JP2007255432A - トーショナルダンパ - Google Patents

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靖史 沖永
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Abstract

【課題】ハブに対するセンサプレートの滑りや脱落によって検出精度が低下するのを防止し、かつ装着作業性を改善したトーショナルダンパを提供する。
【解決手段】回転軸に装着されるボス部11と連結しているハブ2と、ハブ2の外周側に同心的に配置された質量体3と、ハブ2と質量体3との間に圧入嵌合されるゴム状弾性体の弾性体4と、ハブ2と一体で回転する被検出部52が形成されているセンサプレート5とを備え、センサプレート5とハブ2とを一体で成形した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジンのクランクシャフトの捩り振動を吸収するトーショナルダンパであって、特に、クランク角を検出するためのセンサプレートを備えたトーショナルダンパに関する。
従来この種のトーショナルダンパとして、図2に示すものが知られている。このトーショナルダンパ100は、クランクシャフトの軸端に装着されるハブ101のリム部102と、その外周側に同心的に配置された質量体103と、リム部102と質量体103との間に圧入嵌合されるゴム状弾性体の弾性体104とを備え、質量体103と弾性体104とが共振することにより、クランクシャフトの捩り振動(回転方向の振動)を制振するものである。
また、ハブ101にはセンサプレート105が装着されている。センサプレート105は、円筒部105aと円筒部105aの端部から外径方向に延びるフランジ部105bからなる断面L字形状であって、フランジ部105bの外周縁部に所定間隔で複数の被検出部106が突設されており、内周側の円筒部105aがハブ101のリム部102の内周面に圧入嵌合されることによりハブ101に固定されている。そして、図示しない磁気センサが、クランクシャフト及びハブ101と共に回転するセンサプレート105に突設されている被検出部106の通過を読み取ることにより、角度検出を行うようになっている。
しかしながら、従来のトーショナルダンパ100によれば、大きな振動の入力等によって、センサプレート105の円筒部105aがハブ101のリム部102に対してすべりを生じ、磁気センサの角度検出精度が低下し、極端な場合には、センサプレート105がハブ101から脱落してしまう虞があった。
そのため、出願人は、下記特許文献1に示すように、センサプレートの内周部に筒状圧入部を形成し、この筒状圧入部をハブのリム部の外周面に圧入嵌合させると共に、弾性体を筒状圧入部と質量体との間に圧入嵌合させることで、センサプレートの筒状圧入部とハブのリム部とによる大きな嵌着面積を確保すると共に、弾性体の圧縮反力をリムの外周面に対する環状圧入部の圧接力として付加させ、もって、センサプレートがハブのリム部との滑りを生じて磁気センサによる検出精度が低下するのを防止し、またセンサプレートがハブから脱落するのを防止することを提案したが、センサプレートを装着するときの作業性に未だ問題を有していた。
特開2003−148560公報
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、ハブに対するセンサプレートの滑りや脱落によって角度検出精度が低下するのを防止し、かつ装着作業性を改善したトーショナルダンパを提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係るトーショナルダンパは、回転軸に装着されるボス部と連結するハブと、前記ハブの外周側に同心的に配置される質量体と、前記ハブと前記質量体との間に圧入嵌合されるゴム状弾性体の弾性体と、外周縁部に被検出部が形成されているセンサプレートとを備え、前記センサプレートと前記ハブとが一体で成形されていることを特徴とするものである。
本発明は、以下の効果を奏する。
請求項1に係るトーショナルダンパによれば、センサプレートとハブとが一体に成形されているので、大きな振動の入力等によってもセンサプレートがハブとの間で滑りを生じることもなく角度検出精度の低下を防止し信頼性の向上を図ることができ、またセンサプレートがハブから脱落するの防止しエンジンの停止等のトラブルを回避することができる。
また、ハブにセンサプレートを装着する作業が不要となるので、作業性が改善されコスト低減を図ることができると共に、センサプレートを装着する際に生じる角度ズレに対しても一体成形することで、センサプレートをハブに装着する際に生じる角度ズレをなくすことができ、角度検出精度の誤差を小さくすることができる。更に、ハブをセンサプレートと一体で板金にて成形するので、鋳造で成形したときより重量を低減することができ、軽量化を図ることができる。
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示して説明する。
図1は、本発明の実施例に係るトーショナルダンパを軸心を通る平面で切断して示す要部断面図であり、このトーショナルダンパ1は、ボス部11と、ハブ2と、質量体3と、弾性体4と、センサプレート5とを備えている。
ボス部11は、金属材料を鋳造又は板金で成形したものであって、内周側がクランクシャフトの軸端に固定できるように円筒形状をしていて、このボス部11の軸方向一端部にハブ2が溶接結合で連結し一体となっている。
ハブ2は、金属材料をプレス成形することによって製作されたものであって、外径方向へ延び中央に段差22を有し内径側の小径径方向部23aと外径側の大径径方向部23bとからなる径方向部23と、さらにその外径に形成された円筒状のリム部24とを有し、小径径方向部23aの内径側がボス部11と連結部21で連結し、リム部24の軸方向一端部に後述するセンサプレート5が一体で成形されている。また、リム部24は断面形状が軸方向中間部24aで内径側に凹むような曲線を描いた形状をしており、小径径方向部23aには、クランクシャフトと固定するときの位置決めのための位置決め用孔25が開設されている。
質量体3は、鋳鉄あるいは鋼材等の金属材料によって円筒状に成形されたものであって、外周面31には、図示されていない無端ベルトを巻き掛け、各種補機へ回転力を伝達するための断面略V字形の複数のプーリ溝31aが形成されている。また、内周面32は、断面形状が軸方向中間部32aで内径側に凹むような曲線を描いた形状をなしている。
弾性体4は、ゴム状弾性体で円筒状に成形されたものであって、ハブ2のリム部24と質量体3との間に所定の径方向圧縮代をもって圧入嵌合されている。また弾性体4の軸方向中間部41は、質量体3の内周面32及びハブ2のリム部24に対応して、内径側に凹むような曲線を描くように蛇行した形状をしており、これによって、質量体3及びハブ2に対する滑りが防止されるようになっている。
センサプレート5は、ハブ2と一体に金属材料をプレス成形することで製作されたものであって、ハブ2のリム部24の軸方向一端部から外径方向に延びるフランジ部51と、フランジ部51の外周縁部に形成される外径方向に所定間隔で突出した複数の被検出部52とを有している。なお、被検出部52の周方向位置は、ハブ2の小径径方向部23aに開設されているクランクシャフトとの位置決め用孔25と一緒に成形することができるようになるので、角度検出精度の向上に繋げることが可能となっている。
以上の構成を備えるトーショナルダンパ1は、ボス部11がクランクシャフトの軸端に外挿され、ボス部11と溶接により一体となっているハブ2の小径径方向部23aに開設されている位置決め用孔25にピンが挿入されて位置決めされると共にボルト・キー等で固定され、エンジン駆動時にクランクシャフトと共に回転する。このときに、センサプレート5に近接して配置されている図示しない磁気センサの磁界をハブ2と一体で成形されているセンサプレート5の外周縁部に突設されている被検出部52が横切ることにより生じる磁界の変化を検出することで、角度検出が行われる。
角度検出時において、被検出部52が突設されているセンサプレート5がハブ2と一体で成形されており、大きな振動の入力等によってもセンサプレート5がハブ2との間で滑りを生じることもないので、角度検出精度が低下するのを防止することが可能となり、最悪の場合にセンサプレート5がハブ2から脱落するのを防止することが可能となる。
更に、センサプレート5がハブ2と一体で成形されているので、センサプレート5を装着する作業を不要とすることができ、作業性の改善が可能となる。また、センサプレート5を装着する際に生じる角度ズレに対しても、従来はセンサプレートをハブに装着する際に生じる角度ズレとハブをクランクシャフトに装着する角度ズレとの和であったが、一体で成形されているのでセンサプレート5をハブ2に装着する際に生じる角度ズレがなくなり、角度検出精度の誤差を小さくすることが可能となる。更に、ハブ2をセンサプレート5と一体で板金にて成形することで、鋳造物でハブ2を成形するときより重量を低減することが可能となる。
なお、ボス部にオイルシール摺動部が必要であるときには、本実施例のようにハブをボス部に溶接するが、ハブをボス部に溶接しない場合であっても良い。
本発明に係るトーショナルダンパの要部断面図 従来例に係るトーショナルダンパの要部断面図
符号の説明
1 トーショナルダンパ
11 ボス部
2 ハブ
21 連結部
22 段差
23,23a,23b 径方向部
24 リム部
24a,32a,41 中間部
25 位置決め用孔
3 質量体
31,32 周面
31a プーリ溝
4 弾性体
5 センサプレート
51 フランジ部
52 被検出部

Claims (1)

  1. 回転軸に装着されるボス部と連結するハブと、前記ハブの外周側に同心的に配置される質量体と、前記ハブと前記質量体との間に圧入嵌合されるゴム状弾性体の弾性体と、外周縁部に被検出部が形成されているセンサプレートとを備え、前記センサプレートと前記ハブとが一体で成形されていることを特徴とするトーショナルダンパ。
JP2006076569A 2006-03-20 2006-03-20 トーショナルダンパ Withdrawn JP2007255432A (ja)

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