JP2010078104A - 作業車両の変速装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作性や安全性に優れ、最適な変速制御が可能なトラクタなどの作業車両の変速装置を提供することである。
【解決手段】前後進クラッチD内部の作動圧を操作量により調整するクラッチペダル119と、クラッチペダル119の操作量を検出するクラッチペダルセンサ119aと、クラッチペダルセンサ119aの検出値に応じた作動圧にする処理を行う指示圧力処理機能部(X)を有すると共に、前記検出値に応じた作動圧の変化速度が所定値以上の場合に、作動圧の変化速度を規制する処理を行う指示圧力規制処理機能部(Y)を有する制御装置100とを設ける。実際の油圧クラッチD内の動力伝達作動とオペレーターの操作との間にずれが生じても、クラッチペダル119による指示圧力の変化速度(P)が規制圧力の変化速度(K)に規制されるため、一気にトルク伝達がされるようなことが無く安全性が向上すると共に、オペレーターにとっても操作性に優れる。
【選択図】図9

Description

本発明は、農業用、建築用、運搬用等の作業機を連結した作業車両、特にトラクタなどの変速装置に関する。
従来、トラクタなどの作業車両の変速装置は、油圧シリンダを作動させて油圧クラッチ用の制御弁が操作されることで油圧クラッチの入り切りが行われ、変速される構成である。この油圧クラッチ用の制御弁の操作は人為的に操作しなくても、通常自動的に行われるように制御される。そして、油圧シリンダによるシフトギアのスライド操作を円滑にするためには、油圧クラッチを完全に切り操作する必要があるため、油圧シリンダによる変速操作開始時に制御弁を排油側に操作して油圧クラッチから油圧クラッチの入り操作用の油を抜いている。
そして、油圧シリンダによる変速操作終了後に油圧クラッチに作動油を供給するが、作動圧がなしの状態から油圧クラッチが入り操作されるのに必要な作動油を供給するにはある程度時間がかかること、またこの供給時間を短縮するために油圧シリンダによる変速操作終了後に油圧クラッチに作動油を急速に供給すると油圧クラッチが繋がるショックが大きくなることなどの問題があった。
そこで、下記特許文献1には、走行用のギア変速装置における変速用のシフトギアを、操作指令に基づいてスライド操作するアクチュエータを備えた作業車の走行変速構造であって、(イ)油圧操作式の第1クラッチと、急速なクラッチ入り操作が可能な第2クラッチとを走行伝動系に直列に設け、(ロ)アクチュエータによる変速操作開始に連動して第2クラッチを急速に切り操作し、且つ第1クラッチの作動圧を所定低圧(P2)まで減圧して第1クラッチを切り操作する第1制御手段を備え、(ハ)アクチュエータによる変速操作終了に連動して第2クラッチを急速に入り操作し、且つ第1クラッチの作動圧を漸次的に上昇してクラッチ入り操作する第2制御手段を備え、(ニ)クラッチペダルとクラッチペダルの踏み込み位置を検出するセンサーを備え、(ホ)クラッチペダルを所定位置(G2)までの範囲内にて踏む込み操作すると、第1クラッチの作動圧を入り状態の圧力(P1)から所定低圧(P2)の範囲内で、その踏み込み位置に応じた圧力に減圧操作する第3制御手段を備え、(ヘ)クラッチペダルを所定位置(G2)よりさらに踏む込み操作すると第2クラッチを切り操作する第4制御手段を備えた作業車の走行変速構造が開示されている。
上記構成により、アクチュエータによる変速操作が開始されると第2クラッチが急速に切り操作されると共に、第1クラッチ内の入り操作用の作動圧が所定低圧まで抜かれる。このとき第1クラッチは完全に切り状態とはならないが、第2クラッチが完全な切り状態となって走行系全体として切り状態となり、アクチュエータによる変速操作が行われる。そして、変速操作が終了すると、第2クラッチが急速に入り操作されるが、第1クラッチは完全ではない切り状態であるため動力伝達は行われず、その後第1クラッチを完全に入り状態になるように操作するが、この場合作動圧がある程度残っているため第1クラッチを完全に入り状態にするまでに要する時間は短くなる。また、第1クラッチの作動圧を上昇させる場合でも漸次的に上昇させているため第1クラッチが入り状態になる際のショックは大きくならない。
特開平4−231220号公報
前記特許文献1記載の発明では、所定低圧で入り切り操作される第1クラッチと急速に入り切りされる第2クラッチを設けることで、ショックを押さえながら変速操作全体としての時間を短くすることで作業車の変速性能の向上を図っている。
このように、特許文献1記載の発明においては、クラッチペダルの操作によってセンサによって検出されたクラッチペダル位置に応じた作動圧まで短時間で、且つショックが大きくならないように制御される。そして、クラッチペダルを急速に操作した場合はクラッチペダルの踏み込み位置によって指示される作動圧が高くなってクラッチ内の入り操作用の作動圧も上昇するが、このようにクラッチペダルの踏み込み位置に応じた作動圧が高い場合も、指示された作動圧(指示圧力)まで一気に上昇する。
そして、クラッチペダルの位置に応じて決定される指示圧力のみで変速制御した場合は、油圧クラッチのクラッチ内の容積が作動油に満たされて、実際に駆動軸などにトルクが伝達されるまでの時間や油圧バルブ自体の応答の遅れ(タイムラグ)などによって実際の作動圧とオペレーターの操作とのずれ(時間のずれ)が生じる。
前記特許文献1記載の発明の図3に示す第1クラッチの作動圧と第2クラッチの入り切り状態とクラッチペダル位置等のタイムチャートによれば、クラッチペダルを切り状態位置G3から入り状態位置G1に動かしている。その際に、クラッチペダルが所定位置G2と入り状態位置G1の間で第2クラッチを完全に入り状態にすると共に、第1クラッチを半クラッチ状態にして、ショックを防止している。そして、クラッチペダルが入り状態位置G1(完全接続位置である)にくると第1クラッチを完全に入り状態にしている。
しかし、クラッチペダルを所定位置G2と入り状態位置G1の間から入り状態位置G1へ移動させるときにおいて、切り状態位置G3から入り状態位置G1へ急に移動させるときほどではないが、急に移動させると、急発進する場合がある。また、クラッチペダルが入り状態位置G1にくると、オペレーターはこのタイミングでクラッチは完全に接続していると思っているが、油圧の立ち上がりの遅れなどで後から急に加速する場合がある。
すなわち、入り状態位置G1ではオペレーターはクラッチペダルから足を離しているので、これ以上は加速しないという認識でいる。しかし、このようなときに、油圧の立ち上がりの遅れ等で急に加速してしまうとオペレーターの感覚とは食い違ってしまい、操作性に劣る。
このように、作業車が動き出す時に、クラッチペダルの急操作によって指示された作動圧が高くなりすぎていて急発進し、オペレーターの感覚とは食い違って、操作の際のフィーリングが合わなくなるなどの問題が生じる。また急発進することは安全面でも好ましくない。
したがって、クラッチペダルの位置に応じて決定される指示圧力のみで変速制御した場合、未だ操作性や安全性に優れているとは言えない。
本発明の課題は、操作性や安全性に優れ、最適な変速制御が可能なトラクタなどの作業車両の変速装置を提供することである。
本発明の課題は、次の解決手段により解決される。
請求項1記載の発明は、駆動源(62)と、該駆動源(62)の動力を非接続状態から接続状態まで、供給又は排出される内部の作動油の油圧に応じて連続的に接続状態を変化させる油圧クラッチ(D)と、該油圧クラッチ(D)内部の作動油の油圧圧力を操作量により調整するクラッチ操作手段(119)と、該クラッチ操作手段(119)による操作量を検出するクラッチ操作量検出センサ(119a)と、前記クラッチ操作手段(119)の操作によってクラッチ操作量検出センサ(119a)から検出される検出値に応じた油圧クラッチ(D)の作動油の油圧圧力にする処理を行う指示圧力処理機能部(X)を有すると共に、前記クラッチ操作量検出センサ(119a)の検出値に応じた油圧クラッチ(D)の作動油の油圧圧力の変化速度が所定値以上の場合は、該作動油の油圧圧力の変化速度を規制する処理を行う指示圧力規制処理機能部(Y)を有する制御装置(100)を設けた作業車両の変速装置である。
請求項2記載の発明は、更に、前記制御装置(100)には、前記クラッチ操作手段(119)の操作によってクラッチ操作量検出センサ(119a)から検出される検出値に応じた作動油の油圧圧力の変化速度が所定値以上の場合であって、作動油の油圧圧力が上昇するときは前記指示圧力規制処理機能部(Y)を選択する一方、作動油の油圧圧力が下降するときは前記指示圧力処理機能部(X)を選択する処理を行う機能部を備えている請求項1記載の作業車両の変速装置である。
請求項1記載の発明によれば、前記制御装置(100)は、クラッチ操作量検出センサ(119a)による検出値に応じた油圧クラッチ(D)内の作動油の油圧圧力の変化速度が所定値以上である場合、すなわち変化速度が速い場合に、クラッチ操作手段(119)により指示された作動油の油圧圧力の変化速度を規制する処理を行う指示圧力規制処理機能部(Y)を有する。
したがって、実際の油圧クラッチ内の動力伝達作動(油圧の立ち上がり)とオペレーターの操作との間にずれ(時間のずれ)が生じたとしても、作業車両が動き出す時に、クラッチ操作手段(119)の操作量によって指示された作動圧(指示圧力という場合がある)の変化速度が規制されて、指示圧力に一定の変化速度で変化するため、一気にトルク伝達がされるようなことが無く安全性が向上すると共に、オペレーターの操作の際のフィーリングが合致し、オペレーターにとっても操作性に優れる。
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、前記制御装置(100)は、前記クラッチ操作量検出センサ(119a)による検出値に応じた作動油の油圧圧力の変化速度が所定値以上の場合に、作動油の油圧圧力が上昇するときは、前記指示圧力規制処理機能部(Y)を選択するが、作動油の油圧圧力が下降するときは、前記指示圧力処理機能部(X)を選択する処理を行う機能を有する。
クラッチ操作量検出センサ(119a)によって検出される検出値に応じた油圧クラッチ(D)内の作動油の油圧圧力の変化速度が所定値以上であっても、クラッチを踏み込む方向にクラッチ操作手段(119)による操作を急速に行った場合は、クラッチ操作手段(119)の操作の通りの指示圧力でクラッチを切るようにする。
このように、作動油の油圧圧力が急激に下降する場合は、迅速にクラッチ操作手段(119)の指示圧力になるように制御することで、クラッチ操作手段(119)によってクラッチ(D)を切ってもなかなか作動油の油圧圧力が低下せず作業車両が停止するまでに移動する距離が長くなってしまうことを防止できる。このように作業車両の停止までの移動距離が長くならないことで、オペレーターにとってもクラッチ操作手段(119)の操作と実際の作業車両の作動とのギャップがあまりなく、違和感が生じたり、操作性が悪くなってしまうことを防止できる。
一方、作動油の油圧圧力が上昇する場合は、クラッチ操作手段(119)の操作量によって指示された作動圧の変化速度が規制されることで、作業車両の急発進を防止して、より安全性を高めている。
本発明の実施の形態について以下図面と共に説明する。なお、本明細書では作業車両の前進方向に向かって左右をそれぞれ左、右といい、前後をそれぞれ前、後ということにする。ここで、本明細書において左右の走行車軸とは、作業車両の進行方向を向いて左右方向の走行車軸をいう。そして、本発明の実施の形態によれば、作業車両の一例であるトラクタを例として以下に説明する。
図1には本発明の実施形態のトラクタの左側面図を示し、図2には、図1のトラクタのトランスミッション内の動力伝動図を示す。更に図3には図2の動力伝動図の油圧回路図を示し、図4には図1のトラクタの制御ブロック図を示す。また、図5には、クラッチペダル周辺の拡大側面図を示す。
乗用四輪駆動の走行形態を有するトラクタ車体Tは、ステアリングハンドル73(図6,図7)で前輪61を操向しながら走行運転する。車体Tの後部にはロータリ耕耘装置等の作業機を3点リンク機構により昇降可能に装着して対地作業を行うことができる。この車体Tは、前端部にフロントアクスルハウジング(図示せず)に支架させるエンジンブラケットを介してエンジン62を搭載し、このエンジン62の後側にクラッチハウジングや、ミッションケース65等を一体的に連結し、このミッションケース65の最後部にリヤアクスルハウジング(図示せず)を設けて、左右両側部に後輪63を軸装する。
図2には、図1のトラクタのトランスミッション内の動力伝動図を示す。
エンジン62は後側に突出のエンジン軸1を有し、このエンジン軸1をクラッチハウジング部の入力軸2に連結する。ミッションケース65内の伝動機構を介して後端部の出力軸3及びPTO軸14を連動すると共に、ミッションケース65の下部に設けた前輪出力軸5を連動する構成としている。この出力軸3はミッションケース65内の後部の略中央部において前後方向に沿うように軸受されて後端にドライブピニオンギヤ53を有し、リヤデフ45のデフリングギヤ46に噛合し、リヤアクスルハウジングに沿って軸装されたリヤデフ軸10と後輪軸11を遊星減速機構を介して連動する。また、前輪出力軸5はミッションケース65の下部からエンジン62の下部を経て、フロントアクスルハウジングの中央部に設けられるフロントデフ47の入力軸26に連結され、このフロントアクスルハウジングに沿って軸装されるフロントデフ軸12及び遊星減速機構等を介して前輪軸13へ連動する構成としている。なお、入力軸2から油圧ポンプ80(図3)への動力取り出し用のギヤ駆動軸15,17が入力軸2に並列配置されている。
図2に示すトランスミッションの噛合式変速装置は、エンジン軸1によって駆動される入力軸2から入力ギヤ31に連動されるPTO変速カウンタギヤ44を有するPTOカウンタ軸9上にPTOクラッチパック66を設けている。PTOクラッチパック66や入力ギヤ31などからなるPTOの動力伝達部の構成をPTOクラッチEということにする。
また入力軸2には前後進切替用の前後進切替ギア42、42が遊転状態に設けられ、一方の後進側の前後進切替ギア42には入力軸2と並列配置されたバックカウンタ軸8に設けられたバックカウンタギア43が噛合し、他方の前進側の前後進切替ギア42には主変速軸19上に固定した入力ギヤ48と該主変速軸19上に遊転自在に設けた有効径の異なる4つの主変速ギヤ33を設ける。これら4つの主変速ギヤ33は、四段変速に構成され、クラッチパック76によって切替シフトされ、4つの主変速ギヤ33から構成される変速装置を主変速油圧クラッチAということにする。
前記主変速軸19上には、前記主変速油圧クラッチAの4つの主変速ギヤ33のうち、最も有効径の小さい主変速ギヤ33(第1速用)と3番目に有効径の小さい主変速ギヤ33(第3速用)との間にクラッチパック76を固定して設け、2番目に有効径の小さい主変速ギヤ33(第2速用)と最も有効径の大きい主変速ギヤ33(第4速用)との間にクラッチパック76を固定して設ける。前記2つのクラッチパック76には、各主変速ギヤ33を主変速軸19と一体回転するように連結する摩擦クラッチが各々設けられている。
また、前後進切替ギヤ42の前進側のギヤと噛合可能な入力ギヤ48は、前後進切替ギヤ42の後進側のギヤともバックカウンタ軸8上のバックカウンタギヤ43と噛合っており、該前後進切替ギヤ42のうちの前進側のギヤ42と後進側のギヤ42とを、前後独立した摩擦クラッチから成る2つの前後進切替クラッチパック60の切替によって択一的に入力軸2と一体化して、前進走行と後進走行とに切替えられる構成である。後述する油圧シリンダ85(図3)を含めこれらギヤ42とクラッチパック60などからなる構成を前後進油圧クラッチDということにする。前後進油圧クラッチDは、エンジン62の動力を非接続状態から接続状態まで、供給又は排出する内部の作動油の油圧に応じて連続的に接続状態が変化している。
また、前後進油圧クラッチDの切替を手動で行う前後進切替レバー115(図6)をステアリングハンドル73のポスト部分に設け、クラッチぺダル(クラッチ操作手段)119(図5,図6,図7)はハンドルポストの足下に設けている。
クラッチぺダル119を操作することで、クラッチぺダル119の操作量(操作位置)に応じた作動圧となるように、後述するコントローラ(制御装置)100の指示圧力処理機能部(X)(図4)によって、前後進油圧クラッチDに供給又は排出する作動油の油圧圧力(前後進油圧クラッチD内部の作動油の油圧圧力)を調整することができる。
図5に示すように、クラッチペダル119の上部には戻しスプリング120が接続し、下部には戻しガスダンパ121が接続しており、これら戻しスプリング120及び戻しガスダンパ121によってクラッチぺダル119は上方に付勢されている。そして、クラッチぺダル119を矢印L方向に踏み込み又は戻し操作をする際にクラッチぺダル119の操作位置(操作量に対応する)がクラッチペダルセンサ119a(ポテンショメータなど)により検出される。
主変速軸19と同軸芯位置に設けられた副変速軸20にはクラッチパック76によって切替シフトされる有効径の異なる2つの高低速切替ギヤ34が設けられており、主変速後の駆動力を更に減速して高速と低速とに切り替えることができる。この高速と低速とに切り替え可能なギア構成をハイ・ロー変速クラッチBということにする。
さらに副変速軸20と同軸上には有効径の異なる3つの副変速ギヤ35を有する出力軸3が配置されている。出力軸3は副変速ギヤ35により三段変速する構成としている。この三段変速可能なギヤ35の構成を副変速ギア伝動機構Cということにする。
また、副変速ギヤ35に噛合するクリープカウンタギヤ49を備えたクリープカウンタ軸21が出力軸3に並列位置に設けられている。また主変速ギヤ33や高低速切替ギヤ34等と噛合する主変速カウンタギヤ39と高低速切替ギヤ40を有する走行カウンタ軸6が主変速軸19や副変速軸20と並列位置に配置されており、主変速軸19から伝動される回転が主変速ギヤ33で変速されて、その回転が主変速カウンタギヤ39と高低速切替ギア40を順次経由して副変速軸20に設けられた高低速切替ギヤ34に伝達される。高低速切替ギヤ34に伝達された動力はクラッチパック76を介して副変速軸20上に設けた副変速ギヤ35による変速機構を介して出力軸3に伝達される。
この走行動力伝達系では、PTO正逆切替ギヤ37機構を備えたPTO連動軸4を回転する伝動形態である正逆転PTOを設けている。
また、前記副変速ギヤ35と噛み合う副変速カウンタギヤ38の副変速カウンタ軸27を回転自在に支持すると共に、出力軸3から前輪取出ギヤ36を介して連動される前輪連動ギヤ51を有する前輪連動軸28を設け、この前輪連動軸28の前方延長軸芯上にはPTO減速ギヤ50を有するPTO減速軸23を設けている。さらに、前輪連動軸28の並行位置にPTO連動軸4を設け、該PTO連動軸4と同軸芯上前端部にPTO連動軸4を正転と逆転に切替えるPTO正逆切替ギヤ37のPTO正逆切替軸22と、PTO変速ギヤ32のPTO変速軸18を配置している。
また、PTO正逆切替ギヤ37と噛合するPTO逆回転カウンタギヤ52を有するPTO逆回転カウンタ軸24が前記PTO正逆切替軸22の側部に設けられ、PTOクラッチパック66の入りによって、入力軸2からPTO変速ギヤ32、PTO変速カウンタギヤ44及びPTO正逆切替ギヤ37等を介してPTO正逆切替軸22へ動力が伝動するように構成している。前記正逆切替ギヤ37は前記PTO変速ギヤ32と同形態のクラッチリングを用いる形態としている。このPTO正逆切替軸22の側方にはPTO逆回転カウンタギヤ52を有する逆回転カウンタ軸24を設け、PTO逆回転カウンタギヤ52は、PTO減速ギヤ50からの連動を受けてPTO正逆切替ギヤ37を逆回転することができる。なお、前記PTOカウンタ軸9の後方に減速軸23が配置される。 更に、ミッションケース65内の下段部に配置された前輪出力軸5は、ミッションケース65の後部底部に軸装されて、前輪連動軸25やカップリング等を介して前記フロントデフ47の入力軸26へ連結する。この前輪出力軸5の横側には前輪駆動軸7が配置されている。前輪駆動軸7の後端には前輪ギヤ55が設けられている。また、前記出力軸3の後端部の前輪取出ギヤ36に前輪連動軸28上の第1の前輪連動ギヤ51が噛合し、該第1の前輪連動ギヤ51を介して前輪連動軸28に伝達される出力軸3の駆動力は、前輪連動軸28と一体回転する第2の前輪連動ギア54に伝達されて、該前輪連動ギア54から前輪駆動軸7に伝達される。
また前輪駆動クラッチパック67を前輪駆動軸7上に設け、この駆動軸7の前端部から前輪出力軸5へギヤ連動する。また、有効径の異なる2つの前輪駆動切替ギヤ41が前輪駆動クラッチパック67の左右に配置されており、該2つの前輪駆動切替ギヤ41は、カウンタ軸59に設けた有効径の異なる2つの切替駆動カウンタギヤ56に各々噛み合わされ、前輪駆動クラッチパック67を択一的に接続することにより、2つの減速比のうちのいずれか一方の減速比で前輪駆動軸7を駆動することができる。
前輪駆動クラッチパック67を中立位置にシフトするときは前輪61を駆動させない後輪駆動の二駆形態とし、この前輪駆動クラッチパック67を油圧操作によって切り換えて低速位置にシフトするときは前輪61を後輪63に対して約1倍の等速駆動させる四駆形態とし、また、この前輪駆動クラッチパック67を油圧操作によって切り換えて高速位置にシフトするときは前輪61を後輪63に対して約2倍に増速駆動させる四駆形態とすることによって走行することができる。
上記構成からなる噛合式変速装置により、エンジン62の回転動力は主クラッチを構成する前後進油圧クラッチDを経由して4段の変速段からなる主変速油圧クラッチAと2段の変速段からなるハイ・ロー変速クラッチB及び3段の変速段からなる副変速ギア伝動機構Cで合計24段のうちのいずれかの変速段に変速され、得られた回転動力はリヤデフ45を経て後輪63が駆動される。また、前記副変速ギア伝動機構Cで変速された回転動力は前輪駆動クラッチパック(二駆四駆切替クラッチ)67にも伝達され、該クラッチパック67により前輪61が「等速」もしくは「増速」に切り換えられた後、フロントデフ47を経て前輪61が駆動される。
また、PTO変速ギヤ32、走行系の主変速ギヤ33、高低速切替ギヤ34及び副変速ギヤ35等を、ドライブピニオンギヤ53を有する出力軸3の軸芯上に沿って配置する構成とする。走行系の伝動は、入力軸2から出力軸3の軸芯上に配置される主変速ギヤ33、高低速切替ギヤ34及び複変速ギヤ35等を介してドライブピニオンギヤ53へ多段変速連動される。また、PTO系の変速は、この出力軸3の軸芯上の前端部に設けられるPTO変速ギヤ32を介して連動される。
次に図3には図2の動力伝動図の油圧回路図を示す。
図3の油圧回路図では左右の後輪63を独立して制動する左右のブレーキシリンダ83、前輪61へ伝達する動力を「等速」もしくは「増速」に切り換える四駆切換クラッチシリンダ99、ステアリングハンドル73の回転操作により作動するパワーステアリング装置103、PTOクラッチシリンダ104、PTOクラッチ切替弁105、PTOクラッチ比例圧力制御弁106などが設けられている。なお、一点鎖線部分の回路101はメイン油圧回路(作業機昇降・作業機水平や外部油圧取出しなど)となり、サブ回路(走行・ブレーキ・デフロック・PTO側回路)とあまり関係がないため、回路図の図示を省略している。
油圧ポンプ80から吐出した作動油は、減圧弁81aを介して主変速油圧クラッチAの第4速用と第2速用の各ギア33をクラッチパック76を介してそれぞれ作動させる油圧クラッチシリンダ88と油圧クラッチシリンダ87を切り替える主変速(2−4)クラッチ比例圧力制御弁(2−4速昇圧ソレノイド)89に供給され、さらに主変速油圧クラッチAの第1速用と第3速用の各ギア33をそれぞれ作動させる油圧クラッチシリンダ91と油圧クラッチシリンダ92を切り替える主変速(1−3)クラッチ比例圧力制御弁(1−3速昇圧ソレノイド)93に供給される。
減圧弁81aを経由する作動油は、前後進クラッチシリンダ85のオン・オフ制御弁129を介して前後進クラッチシリンダ85の前進側と後進側の油圧クラッチDを切り替える切替弁86(前進ソレノイド86F,後進ソレノイド86R)に供給される。該前後進クラッチシリンダ85の前進側と後進側の油圧クラッチDのいずれに作動油が供給されているかは前進側クラッチ圧力センサ110(図4)と後進側クラッチ圧力センサ111(図4)で検出できる。また、前・後進クラッチDの油圧を昇圧するための前後進昇圧ソレノイド90を設けている。
そして、同様に、上記及び下記油圧クラッチシリンダに供給される作動油はそれぞれの油圧クラッチシリンダへの入口側の油路に設けた圧力センサ(例えば油圧クラッチAの第1速用から第4速用までの圧力センサ145a〜145dやPTOクラッチEの圧力センサ146など(図4))で検知できる構成になっている。また、図4に示すように、各センサ、スイッチ類の信号がコントローラ100に入力されることで、コントローラ100はメータパネル213の表示部215に各センサ、スイッチ類の指示に応じた信号を出力して表示させる処理を行う。
また、油圧ポンプ80から吐出した作動油は、減圧弁81bを介してブレーキバルブ82aを経由して左右のブレーキシリンダ83に分岐供給される。前記ブレーキバルブ82aは後輪63を選択する切替制御弁であり、該ブレーキバルブ82aはブレーキ力を調整する圧力制御弁82bと一体構成となっている。
さらに、減圧弁81bを経由する作動油は、前記第1速〜第4速用の各ギア33で変速された速度を「高速」と「低速」の二つのギヤ40のいずれかにクラッチパック76を介して作動させるハイ・ロー油圧クラッチシリンダ95を切り替えるための制御弁96a,96bに供給される。
また、減圧弁81bを経由する作動油は、デフロック制御弁97を経てフロントデフ47用の前輪デフロックシリンダ98a及びリアデフ45用の後輪デフロックシリンダ98bに分岐される。
さらに、前輪駆動クラッチパック67のギア41の切替用の油圧シリンダ99には切替制御弁94を経て前記減圧弁81bを経由する作動油が供給される。
同様に、減圧弁81bを経由する作動油は、PTO用バルブ105,106を介してPTOクラッチシリンダ104に供給され、PTOクラッチEの圧力を調整する。
また図3に示す油圧ポンプ80からの油圧は、パワステアリングハンドル73の操作で作動される操舵油圧分配器107に作動油を供給する構成である。
クラッチペダル119の非操作時(足踏み式ペダル119の踏み込み操作をしていない時)には前後進切替クラッチパック60、60が接続状態(クラッチ入りの状態)となり、エンジン動力が変速装置内の前進側の駆動機構又は後進側の駆動機構に伝達される。 クラッチペダル119を操作すると(足踏み式ペダル119の踏み込み操作をすると)と該前進又は後進用のクラッチパック60の接続状態が解除される(クラッチ切りの状態)。前進側又は後進側の切り換えは前後進レバー115で行なう。
また、図6には、図1のトラクタの操縦席付近の上面図を示し、図7には同じく斜視図を示し、図8(a)には図6及び図7に示したスイッチボックス180の平面図を示し、図8(b)には図8(a)の側面図を示す。
トラクタの操縦席16の左側には、トラクタの前進と後進の切り替えを行う前後進切替レバー115や駐車ブレーキ172、前方側のPTOチェンジレバー173a(2速−N(中立)−1速にチェンジ可能)、後方側のPTOチェンジレバー173b等を配置している。後方側のPTOチェンジレバー173bは、型式によって3種類ある(機能が異なるだけで図は同じである)。
Z型は正逆切換レバー(前側が正転、後側が逆転)であり、WX型はエコノミーPTO切換レバー(前側が切−後側が入)であり、入りにすると、PTO軸が所定回転ダウンする。また、GWD型はグランドPTO切換レバー(前側が切−後側が入)であり、入りにするとPTO軸の回転が車速に同期(シンクロ)する。
一方、トラクタの操縦席16の右側には、アクセルペダル175やアクセルレバー176(前に倒すとエンジン回転数増大、一番手前にするとアイドリングになる)、更に圃場や建設、土木作業場など(以下、圃場という)の作業領域(以下、圃場内という)における作業時のエンジン回転数を設定してメモリ(記憶部)100aに記憶させるためのエンジン回転数記憶スイッチ177aなどがある。エンジン回転数記憶スイッチ177aは、いわゆるシーソースイッチであり、上側又は下側を押して指を離すと自動的に押していない状態に戻る。また、コントローラ100のメモリ100aには2通りのエンジン回転数を記憶できるので、その切換スイッチである。
例えば、エンジン回転数記憶スイッチ177aの上側を押すとエンジン回転数がA回転数になり、下側を押すとB回転数となる。上側を押して指を離すとエンジン回転数記憶スイッチ177aは押す前の位置に戻るが、スイッチ177aは入り状態になっており、エンジン回転数はコントローラ100によりA回転数になるように制御されて保持される。同様に、下側を押して指を離すとエンジン回転数記憶スイッチ177aは押す前の位置に戻るが、スイッチ177aは入り状態になっており、エンジン回転数はコントローラ100によりB回転数に制御されて保持される。エンジン回転数は、エンジン回転センサ112(図2,図4)によって検出される。
本実施形態の場合は2通りのエンジン回転数を記憶できる例を示しているが、それよりも多い3通り以上の回転数を記憶できる構成でも良い。この場合は、スイッチを換える必要があり、例えば、上下左右にシーソーするスイッチにすると4通りの回転数が記憶可能となる。
また、エンジン回転数記憶スイッチ177aの後方のエンジン回転数設定スイッチ177bもシーソースイッチであり、上側又は下側を押して指を離すと自動的に押していない状態に戻る。そして、エンジン回転数記憶スイッチ177aを押した後(上側又は下側)、押した状態のままエンジン回転数設定スイッチ177bの上側を押すとエンジン回転数が上昇し、又は下側を押すとエンジン回転数が下降する。エンジン回転数記憶スイッチ177aは押した状態でなくてもよい。そして、新たに設定した回転数がメモリ100aに記憶される。
更に、アクセルレバー176の後方には、副変速レバー179(低速、中速、高速、路上走行速)を設けており、低速8段、中速8段、高速8段、路上走行速4段(高速8段の上側4段)などの変速が可能である。副変速レバー179はレバーガイド179aに沿って前後方向と左右方向に作動し、前方右側に倒すと高速179c、前方左側に倒すと路上走行速179b、後方右側に倒すと中速179d、後方左側に倒すと低速179eとなる。そして、前後方向位置及び左右方向位置は副変速レバー位置センサ(図示せず)により検出されて、当該センサ信号がコントローラ100(図4)に入力される。また、後述する主変速増減速スイッチ(センサ)192a,192bなどの変速段の操作もコントローラ100に入力される。
更に前後進切替レバー115の操作位置を検出する前後進レバーセンサ167(図4)やアクセルペダル175の踏み込み位置を検出するアクセルポジションセンサ175a(図4)、クラッチペダル119の操作位置を検出するクラッチペダルセンサ119a等によるセンサ信号がコントローラ100に入力されることで、コントローラ100によりそれぞれの操作内容に応じた制御が行われる。
図2には副変速ギア伝動機構Cの拡大図を示している。
副変速レバー179の位置が低速では、ギア137がギア139に噛み合い、伝動の流れは、副変速軸20、副変速ギヤ35、副変速カウンタギヤ38、ギア134、ギア140、ギア135、クリープカウンタギヤ49a、クリープカウンタギヤ49b、ギア136、ギア139、ギア137、出力軸3となる。
副変速レバー179の位置が中速では、ギア131がギア133に噛み合い、伝動の流れは、副変速軸20、副変速ギヤ35、副変速カウンタギヤ38、ギア134、ギア140、ギア133、ギア131、出力軸3となる。
副変速レバー179の位置が高速では、ギア131がギア130に噛み合い、伝動の流れは副変速軸20、副変速ギヤ35、ギア130、ギア131、出力軸3となる。
路上走行速では副変速のレバー位置の変更はなく、高速位置の状態であり、高速の上側4段(5速〜8速)を使用する。
なお、トランスミッション内の副変速ギア伝動機構Cは3段であるが、副変速レバー179の変速位置は、4段(低速179e、中速179d、高速179c、路上走行速179b)である。主変速油圧クラッチAは4段、ハイ・ロー変速クラッチBは2段であるため、低速、中速、高速で副変速の位置に対する変速段数は各8段となる。すなわち、副変速が低速で8段、副変速が中速で8段、副変速が高速で8段となる。路上走行速については、高速8段の上側(高速側)4段となり、コントローラ100により上側4段のみ使用することにしている。したがって、副変速レバー179を路上走行速にしても、トランスミッション内の変速機構は何も動かず、高速位置のままである。
また、サブコントロールレバー1連目178aは外部油圧取り出しレバーのことであり、トラクタのロータリ耕耘装置を外して別の作業機を駆動するときなどに高圧のオイルを供給するためのものである。サブコントロールレバー1連目178aの後方にはサブコントロールレバー2連目178bを配置しており、3連目(図示せず)や4連目(図示せず)を設けても良い。
ドラフト比調整ダイヤル182は、ドラフトコントロールの感度を調整するダイヤルであり、左側に回すとポジション側、右側に回すとドラフト側となり、ポジション側(左側)にするほど負荷にかかわらず、設定している耕耘深さを維持する制御となる。また、ドラフト比調整ダイヤル182を右側に回すと負荷優先となる。すなわち、所定以上の負荷が作業機に作用すると、耕深よりも負荷を軽くするために作業機(ロータリ耕耘装置など)の図示しない作業機の昇降シリンダを少し上げるように制御する。
したがって、圃場の状態やオペレーターの好みでドラフト比を調整できる。表1には、ドラフト比の調整と圃場の状態との関係を示す。
(表1)
ドラフト比 1 5
調整ダイヤル (左回し) (右回し)
耕深 浅くする ←→ 深くする
土質 軽い ←→ 重い
すなわちポジション側(左)に回すほど、負荷に対するロータリ耕耘装置の昇降変化量が少なくなり、耕す深さを優先する。ドラフト側(右)に回すほど負荷に対するロータリ耕耘装置の昇降変化量が大きくなり、負荷の軽減を図るようにする。
そして、ロータリ耕耘装置の上げ調整ダイヤル183は、ロータリ耕耘装置の高さを調整するためのものであって、左側に回すとロータリ耕耘装置の高さが低くなり、右側に回すと高くなる。上げ調整ダイヤル183により、ロータリ耕耘装置の3点リンク機構の高さを調整できる。作業機によっては最も高く上げるとトラクタ本体に当たる場合もあるが、作業機の高さをリフトシリンダの伸縮により調整することで、このような不具合を防止できる。また、それほど上げる必要のない作業機は、この上げ調整ダイヤル183で調整して、効率的な作業を行うことができる。
そして、傾き調整ダイヤル184は、ロータリ耕耘装置の傾きを調整するもので、左側に回すと右上がりとなり、右側に回すと右下がりとなる。更に4WD切替スイッチ185は走行ローダと2WDと4WDとフルターンと2WDターンに切換ができる。
走行ローダは、路上走行やローダ作業時に使用し、通常は2輪駆動である。しかし、トラクタがぬかるみに入ったり、急な坂道、凹凸道になった場合は、自動的に4輪駆動になる。そして、ブレーキをかけると自動的に4輪駆動になったり、運転中に停止すると4輪駆動になる。すなわち、4輪駆動になることで2輪駆動の場合と比べて走行ブレーキ機能がより発揮され、安定して走行停止ができるようになる。
2WD(2輪駆動)の場合は後輪63、63が駆動し、4WD(4輪駆動)の場合は4輪(前輪61、61、後輪63、63)が駆動する。また、フルターンは4WDにおいて旋回時に前輪61、61の速度が増速され、素早い旋回となる。更に2WDターンは固い圃場などでは、旋回時のみ前輪61、61の駆動となり、旋回が素早くスムーズに行える。
更に、水平シリンダ(図示せず)の手動上げ下げスイッチ186を手動で操作することにより、ロータリ耕耘装置などの3点リンク機構の水平シリンダを動かすことができる。そして、圃場の状態により、ロータリ耕耘装置の左右傾斜を調整する。また、手動上げ下げスイッチ186は、ロータリ耕耘装置などの作業機の脱着等に使用する。
また、PTO入り切りスイッチ187を押しながら右側に回すとPTOが入りになってロータリ耕耘装置が作動し、PTOが入り状態の時に押すと自動でPTOが切りに戻るとロータリ耕耘装置が停止する。更に、PTO手動自動スイッチ188を左側に回すと手動になり、ロータリ耕耘装置の作動を手動で設定して操作する。この場合は、PTO入り切りスイッチ187により、PTO変速が入っているとロータリ耕耘装置が常時作動する。
また、PTO手動自動スイッチ188を右側に回すと自動になり、ロータリ耕耘装置の作動が自動で行われる。この場合、ロータリ耕耘装置を上昇させると自動でロータリ耕耘装置の回転が止まり、ロータリ耕耘装置を下降させると自動でロータリ耕耘装置の回転が再開する。
そして、PTO手動自動スイッチ188が手動側に設定されている場合は、PTO入り切りスイッチ187が入りの状態で、チェンジが入っていると(PTOチェンジレバー173が中立以外の時の状態をいう)常時PTO軸14が回転する。PTO手動自動スイッチ188が自動側に設定されている場合は、クラッチペダル119を踏んだり、ロータリ耕耘装置を上昇させることにより回転が止まる。この機能は、主に水田作業で利用する。
そして、デフロックスイッチ189は、シーソースイッチであり、操縦席16とは反対側を押すとデフロックとなり、もう一度押すとデフロックは解除される。なお、オペレーターの腕などが不用意に当たることによる誤操作を防止するため、座席16側は押せない構成である。
そして、操縦席16右側のアームレスト部30には作業機の昇降位置をコントロールするための作業機ポジションレバー190が配置されており、作業機ポジションレバー190を後側に倒すと作業機は上昇し、前側に倒すと作業機は下降する。この作業機ポジションレバー190の操作角度をポテンショメータ(図示せず)により検出することでその検出値に応じて作業機は昇降する。
また、作業機昇降スイッチ191はシーソースイッチであり、後側をワンプッシュするとロータリ耕耘装置は最大位置まで上昇し、前側をワンプッシュすると作業機ポジションレバー190の設定位置まで下降する。最大位置とは、上げ調整ダイヤル183で調整した位置のことである。
更に、主変速増減速スイッチ192a,192bは、主変速の変速段のシフトアップ(シフトダウン)用のスイッチであり、副変速レバー179によって操作された変速段(低速、中速、高速、路上走行速)を更に細かく手動で変速するためのものである。主変速増減速スイッチ192a,192bによって上述のように低速は更に8段(1速〜8速の主変速位置)、中速は更に8段(1速〜8速の主変速位置)、高速は更に8段(1速〜8速の主変速位置)、路上走行速は4段(通常、高速の5速〜8速の主変速位置)に変速が可能である。
主変速増速スイッチ192aは主変速の変速段(主変速位置)のシフトアップ用のスイッチであり、一回押すごとに変速段がシフトアップし、主変速減速スイッチ192bは、変速段のシフトダウン用のスイッチであり、一回押すごとに変速段がシフトダウンする。エンジン回転数に関係なく、手動操作されると操作された変速段に応じた速度に変速される。
また、これらスイッチの後方にはシガーライター194がある。そして、スイッチボックス180にある作業機上昇・下降モニターランプ195はロータリ耕耘装置などの作業機が上昇又は下降する際に点灯する。また、ATシフト作業感度ダイヤル196は、後述するATシフト作業スイッチ200が入りのときに作用する。
ATシフト作業スイッチ200を入りにすると、後述する自動変速(オートドライブ)が作用するが、ATシフト作業感度ダイヤル196は、この自動的に車速を増減速する自動変速の感度を変更するダイヤルであり、右側に回すと感度がアップし、左側に回すと感度がダウンする。なお、スイッチボックス180内のスイッチを操作しない場合は蓋211を閉じてスイッチボックス180内に埃などが入ることを防いでいる。
下げ速度ダイヤル197は、作業機下降速度を調整するダイヤルであって、右側に回すと速度が大きくなって作業機は速く降りる。したがって、重量が軽い作業機(例えば水田の代掻機など)などに好適である。一方、左側に回すと速度が小さくなって作業機は遅く降りる。この場合は重量が重い作業機(例えばスキ作業機)などに好適である。
そして、ブレーキ調整ダイヤル198を左側に回すとブレーキが弱くなり、右側に回すとブレーキが強くかかる。ブレーキ調整ダイヤル198は、後述するオートブレーキ入切スイッチ206が入りのときに作用する。
また、ATシフト路上スイッチ199を入りにすると、副変速レバー179を路上走行速に設定した路上走行のときにエンジン回転数に応じて副変速高速8段の上側4段のうちの適切な変速段に自動で変速する変速可能な自動変速(オートドライブ)機能がオンして自動変速制御となる。ATシフト路上スイッチ199が入りのときは主変速増減速スイッチ192a、192bを操作しても無効となり、アクセルペダル175の踏み込みのみで変速する。
なお、主変速増減速スイッチ192a、192bを手動操作するときは、ATシフト路上スイッチ199が切りのときである。副変速が路上走行速のときは、副変速高速の上側4段(5速〜8速)を使用するが、ATシフト路上スイッチ199が切りのときに主変速増減速スイッチ192a、192bを操作して、例えば、3速〜8速にして、その後、ATシフト路上スイッチ199を入り状態にすると、アクセルペダル175の操作のみで3速〜8速の間を自動変速する。
そして、ATシフト作業スイッチ200を入りにすると、メモリ100aには副変速レバー179のそれぞれの位置(低速、中速、高速)における使用時間が一番長い主変速位置(1速〜8速の8段の変速段)が記憶されているが、ATシフト作業スイッチ200を入りにして、副変速レバー179を変速操作(低速、中速、高速)すると、メモリ100aに記憶されている主変速位置に自動的に変速されるようになる。
副変速レバー179の位置が路上走行速である路上走行時に、ATシフト路上スイッチ199を入りにするとエンジンの回転数に応じて自動で変速制御され、発進、停止時のクラッチ119の操作のみで走行中の変速操作は要しない。また、クラッチペダル119を踏んでいなくても、前後進切替レバー115が中立の場合は車体Tが停車した状態であり、前後進切替レバー115を操作してアクセルペダル175を踏み込んでいくと加速しながら自動変速される。そして、自動変速(オートドライブ)制御時には、アクセルペダル175の踏み込み量に応じたエンジン回転数に対応する車速になるように自動的に変速される。
すなわち、アクセルペダル175を踏み込んだ状態ではエンジン回転数が高回転数になり、現在の主変速位置(図2の主変速油圧クラッチAとハイロー変速クラッチBの8段変速のうちの現在の変速位置である。ただし、8速より上はないため、8速は除く)では加速しても車速を上げることができない場合は、コントローラ100により現在の変速位置に対してシフトアップする。ブレーキを踏んで減速するときには、アクセルペダル175は踏んでいないので、車速に対応した変速位置に自動変速する。
そして、接続感度変速スイッチ201を押すと入り、再び押すと切りになり、接続感度変速スイッチ201を入り切りすることで、主変速油圧クラッチAにより主変速を変速したときの接続フィーリングを変更できる。例えば、接続感度変速スイッチ201を入りにするとランプ201aが点灯して緩やかな変速をし、切りにするとランプ201aが消灯して急接続(クラッチの早めの接続)をする。プラウなどを後部に装着する牽引系の作業で接続感度変速スイッチ201を使用して切りにすると、主変速油圧クラッチAによる主変速の変速操作時に主変速油圧クラッチAの接続時間が短くなる。
更に、接続感度PTOスイッチ202はPTOクラッチEのつながり方の変更ができる。接続感度PTOスイッチ202を押すたびに、ロータリ、牧草1、牧草2の順で点灯する。接続感度PTOスイッチ202をロータリにすると、PTOクラッチEのつながり方が速くなる。主にロータリ耕耘装置などの作業機で使用する。PTO軸14が回転し始めると、すぐに圃場の土の抵抗に負けない回転力で回る。
また、接続感度PTOスイッチ202を牧草1あるいは牧草2にすると、PTOクラッチEのつながりが緩やかになる。牧草1と牧草2で2種類の変速が可能である。主に牧草作業機やスノーブロワーなどPTOクラッチEの接続をゆっくり行う作業機で使用する。接続感度PTOスイッチ202をロータリにした場合と同様にPTO軸14で使用する。
水平感度スイッチ203は、作業機の自動水平制御装置の動作感度を切り換えるためのスイッチであり、水平感度スイッチ203を押すと、動作感度が鈍くなって自動水平制御の動きが遅くなる。そして、再び水平感度スイッチ203を押すと動作感度が元に戻る。そして、バックアップ入切スイッチ204を入りにすると、トラクタの後進時にロータリ耕耘装置が自動で上昇する。
また、オートリフト入切スイッチ205を入りにしてステアリングハンドル73を回すと、自動でロータリ耕耘装置が上昇する。更にオートブレーキ入切スイッチ206を入りにしてステアリングハンドル73を回すと、自動で旋回内側の後輪63のみにブレーキがかかる。そして、水平切換スイッチ207により、ロータリ耕耘装置などの作業機の水平制御を行うことができる。水平切換スイッチ207を押すと、自動水平、手動、平行、傾斜の順にランプが点灯する。自動水平では、水平センサ(図示せず)により、自動的に水平を保持する。手動の場合は、傾き調整ダイヤル184で手動調整する。平行では、トラクタ車体Tに対して、ロータリ耕耘装置を常に平行に保つ。そして、傾斜では、地面に対してロータリ耕耘装置をある一定の角度をもたせるように制御する。
3点切換スイッチ208は、リフトシリンダ(図示せず)の取り付け穴の選択によって、スイッチボックス180の3点切換スイッチ208の選択を行う。カテゴリ1の作業機(ロワーリンクの前穴に付けるとき)は1を選択し、カテゴリ2の作業機(ロワーリンクの後穴に付けるとき)は2を選択する。そして、オートアクセルスイッチ209は、入りにした状態でロータリ耕耘装置を上昇すると、エンジン回転数が1700rpm程度まで低下する。
トラクタによっては、クラッチペダル119の操作に伴い入り切りするメインクラッチを入力ギヤ31の上流側の入力軸2に設ける場合もあるが、本実施形態によれば、メインクラッチは設けておらず、メインクラッチの代わりに前後進クラッチDを入り切り制御する。
そして、本実施形態によれば、クラッチぺダル119を操作することで、クラッチペダルセンサ119aによってクラッチペダル119の操作位置(操作量に対応する)が検出され、この検出値に基づいて前後進油圧クラッチDの内部の作動油の油圧圧力(作動圧とも言う)が調整される。コントローラ100には、クラッチペダル119の操作位置に応じた作動圧(クラッチ操作指示圧力とも言う)になるように、前進ソレノイド86F又は後進ソレノイド86Rに出力する指示圧力処理機能部(X)が設けられており、クラッチペダル119の操作位置に応じて決定される指示圧力(クラッチペダル119の操作によって指示された作動圧)に作動圧が制御される。コントローラ100内にはクラッチペダルセンサ119aによって検出された検出値(センサ値)と作動圧とを比較する換算表があり、この換算表を用いて検出値を圧力値に変えて圧力値を出力値としている。
クラッチペダル119を完全に踏み込んだ状態(前後進切替クラッチパック60、60が非接続状態)から急速に戻す場合はクラッチペダル119の踏み込み位置によって指示される作動圧が高くなって前後進油圧クラッチDの内部の作動圧も上昇するが、このようにクラッチペダル119の踏み込み位置に応じた作動圧が高い場合も、指示された作動圧(指示圧力)まで一気に上昇する。
そして、クラッチペダル119の操作位置に応じて決定される指示圧力のみで変速制御した場合、すなわち前記指示圧力処理機能部(X)のみしかない場合は、前後進油圧クラッチD内の容積が作動油に満たされて、実際に駆動軸(前後進油圧クラッチDの下流側の軸)などにトルクが伝達されるまでの時間や前進ソレノイド86F又は後進ソレノイド86Rへの出力自体の応答の遅れ(タイムラグ)などによって実際の作動圧とオペレーターの操作とのずれが生じる。また、油温(外気温)が低い場合もさらに遅れる。 実際の前後進油圧クラッチD内の動力伝達作動(油圧の立ち上がり)とオペレーターの操作との間にずれ(時間のずれ)が生じると、トラクタが動き出す時に、クラッチペダル119を急速に戻す操作によって指示圧力が高くなりすぎていて急発進し、オペレーターの感覚とは食い違って、操作の際のフィーリングが合わなくなるなどの問題が生じる。例えば、クラッチペダル119から足を離しているにもかかわらず(このとき、オペレーターはこれ以上加速しないと思っている)、加速してしまうという現象が起きる。
そこで、本実施形態によれば、コントローラ100に、前記指示圧力処理機能部(X)の他に、クラッチペダルセンサ119aによって検出される検出値に応じた作動圧の変化速度が所定値以上である場合、すなわち予め設定されたクラッチペダル119の動作速度よりもクラッチペダル119が速く操作された場合は、前進ソレノイド86F又は後進ソレノイド86Rに出力してクラッチペダル119の踏み込み位置によって指示される作動圧の変化速度を規制する処理を行う指示圧力規制処理機能部(Y)を設けたことを特徴としている。
したがって、実際の前後進油圧クラッチD内の動力伝達作動(油圧の立ち上がり)とオペレーターの操作との間にずれ(時間のずれ)が生じたとしても、トラクタが動き出す時に、クラッチペダル119の操作による指示圧力の変化速度が規制されて、該指示圧力に一定の変化速度(予め設定された動作速度)で緩やかに変化するため、一気にトルク伝達がされるようなことが無く安全性が向上すると共に、オペレーターの操作の際のフィーリングが合致し、オペレーターにとっても操作性に優れる。
図9には、クラッチペダル119のペダル操作による前後進油圧クラッチD内の作動油の油圧圧力(作動圧)の変化速度のコントローラ100による制御例を示す。
図9の横軸は時間(t)を示し、縦軸は作動圧(kgf/cm2)を示している。また、図9は、クラッチペダル119を完全に踏み込んでから(前後進切替クラッチパック60、60が非接続状態であって、このときの時間(t)=0とする)、クラッチペダル119を戻す場合の前後進油圧クラッチD内の作動油の油圧圧力の変化を示している。
そして、図9(a)及び図9(b)の直線Pはクラッチペダル119の操作位置に応じて決定される指示圧力の変化速度(指示圧力変化速度)を示す直線であり、直線Kは前記指示圧力変化速度を規制する規制圧力の変化速度(規制圧力変化速度)を示す直線である。更に、図9(a)、図9(b)共に実線で記した直線の方が実際にコントローラ100によって制御される作動圧であり、すなわち図9(a)では直線Kのように、図9(b)では直線Pのように作動圧が制御される。
例えば、図9(a)に示すように、クラッチペダル119の操作位置に応じて決定される指示圧力の変化速度(直線Pの傾き)が所定値(直線Kの傾き)よりも大きい場合、すなわち直線Pの勾配が直線Kの勾配よりも急である場合は、直線P(点線)のように作動圧は制御されず、規制圧力変化速度を示す直線K(実線)のように制御される。なお、前記所定値とは、予め設定されたクラッチペダル119の動作速度であって、例えば500msec当たり、1〜2kgf/cm2程度である。
一方、図9(b)に示すように、クラッチペダル119の操作位置に応じて決定される指示圧力の変化速度(直線Pの傾き)が所定値(直線Kの傾き)よりも小さい場合、すなわち直線Pの勾配が直線Kの勾配よりも緩やかである場合は、規制圧力変化速度を示す直線K(点線)のように作動圧は制御されず、指示圧力変化速度を示す直線P(実線)のように制御される。
本構成を採用することにより、クラッチペダル119の操作によってクラッチペダルセンサ119aから検出される検出値に応じた作動圧の変化速度が所定値以上である場合、すなわち指示圧力の変化速度を示す直線Pの傾き(勾配)が急である場合は、クラッチペダル119の操作量による指示圧力の変化速度に制御されず、一定の歯止めを掛けて作動圧の変化速度の急激な上昇を防止して規制することで、トラクタの安全性が向上する。また、前後進油圧クラッチD内の動力伝達作動とオペレーターの操作との間のずれが解消されて、オペレーターの操作の際のフィーリングが合致し、オペレーターにとっても操作性に優れる。
また、上述のように、コントローラ100内の換算表を用いて検出値を圧力値に変えて圧力値を出力値としているが、クラッチペダル119を速い速度で動かすほど検出値から圧力値への置き換えに遅れが生じ、分解能が劣る(圧力値への置き換え精度が悪い)ので、指示圧力や規制圧力の変化速度(直線P,Kの勾配)を見るのみならばクラッチペダルセンサ119aによって検出される検出値で直接判断しても良い。なお、高速のCPUを搭載すればどちらでもよい。
図10には、クラッチペダル119の操作による作動油の油圧圧力(作動圧)の変化速度のコントローラ100による別の制御例を示す。
また、クラッチペダル119の操作によってクラッチペダルセンサ119aから検出される検出値に応じた油圧クラッチD内の作動圧の変化速度が所定値以上の場合であって、該検出値に応じた作動圧が上昇する場合(指示圧力の変化速度を示す直線Pが正の勾配となる場合)は、前記指示圧力規制処理機能部(Y)が選択されて、クラッチペダルセンサ119aによって検出される検出値に応じた作動圧が下降する場合(指示圧力の変化速度を示す直線Pの傾きが負の勾配となる場合)は、前記指示圧力処理機能部(X)を選択する処理を行う機能部をコントローラ100に設けても良い。
クラッチペダル119の操作によってクラッチペダルセンサ119aから検出される検出値に応じた作動圧(指示圧力)が上昇する場合とは、直線Pの傾きが正の勾配となることを意味し、クラッチペダルセンサ119aによって検出される検出値に応じた作動圧が下降する場合とは、直線Pの傾きが負の勾配となることを意味している。したがって、図9に示す例では、クラッチペダルセンサ119aによって検出される検出値に応じた作動圧が上昇する場合を示している。
クラッチペダル119を急速に踏み込むことで指示圧力が急激に下降する場合は、クラッチペダルセンサ119aによって検出される検出値に応じた油圧クラッチD内の作動圧の変化速度が所定値以上であっても、すなわち指示圧力の変化速度を示す直線Pの勾配が急である場合でも、迅速にクラッチペダル119の指示圧力になるように制御することで、クラッチペダル119によってクラッチを切ってもなかなか作動圧が低下せずトラクタが停止するまでに移動する距離が長くなってしまうことを防止できる。また、このようにトラクタの停止までの移動距離が長くならないことで、オペレーターにとってもクラッチペダル119の操作と実際のトラクタの作動とのギャップがあまりなく、違和感が生じたり、操作性が悪くなってしまうことを防止できる。
一方、作動圧が上昇する場合は、クラッチペダル119の操作による指示圧力の変化速度が規制されることで、トラクタの急発進を防止して、より安全性を高めている。
図10は、図9(a)のように作動圧が制御された後、クラッチペダル119を踏み込んで作動油の油圧圧力を低下させた場合を示している。図10においても図9と同様にクラッチペダル119の指示圧力を直線Pで示すが、見やすいようにクラッチペダル119の指示圧力が上昇する場合(クラッチペダル119を踏み込んだ状態から戻す場合であって、前後進切替クラッチパック60、60が非接続状態から接続状態となる場合)は直線P1とし、クラッチペダル119の指示圧力が下降する場合(クラッチペダル119を非操作時から踏み込む場合であって、前後進切替クラッチパック60、60が接続状態から非接続状態となる場合)は直線P2として表している。
図10の直線Hは、クラッチペダル119の非操作時、すなわち前後進切替クラッチパック60、60が接続状態であって、トラクタが走行している場合を示している。
そして、トラクタが停止する際に、クラッチペダル119を非操作状態から踏み込むと、クラッチペダル119の指示圧力(直線P2で示す)が下降する。このクラッチペダル119の踏み込み操作時には、油圧クラッチD内の作動圧の変化速度が所定値以上であっても、すなわちクラッチペダル119の指示圧力の変化速度を示す直線Pの勾配が急である場合(直線Kよりも直線Pの方が傾き(絶対値)が大きい場合)でも、指示圧力処理機能部(X)が選択されることで、迅速にクラッチペダル119の指示圧力になるようにコントローラ100により制御される。
本構成を採用することにより、クラッチペダルセンサ119aによって検出される検出値に応じた作動圧が下降する場合は、該検出値に応じた油圧クラッチD内の作動圧の変化速度が所定値以上であっても、クラッチペダル119の指示圧力に速やかに制御される。したがって、オペレーターがクラッチペダル119を踏み込んで油圧クラッチDを切ると作動圧がクラッチペダル119の指示圧力に迅速に低下するため、トラクタが停止するまでに移動する距離が長くなってしまうことを防止できる。そして、このようにトラクタの停止までの移動距離が長くならないことで、オペレーターにとってもクラッチペダル119の操作と実際のトラクタの作動とのギャップがあまりなく、違和感もなくなってトラクタの操作性が向上する。
そして、このようにクラッチペダル119を完全に踏み込んでから、クラッチペダル119を戻す場合、すなわち作動圧が上昇する場合に、クラッチペダルセンサ119aから検出される検出値に応じた作動圧の変化速度が所定値以上であるときは、コントローラー100により指示圧力規制処理機能部(Y)が選択されてクラッチペダル119の操作による指示圧力の変化速度が規制されるが、この指示圧力規制処理機能部(Y)が作動するのは、トラクタが動き始めて、その後加速する半クラッチ状態の領域のみとしても良い。
図11には、クラッチペダル119の操作による作動油の油圧圧力の変化速度のコントローラ100による別の制御例を示す。
図11は、クラッチペダル119を完全に踏み込んでから(前後進切替クラッチパック60、60が非接続状態であって、このときの時間(t)=0とする)、クラッチペダル119を戻す場合の前後進油圧クラッチD内の作動油の油圧圧力の変化を示している。 まず、図中のFの領域はコントローラ100の不感帯部分を示し、時間(t)=0〜t0までは、作動圧は0であり、変化しない。そして、時間(t)=t0〜t1にかけてコントローラー100により前後進昇圧ソレノイド90及び前進ソレノイド86F又は後進ソレノイド86Rに信号を出力することで作動圧が上昇して(曲線G1)、その後若干作動圧が下降することで作動圧が安定する(曲線G2)。この間の領域Qの時間t2((t)=0〜t2)は約0.1秒〜0.3秒程度の短時間であり、コントローラー100によって曲線G1、G2のように制御される。曲線G2に示すように、作動圧はわずかな上昇と下降を繰り返して安定する。
そして、この時点((t)=t2)では作動圧が(t)=0の時よりは上昇しているものの、前後進切替クラッチパック60、60は接続状態とはなっておらず、エンジン動力はまだ変速装置内の駆動機構に伝達されない状態である。
更に、クラッチペダル119を続けて戻していくと、作動圧が上昇し(領域R)、時間(t)=t2〜t3にかけて半クラッチ状態となり、(t)=t3の時点で完全にクラッチペダル119を離すと、多少応答時間が遅れて作動圧が上昇し(領域J)、(t)=t4の時点で完全に前後進切替クラッチパック60、60は接続状態になり(直線H)、エンジン動力が伝達される。
クラッチペダル119の操作によって油圧クラッチD内の作動圧はこのような経過をたどるが、前後進切替クラッチパック60、60が接続状態となる前(Qの領域)や発進後トラクタがある程度加速しているような状態(Jの領域)において、指示圧力規制処理機能部(Y)が選択されると、前後進切替クラッチパック60、60が接続状態になるまでに時間がかかってしまったり、オペレーターのクラッチペダル119の操作指示に対して応答性が悪くなってしまうことがある。
したがって、本構成を採用することにより、コントローラ100によって指示圧力規制処理機能部(Y)を選択し、作動させるのは、トラクタが動き始めて、その後加速する半クラッチ状態の領域(Rの領域)のみとすることで、オペレーターのクラッチペダル119の操作指示による応答性が悪くなってしまうことを防止して、前後進切替クラッチパック60、60が接続状態となるまでに時間がかからないようにすることができる。
そして、上記半クラッチ領域(Rの領域)の中で、クラッチペダル119の操作による指示圧力の変化速度を規制する規制圧力の変化速度(規制圧力変化速度、図9や図10の直線Kに相当する)を少なくとも2種類以上設定しても良い。例えば、図11に示すように、傾きが異なる直線K1、K2をクラッチペダル119の操作時間に応じて2段階に分けて設定し、このように作動圧を規制する。
トラクタが動き始めの時点では、規制圧力の変化速度が大きい(直線Kの傾きが急である)と、作動圧が急激に上昇して発進時の油圧クラッチDが繋がるショックが大きくなり、オペレーターの操作の際のフィーリングが合わなくなることがある。しかし、トラクタの発進時に規制圧力の変化速度を小さくする(直線Kの傾きを緩やかにする)と、発進時のショックが少なくなる一方、今度はオペレーターのクラッチペダル119の操作指示による応答性が悪くなって、加速感が感じられず、スムーズな加速ができなくなるなどの問題が生じる。
しかし、本構成を採用することにより、規制圧力変化速度を2種類以上設定することで、トラクタの発進時とそれ以降の時点とで規制圧力変化速度を変えることができ、トラクタの走行状況に応じた変速制御が可能となる。
例えば、トラクタが動き始めの時点では、規制圧力の変化速度を小さく、すなわち直線K1の傾き(勾配)を緩やかにすることで作動圧がそのように規制されてトラクタがゆっくりと発進し、発進時のショックを軽減できる。一方、その後は規制圧力の変化速度を大きく、直線K2の傾き(勾配)を急にすることで、トラクタがスムーズに加速されてオペレーターのクラッチペダル119の操作指示による応答性が悪くならないようにし、前後進切替クラッチパック60、60が接続状態となるまでに時間がかからないようにすることができる。
そして、このような規制圧力変化速度(図9や図10の直線K、図11のK1、K2など)を任意に変更、設定できるようにしても良い。規制圧力変化速度は調整用のダイヤル、スイッチ(図示せず)などを設けることで容易に変更、設定でき、コントローラ100によって設定された規制圧力変化速度に制御される。
ロータリ耕耘装置等の牽引系の作業などの時には、作業の種類や作業量によって牽引負荷の違いがあること、またオペレーターの操作の際の感覚が個人個人で異なること、更には作業内容によっては同じ作動圧変化として適した場合とそうでない場合などがある。例えば、スキ作業は大きな負荷が作用するが、圃場の硬さによって負荷は大きく変わる。
したがって、規制圧力変化速度を変化可能にしておくことで、上記条件の違いによる評価のばらつきを少なくできる。なお、評価とは、オペレーターが圃場の状態を認識することである。
例えば、規制圧力変化速度が遅い(作動圧の上昇が遅い)と感じる場合は規制圧力変化速度を速くするように図9〜図11などの直線Kの傾き(勾配)を急にすればよいし、規制圧力変化速度が速い(作動圧の上昇が速い)と感じる場合は規制圧力変化速度を遅くするように図9〜図11などの直線Kの傾き(勾配)を緩やかにすればよい。
本構成を採用することにより、作業内容、オペレーターなどの様々な条件に適した規制圧力変化速度とすることができ、各種作業の作業効率やトラクタの操作性、走行性が向上する。
また、規制圧力変化速度の変更、設定は、直線Kの傾きのみならず、クラッチペダル119の操作時間(横軸t)に応じて、ジグザグ状、階段状などに作動圧が変化するような直線又は曲線とすることもできる。
図12には、前記規制圧力変化速度を複数設定した場合の制御例を示す。
そして、この規制圧力変化速度を副変速レバー179及び主変速増減速スイッチ192a,192bによって操作される変速位置に応じて変更、設定できるようにしても良い。変速位置は上述の副変速レバー179の位置が低速、中速、高速で各8段の変速が可能である。したがって、合計24段の変速段が可能なわけであるが、図12には一例として、高速5段(5速)、中速5段(5速)、低速5段(5速)の規制圧力変化速度を設定した場合を示している。
副変速レバー179及び主変速増減速スイッチ192a,192bによって操作される変速位置(変速段)の違いにより、同じ規制圧力変化速度とした場合でも、油圧クラッチDが繋がるショックが変わってくる。
例えば、副変速レバー179が低速位置にもかかわらず、速い指示圧力(作動圧の上昇が速い)で接続すると、変速ショックが生じる。また、副変速レバー179が高速位置にもかかわらず、遅い指示圧力(作動圧の上昇が遅い)で接続すると反応遅れとなる。 しかし、本構成を採用することにより、規制圧力変化速度を副変速レバー179及び主変速増減速スイッチ192a,192bによって操作される変速位置に応じて適正な規制圧力変化速度に変更されるように、数種類の変化速度パターンを設定しておくことで、変速位置が異なる場合でも、油圧クラッチDが繋がるショックや操作の応答性の差などを吸収できる。
例えば、図12に示すように、副変速レバー179の位置が低速、中速、高速の順に規制圧力変化速度(直線Kの傾き)が大きくなるようにすれば、上記発進時のショックや応答性の違いなどが緩和され、トラクタの操作性、走行性が向上する。そして、クラッチペダル119の操作による指示圧力Pが一気に上昇する場合でも、副変速レバー179の位置に適した規制圧力変化速度にコントローラ100の指示圧力規制処理機能部(Y)によって制御されることで、トラクタの操作性や安全性が向上する。
図13には、前記規制圧力変化速度を複数設定した場合の別の制御例を示す。
また、上記変速位置のみならず、ロータリ耕耘装置等の牽引負荷の違いに応じて規制圧力変化速度を変更、設定できるようにしても良い。牽引負荷は、ロワーリンクにかかる荷重を検出するセンサ(図示せず)によって検出、測定できる。
牽引負荷が大きい場合は、小さい場合に比べてトラクタが動き始めるときの作動圧、又は同じ加速度を出すための作動圧の変化速度を大きくする必要がある。
そこで、図13に示すように、牽引負荷が大きい場合は立ち上がりの作動圧を高くし、牽引負荷が小さい場合は立ち上がりの作動圧を低くして、その後の作動圧の変化速度(直線Kの傾き)は同じになるように設定する。
本構成を採用することにより、クラッチペダル119の操作による指示圧力Pが一気に上昇する場合でも、牽引負荷に応じて適切な規制圧力変化速度に変更することで、牽引負荷が変わっても、オペレーターは同じような感覚で発進、操作できるため、トラクタの操作性、走行性が向上する。
図14には、前記規制圧力変化速度を複数設定した場合の別の制御例を示す。
更に、上記変速位置や牽引負荷のみならず、エンジン回転数に応じて規制圧力変化速度を変更できるようにしても良い。
エンジン回転数が大きい場合は、前後進切替クラッチパック60のクラッチ入力軸である入力軸2の回転より発生する遠心力によって前後進切替クラッチパック60のクラッチ板を押しつける力が働き、同じ作動圧でも、エンジン回転数が小さい場合に比べて入力軸2の動力伝達トルクが大きくなって油圧クラッチDが繋がるショックに通じる。したがって、エンジン回転数が大きい場合は、エンジン回転数が小さい場合に比べてオペレーターにとって、操作の際のフィーリングが合わなくなるなどの問題が生じる。
そこで、図14に示すように、エンジン回転数が小さい場合は立ち上がりの作動圧を高くし、エンジン回転数が大きい場合は立ち上がりの作動圧を低くして、その後の作動圧の変化速度(直線Kの傾き)は同じになるように設定する。
本構成を採用することにより、クラッチペダル119の操作による指示圧力Pが一気に上昇する場合でも、エンジン回転数に応じて規制圧力変化速度を変更できるようすることで、エンジン回転数の大小によって生じる上記のようなフィーリングの差を吸収でき、トラクタの操作性、走行性が向上する。
本発明は、トラクタなどの作業車両の操作性を良くすることができ、農業用、建築用、運搬用等の様々な作業車両に利用できる。
本発明の一実施形態のトラクタの左側面図である。 図1のトラクタのトランスミッション内の動力伝動図である。 図2の動力伝動図の油圧回路図である。 図1のトラクタの制御ブロック図である。 図1のトラクタのクラッチペダル周辺の拡大側面図である。 図1のトラクタの操縦席付近の上面図である。 図1のトラクタの操縦席付近の斜視図である。 図8(a)は図6及び図7のスイッチボックスの平面図であり、図8(b)は側面図である。 図1のトラクタのクラッチペダル操作による前後進油圧クラッチ内の作動油の油圧圧力の変化速度のコントローラによる制御例を示した図である。 図1のトラクタのクラッチペダル操作による前後進油圧クラッチ内の作動油の油圧圧力の変化速度のコントローラによる別の制御例を示した図である。 図1のトラクタのクラッチペダル操作による前後進油圧クラッチ内の作動油の油圧圧力の変化速度のコントローラによる別の制御例を示した図である。 規制圧力変化速度を複数設定した場合の制御例である。 規制圧力変化速度を複数設定した場合の別の制御例である。 規制圧力変化速度を複数設定した場合の別の制御例である。
符号の説明
1 エンジン軸 2 入力軸
3 出力軸 4 PTO連動軸
5 前輪出力軸 6 走行カウンタ軸
7 前輪駆動軸 8 バックカウンタ軸
9 PTOカウンタ軸 10 リヤデフ軸
11 後輪軸 12 フロントデフ軸
13 前輪軸 14 PTO軸
15,17 ギヤ駆動軸 16 操縦席
18 PTO変速軸 19 主変速軸
20 副変速軸 21 クリープカウンタ軸
22 PTO正逆切替軸 23 PTO減速軸
24 PTO逆回転軸 25 前輪連動軸
26 入力軸 27 副変速カウンタ軸
28 前輪連動軸 30 アームレスト
31 入力ギヤ 32 PTO変速ギヤ
33 主変速ギヤ 34 高低速切替ギヤ
35 副変速ギヤ 36 前輪取出ギヤ
37 PTO正逆切替ギヤ 38 副変速カウンタギヤ
39 主変速カウンタギヤ 40 高低速切替ギヤ
41 前輪駆動切換ギヤ 42 前後進切替ギヤ
43 バックカウンタギヤ 44 PTO変速カウンタギヤ
45 リヤデフ 46 デフリングギヤ
47 フロントデフ 48 入力ギヤ
49 クリープカウンタギヤ
50 PTO減速ギヤ 51 前輪連動ギヤ
52 PTO逆回転ギヤ 53 ドライブピニオンギヤ
54 前輪連動ギヤ 55 前輪ギヤ
56 切替駆動カウンタギヤ
59 カウンタ軸 60 前後進切替クラッチパック
61 前輪 62 エンジン
63 後輪 65 ミッションケース
66 PTOクラッチパック
67 前輪駆動クラッチパック
73 ステアリングハンドル
76 クラッチパック
80 油圧ポンプ 81a,81b 減圧弁
82a ブレーキバルブ 82b 圧力制御弁
83 ブレーキシリンダ
85 前後進クラッチシリンダ
86 前後進クラッチ比例圧力制御弁(切替弁)
86F、86R ソレノイド
89 主変速(2−4)クラッチ比例圧力制御弁
90 前後進昇圧ソレノイド
87,88,91,92 油圧クラッチシリンダ
93 主変速(1−3)クラッチ比例圧力制御弁
94 切替制御弁
95 ハイ・ロー油圧クラッチシリンダ
96a,96b 制御弁 97 デフロック制御弁
98a 前輪デフロックシリンダ
98b 後輪デフロックシリンダ
99 四駆切替クラッチシリンダ
100 制御処理装置(コントローラ)
100a メモリ 101 メイン油圧回路
103 パワーステアリング装置
104 PTOクラッチシリンダ
105,106 PTOクラッチ比例圧力制御弁(PTO用バルブ)
107 操舵油圧分配器 110 前進側クラッチ圧力センサ
111 後進側クラッチ圧力センサ
112 エンジン回転センサ
115 前後進切替レバー 119 クラッチペダル
119a クラッチペダルセンサ
120 戻しスプリング 121 戻しガスダンパ
129 オン・オフ制御弁
130,131,133〜137,139,140 ギア
145、146 圧力センサ
167 前後進レバーセンサ
172 駐車ブレーキ 173 PTOチェンジレバー
175 アクセルペダル 175a アクセルポジションセンサ
176 アクセルレバー
177a、177b エンジン回転数記憶スイッチ
178a、178b サブコントロールレバー
179 副変速レバー 179a レバーガイド
179b 副変速路上速位置
179c 副変速高速位置 179d 副変速中速位置
179e 副変速低速位置
180 スイッチボックス 182 ドラフト比調整ダイヤル
183 上げ調整ダイヤル 184 傾き調整ダイヤル
185 4WD切替スイッチ
186 手動上げ下げスイッチ
187 PTO入り切りスイッチ
188 PTO手動自動スイッチ
189 デフロックスイッチ
190 作業機ポジションレバー
191 昇降用スイッチ(作業機昇降スイッチ)
192a、192b 主変速増減速スイッチ
194 シガーライター 195 作業機上昇・下降モニターランプ
196 ATシフト作業感度ダイヤル
197 下げ速度ダイヤル 198 ブレーキ調整ダイヤル
199 ATシフト路上スイッチ
200 ATシフト作業スイッチ
201 接続感度変速スイッチ
201a ランプ 202 接続感度PTOスイッチ
203 水平感度スイッチ 204 バックアップ入切スイッチ
205 オートリフト入切スイッチ
206 オートブレーキ入切スイッチ
207 水平切換スイッチ 208 3点切換スイッチ
209 オートアクセルスイッチ
211 蓋 213 メータパネル
215 表示部 A 主変速油圧クラッチ
B ハイ・ロー変速クラッチ
C 副変速ギア伝動機構 D 前後進クラッチ
E PTOクラッチ T トラクタ車体
X 指示圧力処理機能部 Y 指示圧力規制処理機能部

Claims (2)

  1. 駆動源(62)と、
    該駆動源(62)の動力を非接続状態から接続状態まで、供給又は排出される内部の作動油の油圧に応じて連続的に接続状態を変化させる油圧クラッチ(D)と、
    該油圧クラッチ(D)内部の作動油の油圧圧力を操作量により調整するクラッチ操作手段(119)と、
    該クラッチ操作手段(119)による操作量を検出するクラッチ操作量検出センサ(119a)と、
    前記クラッチ操作手段(119)の操作によってクラッチ操作量検出センサ(119a)から検出される検出値に応じた油圧クラッチ(D)の作動油の油圧圧力にする処理を行う指示圧力処理機能部(X)を有すると共に、前記クラッチ操作量検出センサ(119a)の検出値に応じた油圧クラッチ(D)の作動油の油圧圧力の変化速度が所定値以上の場合は、該作動油の油圧圧力の変化速度を規制する処理を行う指示圧力規制処理機能部(Y)を有する制御装置(100)を設けたことを特徴とする作業車両の変速装置。
  2. 更に、前記制御装置(100)には、前記クラッチ操作手段(119)の操作によってクラッチ操作量検出センサ(119a)から検出される検出値に応じた作動油の油圧圧力の変化速度が所定値以上の場合であって、作動油の油圧圧力が上昇するときは前記指示圧力規制処理機能部(Y)を選択する一方、作動油の油圧圧力が下降するときは前記指示圧力処理機能部(X)を選択する処理を行う機能部を備えていることを特徴とする請求項1記載の作業車両の変速装置。
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