JP2009019691A - クランクプーリ - Google Patents

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Abstract

【課題】組立に際して、作業者の熟練度に依存されることなく、被係合部と係合部を高精度にかつ容易に位置決めすることが可能なクランクプーリを提供する。
【解決手段】クランクシャフトのトルク変動又は捩り振動を低減するゴム状弾性材料からなる弾性手段33を有するクランクプーリ本体10と、回転検出用のセンシングプレート2とを備えるクランクプーリにおいて、センシングプレート2に開設された窓部24と、クランクプーリ本体10に前記弾性手段33の一部により形成された被係合突起333が、円周方向に所定のクリアランスをもって遊嵌され、これら窓部24と被係合突起333の双方に、互いの円周方向位置を確認可能な目印24a,333aが設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばエンジンのクランクシャフトに取り付けられるクランクプーリにおいて、回転検出用のセンシングプレートを備えるものに関する。
クランクシャフトの駆動トルクを、ベルトを介して補機へ伝達するためのプーリにクランクシャフトのトルク変動又は捩り振動を低減するダンパ部を設けたクランクプーリ本体と、クランクシャフトの回転検出用の円盤状センシングプレートとを備えるクランクプーリ(トルク変動吸収ダンパ)の典型的な従来技術が、下記の特許文献1に開示されている。
特開2007−107637号公報
この種のクランクプーリは、クランクシャフト側の部材に例えば係合突起を設け、プーリに被係合凹部(又は被係合孔)を設けて、これを互いに円周方向に所定のクリアランスをもって遊嵌することにより、クランクシャフトに対するプーリの円周方向相対変位を所定の範囲に制限してゴムの過大変形を防止するストッパを構成している。しかしながら、この種のクランクプーリは、組立に際して、被係合凹部(又は被係合孔)と係合突起を正確に位置決めすることが困難で、その位置決め精度や不良率が、組立作業者の熟練度に依存されているのが現状である。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、組立に際して、作業者の熟練度に依存されることなく、被係合部と係合部を高精度にかつ容易に位置決めすることが可能なクランクプーリを提供することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、本発明に係るクランクプーリは、クランクシャフトのトルク変動又は捩り振動を低減するゴム状弾性材料からなる弾性手段を有するクランクプーリ本体と、回転検出用の円盤状センシングプレートとを備えるクランクプーリにおいて、前記センシングプレートに開設された窓部と、クランクプーリ本体に前記弾性手段の一部により形成された被係合突起が、円周方向に所定のクリアランスをもって遊嵌され、これら窓部と被係合突起の双方に、互いの円周方向位置を確認可能な目印が設けられたものである。
本発明に係るクランクプーリにおいて一層好ましい例としては、目印が、窓部に形成された特定形状部分及び被係合突起に形成された特定形状部分からなる。
また、本発明に係るクランクプーリにおいて一層好ましい他の例としては、クランクプーリ本体が、プーリをクランクシャフト側に対してカップリングゴムを介して弾性的に連結すると共に、前記クランクシャフト側に設けられたリテーナの内側面に形成された係合突起と、前記プーリに形成された被係合孔が、円周方向に所定のクリアランスをもって遊嵌され、前記リテーナの外側面に、前記係合突起と対応する位相上に位置する第二の目印が設けられる。
請求項1の発明に係るクランクプーリによれば、センシングプレートに形成された被係合突起が、クランクプーリ本体に設けたゴム状弾性材料からなる弾性手段の一部で形成されたものであるため、低コストで製作することができ、センシングプレートに開設された窓部との干渉による衝突音が小さく、しかも、窓部と被係合突起の双方に設けられた目印によって、組立作業時に互いの円周方向位置を確認可能であるため、組立作業者の熟練度に依らずに窓部と被係合突起を高精度に位置合わせして組み立てることができる。
そして請求項2の発明に係るクランクプーリによれば、目印が、窓部に形成された特定形状部分及び被係合突起に形成された特定形状部分からなるため、窓部及び被係合突起と別に目印を設ける必要がない。
また、請求項3の発明に係るクランクプーリによれば、請求項1又は2による効果に加え、クランクプーリ本体におけるプーリの被係合孔とリテーナの係合突起との位置合わせも、第二の目印によって高精度に行うことができる。
以下、本発明に係るクランクプーリの好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、軸心を通る平面で切断して背面側から見た断面斜視図、図2は、軸心を通る平面で切断して正面側から見た断面斜視図、図3は、要部拡大断面図、図4は、この実施の形態におけるハブとセンシングプレートの嵌合物を、正面側から見た斜視図である。なお、ここでいう「正面側」とは、図1及び図2における左側であって車両のフロント側のことであり、「背面側」とは、図1及び図2における右側であって不図示のエンジンが存在する側のことである。
図1及び図2において、参照符号1は、自動車エンジンのクランクシャフトの端部に取り付けられるハブである。このハブ1は、金属材料の鋳造等により製作されたものであって、内周に、クランクシャフトの軸端が挿入される軸孔1aが開設されている。
参照符号2は、鋼板などの金属板からなるセンシングプレートである。このセンシングプレート2は図3及び図4に示されるように、ハブ1の外周面に圧入された取付筒部21と、その背面側の端部から円盤状に展開した本体フランジ22を有する。本体フランジ22の外周縁には、多数の被検出突起22aが等位相間隔で形成されている。本体フランジ22の外周側には、不図示のセンサ(図示省略)が近接配置されており、前記被検出突起22aが回転に伴ってこのセンサの読み取りヘッドの前を通過することによって、パルス状の検出信号が出力され、エンジン制御のためのクランク角検出が行われるようになっている。なお、図4に示されるように、本体フランジ22の外周縁のうち円周方向1箇所は、エンジンの行程における特定のポジションに対応するクランク角計測原点とするため、被検出突起22aが存在しない部分22bが設けられている。
また、センシングプレート2の本体フランジ22には、複数の窓部24が等位相間隔で開設されている。また、円周方向に互いに隣接する窓部24,24の間には、窓部24よりも開口面積の小さい円形孔25がそれぞれ開設されている。これら窓部24及び円形孔25は、センシングプレート2の本体フランジ22の音響放射面積を縮小すると共に、センシングプレート2の軽量化を図るものである。
図1及び図2に示されるように、ハブ1の外周側にはダイナミックダンパ部3と、カップリング部4が設けられ、これによってクランクプーリ本体10が構成されている。
クランクプーリ本体10のダイナミックダンパ部3は、センシングプレート2の取付筒部21の外周面に圧入嵌着されたスリーブ31と、その外周側に配置されたプーリ保持環32と、このプーリ保持環32と前記スリーブ31との間に耐熱性、耐寒性、内部減衰性及び機械的強度に優れたゴム状弾性材料で一体的に加硫成形されたダンパゴム33からなる。なお、ダンパゴム33は、請求項1に記載された弾性手段に相当するものである。
ダイナミックダンパ部3におけるプーリ保持環32は、金属板のプレス成形等により製作されたものであって、ダンパゴム33の外周に加硫接着により一体に接合された内周筒部321と、その背面側の端部から外周側へ展開する円盤部322と、更にこの円盤部322の外周から正面側へ延びる外周筒部323からなる二重筒状の中空形状をなし、すなわち軸心を通る平面で切断した形状(図1又は図2に示される断面形状)が略コ字形をなす。このプーリ保持環32の円盤部322は、センシングプレート2の本体フランジ22の正面側に隣接している。
図5は、この実施の形態におけるダンパゴム33とスリーブ31及びプーリ保持環32との一体成形物を背面側から見た斜視図である。
すなわち、ダイナミックダンパ部3におけるダンパゴム33は、不図示の金型に、予め加硫接着剤を塗布したスリーブ31とプーリ保持環32を互いに同心的にセットし、型締めによってスリーブ31の外周面とプーリ保持環32の内周筒部321の内周面との間に画成される環状のキャビティに、未加硫のゴム材料を充填して加熱・加圧することによって、加硫成形と同時に前記スリーブ31の外周面及び内周筒部321の内周面に加硫接着し、図5に示されるような加硫成形体としたものである。スリーブ31は、図1又は図2に示されるようにセンシングプレート2の取付筒部21の外周面に圧入することによって僅かに拡径されるので、ダンパゴム33は、成形時の体積収縮によって生じた引張応力が解消されると共に、径方向の適当な予圧縮が与えられる。
図5に示されるように、プーリ保持環32の円盤部322の外側面における内周部には、ゴム状弾性材料からなり円周方向へ連続したスラストリップ331が一体的に加硫接着され、その先端が、図3に示されるように、センシングプレート2の本体フランジ22の内側面に、適当な面圧で摺動可能に密接している。また、前記円盤部322の外側面における外周部には、図5に示されるように、ゴム状弾性材料からなり円周方向へ連続したラジアルリップ332が一体的に加硫接着され、その先端が、図3に示されるように、ラジアルベアリング5の外側(背面側)の位置でプーリ42のプーリ本体421の内周面に摺動可能に密接されている。更に、前記円盤部322の外側面における径方向中間部には、ゴム状弾性材料からなる複数の被係合突起333が等位相間隔で形成され、それぞれの中央部には円形凹部333aが形成されている。
上述のスラストリップ331、ラジアルリップ332及び被係合突起333は、ダイナミックダンパ部3におけるダンパゴム33のゴム状弾性材料の一部をプーリ保持環32の円盤部322の外側面に廻して加硫接着したゴム膜334に形成され、すなわち先に説明したダンパゴム33の一体成形の際に、同時に成形されたものである。
そして図1及び図3に示されるように、プーリ保持環32の円盤部322の外側面に形成されたゴム状弾性材料からなる被係合突起333は、それぞれセンシングプレート2の本体フランジ22に開設された窓部24に、円周方向両側へ適当なクリアランスをもって遊嵌係合されている。なお、図示の形態では、窓部24は60度のピッチで6個開設されているのに対し、被係合突起333は120度のピッチで3個形成されているので、被係合突起333は窓部24に一つおきに遊嵌係合されている。
すなわち、被係合突起333と窓部24は、センシングプレート2とプーリ保持環32の円周方向相対変位を所定の範囲に制限するストッパを構成するものである。この場合、窓部24はセンシングプレート2の音響放射面積を縮小機能及び軽量化機能と、前記ストッパ機能を兼ねるものである。
また、窓部24は、図4に示されるように、センシングプレート2の本体フランジ22の円周方向に長い長孔状であって、その外周縁は、窓部24をその円周方向中央部で最も外周側へ拡張する屈曲形状、すなわち中央拡張部24aを有する略「く」の字形に形成されており、クランクプーリ本体10とセンシングプレート2は、窓部24の中央拡張部24aと被係合突起333の円形凹部333aとを円周方向に位置合わせした状態で組み立てられている。なお、前記中央拡張部24a及び円形凹部333aは、請求項1に記載の目印及び請求項2に記載の特定形状部分に相当するものである。
一方、クランクプーリ本体10のカップリング部4は、図1及び図2に示されるように、プーリ保持環32に固定された結合フランジ部材41と、前記プーリ保持環32の外周筒部323に相対回転可能に支持されたプーリ42と、このプーリ42と前記結合フランジ部材41との間に耐熱性、耐寒性、内部減衰性及び機械的強度に優れたゴム状弾性材料で一体的に加硫成形されたカップリングゴム43からなる。
カップリング部4における結合フランジ部材41は、金属板の打ち抜きプレス等によって製作されたものであって、図3に示されるように、プーリ保持環32の内周筒部321の外周面に圧入嵌着された取付筒部411と、その背面側の端部からプーリ保持環32の円盤部322に沿って展開した外向きフランジ412からなる。
カップリング部4におけるプーリ42は、金属板のプレス成形及び転造等によって製作されたものであって、プーリ保持環32の外周筒部323の外周側に配置されたプーリ本体421と、その正面側の端部から前記外周筒部323の正面側を内周へ延びる内向きフランジ422とからなる。プーリ本体421の外周面にはポリV溝421aが形成されており、不図示の無端ベルトが巻き掛けられるようになっている。
カップリング部4におけるカップリングゴム43は、結合フランジ部材41の外向きフランジ412と、プーリ42の内向きフランジ422に一体的に加硫接着されている。すなわち、このカップリングゴム43は、不図示の金型に、予め加硫接着剤を塗布した結合フランジ部材41とプーリ42を同心的にセットし、型締めによってこの結合フランジ部材41の外向きフランジ412とプーリ42の内向きフランジ422との間に画成される筒状のキャビティに、未加硫ゴム材料を充填して加熱・加圧することによって、加硫成形と同時に前記外向きフランジ412と内向きフランジ422に加硫接着したものである。
そしてカップリングゴム43は、クランクシャフトからハブ1へ入力された駆動トルクを、円周方向剪断変形作用によって平滑化しながら、プーリ42へ伝達するものである。そして、クランクシャフトのトルク変動は、アイドリング以下の低回転領域で顕著になることから、このカップリングゴム43は、バネ定数を極力低くすると共に、捩り方向への許容変形量を極力大きくし、かつ軸方向及び径方向の肉厚によって所要のトルク伝達力が確保されている。
プーリ保持環32の外周筒部323と、その外周側にあるプーリ42のプーリ本体421との間には、ラジアルベアリング5が介在されている。このラジアルベアリング5は、PTFE等の耐摩耗性に優れた低摩擦係数の合成樹脂材料で円筒状に成形されたものであって、プーリ本体421の内周面を回転摺動自在に支持している。
図6は、この実施の形態におけるリテーナ6を、正面側から見た斜視図、図7は、この実施の形態におけるクランクプーリ本体10を、正面側から見た斜視図である。
プーリ保持環32には、結合フランジ部材41の正面側に位置して、図6のようなリテーナ6が取り付けられている。このリテーナ6は、プーリ保持環32の内周筒部321の外周面に圧入嵌着される内周圧入部61と、プーリ42の内向きフランジ422の正面側を外周側へ展開した支持フランジ62からなる。
リテーナ6の支持フランジ62の内側面には、背面側へ突出した複数の係合突起63が等位相間隔、好ましくはプーリ保持環32の円盤部322の外側面にゴム状弾性材料で形成された被係合突起333と対応する位相間隔(例えば120度間隔)で設けられており、正面側を向いた前記支持フランジ62の外側面には、図1及び図2に示されるように、円形凹部64が、各被係合突起333の円周方向中間位置と対応する位置に形成されている。なお、円形凹部64は、請求項3に記載された第二の目印に相当する。
一方、図7に示されるように、プーリ42の内向きフランジ422には、軸心を中心とする円弧状に延びる複数の被係合孔422aが、リテーナ6の支持フランジ62の係合突起63と対応する位相間隔で形成され、図1及び図2に示されるように、これら各被係合孔422aと各係合突起63は、円周方向両側へ適当なクリアランスをもって互いに遊嵌されている。各被係合孔422aと各係合突起63は、プーリ保持環32及びリテーナ6とプーリ42の円周方向相対変位を所定の範囲に制限するストッパを構成するものである。また、被係合孔422aの背面側は、カップリングゴム43の正面端部外周に形成された盲穴431によって閉塞されている。
プーリ42の内向きフランジ422と、これと略平行な円錐面状をなすリテーナ6の支持フランジ62の内側面との間には、スラストベアリング7が回転摺動可能に介在されている。このスラストベアリング7は、PTFE等の耐摩耗性に優れた低摩擦係数の合成樹脂材料で円錐環状に成形されている。
また、クランクプーリ本体10の組立において、プーリ保持環32の内周筒部321の外周面に、結合フランジ部材41を圧入することによって、この結合フランジ部材41とプーリ42及びカップリングゴム43の一体成形物であるカップリング部4をプーリ保持環32に組み込んだ後、リテーナ6を、前記内周筒部321の外周面に、正面側から軸方向所定位置まで圧入する過程で、このリテーナ6の支持フランジ62が、スラストベアリング7を介してプーリ42の内向きフランジ422を背面側へ適宜押圧するようになっている。このためカップリングゴム43には、軸方向の適当な予圧縮が与えられている。
図1及び図2に示されるように、プーリ42の内向きフランジ422の外側面における被係合孔422aの開設位置の外周側には、被係合孔422aを通じてカップリングゴム43と連続したゴム状弾性材料からなるスラストシールリップ432が一体的に加硫接着されており、その先端が、リテーナ6の支持フランジ62の外周面に摺動可能に密接されている。このスラストシールリップ432は、先に説明した結合フランジ部材41の外向きフランジ412と、プーリ42の内向きフランジ422への、カップリングゴム43の一体成形の際に、同時に成形されたものである。
ダンパゴム33は、ダイナミックダンパ部3のばね部をなすものであり、プーリ保持環32と、このプーリ保持環32の内周筒部321に一体的に設けられた結合フランジ部材41、リテーナ6、スラストリップ331,ラジアルリップ332、被係合突起333などは、ダイナミックダンパ部3のマス部をなすものである。そして、このダイナミックダンパ部3の捩り方向固有振動数は、ダンパゴム33のばね定数と、前記マス部の慣性質量によって、クランクシャフトの捩れ角が最大となる所定の振動数域、言い換えればクランクシャフトの捩り方向固有振動数と合致するように同調されている。
上述の構成を備える本発明のクランクプーリは、不図示のクランクシャフトの軸端に、不図示のセンターボルトによって取り付けられ、クランクシャフトの駆動トルクを、プーリ42のプーリ本体421に巻き掛けられた不図示のベルトを介して、オルタネータ等の補機の回転軸に伝達するものである。
ここで、アイドリング以下の低回転域でクランクシャフトに顕著に発生するトルク変動は、ハブ1からダンパゴム33を介してプーリ保持環32に伝達されるが、このプーリ保持環32と一体の結合フランジ部材41とプーリ42の内向きフランジ422との間を連結しているカップリングゴム43は、ダンパゴム33に比較して円周方向剪断バネ定数が著しく低いため、入力されたトルク変動に応じて円周方向へ繰り返し剪断変形され、このトルク変動を熱エネルギに変換する。このため、プーリ42のプーリ本体421に巻き掛けられたベルトへの伝達トルクが平滑化される。
ダイナミックダンパ部3は、クランクシャフトの共振によって捩れ角が最大となる振動数域で円周方向に共振し、この共振による振動変位は入力振動に対して半周期遅れて生じ、すなわち振動波形が入力振動に対して逆位相となるので、その共振によるトルクは、入力振動のトルクと方向が逆になる。そしてこのような動的吸振作用によって、クランクシャフトの共振による捩れ角のピークを有効に低減することができる。
プーリ保持環32と、これに一体の結合フランジ部材41及びリテーナ6等は、ダイナミックダンパ部3の慣性質量として作用するため、上述の動的吸振時における十分な制振トルクを得ることができる。
ハブ1とこれに嵌着されたセンシングプレート2及びスリーブ31に対するプーリ保持環32の円周方向相対変位量は、プーリ保持環32の円盤部322の外側面に形成された被係合突起333と、センシングプレート2の本体フランジ22に開設された窓部24との干渉によって所定の範囲に制限され、これによってダンパゴム33の過大変形や、それに起因する破損が防止されている。そして、被係合突起333はダンパゴム33と連続したゴム状弾性材料からなるため、窓部24との干渉時の衝突音も抑制され、低コストで製作することができる。
また、低回転領域でカップリング部4が共振したり、あるいは過大なトルクが入力されることによって、プーリ保持環32とプーリ42の円周方向相対変位量が所定の大きさに達した場合は、プーリ保持環32と一体のリテーナ6に形成された係合突起63と、プーリ42の内向きフランジ422に形成された被係合孔422aが、円周方向に互いに干渉する。そして、この干渉によって制限されるプーリ保持環32とプーリ42の円周方向相対変位量は、許容されるカップリングゴム43の円周方向歪の大きさを考慮して適切に設定されているため、カップリングゴム43の過大変形や、それに起因する破損を有効に防止することができる。
ラジアルベアリング5の外側は、ラジアルリップ332によって密封されているため、ダストの介入によるラジアルベアリング5の早期摩耗や損傷を防止することができる。同様に、スラストベアリング7の外側は、スラストシールリップ432によって密封されているため、ダストの介入によるスラストベアリング7の早期摩耗や損傷を防止することができる。
また、クランクシャフトに生じる軸方向振動が、その軸端に取り付けられたハブ1からその外周に取り付けられたセンシングプレート2に伝達されると、このセンシングプレート2の本体フランジ22は、その内周の屈曲部23を支点にして厚さ方向へ振動する。しかし、本体フランジ22に密接されたスラストリップ331が、振動入力に伴って変形を受けて内部減衰を発生するので、本体フランジ22の共振による振幅が抑制され、しかも、窓部24及び円形孔25によって本体フランジ22の音響放射面積も小さいので、騒音の放射を有効に低減することができる。
また、図4に示されるハブ1とセンシングプレート2の嵌合物に、図7に示されるクランクプーリ本体10を組み込む際には、センシングプレート2の窓部24と、プーリ保持環32の被係合突起333を円周方向に位置合わせしながら、クランクプーリ本体10の内周のスリーブ31を、センシングプレート2の取付筒部21の外周面に圧入嵌着するが、このとき、窓部24の中央拡張部24aと、被係合突起333の円形凹部333aを目印として、互いの円周方向位置を確認可能であるため、組立作業者の熟練度に依らずに高精度に位置合わせして組み立てることができる。
更に、図7に示されるクランクプーリ本体10に、図6に示されるリテーナ6を組み込む際には、リテーナ6の支持フランジ62の内側面に形成された係合突起63と、プーリ42の内向きフランジ422に開設された被係合孔422aを円周方向に位置合わせしながら、リテーナ6の内周圧入部61を、プーリ保持環32の内周筒部321の外周面に圧入嵌着するが、このとき、リテーナ6の支持フランジ62の外側面に各被係合突起333の円周方向中間位置と対応して形成された円形凹部64によって、リテーナ6の外側からは見えなくなる係合突起63の円周方向位置を確認可能であるため、組立作業者の熟練度に依らずに、高精度に位置合わせして組み立てることができる。
本発明に係るクランクプーリの実施の形態を、軸心を通る平面で切断して背面側から見た断面斜視図である。 本発明に係るクランクプーリの実施の形態を、軸心を通る平面で切断して正面側から見た断面斜視図である。 本発明に係るクランクプーリの実施の形態を示す要部拡大断面図である。 本発明に係るクランクプーリの実施の形態におけるハブとセンシングプレートとを嵌合一体化した状態を、正面側から見た斜視図である。 本発明に係るクランクプーリの実施の形態におけるダンパゴムとスリーブ及びプーリ保持環との一体成形物を、背面側から見た斜視図である。 本発明に係るクランクプーリの実施の形態におけるリテーナを、正面側から見た斜視図である。 本発明に係るクランクプーリの実施の形態におけるクランクプーリ本体を、正面側から見た斜視図である。
符号の説明
1 ハブ
10 クランクプーリ本体
2 センシングプレート
21 取付筒部
22 本体フランジ
24 窓部
24a 中央拡張部(目印,特定形状部分)
3 ダイナミックダンパ部
31 スリーブ
32 プーリ保持環
33 ダンパゴム(弾性手段)
333 被係合突起
333a 円形凹部
4 カップリング部
41 結合フランジ部材
42 プーリ
421 プーリ本体
422 内向きフランジ
422a 被係合孔
43 カップリングゴム
5 ラジアルベアリング
6 リテーナ
63 係合突起
64 円形凹部(第二の目印)
7 スラストベアリング

Claims (3)

  1. クランクシャフトのトルク変動又は捩り振動を低減するゴム状弾性材料からなる弾性手段を有するクランクプーリ本体と、回転検出用の円盤状センシングプレートとを備えるクランクプーリにおいて、前記センシングプレートに開設された窓部と、クランクプーリ本体に前記弾性手段の一部により形成された被係合突起が、円周方向に所定のクリアランスをもって遊嵌され、これら窓部と被係合突起の双方に、互いの円周方向位置を確認可能な目印が設けられたことを特徴とするクランクプーリ。
  2. 目印が、窓部に形成された特定形状部分及び被係合突起に形成された特定形状部分からなることを特徴とする請求項1に記載のクランクプーリ。
  3. クランクプーリ本体が、プーリをクランクシャフト側に対してカップリングゴムを介して弾性的に連結すると共に、前記クランクシャフト側に設けられたリテーナの内側面に形成された係合突起と、前記プーリに形成された被係合孔が、円周方向に所定のクリアランスをもって遊嵌され、前記リテーナの外側面に、前記係合突起と対応する位相上に位置する第二の目印が設けられたことを特徴とする請求項1に記載のクランクプーリ。
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