JP2010078142A - パイプインパイプ工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】新管であるダクタイル鋳鉄管の、既設管内の平面曲りがある部分や勾配が急激に変化する伏せ越し部より先への管搬送用走行車両を用いた運搬及び接合が可能なパイプインパイプ工法を提供する。
【解決手段】伏せ越し部を含む区間に埋設された既設管11の中に新管31であるダクタイル鋳鉄管を配管するパイプインパイプ工法Sは、運搬準備工程S30と、新管31の運搬工程S40と、管接続工程S50とを備え、新管31の運搬工程S40では、少なくとも既設管11内の伏せ越し部に至るまでと伏せ越し部と伏せ越し部の先の一連の区間を、傾斜部チェーンラック装置と噛合するピニオン43を備え、バッテリで駆動して既設管11内に配設されたパイプレール12上を走行する傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2と、傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2に連結された管運搬台車D3とを用いて、新管31を施工位置に運搬する。
【選択図】図2

Description

本発明はパイプインパイプ工法に係り、特に急勾配の伏せ越し部を有する区間において、既設配管内に新たな配管を行うことのできるパイプインパイプ工法に関する。
従来から、上下水道管路や農業用水道配管路等の既設の配管路(既設管)が老朽化した場合、既設の配管路内に耐震性の優れた新管を配置して新たな配管路を形成するパイプインパイプ工法により、配管路を更新するようにしている。また、上下水道や農業用水路の新管としては、強靭性、耐久性、加工性に優れたダクタイル鋳鉄管が一般的に用いられている。
パイプインパイプ工法による新管の配管は、従来、次のように行なわれている。
押し込み基地となる立坑を掘り、クレーン等で地下に機材及び新しい水道管等の新管を吊り降ろし、既設管に挿入して接続する位置まで運搬し、既に配管してある新管と接合する。
既設管内の新管の運搬は、バッテリ機関車等の駆動を受けて走行可能な車両(管搬送用走行車両)を、新管を支持する台車と連結し、台車上に支持された新管を先頭にして、管搬送用走行車両を配管路の内部に向けて走行させることにより行われている。この管搬送用走行車両は、軌条式のものと、無軌条式のものとが知られている。
無軌条式の管搬送用走行車両は、レールを敷設する必要はないが、暗闇の狭い管路の中で、光が届かない環境において運転操作する必要があるため、運転者に対する安全確保において問題がある。
そこで、パイプインパイプ工法において、レールを敷設することなく、既設の配管路内で安定した走行を行うことができる管搬送用走行車両が提案されている(特許文献1)。
この技術では、管搬送用走行車両の乗車部が車両本体の後方に設けられ、車両本体の前輪及び後輪の少なくとも何れか一方が操舵可能であるとともに、何れか一方が駆動するように構成されている。このようにして、車両本体の前輪と後輪の間隔を狭めることができ、前輪又は後輪の何れか一方が操舵されても配管路の周方向への走行量が少なくなり、配管路内でのローリング或いは横転を防止できる。
しかし、特許文献1に記載の管搬送用走行車両を含む、従来のバッテリ機関車等の管搬送用走行車両は、通常、配管路内の平坦部や5度程度の勾配のある区間での新管の運搬は可能であるが、伏せ越し部のような約30度の急勾配の傾斜部の運搬は不可能であった。
また、労働安全衛生規則第二百二条において、軌道の勾配に関し、「事業者は、動力車を使用する区間の軌道のこう配については、千分の五十以下としなければならない。」と規定されている。このため、軌道に5度を超える勾配を有する場合には、安全性を確保するための特殊な機能を備えた機関車、たとえばラック軌条にピニオンを噛み合わせて急勾配を上り下りするアプト式バッテリ機関車などを走行させる必要があり、伏せ越し部での管の運搬にはバッテリ機関車等の管搬送用走行車両は用いられていなかった。
具体的には、従来、伏せ越し部での新管の運搬は、図21に示すように、伏せ越し部の傾斜部X2の開始位置近傍まで新管31をバッテリ機関車で運搬した後、新管31をバッテリ機関車より切り離し、新管31に直接車輪101をつけて、人力にて所定の位置まで移動して、レバーブロック及びウインチ103を用いて人力で新管31を吊り上げて傾斜部X2を降ろす。また、傾斜部X2を降ろす際には、傾斜部X2と平坦部X1,X3の間の曲部ではウインチ103を付け替えて作業している。その後、傾斜部X2から先の平坦部X3を含むそれ以降の配管路では、車輪101をつけた新管31を既に配置されている新管との接続位置まで人力で運搬する。
このようにして新管をバッテリ機関車から降ろして伏せ越し部を運搬した後は、既に配管してある新管との接続位置までの長い距離を人力で運搬するが、一度に引っ張って運搬することができず、何度も段取り変えを行なって接続位置までの運搬を行なっている。
図22に工事区間の一例を示す。図22(a)は工事区間の概略平面、図22(b)概略断面であり、O1及びO2はそれぞれ第1及び第2の押し込み口(立坑)であり、実線は新管31(図示は最終的に配管された場合)、破線は既設管11をそれぞれ示し、矢印は新管31の運搬方向を示すものである。図22に示す工事区間には、伏せ越し部F1,F2,F3,F4が4箇所存在している。
この工事区間では、第1及び第2の押し込み口O1,O2のそれぞれから、バッテリ機関車や新管を吊り降ろすことが可能である。押し込み口O1からの新管の運搬は、平坦部である区間H1でバッテリ機関車を用いて行い、区間H1の先の伏せ越し部F1を含むその先の区間H2は、上述したように人力で新管の運搬を行なう。押し込み口O2からの新管の運搬は、平坦部である区間H3及び区間H4ではバッテリ機関車を用いて行うことができるが、H4の先の区間H5は全て(伏せ越し部F3,F4を含む)、上述したように人力を用いて新管を運搬する。
そして、既に配管されている新管との接続位置まで運搬した後、新管の下方の既設管との間に管支持材を取付け、新管をチェーンブロック等で吊り下げて管支持材に支持させ、既に配管されている新管の近傍にセットする。そして、管の高さ及び角度を調節し、軸を一致させて芯出しを行なって、既に配管されている新管と接続する。なお、これらの作業も全て人力で行なっている。
また、トンネル工事現場等で使用される、急勾配に対応できるバッテリ機関車が提案されている(特許文献2)。
この技術は、レールに沿って設けられたラック軌条に噛み合うピニオンを車体側に設けたバッテリ機関車であって、ピニオン用電動モータと車輪用電動モータとに交流電動モータを用い、バッテリの直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、交流電圧の周波数を変えてピニオン用電動モータと車輪用電動モータの回転速度を制御する制御手段を備え、急勾配の傾斜地でも制動制御を確実で簡単に行なえるようにしたものである。
特開2008−18861 特開2000−232702
上述したように、既に埋設されている上下水道管等の中に新たな管を挿入、配置するパイプインパイプ工法での工事においては、従来から用いられている軌条式の管搬送用走行車両や特許文献1に記載の無軌条式の管搬送用走行車両では、傾斜部が急である管路には対応することが困難であった。
また、引用文献2に記載のバッテリ機関車は、トンネル内の急勾配に対応できるものの、狭く、屈曲している既設管の中に新管を挿入し、運搬、配管することには対応できないため、パイプインパイプ工法で用いることができるものではなかった。すなわち、既設管の中で新管を運搬する場合は、既設管と新管との間の空間は非常に狭いため、急勾配の傾斜部、特に曲部で長尺の新管が既設管の内壁に接触しないように運搬するために、既設管の勾配にあわせて少しずつ新管を傾け、角度及び高さを調節しながら移動を行う必要があるが、引用文献2に記載のバッテリ機関車は、このような作業工程を可能とするものではなかった。
特に、約30度の急勾配を有するような伏せ越し部では、従来の管搬送用走行車両による新管の運搬が行えなかったため、伏せ越し部より先の管の運搬及び配管は、チェーンブロック等を用い、人力に頼らざるを得なかった。さらに、狭い既設管の中での作業であるため、手元作業をしている作業者の移動もままならず、作業に多大な時間と手間を要していた。
例えば、新管1本を運搬する場合に、伏せ越し部を1箇所通過するだけで1日程度かかるため、伏せ越し部が2箇所ある配管路では新管の運搬だけで2日を要していた。さらにその後、新管をチェーンブロック等で吊り下げて、新管の高さや角度を調節し、芯出し及び管接続作業を行なうが、これらの作業も人力に頼るしかないため、新管の高さや角度の微妙な調節が困難で、接続作業にも時間を要していた。
このように、伏せ越し部がある区間の工事は日進量が極端に低下し、これに伴い労務費が嵩み、工期が大幅に延びるという問題があった。このため、特に水道工事の管内配管工事では、工事を発注されても、入札参加業者が落札せず、入札が不調に終わるケースが続発している。なお、工期の短縮のために、伏せ越し部の前後の平坦部のそれぞれに通じる立坑を複数掘ることも考えられるが、立坑を掘るための費用が増大するため、好ましくない。また、地上位置が交差点等、立坑を掘ることが不可能な立地の場合もある。
また、水道管及び圧送管等で使用するダクタイル鋳鉄管を管材として使用する場合には、重量が非常に重く運搬が困難であった。さらに重量が大きいだけでなく、ダクタイル鋳鉄管の端部側には継ぎ手用のフランジ等の突起物があるため、フランジ部の径が管のその他の部分の径より大きくなっており、狭い既設管内の、特に平坦部と傾斜部の間の曲部での新管の運搬は非常に困難であった。
既設管の中に新管としてダクタイル鋳鉄管を配管する工事において、工事区間に勾配が急激に変化している伏せ越し部が含まれる場合には、伏せ越し部の角度によって伏せ越し部を通過できるダクタイル鋳鉄管の長さが制約されることになる。したがって、工事施工前に伏せ越し部の状態を把握し、伏せ越し部の角度と既設管及び新管の径と新管の形状などから、通過可能な管の有効長を理論値として求めることが行われている。
通過可能なダクタイル鋳鉄管の長さの理論値が定尺(例えば水道管の場合には6m)を下回わる場合には、なるべく、計算上の理論値と同等か、それに近い長さのダクタイル鋳鉄管を運搬し、それを既設管内で既に配管された新管と接続して配管することが経済効率上最も望ましい。
しかしながら、上述したように、これまで、新管としてのダクタイル鋳鉄管の伏せ越し部に至るまでの運搬方法や配管の実績は存在していたが、伏せ越し部に至るまでと、伏せ越し部及び伏せ越し部を通過した先の全ての区間において、新管の運搬や配管を一連のものとして実施する技術が実現されていなかったため、伏せ越し部及び伏せ越し部を通過した先の区間での新管の運搬、配管は人力に頼らざるを得なかった。そこで、ダクタイル鋳鉄管の重量があまりにも重いために、ダクタイル鋳鉄管を理論値の長さより大幅に短くして運搬、配管するため、運搬回数が増加することになり、日進量が極端に低下し、これに伴い労務費が嵩み、同時に工期が大幅に延びるという不都合があった。
また、一般的に鋳物であるダクタイル鋳鉄管は、定尺(6m)として製造されているため、この定尺のものを加工して短くする手間を要し、さらに、短くするとその分だけ使用する管材が多くなり、ジョイント部分が増加し、そのための連結ボルト等が必要となるため、資材のコストが増加していた。さらに、連結作業も大幅に必要となるなど、多くの工程が必要となり、労務費も大幅に嵩み、赤字工事が多発していた。このため、工事が発注されても落札されない、いわゆる落札不調に終わる工事が繰り返されていた。
以上のような理由により、急勾配の傾斜部を有する既設管に新管を配管する工事において、従来のようにレバーブロック及びウインチを用いることなく、傾斜の部分を含む全ての区間で管搬送用走行車両を用いて、一連で新管を運搬及び配管することが可能な新規のパイプインパイプ工法が望まれていた。特に、伏せ越し部を有する区間の工事では、伏せ越し部に至るまでと、伏せ越し部と、伏せ越し部を通過した先の全ての区間で、管搬送用走行車両を用いて管の運搬や配管を一連で行なうことが可能なパイプインパイプ工法が望まれていた。
本発明の目的は、上下水道管等の既設管の中に新管としてダクタイル鋳鉄管を挿入して運搬、配置する工事において、勾配が急激に変化する伏せ越し部に至るまでと、伏せ越し部と、伏せ越し部を通過した先の全ての区間で、管搬送用走行車両を用いて人力に頼らずに新管の運搬を一連で行なうことを可能とするとともに、新管を運搬した後、運搬した新管を管搬送用走行車両と連結された台車に載置したままの状態で芯出しを行い、既に配管してある新管と直接接合させることで、新管の運搬と配管とを一連で行うことを可能とすることで、伏せ越し部があっても工事の日進量が低下せず、工期が延びることがなく、労務費が削減でき、また作業者の安全性を確保したパイプインパイプ工法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、既設管の伏せ越し部の角度によって、伏せ越し部を通過できる新管の長さが制約されるが、通過できる新管であるダクタイル鋳鉄管の長さの理論値が定尺を下回わる場合であっても、なるべく計算上の理論値と同等か、それに近い長さのダクタイル鋳鉄管を用いることで、新管の運搬回数の低減による労務費の削減と日進量の増加が可能となるとともに、資材の削減が可能となり、全体のコストを下げることができ、経済効率上有効なパイプインパイプ工法を提供することにある。
前記課題は、請求項1のパイプインパイプ工法によれば、伏せ越し部を含む区間に埋設された既設管の中に新管であるダクタイル鋳鉄管を配管するパイプインパイプ工法において、予め設けた押し込み基地となる立坑より、新管であるダクタイル鋳鉄管を地下に吊り降ろして、既設管の開口近傍に位置させ、該位置させた新管であるダクタイル鋳鉄管をリフト装置付ボギー台車型の管運搬台車に搭載する新管の運搬準備工程と、少なくとも前記既設管内の伏せ越し部に至るまでと、伏せ越し部と、該伏せ越し部の先の一連の区間を、傾斜部チェーンラック装置と噛合する歯車を備え、バッテリで駆動して前記既設管内に配設された軌道上を走行する傾斜部走行アプト式運搬駆動車と、前記傾斜部走行アプト式運搬駆動車に連結された前記管運搬台車とを用いて、前記新管であるダクタイル鋳鉄管を運搬する新管の運搬工程と、前記一連の区間内の傾斜が急激に変化する場所では、前記傾斜部走行アプト式運搬駆動車が前記歯車と前記傾斜部チェーンラック装置を噛合させて走行する工程と、前記新管の運搬工程によって運搬された前記新管であるダクタイル鋳鉄管を既に配管された新管と接続する管接続工程と、を備えてなることにより解決される。
以上のように、新管の運搬工程において、少なくとも既設管内の伏せ越し部に至るまでと、伏せ越し部と、伏せ越し部の先の一連の区間を、傾斜部走行アプト式運搬駆動車と傾斜部走行アプト式運搬駆動車に連結された管運搬台車とを用いて、新管であるダクタイル鋳鉄管を運搬し、一連の区間内の傾斜が急激に変化する場所では、傾斜部走行アプト式運搬駆動車は歯車と傾斜部チェーンラック装置を噛合させて走行するため、伏せ越し部を含む一連の区間において、チェーンブロック等を用いず、人力に頼らず新管を運搬することが可能となり、作業工数を大幅に改善でき、工事の日進量を向上でき、したがって労務費を削減でき、工期が延びることを抑制できる。また、狭い既設管内での人力による作業が大幅に削減されるため、作業者の安全性も確保できる。
また、請求項2のように、一連の区間内の傾斜が急激に変化する場所が5度以上45度以下の傾斜部を含んでいる区間であっても新管の運搬を行なうことが可能である。
また、請求項3のように、新管の運搬工程で運搬される新管であるダクタイル鋳鉄管の端部側には、外方に延出したフランジ部が形成されているダクタイル鋳鉄管を運搬することが可能である。
このとき、請求項4のように、前記既設管内で新管を運搬する際に、運搬される新管が、前記既設管内壁、レール受け台、前記傾斜部チェーンラック装置の何れかに接触する虞のあるときには、前記管運搬台車のリフト装置を駆動させ、前記運搬される新管の高さ又は角度、若しくは高さ及び角度を調節し、運搬すると好適である。
このようにすると、既設管内の傾斜部や平面曲りがある区間でも、運搬を行えるだけでなく、運搬する新管の長さをできるだけ長い管にして運搬することが可能となる。すなわち、伏せ越し部などの勾配が急激に変化している区間を運搬するための計算上の理論値と同等か、それに近い長さのダクタイル鋳鉄管を運搬することができ、それを既設管内に配管することができる。
したがって、資材を無駄にせず有効に使用することができ、またジョイント部分を増加させないため、連結ボルト等の使用する資材の削減が可能となり、経済効率が上がる。また、新管の運搬回数が低減され、ジョイント部分の連結作業が低減されるため、作業工数が削減でき、工事の日進量が増加して、労務費を低く抑えることができる。
さらに、伏せ越し部が複数ある場合には、立坑を複数設置することによってダクタイル鋳鉄管の定尺物(6m)を運搬する方法と比較した場合、立坑の数を極力減らし、最小限の立坑設置で伏せ越し部を通過できる計算上の理論値と同等又はそれに近い長さのダクタイル鋳鉄管を運搬することができるため、立坑を設置する費用及び工数が抑えられ、経済効率がよい。
また、請求項5のように、前記管接続工程では、既に新管が配管してある場所まで運搬された、次に配管する新管を前記管運搬台車に載置した状態で、前記管運搬台車のリフト装置を駆動させ、前記運搬されてきた新管の高さ又は角度、若しくは高さ及び角度を調節し、既に配管された新管と、前記運搬されてきた新管との間で芯出しを行い、前記運搬されてきた新管を前記既に配管された新管と直接接合すると好適である。
このように、管運搬台車のリフト装置を利用して、運搬してきた新管を既に配管してある新管と直接接合することができるので、運搬と接合の芯出しを同時に行え、作業効率が向上する。
さらに請求項6のように、前記管運搬台車は、運搬する新管の長さに合わせ車輪の間隔を調節可能とし、該車輪の間隔を調節して前記新管を載置して運搬してなるように構成すると好適である。
このように、運搬する新管の長さに合わせ車輪の間隔を調節することが可能であるので、各種の新管の長さに対応して、安定して搬送することができる。
本発明のパイプインパイプ工法によれば、既設管内の伏せ越し部に至るまでと、伏せ越し部と、伏せ越し部の先の一連の区間において、チェーンブロック等を用いず、人力に頼らず新管を運搬することが可能となり、作業工数を大幅に改善でき、工事の日進量を向上でき、したがって労務費を削減でき、工期が延びることを抑制できる。また、狭い既設管内での人力による作業が大幅に削減されるため、作業者の安全性も確保できる。
さらに、5度以上45度以下の傾斜部を含んでいる区間の新管の運搬や、管の端部側に外方に延出したフランジ部が形成されているダクタイル鋳鉄管の運搬が行える。
また、管運搬台車のリフト装置を駆動させ、運搬される新管の高さ又は角度、若しくは高さ及び角度を調節し、運搬すると好適であり、既設管内の傾斜部や平面曲りがある区間でも、計算上通過できる理論値の長さの管を運搬することが可能となる。したがって、資材を無駄にせず有効に使用することができ、またジョイント部分を増加させないため、連結ボルト等の使用する資材の削減が可能となり、経済効率が上がる。また、新管の運搬回数が低減され、ジョイント部分の連結作業が低減されるため、作業工数が削減でき、工事の日進量が増加して、労務費を低く抑えることができる。
その上、管運搬台車のリフト装置を利用して、運搬してきた新管を既に配管してある新管と直接接合することができるので、運搬と接合の芯出しを同時に行え、作業効率が向上する。また、運搬する新管の長さに合わせ車輪の間隔を調節することが可能であるので、各種の新管の長さに対応して、安定して搬送することができる。
このように、本発明のパイプインパイプ工法によって、伏せ越し部に至るまでと、伏せ越し部と、伏せ越し部を通過した先の全ての区間を、管搬送用走行車両を用いて人力に頼らずに新管の運搬を一連で行なうことが可能となる。また、新管を運搬した後、運搬した新管を管搬送用走行車両と連結された台車に載置したままの状態で芯出しを行い、既に配管してある新管と直接接合させることで、新管の運搬と配管とを一連で行うことが可能となる。したがって、配管路に伏せ越し部があっても工事の日進量が低下せず、工期が延びることがなく、労務費を削減でき、また作業者の安全性を確保することができる。
また、本発明のパイプインパイプ工法によって、伏せ越し部を通過するための計算上の理論値と同等か、それに近い長さのダクタイル鋳鉄管を用いることができる。よって、新管の運搬回数の低減による労務費の削減と日進量の増加が可能となるとともに、資材の削減が可能となり、全体のコストを下げることができ、経済効率上有効なパイプインパイプ工法を提供することができる。
さらに、伏せ越し部が複数ある場合においては、立坑を複数設置することによってダクタイル鋳鉄管の定尺物(6m)を運搬する方法と、立坑の数を極力減らし、最小限の立坑設置で伏せ越し部を通過できる計算上の理論値と同等又はそれに近い長さのダクタイル鋳鉄管を運搬する方法との経済比較が可能となり、経済効率的なパイプインパイプ工法を提供することができる。
工程の概略図である。 工程のブロック図である。 管体内のレールの説明図である。 管体内の固定リング、レール及びチェーンラック装置の説明図である。 固定リングの部分拡大説明図である。 傾斜部走行アプト式運搬駆動車の概略説明図である。 傾斜部走行アプト式運搬駆動車の概略説明図である。 傾斜部走行アプト式運搬駆動車の概略説明図である。 リフト装置付ボギー台車である管運搬台車の説明図である。 リフト装置の説明図である。 リフト装置の説明図である。 リフト装置付ボギー台車の説明図である。 リフト装置付ボギー台車の説明図である。 平坦部における運搬工程の説明図である。 傾斜部における運搬工程の説明図である。 傾斜部における運搬工程の説明図である。 傾斜部における運搬工程の説明図である。 傾斜部における運搬工程の説明図である。 通過可能な新管の有効長計算の説明図である。 通過可能な新管の有効長計算の説明図である。 従来の工程の説明図である。 従来の傾斜部における運搬工程の説明図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
図は本発明の実施形態を示すものであり、図1乃至図16は本発明に係るパイプインパイプ工法を説明するものであり、図1は工程の概略図、図2は工程のブロック図で図2(a)は全体の工程図、図2(b)は図2(a)の新管の運搬工程を更に説明する工程のブロック図、図3は管体内のレールの説明図、図4は管体内の固定リング、レール及びチェーンラック装置の説明図、図5は固定リングの部分拡大説明図、図6乃至図8は傾斜部走行アプト式運搬駆動車の概略説明図、図9はリフト装置付ボギー台車である管運搬台車の説明図、図10及び図11はリフト装置の説明図、図12及び図13はリフト装置付ボギー台車の説明図、図14は平坦部における運搬工程の説明図、図15乃至図18は傾斜部における運搬工程の説明図、図19及び図20は通過可能な新管の有効長計算の説明図、図21は従来の工程の説明図、図22は従来の傾斜部における運搬工程の説明図である。
なお、本実施形態では、既設管が内径1600mm、新管が外径700mm(継手形状S形)、新設管長が4500mmのものを用いて、伏せ越し角度が32度の伏せ越し部を運搬する例を示す。
本実施形態のパイプインパイプ工法Sは、途中に少なくとも上下方向に急勾配の傾斜部を有する、或いは平面曲りがある、上下水道管や農業用水道管等の既設の配管路(既設管)の中に、新管であるダクタイル鋳鉄管を配管するパイプインパイプ工法である。
ここで、急勾配とは、既設管内の所定範囲で、伏せ越し部を含む約5度以上約45度以下の垂直方向の勾配がある部分、平面曲りとは、既設管内の所定範囲で、約5度以上約45度以下の平面曲りが存在する部分をいう。
図1は工事区間の例を示しており、図1(a)は概略平面、図1(b)は概略断面であり、O1及びO2は第1及び第2の押し込み口(立坑)であり、実線はダクタイル鋳鉄管からなる新管、破線は既設管をそれぞれ示し、矢印は新管の運搬方向を示すものである。図1に示す工事区間には、平面曲り部M1,M2,M3が3箇所と、伏せ越し部F1,F2,F3,F4が4箇所存在している。
パイプインパイプ工法により新管31を既設管11内に配管するには、工事区間の端部にある既設管11の近傍、或いは工事区間内の既設管11の途中に、押し込み口O1及びO2である立坑を掘り、この押し込み口O1及びO2の上部からダクタイル鋳鉄管からなる新管31をクレーン等により吊り降ろし、次に、既設管11内に挿入してダクタイル鋳鉄管からなる新管31を運搬し、既に配管してある新管31と接合する。
本実施形態におけるパイプインパイプ工法では、後述する傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2と、管運搬台車D3とを用いて新管31の運搬及び配管を行なうため、従来のバッテリ機関車が入ることのできない内径1600mm〜1200mmの既設管11内で、伏せ越し部F1,F2,F3,F4のような急勾配のある傾斜部や平面曲り部M1,M2,M3を含んだ一連の区間での機械を用いた新管31の運搬及び配管が可能となる。
本実施形態におけるパイプインパイプ工法は、図2で示すように、レール敷設・固定リング取付工程S10と、チェーンラック装置取付工程S20と、運搬準備工程S30と、新管の運搬工程S40と、管接続工程S50とを備えている。
レール敷設・固定リング取付工程S10は、既設管11内にパイプレール12の受け台13(いわゆる枕木となるもの)を一定の間隔で配設し、受け台13の上部にパイプレール12を配置し、受け台13上で固定手段により固定し、敷設するものである。また、伏せ越し部などの傾斜部においては、受け台13や後述するチェーンラック装置をより確実に既設管11内に固定するために、固定リング80を所定の間隔で設置する。図3は固定リング80を設置せずにパイプレール12を敷設した状態を示し、図4は固定リング80を設置してパイプレール12及びチェーンラック装置を取付けた状態を示す。
固定リング80を設置しない場所では、図3及び図6で示すように、先ず、既に埋設されている既設管11の内壁下側位置に、後述する傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2と、管運搬台車D3の車輪71の横幅に合わせてパイプレール12の受け台13を所定間隔で配設する。パイプレール12の受け台13は断面L字状をしており、上面が水平面となるように形成されており、この受け台13の上に単管であるパイプレール12を配置する。次に、パイプレール12と受け台13とを固定して敷設する。本実施形態では、R形状の鋼板14に予め走行車両の車輪の横幅に合わせた所定の幅で受け台13を溶接して固定しておき、その受け台13を溶着した鋼板14を既設管11内に所定の間隔で配設して、アンカーを打込んで固定し、その後受け台13の上にパイプレール12を固定している。
固定リング80を設置する場所では、図4及び図6で示すように、先ず、既設管11の内周に沿って固定リング80を取付ける。固定リング80は、本実施形態では、傾斜部の前後約10m付近から傾斜部に約2m間隔で設置する。なお、平坦部においても傾斜部より広い間隔(例えば10m間隔)で固定リング80を設置し、受け台13とパイプレール12の配設を確実に行うようにすると、より好適である。
本実施形態で用いる固定リング80は、環を上下左右の4つに分割した弧状のパーツであるリング上部81、リング側部82,83、リング下部84から構成されている。これらの各パーツの端部と隣接するパーツの端部とをそれぞれ連結用のボルトで連結し、環形に形成して既設管11の内壁に取付けた後、調整用のボルトで隣接するパーツの間隔を広げて内壁に密着させるよう調整し、容易に動かないように固定する。
固定リング80の設置について、図5を用いてより詳細に説明する。図5(a)は図4におけるリング上部81と右側に配設されたリング側部82との連結部分Aを内側から見た部分拡大説明図,図5(b)は図4におけるリング下部84と右側に配設されたリング側部82との連結部分Bを内側から見た部分拡大説明図である。
リング下部84とリング側部82との連結は、図4及び図5(b)に示すように、リング下部84の右端部に設けられた接合部84aと、リング側部82の下端部に設けられた接合部82bとを接合させ、接合部分の両端部側を2本の固定ボルト88,88で固定して行なう。
同様に、リング下部84の左端部に設けられた接合部84bと、リング側部83の下端部に設けられた接合部83bとを接合させ、接合部分を固定ボルト88,88で固定してリング下部84とリング側部83とを連結する。
リング上部81とリング側部82との連結は、図4及び図5(a)に示すように、リング上部81の右端部に設けられた接合部81bと、リング側部82の上端部に設けられた接合部82aとを接合させ、接合部分の略中央をずれ止めボルト86により仮止めして行なう。その後、ずれ止めボルト86の両側に、突っ張りボルト87,87を接合部82a側より挿入して挿入端部を接合部81bの接合部82aに対向する面に当接させ、突っ張らせる。
同様に、リング上部81の左端部に設けられた接合部81aと、リング側部83の上端部に設けられた接合部83aとを接合させて、ずれ止めボルト86により仮止めしてリング上部81とリング側部83とを連結し、突っ張りボルト87,87を取付ける。
そして、リング上部81とリング側部82との連結部分、及びリング上部81とリング側部83との連結部分それぞれにおいて、突っ張りボルト87を締め付けて、接合部81bと接合部82a、及び接合部81aと接合部83aとを少しずつ離間させ、固定リング80を徐々に押し広げて、固定リング80を既設管11の内壁に密着させる。なお、リング上部81とリング側部82との連結部分、又はリング上部81とリング側部83との連結部分の何れか一方の間隔の調整のみで固定リング80を既設管11の内壁に密着させて固定可能な場合には、何れか一方の連結部分の間隔調整を行えばよい。
本実施形態で用いる固定リング80のリング下部84には、予め走行車両の車輪の横幅に合わせた所定の幅で受け台13が溶着されている。したがって、上記のようにして固定リング80を設置した場所には、受け台13が共に配設される。そして、受け台13の上に単管であるパイプレール12を配置して、パイプレール12と受け台13とを固定して敷設する。
傾斜部では、傾斜が始まる位置でパイプレール12を若干下方に向けて傾斜面に近づけて敷設し、後述するローラーチェーン21に近づくように構成して、傾斜が終わる位置で逆方向(上方)に向けてパイプレールを敷設すると、傾斜部チェーンラック装置を確実に利用することができる。
このように、本実施形態ではパイプレール12を用いているために、通常のレールと異なり、後述する管運搬台車D3や傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2が傾いても、車輪71がパイプレール12の上面で傾き、脱輪を防止している。特に、後述するように車輪71がパイプレール12を挟むような形状としているので、車輪71が外れることなく安定走行が可能である。また、パイプレール12は通常のレールと比べて軽量であるため、レールを運搬、敷設する作業が容易となる。なお、本実施形態ではパイプレールを用いたが、これに限定されるものではなく、通常使用されている軽レールを用いてもよい。
また、パイプレール12の敷設においては、既設管11内の傾斜部の傾斜角とパイプレール12の傾斜角とを必ずしも一致させる必要はなく、許容範囲内でパイプレール12の角度を既存管11の角度よりも小さく(傾斜が緩やかに)なるようにパイプレール12を配設すると、後述する傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2の負担を軽減することができる。
チェーンラック装置取付工程S20は、勾配が急激に変化する既設管11の場所に、傾斜部チェーンラック装置を取付けるものである。チェーンラック装置は、図4及び図6で示すように、既設管11の中央下面で、前記したパイプレール12の受け台13の中間位置に、ガイド部としての長尺の支持体23を配設し、この支持体23に、ローラーチェーン21を配設するものである。本実施形態では、R形状の鋼板15に予め支持体23を溶接して固定しておき、その支持体23を溶着した鋼板15を固定リング80上に配設し、アンカーを打込んで既設管11に堅固に固定する。
このように、既設管11の内壁に密着させて固定した固定リング80を用いることで、傾斜部においても、パイプレール12の受け台13、及びチェーンラック装置の支持体23を確実に既設管11内に取付けることができる。
運搬準備工程S30は、既設管11内に新管31であるダクタイル鋳鉄管を挿入するため、予め設けた押し込み口(立坑)O1,O2から、新管31をトラッククレーン及び門型クレーン等(不図示)で地下に吊り降ろし、工事区間の既設管11の開口近傍に位置させる。そして、このように位置させた新管31をリフト装置付ボギー台車型の管運搬台車D3に搭載するものである。
管運搬台車D3は、図9乃至図13で示されるように、リフト装置付ボギー台車であり、駆動源となる傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2と連結されるものである。そしてこの管運搬台車D3に、前記した押し込み口O1,O2から搬入した新管31を搭載するものである。
管運搬台車D3は、台車の前後左右4箇所のそれぞれに、図10に示す、一対の車輪71,71及びそれと連結されたリフト装置33が設けられており、台車の前後左右それぞれの高さの調節が可能になっている。また、各車輪71は、図11に示すように、パイプレール12を挟むような形状としており、車輪71がパイプレール12から外れることがないように構成されている。
図10で示すように、リフト装置33は、一対の車輪71,71のそれぞれと軸支される一対の支持部材72,72と、一対の支持部材72,72の互いを連結軸支する軸支部73と、油圧装置35と、から構成され、油圧装置35のロッド先端側35aが一方の支持部材72と、ロッド基端側35bが他方の支持部材72とそれぞれピンにより軸支されている。
管運搬台車D3の高さ調節は、油圧装置35によって行なわれる。油圧装置35のロッドを伸長したときには、両車輪71,71間が狭まって、各支持部材72,72が垂直方向に立設した状態となり、上昇し(図10(a)参照)、一方、油圧装置35のロッドを縮小したときには、両車輪71,71間の距離が広がり、各支持部材72,72が水平方向に開いた状態となり、下降する(図10(b)参照)ように構成されている。本実施形態の油圧装置35は、複動型油圧シリンダを用いており、ロッドの押し引き共に油圧で作動させているので、上昇、下降共に安定させた速度で確実に行なうことができる。
図11は、既設管11内で新管31を搭載した管運搬台車D3をリフト装置33により上下させた状態を示し、一点鎖線より左側が最も上昇させた状態、右側が最も下降させた状態を示している。このように、リフト装置33を用いることにより、新管31の高さを既設管11内の図示した範囲で調節することが可能となる。
なお、後述する傾斜部走行アプト式運搬駆動車の運転車両D1に、管運搬台車D3を上下させるリフト装置33の油圧装置35を操作するジャッキレバー47等の操作系が設けられており、運転車両D1から運転者が操作部を操作して高さ調節できるようにしている。運転車両D1から油圧装置35を制御することにより、管運搬台車D3の高さ、すなわち管運搬台車D3に載置された新管31の高さ調節を行なって、既設管11の内壁等に接触しないように調節しながら運搬することができる。
さらに、このような構成により、管運搬台車D3は、単に管を運搬するだけでなく、後述するように、芯出しを含めた接続や配管の位置合わせまで行うことができる。
施工時において、新管31の長さが短いと使用する新管31の本数が増加するため、できるだけ長い新管31を使用することが望ましい。しかし、勾配のある傾斜部を運搬する場合には、新管31が長いと、既設管11の内壁等に衝接等をすることがあるため、運搬が困難となる。そこで、本実施形態のようなリフト装置33を用いることによって、長い新管31を円滑に運搬することができる。このリフト装置33を用いて、勾配が5度以上45度以下の傾斜部を円滑に運搬することができる。したがって、伏せ越し部が複数存在するような工事区間においても、管運搬台車D3を用いて新管31を運搬することが可能となる。
また、管運搬台車D3には、管固定バンド(不図示)が設置されており、この管固定バンドで新管31を固定することにより、急勾配や平面曲りでの走行を含め、走行中の落下を防止するようになっている。
さらに、管運搬台車D3は、図12及び図13で示すように、ボギー車としているので、配管路の平面曲りがある部分のカーブも円滑に走行可能となっている。ボギー車の構成は周知であるので、詳細は省略する。
なお本実施形態では、管運搬台車D3は二軸ボギー台車としているが、これに限らず三軸或いは四軸のものであってもよい。また本実施形態の管運搬台車D3は、運搬する管の長さに合わせ車輪の間隔が自由に決められるように形成されている。さらに、管運搬台車D3は連結バーを用いることにより3両・4両の連結が可能となっている。
新管31の運搬工程S40は、上述の運搬準備工程S30で新管31を搭載した管運搬台車D3と、傾斜部チェーンラック装置と噛合する歯車(ピニオン)を備えたバッテリで駆動する傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2とを連結し、レール敷設・固定リング取付工程S10によって配管されたパイプレール12上を走行させて、新管31を既に配管されている新管31との接続位置である施工位置まで運搬するものである。
この新管31の運搬工程S40は、図2(b)で示すように、既設管内の伏せ越し部に至るまでの運搬S41、伏せ越し部の運搬S42、伏せ越し部の先の区間の運搬S43を含み、これらの工程を一連で行なう。すなわち、伏せ越し部に至るまでと、伏せ越し部と、伏せ越し部の先の全ての区間を一連で、傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2と、管運搬台車D3とを用いて新管31を運搬するものである。
ここで、傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2について図6乃至図8に基づき説明する。図6は傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2の側面説明図、図7は運転車両D1の前面説明図、図8は傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2の上面説明図である。本実施形態の傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2は、図6及び図8で示すように、運転席側の運転車両D1と、バッテリ側のバッテリ搭載車両D2とから構成されている。
運転車両D1は、前輪41aと、走行用の後輪41bと、後輪41bを駆動する走行用油圧モータ42と、急勾配を走行するアプト走行時のためのアプトギアとしてのピニオン43と、中間軸44と、中間軸44を介してピニオン43を駆動するピニオン用油圧モータ45と、運転席の上方を覆うようにして取付けられた運転者の頭部を保護するヘッドガード46と、油圧装置35を操作するジャッキレバー47やハンドブレーキ48等の操作系と、配電盤49と、油圧切替電磁弁(不図示)と、インバータ(不図示)等を備えている。そして、ハンドブレーキ48が操作されると、前輪41a及び後輪41bの油圧ディスクブレーキが作動して車両の走行を停止させるように構成されている。
前輪41a及び後輪41bは、図7に示すように、パイプレール12を挟むような形状となっており、また傾斜部での走行時には各車輪部に設けられた逸脱防止装置50によりチェーンラック装置の支持体23(ガイド部)を挟み込んでいるため、走行中にパイプレール12から外れることがないように構成されている。ジャッキレバー47は本実施形態では4本設けられており、4本のジャッキレバー47が不図示の制御部を介してそれぞれ、上述した管運搬台車D3の前後左右4箇所に取付けられたリフト装置33のそれぞれの油圧装置35を制御できるようになっている。したがって、このジャッキレバー47を操作することにより、対応するリフト装置33を上下させて、管運搬台車D3に載置された新管31の前後左右位置のそれぞれの高さ調節を行うことができる。
配電盤49の操作パネルには、低速から高速までの速度を数段階に切換えて設定する車速スイッチレバーと、警報器であるホーンスイッチと、モータの回転方向を変えることにより車両の進行方向を変える前進・後進スイッチと、アプト走行時にピニオン用インバータを作動するアプト入力スイッチと、車両の速度を表示する速度計とが設けられている。これらの構成は、公知であり、例えば特開2000−232702号公報に記載の技術等を転用することが可能である。
運転車両D1は、勾配がある傾斜部ではピニオン43とローラーチェーン21とを噛合させて走行する。本実施形態のピニオン43は、既設管11に沿って敷設したローラーチェーン21と噛合するために、通常のギアの形状を有している。したがって、通常のアプトのようにピンで構成されていないため、十分な動力の伝達が可能となり、急勾配であっても十分な走行が可能となっている。本実施形態では、バッテリ搭載車両D2にバッテリが複数個搭載されているが、傾斜の上り勾配にあってバッテリによる通常走行では、車両にかかる負荷に対抗できない場合や、勾配が5度を超える場合には、アプト走行を行うためにアプト入力スイッチを投入(ON)する。このスイッチを入れることによって、制御回路はピニオン用油圧モータ45を駆動して、中間軸44を介してピニオン43が回転する。
ピニオン43がローラーチェーン21に噛合しているので、傾斜部が急勾配であってもピニオン43の回転により車両はその傾斜部を上ることができる。傾斜度の大きい下り勾配にあっても、アプト入力スイッチを投入して、ピニオン43の回転速度を落としていけば、ピニオン43がローラーチェーン21に噛合しているので、車両に十分な制動を加えることができ、急勾配であっても下り走行時の制動を確実に車両に加えることができる。この制動は、ピニオン用油圧モータ45の速度調整用油圧バルブのハンドル操作で容易に行うことができる。
バッテリ搭載車両D2は、走行用の前輪51aと、後輪51bと、前輪51aを駆動する走行用油圧モータ52と、油圧ポンプ55と、バッテリを複数個備えたバッテリユニット57と、車両の後部に設けられたインバータ(不図示)と、を備えている。前輪51a及び後輪51bは同様にパイプレール12を挟むような形状となっており、走行中にパイプレール12から外れることがない。
バッテリ搭載車両D2は、勾配がある傾斜部では上述した運転車両D1のアプト走行に追従して走行する。このように、本実施形態ではアプト走行用のピニオン43を運転車両D1に設けて、傾斜部では運転車両D1がアプト走行してバッテリ搭載車両D2を牽引するように構成しているが、バッテリ搭載車両D2にもピニオンを設けて両車両がアプト走行するようにしてもよい。
さらに、本実施形態の傾斜部走行アプト式運搬駆動車は運転車両D1とバッテリ搭載車両D2とを連結して構成しているが、1台の車両に運転席とバッテリ搭載部の両方を設けて構成してもよい。
本実施形態の新管の運搬工程S40では、以上のように構成された傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2の進行方向前方に、配管する新管31を搭載したリフト装置付きボギー台車型の管運搬台車D3を連結し、既設管内に配設されているパイプレール12上を走行させて、新管31を既に配管されている新管31との接続位置(施工位置)まで運搬する。
新管31の先端上部及び先端下部には、既設管11の内壁、パイプレール12の受け台13、傾斜部チェーンラック装置等の何れかとの接触を検知するための接触センサ(不図示)を取付けておき、接触を検知したときにはブザーを鳴らして作業者及び運転車両D1の運転者に通知するようにする。この接触センサは公知のものを用いることができる。運転者は目視及び接触センサによる接触の検知によって管運搬台車D3のリフト装置33を駆動させ、新管31の高さ、角度のいずれか、若しくは両方を調節し、支障のないように運搬する。管運搬台車D3の前後左右のリフト装置33はそれぞれ、個別に高さを調節することが可能であるため、個別に高さを調節することで、管運搬台車D3、すなわち新管31の水平方向の角度の調節も行うことができる。
図14乃至図18を用いて、新管31の運搬について説明する。
既設管11内の平坦部では、傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2は通常のバッテリ式運搬駆動車として走行する。図14は平坦部での新管31の運搬を示している。このとき、新管31の上部が既設管11の内壁に接触しない高さになるように、管運搬台車D3のリフト装置33を駆動して高さ調節しながら新管31の運搬を行なう。なお、各図中の80は固定リングを示す。
図15に示すように、管運搬台車D3が伏せ越し部の曲部に到達したときは、新管31の先端上部に取付けた接触センサによって接触状態を検知し、新管31の先端上部が既設管11の内壁に接触しないように、リフト装置33を下降させて管運搬台車D3を下降させる。また、必要に応じて新管31の水平方向の角度の調節も行いながら移動させる。
図16及び図17に示すように、伏せ越し部の曲部を移動していくと、曲部の勾配の大きさに応じて、新管31の先端下部、中間上部、後端上部等が、傾斜部チェーンラック装置や既設管11の内壁等に接触する虞が生じる。したがって、接触センサ及び/又は目視によって接触状態を検知したら、リフト装置33を駆動して高さ及び/又は角度の調節を繰り返しながら、新管31を接触しないようにして移動させていく。
図18に示すように、傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2が傾斜部を走行する場合には、ピニオン43と、傾斜部チェーンラック装置のローラーチェーン21を噛合させて走行する、アプト式運搬駆動車としての運転に切り替える。また、上記と同様に、運搬する新管31が、既設管11あるいは、パイプレール12の受け台13、傾斜部チェーンラック装置に接触する虞があるときには、管運搬台車D3のリフト装置33を駆動させ、高さ及び/又は角度を調節し、支障のないように運搬する。図18では下降する勾配の例を示しているが、上昇勾配の傾斜部においても同様に、傾斜部チェーンラック装置を利用してアプト走行を行なう。
なお、本実施形態の傾斜部走行アプト式運搬駆動車は、例えば運転車両D1とバッテリ搭載車両D2を連結したときの前後方向の長さを約4300mm、車輪を含む幅を約862mm、高さを約1040mmとして小型化した駆動車を用いているため、本実施形態におけるパイプインパイプ工法では、従来のバッテリ機関車が入ることのできない内径1200mm〜1600mmの既設管11内で、伏せ越し部のような急勾配のある傾斜部や平面曲りのある部分を含めて一連の区間で、傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2と、管運搬台車D3とを用いた新管31の運搬及び配管が可能となる。
また、傾斜部に入る前の所定位置にセンサ等の安全装置を配置し、このセンサを運転車両D1又はバッテリ搭載車両D2が感知し、減速・自動停止等を行うようにして安全性を高めることができる。
以上のように、既設管11内の平坦部、及び伏せ越し部を含む傾斜部において、管運搬台車D3のリフト装置33を駆動させて、新管31の高さ及び/又は角度の調節を行ないながら新管31を運搬するとともに、傾斜部では、傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2のアプトギア(ピニオン43)を駆動させてアプト走行を行なうことで、傾斜部の角度が約5度以上約45度以下の傾斜の昇降が可能となる。このようにして、本実施形態のパイプインパイプ工法では、既設管11内の伏せ越し部に至るまでと、伏せ越し部と、伏せ越し部の先の一連の区間を連続して、傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2と、管運搬台車D3とを用いて新管31を運搬できるため、従来のように人力での運搬を行なう必要がなく、運搬にかかる工数を大幅に削減できる。
例えば、図1で示される工事区間では、押し込み口O2から新管31を吊り降ろして既設管11内に挿入し、運搬する場合、押し込み口O2から押し込み口O1までを一連の作業で運搬することができ、また押し込み口O2から工事終点Eまでを一連の作業で運搬することができる。この工事区間においては、押し込み口O2から伏せ越し部F2までの新管31の運搬が図2(b)に示す工程S41、伏せ越し部F2の運搬が工程S42、伏せ越し部F2の先から伏せ越し部F1までの運搬が工程S43(又はS41)、伏せ越し部F1の運搬が工程S42、伏せ越し部F1の先の運搬が工程S43であり、これらの区間を一連で運搬することができる。同様に、押し込み口O2から工事終点Eまでの新管31の運搬も、工程S41、工程S42、工程S43の一連の作業となる。
なお、押し込み口O1と押し込み口O2の間の区間は、押し込み口O1からO2方向に運搬して配管を行なってもよい。
従来は上述したように、押し込み口から最初の伏せ越し部まではバッテリ機関車及び管運搬台車を用いて、それ以降は人力でチェーンブロック等を用いて新管31の運搬、配管を行なっていた。したがって、例えば、従来であれば、伏せ越し部1箇所の新管31の運搬に約1日を要していたため、伏せ越し部が2箇所ある押し込み口O1とO2の間の区間では、新管31の運搬だけで2日間かかることになるが、本実施形態のパイプインパイプ工法によれば、全ての区間をバッテリ機関車及び管運搬台車を用いて一連で運搬し、さらに接続作業も一連で行うことができ、押し込み口O1とO2の間の区間では約1日で新管の運搬及び配管までが可能となる。
さらに、伏せ越し部を有する工事区間においては、従来は重量の重いダクタイル鋳鉄管を人力で運搬可能な短い長さに加工して運搬することもあったが、本実施形態のパイプインパイプ工法によれば、既設管11内の伏せ越し部に至るまでと、伏せ越し部と、伏せ越し部の先の一連の区間を、人力によらずに新管31の運搬が行なえるため、伏せ越し部を通過できる計算上の理論値と同等か、それに近い長さのダクタイル鋳鉄管を運搬することができる。
具体的には、伏せ越し部を通過できる新管の有効長は、既設管の内径と、伏せ越し部角度と、新管の外径と、新管の継手形状から、計算上の理論値として決定される。
上記有効長は、以下の式1によって、算出される(図19参照)。
L={2(Di−D2×cosθ/2)÷(sinθ/2)}−P ・・・(式1)
Di=Do−2S
ここで、Lは新管の長さ、2Sはクリアランス、Doは既設管の内径、Diは既設管の内径Doからクリアランス2Sを引いた値、D2は新管の外径、Pは継手部の長さ、θは既設管の伏せ越し部角度である。また、図19に示されるD5は継手部の外径(管受口外径)である。
なお、式1で求めた新管の長さLが使用する管の実際の長さを上回る場合には、有効長は用いる管の実際の長さとなる。例えば、6mのダクタイル鋳鉄管を用いる場合には、式1で求めた新管の長さLが6mを上回る場合には、有効長は6mとなり、すなわち加工せずにそのまま使用できることになる。
上記式1に基づいて、S=100mm(クリアランス2S=200mm)とすると、管の有効長は以下のようになる。
例えば、既設管が内径1600mmのときに、新管の外径が733mm(内径700mm)である場合で、継手形状がS形とすると、伏せ越し部角度が22度のときには有効長6000mm、伏せ越し部角度が30度のときには有効長4800mm、伏せ越し部角度が32度のときには有効長4500mm、伏せ越し部角度が45度のときには有効長3100mmである。
また、既設管が内径1500mmのときに、新管の外径が425.6mm(内径400mm)である場合、継手形状がSII形とすると、伏せ越し部角度が22度のときには有効長6000mm、伏せ越し部角度が30度のときには有効長6000mm、伏せ越し部角度が32度のときには有効長6000mm、伏せ越し部角度が45度のときには有効長4300mmである。
クリアランスに関しては、例えば、既設管に取付ける仮設リングの厚みが上部で118mm、下部で9mmの合計127mmの場合、73mm(200mm−127mm)を余裕代として200mmとしている。
ここで、余裕代は、図20に示すように、余裕代T=(管受口外径D5−管外径D3)÷2としている。従って、余裕代は、例えば、内径400mm(外径425.6mm)の継手形状がSII形の管では、(582−425.6)/2=78.2mm、内径700mm(外径733mm)の継手形状がS形の管では、(883−733)/2=75mm、内径700mm(外径733mm)の継手形状がKF形の管では、(893−733)/2=80mmとなる。
このように、伏せ越し部を通過できる計算上の理論値と同等か、それに近い長さのダクタイル鋳鉄管を運搬することができるため、経済効率が非常に良好となる。
また、図20に示すように、新管31としてのダクタイル鋳鉄管の端部側の管受口には外方に延出したフランジ部32が形成されているため、新管31を人力で既設管11内を運搬する場合には、扱いにくく、運搬作業がし辛いものであったが、本実施形態のパイプインパイプ工法によれば、上記のように、フランジ部32(管受口)の外径を考慮して求めた有効長の新管31を、傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2と、管運搬台車D3とを用いて運搬することができる。
管接続工程S50は、新管31の運搬工程によって運搬された新管31を施工位置で既に配管された新管31と接続するものである。
既に配管してある場所まで運搬された新管31を管運搬台車D3に載置した状態で、管運搬台車D3のリフト装置33を駆動させ、新管31の高さ、角度のいずれか、若しくは両方を調節し、運搬してきた新管31と既に設置されている新管31の軸を一致させて芯出しし、既に配管してある新管31に運搬してきた新管31を直接接合する。なお、管運搬台車D3のリフト装置33を駆動させての高さ、角度の調節は、上述した新管31の運搬工程での高さ、角度の調節と同様に行う。
本実施形態のパイプインパイプ工法では、運搬に用いた走行用のパイプレール12上に管運搬台車D3が載置された状態で新管31の芯出しを行なうことができるため、運搬してきた新管31と既に配管されている新管31とが初めから略平行な位置に配置されており、チェーンブロック等を用いて新管31を吊り上げた状態で芯出しする場合や、無軌条式の管搬送用走行車両を用いて芯出しする場合に比べて、芯出し作業が容易となる。さらに、管運搬台車D3のリフト装置33を用いて高さ及び/又は角度の調節が可能であるため、確実に、効率よく芯出し及び接続作業が行える。
また、既設管11内の平坦部のみでなく、上昇勾配の傾斜部、下降勾配の傾斜部、特に勾配が急な伏せ越し部においても、管運搬台車D3のリフト装置33を用いて、同様の手順で新管31の芯出し及び接続作業を行うことができる。
新管31を接続した後で、管運搬台車D3を抜くために、傾斜部走行アプト式運搬駆動車D1及びD2を後方へ駆動する。
その後、既設管11と新管31との間に裏込注入用閉塞壁を設置し、既設管11と新管31との間に、モルタル等の裏込み注入を行う。
以上のように、本発明のパイプインパイプ工法によって、新管であるダクタイル鋳鉄管を、既設管内の伏せ越し部に至るまでと、伏せ越し部と、さらに伏せ越し部の先の全ての区間を、管搬送用走行車両を用いて一連で運搬することができる。また、運搬時に用いたのと同一の管搬送用走行車両のリフト装置を用いて芯出しが行なえるため、新管31の平坦部の運搬、伏せ越し部の運搬、管芯出し、管接続の一連の作業を連続して行うことが可能となり、人力で作業を行なう場合に比して、作業効率が大幅に向上し、労務費が削減でき、また作業者の安全性を確保することができる。
さらに、伏せ越し部を通過するための計算上の理論値と同等か、それに近い長さのダクタイル鋳鉄管を用いることができ、資材の削減が可能となり、経済効率上有効となる。
特に本発明のパイプインパイプ工法は、伏せ越し部が複数存在する工事区間において、より好適に用いることが可能である。
11 既設管
12 パイプレール
13 受け台
14,15 鋼板
21 ローラーチェーン
23 支持体
31 新管
33 リフト装置
35 油圧装置
35a ロッド先端側
35b 基端側
41a,51a 前輪
41b,51b 後輪
42,52 走行用油圧モータ
43 ピニオン
44 中間軸
45 ピニオン用油圧モータ
46 ヘッドガード
47 ジャッキレバー
48 ハンドブレーキ
49 配電盤
50 逸脱防止装置
55 油圧ポンプ
57 バッテリユニット
71 車輪
72 支持部材
73 軸支部
80 固定リング
81 リング上部
81a,81b,82a,82b,83a,83b,84a,84b 接合部
82,83 リング側部
84 リング下部
86 ずれ止めボルト
87 突っ張りボルト
88 固定ボルト
O1,O2 押し込み口
D1 運転車両(傾斜部走行アプト式運搬駆動車)
D2 バッテリ搭載車両(傾斜部走行アプト式運搬駆動車)
D3 管運搬台車
S10 レール敷設・固定リング取付工程
S20 チェーンラック装置取付工程
S30 運搬準備工程
S40 新管の運搬工程
S50 管接続工程

Claims (6)

  1. 伏せ越し部を含む区間に埋設された既設管の中に新管であるダクタイル鋳鉄管を配管するパイプインパイプ工法において、
    予め設けた押し込み基地となる立坑より、新管であるダクタイル鋳鉄管を地下に吊り降ろして、既設管の開口近傍に位置させ、該位置させた新管であるダクタイル鋳鉄管をリフト装置付ボギー台車型の管運搬台車に搭載する新管の運搬準備工程と、
    少なくとも前記既設管内の伏せ越し部に至るまでと、伏せ越し部と、該伏せ越し部の先の一連の区間を、傾斜部チェーンラック装置と噛合する歯車を備え、バッテリで駆動して前記既設管内に配設された軌道上を走行する傾斜部走行アプト式運搬駆動車と、該傾斜部走行アプト式運搬駆動車に連結された前記管運搬台車とを用いて、前記新管であるダクタイル鋳鉄管を運搬する新管の運搬工程と、
    前記一連の区間内の傾斜が急激に変化する場所では、前記傾斜部走行アプト式運搬駆動車が前記歯車と前記傾斜部チェーンラック装置を噛合させて走行する工程と、
    前記新管の運搬工程によって運搬された前記新管であるダクタイル鋳鉄管を既に配管された新管と接続する管接続工程と、
    を備えてなることを特徴とするパイプインパイプ工法。
  2. 前記一連の区間内の傾斜が急激に変化する場所は、5度以上45度以下の傾斜部を含んでいることを特徴とする請求項1記載のパイプインパイプ工法。
  3. 前記新管の運搬工程で運搬される前記新管であるダクタイル鋳鉄管の端部側には、外方に延出したフランジ部が形成されていることを特徴とする請求項1記載のパイプインパイプ工法。
  4. 前記既設管内で新管を運搬する際に、運搬される新管が、前記既設管内壁、レール受け台、前記傾斜部チェーンラック装置の何れかに接触する虞のあるときには、前記管運搬台車のリフト装置を駆動させ、前記運搬される新管の高さ又は角度、若しくは高さ及び角度を調節し、運搬することを特徴とする請求項1記載のパイプインパイプ工法。
  5. 前記管接続工程では、既に新管が配管してある場所まで運搬された、次に配管する新管を前記管運搬台車に載置した状態で、前記管運搬台車のリフト装置を駆動させ、前記運搬されてきた新管の高さ又は角度、若しくは高さ及び角度を調節し、既に配管された新管と、前記運搬されてきた新管との間で芯出しを行い、前記運搬されてきた新管を前記既に配管された新管と直接接合することを特徴とする請求項1記載のパイプインパイプ工法。
  6. 前記管運搬台車は、運搬する新管の長さに合わせ車輪の間隔を調節可能とし、該車輪の間隔を調節して前記新管を載置して運搬してなることを特徴とする請求項1記載のパイプインパイプ工法。
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