JP2010208866A - シリコン溶融ルツボ - Google Patents
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Abstract
【課題】保護膜に熱的衝撃や物理的衝撃が発生した場合でも保護膜の破損を防止することができ、かつ、シリコンブロックをルツボから脱型する際には、保護膜自体を容易に破損させることができるシリコン溶融ルツボを提供する。
【解決手段】耐熱性部材からなるルツボ本体1の少なくとも内表面1a上に保護膜2が設けられたシリコン溶融ルツボであって、保護膜2は、複数の閉気孔を有してなる多孔体で構成され、閉気孔は、保護膜2の最表面から保護膜2の厚さ方向に向かって各々離間して複数配置されており、少なくとも表面がSiOXNY(X>0、Y>0)組成を有する固体粒子で構成されている。
【選択図】図2
【解決手段】耐熱性部材からなるルツボ本体1の少なくとも内表面1a上に保護膜2が設けられたシリコン溶融ルツボであって、保護膜2は、複数の閉気孔を有してなる多孔体で構成され、閉気孔は、保護膜2の最表面から保護膜2の厚さ方向に向かって各々離間して複数配置されており、少なくとも表面がSiOXNY(X>0、Y>0)組成を有する固体粒子で構成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、特に、太陽電池の形成に使用される多結晶シリコン基板の製造に用いられるシリコン溶融ルツボに関する。
太陽電池の形成に使用される基板としては、チョクラルスキー法により製造される単結晶シリコン基板の他、大型化が容易な多結晶シリコン基板が用いられる。
多結晶シリコン基板は、一般的に、シリコン溶融ルツボ(以下、単に、ルツボともいう)内で高純度のポリシリコンを溶融させ、又は、高温で溶融したポリシリコン(以下、シリコン融液という)を該ルツボ内に注湯して、その後、凝固させることによって形成したシリコンブロックをルツボ内から脱型して、取り出したシリコンブロックを一定の厚さに板状にスライス加工することにより製造される。
このようなルツボは、凝固させたシリコンブロックを該ルツボから脱型しやすくするために、シリコン融液と接する内表面に、窒化珪素(Si3N4)やシリカ(SiO2)等の離型材で構成された保護膜(以下、離型材層ともいう)を形成するのが一般的である。
しかしながら、離型材として窒化珪素のみで構成された保護膜は、強度的に脆弱であることから、保護膜自身が破損しやすく、破損した窒化珪素がシリコン融液内に混入し、シリコンブロック内に窒化珪素の析出物を生成させてしまうという問題がある。
そのため、窒化珪素にシリカを特定の重量比率で混合した離型材層や、表面にシリカ層が形成された窒化珪素粉末を含有した離型材層を用いることで、保護膜の強度を向上させる技術が知られている(例えば、特許文献1、2)。
しかしながら、特許文献1、2に記載の技術のように、シリカを用いて保護膜の強度を向上させると、保護膜に熱的衝撃や物理的衝撃(シリコン融液を該ルツボ内に注湯する、または、それを凝固する等)が発生した場合でも保護膜の破損を防止できる一方で、シリカはシリコンとの付着性が高い。そのため、シリコンブロックを該ルツボから脱型する際に、保護膜自体が破損されにくくなり、保護膜と付着性が高まったシリコンブロック側に、当該脱型する応力がかかりやすく、シリコンブロックにカケやワレが発生する可能性がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、保護膜に熱的衝撃や物理的衝撃が発生した場合でも保護膜の破損を防止することができ、かつ、シリコンブロックを該ルツボから脱型する際には、保護膜自体を容易に破損させることができるシリコン溶融ルツボを提供することを目的とする。
本発明に係るシリコン溶融ルツボは、耐熱性部材からなるルツボ本体の少なくとも内表面上に保護膜が設けられたシリコン溶融ルツボであって、前記保護膜は、複数の閉気孔を有してなる多孔体で構成され、前記閉気孔は、前記保護膜の最表面から前記保護膜の厚さ方向に向かって各々離間して複数配置されており、少なくとも表面がSiOXNY(X>0、Y>0)組成を有する固体粒子で構成されていることを特徴とする。
このような構成とすることで、保護膜に熱的衝撃や物理的衝撃が発生した場合でも保護膜の破損を防止することができ、かつ、シリコンブロックを該ルツボから脱型する際には、保護膜自体を容易に破損させることができるシリコン溶融ルツボを得ることができる。
前記閉気孔は、複数の閉気孔が連通された連通閉気孔であることが好ましい。
このような構成とすることで、シリコンブロックを該ルツボから脱型する際に、より保護膜自体を破損させやすくなるため好ましい。
前記耐熱性部材は、石英で構成されていることが好ましい。
このような構成とすることで、保護膜に熱的衝撃や物理的衝撃が発生した場合でもルツボ本体の内表面からの保護膜の剥離を防止することができる。
本発明は、保護膜に熱的衝撃や物理的衝撃が発生した場合でも保護膜の破損を防止することができ、かつ、シリコンブロックを該ルツボから脱型する際には、保護膜自体を容易に破損させることができるシリコン溶融ルツボが提供される。
そのため、本発明に係るシリコン溶融ルツボを用いることで、多結晶シリコン基板の製造歩留の向上に大きく寄与することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係るシリコン溶融ルツボの一例を示す斜視図であり、図2は、図1のA−A方向の断面図である。
本実施形態に係るシリコン溶融ルツボは、図1及び図2に示すように、ルツボ本体1と、ルツボ本体1のシリコン融液と接する内表面1a上に設けられた保護膜2とを備える。
ルツボ本体1は、耐熱性部材からなり、図1に示すように、例えば、全体が一体に成形された一体成形型のルツボで構成されている。
保護膜2は、図2に示すように、ルツボ本体1のシリコン融液と接する内表面1a上に設けられている。
図3は、図2における保護膜2を拡大させた拡大断面図である。なお、図3に示す図面はあくまで概略的なものであり、図3に示す閉気孔の形状や大きさ、保護膜2の厚さ等は、実際の寸法と異なる点に留意する。
保護膜2は、図3に示すように、複数の閉気孔2aを有してなる多孔体で構成され、前記閉気孔2aは、前記保護膜2の最表面3から前記保護膜2の厚さ方向Fに向かって各々離間して複数配置されている。また、前記閉気孔2aを構成する骨格部2bは、緻密体で構成されている。また、保護膜2は、少なくとも表面がSiOXNY(X>0、Y>0)組成を有する固体粒子で構成されている。
図4は、保護膜2を構成する固体粒子の具体的な概略を示す概略断面図である。
具体的には、保護膜2を構成する固体粒子は、図4(a)に示すように、表面層2a1がSiOXNY(X>0、Y>0)であり、芯部2a2がシリカ(SiO2)である固体粒子2aa、図4(b)に示すように、表面層2a1がSiOXNY(X>0、Y>0)であり、芯部2a3が窒化珪素(Si3N4)である固体粒子2ab、又は、図4(c)に示すように、固体粒子全体がSiOXNY(X>0、Y>0)である固体粒子2acのいずれかで構成されている。
このように、本発明に係るシリコン溶融ルツボは、少なくとも表面がSiOXNY(X>0、Y>0)組成を有する固体粒子で構成された保護膜を備えているため、Si3N4で構成された保護膜よりも強度が高くなり、保護膜に熱的衝撃や物理的衝撃が発生した場合でも保護膜の破損を防止することができる。
更に、SiOXNY(X>0、Y>0)は溶融シリコンと濡れ難いため、SiO2と比べて、凝固したシリコンブロックと保護膜との付着性も抑制することができる。
また、前記固体粒子として、図4(a)、(b)に示す固体粒子2aa、2abを用いた場合でも、SiOXNY(X>0、Y>0)は、SiO2とSi3N4との中間体であるため、SiO2やSi3N4と熱膨張係数が近く、SiOXNY(X>0、Y>0)で構成された表面層2a1が芯部2a2、2a3から剥離されるのを防止することができる。従って、固体粒子2aaの場合にはシリコンと付着性が高いシリカ(SiO2)が、固体粒子2abの場合には強度的に脆弱である窒化珪素(Si3N4)がそれぞれ露出する可能性が少ない。
更に、本発明に係るシリコン溶融ルツボは、複数の閉気孔を有してなる多孔体で構成され、前記閉気孔は、前記保護膜の最表面から前記保護膜の厚さ方向に向かって各々離間して複数配置された構成を備えているため、シリコンブロックを該ルツボから脱型する際に、当該脱型する応力によって保護膜の閉気孔間に亀裂が入り、保護膜自身が先に容易に破損するため、シリコンブロック側にかかる応力を低減することができる。そのため、シリコンブロックにカケやワレが発生するのを防止することができる。
前記閉気孔は、複数の閉気孔が連通された連通閉気孔であることが好ましい。
図5は、図2における保護膜2を拡大させた他の形態の拡大断面図である。
すなわち、図5に示すように、複数の閉気孔2aが連通された連通閉気孔4が、前記保護膜2の最表面3から前記保護膜2の厚さ方向Fに向かって各々離間して複数配置されていることが好ましい。
このような構成とすることで、シリコンブロックを該ルツボから脱型する際に、より保護膜自体を破損させやすくなるため好ましい。
前述したSiOXNY(X>0、Y>0)組成は、0.2≦X≦0.8、0.8≦Y≦1.2であることが好ましい。このX、Yの分析は、酸素・窒素同時分析法で求めることができる。
前記Xが0.2未満であり、かつ前記Yが1.2を超える場合には、SiOXNY組成が窒化珪素に近くなるため、保護膜の強度が脆弱となり好ましくない。また、前記Xが0.8を超え、かつ前記Yが0.8未満である場合には、SiOXNY組成がシリカに近くなるため、保護膜2の強度がより向上し、かつ、シリコンとの付着性が高くなるため、シリコンブロックを該ルツボから脱型する際、保護膜自身が破損しにくくなり、また、シリコンブロックにカケやワレが発生する可能性がある。
前記固体粒子は、例えば、100nm以上500nm以下の粒径のものが用いられる。
次に、ルツボ本体1に保護膜2を形成して、本発明に係わるシリコン溶融ルツボを製造する製造方法について説明する。
保護膜2の形成には、原料として高純度(例えば、純度99.9%以上)のシリカ粒子の集合体である粉体を用い、これを窒化処理することで、少なくとも表面がSiOXNY(X>0、Y>0)組成を有する固体粒子(図4(a)、(c))の粉体を製造し、これを離型材(固体粒子)として使用する。または、原料として高純度(例えば、純度99.9%以上)の窒化珪素粒子の集合体である粉体を用い、これを酸化処理することで、少なくとも表面がSiOXNY(X>0、Y>0)組成を有する固体粒子(図4(b)、(c))の粉体を製造し、これを離型材(固体粒子)として使用する。
前記シリカ粒子の窒化処理は、窒素系ガス含有雰囲気中(例えば、水素ガスとアンモニアガスとの混合ガス雰囲気中)、高温(例えば、1100℃)で所定時間熱処理を行うことにより、シリカ粒子の少なくとも表面を窒化させることができる。なお、この窒化処理の処理条件(例えば、熱処理時間)を制御することにより、窒化率が異なるシリカ粒子、すなわち、SiOXNY粉末を得ることができる。更に、熱処理時間をより長くすることで、粒子全体がSiOXNY(X>0、Y>0)で構成された固体粒子(図4(c))を得ることができる。
前記窒化珪素粒子の酸化処理は、酸化系ガス含有雰囲気中(例えば、大気雰囲気中)、高温(例えば、800℃)で所定時間熱処理を行うことにより、窒化珪素粒子の少なくとも表面を酸化させることができる。なお、この酸化処理の処理条件(例えば、熱処理時間)を制御することにより、酸化率が異なる窒化珪素粒子、すなわち、SiOXNY粉末を得ることができる。更に、熱処理時間をより長くすることで、粒子全体がSiOXNY(X>0、Y>0)で構成された固体粒子(図4(c))を得ることができる。なお、前記酸化処理により固体粒子表面に酸化膜SiO2(X=2、Y=0)が形成されてしまった場合には、希HF処理を行うことで前記酸化膜を除去する。
ルツボ本体1の内表面1aへの保護膜2の形成は、例えば、次のようにして行う。
最初に、少なくとも表面がSiOXNY(X>0、Y>0)で構成された固体粒子、純水、架橋重合性物質(モノマー)等を溶解または分散させてセラミックスラリーを調製し、このセラミックスラリーに、バインダー(例えば、ポリビニルアルコール(PVA))、分散剤、整泡剤等を加え、得られたセラミックスラリーに架橋剤を添加し機械的に攪拌して起泡させて懸濁液を作製する。この際、攪拌の回転数等を調整することにより、泡状スラリーの気泡径を制御することができる。
得られた懸濁液を、ルツボ本体1の内表面1aへスプレー塗布し、乾燥させる。塗布膜が所望の厚さとなるまで、このスプレー塗布と乾燥とを繰り返す。
続いて、塗布膜が形成されたルツボ本体1を所定温度(例えば、800℃)に加熱し、焼成する。このとき、その昇温過程でバインダ(例えば、PVA)をガス化(焼失)させる。また、前記固体粒子が溶けて重力の作用で下方へ垂れて膜がずり落ちたり膜厚が変化したりすることのないように、塗布膜の内部に一定の空隙が残った状態で前記固体粒子同士を焼成して溶着させることが好ましい。こうしてルツボ本体1と密着した保護膜2を形成することができる。
本実施形態に係わるシリコン溶融ルツボは、上述したような製造方法で得ることができるため、研磨等の後処理や、CVD法を用いることなく、ルツボ本体への保護膜の形成が容易であるため生産経済性がよく、低コストで製造することができる。
前記耐熱性部材は、石英で構成されていることが好ましい。なおここでいう石英には、石英ガラスのみならず、溶融石英も含まれる。
このような構成とすることで、保護膜を構成する固体粒子と材料組成が他の材料と比べて近くなるため、ルツボ本体と保護膜との付着性が高くなる。従って、保護膜に熱的衝撃や物理的衝撃が発生した場合でもルツボ本体の内表面からの保護膜の剥離を防止することができる。
なお、ここまでルツボ本体1を、一体成形型のルツボを例に挙げて説明したが、本願発明はこれに限定されることがなく、分割型のルツボを用いてもよい。なお、分割型のルツボを用いる場合の本実施形態に係わるシリコン溶融ルツボを製造する場合は、耐熱性部材からなる複数の板状体を準備し、その板状体の少なくとも一方の面に、上述したスプレー塗布、乾燥、焼成を行って、各々保護膜を形成した後、保護膜が形成された面が内表面側になるように、前記複数の板状体を、接合部等を介して組み合わされることによって製造することができる。
[実施例1]
高純度SiO2粉末(純度99.9%以上、平均粒径が500nmで、アルカリ金属,アルカリ土類金属,フッ化物,塩化物,炭素,鉄,クロム,コバルト,ニッケル,タングステン,モリブデン,チタンの合算濃度が2ppm)を、水素とアンモニアを体積比で1:3に調整した混合ガス雰囲気下、1100℃で5時間保持して、SiOXNY粉末を作製した。前記SiOXNY粉末の組成を酸素、窒素同時分析法で分析したところ、X=0.5、Y=1.0であった。
高純度SiO2粉末(純度99.9%以上、平均粒径が500nmで、アルカリ金属,アルカリ土類金属,フッ化物,塩化物,炭素,鉄,クロム,コバルト,ニッケル,タングステン,モリブデン,チタンの合算濃度が2ppm)を、水素とアンモニアを体積比で1:3に調整した混合ガス雰囲気下、1100℃で5時間保持して、SiOXNY粉末を作製した。前記SiOXNY粉末の組成を酸素、窒素同時分析法で分析したところ、X=0.5、Y=1.0であった。
こうして得られたSiOXNY粉末と、純水、PVA、分散剤及び整泡剤を混合し、得られたセラミックスラリーに架橋剤を添加し機械的に攪拌して起泡させて懸濁液を作製した。
次に、内容積が678mm×678mm×400mmである溶融石英製のルツボ本体の内表面へ前記作製した懸濁液のスプレー塗布および乾燥を膜厚が500μmになるまで繰り返し行い、塗布膜を形成した。
続いて、塗布膜が形成されたルツボ本体を800℃に加熱して焼成し、図1に示す閉気孔を有する保護膜が形成されたシリコン溶融ルツボを作製した。
[実施例2]
高純度Si3N4粉末(純度99.9%以上、平均粒径が500nmで、アルカリ金属,アルカリ土類金属,フッ化物,塩化物,炭素,鉄,クロム,コバルト,ニッケル,タングステン,モリブデン,チタンの合算濃度が2ppm)を、大気雰囲気下、500℃で5時間程度保持して、SiOXNY粉末を作製した。前記SiOXNY粉末の組成を酸素、窒素同時分析法で分析したところ、X=0.5、Y=1.0であった。
高純度Si3N4粉末(純度99.9%以上、平均粒径が500nmで、アルカリ金属,アルカリ土類金属,フッ化物,塩化物,炭素,鉄,クロム,コバルト,ニッケル,タングステン,モリブデン,チタンの合算濃度が2ppm)を、大気雰囲気下、500℃で5時間程度保持して、SiOXNY粉末を作製した。前記SiOXNY粉末の組成を酸素、窒素同時分析法で分析したところ、X=0.5、Y=1.0であった。
こうして得られたSiOXNY粉末と、純水、PVA、分散剤及び整泡剤を混合し、得られたセラミックスラリーに架橋剤を添加し機械的に攪拌して起泡させて懸濁液を作製した。
次に、内容積が678mm×678mm×400mmである溶融石英製のルツボ本体の内表面へ前記作製した懸濁液のスプレー塗布および乾燥を膜厚が500μmになるまで繰り返し行い、塗布膜を形成した。
続いて、塗布膜が形成されたルツボ本体を800℃に加熱して焼成し、図1に示す閉気孔を有する保護膜が形成されたシリコン溶融ルツボを作製した。
[実施例3]
前記セラミックスラリーに対して、より気泡が入るように、攪拌の回転数を調整して起泡させて懸濁液を作製した。
前記セラミックスラリーに対して、より気泡が入るように、攪拌の回転数を調整して起泡させて懸濁液を作製した。
その他は、実施例1と同様な方法にて行い、図5に示す閉気孔を有する保護膜が形成されたシリコン溶融ルツボを作製した。
[実施例4]
前記セラミックスラリーに対して、より気泡が入るように、攪拌の回転数を調整して起泡させて懸濁液を作製した。
前記セラミックスラリーに対して、より気泡が入るように、攪拌の回転数を調整して起泡させて懸濁液を作製した。
その他は、実施例2と同様な方法にて行い、図5に示す閉気孔を有する保護膜が形成されたシリコン溶融ルツボを作製した。
[比較例1]
前記機械的な攪拌により起泡させないで、その他は、実施例1と同様な方法にて図1に示す閉気孔が存在しない保護膜が形成されたシリコン溶融ルツボを作製した。
前記機械的な攪拌により起泡させないで、その他は、実施例1と同様な方法にて図1に示す閉気孔が存在しない保護膜が形成されたシリコン溶融ルツボを作製した。
[比較例2]
前記機械的な攪拌により起泡させないで、その他は、実施例2と同様な方法にて図1に示す閉気孔が存在しない保護膜が形成されたシリコン溶融ルツボを作製した。
前記機械的な攪拌により起泡させないで、その他は、実施例2と同様な方法にて図1に示す閉気孔が存在しない保護膜が形成されたシリコン溶融ルツボを作製した。
[比較例3]
SiOXNY粉末を作製せず、その他は、実施例1と同様な方法にて行い図1に示す閉気孔を有する保護膜が形成されたシリコン溶融ルツボを作製した。
SiOXNY粉末を作製せず、その他は、実施例1と同様な方法にて行い図1に示す閉気孔を有する保護膜が形成されたシリコン溶融ルツボを作製した。
[比較例4]
SiOXNY粉末を作製せず、その他は、実施例2と同様な方法にて行い図1に示す閉気孔を有する保護膜が形成されたシリコン溶融ルツボを作製した。
SiOXNY粉末を作製せず、その他は、実施例2と同様な方法にて行い図1に示す閉気孔を有する保護膜が形成されたシリコン溶融ルツボを作製した。
(保護膜のシリコンとの濡れ性及び剥離の評価)
次に、上記作製したルツボに対して、各々固体のポリシリコンを充填し、高温で溶融してシリコン融液とし、その後、冷却固化させてシリコンブロックとした。その後、各々のルツボからシリコンブロックを脱型した。このシリコンブロックの脱型において、ワレやカケが生じることなくルツボから脱型できたものを「評価“A”」、シリコンブロックに僅かなクラックが入った状態で脱型できたものを「評価“B”」、シリコンブロックに相当な破損が生じたものを「評価“C”」とした。
次に、上記作製したルツボに対して、各々固体のポリシリコンを充填し、高温で溶融してシリコン融液とし、その後、冷却固化させてシリコンブロックとした。その後、各々のルツボからシリコンブロックを脱型した。このシリコンブロックの脱型において、ワレやカケが生じることなくルツボから脱型できたものを「評価“A”」、シリコンブロックに僅かなクラックが入った状態で脱型できたものを「評価“B”」、シリコンブロックに相当な破損が生じたものを「評価“C”」とした。
また、上記作業においてシリコン融液と接していない部分の保護膜の剥離状況も観察した。
以上の結果からわかるように、実施例1〜4におけるルツボは、濡れ性がよく、保護膜の剥離も確認されなかった。これに対して、閉気孔を形成しなかった比較例1、2は濡れ性が低下した。また、比較例3においては、保護膜の剥離は確認されなかったものの保護膜とシリコンブックとが強固に接着してしまい、また、比較例4においては、保護膜が剥離してしまい、更に、保護膜が剥離してむき出しとなったルツボ本体の内表面にシリコンブロックが強固に接着してしまい、両者とも大きく濡れ性が低下した。
1 ルツボ本体
2 保護膜
2a 閉気孔
2 保護膜
2a 閉気孔
Claims (3)
- 耐熱性部材からなるルツボ本体の少なくとも内表面上に保護膜が設けられたシリコン溶融ルツボであって、
前記保護膜は、複数の閉気孔を有してなる多孔体で構成され、前記閉気孔は、前記保護膜の最表面から前記保護膜の厚さ方向に向かって各々離間して複数配置されており、少なくとも表面がSiOXNY(X>0、Y>0)組成を有する固体粒子で構成されていることを特徴とするシリコン溶融ルツボ。 - 前記閉気孔は、複数の閉気孔が連通された連通閉気孔であることを特徴とする請求項1に記載のシリコン溶融ルツボ。
- 前記耐熱性部材は、石英で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコン溶融ルツボ。
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WO2012092369A2 (en) * | 2010-12-30 | 2012-07-05 | Saint-Gobain Ceramics & Plastics, Inc. | Crucible body and method of forming same |
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