JP2010078069A - 弾性継手 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量化を図りつつ軸心のぶれを抑制することができる弾性継手を提供すること。
【解決手段】駆動側内筒部材210及び従動側内筒部材220は、駆動側カラー10又は従動側カラー20の軸心方向の一端に、その一端より径方向で外側に突設される段付部210b,220bを備えるので、駆動軸又は従動軸の軸心方向で他端向きの過大な荷重が弾性継手201に負荷された場合に、駆動側カラー10に対する駆動側内筒部材210の相対変位及び従動側カラー20に対する従動側内筒部材の相対変位を防止することができる。また、段付部210b,220bは、駆動側カラー10又は従動側カラー20の軸心方向の一端より径方向で外側に突設されるので、駆動側内筒部材210又は従動側内筒部材220に駆動側締結部材の頭部又は従動側締結部材の頭部が当接する座面を確保することができる。
【選択図】図15

Description

本発明は弾性継手に関し、特に、駆動軸または従動軸にその軸心方向と直交する方向の過大な曲げ入力が負荷された場合であっても、駆動側カラー(従動側カラー)に対する駆動側内筒部材(従動側内筒部材)のずれを防止することができると共に、駆動側内筒部材(従動側内筒部材)の肉厚(半径方向の厚み)を薄肉化した場合であっても、駆動側締結部材(従動側締結部材)の座面を確保することができる弾性継手に関するものである。
自動車のドライブシャフト、プロペラシャフト等の動力伝達部分には、駆動軸から従動軸に回転トルクを伝達するためのカップリングとして、振動減衰機能を持つ弾性継手が使用されている。
従来の弾性継手が特許文献1に開示されている。かかる弾性継手は、駆動軸に接続される駆動側カラーと、従動軸に接続される従動側カラーとが、それぞれ複数(3つ)、同心円上に交互に配列され、隣設する各カラーの間には合成繊維糸等のコードよりなる無端状の繊維コード束が巻き掛けられ、これらの各カラーと繊維コード束とがゴムあるいは合成樹脂等の弾性体内に埋没されている。
かかる駆動側カラー及び従動側カラーには、内筒部材の補強を目的として、それぞれ筒状の駆動側内筒部材および従動側内筒部材が圧入されている。よって、駆動側内筒部材の貫通孔にボルト等を挿通して駆動側内筒部材の一端に締結すると共に従動側内筒部材の貫通孔にボルト等を挿通して従動側内筒部材の他端に締結することにより、駆動側カラーが駆動軸の軸端部に、従動側カラーが従動軸の軸端部に、それぞれ固定される。
これにより、駆動側カラー(駆動軸)および従動側カラー(従動軸)の間で、振動および捩れ等を吸収しつつ駆動軸側から従動軸側へ動力(トルク)を伝達している。
特開2003−120712号公報
しかしながら、上述した従来の弾性継手では、軽量化を目的として内筒部材の肉厚(半径方向の厚み)を薄肉化した場合に、内筒部材に挿通されるボルトの座面を確保することができないと問題点があった。
加えて、駆動軸または従動軸にその軸心方向及びその軸心方向と直交する方向に過大な入力が負荷された場合に、駆動側カラー(従動側カラー)に対して駆動側内筒部材(従動側内筒部材)が相対変位し、駆動側カラー(従動側カラー)に対して駆動側内筒部材(従動側内筒部材)がずれるという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、駆動軸または従動軸にその軸心方向と直交する方向の過大な曲げ入力が負荷された場合であっても、駆動側カラー(従動側カラー)に対する駆動側内筒部材(従動側内筒部材)のずれを防止することができると共に、駆動側内筒部材(従動側内筒部材)の肉厚(半径方向の厚み)を薄肉化した場合であっても、駆動側締結部材(従動側締結部材)の座面を確保することができる弾性継手を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の弾性継手は、駆動側締結部材を介して駆動軸に接続される複数の駆動側接続素子と、前記駆動側接続素子と同心円状に交互に配置され従動側締結部材を介して従動軸に接続される複数の従動側接続素子と、隣設する前記駆動側接続素子および前記従動側接続素子に繊維コードを巻き掛けることにより形成される無端状の複数の繊維コード束と、前記複数の繊維コード束、前記複数の駆動側接続素子、および前記複数の従動側接続素子が埋没される弾性体とを備えるものであって、前記駆動側接続素子は、前記繊維コードが巻き掛けられる筒状の駆動側カラーと、前記駆動側カラーの内周孔に圧入されると共に前記駆動側締結部材の軸部が挿通される筒状の駆動側内筒部材とを備え、前記従動側接続素子は、前記繊維コードが巻き掛けられる筒状の従動側カラーと、前記従動側カラーの内周孔に圧入されると共に前記従動側締結部材の軸部が挿通される筒状の従動側内筒部材とを備え、前記駆動側内筒部材は、前記駆動側カラーの軸心方向の一端に、前記駆動側カラーの軸心方向の一端より前記内筒部材の径方向で外側に突設すると共に前記駆動側締結部材の頭部が圧接される段付部を備え、前記従動側内筒部材は、前記従動側カラーの軸心方向の他端に、前記従動側カラーの軸心方向の他端より前記内筒部材の径方向で外側に突設する共に前記従動側締結部材の頭部が圧接される段付部を備え、前記駆動側内筒部材の段付部の外縁は、前記駆動側内筒部材の軸心方向から視て、前記繊維コード束の外縁より内側に配設されると共に、前記従動側内筒部材の段付部の外縁は、前記従動側内筒部材の軸心方向から視て、前記繊維コード束の外縁より内側に配設されている。
請求項2記載の弾性継手は、請求項1記載の弾性継手において、前記駆動側接続素子または前記従動側接続素子の軸心方向から視て多角形状に形成される前記弾性体に外接すると共に仮想の円である弾性体外接円を設定した場合に、前記弾性体外接円と前記弾性体との間に設けられる隙間である肉盗み部を備え、前記弾性体は、隣設する前記駆動側接続素子および前記従動側接続素子の間で前記駆動側接続素子または前記従動側接続素子の軸心方向に穿設される穴である穴抜き部を備え、前記孔抜き部の周方向の幅は、前記繊維コード束の巻き厚より小さく設定され、前記肉盗み部の半径方向の幅は、前記孔抜き部の周方向の幅より小さく設定されている。
請求項3記載の弾性継手は、請求項2記載の弾性継手において、前記繊維コード束は、前記駆動側接続素子または前記従動側接続素子に巻き掛けられる巻掛部と、隣設する前記駆動側接続素子および前記従動側接続素子の間で直線状に延設される延設部とを備え、前記穴抜き部と前記繊維コード束の延設部との間における前記弾性体の半径方向のゴム厚に比べて、前記穴抜き部と前記繊維コード束の巻掛部との間における前記弾性体の周方向のゴム厚が薄肉に設定されている。
請求項4記載の弾性継手は、請求項3記載の弾性継手において、隣設する前記駆動側接続素子の軸心と前記従動側接続素子の軸心との間の離間距離は、前記コード外接円の外心から前記駆動側接続素子または前記従動側接続素子の軸心までの距離間離より短く設定されている。
請求項1記載の弾性継手によれば、駆動側締結部材を介して駆動軸に接続される駆動側接続素子と、従動側締結部材を介して従動軸に接続される従動側接続素子とが繊維コード束を介して連結されることにより、駆動軸から従動軸へ動力(トルク)を伝達している。
詳述すると、筒状の駆動側カラーの内周孔に圧入される筒状の駆動側内筒部材に、駆動側締結部材の軸部が挿通されると共に、筒状の従動側カラーの内周孔に圧入される従動側内筒部材に、従動側締結部材の軸部が挿通されることにより、駆動側カラーと従動側カラーとに繊維コードが巻き掛けられた繊維コード束を介して、駆動軸から従動軸へ動力(トルク)を伝達している。この場合に、駆動軸と従動軸との間で生じる振動や捩れ等を、弾性体及びその弾性体に埋没された繊維コード束の弾性変形により吸収することにより、乗り心地の向上を図っている。
ここで、請求項1記載の弾性継手によれば、駆動側内筒部材の段付部に、駆動側締結部材の頭部が圧接され、従動側内筒部材の段付部に、従動側締結部材の頭部が圧接されるので、駆動軸(従動軸)の軸心方向と直交する方向の過大な曲げ入力が弾性継手に負荷された場合であっても、駆動側カラー及び従動側カラーに対する駆動側内筒部材および従動側内筒部材のずれを防止することができるという効果がある。
詳述すると、駆動側締結部材の頭部が圧接される段付部は、駆動側カラーの軸心方向の一端より径方向で駆動側カラーの外側まで突設されるので、駆動軸の軸心方向と直交する方向の過大な曲げ入力が駆動軸に負荷された場合であっても、駆動側カラーの一端が駆動側内筒部材の段付部に突き当てられ、駆動側カラーに対する駆動側内筒部材の相対変位が規制される。
同様に、従動側締結部材の頭部が圧接される段付部は、従動側カラーの軸心方向の他端より径方向で従動側カラーの外側まで突設されるので、従動軸の軸心方向と直交する方向の過大な曲げ入力が従動軸に負荷された場合であっても、従動側カラーの他端が従動側内筒部材の段付部に突き当てられ、従動側カラーに対する従動側内筒部材の相対変位が規制される。
よって、駆動軸(従動軸)の軸心方向と直交する方向の過大な曲げ入力が弾性継手に負荷された場合であっても、駆動側カラー及び従動側カラーに対する駆動側内筒部材および従動側内筒部材のずれを防止することができる。よって、回転体である弾性継手の軸心のぶれを抑制することができるという効果がある。
また、駆動側内筒部材の段付部は、駆動側カラーの軸心方向の一端より径方向で外側に突設されるので、駆動軸の軸心方向で他端向き(従動軸向き)の過大な荷重が弾性継手に負荷された場合に、段付き部が駆動側カラーの一端に突き当てられ、駆動側カラーに対する駆動側内筒部材の他端向きの相対変位が規制される。
一方、従動側内筒部材の段付部は、従動側カラーの軸心方向の他端より径方向で外側に突設されるので、従動軸の軸心方向で一端向き(駆動軸向き)の過大な荷重が弾性継手に負荷された場合に、段付き部が従動側カラーの他端に突き当てられ、従動側カラーに対する従動側内筒部材の一端向きの相対変位が規制される。
結果として、駆動軸(従動軸)の軸心方向で他端向き(従動軸向き)及び一端向き(駆動軸向き)の過大な荷重が弾性継手に負荷された場合であっても、他端向きの荷重に対しては駆動側内筒部材の段付き部により、また、一端向きの荷重に対しては従動側内筒部材の段付き部により、カラーに対する内筒部材の相対変位が規制されるので、駆動側カラーから駆動側内筒部材が抜け落ちること及び従動側カラーから従動側内筒部材が抜け落ちることを防止することができるという効果がある。
また、駆動側内筒部材に段付部を突設させるので、駆動側内筒部材に駆動側締結部材の頭部が当接する座面を確保することができると共に、従動側内筒部材に段付部を突設させるので、従動側内筒部材に従動側締結部材の頭部が当接する座面を確保することができる。
よって、駆動側内筒部材および従動側内筒部材を薄肉化した場合であっても、駆動側締結部材を駆動側内筒部材の一端に、従動側締結部材を従動側内筒部材の他端に、それぞれ強固に固定することができるという効果がある。
加えて、駆動側内筒部材の軸心方向から視た駆動側内筒部材の段付部の外縁は、駆動側内筒部材の軸心方向から視た繊維コード束の外縁より内側に配設されると共に、従動側内筒部材の軸心方向から視た従動側内筒部材の段付部の外縁は、従動側内筒部材の軸心方向から視た繊維コード束の外縁より内側に配設されるので、弾性体の駆動側カラーと従動側カラーとの間に配置される部分(弾性体の軸方向における弾性変形に寄与できる部分)が段付部によって減少することを回避できる。
よって、段付部を設けた場合であっても、弾性体の軸方向における弾性変形に寄与できる部分(弾性体の自由長の部分)を確保することができ、段付部に阻害されることなく、かかる弾性体の自由長の部分が軸方向に弾性変形することができるので、駆動軸と従動軸との間に生じる軸方向の振動や捩れ等による変位を確実に吸収することができるという効果がある。
請求項2記載の弾性継手によれば、請求項1記載の弾性継手の奏する効果に加え、穴抜き部の周方向の幅が繊維コード束の巻き厚より小さく設定されるので、かかる幅を繊維コード束の巻き厚より大きく設定した場合に比べて、穴抜き部の空間部分の容積を小さくすることができる。よって、繊維コード束の内部に配置される弾性体のゴム量を確保することができるので、駆動側接続素子および従動側接続素子を弾性体により確実に保持でき、駆動側接続素子(駆動軸)から従動側接続素子(従動軸)へ動力(トルク)を伝達する場合に、操縦安定性を向上させることができるという効果がある。
また、穴抜き部の周方向の幅を肉盗み部の半径方向の幅より大きく設定するので、弾性継手の肉盗み部側より軸心に近い部分で、高温となり易い繊維コード束の内周側に配置される弾性体の放熱性を向上させることができると共に、その軽量化を図ることができる。
さらに、弾性体外接円と弾性体との間に隙間である肉盗み部を設けると共に隣設する駆動側接続素子および従動側接続素子の間に穴抜き部を設けて、弾性体の軽量化を図った場合でも、肉盗み部の半径方向の幅が穴抜き部の周方向の幅より小さく設定されるので、弾性体を真円形状に近づけることができる。
よって、弾性継手の軸心にぶれが発生しない大きさに肉盗み部を設定することができ、弾性体の軽量化を図りつつ弾性継手のトルク伝達性能を向上させることができるという効果がある。
また、肉盗み部の半径方向の幅は、穴抜き部の周方向の幅より小さく設定されるので、肉盗み部の半径方向の幅が、穴抜き部の周方向の幅より大きく設定される場合に比べて、弾性体の周方向における表面積を広く確保することができ、弾性体の冷却性を向上させることができるという効果がある。
請求項3記載の弾性継手によれば、請求項2記載の弾性継手の奏する効果に加え、穴抜き部を設ける場合に、穴抜き部と繊維コード束の延設部との間における弾性体の半径方向のゴム厚に比べて、穴抜き部と繊維コード束の巻掛部との間における弾性体の周方向のゴム厚が薄肉に設定されているので、駆動側カラーの外周面および従動側カラーの外周面と、繊維コード束の巻掛部とが接触して発熱し易い弾性体の部分(穴抜き部と繊維コード束の巻掛部との間の部分)の放熱性を向上させることができる。よって、弾性体の熱劣化を防止することができ、弾性継手の耐久性を向上させることができるという効果がある。
また、穴抜き部と繊維コード束の巻掛部との間における弾性体の周方向のゴム厚に比べて、穴抜き部と繊維コード束の延設部との間における弾性体の半径方向のゴム厚が厚肉に設定されているので、繊維コード束の延設部が撓む際に必要な弾性体のゴム厚を確保することができる。よって、駆動軸と従動軸との間でトルク伝達を行う際に、駆動軸と従動軸との間で生じる振動や捩れ等を、弾性体及びその弾性体に埋没された繊維コード束の弾性変形により確実に吸収することができるという効果がある。
請求項4記載の弾性継手によれば、請求項3記載の弾性継手の奏する効果に加え、隣設する駆動側接続素子の軸心と従動側接続素子の軸心との間の離間距離は、コード外接円の外心から駆動側接続素子または従動側接続素子の軸心までの離間距離より短く設定されているので、従動側接続素子の軸心と駆動側接続素子の軸心との間の離間距離がコード外接円の外心から駆動側接続素子または従動側接続素子の軸心までの離間距離より長く設定される場合に比べて、弾性継手の耐久性を向上させることができるという効果がある。
即ち、同じトルクが負荷された場合に、隣設する駆動側接続素子および従動側接続素子の間に巻き掛けられる繊維コード束の延びを抑制することができると共に、高出力が繊維コード束に負荷された場合でもかかる繊維コード束の破断を防止することができる。よって、弾性継手の耐久性を向上させることができる。
以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の第一実施の形態における弾性継手1を示しており、図1(a)は弾性継手1の正面図であり、図1(b)は図1(a)のI(b)方向から視た弾性継手1の側面図である。また、図2は図1(a)のII−II線における弾性継手1の断面図、図3は図1(a)のIII−III線における弾性継手1の断面図である。なお、図1において、繊維コード束30が破線で図示されている。また、図2及び図3において、矢印Fは弾性継手1の前方を、矢印Bは後方を示している。
なお、図1から図3において、同一の部分には一部について符号を付して、その他の符号を省略し、図4から図13までも同様に符号が省略されている。
図1に示すように、弾性継手1は、エンジン側の出力軸等に対応する駆動軸(図示せず)に接続され軸心O1を中心として円状に配置される複数の駆動側カラー10と、その駆動側カラー10と同心円状に交互に配置され、ドライブシャフト等に対応する従動軸(図示せず)に接続される複数の従動側カラー20と、隣設する駆動側カラー10及び従動側カラー20に巻き掛けられる複数の無端状の繊維コード束30と、その複数の繊維コード束30、複数の駆動側カラー10及び複数の従動側カラー20が埋没される弾性体40と、弾性体40の中央に穿設される貫通孔40aを備えて構成されている。
図1から図3に示すように、駆動側カラー10は、アルミニウムやその合金等のアルミ系金属その他の比較的軽量な金属材により、ダイガスト等の鋳造手段を用いて一体成形されている。また、駆動側カラー10は、O2を軸心とした円筒状の筒部11と、この筒部11の外周面からの軸径方向(図2及び図3上下方向)に突設されるフランジ部12とを備えて構成されている。
図2及び図3に示すように、筒部11は、軸心O2(図1参照)の軸方向(図2及び図3上下方向)に貫通する内周孔11aが穿設されており、後述する駆動側内筒部材10aが圧入されている。また、筒部11の両端部分(図2及び図3上下方向における端部)の厚みL13(図2及び図3の左右方向の長さ)は、筒部11の中央部分の厚みL12(図2及び図3の左右方向の長さ)に比べて、肉厚に設定されている。よって、筒部11の両端部分の剛性を向上させることができる。
図1から図3に示すように、フランジ部12は、駆動側カラー10の外周面から径方向の外側(図2及び図3左右方向)に突設され、軸心O2方向から視て(図1紙面手前から視て)ドーナツ状に形成されると共に、軸心O2と直交する方向から視て(図2紙面手前から視て)、外周端に対して基部(筒部11とフランジ部12との連結部分)側ほどフランジ部12の厚み(図2及び図3の上下方向の長さ)が漸増するようにテーパ状に形成されている。よって、始動時等に発生する比較的大きな負荷に対して、フランジ部12の充分な強度を確保することができ、駆動側カラー10の耐久性を向上させることができる。
また、フランジ部12の基部の厚みは、駆動側カラー10の最小厚L12より小さく設定されている。よって、後述する第1フランジ部12aから第4フランジ部12dの間に繊維コード束30の繊維コード101(図9参照)を巻くためのスペースを確保することができる。
さらに、フランジ部12は、同一形状に形成される4つのフランジ部12a〜12dを備えて構成されている。即ち、前面側(図2及び図3上側)から順番に、第1フランジ部12a、第2フランジ部12b、第3フランジ部12c及び第4フランジ部12dが配設される。また、中央側において対向する第2フランジ部12bと第3フランジ部12cとの離間距離は、両端側において対向する第1フランジ部12aと第2フランジ部12との間の離間距離(第3フランジ部12cと第4フランジ部12dとの間の離間距離)より長くなるように設定されている。
対向する一対のフランジ部12の間、即ち、第1フランジ部12aと第2フランジ部12との間、第2フランジ部12bと第3フランジ部12cとの間、及び第3フランジ部12cと第4フランジ部12dとの間の各外周面に繊維コード束30を構成する繊維コード101(図9参照)が巻き掛けられている。
図1から図3に示すように、駆動側内筒部材10aは、軸心O2を有し鉄等の金属より円筒状に形成される筒部材であって、駆動側カラー10に締り嵌め状態で圧入されている。この駆動側内筒部材10aにより、駆動側カラー10の剛性を向上させている。
この駆動側内筒部材10aの内周孔に駆動軸(図示せず)の端部に固着されるボルト(図示せず)が挿通され、かかるボルトが駆動側内筒部材10aの端面に締結されている。よって、このボルトを介して駆動軸と弾性継手1とが連結されている。なお、この駆動側内筒部材10aは、駆動軸又は従動軸(共に図示せず)に接続される側の端部を軸心O2方向に後述する弾性体40の端面から突設させている。
図2及び図3に示すように、駆動側内筒部材10aの厚み(図2及び図3左右方向の厚み)は、駆動側カラー10の最大厚L13より肉厚に設定されている。よって、駆動側内筒部材10aの端面を上述したボルト(図示せず)の座面として利用することができる。
なお、駆動側カラー10及び従動側カラー20は、同一形状に形成されるので、従動側カラー20についての説明は省略する。また、筒部21は筒部11に対応し、フランジ部22はフランジ部12に対応し、第1フランジ部12a〜第4フランジ部12dは、第1フランジ部22a〜第4フランジ部22dに対応し、駆動側内筒部材10aは従動側内筒部材20aに対応し、軸心O2は軸心O3に対応する。
図1に示すように、駆動側カラー10及び従動側カラー20は、それぞれ4個ずつが、軸心O1の同心円上に交互かつ等間隔に配置されている。よって、隣設する駆動側カラー10と従動側カラー20との各離間距離L1(軸心O2,O3間の離間距離)は同一に設定され、弾性継手1の軸心O1と駆動側カラー10の軸心O2(従動側カラー20の軸心O3)との各離間距離L2も同一に設定されており、離間距離L1は、離間距離L2より短く設定されている。
よって、離間距離L1が離間距離L2より長く設定される場合に比べて、隣設する駆動側カラー10と従動側カラー20との間に巻き掛けられる後述する繊維コード束30の延びを抑制でき、弾性継手1の耐久性を向上させることができる。
また、図1から図3に示すように、隣設する駆動側カラー10及び従動側カラー20の間には、ポリエステル繊維等の合成繊維からなる繊維コードを多層多列にループ状に巻回することにより形成した補強のための無端状(エンドレス)の繊維コード束30が巻き掛けられている。
繊維コード束30は、駆動側カラー10の回転を従動側カラー20に伝達する部材であって、駆動側カラー10が回転することにより、繊維コード束30を回転させ、その繊維コード束30により従動側カラー20を回転させている。これにより、駆動軸(図示せず)側から従動軸(図示せず)側にトルク伝達を行うことができる。
図1に示すように、繊維コード束30は、各駆動側カラー10と、弾性継手1の駆動時の回転方向Zにおける後方側の各従動側カラー20との間に巻き掛けられる駆動側繊維コード束31と、各駆動側カラー10と、弾性継手1の駆動時の回転方向Zにおける前方側の各従動側カラー20との間に巻き掛けられる一対の従動側繊維コード束32とを備えて構成されている。
通常、車両発進等による駆動開始時や通常の駆動回転時においては、各駆動側カラー10と、その回転方向後方側の従動側カラー20との間、即ち駆動側繊維コード束31に大きい引張り力が作用する。従って、上述したように、駆動側繊維コード束31が巻き掛けられる第2フランジ部12bと第3フランジ部12cとの間の離間距離は、従動側繊維コード束32が巻き掛けられる第1フランジ部12aと第2フランジ部12b(第3フランジ部12cと第4フランジ部12d)との間の離間距離より長尺に設定されている。これにより、駆動側繊維コード束31のコード本数つまりコード束全体の軸心O1方向(図2及び図2上下方向)における断面積が従動側繊維コード束32のコード本数つまりコード束全体の軸心O1方向における断面積よりも大きく設定されている。
即ち、図2及び図3に示すように、駆動側繊維コード束31は、駆動側カラー10及び従動側カラー20の中央部に、従動側繊維コード束32は、駆動側カラー10及び従動側カラー20の両端部に、フランジ部12a〜12dによってそれぞれ区分して巻き掛けられている。
図1から図3に示すように、駆動側繊維コード束31は、駆動側カラー10に巻き掛けられ軸心O1方向(図1紙面手前側)から視て半円状に構成される駆動側巻掛部31aと、隣設する駆動側カラー10および従動側カラー20に掛け渡される直線状の延設部31bと、従動側カラー20に巻き掛けられ軸心O1方向から視て半円状に構成される従動側巻掛部31cとを備えて構成されている。
図1に示すように、弾性継手1の軸心O1から駆動側巻掛部31a(従動側巻掛部31c)の外縁までの巻掛部離間距離L3(弾性継手1の軸心O1から駆動側繊維コード束31までの最長離間距離)は、76.5mmに設定され、弾性継手1の軸心O1から後述する肉盗み部50(図4参照)側の延設部31bまでの延設部離間距離L4(弾性継手1の軸心O1から駆動側繊維コード束31までの最短離間距離)は、72mmに設定されている。
よって、巻掛部離間距離L3と延設部離間距離L4との差は、駆動側繊維コード束31の巻き厚L5(6mm)よりも小さい4.5mmに設定されている。よって、巻掛部離間距離L3と延設部離間距離L4との差が駆動側繊維コード束31の巻き厚L5(6mm)より大きく設定される場合に比べて、駆動側繊維コード束31の延設部31bの巻き掛け方向を、軸心O1方向から視て複数の駆動側繊維コード束31と従動側繊維コード束32とが外接する仮想のコード外接円m2(図4参照)に近づけることができる。従って、複数の駆動側繊維コード束31と従動側繊維コード束32の外形ラインをかかるコード外接円m2(真円形状)に近づけることができる。
なお、駆動側繊維コード束31と従動側繊維コード束32とは、上述した断面積の点を除き、同様に構成されるので、従動側繊維コード束32についての詳しい説明は省略する。また、駆動側巻掛部31aは、駆動側巻掛部32aに対応し、延設部31bは延設部32bに対応し、従動側巻掛部31cは従動側巻掛部32cに対応する。
図1に示すように、弾性体40は、軸心O1方向(図1紙面手前方向)から視て八角形状に形成されるゴム部材であって、この弾性体40には、隣設する各駆動側カラー10と各従動側カラー20との間に、それぞれ穴抜き部40bが形成されており、すべての穴抜き部40bは同一形状に形成されている。なお、弾性体40の具体的構成については、図4から図7を参照して後に詳しく説明する。
図2及び図3に示すように、穴抜き部40bは、後面(図2及び図3上面)により一段低い位置に設けられたテーパ部40Aに連続して弾性継手1の厚み方向(図2及び図3上下方向)に延設される孔であって、図1に示すように、穴抜き部40bの前面側(図2及び図3下側)は、薄膜40cで閉塞されると共に、その穴抜き部40bは、開口幅L6(弾性継手1の軸心O1を中心とする円の周方向における寸法)とする矩形状に形成されている。
この穴抜き部40bにより、弾性体40(後述する第1弾性体41及び第2弾性体42、図4参照)のばね定数を小さく設定することができる。よって、穴抜き部40bが設けられない場合に比べて、弾性体40が弾性変形し易くなるので、駆動側カラー10(駆動軸)及び従動側カラー20(従動軸)の間で発生する振動および捩れ(撓み)等を吸収することができる。
また、弾性体40(後述する第1弾性体41及び第2弾性体42)の弾性変形に対する表面の自由長を稼ぐことができる。さらに、繊維コード束30の回転に伴って繊維コード束30を構成する繊維コード101(図9参照)の摩擦により発生する熱に対して冷却効果を向上させることができる。従って、繊維コード束30の繊維コードが破断することを防止でき、その耐久性を向上させることができる。
また、穴抜き部40bは、薄膜40cに近接するに従ってその開口面積を漸減させている。即ち、穴抜き部40bの開口幅L6は、テーパ部40A側で最大の4mmに設定され、薄膜40c側で最小の2.5mmに設定されている。
よって、穴抜き部40bの開口幅L6は、駆動側繊維コード束31の巻き厚L5(6mm)より小さく設定されている。従って、穴抜き部40bの開口幅L6を駆動側繊維コード束31の巻き厚L5より大きく設定した場合に比べて、穴抜き部40bの空間部分の容積を小さくすることができる。よって、弾性体40(後述する第1弾性体41及び第2弾性体42)のゴム量を確保することができ、複数の駆動側カラー10と、複数の従動側カラー20と、複数の駆動側繊維コード束31と、複数の従動側繊維コード束32とを弾性体40で安定して弾性体40で保持することができる。
また、穴抜き部40bの開口幅L6は、薄膜40c側が最小となるので、薄膜の面積を最も小さく設定することができる。よって、弾性体40(後述する第1弾性体41及び第2弾性体42)が弾性変形する場合に、薄膜40cの変形量を抑制して薄膜40cに亀裂が発生することを防止することができる。なお、穴抜き部40bと駆動側繊維コード束31及び従動側繊維コード束32との間に配置される部分のゴム厚L7,L8(図4参照)については、図4を参照して後に詳しく説明する。
図2及び図3に示すように、穴抜き部40bの前面側(図2及び図3下側)は、薄膜40cで閉塞されると共に、その薄膜40cの前面側(図2及び図3下側)には、弾性体40の前面より一段凹む段部40eが形成されている。なお、薄膜40cのゴム厚は、1mmに設定されている。
薄膜40cを車両前面側に向けて、弾性継手1は、駆動軸と従動軸(共に図示せず)とに組付けられる。この薄膜40cを車両前方に向けることにより、穴抜き部40b内に風や泥等の汚れが侵入することを防止することができる。よって、穴抜き部40bに風が侵入することによって発生する風切り音、および泥等の汚れの侵入によって発生する穴抜き部40bの詰まりの発生を防止できる。
さらに、薄膜40cを有する側と同じ軸心O1方向の一端側面には、弾性体40における駆動側カラー10の近傍に、例えば弾性体40の成形と一体に成形される凸部等の識別マーク40dが形成されている。この識別マーク40dは、弾性継手1の軸心O1方向で、駆動側繊維コード束31の軸心O1から離間する側の延設部31bとその一部が重なる位置に配置されている。
この識別マーク40dによって、同一形状に形成される駆動側カラー10及び従動側カラー20から、駆動軸(図示せず)に連結される駆動側カラー10と、従動軸(図示せず)に連結される従動側カラー20とを簡易に識別することができると共に、弾性継手1の前面(図2及び図3下面)と後面(図2及び図3上面)、即ち薄膜40cが形成されている側とそうでない側とを簡易に識別することができる。
よって、弾性継手1を駆動軸と従動軸(ともに図示せず)とに組み付ける際、この識別マーク40dを目印にすることで、即ち、識別マーク40dの有無によって、駆動側カラー10又は従動側カラー20を簡易に識別することができると共に、弾性継手1の前面(図2及び図3下面)と後面(図2及び図3上面)とを簡易に識別することができる。
従って、薄膜40cを車両前側(図2及び図3右側)に向けて、駆動側カラー10(駆動側内筒部材10a)に駆動軸(図示せず)の端部に固着されるボルト(図示せず)を取り付ける作業、および、従動側カラー20(従動側内筒部材20a)に従動軸(図示せず)の端部に固着されるボルト(図示せず)を取り付ける作業を簡易に行うことができる。
この識別マーク40dは、全ての駆動側カラー10の近傍に設けておくのが好ましいが、一つの駆動側カラー10の近傍に設けておくだけでもよく、この場合にも、駆動側カラー10と従動側カラー20とは交互に配置されるので、駆動側カラー10と従動側カラー20とを容易に識別することができる。
また、この識別マーク40dは、弾性体40の成形後の加工手段により、駆動側カラー10の近傍に付設することも可能であるが、弾性体40の成形と同時に形成しておくのが望ましい。
この識別マーク40dは、凸部のほか、凹部であってもよく、またその形状は図のような円形をなすものには限らず、角形あるいは点や線状の凸部や凹部でもよい。実施上は、駆動側カラー10及び従動側カラー20の近傍に弾性体40と一体に成形される凸部が、内部の駆動側繊維コード束31又は従動側繊維コード束32に影響を与えずに形成でき、しかも視覚的に容易に確認できるだけでなく、手触りによっても確認でき好ましい。
次に、図4から図8を参照して弾性体40について説明する。図4は、図1(a)の弾性継手1の一部拡大正面図であり、図5は、図1(b)のV―V線における弾性継手1の断面図であり、図6は、図1(b)のVI―VI線における弾性継手1の断面図である。また、図7(a)は、図4(a)のVIIa―VIIa線における弾性継手1の断面図であり、図7(b)は、図4(a)のVIIb―VIIb線における弾性継手1の断面図である。さらに、図8(a)は、図4(a)のVIIIa―VIIIa線における弾性継手1の断面図であり、図8(b)は、図4(a)のVIIIb―VIIIb線における弾性継手1の断面図である。
また、図6において、駆動側繊維コード束31及び従動側繊維コード束32の一部が破線で図示され、図4から図6において、弾性継手1の軸心O1方向から視て弾性体40に外接する仮想の弾性体外接円m1が二点鎖線で図示され、図4において、弾性継手1の軸心O1方向から視て複数の駆動側繊維コード束31と従動側繊維コード束32とが外接する仮想のコード外接円m2が二点鎖線で図示されている。なお、図7(b)及び図8(b)において、駆動側カラー10及び従動側カラー20の図示が省略されている。
さらに、図6において、図6のK1で示す部分について拡大図示されており、図7(a)において、図7(a)のK2で示す部分について拡大図示されており、図7(b)において、図7(b)のK3で示す部分について拡大図示されており、図8(a)において、図8(a)のK4で示す部分について拡大図示されており、図8(b)において、図8(b)のK5で示す部分について拡大図示されている。
図4から図6に示すように、弾性体40は、複数の駆動側カラー10と、複数の従動側カラー20と、複数の駆動側繊維コード束31と、複数の従動側繊維コード束32とに一体成形される弾性部材である。
即ち、少なくとも各駆動側カラー10(駆動側内筒部材10a)の内周孔及び各従動側カラー20(従動側内筒部材20a)の内周孔を外部に露出させた状態で、各駆動側繊維コード束31及び各従動側繊維コード束32が巻き掛けられた各駆動側カラー10及び各従動側カラー20を、成形型(図示せず)にセットし、その成形型に弾性部材(ゴム材料)を充填して加硫することにより、弾性体40が各駆動側カラー10、各従動側カラー20、各駆動側繊維コード束31、及び各従動側繊維コード束32と一体加硫成形されている。
また、図5及び図6に示すように、弾性体40は、弾性継手1の軸心O1と同心を有し軸心O1方向(図5及び図6の紙面手前から奥方向)に貫通する八角形状の孔である貫通孔40aと、弾性継手1の軸心O1方向から視て弾性体40に外接する仮想の弾性体外接円m1及び弾性体40(後述する第4弾性体44)の間に隙間である後述する8つの肉盗み部50とが設けられることにより、弾性継手1の軸心O1から視て(図5及び図6紙面手前から視て)八角形のドーナツ状に形成されている。この肉盗み部50については、後に詳しく説明する。
更に、図5及び図6に示すように、弾性体40は、各駆動側カラー10とその回転方向Zの後方側の従動側カラー20との間に配置される複数の第1弾性体41と、第1弾性体41と同心円状で交互に配置され各駆動側カラー10とその回転方向Zの前方側の従動側カラー20との間に配置される複数の第2弾性体42と、同心円状で交互に配置される複数の第1弾性体41及び複数の第2弾性体43の軸心O1側(内周側)に配置される第3弾性体43と、同心円状で交互に配置される複数の第1弾性体41及び複数の第2弾性体43の肉盗み部50側に配置される第4弾性体44と、を備えて構成されている。
図4及び図5に示すように、第1弾性体41は、弾性継手1の軸心O1方向(図5紙面手前から奥方向)で駆動側繊維コード束31のライン内(ラインと重なる部分も含む)に設けられ、第1フランジ部12a,22a及び第2フランジ部12b,22bの間と、第3フランジ部12c,22c及び第4フランジ部12d,22dの間とを除き(図7(b)参照)、駆動側カラー10の筒部11の外周とその回転方向後方側の従動側カラー20の筒部21の外周との間に配置されるゴム部材であって、駆動側カラー10と従動側カラー20との中央に上述した穴抜き部40bが穿設されている。
また、図4及び図7(a)に示すように、穴抜き部40bと駆動側繊維コード束31の延設部31bとの間の第1弾性体41のゴム厚L7a(図7(a)左右方向の寸法)は、穴抜き部40bの穿設方向(図7(a)上から下方向)で漸増するように設定されており、開口部側(図4紙面手前側、図7(a)上側)が最小の4mmに設定され、薄膜40c側(図4紙面奥側、図7(a)下側)が最大の4.5mmに設定されている。
さらに、図4及び図7(b)に示すように、穴抜き部40bと従動側繊維コード束32の駆動側巻掛部32a(従動側巻掛部32c)との間に配置される第1弾性体41のゴム厚L8a(図7(b)左右方向の寸法)は、穴抜き部40bの穿設方向(図7(b)上から下方向)で漸増するように設定されており、開口部側(図4紙面手前側、図7(b)上側)が最小の3mmに設定され、薄膜40c側(図4紙面奥側、図7(b)上側)が最大の4.3mmに設定されている。
図4及び図6に示すように、第2弾性体42は、弾性継手1の軸心O1方向(図5紙面手前から奥方向)で従動側繊維コード束32のライン内(ラインと重なる部分も含む)に設けられ、第2フランジ部12b,22bと第3フランジ部12c,22cとの間とを除き(図8(b)参照)、駆動側カラー10の筒部11の外周とその回転方向で前方側の従動側カラー20の筒部21の外周との間に配置されるゴム部材であって、駆動側カラー10と従動側カラー20との中央に上述した穴抜き部40bが穿設されている。
また、図4及び図8(a)に示すように、穴抜き部40bと従動側繊維コード束32の延設部32bとの間に配置される第2弾性体42のゴム厚L7b(図8(a)左右方向の寸法)は、穴抜き部40bの穿設方向(図8(a)上から下方向)で漸増するように設定されており、開口部側(図4紙面手前側、図7(a)上側)が最小の3.8mmに設定され、薄膜40c側(図4紙面奥側、図7(a)下側)が最大の4.8mmに設定されている。
さらに、図4及び図8(b)に示すように、穴抜き部40bと駆動側繊維コード束31の駆動側巻掛部31a(従動側巻掛部31c)との間に配置される第2弾性体42のゴム厚L8b(図7(b)左右方向の寸法)は、穴抜き部40bの穿設方向(図7(b)上から下方向)で漸増するように設定されており、開口部側(図4紙面手前側、図7(b)上側)が最小の3.5mmに設定され、薄膜40c側(図4紙面奥側、図7(b)上側)が最大の4mmに設定されている。
よって、弾性体40は、上述した穴抜き部40bを設けることにより、穴抜き部40bと繊維コード束31,32の延設部31b,32bとの間のゴム厚L7(L7a及びL7b)を、駆動側繊維コード束31の巻き厚L5より小さく設定し、薄肉化を図っている。更に、穴抜き部40bと繊維コード束31,32の巻掛部31a,32a,31c,32cとの間に配置されるゴム厚L8(L8a及びL8b)を、穴抜き部40bと延設部31b,32bとの間のゴム厚L7(L7a及びL7b)より小さく設定し、薄肉化を図っている。
従って、穴抜き部40bが設けられない場合に比べて、弾性体40(第1弾性体41又は第2弾性体42)のばね定数を小さく設定しつつ、穴抜き部40bと非撓み部分である繊維コード束31,32の巻掛部31a,32a,31c,32cに配置されるゴム部分の周方向のゴム厚より、穴抜き部40bと繊維コード束31,32の撓み部分である延設部31b,32bに配置されるゴム部分の半径方向のゴム厚を肉厚に設定することができる。
結果として、駆動側繊維コード束31及び従動側繊維コード束32によって駆動軸(図示せず)から従動軸(図示せず)へ回転トルクを伝達する場合に、延設部31b,32b及びこの部分に沿って設けられるゴム部分が弾性変形し易くすることができる。結果として、駆動軸(図示せず)から従動軸(図示せず)に回転トルクを伝達する場合に、駆動軸と従動軸との間で発生する振動および捩れ(撓み)等に対してその弾性変形により、弾性継手1の振動減衰機能を向上させることができる。よって、乗り心地の向上を図ることができる。
また、第1弾性体41及び第2弾性体42は、その内部に駆動側繊維コード束31及び従動側繊維コード束32の回転による摩擦熱がこもるので、他の部分に比べて、高温となり易い。これに対して、穴抜き部40bにより第1弾性体41及び第2弾性体42の放熱面積を確保することにより、第1弾性体41及び第2弾性体42の冷却性を向上させることができる。
さらに、穴抜き部40bを設ける場合に、ゴム厚L7に比べてゴム厚L8が薄肉に設定されているので、駆動側カラー10の筒部11及び従動側カラー20の筒部21と接触して発熱し易い部分(穴抜き部40bと巻掛部31a,32a,31c,32cとの間のゴム部分)の放熱性を向上させることができる。よって、第1弾性体41及び第2弾性体42の熱劣化を防止することができ、第1弾性体41及び第2弾性体42(弾性継手1)の耐久性を向上させることができる。
一方、駆動側繊維コード束31の駆動側巻掛部31a(従動側巻掛部31c)、又は従動側繊維コード束32の駆動側巻掛部32a(従動側巻掛部32c)は、駆動側繊維コード束31及び従動側繊維コード束32の非撓み部分であり、駆動側繊維コード束31及び従動側繊維コード束32が撓む際にその一部が外部に露出するという問題が生じ得ない。
よって、穴抜き部40bと駆動側繊維コード束31の駆動側巻掛部31a(従動側巻掛部31c)との間における第1弾性体41の周方向のゴム厚L8、又は穴抜き部40bと従動側繊維コード束32の駆動側巻掛部32a(従動側巻掛部32c)との間における第2弾性体42の周方向のゴム厚L8を、駆動側繊維コード束31(従動側繊維コード束32)の巻き厚L5より小さく設定して薄肉に設定した場合であっても、駆動側繊維コード束31(従動側繊維コード束32)が外部に露出することを防止することができる。
また、第1弾性体41及び第2弾性体42において、穴抜き部40bと駆動側繊維コード束31の駆動側巻掛部31a(従動側巻掛部31c)との間、又は穴抜き部40bと従動側繊維コード束32の駆動側巻掛部32a(従動側巻掛部32c)との間は薄肉に設定されているので、型にゴム、樹脂等の弾性体を流し込んで弾性継手1を成形する際に、穴抜き部40bと駆動側繊維コード束31の駆動側巻掛部31a(従動側巻掛部31c)との間、又は穴抜き部40bと従動側繊維コード束32の駆動側巻掛部32a(従動側巻掛部32c)との間に、ゴム、樹脂等弾性体が均一に流れ込まない恐れがあり、駆動側繊維コード束31(従動側繊維コード束32)の内周側においてゴム、樹脂等の弾性体が全体に均一に行き渡るように弾性体の流動性を向上させる必要がある。
これに対して、穴抜き部40bと駆動側繊維コード束31の駆動側巻掛部31a(従動側巻掛部31c)との間の第1弾性体41の部分、又は穴抜き部40bと従動側繊維コード束32の駆動側巻掛部32a(従動側巻掛部32c)との間の第2弾性体42の部分は、駆動側繊維コード束31(従動側繊維コード束32)の半円状に構成される巻掛部31a,32a,31c,32cに沿うので、半径方向の中心側及び外側に向かって周方向の幅が漸増するように構成されている。
よって、穴抜き部40bと駆動側繊維コード束31の駆動側巻掛部31a(従動側巻掛部31c)との間における第1弾性体41の周方向のゴム厚L8、又は穴抜き部40bと従動側繊維コード束32の駆動側巻掛部32a(従動側巻掛部32c)との間における第2弾性体42の周方向のゴム厚L8が、駆動側繊維コード束31(従動側繊維コード束32)の巻き厚L5より小さく設定される場合であっても、ゴム、樹脂等の弾性体を駆動側繊維コード束31の駆動側巻掛部31a(従動側巻掛部31c)、又は従動側繊維コード束32の駆動側巻掛部32a(従動側巻掛部32c)にガイドさせて駆動側繊維コード束31(従動側繊維コード束32)の内周側に均一に流動させることができる。従って、弾性継手1の弾性体40に製造上の誤差が発生することを防止でき、回転体としての弾性継手1のバランスの均一化を図ることができる。
図5から図8に示すように、第3弾性体43は、第1弾性体41及び第2弾性体42の内周に配置されるゴム部材であって弾性継手1の軸心O1方向から視て八角形状のリング状に形成されている。
第3弾性体43のゴム厚L9(図7(a)及び図8(a)左右方向の寸法)は、貫通孔40aの内縁に沿って周方向に6mmの同一幅に設定され、その同一幅で穴抜き部40bの穿設方向(図7(a)及び図8(a)上下方向)に延設されている。
即ち、図4、図5及び図6に示すように、第3弾性体43の駆動側繊維コード束31の延設部31bに沿って設けられた部分は、略同一のゴム厚L9で周方向に延設されている。また、第3弾性体43の従動側繊維コード束32の延設部32bに沿って設けられた部分も、略同一のゴム厚L9で周方向に延設されている。
よって、弾性継手1の軸心O1のぶれを減少させることができ、弾性継手1の回転トルクの伝達性能を安定させることができる。従って、駆動軸(図示せず)から従動軸(図示せず)に回転トルクを伝達する場合にその出力向上を図ることができる。
また、第3弾性体43のゴム厚L9は、駆動側繊維コード束31及び従動側繊維コード束32の巻き厚L5(5mm)と同一に設定されているので、かかる巻き厚L5より小さく設定された場合に比べて、第3弾性体43の弾性変形をし易くすることができる。よって、駆動軸(図示せず)から従動軸(図示せず)に回転トルクを伝達する場合に、駆動軸と従動軸との間で発生する振動および捩れ(撓み)等に対して、その弾性変形により弾性継手1の振動減衰機能を向上させることができるので、乗り心地の向上を図ることができる。
図4から図6に示すように、第4弾性体44は、弾性継手1の軸心O1方向から視て弾性体外接円m1と外接すると共に第1弾性体41及び第2弾性体42の外周に配置されるゴム部材であって、弾性継手1の軸心O1方向から視て(図5及び図6紙面手前から視て)第3弾性体より一回り大きい八角形のリング状に形成されている。
図4に示すように、第4弾性体44のゴム厚L10は、仮想の弾性体外接円m1に沿って増減するように設定されると共に、穴抜き部40bの穿設方向(図6(b)及び図7(b)上下方向)と重なる部分で一定に設定されている。
即ち、第4弾性体44のゴム厚L10は、駆動側繊維コード束31の延設部31bの中央または従動側繊維コード束32の延設部32bの中央で最大の5mmに設定され、駆動側繊維コード束31の駆動側巻掛部31a(従動側巻掛部31c)または従動側繊維コード束32の駆動側巻掛部32a(従動側巻掛部32c)に近づくに従って漸減するように設定されている。そして、第4弾性体44のゴム厚L10は、駆動側繊維コード束31の駆動側巻掛部31aと従動側繊維コード束32の駆動側巻掛部32aとの巻き掛け開始(終了)部分及び駆動側繊維コード束31の従動側巻掛部31cと従動側繊維コード束32の従動側巻掛部32cとの巻き掛け開始(終了)部分で最小の2mmに設定されている。
従って、第4弾性体44は、駆動側繊維コード束31及び従動側繊維コード束32の撓み部分である延設部31b及び延設部32bが厚肉に設定され、非撓み部分である駆動側巻掛部31a及び従動側巻掛部31cが薄肉に設定されている。結果として、第4弾性体44は、薄肉部分を設けることにより軽量化を図りつつ、厚肉部分を設けることにより弾性継手1の振動減衰機能を向上させると共に、駆動側繊維コード束31及び従動側繊維コード束32が露出することを確実に防止することができる。
また、第4弾性体44のゴム厚L10は、巻掛部離間距離L3と延設部離間距離L4との差より大きく設定されている。即ち、巻掛部離間距離L3と延設部離間距離L4との差は、第4弾性体44のゴム厚L10の最大部分より小さい値に設定されている。
詳述すると、L3とL4との差は、4.5mmであり、第4弾性体44のゴム厚L10の最大部分は5mmに設定されている。よって、駆動側繊維コード束31の延設部31b及びコード外接円m2の外心(軸心O1)の間の離間距離であるL3とL4の差より、第4弾性体44のゴム厚L10は大きく設定されている。
従って、第4弾性体44のゴム厚L10がL3とL4との差より小さく設定されている場合に比べて、後述する肉盗み部50を小さく設定でき、弾性継手1の外形ラインを弾性体外接円m1に近づけることができる。
また、この場合であっても、弾性体40と弾性体外接円m1との間には肉盗み部50が設けられているので、弾性体40(弾性継手1)を真円形状に形成した場合に比べて、弾性体40(弾性継手1)の軽量化を図ることができる。
よって、弾性継手1が回転する場合に、弾性継手1の軸心O1のぶれを減少させることができるので、駆動軸から従動軸(ともに図示せず)に回転トルクを伝達する場合に発生する振動等を抑制することができ、弾性継手1の回転トルクの伝達性能を安定させることができる。従って、駆動軸から従動軸に回転トルクを伝達する場合の出力向上を図ることができる。
また、コード外接円の半径、即ち弾性継手1の軸心O1から駆動側巻掛部31a(従動側巻掛部31c)の外縁までの巻掛部離間距離L3と、コード外接円m2の外心O1から肉盗み部50側の延設部31b,32bまでの最短距離L4との差が、第4弾性体44のゴム厚L10より小さく設定されているので、コード外接円m2の外心O1から肉盗み部50側の延設部31b,32bまでの最短距離L4との差がゴム厚L10より大きく設定されている場合に比べて、駆動側カラー10の軸心O2と従動側カラー20の軸心O3との間の離間距離L1(図1参照)が小さく設定される。
よって、同じトルクが負荷された場合に、駆動側繊維コード束31及び従動側繊維コード束32の延びを抑制することができると共に、高出力が駆動側繊維コード束31及び従動側繊維コード束32に負荷された場合でも駆動側繊維コード束31及び従動側繊維コード束32の破断を防止することができる。従って、弾性継手1の耐久性を向上させることができる。
さらに、第4弾性体44のゴム厚L10は、第3弾性体43のゴム厚L9より薄肉に設定されている。また、第4弾性体44は弾性継手1の肉盗み部50側に配置され、第3弾性体43は弾性継手1の軸心O1側に配置されている。よって、肉盗み部50側のゴム厚L10が弾性継手1の軸心O1側のゴム厚L9より薄肉となる。従って、第4弾性体44のゴム厚L10が第3弾性体43のゴム厚L9より厚肉に設定されている場合に比べて、第4弾性体44の放熱性を向上させることができるので、第1弾性体40及び第2弾性体42の劣化も抑制でき、弾性継手1の耐久性を向上させることができる。
また、第4弾性体44の最大部分のゴム厚L10は、穴抜き部40bと延設部31b(延設部32b)との間に配置される部分のゴム厚L7より大きく設定されている。よって、繊維コード束31,32の延設部31b,32bが弾性継手1の軸心O1方向で外側に撓んだ場合に、かかる延設部31b及び延設部32bが外部に露出することを確実に防止することができる。また、穴抜き部40bと延設部31b(延設部32b)との間に配置される部分を薄肉に設定することにより、第1弾性体41及び第2弾性体42の穴抜き部40bを半径方向に拡大することができるので、第1弾性体41及び第2弾性体42を弾性変形し易く設定することができる。
図4から図6に示すように、肉盗み部50は、第4弾性体44の外周と弾性体外接円m1との間で皿状に設定される隙間であって、穴抜き部40bによる弾性体40(弾性継手1)の軽量化に加えて、かかる肉盗み部50によっても弾性体40(弾性継手1)の軽量化を図ることができる。また、肉盗み部50によって、弾性体40(弾性継手1)の外形が八角形状に形成されている。よって、第4弾性体44の延設部31b,32bに沿って設けられるゴム厚の均一化が図られている。
また、図4に示すように、肉盗み部50半径方向の幅L11は、延設部31b,32bの中央(穴抜き部40bの半径方向の延長線上)で最大の1.8mmに設定されている。よって、肉盗み部50の半径方向の幅L11は、穴抜き部40bの開口幅L6より小さく設定されている。
従って、穴抜き部40bと肉盗み部50とにより弾性体40(弾性継手1)の軽量化を図った場合に、肉盗み部50の半径方向の幅L11を巻き厚L5より小さく設定される穴抜き部40bの開口幅L6より小さく設定するので、弾性体40(弾性継手1)を真円形状に近づけることができる。結果として、弾性継手1の軸心O1にぶれが発生しない大きさに肉盗み部50を設定することができ、弾性体40(弾性継手1)の軽量化を図りつつ弾性継手1のトルク伝達性能を向上させることができる。
また、図4に示すように、肉盗み部50の半径方向の幅L11は、穴抜き部40bと繊維コード束31,32の巻掛部31a,32a,31c,32cとの間に配置されるゴム厚L8より小さく設定されている。よって、弾性体40(弾性継手1)の外形をさらに真円形状に近づけることができる。従って、よりいっそう弾性体40(弾性継手1)の軽量化を図りつつ、弾性体40(弾性継手1)のトルク伝達性能を向上させることができる。
また、穴抜き部40bと駆動側繊維コード束31の駆動側巻掛部31a(従動側巻掛部31c)との間における第1弾性体41の周方向のゴム厚L8、又は穴抜き部40bと従動側繊維コード束32の駆動側巻掛部32a(従動側巻掛部32c)との間における第2弾性体42の周方向のゴム厚L8は、第1弾性体41および第2弾性体42で最も薄肉に設定されており、かかるゴム厚L8より肉盗み部50の半径方向の幅L11がさらに小さく設定されるので、肉盗み部50が過大化することを抑制することができる。よって、穴抜き部40bと肉盗み部50とにより弾性体40の軽量化を図った場合でも、弾性体40を真円形状に近づけることができる。
結果として、弾性継手1の軸心にぶれが発生しない大きさに肉盗み部50を設定することができ、弾性体40の軽量化を図りつつ弾性継手1のトルク伝達性能を向上させることができる。
また、肉盗み部50の半径方向の幅L11は、第1弾性体41又は第2弾性体42の最も薄肉に設定される部分のゴム厚L8より小さく設定されるので、肉盗み部50の半径方向の幅L11が、かかるゴム厚L8より大きく設定される場合に比べて、弾性体40(第4弾性体44)の周方向における表面積を広く確保することができ、弾性体40の冷却性を向上させることができる。
さらに、穴抜き部40bの開口幅L6が繊維コード束31,32の巻き厚L5より小さく設定されるので、かかる開口幅L6を巻き厚L5より大きく設定した場合に比べて、穴抜き部40bの空間部分の容積を小さくすることができる。よって、繊維コード束31,32の内部に配置される第1弾性体41及び第2弾性体42のゴム量を確保することができ、駆動側カラー10(駆動軸)から従動側カラー20(従動軸)へ動力(トルク)を伝達する場合に、操縦安定性を向上させることができる。
また、穴抜き部40bの開口幅L6を肉盗み部50の半径方向の幅L11より大きく設定するので、弾性継手1の肉盗み部50側より軸心O1に近い部分で、高温となる駆動側繊維コード束31及び従動側繊維コード束32の内周側に配置される第1弾性体41及び第2弾性体42の放熱性を向上させることができると共にその軽量化を図ることができる。
加えて、肉盗み部50半径方向の幅L11は、駆動側繊維コード束31の駆動側巻掛部31a(従動側巻掛部31c)または従動側繊維コード束32の駆動側巻掛部32a(従動側巻掛部32c)に近づくに従って漸減しながら消滅するように設定されている。よって、第4弾性体44の外周面に段部が形成されることを防止でき、第4弾性体44の外周面の周方向に流れる走行風の流れをスムーズにすることができる。
さらに、肉盗み部50の半径方向の幅L11を、第1弾性体41及び第2弾性体42のゴム厚L8より小さく設定して肉盗み部50を最小とするので、弾性体40(弾性継手1)の外周を真円形状に近づけることができる。よって、第4弾性体44の外周面の周方向に流れる走行風の流れをいっそうスムーズにすることができ、かかる走行風による弾性体40(弾性継手1)の冷却性能をさらに向上させることができる。
駆動側カラー10と駆動側カラー10とは、それぞれ4つずつ配置され、隣設する駆動側カラー10の軸心O2と駆動側カラー10の軸心O3との間の離間距離はそれぞれ等間隔に設定されているので、駆動軸及び従動軸(共に図示せず)に接続される箇所をそれぞれ等間隔で4カ所設けることができる。よって、駆動側カラー10と従動側カラー20とに駆動軸又は従動軸からのトルクが負荷された場合に、上下左右の4カ所に振動吸収部分である駆動側繊維コード束31又は従動側繊維コード束32及びその周囲に配置されるゴム部分を配置することができるので、駆動軸と従動軸との間でどの方向に振動および捩れ(撓み)等が発生しても、駆動側繊維コード束31及び従動側繊維コード束32及び弾性体40を弾性変形させることができ、弾性継手1の振動減衰機能を向上させることができる。
次に、図9から図12を参照して、駆動側カラー10及び従動側カラー20に繊維コード束30(図10参照)を形成する繊維コード101を巻き掛ける場合に用いられる糸巻き掛け装置100について説明する。
図9は、糸巻き掛け装置100の概略正面図であり、図10は、図9の矢印A3方向から視た糸巻き掛け装置100の一部側面図であり、図11は、図9のXI部分における糸巻き掛け装置100の一部拡大正面図であり、図12は、図9のXII部分における糸巻き掛け装置100の一部拡大正面図である。
図9に示すように、糸巻き掛け装置100は、駆動側カラー10及び従動側カラー20の軸心O2,O3と直交する方向に隣設する駆動側カラー10及び従動側カラー20に繊維コード101を巻き掛ける装置であって、装置フレーム110Aと、装置フレーム110Aに設置され隣設する駆動側カラー10及び従動側カラー20が縦置き(軸心O2,O3が上下方向(図9上下方向)に一致して配置)されるテーブル129と、装置フレーム110Aの下方(図9下方)に設けられる支持部102に横置き状態(軸心O11が前後方向(図9紙面手前から奥方向)に一致する状態で)で回転可能に支持され繊維コード101が巻回されるボビン103と、そのボビン103を軸心O5周りに回転させて繊維コード101を上方(図9上方)に繰り出す電動モータM(図10参照)と、ボビン103から繰り出された繊維コード101の先端部101A(図12参照)を保持する保持部104(図12参照)と、保持部104とボビン103との間の繊維コード101の張力を調整する張力調整部105と、保持部104よりも繊維コード101の繰り出し方向上手側で繊維コード101を挿通させるノズル106と、ノズル106を電動モータMによって隣設する一対の駆動側カラー10及び従動側カラー20の周りに回転させるコード巻き掛け機構107と、繊維コード101の張力を検出する張力検出手段108と、その張力検出手段108の検出結果に基づいて電動モータMを制御する制御装置109(図11参照)を備えて構成されている。
かかる糸巻き掛け装置100によって、繊維コード101がボビン103から上方(図9上方)の張力調整部105に向かって繰り出され、張力調整部105で水平方向(図9左右方向)に掛け渡されて、上方の張力調整部105からコード巻き掛け機構107の後述するノズル106に挿通されるように、繊維コード101の繰り出し経路が設定されている。
図9及び図10に示すように、ボビン103は、中空の回転ドラム111と、その回転ドラム111の両端から径方向の外側(図10上下方向)に張り出すボビン側フランジ112とを備え、回転ドラム111に繊維コード101が巻き掛けられると共にボビン側フランジ112で繊維コード101を区分している。
また、回転ドラム111の軸方向(図10左右方向)の一端から突出する第1軸部113がベアリングBを介して支持部102に支持されている。この支持部102は、装置フレーム110Aの下方に設置される基礎フレーム110Bに固定されている。また、回転ドラム111の軸方向の他端から突出する第2軸部114が電動モータMに連結されている。
そして、張力検出手段108の検出結果に基づいて、繊維コード101の張力が設定値になると、制御装置109は、電動モータMを回転駆動させる。これにより、ボビン103から繊維コード101が繰り出される。また、繊維コード101の張力が設定値より小さくなると、制御装置109は、電動モータMの回転を停止させる。これにより、ボビン103からの繊維コード101の繰り出しが停止される。
また、装置フレーム110Aには支柱110Cが立設され、その支柱110Cには、ボビン103と後述する第1テンションローラ121との間で繊維コード101をガイドする上下一対のガイドリング150がそれぞれアーム159を介して設けられている。
上下一対のガイドリング150は、支柱110Cを介して装置フレーム110Aに支持され、下側(図9及び図10下側)のガイドリング150の中心G1とボビン103の軸心Tとの間の鉛直方向(図9及び図10上下方向)の長さN1は、ボビン103に巻回された繊維コード束30のロール径Rの最大値の3倍以上(本実施の形態では5倍)に設定されている。
また、かかる長さN1は、ロール状の繊維コード束30の巻き長さN2(ボビン103の軸方向に対応する方向の長さ、図10左右方向の長さ)の最大値の2倍以上(本実施の形態では4倍)に設定され、上下一対のガイドリング150は、ボビン103の軸方向(図10左右方向)及び径方向(図10上下方向)の軸心Tの鉛直方向上方(図9及び図10上方)に位置している。よって、上下一対のガイドリング150の上方に、後述する第1テンションローラ121が配置され、第1テンションローラ121と下側のガイドリング150との間の繊維コード101が鉛直姿勢に設定可能に第1テンションローラ121が配置されている。
上下一対のガイドリング150のうち、上側のガイドリング150は、上下方向(図9上下方向)において後述する第2補助ローラ152とロボット123の回転軸124との略中央に配置され、下側のガイドリング150は、上下方向においてロボット123の回転軸124と重なる位置に配置されている。即ち、上下一対のガイドリング150は、ボビン103より、第1テンションローラ121に近接するように配置されている。
よって、ボビン103から下側のガイドリング150までの距離が、第1テンションローラ121から上側のガイドリング150(下側のガイドリング150)までの距離より長尺に設定されるので、ボビン103から繰り出される繊維コード101の張力の変化が大きくなることを防止でき、繊維コード101の巻き掛け状態に乱れが発生することを抑制することができる。
図9及び図11に示すように、張力調整部105は、第1テンションローラ121と、第1テンションローラ121より下方(図9下方)に配置される第2テンションローラ122と、第1テンションローラ121を装置フレーム110Aに対して揺動自在に支持する第1揺動アーム131と、第2テンションローラ122を装置フレーム110Aに対して揺動自在に支持する第2揺動アーム132と、第1揺動軸Y1を中心とする回動方向の一方側(図9矢印A1側)に第1揺動アーム131を揺動付勢する第1コイルスプリング141と、第2揺動軸Y2を中心とする回動方向の一方側(図9矢印A2側)に第2揺動アーム132を揺動付勢する第2コイルスプリング142と、第1テンションローラ121への繊維コード101の巻き掛け角を大きくするための第1補助ローラ151と、第2テンションローラ122への繊維コード101の巻き掛け角を大きくするための第2補助ローラ152とを備えて構成されている。
繊維コード101の繰り出し方向(図9矢印H方向)で第1テンションローラ121の下手側(繊維コード101の繰り出し方向下手側)に第1補助ローラ151が配置され、繊維コード101の繰り出し方向(図9矢印H方向)で第2テンションローラ122の上手側(繊維コード101の繰り出し方向上手側)に第2補助ローラ152が配置されている。かかる第1補助ローラ151は、第1支持アーム161を介して装置フレーム110Aに支持されると共に、かかる第2補助ローラ152は、第2支持アーム162を介して装置フレーム110Aに支持されている。
図11に示すように、張力検出手段108は、第1揺動アーム131の基端部によってオンオフされるリミットスイッチ116と、そのリミットスイッチ116をオンオフするバネ板である揺動片117とを備えて構成され、その揺動片117が第1揺動アーム131の基端部を押圧すると、リミットスイッチ116がオンとなる。このリミットスイッチ116がオンされると、ボビン103(図9参照)が電動モータMにより繰り出し回動される。また、揺動片117に対する第1揺動アーム131の基端部の押圧が解除されると、リミットスイッチ116がオフとなり、電動モータMによるボビン103の繰り出し回動駆動が停止される。
よって、図9に示すように、張力調整部105は、第1テンションローラ121と、第1テンションローラ121よりも繊維コード101の繰り出し方向下手側(図9左側)に位置する第2テンションローラ122とを備え、第1テンションローラ121がボビン103の上方(図9上方)に位置し、第2テンションローラ122が後述するノズル106の上方(図9上方)に位置するので、繊維コード101の張力の変化に対する第1テンションローラ121及び第2テンションローラ122の応答性を向上させることができる。
即ち、後述するノズル106が繊維コード101の先端部分(巻き掛け部分)に加える引張り力の変化に、ノズル106の上方(図8上方)に位置する第2テンションローラ122で対応することができ、ボビン103が糸の後端部分(繰り出し部分)に加える引張り力の変化にボビン103の上方の第1テンションローラ121で対応することができる。よって、一つのテンションローラで両引張り力に対応する場合よりも、張力の変化に柔軟に対応することができる。その結果、糸巻き掛け装置100の各部の振動を抑制することができる。
また、第1補助ローラ151が第1テンションローラ121の下方(図9下方)に位置し、第2補助ローラ152が第2テンションローラ122の下方(図9下方)に位置するので、第1補助ローラ151によって、第1テンションローラ121への繊維コード101の巻き掛け角を大きくすることができ、第2補助ローラ152によって、第2テンションローラ122の繊維コード101への巻き掛け角を大きくすることができる。よって、第1テンションローラ121及び第2テンションローラ122の回転や張力付与作用を円滑かつ確実に行わせることができる。従って、繊維コード101の巻き掛け作動をより確実に行うことができる。
さらに、第2補助ローラ152は、第1補助ローラ151より少し低い位置に配置されるものの、第1補助ローラ151と上下方向(図9上下方向)で重なる位置に配置され、第1補助ローラ151と第1テンションローラ121との間に、第2テンションローラ122が配置されている。
即ち、第2テンションローラ122は、第2補助ローラ152よりも繊維コード101の繰り出し方向下手側(図9左側)に配置されている。よって、ノズル106を所定の速度で回転運動させるべく、ノズル106から繰り出される繊維コード101の張力が小さくなり過ぎないように、ボビン103と第1テンションローラ121との離間距離に比べて、ノズル106と第2テンションローラ122との離間距離が小さく設定される。従って、ノズル106から繊維コード101をスムーズに繰り出して隣設する駆動側カラー10及び従動側カラー20に巻き掛けることができる。
一方、第1テンションローラ121は、第1補助ローラ151よりも繊維コード101の繰り出し方向下手側(図9右側)に配置されている。よって、ボビン103と第1テンションローラ121との間の繊維コード101の張力が大きくなり過ぎないように、ノズル106と第2テンションローラ122との離間距離に比べて、ボビン103と第1テンションローラ121との離間距離が大きく設定されるので、ボビン103から繊維コード101をスムーズに繰り出すことができる。
また、第1揺動アーム131を第1コイルスプリングで揺動付勢して繊維コード101に張力を付与し、第2揺動アーム132を第2コイルスプリングで揺動付勢して繊維コード101に張力を付与するので、張力調整部105を簡易な構成とすることができる。また、張力検出手段108は、第1揺動アーム131によりオンオフされるリミットスイッチ116であるので、繊維コード101の張力を正確に検出することができる構造でありながら、張力検出手段108の構造を簡素化することができる。
図12に示すように、保持部104は、繊維コード101の先端部101Aを挟持する一対の挟持部材115から構成され、かかる一対の挟持部材115は、流体圧シリンダによって挟持および挟持解除するように作動される。なお、一対の挟持部材115は、流体圧シリンダ以外の駆動機構によって挟持および挟持解除するように作動されるように構成してもよい。
コード巻き掛け機構107は、保持部104よりも繊維コード101の繰り出し方向上手側(図12上側)で繊維コード101を挿通させるノズル106と、装置フレーム110Aに対して三次元方向(上下・左右・前後方向)に移動自在なロボット123と、そのロボット123及びノズル106を連結する連結部材126とを備えている。
図12に示すように、ノズル106は、上下方向(図12上下方向)に沿う細長の円筒中空パイプ状に形成されており、かかるノズル106が後述する軸心O5(図13参照)を中心とする真円の円周上を移動(回転軌跡Cで真円運動)しながら、駆動側カラー10及び従動側カラー20(図9参照)に繊維コード101を巻き掛けている(図13参照)。
図12に示すように、ロボット123は、軸心O4を中心に駆動回転する回転軸124をそのヘッド125に備えて構成されている。
この回転軸124には、径方向(図12左右方向)の中央に軸心O4と同心状の第1コード貫通孔181が貫通形成されている。また、回転軸124の径方向(図12左右方向)でノズル106が軸心O4から離れて位置する状態に、回転軸124の外周部に連結部材126を介してノズル106が連結され、ロボット123は複数の流体シリンダ(図示せず)によって三次元方向に移動し、その回転軸124は回転軸用の電動モータ(図示せず)により回動駆動する。
図12に示すように、連結部材126は、正面視(図11紙面手前側から視て)L字型に形成される部材であって、回転軸124の下端部に連結部材126の一片126Aの上端部126Jが固定されている。かかる連結部材126の一片126Aに上下方向(図12上下方向)に長孔の第2コード貫通孔182が厚み方向(図12左右方向)に貫通形成されると共に、連結部材126の一片126Aの上端部126Jに第1案内ローラ171が設けられ、かかる案内ローラ171によって上方(図12上方)から第1コード貫通孔181に挿通された繊維コード101が第2コード貫通孔182に案内されている。
さらに、第2コード貫通孔182に挿通された繊維コード101をノズル106の中空部106Aに案内する第2案内ローラ172が連結部材126の一片126Aの下端(図12下端)から垂直に折れ曲がる他片126Bに設けられている。また、第1案内ローラ171は、連結部材126の一片126Aに固定した第1ローラブラケット173に回転自在に支持され、第2案内ローラ172は、連結部材126の他片126Bの上面に固定した第2ローラブラケット174に回転自在に支持されている。
図12に示すように、回転軸124の第1コード貫通孔181からノズル106に至る繊維コード101は、第2コード貫通孔182の貫通方向から視て(図12左方向又は右方向から視て)一直線状の鉛直になるように、第1コード貫通孔181と、第1案内ローラ171と、第2コード貫通孔182と、第2案内ローラ172と、ノズル106とが配置されている。
上述したように、第1テンションローラ121と下側のガイドリング150との間の繊維コード101が鉛直姿勢に設定可能に第1テンションローラ121が配置されている。しかも、下側(図10下側)のガイドリング150中心G1とボビン103の軸心Tとの間の鉛直方向(図9及び図10上下方向)の長さN1は、ボビン103に巻回された繊維コード束30のロール径Rの最大値の3倍以上(本実施の形態では5倍)に設定されている。よって、隣設する駆動側カラー10及び従動側カラー20に対する繊維コード101の間に乱れが生じないように駆動側カラー10及び従動側カラー20に繊維コード101を巻き掛けることができる。
即ち、ガイドリング150とボビン103との間の繊維コード101の下端がボビン103の軸方向の一端部(図10右端部)又は他端部(図10左端部)に位置したときに、鉛直方向(図10上下方向)に対する繊維コード101の傾斜角θ1(ボビン103の径方向外側(図10紙面手前又は奥側)から視た状態での繊維コード101の傾斜角θ2)を小さくすることができると共に、鉛直方向(図9上下方向)に対する繊維コード101の傾斜角θ2(ボビン103の軸方向外側(図9紙面手前又は奥側)から視た状態での繊維コード101の傾斜角θ2)も小さくすることができる。
その結果、繊維コード101の下端がボビン103の軸方向の一端部(図10右端部)又は他端部(図10左端部)に位置したときに、繊維コード101がガイドリング150やボビン103から受ける抵抗を小さくすることができる。そして、繊維コード101の下端がボビン103の軸方向(図10左右方句)の中央に位置した時は、かかる抵抗が小さくなるので、繊維コード101の張力の変化を小さくすることができる。よって、糸巻き掛け装置100の各部が振動することを抑制することができ、隣設する駆動側カラー10及び従動側カラー20に対する繊維コード101の間に乱れが生じないように駆動側カラー10及び従動側カラー20に繊維コード101を巻き掛けることができる。
ここで、糸巻き掛け装置100を用いて、駆動側カラー10及び従動側カラー20に繊維コード101を巻き付ける工程について図9から図12を参照して説明する。
まず、図9に示すように、駆動側カラー10及び従動側カラー20を円盤状に形成される支持具120に縦置き状態で配置され、ボルト及びナット(共に図示せず)で軸心O2(O3)方向(図9上下方向)に挟持固定し、支持具120をテーブル129に支持させる。この支持具120には、8個のカラー10,20が固定されている。
次に、図10から図12に示すように、ボビン103から繰り出された繊維コード101は、一対のガイドリング150にガイドされ、第1テンションローラ121と、第1補助ローラ151と、第2補助ローラ152と、第2テンションローラ122とに巻き掛けられ、回転軸124の第1コード貫通孔181と、連結部材126の第2コード貫通孔182と、ノズル106の中空部160Aとに挿通され、繊維コード101の先端部101Aが一対の挟持部材115(図12参照)に挟持された状態で、回転軸124の軸心O4が駆動側カラー10の軸心O2及び従動側カラー20の軸心O3の中間位置に設定される軸心O5(図13参照)と平面視で(図9紙面手前側から視て)一致するようにロボット123を三次元移動させる。
そして、回転軸124の軸心O4が駆動側カラー10の軸心O2及び従動側カラー20の軸心Oの中間位置に設定される軸心O5(図13参照)と一致すると、回転軸124用のモータ(図示せず)が回転駆動し、回転軸124が軸心O4(軸心O5)周りに真円運動して(図12参照)隣設する駆動側カラー10及び従動側カラー20に繊維コード101を巻き掛ける。このとき、リミットスイッチ116の検出結果に基づいて、制御装置109(図9参照)が電動モータM(図9参照)を駆動させ、電動モータMによりボビン103が繰り出し回動される。
繊維コード101の巻き掛けが終了すると、回転軸用のモータ(図示せず)が停止する。そして、繊維コード101の巻き掛け終端部とノズル106の先端部(下端部)との間の糸部分がロボット123のヘッド125に設けた切断刃(図示せず)で切断される。
かかる動作を、テーブル129に支持された別の駆動側カラー10及び従動側カラー20に対しても繰り返す。このようにして8個のカラー10,20に対して繊維コード101の巻き掛けが終了すると、繊維コード101が巻き掛けられた8個のカラー10,20を支持具120ごと糸巻き掛け装置100から取り出し、8個のカラー10,20は、支持具120ごと成形型(図示せず)にセットされて弾性部材が噴入され加硫される。
最後に、図13を用いて、ノズル106が弾性継手1(図1参照)の駆動側カラー10及び従動側カラー20に繊維コード101を巻き掛ける場合において、ノズル106の速度と繊維コード101の繰り出し量との関係について説明する。図13は、繊維コード101の軌跡を示す駆動側カラー10及び従動側カラー20の概略平面図であり、駆動側カラー10及び従動側カラー20が拡大図示されており、駆動側カラー10及び従動側カラー20にノズル106によって繊維コード101が巻き掛けられる様子を示している。
また、図13は、駆動側カラー10及び従動側カラー20へ繊維コード101を巻き掛ける各時点での回転軌跡C上のノズル106の速度Vと、各時点での駆動側カラー10及び従動側カラー20の接線方向におけるノズル106の速度V1(ノズル106が繰り出す繊維コード101の繰り出し長さ)とを示している。なお、駆動側カラー10の軸心O2及び従動側カラー20の軸心O3の中間位置に設定された軸心O5を中心とする真円の円周上を移動(真円運動)するノズル106の回動軌跡をCの実線で示しており、軸心O5を中心とする長円の円周上を移動(長円運動)するノズル106の回転軌跡をDの破線で示している。
図13で示すように、弾性継手1(図1参照)の駆動側カラー10及び従動側カラー20に繊維コード101を巻き掛ける場合に、ノズル106は、一定の回転速度で回転するので、回転軌跡C上の各時点でのノズル106の速度Vは一定であるが、各時点での駆動側カラー10及び従動側カラー20の接線方向におけるノズル106の速度V1は大小に異なっている。このV1は繊維コード101の繰り出し量(繰り出し長さ)に対応し、V1が大きいと繊維コード101の繰り出し量(繰り出し長さ)が大きくなり、V1が小さいと繊維コード101の繰り出し量(繰り出し長さ)が小さくなる。
よって、ノズル106の円軌跡において、ノズル106が駆動側カラー10及び従動側カラー20から離れていく時に繊維コード101の繰り出し量が増大し、ノズル106が駆動側カラー10及び従動側カラー20に近づく時に繊維コード101の繰り出し量(繰り出し長さ)が減少する。つまり、繊維コード101の巻き掛け中には繊維コード101の繰り出し量の増減に起因して繊維コード101の張力が絶えず変化している。
これに対し、本発明の弾性継手1(図1参照)の隣設する駆動側カラー10及び従動側カラー20には、ノズル106がテーブル129より低い位置に配置される糸巻き掛け装置100(図9参照)によって、隣設する駆動側カラー10の軸心O2及び従動側カラー20の軸心O3の中間位置に設定された軸心O5を中心とする真円の円周上をノズル106が回転軌跡Cで真円運動しながら繰り出す繊維コード101が巻き掛けられる。
よって、支持部がテーブル129と同じ高さ又はテーブル129より高い位置に配置されている糸巻き掛け装置に比べて、本発明の弾性継手1(図1参照)の隣設する駆動側カラー10及び従動側カラー20に繊維コード101を巻き掛ける糸巻き掛け装置100のボビン103から張力調整部105までの繰り出し経路を長尺に設定することができる(図9参照)。
よって、支持部がテーブル129と同じ高さ又はテーブル129より高い位置に配置されている糸巻き装置によって、隣設する駆動側カラー10及び従動側カラー20に繊維コード101を巻き掛ける場合に比べて、隣設する駆動側カラー10及び従動側カラー20の接線方向におけるノズル106の速度の変化、即ち、ノズル106の繰り出し長さのばらつきにより発生する繊維コード101の張力の変化を小さくすることができる。
従って、隣設する駆動側カラー10の軸心O2及び従動側カラー20の軸心O3の中間位置に設定された軸心O5を中心とする真円の円周上をノズル106が真円運動しながら、隣設する駆動側カラー10及び従動側カラー20に繊維コード101を巻き掛ける際に、繊維コード101の巻き掛け状態に乱れが発生することを抑制することができる。
また、糸巻き掛け装置100(図9)のノズル106を真円運動させることができるので、糸巻き掛け装置100のノズル106を駆動させる電動モータM(図10)の構造を簡素化することができ、ノズル106の回転速度の高速化を図ることができる。よって、繊維コード101の巻き掛け時間を短縮化することができ、弾性継手1(図1参照)の生産性を向上させることができる。
また、ノズル106が繊維コード101の先端部に加える引張り力の変化に、ノズル106の上方に位置する第2テンションローラ122で対応することができ、張力の変化に対する応答性を向上させることができる。よって、糸巻き掛け装置100の各部の振動を抑制することができる。
よって、ノズル106は、テーブル129(図9参照)に支持された駆動側カラー10の軸心O2及び従動側カラー20の軸心O3の中間位置に設定された軸心O5(図13参照)を中心とする真円の円周上を回転軌跡Cで移動(真円運動)しながら、駆動側カラー10及び従動側カラー20に繊維コード101を巻き掛けるので、ノズル106が、かかる軸心O5を中心とする長円の円周上を回転軌跡Dで移動(長円運動)しながら繊維コード101を巻き掛ける場合よりも、ノズル106を回転させるための回転機構の構造を簡素化することができる。よって、繊維コード101の巻き掛け時間を短縮化することができ、弾性継手1の生産性を向上させることができる。
さらに、本発明の弾性継手1において、隣設する駆動側カラー10の軸心O2と従動側カラー20の軸心O3と間の離間距離L1(図1参照)は、弾性体40の軸心、即ち弾性継手1の軸心O1から駆動側カラー10又は従動側カラー20の軸心O1までの離間距離L2(図4参照)より短く設定されている(図1及び図4参照)。よって、一般的な弾性継手(隣設する駆動側カラー10の軸心O2と従動側カラー20の軸心O2との間の離間距離L1が、コード外接円の外心O1(図1参照)から駆動側カラー10又は従動側カラー20の軸心O1,O2までの離間距離L2(図1参照)より長く設定される場合)に比べて、ノズル106が真円運動する場合の繊維コード101の回転軌跡Cを短く設定することができる。
よって、糸巻き掛け装置100(図9参照)によって隣設する駆動側カラー10及び従動側カラー20に繊維コード101を巻き掛ける場合に、さらにノズル106の回転速度の高速化を図ることができるので、弾性継手1(図1参照)の生産性をよりいっそう向上させることができる。
次に、図14から図18を参照して、本発明の第二実施の形態における弾性継手201について説明する。図14(a)は、第二実施の形態における弾性継手201の正面図であり、(b)は、図14(a)のXIV(b)方向から視た弾性継手201の側面図である。また、図15は、図14(b)のXV−XV線における弾性継手201の断面図であり、図16は、図14(b)のXVI−XVI線における弾性継手201の断面図である。
さらに、図17は、図14(a)の弾性継手201の一部拡大正面図であり、図18(a)は、図17のXVIIIa―XVIIIa線における弾性継手201の断面図であり、図18(b)は、図17のXVIIIb―XVIIIb線における弾性継手201の断面図である。また、上記した第一実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
図1及び図2に示すように、第一実施の形態における弾性継手1の駆動側内筒部材10aは、駆動側カラー10の軸心方向の一端(図2左端)が軸心方向に突出する駆動側内筒部材を備えて構成されるのに対して、図14及び図15に示すように、第二実施の形態における弾性継手201の駆動側内筒部材210は、駆動側カラー10の軸心方向の一端(図15左端)が軸心方向に突出する筒状部材210aと、駆動側カラー10の一端(図15左端)より筒状部材210aの径方向(図15上下方向)で外側に突設すると共に駆動側締結部材(図示せず)の頭部が圧接される段付部210bを備えて構成されている。
また、図1及び図2に示すように、第一実施の形態における弾性継手1の従動側内筒部材20aは、従動側カラー20の軸心方向の他端(図3右端)が軸心方向に突出する筒状部材を備えて構成されているのに対して、図14及び図16に示すように、第二実施の形態における弾性継手201の従動側内筒部材220は、従動側カラー20の軸心方向の他端(図16右端)が軸心方向に突出して構成される筒状部材220aと、駆動側カラー10の他端(図16右端)より筒状部材220aの径方向(図16上下方向)で外側に突設すると共に駆動側締結部材(図示せず)の頭部が圧接される段付部220bを備えて構成されている。
図14から図16に示すように、駆動側内筒部材210は、駆動側カラー10の軸心方向の一端(図15及び図16左端)に、駆動側カラー10の軸心方向の一端より径方向で外側(図15及び図16上下側)に突設される段付部210bを備えるので、駆動軸(図示せず)の軸心方向で他端向き(図15及び図16右向き)の過大な荷重が弾性継手201に負荷された場合に、段付部210bが駆動側カラー10の筒部11の一端(図15及び図16左端)に突き当てられ、駆動側カラー10に対する駆動側内筒部材210の他端向き(図15及び図16右向き)の相対変位が規制される。
一方、図14から図16に示すように、従動側内筒部材220は、従動側カラー20の軸心方向の他端(図15及び図16右端)より径方向で外側に(図15及び図16上下側)突設される段付部220bを備えるので、従動軸(図示せず)の軸心方向で一端向き(図15及び図16左向き)の過大な荷重が弾性継手201に負荷された場合に、段付部220bが従動側カラー20の他端(図15及び図16右端)に突き当てられ、従動側カラー20に対する従動側内筒部材220の一端向き(図15及び図16左向き)の相対変位が規制される。
結果として、図15及び図16に示すように、駆動軸および従動軸(共に図示せず)の軸心方向で他端向き(図15及び図16右向き)及び一端向き(図15及び図16左向き)の過大な荷重が弾性継手201に負荷された場合であっても、他端向き(図15及び図16右向き)の荷重に対しては駆動側内筒部材210の段付部210bにより、また、一端向き(図15及び図16左向き)の荷重に対しては従動側内筒部材220の段付部220bにより、駆動側カラー10に対する駆動側内筒部材210の相対変位および従動側カラー20に対する従動側内筒部材220の相対変位が規制されるので、駆動側カラー10から駆動側内筒部材210が抜け落ちること及び従動側カラー20から従動側内筒部材220が抜け落ちることを防止することができる。
また、段付部210bは、駆動側カラー10の軸心方向の一端より径方向で外側(図15及び図16上下側)に突設されるので、駆動側内筒部材210に駆動側締結部材の頭部(図示せず)が当接する座面を確保することができると共に、段付部220bは、従動側カラー20の軸心方向の他端(図15及び図16右端)より径方向で外側に(図15及び図16上下側)突設されるので、従動側内筒部材220に従動側締結部材の頭部(図示せず)が当接する座面を確保することができる。
よって、駆動側内筒部材210および従動側内筒部材220を薄肉化した場合であっても、駆動側締結部材(図示せず)を駆動側内筒部材210の一端に、従動側締結部材(図示せず)を従動側内筒部材220の他端に、それぞれ強固に固定することができる。
さらに、駆動側内筒部材210および従動側内筒部材220を薄肉化することにより、弾性継手201のコスト削減を図ることができると共に弾性継手201の軽量化を図りつつ弾性継手1のトルク伝達性能を向上させることができる。
図17及び図18で示すように、駆動側内筒部材210に段付部210bは、筒状部材210aの半径方向で外側(図18右側)に、筒状部材210aの半径方向における肉厚L15の2倍以上の長さL16で突設され、従動側内筒部材220の段付部220bは、筒状部材220aの半径方向で外側(図18左側)に、筒状部材220aの半径方向における肉厚L15の2倍以上の長さL16で突設されている。
よって、駆動側内筒部材210に段付部210bの外縁は、駆動側内筒部材210の軸心方向の一端側(図18(a)上側)から視て、駆動側カラー10の半径方向における肉厚L13で構成される筒部11の外縁を超えて、駆動側カラー10の距離L14で半径方向に突設されるフランジ部12の外縁、即ち駆動側繊維コード束31の外縁より内側(図18(a)左側)に配設される。
同様に、図17及び図18で示すように、従動側内筒部材220の段付部220bの外縁は、従動側内筒部材220の軸心方向の他端側(図18(b)下側)から視て、従動側カラー20の半径方向における肉厚L13で構成される筒部21の外縁を超えて、従動側カラー20の距離L14で半径方向に突設されるフランジ部22の外縁、即ち従動側繊維コード束32の外縁より内側(図18(b)左側)に配設されている。
よって、駆動側締結部材の頭部(図示せず)が圧接される段付部210bは、筒状部材210aの軸心方向の一端から径方向で駆動側カラー10の外側(図18(a)の筒部11より右側)まで突設されるので、駆動軸(図示せず)の軸心方向と直交する方向の過大な曲げ入力が駆動軸に負荷された場合であっても、駆動側カラー10の筒部11の一端が駆動側内筒部材210の段付部210bに突き当てられ、駆動側カラー10に対する駆動側内筒部材210の相対変位が規制される。
同様に、従動側締結部材の頭部(図示せず)が圧接される段付部220bは、従動側内筒部材220の軸心方向の他端から径方向で従動側カラー20の外側(図18(b)の筒部21より右側)まで突設されるので、従動軸(図示せず)の軸心方向と直交する方向の過大な曲げ入力が従動軸に負荷された場合であっても、従動側カラー20の筒部21の他端が従動側内筒部材220の段付部220bに突き当てられ、従動側カラー20に対する従動側内筒部材220の相対変位が規制される。
よって、駆動軸または従動軸(共に図示せず)の軸心方向と直交する方向(図18左右方向)の過大な曲げ入力が弾性継手201に負荷された場合であっても、駆動側カラー10及び従動側カラー20に対する駆動側内筒部材210および従動側内筒部材220のずれを防止することができる。よって、回転体である弾性継手201の軸心O1のぶれを抑制することができる。
さらに、図17及び図18で示すように、駆動側内筒部材210の軸心O2方向から視た駆動側内筒部材210の段付部210bの外縁は、駆動側内筒部材210の軸心O2方向から視た駆動側繊維コード束31の外縁より内側(図18(a)左側)に配設されると共に、従動側内筒部材220の軸心O3方向から視た従動側内筒部材220の段付部220bの外縁は、従動側内筒部材220の軸心O3方向から視た従動側繊維コード束32の外縁より内側(図18(b)左側)に配設されるので、第1弾性体41及び第2弾性体42の駆動側カラー10のフランジ部12と従動側カラー20のフランジ部22との間に配置される部分(第1弾性体41及び第2弾性体42の軸方向における弾性変形に寄与できる部分)のゴム厚L8が段付部210b,220bによって減少することを回避できる。
即ち、駆動側内筒部材210の軸心O2方向から視た駆動側内筒部材210の段付部210bの外縁は、駆動側内筒部材210の軸心O2方向から視た駆動側繊維コード束31の外縁より外側(図18(a)右側)に配設されると、駆動側繊維コード束31の巻掛部31a,31c及び従動側繊維コード束32の巻掛部32a,32cと穴抜き部40bとの間のゴム厚L8、つまり第1弾性体41及び第2弾性体42の軸方向における弾性変形に寄与できる部分(自由長の部分)のゴム厚を確保することができる。
よって、段付部210b,220bを設けた場合であっても、第1弾性体41及び第2弾性体42の軸方向における弾性変形に寄与できる部分(自由長の部分)のゴム厚を確保することができ、段付部210b,220bに阻害されることなく、かかる第1弾性体41及び第2弾性体42の自由長の部分が軸方向に弾性変形することができるので、駆動軸と従動軸(共に図示せず)との間に生じる軸方向の振動や捩れ等による変位を確実に吸収することができる。
以上、本発明の実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
上記実施の形態においては、駆動側カラー10及び従動側カラー20に、それぞれ別体の駆動側内筒部材10a及び従動側内筒部材20aを圧入して使用する場合を示したが、この駆動側カラー10及び従動側カラー20と、駆動側内筒部材10a及び従動側内筒部材20aとを一体形成して実施することも可能である。
この場合、駆動側カラー10及び従動側カラー20にそれぞれ駆動側内筒部材10a及び従動側内筒部材20aを組み付ける組付け作業を省略することができ、駆動側カラー10及び従動側カラー20を成形型にセットする前の作業を簡略化することができる。
また、穴抜き部40bを駆動側カラー10及び従動側カラー20と同じ数だけ穿設したが、駆動側繊維コード束31の内周に配置される第1弾性体41にのみ穴抜き部40bを穿設してもよい。
(a)は本発明の第一実施の形態における弾性継手の正面図であり、(b)は図1(a)のI(b)方向から視た弾性継手の側面図である。 図1(a)のII−II線における弾性継手の断面図である。 図1(a)のIII−III線における弾性継手の断面図である。 図1(a)の弾性継手の一部拡大正面図である。 図1(b)のV―V線における弾性継手の断面図である。 図1(b)のVI―VI線における弾性継手の断面図である。 (a)は、図4(a)のVIIa―VIIa線における弾性継手の断面図であり、(b)は、図4(a)のVIIb―VIIb線における弾性継手の断面図である。 (a)は、図4(a)のVIIIa―VIIIa線における弾性継手の断面図であり、(b)は、図4(a)のVIIIb―VIIIb線における弾性継手の断面図である。 糸巻き掛け装置の概略正面図である。 図9の矢印A3方向から視た糸巻き掛け装置の一部側面図である。 図9のXI部分における糸巻き掛け装置の一部拡大正面図である。 図9のXII部分における糸巻き掛け装置の一部拡大正面図である。 繊維コードの軌跡を示す駆動側カラー及び従動側カラーの概略平面図である。 (a)は、第二実施の形態における弾性継手の正面図であり、(b)は、図14(a)のXIV(b)方向から視た弾性継手の側面図である。 図14(a)のXV−XV線における弾性継手の断面図である。 図14(a)のXVI−XVI線における弾性継手の断面図である。 図14(a)の弾性継手の一部拡大正面図である。 (a)は、図17のXVIIIa―XVIIIa線における弾性継手の断面図であり、(b)は、図17のXVIIIb―XVIIIb線における弾性継手の断面図である。
符号の説明
1,201 弾性継手
10 駆動側カラー(駆動側接続素子の一部)
10a,210 駆動側内筒部材(駆動側接続素子の一部)
210b 段付部
20 従動側カラー(従動側接続素子の一部)
20a,220 従動側内筒部材(従動側接続素子の一部)
220b 段付部
30 繊維コード束
31 駆動側繊維コード束(繊維コード束の一部)
32 従動側繊維コード束(繊維コード束の一部)
40 弾性体
40b 穴抜き部
44 第4弾性体(肉盗み部側の弾性部)
50 肉盗み部
100 糸巻き掛け装置
101 繊維コード
103 ボビン
104 保持部
105 張力調整部
121 第1テンションローラ
122 第2テンションローラ
106 挿通部(ノズル)
107 コード巻き掛け機構
129 テーブル
L1 離間距離(隣設する駆動側接続素子の軸心と従動側接続素子の軸心との間の離間距離)
L2 離間距離(コード外接円の外心から駆動側接続素子又は従動側接続素子の軸心までの距離間離)
L3 巻掛部離間距離(コード外接円の半径)
L4 延設部離間距離(コード外接円の外心から肉盗み部側の繊維コードまでの最短距離)
L5 巻き厚(繊維コード束の巻き厚)
L6 開口幅(穴抜き部の周方向の幅)
L7 ゴム厚(繊維コード束の延設部との間における弾性体の周方向のゴム厚)
L8 ゴム厚(穴抜き部と繊維コード束の巻掛部との間における弾性体の半径方向のゴム厚)
L10 ゴム厚(外周側弾性部のゴム厚)
L11 幅(肉盗み部の半径方向の幅)
m1 弾性体外接円
m2 コード外接円
O1 軸心(弾性継手の軸心、弾性体外接円の外心、コード外接円の外心)
O2 軸心(駆動側接続素子の軸心)
O3 軸心(従動側接続素子の軸心)
O5 軸心(隣設する駆動側接続素子の軸心および従動側接続素子の軸心の中間位置に設定された軸心)
M 電動モータ(回転駆動部)

Claims (4)

  1. 駆動側締結部材を介して駆動軸に接続される複数の駆動側接続素子と、前記駆動側接続素子と同心円状に交互に配置され従動側締結部材を介して従動軸に接続される複数の従動側接続素子と、隣設する前記駆動側接続素子および前記従動側接続素子に繊維コードを巻き掛けることにより形成される無端状の複数の繊維コード束と、前記複数の繊維コード束、前記複数の駆動側接続素子、および前記複数の従動側接続素子が埋没される弾性体とを備える弾性継手であって、
    前記駆動側接続素子は、前記繊維コードが巻き掛けられる筒状の駆動側カラーと、前記駆動側カラーの内周孔に圧入されると共に前記駆動側締結部材の軸部が挿通される筒状の駆動側内筒部材とを備え、
    前記従動側接続素子は、前記繊維コードが巻き掛けられる筒状の従動側カラーと、前記従動側カラーの内周孔に圧入されると共に前記従動側締結部材の軸部が挿通される筒状の従動側内筒部材とを備え、
    前記駆動側内筒部材は、前記駆動側カラーの軸心方向の一端に、前記駆動側カラーの軸心方向の一端より前記内筒部材の径方向で外側に突設すると共に前記駆動側締結部材の頭部が圧接される段付部を備え、
    前記従動側内筒部材は、前記従動側カラーの軸心方向の他端に、前記従動側カラーの軸心方向の他端より前記内筒部材の径方向で外側に突設する共に前記従動側締結部材の頭部が圧接される段付部を備え、
    前記駆動側内筒部材の段付部の外縁は、前記駆動側内筒部材の軸心方向から視て、前記繊維コード束の外縁より内側に配設されると共に、前記従動側内筒部材の段付部の外縁は、前記従動側内筒部材の軸心方向から視て、前記繊維コード束の外縁より内側に配設されることを特徴とすることを特徴とする弾性継手。
  2. 前記駆動側接続素子または前記従動側接続素子の軸心方向から視て多角形状に形成される前記弾性体に外接すると共に仮想の円である弾性体外接円を設定した場合に、前記弾性体外接円と前記弾性体との間に設けられる隙間である肉盗み部を備え、
    前記弾性体は、隣設する前記駆動側接続素子および前記従動側接続素子の間で前記駆動側接続素子または前記従動側接続素子の軸心方向に穿設される穴である穴抜き部を備え、
    前記孔抜き部の周方向の幅は、前記繊維コード束の巻き厚より小さく設定され、
    前記肉盗み部の半径方向の幅は、前記孔抜き部の周方向の幅より小さく設定されることを特徴とすることを特徴とする請求項1記載の弾性継手。
  3. 前記繊維コード束は、前記駆動側接続素子または前記従動側接続素子に巻き掛けられる巻掛部と、隣設する前記駆動側接続素子および前記従動側接続素子の間で直線状に延設される延設部とを備え、
    前記穴抜き部と前記繊維コード束の延設部との間における前記弾性体の半径方向のゴム厚に比べて、前記穴抜き部と前記繊維コード束の巻掛部との間における前記弾性体の周方向のゴム厚が薄肉に設定されることを特徴とする請求項2記載の弾性継手。
  4. 隣設する前記駆動側接続素子の軸心と前記従動側接続素子の軸心との間の離間距離は、前記コード外接円の外心から前記駆動側接続素子または前記従動側接続素子の軸心までの距離間離より短く設定されていることを特徴とする請求項3記載の弾性継手。
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