの表示画素の位置及び回転角の検出方法は、例えば特許文献4に記載されている。
この位置検出方法において、撮像装置としてエリアセンサ型の撮像装置またはラインセンサ型の撮像装置を用いることができる。エリアセンサ型の撮像装置を用いた場合、パネルと撮像素子との位置関係を変更することなく、撮像を行うことが可能であるため、パネルの領域を認識することが可能な撮像画像を欠陥検出工程の前に取得し、パネルの位置を認識することが可能である。
パネルのアライメント方法は、エリアセンサ型の撮像装置を用いた場合には、光学系とパネルとの位置関係を一度決めてしまえば、点灯パターンを変更し撮像を行っても位置関係は変化しないため、
(1)アライメントマークを表示し位置を確認し、
(2−1)パネルの位置を微調整し、液晶表示パネルの表示画素の位置及び回転角を検出するか、
(2−2)マーク位置を記憶し、そのまま検査し、マーク位置を基に画像内の座標を変換するといった方法をとることができる。
しかしながら、エリアセンサ型の撮像装置は、大型TV用のFPDを検査するのに十分な画素数を備えたものはなく、複数のカメラを複数搭載する必要がありコストが増加するという問題がある。
これに対し、ラインセンサ型の撮像装置を用いた場合、エリアセンサ型の撮像装置に比べ安価に高画素の画像を得ることが出来る。
特開2003−42959号公報(2003年2月13日公開) 特開2002−131180号公報(2002年5月9日公開) 特開2002−98651号公報(2002年4月5日公開) 特開平6−250138号公報(1994年9月9日公開)
しかしながら、上記従来の構成では、撮像装置の型に関わらず、点灯検査では、アライメントマーク部分に輝点欠陥があった場合、その欠陥を検出することが出来ず、検出不能領域が出来てしまう。この問題を回避するために、アライメントマークの位置を変えて複数回検査を行うと、検査のタクトが伸びてしまうという問題が生じる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、アライメントマーク部分に輝点欠陥があった場合でも、当該輝点欠陥を検出することができる検査装置および当該検査装置が備える位置検出装置を提供することにある。
本発明に係る検査装置は、上記の課題を解決するために、表示用パネルに位置検出のためのアライメントマークを低輝度かつ目視困難な輝度で点灯させる点灯制御手段と、上記アライメントマークを点灯した表示用パネルを撮像した画像に基づいて当該表示用パネルの位置を検出する位置検出手段と、上記位置検出手段の検出結果をもとに上記画像の補正を行うとともに、補正された画像に基づいて上記表示用パネルにおける輝点欠陥を検出する欠陥検出手段とを備えることを特徴としている。
本発明に係る検査方法は、上記の課題を解決するために、表示用パネルの画像に基づいて当該表示用パネルの検査を行う検査装置における検査方法であって、位置検出のためのアライメントマークを、表示用パネルに低輝度かつ目視困難な輝度で点灯させる点灯制御工程と、上記アライメントマークを点灯した表示用パネルを撮像した画像に基づいて当該表示用パネルの位置を検出する位置検出工程と、上記位置検出工程における検出結果をもとに上記画像の補正を行うとともに、補正された画像に基づいて上記表示用パネルにおける輝点欠陥を検出する欠陥検出工程とを含むことを特徴としている。
輝点欠陥は、基準値よりも高い輝度を有するドットが存在する欠陥であるが、人間の目によって視認されなければ欠陥とはならない。
上記の構成によれば、点灯制御手段は、アライメントマークを目視困難な輝度で表示用パネルに点灯させ、位置検出手段は、上記アライメントマークを点灯した表示用パネルを撮像した画像に基づいて当該表示用パネルの位置を検出する。
それゆえアライメントマークを形成するドットに輝点欠陥がある場合でも、当該輝点欠陥の輝度は、アライメントマークの輝度よりも高いため、当該ドットを輝点欠陥として検出することができる。換言すれば、アライメントマークの輝度よりも高い輝度を有する、目視可能な輝点欠陥を検出することができる。
したがって、アライメントマークの位置を変えて複数回検査を行う必要がないため、検査装置における検査効率を高めることができる。
また、上記点灯制御手段は、目視困難な輝度の青色のアライメントマークを点灯させることが好ましい。
人間の視角感度は、緑色よりも青色に対して低い。それゆえ、上記の構成により、目視困難なアライメントマークを容易に点灯することができる。
また、上記点灯制御手段は、目視困難な輝度の赤色のアライメントマークを点灯させることが好ましい。
人間の視角感度は、緑色よりも赤色に対して低い。特に暗所では、赤色は目視しにくい。それゆえ、上記の構成により、目視困難なアライメントマークを容易に点灯することができる。
また、上記検査装置は、上記点灯制御手段が出力する信号に基づいて、表示用パネルに上記アライメントマークを点灯させる点灯手段と、上記アライメントマークを点灯した表示用パネルを撮像する撮像手段とをさらに備えることが好ましい。
上記の構成によれば、点灯手段は、点灯制御手段の制御下において、アライメントマークを目視困難な輝度で表示用パネルに点灯させ、撮像手段は、当該アライメントマークを点灯した表示用パネルを撮像する。そして、位置検出手段は、撮像手段が撮像した画像に基づいて表示用パネルの位置を検出し、欠陥検出手段は、位置検出手段の検出結果を利用して撮像画像を補正するとともに、補正された撮像画像に基づいて表示用パネルの欠陥を検出する。
それゆえ、アライメントマークを形成するドットに輝点欠陥がある場合でも、当該輝点欠陥の有無を検査することができる。
したがって、アライメントマークの位置を変えて複数回検査を行う必要がないため、検査効率を高めることができる。
また、上記撮像手段は、撮像素子を有するセンサと、当該センサを上記表示用パネルの表面と平行な方向に移動させる移動手段とを備えることが好ましい。
上記の構成により、表示用パネルがセンサの撮像エリアに入りきらない大きさであっても、センサを1軸方向に移動させることにより表示用パネル全体を撮像することが可能となる。
また、上記検査装置の上記手段としてコンピュータを機能させるための検査プログラムおよび当該検査プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る検査装置は、以上のように、表示用パネルに位置検出のためのアライメントマークを低輝度かつ目視困難な輝度で点灯させる点灯制御手段と、上記アライメントマークを点灯した表示用パネルを撮像した画像に基づいて当該表示用パネルの位置を検出する位置検出手段と、上記位置検出手段の検出結果をもとに上記画像の補正を行うとともに、補正された画像に基づいて上記表示用パネルにおける輝点欠陥を検出する欠陥検出手段とを備える構成である。
発明に係る検査方法は、以上のように、位置検出のためのアライメントマークを、表示用パネルに低輝度かつ目視困難な輝度で点灯させる点灯制御工程と、上記アライメントマークを点灯した表示用パネルを撮像した画像に基づいて当該表示用パネルの位置を検出する位置検出工程と、上記位置検出工程における検出結果をもとに上記画像の補正を行うとともに、補正された画像に基づいて上記表示用パネルにおける輝点欠陥を検出する欠陥検出工程とを含む構成である。
それゆえアライメントマークを形成するドットに輝点欠陥がある場合でも、当該ドットを輝点欠陥として検出することができるという効果を奏する
本発明の実施の一形態について図1〜図19に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
(人間の視感度特性)
まず、本発明を理解する上で重要な、人間の視感度特性について、図14〜図19を参照しつつ説明する。図14は、FPDの発光波長の分布を示すグラフである。図15は、人間の明暗視感度特性を示すグラフである。図16は、FPDを明所で見た場合の受光感度特性を示すグラフである。図17は、FPDを暗所で見た場合の受光感度特性を示すグラフである。図18は、CCDのセンサ分光感度特性を示すグラフである。図19は、FPDをCCDで撮像した場合の受光感度特性を示すグラフである。
図14に示すように、FPDは赤(R)ドットが610nmをピークに580nm〜700nm、緑(G)ドットが540nmをピークに490nm〜610nm、青(B)ドットが435nmをピークに420nm〜510nmの波長の光を発している。
一方、図15に示すように、人間の視感度は、明所視で555nmをピークに460nm〜660nm、暗所視で507nmをピークに420nm〜590nmの波長の光に対して高い。また、図16および図17に示すように、明所および暗所において、緑色と比較して、青色や赤色の視認性は悪い。特に、暗所では、赤色の視認性が悪い。
これに対し、図18に示すように、一般的な撮像装置に用いられるCCD素子の分光感度は、540nmをピークに400nm〜950nmまでの波長の光に対して高く、FPDの発光するすべての波長の光を検出できる。また、図19に示すように、CCD素子の受光感度は、目視と比較して、青色および赤色に対しても比較的高い感度を保っている。
そのため、明所視の場合、青ドットがCCD素子に比べ感度が低く、暗所視の場合、赤ドットがCCD素子に比べ感度が低い。
(本発明の基本的な技術思想)
上記の人間の目の受光感度とCCD素子の受光感度との差を利用し、本発明の検査装置では、表示用パネルの輝点欠陥検出を行う場合に、表示用パネル上に低輝度のアライメントマークを表示し、このアライメントマークを撮像した画像からアライメントマークの位置を検出し、アライメントマークの位置をもとに表示用パネルの位置を特定する。このとき、明所で使用されることが想定されるFPD製品のときは、低輝度のBドットでアライメントマークを表示し、暗所視で使用することが想定されるFPD製品の場合は、低輝度のRドットでアライメントマークを表示する。
また、アライメントマークの輝度は、アライメントマークの色と同じ色のドットが輝点欠陥であると判定される輝度(欠陥基準輝度)より低く、撮像装置が検出できる最低輝度より高くする。なお、欠陥基準輝度とは、その輝度よりも高い輝度を有する場合に輝点欠陥であると判定される輝度である。
上記の構成とすることで、アライメントマークを表示したドットに輝点欠陥があった場合でも、その輝点欠陥のドットを輝点欠陥として検出できる。また、アライメントマークの輝度より低い輝度のドットが当該アライメントマークに存在する場合には、そのドットは輝点欠陥ではないため問題とならない。
(検査装置1の構成)
次に、本実施形態の液晶パネルモジュール点灯検査装置1(以下、検査装置1と称する)の構成について図1〜図4を参照しつつ説明する。図1は、検査装置1の構成を示す機能ブロック図である。図2は、検査装置1の構成を示す概略図である。検査装置1は、液晶パネルモジュール11(表示用パネル)の欠陥を検出するものである。なお、本発明の検査装置の被検査体は、液晶パネルモジュールに限定されず、表示用のパネルであればどのようなものであってもよい。
図1および図2に示すように、検査装置1は、液晶パネルモジュール11に画像を表示させる点灯部2(点灯手段)、TDI(Time Delay Integration)ラインセンサ3とTDIラインセンサ3(センサ)を走査するステージ4((移動手段)とから構成される撮像部5(撮像手段)、撮像部5が撮像した画像を処理する画像処理部6、点灯部2と撮像部5と画像処理部6とを連携して駆動させる制御部7(点灯制御手段、位置検出装置)からなる。
点灯部2には、予め検査装置1における検査内容に合わせて、液晶パネルモジュール11に表示させる画像(点灯検査用画像)が登録されており、点灯部2は、制御部7からの指令に従って点灯検査用画像を液晶パネルモジュール11に表示する。
撮像部5は、図2に示すように、液晶パネルモジュール11が載置される台(不図示)の上方に配置されている。撮像部5が備えるTDIラインセンサ3の撮像軸は、下方(図2においてY軸方向に沿う方向)を向いている。
このTDIラインセンサ3は、ステージ4の伸長方向(時間積分する方向)(図2においてX軸方向)に沿って移動可能であり、TDIラインセンサ3のライン方向は、ステージ4の伸長方向に直交する方向(図2においてZ軸方向)に設定されている。そして、液晶パネルモジュール11は、その長手方向がステージ4の伸長方向と略平行になるように配置される。そのため、TDIラインセンサ3をステージ4に沿って走査することにより、液晶パネルモジュール11の一方の端部から他方の端部までを撮像することができる。
TDIラインセンサ3には、レンズ3a等の光学部品が取り付けられている。この光学部品は、TDIラインセンサ3がステージ4に沿って走査された時に液晶パネルモジュール11の表示面全面を撮像できるよう、倍率およびピント位置が設定されている。
液晶パネルモジュール11は、工場の搬送装置(不図示)から検査装置1へ搬入され、検査される。その時、上述したように、TDIラインセンサ3を走査したときに、液晶パネルモジュール11の液晶パネル表示面全面を撮像できる位置に配置される。
ここで液晶パネル表示面全面とは、液晶パネルモジュール11の搬入位置の誤差や、液晶パネルをモジュールに組み付けたときの組み付け誤差がある場合でも、必ず液晶パネル表示面全体が入るような領域を意味する。
画像処理部6は、撮像部5が撮像した画像を処理し、液晶パネルモジュール11の位置や傾きを検出するとともに、液晶パネルモジュール11の欠陥の有無を検出し、制御部7へ検出結果を送信する。画像処理部6の詳細については後述する。
制御部7は、上記各部を制御するものであり、特に、点灯検査用画像を表示するときの輝度に関する情報を点灯部2へ出力する。
図3は、検査装置1の外観を示す斜視図である。同図に示すように、検査装置1は、その内部が暗室となるよう外壁8で囲まれており、外壁8に設けられた、開閉可能な扉9を通って液晶パネルモジュール11が搬入出される。そのため、検査時には外乱光の影響を受けない。
(画像処理部6の構成)
画像処理部6の構成について、図4を参照しつつ説明する。図4は、画像処理部6の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、画像処理部6は、液晶パネルモジュール11の位置を検出する位置検出部61(位置検出手段、位置検出装置)および液晶パネルモジュール11の欠陥を検出する欠陥検出部67(欠陥検出手段)を備えている。
位置検出部61は、撮像部5が撮像した撮像画像と、後述するテンプレート画像とをマッチングさせることにより、液晶パネルモジュール11の位置を検出する。この位置検出部61は、メモリ62、一致度算出部63、距離算出部64、距離判定部65、回転角度算出部66を備えている。
メモリ62は、テンプレート画像を予め格納するものである。このテンプレート画像とは、回転ズレのない状態で、アライメントマーク12を表示した液晶パネルモジュール11を撮像した画像である。テンプレート画像の詳細については後述する。なお、メモリ62は、位置検出部61の外部に設けられていてもよい。
一致度算出部63は、撮像部5が撮像した撮像画像とテンプレート画像とのマッチングを行い、撮像画像における4つのアライメントマークと、テンプレート画像における4つのアライメントマークとの一致度を算出する。ここで、一致度とは、正規化相関(=r)の自乗である。
このとき、例えば、撮像画像における右上のアライメントマークと、テンプレート画像における右上のアライメントマークとの間の一致度が算出される。すなわち、最も位置の近いアライメントマーク間の一致度が算出される。
そして、一致度算出部63は、4つのアライメントマークから2つを選んで構成されるアライメントマークのペアを形成し、このペアにおける一致度の和を求める。ここで、4つのアライメントマークから2つを選び出す組み合わせは6通りあるため、一致度算出部63は、この6通りの一致度の和を算出する。
距離算出部64は、6通りの一致度の和を数値の高い順にソートする。そして、最も一致度の和が大きいアライメントマークの組み合わせとマッチングした、テンプレート画像におけるアライメントマークのピクセル座標を抽出し、当該ピクセル座標間のピクセル距離を算出する。
距離判定部65は、距離算出部64が算出したピクセル距離が、アライメントマーク間の距離として予め定められた範囲内にあるか否かを判定する。2つのアライメントマーク間のピクセル距離が範囲内であった場合、一致度の高い方のアライメントマーク12の座標を第1アライメントマーク12aの座標として確定し、他方のアライメントマーク12の座標を第2アライメントマーク12bの座標として確定する(後述する図10参照)。
回転角度算出部66は、第1アライメントマーク12aの座標を用いて、撮像画像における液晶パネルモジュール11の角部のX、Z座標を確定し、第2アライメントマーク12bの座標を用いて液晶パネルモジュール11の回転角度θを算出する。この回転角度θの算出方法については後述する。回転角度算出部66は、算出した回転角度θの値を欠陥検出部67のパネル表示面画像形成部68へ出力する。
欠陥検出部67は、パネル表示面画像形成部68、濃度比較部69、欠陥判定部70を備えている。
パネル表示面画像形成部68は、回転角度算出部66から出力された回転角度θの値を用いて、撮像部5が撮像した撮像画像から、パネル表示面画像を作成する。具体的には、パネル表示面画像形成部68は、第1アライメントマーク12aの撮像画像におけるピクセル座標と回転角度θとから、撮像画像中のパネル表示面を撮像した領域を算出し、その領域を切り出すことによりパネル表示面画像を形成する。
すなわち、パネル表示面画像は、撮像部5が撮像した撮像画像における液晶パネルモジュール11のパネル表示面の領域に相当する画像であり、液晶パネルモジュール11の回転ズレが補正された画像である。また、パネル表示面画像は、濃度比較部69によって利用される、欠陥検出用の画像である。
濃度比較部69は、パネル表示面画像形成部68が形成したパネル表示面画像から、基準濃度を超える濃度のピクセルを抽出する。上記基準濃度は、輝点欠陥と判定される輝度の基準値である欠陥基準輝度を有する輝点欠陥を撮像したときの濃度であり、予め測定し、定められたものである。
より具体的には、上記基準濃度は、欠陥基準輝度を有する、Rドット輝点欠陥、Gドット輝点欠陥、Bドット輝点欠陥を撮像したときの濃度のうち、最も低い濃度に計測再現性を加味した濃度である。濃度比較部69では、過検出気味に検出しておき、後述する欠陥判定部70で再判定する。
ここで、輝度とは、液晶パネルモジュール11が実際に発光している光量の値を意味し、濃度とは、液晶パネルモジュール11を撮像した画像におけるドットの輝度を意味する。
欠陥判定部70は、濃度比較部69によって抽出されたピクセルがR,G,Bいずれのドットを撮像したものかを、ピクセルの座標から判定する。そして、欠陥判定部70は、そのドットの濃度が、当該ドットと同じ色の、欠陥基準輝度を有するドットを撮像したときの濃度より高い場合には、そのピクセルを輝点欠陥を撮像したものとして、輝点欠陥の欠陥コードと、ピクセルの座標と、ピクセルの濃度とを自らが備えるメモリ(不図示)に格納する。
例えば、上記ドットがRドットである場合には、欠陥判定部70は、欠陥基準輝度を有するRドット輝点欠陥を撮像したときの濃度と、当該Rドットの濃度とを比較する。
上記のように濃度比較部69と欠陥判定部70との2段階で判定することにより、ピクセルの座標から、輝点欠陥を有するドットがRGBのいずれであるかを判定する処理の量を減らすことができ、画像処理を高速に行うことができる。
欠陥判定部70は、記録された、輝点欠陥のピクセルの座標を、液晶パネルモジュールの表示ドットの位置へ座標変換し、その結果を制御部7へ送信する。
(アライメントマーク12の表示方法)
次に、液晶パネルモジュール11におけるアライメントマーク12の表示方法について、図5〜図7を参照しつつ説明を行う。図5は、液晶パネルモジュール11に表示する点灯検査用画像13を示す図である。図6は、アライメントマーク12を表示する点灯制御値の範囲を示す図である。
輝点検出を行う場合、液晶パネルモジュール11に表示する点灯検査用画像13は、各色256階調で表示する場合、図5に示すように、画素のRGB値が(0,0,0)となるようにする。ただし、液晶パネルモジュール11の四隅付近の予め定めた位置には、アライメント用のマークであるアライメントマーク12をRGB値が(0,0,Vm)となるように表示する。
ここで、欠陥基準輝度と同等の輝度で点灯する欠陥基準制御値Vdと、撮像部5によって検出可能な輝度の最低値と同等の輝度で点灯する最低点灯制御値VLとを予め測定しておく。そして、図6に示すように、Vmは、
VL<Vm<Vd
となる値を、検出再現性などから予め定めておく。すなわち、Vmは、撮像部5の検出限界の下限値となる輝度で点灯する点灯制御値よりも大きく、欠陥基準輝度で点灯する点灯制御値よりも小さい、アライメントマーク用の点灯制御値である。
また、Vdは、目視可能な輝度の最低値と略等しい。すなわち、Vdは、アライメントマーク12を視認できる輝度の下限値と略等しい輝度で点灯する点灯制御値である。
そのため、液晶パネルモジュール11に点灯されたアライメントマーク12は、撮像部5によって検出できるが、人間の目では確認できないものとなる。すなわち、アライメントマーク12は、目視困難な輝度で点灯するものである。よって、このアライメントマーク12を表示するドットに輝点欠陥があった場合でも、その輝点欠陥のドットを欠陥として検出でき、アライメントマーク12の輝度より低い輝度のドットが当該アライメントマーク12に存在する場合には、そのドットは輝点欠陥ではないため問題とならない。
なお、上記目視困難な輝度とは、実際には輝点欠陥であると判定する輝度である。この目視困難な輝度は、製品の納入先や製品の格に応じて設定されるものであり、基本的に目視との相関を有する値である。上記目視困難な輝度は、本来は輝度計等で測定された輝度であることが望ましいが、実際には、基準を決定する人物が近距離から輝点を目視し、欠陥とすべきかを判断している。
この目視困難な輝度は、コントラスト比や画面サイズや画素サイズや階調数により異なる。また、色相により目視感受性が異なるため、R絵素とG絵素とB絵素とでは、目視困難な輝度は一般に異なる。
また、同じコントラストの得られる仕様で同じカラーフィルタを使用しても、赤から黄に対する感受性の比較的高い日本人向けと、緑から青に対する感受性の比較的高い欧米人向けとでは、目視困難な輝度は異なる。
また、パネルの使用環境(部屋の明るさ、照明や部屋の壁・天井などの色調、観察距離など)により目視困難な輝度は異なる。
このように、目視困難な輝度は、それぞれのユーザー群・環境によりその基準が変化するが、そのユーザー群・環境での想定されるやや厳しい観察者・環境で目視困難な輝度を、経験的にデータベース化して設定することができる。また、この基準を決定する経験値の高い基準決定者が近距離による目視で、ある色調のある輝度が欠陥に見えるか否かの判断で決定してもよい。
図7は、液晶パネルモジュール11に表示されたアライメントマーク12を示す図である。アライメントマーク12を液晶パネルモジュール11に表示させる場合、RGBの3つのドットで1つの画素を構成しているため、同図に示すように、実際には各画素のひとつのドット(同図ではB)が点灯する。同図では、9個のBドットをピラミッド形状に配置することによりアライメントマーク12を構成した場合の例が示されており、点灯検査用画像の四隅に示されたアライメントマーク12のうちのひとつ(右上のもの)を含む、縦横5画素の領域が示されている。
RGBのどのドットをアライメントマーク12として点灯させるかは、液晶パネルモジュール11が明所で使用されるものか、暗所で使用されるものかという用途と、上述した人間の視感特性に基づいて設定すればよい。例えば、明所で使用される場合には、Bドットによってアライメントマーク12を表示し、暗所で使用される場合には、Rドットによってアライメントマーク12を表示すればよい。
アライメントマーク12は、液晶パネルモジュール11の四隅付近にそれぞれ表示されるが、その形状は特に限定されない。すなわち、アライメントマーク12を構成するドットの数や、ドットの相対的な位置関係は、特に限定されない。
(テンプレート画像の一例)
位置検出部61は、撮像部5が撮像した撮像画像の四隅から、液晶パネルモジュール11の位置が最大限にずれたとしてもアライメントマーク12が入るサイズの領域とテンプレート画像とをマッチングさせる。
図8には、テンプレート画像の一例として、1画素を3×3の解像度で撮像したときのテンプレート画像14を示している。同図には、アライメントマーク12を撮像した領域を含む、テンプレート画像14の右上の部分(縦横15ピクセル)のみが示されている。テンプレート画像14では、ひとつのドットは撮像素子の3ピクセルによって表示されている。なお、テンプレート画像の解像度は、各ドットを個別に撮像できる程度のものであればよく、特に限定されない。
(位置検出部61における位置検出処理の流れ)
次に、位置検出部61における位置検出処理の流れについて、図9〜図10を参照しつつ説明する。
図9は、位置検出部61における処理の流れを示すフローチャートである。まず、一致度算出部63は、四隅におけるテンプレートマッチングの一致度を算出し、4つの隅から選んだ2つの隅の一致度の和を算出する(S1)。ここで、4つの隅の中から2つの隅を選び出す組み合わせは6通りあるため、一致度算出部63は、この6通りの一致度の和を算出する。一致度算出部63は、算出した一致度の和の値を距離算出部64へ出力する。
一致度の和の値を受け取ると、距離算出部64は、6通りの一致度の和を数値の高い順にソートする。そして、最も一致度の和が大きいアライメントマーク12の組み合わせとマッチングした、テンプレート画像14におけるアライメントマーク12のピクセル座標を抽出し、当該ピクセル座標間のピクセル距離を算出する(S2)。距離算出部64は、算出したピクセル距離の値を距離判定部65へ出力する。
ピクセル距離の値を受け取ると、距離判定部65は、当該ピクセル距離が、アライメントマーク12間の距離として予め定められた範囲内にあるか否かを判定する。当該ピクセル距離が、所定の範囲内に入っていない場合は(S3にて、NO)、テンプレートマッチングのミスとして、次に一致度の和が大きいアライメントマーク12の組み合わせで照合を行う。
距離判定部65は、6通りの組み合わせすべてで、所定の範囲を超えた場合には(S4にて、YES)、テンプレートマッチングに失敗した旨を示すエラー情報を制御部7へ出力する(S5)。
2つのアライメントマーク12間のピクセル距離が所定の範囲内であった場合(S3にて、YES)、距離判定部65は、一致度の高い方のアライメントマーク12の座標を第1アライメントマーク12aの座標とし、他方のアライメントマーク12の座標を第2アライメントマーク12bの座標として、両座標を回転角度算出部66へ出力する(S6)。
図10は、撮像画像から液晶パネルモジュールの表示面を撮像した領域を検出する方法を説明する図である。
図に示すように、撮像部5が有する撮像分解能は固定であり、撮像対象である液晶パネルモジュール11の大きさも既知であるため、撮像画像16内における液晶パネルモジュール11の姿勢はX方向、Z方向、XZ面内の回転の3自由度を有している。そのため、上記座標を受け取ると、回転角度算出部66は、第1アライメントマーク12aの座標(x,y)を用いて、液晶パネルモジュール11を撮像した領域であるパネル表示面領域15の角部のX、Z座標を確定し、第2アライメントマーク12bの座標を用いて撮像画像16に対するパネル表示面領域15の回転角度θを算出する(S7)。回転角度算出部66は、算出した回転角度θの値を欠陥検出部67のパネル表示面画像形成部68へ出力する。
なお、距離算出部64は、6通りの一致度の和のうち、最も一致度の和が大きいもののみに対してピクセル距離を算出してもよい。
(欠陥検出部67における欠陥検出処理の流れ)
次に、欠陥検出部67における欠陥検出処理の流れについて、図11および図12を参照しつつ説明する。図11は、欠陥検出部67における処理の流れを示すフローチャートである。
まず、回転角度θの値を回転角度算出部66から受け取ると、パネル表示面画像形成部68は、当該回転角度θの値を用いて、撮像部5が撮像した撮像画像16から、パネル表示面画像17を作成する(S21)。
図12は、撮像画像16から切り出されたパネル表示面画像17を示す図である。図12に示すように、パネル表示面画像17は、回転角度θの値を用いてパネル表示面領域15の傾きが補正されたものであるため、パネル表示面画像17の各辺は、欠陥検出用画像のための座標軸であるXi軸またはZi軸と平行になっている。
パネル表示面画像形成部68は、作成したパネル表示面画像17を濃度比較部69へ出力する。
パネル表示面画像17を受け取ると、濃度比較部69は、当該パネル表示面画像17から、輝度欠陥であると判定される濃度の基準値である基準濃度を超える濃度のピクセルを抽出し(S22)、抽出したピクセルの情報を欠陥判定部70へ出力する。
上記ピクセルの情報を受け取ると、欠陥判定部70は、抽出されたピクセルがR,G,Bいずれのドットを撮像したものかを、ピクセルの座標から求め、欠陥か否かを判定する(S23)。
具体的には、欠陥判定部70は、ピクセルがRドットを撮像した領域であれば、欠陥基準輝度のRドット輝点欠陥を撮像したときの濃度より高い場合には、そのピクセルはRドット輝点欠陥を撮像したものと判断して、Rドット輝点欠陥の欠陥コードと、当該ピクセルの座標と、当該ピクセルの濃度を自らが備えるメモリ(不図示)に記憶する。
また、欠陥判定部70は、ピクセルがGドットを撮像した領域であれば、欠陥基準輝度のGドット輝点欠陥を撮像したときの濃度より高い場合には、そのピクセルはGドット輝点欠陥を撮像したものと判断して、Gドット輝点欠陥の欠陥コードと、当該ピクセルの座標と、当該ピクセルの濃度を記憶する。
また、欠陥判定部70は、ピクセルがBドットを撮像した領域であれば、欠陥基準輝度のBドット輝点欠陥を撮像したときの濃度より高い場合には、そのピクセルはBドット輝点欠陥を撮像したものと判断して、Bドット輝点欠陥の欠陥コードと、当該ピクセルの座標と、当該ピクセルの濃度を記憶する。
また、アライメントマーク12を構成するドットに関しては、アライメントマーク12はBドットの基準輝度で点灯しているため、アライメントマーク12を構成するドットにBドット輝点欠陥があった場合でも、当該Bドット輝点欠陥を検出できる。その場合、欠陥判定部70は、当該ドットを撮像したピクセルはBドット輝点欠陥を撮像したものと判断して、Bドット輝点欠陥の欠陥コードと、当該ピクセルの座標と、当該ピクセルの濃度を記憶する。
欠陥判定部70は、記憶した、輝点欠陥のピクセルの座標を、液晶パネルモジュール11の表示ドットの位置へ座標変換し、制御部7へ送信する。
(検査装置1における処理の流れ)
検査装置1における処理の流れについて図13を参照しつつ説明する。図13は、検査装置1における処理の流れを示すフローチャートである。撮像部5、画像処理部6、点灯部2等の動作は制御部7からの指示に従って行われる。
検査装置1は、撮像部5が液晶パネルモジュール11の搬入の妨げにならない位置へ移動し、扉9が開いた状態で待機している。
搬送装置(不図示)が検査装置1へ液晶パネルモジュール11を搬入すると、扉9が閉まり、検査装置1の内部は暗室になる(S31)。
そして、点灯部2と液晶パネルモジュール11との配線が接続され、液晶パネルモジュール11の駆動が開始される(S32)。
そして、液晶パネルモジュール11の検査項目に対応する点灯検査用画像が、点灯部2により液晶パネルモジュール11に表示される(点灯制御工程)(S33)。このとき、制御部7は、アライメントマーク12の輝度が目視困難な輝度になるように、点灯制御値(Vm)を点灯部2へ出力する。
撮像部5は、液晶パネル表示面全面を一定の速度でTDIラインセンサ3を走査し、TDIラインセンサ3は、液晶パネル表示面全面の撮像を行う(S34)。このときの速度は、液晶パネルの駆動周波数、TDIラインセンサ3の感度及び、時間積分する積分時間、撮像分解能、ステージ4の能力によって予め定められている。TDIラインセンサ3により撮像された画像は画像処理部6へ送信される。
撮像画像を受信すると、画像処理部6は、その撮像画像をもとに、液晶パネルモジュール11の位置を検出する(位置検出工程)(S35)。
そして、画像処理部6は、位置の補正を行ったパネル表示面画像17をもとに欠陥の有無を検出し(S36)、制御部7へ検出結果を送信する。
なお、液晶パネルモジュール11の検査項目が複数ある場合、検査項目に対応する画像が、点灯部2により液晶パネルモジュール11に表示される。撮像部5は、表示された各画像を撮像し、画像処理部6は、撮像された各画像をもとに欠陥の有無を検出し、制御部7へ検出結果を送信するという処理を繰り返す。
すべての検査項目が終了すると、液晶パネルモジュール11の駆動は停止され、点灯部2と液晶パネルモジュール11の配線が外される(S37)。
そして、撮像部5が液晶パネルモジュール11の搬出の妨げにならない位置へ移動し、扉9が開き、液晶パネルモジュール11は搬送装置によって搬出される(S38)。
制御部7は、画像処理部6から受信した検査結果を総合して、液晶パネルモジュール11の良否の判定を行う(S39)。このようにして検査が行われる。
(検査装置1の効果)
以上のように、検査装置1では、目視の分光感度とTDIラインセンサ3の分光感度特性が異なることを用い、目視よりTDIラインセンサ3の分光感度の高い、青色の波長に着目し、所定の輝度の青色のアライメントマーク12を液晶パネルモジュール11上に表示することで、当該液晶パネルモジュール11の座標を特定している。
アライメントマーク12の形状は予め、輝点欠陥やノイズを誤認識しないような特殊な形状としておき、アライメントマーク12のあると思われる領域内をテンプレートマッチングすることによって、撮像された画像からアライメントマーク12を認識する。
アライメントマーク12を表示する所定の輝度は、目視により認識できないが、TDIラインセンサ3により撮像された画像では認識可能な濃度値となるように設定されている。
このように構成することにより、液晶パネルモジュール11は、特殊なアライメント機構がない場合でも、機械的な精度により±5mm程度の位置精度で検査装置1に搭載可能で、液晶パネルモジュール11の表示面にアライメントマーク12を表示することで、撮像画像内のどの位置に液晶パネルモジュール11の表示部分があるかを認識することが出来る。
また、アライメントマーク12上に所定の輝度以上の明るさの輝点欠陥があった場合は、検出が可能であり、アライメントマーク12の所定の輝度未満の輝点欠陥があった場合は検出が不可能であるが、その欠陥は、目視不能であるため、検出不能であっても不良品とならない。
なお、白く点灯させ、黒点欠陥を検出する場合には、アライメントマーク12を表示するまでも無く、白点灯のエッジ部分を用いて表示領域を特定することが出来る。
(変更例)
上述の構成では、アライメントマーク12をBドットによって形成しているが、Rドットによって形成してもよい。その場合には、赤色の目視特性を考慮して、アライメントマーク12を形成するRドットの輝度を目視困難なものに設定すればよい
上述の構成では、点灯検査用画像は、点灯部2に登録されているが、制御部7に登録されていてもよい。
また、制御部7と位置検出部61とをひとつの半導体チップ上で実現し、位置検出装置としてもよい。
また、撮像部5が備えるラインセンサは、TDIラインセンサ3に限定されず、どのようなラインセンサであってもよい。さらに、撮像部5は、エリアセンサを備えるものであってもよい。
また、位置検出部61における位置検出方法は、上述のものが好ましいが、上述のものでなくてもよい。
また、上述した検査装置1の各ブロック、特に画像処理部6および制御部7は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、検査装置1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである検査装置1の制御プログラム(位置検出プログラム)のプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記検査装置1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、検査装置1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
また、本発明は以下のように表現することができる。
本発明の位置検出装置は、表示用パネルに位置検出のためのアライメントマークを目視困難な輝度で点灯させる点灯制御手段と、上記アライメントマークを点灯した表示用パネルを撮像した画像に基づいて当該表示用パネルの位置を検出する位置検出手段とを備えている。
本発明の位置検出方法は、表示用パネルの位置を検出する位置検出装置における位置検出方法であって、位置検出のためのアライメントマークを、表示用パネルに目視困難な輝度で点灯させる点灯制御工程と、上記アライメントマークを点灯した表示用パネルを撮像した画像に基づいて当該表示用パネルの位置を検出する位置検出工程とを含んでいる。
本発明の検査装置は、表示用パネルの画像に基づいて当該表示用パネルの検査を行う検査装置であって、位置検出のためのアライメントマークを、表示用パネルに目視困難な輝度で点灯させる信号を出力する点灯制御手段と、上記点灯制御手段の信号に基づいて、表示用パネルに上記アライメントマークを点灯させる点灯手段と、上記アライメントマークを点灯した表示用パネルを撮像する撮像手段と、上記撮像手段が撮像した撮像画像に基づいて上記表示用パネルの位置を検出する位置検出手段と、上記位置検出手段の検出結果をもとに上記撮像画像の補正を行うとともに、補正された撮像画像に基づいて上記表示用パネルにおける輝点欠陥を検出する欠陥検出手段とを備えている。
上記検査装置は、表示装置を点灯させる点灯装置と、表示装置を撮像する撮像装置と、撮像した画像を画像処理する画像処理装置で構成され表示装置を点灯させた状態で画質を検査する装置において、人間の視覚では捉えることの出来ない輝度と色とでアライメントマークを表示装置に表示させることが可能な点灯装置と、前記アライメントマークを撮像可能な撮像装置を備えている。
また、上記検査装置において、アライメントマークの表示方法が青色のドットを用いて人間の視覚では捉えることの出来ない輝度で表示するものであることが好ましい。
また、上記検査装置において、アライメントマークの表示方法が赤色のドットを用いて人間の視覚では捉えることの出来ない輝度で表示するものであることが好ましい。
また、上記撮像装置がTDIラインセンサと、移動ステージで構成され、撮像装置を表示装置に対して相対的に1軸方向に移動させることによって撮像を行うことが好ましい。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施の形態に開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
アライメントマーク部分に輝点欠陥があった場合でも、その輝点欠陥を検出することができるため、液晶パネルなど、表示用パネルの検査装置または検査装置が備える位置検出装置として利用できる。
一実施形態の検査装置の構成を示す機能ブロック図である。 一実施形態の検査装置の構成を示す概略図である。 一実施形態の検査装置の外観を示す斜視図である。 一実施形態の検査装置が備える画像処理部の構成を示す機能ブロック図である。 液晶パネルモジュールに表示する点灯検査用画像を示す図である。 アライメントマークを表示する点灯制御値の範囲を示す図である。 液晶パネルモジュールに表示されたアライメントマークを示す図である。 テンプレート画像の一例を示す図である。 画像処理部が備える位置検出部における処理の流れを示すフローチャートである。 撮像画像から液晶パネルモジュールの表示面を撮像した領域を検出する方法を説明する図である。 欠陥検出部における処理の流れを示すフローチャートである。 撮像画像から切り出されたパネル表示面画像を示す図である。 一実施形態の検査装置における処理の流れを示すフローチャートである。 FPDの発光波長の分布を示すグラフである。 人間の明暗視感度特性を示すグラフである。 FPDを明所で見た場合の受光感度特性を示すグラフである。 FPDを暗所で見た場合の受光感度特性を示すグラフである。 CCDのセンサ分光感度特性を示すグラフである。 FPDをCCDで撮像した場合の受光感度特性を示すグラフである。
符号の説明
1 液晶パネルモジュール点灯検査装置(検査装置)
2 点灯部(点灯手段)
3 TDIラインセンサ(センサ)
4 ステージ(移動手段)
5 撮像部(撮像手段)
6 画像処理部
7 制御部(点灯制御手段、位置検出装置)
11 液晶パネルモジュール(表示用パネル)
12 アライメントマーク
12a 第1アライメントマーク
12b 第2アライメントマーク
61 位置検出部(位置検出手段、位置検出装置)
67 欠陥検出部(欠陥検出手段)

Claims (8)

  1. 表示用パネルに位置検出のためのアライメントマークを目視困難な輝度で点灯させる点灯制御手段と、
    上記アライメントマークを点灯した表示用パネルを撮像した画像に基づいて当該表示用パネルの位置を検出する位置検出手段とを備えることを特徴とする位置検出装置。
  2. 上記点灯制御手段は、目視困難な輝度の青色のアライメントマークを点灯させることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
  3. 上記点灯制御手段は、目視困難な輝度の赤色のアライメントマークを点灯させることを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
  4. 表示用パネルの画像に基づいて当該表示用パネルの検査を行う検査装置であって、
    位置検出のためのアライメントマークを、表示用パネルに目視困難な輝度で点灯させる信号を出力する点灯制御手段と、
    上記点灯制御手段の信号に基づいて、表示用パネルに上記アライメントマークを点灯させる点灯手段と、
    上記アライメントマークを点灯した表示用パネルを撮像する撮像手段と、
    上記撮像手段が撮像した撮像画像に基づいて上記表示用パネルの位置を検出する位置検出手段と、
    上記位置検出手段の検出結果をもとに上記撮像画像の補正を行うとともに、補正された撮像画像に基づいて上記表示用パネルにおける欠陥を検出する欠陥検出手段とを備える検査装置。
  5. 上記撮像手段は、撮像素子を有するセンサと、当該センサを1軸方向に移動させる移動手段とを備えることを特徴とする請求項4に記載の検査装置。
  6. 表示用パネルの位置を検出する位置検出装置における位置検出方法であって、
    位置検出のためのアライメントマークを、表示用パネルに目視困難な輝度で点灯させる点灯制御工程と、
    上記アライメントマークを点灯した表示用パネルを撮像した画像に基づいて当該表示用パネルの位置を検出する位置検出工程とを含むことを特徴とする位置検出方法。
  7. 請求項1〜3に記載の位置検出装置の上記各手段としてコンピュータを機能させるための位置検出プログラム。
  8. 請求項7に記載の位置検出プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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