JP2010077005A - シリコン溶融ルツボおよびこれに用いられる離型材 - Google Patents

シリコン溶融ルツボおよびこれに用いられる離型材 Download PDF

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Abstract

【課題】熱熱的衝撃や物理的衝撃が発生した場合でも保護膜が剥がれることがなく、かつ、離型性に優れた保護膜を備えたシリコン溶融ルツボやそれに用いられる離型材を提供する。
【解決手段】本発明に係るシリコン溶融ルツボは、耐熱性部材からなるルツボ本体1の少なくとも内表面1a上に保護膜2が設けられたシリコン溶融ルツボであって、前記保護膜2は、表面に酸化膜が形成され、前記酸化膜の直接的な内層がSiO(X>0、Y>0)組成を有する複数の固体粒子が前記酸化膜を介して各々連結されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、特に、太陽電池の形成に使用される多結晶シリコン基板の製造に用いられるシリコン溶融ルツボおよびこれに用いられる離型材に関する。
太陽電池を形成するための基板として、チョクラルスキー法により製造される単結晶シリコン基板の他、大型化が容易な多結晶シリコン基板が用いられている。このような多結晶シリコン基板は、シリコン溶融ルツボ(以下、単に、ルツボともいう)内で高純度のシリコンを溶融させ、又は、高温で溶融させたシリコン融液を該ルツボ内に注湯して、その後、凝固させることによって形成したシリコン結晶(以下、シリコンブロックという)をルツボ内から脱型して、こうして取り出したシリコンブロックを一定の厚さにスライス加工することによって製造されている。
このようなルツボとしては、シリコンブロックを該ルツボから脱型しやすくするために、シリコン融液を保持するルツボの内表面に、窒化珪素(Si)やシリカ(SiO)等の離型材を塗布又はコーティングして、保護膜(以下、離型材層ともいう)を形成させたものが一般的に使用されている。
しかしながら、離型材として窒化珪素のみを用いた保護膜は、強度的に脆弱であることから、保護膜自身が破損されやすく、破損した窒化珪素がシリコン融液に混入し、窒化珪素の析出物を生成させてしまうという問題がある。そのため、窒化珪素にシリカを特定の重量比率で混合させることで保護膜としての強度を向上させる技術が一般的に知られている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、シリカは、シリコンブロックとの付着性が高いために、シリコンブロックと接する保護膜の最表面にシリカ成分が多く存在する場合には、シリコンブロックと保護膜との付着性が高くなり、シリコンブロックを該ルツボから脱型する際に、シリコンブロックにカケや割れが発生する危険性が高くなる。
また、これらの問題を解決するために、表面にシリカ層が形成された窒化珪素粉末を用いて、窒化珪素粉末の含有比率を変えた二層の離型材層を形成したルツボが提案されている(例えば、特許文献2)。
また、本願発明者は、溶融シリコンと濡れ難い材料として、SiO(X≠0、Y≠0)が有効である点を見出し、SiO(X≠0、Y≠0)組成を有する保護膜を備えるシリコン溶融ルツボを提案している(例えば、特許文献3)。
特開平9−175809号公報([請求項1]等) 特開2005−95924号公報([請求項1]等) 特開2008−115056号公報([請求項1]等)
しかしながら、特許文献2に記載のように、表面にシリカ層を形成させた窒化珪素粉末を離型材として用いた場合には、シリカ層と窒化珪素との熱膨張係数の違いや、窒化珪素の脆弱等により、熱的衝撃(例えば、高温で溶融させたシリコン融液を該ルツボ内に注湯する等)や物理的衝撃(例えば、多結晶シリコン塊をルツボ内に載置する際、該塊と保護膜とが接触した場合等)が発生した場合には、強度的に若干劣るため、保護膜がルツボ本体から剥がれ、ルツボ本体の内表面が露出する可能性がある。また、保護膜を多層で構成すると、それぞれの層に使用する離型材を各々調合して形成させなければならず、生産性に悪く、手間がかかるものであり、更に、保護膜に熱的衝撃や物理的衝撃が生じた場合には、積層した層間で保護膜が剥がれてしまうという危険性もある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、熱的衝撃や物理的衝撃が発生した場合でも保護膜が剥がれることがなく、かつ、離型性に優れた保護膜を備えたシリコン溶融ルツボを提供することを目的とする。
また本発明は、このような効果を有するシリコン溶融ルツボの製造に用いられる離型材を提供することを目的とする。
本発明に係るシリコン溶融ルツボは、耐熱性部材からなるルツボ本体の少なくとも内表面上に保護膜が設けられたシリコン溶融ルツボであって、前記保護膜は、表面に酸化膜が形成され、前記酸化膜の直接的な内層がSiO(X>0、Y>0)組成を有する複数の固体粒子が前記酸化膜を介して各々連結されていることを特徴とする。
このような構成とすることで、熱的衝撃や物理的衝撃が発生した場合でも保護膜が剥がれることがなく、かつ、離型性に優れた保護膜を備えたシリコン溶融ルツボを得ることができる。
また、本発明に係る離型材は、表面に酸化膜が形成され、前記酸化膜の直接的な内層がSiO(X>0、Y>0)組成を有する固体粒子を含有してなる粉体で構成されていることを特徴とする。
このような構成を備えた離型材を用いることで、上述した効果を有する保護膜を備えたシリコン溶融ルツボを得ることができる。
本発明は、熱的衝撃や物理的衝撃が発生した場合でも保護膜が剥がれることがなく、かつ、離型性に優れた保護膜を備えたシリコン溶融ルツボが提供される。
また、本発明は、このような効果を有するシリコン溶融ルツボの製造に用いられる離型材が提供される。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係るシリコン溶融ルツボの一例を示す斜視図であり、図2は、図1のA−A方向の断面図である。
本実施形態に係るシリコン溶融ルツボは、図1及び図2に示すように、ルツボ本体1と、ルツボ本体1の内表面1a上に設けられた保護膜2とを備えている。
ルツボ本体1は、耐熱性部材からなり、図1に示すように、例えば、全体が一体に成形された一体成形型のルツボで構成されている。なお、前記耐熱性部材としては、石英が好適に用いられる。この石英には、石英ガラスのみならず、溶融石英も含まれる。
保護膜2は、図2に示すように、ルツボ本体1の内表面1a上に設けられた単一層で構成されている。
図3は、図2における保護膜2近傍の領域を拡大させた拡大概略断面図である。なお、図3に示す図はあくまで概略的なものであり、図3に示す固体粒子の形状や大きさ、固体粒子によって形成される保護膜2の厚さは、実際の寸法と異なる。
保護膜2は、図3に示すように、複数の固体粒子2aを含有してなり、前記固体粒子2aの表面には、酸化膜2a1が形成され、酸化膜2a1を介して固体粒子2a同士が各々連結させた構成を備えている。
また、固体粒子2aの酸化膜2a1の直接的な内層2a2(固体粒子2aの酸化膜2a1と直接的に接する内層)に位置する部分はSiO(X>0、Y>0)組成を有している。
図4は、本発明に係る固体粒子2aの具体的な構成を示す概略断面図である。
固体粒子2aは、具体的には、図4(a)に示すように、表面に酸化膜2a1が形成され、前記酸化膜2a1の直接的な内層2a2全体がSiO(X>0、Y>0)組成である固体粒子2aa、又は、図4(b)に示すように、表面に酸化膜2a1が形成され、前記酸化膜2a1の直接的な内層2a2にSiO(X>0、Y>0)組成を有する組成層が形成され、その芯部2a3がシリカ(SiO)である固体粒子2ab、又は、図4(c)に示すように、表面に酸化膜2a1が形成され、前記酸化膜2a1の直接的な内層2a2にSiO(X>0、Y>0)組成を有する組成層が形成され、その芯部2a4が窒化珪素(Si)である固体粒子2acのいずれかで構成されている。
本発明に係るシリコン溶融ルツボは、上述したような構成を備えているため、熱的衝撃や物理的衝撃が発生した場合でも保護膜が剥がれることがなく、かつ、離型性に優れた保護膜を有する。
すなわち、本発明に係るシリコン溶融ルツボの保護膜を構成する固体粒子は、上述したように、表面に酸化膜が形成され、前記酸化膜の直接的な内層がSiO(X>0、Y>0)組成を有しているため、表面に形成された酸化膜により固体粒子同士を強固に連結させることができ、かつ、SiO(X>0、Y>0)は、SiOとSiとの中間体であるため、酸化膜(SiO)と熱膨張係数が近いため、表面に形成された酸化膜が剥離されるのを防止することができる。また、熱的衝撃や物理的衝撃が発生した場合に、仮に、表面に形成された酸化膜が剥離してしまっても、次に露出する部分は、SiO(X>0、Y>0)組成の層であり、この部分は、溶融シリコンと濡れ難いため、シリコン溶融ルツボの離型性が問題となることがない。
また、固体粒子2acを用い、熱的衝撃や物理的衝撃が発生した場合に、仮に、表面の酸化膜2a1が剥離されてしまっても、次に露出するSiO(X>0、Y>0)組成は、前述したように、SiOとSiとの中間体であるため、Siとも熱膨張係数が近いため、SiO(X>0、Y>0)組成が剥離されるのを防止することができるため、固体粒子2acの芯部2a4の窒化珪素が露出される心配がなく、固体粒子2acの破損を防止することができる。
前記固体粒子2aのSiO(X>0、Y>0)組成は、例えば、0.2≦X≦0.8、0.8≦Y≦1.2である。このX、Yの分析は、酸素・窒素同時分析法で求めることができる。
固体粒子2aの粒径は、前述したような保護膜2を形成することができれば特に限定されない。前記固体粒子2aの粒径は、例えば、100nm以上1000nm以下である。また、酸化膜2a1の厚さは、例えば、1nm以上5nm以下である。
本発明に係る離型材としては、前述したような保護膜2を備えることができる材料で構成されている。すなわち、本発明に係る離型材は、表面に酸化膜が形成され、前記酸化膜の直接的な内層がSiO(X>0、Y>0)組成を有する複数の固体粒子が含有してなる粉体で構成されている。
このような構成を備えた離型材を使用することで、上述した効果を有する保護膜を備えたシリコン溶融ルツボを得ることができる。
次に、ルツボ本体1に保護膜2を形成して、本実施形態に係わるシリコン溶融ルツボを製造する製造方法について説明する。
保護膜2の形成には、原料として高純度(例えば、純度99.9%以上)のシリカ微粒子の集合体である粉体を用い、これを窒化処理し、その後、酸化処理することで、表面に酸化膜が形成され、前記酸化膜の直接的な内層がSiO(X>0、Y>0)組成を有している固体粒子(図4(a)、(b))の粉体が製造され、これを離型材(固体粒子)として使用する。又は、原料として高純度(例えば、純度99.9%以上)の窒化珪素微粒子の集合体である粉体を用い、これを酸化処理することで、表面に酸化膜が形成され、前記酸化膜の直接的な内層がSiO(X>0、Y>0)組成を有している固体粒子(図4(a)、(c))の粉体を製造し、これを離型材(固体粒子)として使用する。
前記シリカ微粒子の窒化処理は、窒素系ガス含有雰囲気中(例えば、水素ガスとアンモニアガスとの混合ガス雰囲気中)、高温(例えば、1100℃)で所定時間熱処理を行うことにより、シリカ微粒子の少なくとも表面を窒化させることができる。また、その後行う酸化処理は、酸化系ガス含有雰囲気中(例えば、大気雰囲気中)、高温(例えば、800℃)で所定時間熱処理を行うことにより、前記窒化させた表面に酸化膜を形成することができる。なお、この窒化処理時の処理条件(例えば、熱処理時間)を制御することにより、窒化率が異なるSiO(X>0、Y>0)組成を得ることができる。更に、窒化処理における熱処理時間をより長くすることで、酸化膜の直接的な内層全体がSiO(X>0、Y>0)で構成された固体粒子(図4(a))を製造することができる。
前記窒化珪素微粒子の酸化処理は、酸化系ガス含有雰囲気中(例えば、大気雰囲気中)、高温(例えば、800℃)で所定時間熱処理を行うことにより、窒化珪素微粒子の少なくとも表面を酸化させることができると共に、酸化膜の直接的な内層にはSiO(X>0、Y>0)組成を有する層が形成される。なお、この酸化処理の処理条件(例えば、熱処理時間)を制御することにより、酸化率が異なるSiO組成を得ることができる。更に、酸化処理における熱処理時間をより長くすることで、酸化膜の直接的な内層全体がSiO(X>0、Y>0)で構成された固体粒子(図4(a))を製造することができる。また、酸化膜の厚さの調整も、前記酸化処理における熱処理時間を制御することで行う事ができる。
ルツボ本体1の内表面1aへの保護膜2の形成は、次のようにして行うことができる。
最初に、表面に酸化膜が形成され、前記酸化膜の直接的な内層がSiO(X>0、Y>0)組成である固体粒子、純水およびバインダ(例えば、ポリビニルアルコール(PVA))を用いて懸濁液を作製する。この懸濁液を、例えば、凹形状のルツボ本体1の内表面1aへスプレー塗布し、乾燥させる。塗布膜が所望の厚さとなるまで、このスプレー塗布と乾燥とを繰り返す。
続いて、塗布膜が形成されたルツボ本体1を非酸化性雰囲気(例えば、アルゴンガス雰囲気)で、所定温度(例えば、800℃)に加熱し、焼成する。このとき、その昇温過程でバインダ(例えば、PVA)をガス化(焼失)させる。また、前記固体粒子が溶けて重力の作用で下方へ垂れて膜がずり落ちたり膜厚が変化したりすることのないように、塗布膜の内部に一定の空隙が残った状態で前記固体粒子同士を焼成して溶着させることが好ましい。こうしてルツボ本体1と密着した保護膜2を形成することができる。
本実施形態に係わるシリコン溶融ルツボは、上述したような製造方法で得ることができるため、研磨等の後処理や、CVD法を用いることなく、ルツボ本体への保護膜の形成が容易であるため生産経済性がよく、低コストで製造することができる。
また、ここまで、前記ルツボ本体1を、一体成形型のルツボを例に挙げて説明したが、本願発明はこれに限定されることがなく、分割型のルツボを用いてもよい。なお、分割型のルツボを用いる場合の本実施形態に係わるシリコン溶融ルツボを製造する場合は、耐熱性部材からなる複数の板状体(図示せず)を準備し、その板状体の少なくとも一方の面に、上述したスプレー塗布、乾燥、焼成を行って、各々保護膜を形成した後、少なくとも保護膜が形成された面が内表面側になるように、前記複数の板状体を、接合部等を介して組み合わされることによって製造することができる。
また、ルツボ本体は、石英で構成されていることが好ましい。
このような構成とすることで、表面が酸化膜(SiO)で構成された固体粒子2aとルツボ本体1との熱膨張係数が同一となるため、組成差に起因する熱応力の発生が無くなり、シリコン溶融ルツボに熱的衝撃や物理的衝撃が生じた場合でも、保護膜2全体の破壊や剥離を防止することができる。
(実施例1)
高純度SiO粉末(純度99.9%以上、平均粒径が100nmで、アルカリ金属,アルカリ土類金属,フッ化物,塩化物,炭素,鉄,クロム,コバルト,ニッケル,タングステン,モリブデン,チタンの合算濃度が2ppm)を、水素とアンモニアを体積比で1:3に調整した混合ガス雰囲気下、1100℃で5時間保持して、SiO粉末を作製した。
こうして得られたSiO粉末に対して、大気雰囲気下、800℃で5時間程度保持して、前記SiO粉末の表面に厚さ5nmの酸化膜を形成した。
次に、酸化膜を形成したSiO粉末と純水とPVAとを用いて懸濁液を作製した。
次に、内容積が678mm×678mm×400mmである溶融石英製のルツボ本体の内表面へ前記作製した懸濁液のスプレー塗布および乾燥を、膜厚が500μmとなるまで繰り返し行い、塗布膜を形成した。
こうして塗布膜を形成したルツボを、塗布膜の内部に一定の空隙が残った状態で前記酸化膜を形成したSiO粉末同士が溶着するように、アルゴン雰囲気中、800℃で60分保持して、保護膜を形成し、表面に酸化膜を形成したSiO粉末を備える保護膜が形成されたルツボを作製した。
(実施例2)
高純度Si粉末(純度99.9%以上、平均粒径が100nmで、アルカリ金属,アルカリ土類金属,フッ化物,塩化物,炭素,鉄,クロム,コバルト,ニッケル,タングステン,モリブデン,チタンの合算濃度が2ppm)を、大気雰囲気下、800℃で5時間程度保持して、表面に酸化膜を有し、その直接的な内層がSiO(X>0、Y>0)組成を有するSiO粉末を作製した。
その他は、実施例1と同様な方法で行い、表面に酸化膜を形成したSiO粉末を備える保護膜が形成されたルツボを作製した。
(比較例1)
高純度Si粉末(純度99.9%以上、平均粒径が100nmで、アルカリ金属,アルカリ土類金属,フッ化物,塩化物,炭素,鉄,クロム,コバルト,ニッケル,タングステン,モリブデン,チタンの合算濃度が2ppm)を、大気雰囲気下、1000℃で3時間加熱することで、Si粒子の表面に厚さ5nmの酸化膜のみを形成させたSi粉末を作製した。
その他は、実施例1と同様な方法で行い、表面に酸化膜のみを形成したSi粉末を備える保護膜が形成されたルツボを作製した。
(比較例2)
SiO粉末を作製しないで、高純度SiO粉末(純度99.9%以上、平均粒径が100nmで、アルカリ金属,アルカリ土類金属,フッ化物,塩化物,炭素,鉄,クロム,コバルト,ニッケル,タングステン,モリブデン,チタンの合算濃度が2ppm)のみを用い、その他は、実施例1と同様な方法で、SiO粒子のみを備える保護膜が形成されたルツボを作製した。
(保護膜のシリコンとの濡れ性)
次に、上記作製したルツボに対して、多結晶シリコン塊をルツボの内表面に設置して、高温で溶融させたシリコン融液を、冷却固化させた。こうして作製したシリコンブロックから困難無くルツボ断片を除去できたもの「評価“A”」、シリコンブロックの最終固化部分に僅かなクラックが入った状態でルツボ断片を除去できたものを「評価“B”」、シリコンブロックとルツボが広範囲に接着し容易にルツボ断片を除去することができず、シリコンブロックに相当な破損が生じたものを「評価“C”」とした。
また、多結晶シリコン塊をルツボの内表面に設置する際、多結晶シリコン塊を保護膜にわざと同じ力で数回ぶつけた後、その部分の剥離状況を目視で観察した。
(評価結果)
形成した保護膜のシリコンとの濡れ性及び剥離状況の評価結果を表1に示す。
Figure 2010077005
以上の結果からわかるように、実施例1、2のルツボは、シリコンとの濡れ性がよく、かつ、保護膜の剥離も確認されなかった。それに対して、比較例1は、保護膜の最表面に軽微な剥離が確認された。また、実施例1、2と比べて濡れ性が若干悪い結果が確認された。これは保護膜が剥がれた部分において、ルツボの内表面とシリコンブロックとが付着したためと考えられる。なお、比較例2においては、保護膜の剥離は確認されなかったものの、濡れ性が非常に悪いものであった。
なお、実施例1、2における保護膜の断面をSEMにて評価したところ、図3に示すような粒子構造を備えていることが確認された。
本発明に係るシリコン溶融ルツボの一例を示す斜視図である。 図1のA−A方向の断面図である。 図2における保護膜2近傍の領域を拡大させた拡大概略断面図である。 本発明に係る固体粒子2aの具体的な構成を示す概略断面図である。
符号の説明
1 ルツボ本体
2 保護膜
2a 固体粒子

Claims (2)

  1. 耐熱性部材からなるルツボ本体の少なくとも内表面上に保護膜が設けられたシリコン溶融ルツボであって、
    前記保護膜は、表面に酸化膜が形成され、前記酸化膜の直接的な内層がSiO(X>0、Y>0)組成を有する複数の固体粒子が前記酸化膜を介して各々連結されていることを特徴とするシリコン溶融ルツボ。
  2. シリコン溶融ルツボの少なくとも内表面に設けられる保護膜を形成するために用いられる離型材であって、表面に酸化膜が形成され、前記酸化膜の直接的な内層がSiO(X>0、Y>0)組成を有する固体粒子を含有してなる粉体で構成されていることを特徴とする離型材。
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