JP2010078695A - 光ファイバ付きフェルール、光ファイバ付きフェルールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フェルール20のキャピラリ状のフェルール本体21の貫通孔21b片端の被覆部収納孔部21cに形成されている段差面21iに、該被覆部収納孔部21cに挿入した被覆光ファイバ50の被覆部52先端を突き当て、前記貫通孔21bに被覆光ファイバ先端の裸光ファイバを複数本収納して被覆光ファイバ50先端部をフェルール本体21に接着固定してなる光ファイバ付きフェルール10、その製造方法を提供する。
【選択図】図2
Description
前記2心フェルール102には、2本の被覆付き光ファイバ101が挿入固定されている。フェルール部材104の貫通孔104aには、2本の被覆付き光ファイバ101の先端にそれぞれ露出させた裸光ファイバ101aが挿入されている。2本の裸光ファイバ101aの先端面はフェルール部材104のスリーブ105から突出された先端の先端面104bに位置合わせして露出されている。また、貫通孔104aは、その後端部(先端面104bとは反対の側の端部)をテーパ状に拡張したテーパ状開口部104cを具備している。2本の被覆付き光ファイバ101は、それぞれ、前記裸光ファイバ101aを被覆する樹脂被覆101bの先端を前記貫通孔104aの前記テーパ状開口部104cの内面に突き当てて位置決めしている。そして、2本の被覆付き光ファイバ101は、前記貫通孔104a(テーパ状開口部104cを含む)内に充填された接着剤106によってフェルー部材104に接着固定されている。また、接着剤106は、スリーブ105のフェルール部材104から前記先端面104bとは反対の側に延出された部分(後側延長部)の内側の後部孔105a内にも充填され、2本の被覆付き光ファイバ101がしっかりと2心フェルール102に接着固定される。
すなわち、上述の光ファイバ付きフェルール103は、被覆付き光ファイバ101の樹脂被覆101bの先端を前記貫通孔104aの前記テーパ状開口部104cの内面に突き当てて位置決めした構造であるが、図14(a)、(b)に示すように、前記テーパ状開口部104cに挿入した2本の被覆付き光ファイバ101の樹脂被覆101b先端の向き(中心軸線101c、101dの向き)が前記テーパ状開口部104cの中心軸線(換言すれば貫通孔104aの中心軸線104g)に対して傾斜し、この傾斜状態のまま接着剤106で接着固定されてしまうことがある。この場合、被覆付き光ファイバ101の樹脂被覆101b先端から延出する裸光ファイバ101aの根元付近(樹脂被覆101b先端付近)にマイクロベンディングが生じやすい。また、裸光ファイバ101aがテーパ状開口部104c内で曲げ配線されることで、前記根元付近(樹脂被覆101b先端付近)以外の箇所にもマイクロベンディングが生じることがある。
第1の発明は、単心又は多心の光ファイバ心線あるいは光ファイバ素線である被覆光ファイバの先端部がフェルールのキャピラリ状のフェルール本体に挿入されて接着剤で固定され前記被覆光ファイバの先端に露出された裸光ファイバが前記フェルール本体の貫通孔に複数本収納された光ファイバ付きフェルールであって、 前記フェルール本体は、その基端側の端面に開口し前記被覆光ファイバの被覆部の先端が挿入された被覆部収納孔部と、この被覆部収納孔部から延びてフェルール本体先端側の端面である先端面に開口し、前記裸光ファイバを複数本一括収納したファイバ収納孔部とからなる前記貫通孔を有し、該貫通孔内に充填された前記接着剤によって前記被覆光ファイバの前記被覆部先端及び前記裸光ファイバが接着固定され、前記ファイバ収納孔部は、前記被覆部収納孔部から延びる先細りのテーパ孔部と、該テーパ孔部の先端から延在して前記フェルール本体の先端面に開口し前記裸光ファイバの先端を位置決めする位置決め孔部とを具備し、前記テーパ孔部の前記被覆部収納孔部側の端部は前記被覆部収納孔部よりも細く形成され、前記被覆部収納孔部の孔奥底部には前記テーパ孔部の周囲に該被覆部収納孔部の軸線方向に垂直の段差面が形成され、この段差面に前記被覆光ファイバの被覆部の端面が突き当てられていることを特徴とする光ファイバ付きフェルールを提供する。
第2の発明は、前記位置決め孔部はその軸線方向に垂直の断面が細長に形成されており、この位置決め孔部の断面長手方向に複数本の前記裸光ファイバが一列に配列させて収納されていることを特徴とする第1の発明の光ファイバ付きフェルールを提供する。
第3の発明は、前記位置決め孔部はその軸線方向に垂直の断面が細長に形成されており、この位置決め孔部の断面長手方向に複数本の前記裸光ファイバが一列に配列させたファイバ列が多段に段積みして収納されていることを特徴とする第1又は第2の発明の光ファイバ付きフェルールを提供する。
第4の発明は、前記テーパ孔部はその軸線方向に垂直の断面が細長に形成されており、その断面長手方向が、前記位置決め孔部のその軸線方向に垂直の断面の長手方向と揃えられていることを特徴とする第1〜3のいずれかの発明の光ファイバ付きフェルールを提供する。
第5の発明は、前記フェルールは、キャピラリ状の前記フェルール本体をスリーブの片端に収納固定してなり、前記被覆光ファイバは前記スリーブの前記フェルール本体から該フェルール本体の先端面とは反対の側に延出された部分である後側延出部の内側の被覆光ファイバ収納孔部に通されて前記スリーブから延出されていることを特徴とする第1〜4のいずれかの発明の光ファイバ付きフェルールを提供する。
第6の発明は、単心又は多心の光ファイバ心線あるいは光ファイバ素線である被覆光ファイバの先端部がフェルールのキャピラリ状のフェルール本体に挿入されて接着剤で固定され前記被覆光ファイバの先端に露出された裸光ファイバが前記フェルール本体の貫通孔に複数本収納された光ファイバ付きフェルールの製造方法であって、前記フェルール本体として、その基端側の端面に開口し前記被覆光ファイバの被覆部の先端が挿入される被覆部収納孔部と、この被覆部収納孔部から延びてフェルール本体先端側の端面である先端面に開口するファイバ収納孔部とからなる前記貫通孔を有し、前記ファイバ収納孔部は、前記被覆部収納孔部から延びる先細りのテーパ孔部と、該テーパ孔部の先端から延在して前記フェルール本体の先端面に開口し前記裸光ファイバの先端を位置決めする位置決め孔部とを具備し、前記テーパ孔部の前記被覆部収納孔部側の端部は前記被覆部収納孔部よりも細く形成され、前記被覆部収納孔部には前記テーパ孔部の周囲に該被覆部収納孔部の軸線方向に垂直の段差面が形成されたものを用い、前記フェルール本体の貫通孔に接着剤を充填する接着剤充填工程と、前記被覆光ファイバの先端部を前記フェルール本体の前記被覆部収納孔部に挿入して該被覆光ファイバの先端に露出させておいた裸光ファイバを前記被覆部収納孔部から前記ファイバ収納孔部に挿入するとともに、前記被覆光ファイバの被覆部の前記被覆部収納孔部に挿入した先端を前記段差面に突き当てる挿入工程と、前記接着剤充填工程及び前記挿入工程の完了後に前記接着剤の固化によって前記被覆光ファイバの先端部を前記フェルール本体に接着固定する固定工程と具備することを特徴とする光ファイバ付きフェルールの製造方法を提供する。
これにより、被覆光ファイバの被覆部先端から延出され貫通孔内に収納された裸光ファイバに、前記フェルール本体の貫通孔の軸線に対する前記被覆光ファイバの被覆部先端の傾斜に起因するマイクロベンディングの発生を防止でき、長期信頼性を向上できる。
図1は本発明に係る光ファイバ付きフェルール10を示す斜視図、図2は図1の光ファイバ付きフェルール10のフェルール20付近の構造を示す図であって(a)はフェルール20をフェルール本体21の先端面21a側から見た構造を示す図、(b)はフェルール20の正断面図、図3は図1の光ファイバ付きフェルール10のフェルール20の構造を示す図であって(a)はフェルール本体21の先端面21a側から見た構造を示す図、(b)は正断面図、(c)はフェルール20をフェルール本体21の先端面21aとは反対側(基端側)から見た構造を示す図、(d)はフェルール20の外観を示す正面図、(e)は図3(b)のA−A線断面矢視図である。
また、図4は前記フェルール20を構成するフェルール本体21を示す図であって、(a)は先端面21aから見た構造を示す図、(b)は正断面図、(c)は先端面21aとは反対側(基端側)から見た構造を示す図、図5は前記フェルール20を構成するスリーブ22を示す図であって、(a)は先端側(フェルール収納孔部22aが開口されている側)から見た構造を示す図、(b)は正断面図、(c)は先端側とは反対側(基端側。被覆光ファイバ収納孔部22bが開口されている側)から見た構造を示す図である。
前記フェルール本体21には、複数本(図示例では2本)の被覆光ファイバ50の先端部が挿入固定されている。また、フェルール本体21の貫通孔21bには、各被覆光ファイバ50の先端に露出された裸光ファイバ51が収納され、各裸光ファイバ51はその先端面51aがフェルール本体21の先端面21aに揃うように位置合わせされている。
そして、この光ファイバ付きフェルール10は、フェルール20の基端側(フェルール本体21の先端面21aとは反対の側)から前記被覆光ファイバ50が延出された構成になっている。
被覆光ファイバ50としては、例えば、裸光ファイバ51の外径が125μm、被覆部52の外径が250μmのものを好適に用いることができる。但し、被覆光ファイバ50の裸光ファイバ51の外径及び被覆部52の外径はこれに限定されるものではない。
前記被覆部収納孔部21cには2本の前記被覆光ファイバ50の被覆部52(樹脂被覆)の先端が挿入されている。2本の前記被覆光ファイバ50の先端にそれぞれ露出された前記裸光ファイバ51(計2本の裸光ファイバ51)は前記ファイバ収納孔部21dに一括収納されている。そして、前記被覆光ファイバ50の前記被覆部52先端及び前記裸光ファイバ51は、前記貫通孔21b内に充填された前記接着剤23によってフェルール本体21に接着固定されている。
図6(a)は、この位置決め孔部21f1の断面を拡大して示す。
図6(a)に示すように、この位置決め孔部21f1の断面形状は、その長手方向に直交する短手方向の寸法(幅寸法W)が裸光ファイバ51の外径よりも僅か(例えば0.5〜1μm程度)に大きい細長形状(長孔状)になっている。この位置決め孔部21f1の断面長手方向の両端は、前記幅寸法Wで細長に延在する定幅部21gから断面長手方向(幅方向に垂直の方向)両側に張り出す半円状に形成されており、位置決め孔部21f1の断面長手方向の寸法Xは裸光ファイバ51の外径の2倍よりも僅か(数μm程度)に大きくしてある。前記定幅部21gの断面長手方向(幅方向に垂直の方向)の寸法は裸光ファイバ51の外径よりも大きくしてある。また、この位置決め孔部21f1の断面長手方向両端の半円状部分の定幅部21gからの突出寸法t(定幅部21gからの突出が最大の箇所の突出寸法)はそれぞれ裸光ファイバ51の半径よりも小さい。
位置決め孔部21fには、その断面長手方向に2本の裸光ファイバ51が一列に配列させて収納されている。
位置決め孔部21f1は、各裸光ファイバ51が断面短手方向(短軸方向)及び断面長手方向(長軸方向)についてそれぞれ1μm程度あるいは1μm以下の誤差範囲で位置決めされるように構成される。位置決め孔部21f1に収納された2本の裸光ファイバ51の先端は、位置決め孔部21f1の内面によって、フェルール本体21の断面方向(貫通孔21bの軸線21Lに垂直の断面方向)における位置決めが実質的になされる。
この被覆部収納孔部21cの内径は、被覆光ファイバ50の被覆部52の外径の2倍程度であり、2本の被覆光ファイバ50の被覆部52を収納できる。
そして、図2(b)に示すように、この光ファイバ付きフェルール10のフェルール20にあっては、フェルール本体21の前記段差面21iに前記被覆光ファイバ50の被覆部52先端の端面が突き当てられ、前記被覆光ファイバ50の被覆部52先端は貫通孔21bの軸線21Lに平行(被覆部52先端の軸線52aが貫通孔21bの軸線21Lに平行)になっている。
なお、被覆部52の先端面52bは被覆部52先端の軸線52aに垂直になっている。
また、段差面21iの被覆部収納孔部21c内周面からの突出寸法d1(図4(b)参照)は、被覆光ファイバ50の裸光ファイバ51の外径をφ1、被覆部52の外径をφ2としたとき、d1<(φ2−φ1)/2を満たす範囲で出来るだけ大きくすることがより好ましく、例えば、(φ2−φ1)/4<d1<(φ2−φ1)/2の範囲とすることが好ましい。
前記被覆光ファイバ収納孔部22bは、スリーブ貫通孔22cのうちのフェルール収納孔部22a以外の部分である。
接着剤23は前記被覆光ファイバ収納孔部22b内にも充填されており、被覆光ファイバ50は、この被覆光ファイバ収納孔部22b内に充填された接着剤23によってもフェルール20に接着固定に固定されている。
次に、上述の光ファイバ付きフェルール10の製造方法について説明する。
この光ファイバ付きフェルール10を製造するには、被覆光ファイバ50の先端部を、前記フェルール20のフェルール本体21にその基端側(図2(b)右側)から挿入して接着剤23で接着固定すれば良い。
被覆光ファイバ50のフェルール本体21への挿入(挿入工程)は、より詳しくは、その先端部を、フェルール20のスリーブ22の後端延出部22dの内側の被覆光ファイバ収納孔部22bからフェルール本体21の貫通孔21bに挿入していく。
また、被覆光ファイバ50は、その先端に予め裸光ファイバ51を露出させておき、この裸光ファイバ51をフェルール本体21の基端部に開口する被覆部収納孔部21cから貫通孔21bに挿入していき、さらに、被覆部52の先端を被覆部収納孔部21cに挿入して収納する。2本の被覆光ファイバ50の計2本の裸光ファイバ51は、2本を並べた状態で貫通孔21bに一括挿入するなどして、ファイバ収納孔部21d内に2本を並べた状態に収納する。
また、被覆光ファイバ50の先端に露出させる裸光ファイバ51の長さ(被覆部52の先端面52bからの突出寸法)は、フェルール本体21の貫通孔21bのファイバ収納孔部21dの長さ以上とする。
フェルール本体に形成する位置決め孔部は、図6(a)に例示した断面形状のものに限定されず、その断面形状を図6(b)〜(d)に示す形状のものとすることも可能である。
位置決め孔部21f4の短手方向において狭隘部21kの両側には、位置決め孔部21f4の軸線方向に延在する突条状に形成されて隣り合うファイバ孔21jの間の隔壁として機能する張出部21k1が設けられている。前記狭隘部21kは、位置決め孔部21f4の短手方向において対向する位置に形成されている張出部21k1の対の間に形成されている。
この位置決め孔部21f4は、各裸光ファイバ51が該位置決め孔部21f4断面の長軸c方向(長手方向)及び該長軸cに直交する方向(短手方向)についてそれぞれ1μm程度あるいは1μm以下の誤差範囲で位置決めされるように構成される。
図7に示すように、被覆光ファイバとしては、2心の光ファイバテープ心線53を用いても良い。この場合、光ファイバテープ心線53の先端に露出させた2本の裸光ファイバ53aをフェルール本体21の貫通孔21bのファイバ収納孔部21dに挿入して収納し、光ファイバテープ心線53の被覆部53bの先端をフェルール本体21の貫通孔21bの被覆部収納孔部21cに挿入して収納し、接着剤によって、ファイバ収納孔部21d内の裸光ファイバ53aと被覆部収納孔部21c内の被覆部53bとをフェルール本体21に接着固定することで、光ファイバ付きフェルールを組み立てる(製造する)ことができる。
この場合も、光ファイバテープ心線53の被覆部53bの先端を、フェルール本体21の被覆部収納孔部21cの段差面21iに突き当てることで、光ファイバテープ心線53の被覆部53b先端が貫通孔21bの軸線21Lに平行になっている状態を簡単かつ安定に確保することができる。光ファイバテープ心線53は、その被覆部53bの先端を、フェルール本体21の被覆部収納孔部21cの段差面21iに突き当てて、前記被覆部53b先端が貫通孔21bの軸線21Lに平行になっている状態を確保した状態で、フェルール本体21に対して接着剤によって接着固定する。
図8(a)、(b)は、キャピラリ状のフェルール本体31に4本の被覆光ファイバ50の先端部をそれぞれ挿入して接着剤で接着固定してなる光ファイバ付きフェルール10Aの概略構造を示す。
図中、符号30は、この光ファイバ付きフェルール10Aのフェルールである。このフェルール30は、図中符号31のフェルール本体を採用した点のみが既述の光ファイバ付きフェルール10のフェルール20と異なる。
このように、位置決め孔部21f5の断面形状と相似形の断面形状のテーパ孔部21nを具備する構成であれば、光ファイバ付きフェルール10Aの組み立て(製造)にあたり、4本の裸光ファイバ51をフェルール本体31の貫通孔21mの被覆部収納孔部21oからテーパ孔部21n及び位置決め孔部21f5に挿入して横並びに配列させる作業を効率良く円滑に行えるといった利点がある。また、テーパ孔部21nに充填する接着剤の量を少なく抑えることができるといった利点もある。
また、図中符号21Mは、このフェルール本体31の貫通孔21mの中心軸線(以下、単に軸線とも言う)である。この貫通孔21mを構成するファイバ収納孔部21p及び被覆部収納孔部21oは、前記軸線21Mをその中心軸線として形成されている。
そして、光ファイバ付きフェルール10Aは、フェルール本体31の被覆部収納孔部21oに収納された4本の被覆光ファイバ50の被覆部52と、ファイバ収納孔部21pに収納された4本の裸光ファイバ51とを接着剤23によってフェルール30のフェルール本体31に接着固定した構成になっている。この光ファイバ付きフェルール10Aも、既述の光ファイバ付きフェルール10と同様に、予め先端に裸光ファイバ51を露出させておいた被覆光ファイバ50をフェルール本体31に挿入して、接着剤で接着固定することで組み立てる(製造する)ことができることは言うまでも無い。
位置決め孔部21f6の短手方向において狭隘部21kの両側には、位置決め孔部21f6の軸線方向に延在する突条状に形成されて隣り合うファイバ孔21jの間の隔壁として機能する張出部21k1が設けられている。前記狭隘部21kは、位置決め孔部21f6の短手方向において対向する位置に形成されている張出部21k1の対の間に形成されている。
この場合、予め先端に裸光ファイバ54aを露出させておいた前記光ファイバテープ心線54をフェルール本体31に挿入して、接着剤で接着固定することで、光ファイバ付きフェルールを組み立てる(製造する)ことができる。
また、本発明に係る光ファイバ付きフェルールとしては、図12(a)、(b)に示すように、フェルール本体の断面長孔状(細長形状)の位置決め孔部21f内に、裸光ファイバ51を一列に配列させたファイバ列55を多段に段積みして収納した構成としても良い。
図12(a)、(b)では、位置決め孔部21f内に収納する裸光ファイバとして、単心の被覆光ファイバ50の先端に露出させた裸光ファイバ51を例示しているが、これに限定されず、前記裸光ファイバとしては、光ファイバテープ心線(多心)の先端に露出させた裸光ファイバであってもよい。また、1本の位置決め孔部21f内に、単心の被覆光ファイバ50の先端に露出させた裸光ファイバ51と、光ファイバテープ心線(多心)の先端に露出させた裸光ファイバとを混在させて収納しても良い。
図12(b)は、位置決め孔部21f8の長手方向に4本の裸光ファイバ51を一列に配列させた2本のファイバ列55c、55d(第1ファイバ列)の間に、第1ファイバ列55c、55dに比べて裸光ファイバ51の本数が1本少ない3本の裸光ファイバ51を一列に配列させた1本のファイバ列55e(第2ファイバ列)を配置し、計11本の裸光ファイバ51を千鳥状に配置して位置決め孔部21f8内に収納した構成を例示する。
位置決め孔部に多段に段積みして収納するファイバ列の段数は、上述の2段あるいは3段に限定されず、4段以上にしても良い。また、1本のファイバ列を構成する裸ファイバの本数は上述の構成に限定されず、適宜変更可能である。
Claims (6)
- 単心又は多心の光ファイバ心線あるいは光ファイバ素線である被覆光ファイバの先端部がフェルールのキャピラリ状のフェルール本体に挿入されて接着剤で固定され前記被覆光ファイバの先端に露出された裸光ファイバが前記フェルール本体の貫通孔に複数本収納された光ファイバ付きフェルールであって、
前記フェルール本体は、その基端側の端面に開口し前記被覆光ファイバの被覆部の先端が挿入された被覆部収納孔部と、この被覆部収納孔部から延びてフェルール本体先端側の端面である先端面に開口し、前記裸光ファイバを複数本一括収納したファイバ収納孔部とからなる前記貫通孔を有し、該貫通孔内に充填された前記接着剤によって前記被覆光ファイバの前記被覆部先端及び前記裸光ファイバが接着固定され、
前記ファイバ収納孔部は、前記被覆部収納孔部から延びる先細りのテーパ孔部と、該テーパ孔部の先端から延在して前記フェルール本体の先端面に開口し前記裸光ファイバの先端を位置決めする位置決め孔部とを具備し、
前記テーパ孔部の前記被覆部収納孔部側の端部は前記被覆部収納孔部よりも細く形成され、前記被覆部収納孔部の孔奥底部には前記テーパ孔部の周囲に該被覆部収納孔部の軸線方向に垂直の段差面が形成され、この段差面に前記被覆光ファイバの被覆部の端面が突き当てられていることを特徴とする光ファイバ付きフェルール。 - 前記位置決め孔部はその軸線方向に垂直の断面が細長に形成されており、この位置決め孔部の断面長手方向に複数本の前記裸光ファイバが一列に配列させて収納されていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ付きフェルール。
- 前記位置決め孔部はその軸線方向に垂直の断面が細長に形成されており、この位置決め孔部の断面長手方向に複数本の前記裸光ファイバが一列に配列させたファイバ列が多段に段積みして収納されていることを特徴とする請求項1又は2記載の光ファイバ付きフェルール。
- 前記テーパ孔部はその軸線方向に垂直の断面が細長に形成されており、その断面長手方向が、前記位置決め孔部のその軸線方向に垂直の断面の長手方向と揃えられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光ファイバ付きフェルール。
- 前記フェルールは、キャピラリ状の前記フェルール本体をスリーブの片端に収納固定してなり、前記被覆光ファイバは前記スリーブの前記フェルール本体から該フェルール本体の先端面とは反対の側に延出された部分である後側延出部の内側の被覆光ファイバ収納孔部に通されて前記スリーブから延出されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光ファイバ付きフェルール。
- 単心又は多心の光ファイバ心線あるいは光ファイバ素線である被覆光ファイバの先端部がフェルールのキャピラリ状のフェルール本体に挿入されて接着剤で固定され前記被覆光ファイバの先端に露出された裸光ファイバが前記フェルール本体の貫通孔に複数本収納された光ファイバ付きフェルールの製造方法であって、
前記フェルール本体として、その基端側の端面に開口し前記被覆光ファイバの被覆部の先端が挿入される被覆部収納孔部と、この被覆部収納孔部から延びてフェルール本体先端側の端面である先端面に開口するファイバ収納孔部とからなる前記貫通孔を有し、前記ファイバ収納孔部は、前記被覆部収納孔部から延びる先細りのテーパ孔部と、該テーパ孔部の先端から延在して前記フェルール本体の先端面に開口し前記裸光ファイバの先端を位置決めする位置決め孔部とを具備し、前記テーパ孔部の前記被覆部収納孔部側の端部は前記被覆部収納孔部よりも細く形成され、前記被覆部収納孔部には前記テーパ孔部の周囲に該被覆部収納孔部の軸線方向に垂直の段差面が形成されたものを用い、前記フェルール本体の貫通孔に接着剤を充填する接着剤充填工程と、前記被覆光ファイバの先端部を前記フェルール本体の前記被覆部収納孔部に挿入して該被覆光ファイバの先端に露出させておいた裸光ファイバを前記被覆部収納孔部から前記ファイバ収納孔部に挿入するとともに、前記被覆光ファイバの被覆部の前記被覆部収納孔部に挿入した先端を前記段差面に突き当てる挿入工程と、前記接着剤充填工程及び前記挿入工程の完了後に前記接着剤の固化によって前記被覆光ファイバの先端部を前記フェルール本体に接着固定する固定工程と具備することを特徴とする光ファイバ付きフェルールの製造方法。
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