JP2010076381A - レーザー彫刻用円筒状印刷原版の製造方法 - Google Patents

レーザー彫刻用円筒状印刷原版の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザー彫刻法で表面にパターンを形成するレーザー彫刻円筒状印刷原版を厚み精度高く、かつ生産性高く製造する方法を提供すること。
【解決手段】レーザー彫刻用円筒状印刷原版の製造方法であって、
(1)円筒状支持体(a)にレーザー光吸収性のある熱収縮性チューブを被覆する工程と、
(2)前記熱収縮性チューブを加熱し、収縮させる工程と、
(3)収縮させたチューブ上にシート状樹脂を被覆する工程と、
(4)前記シート状樹脂を前記収縮させたチューブ表面に接触させる工程と、
(5)接触させた部分にレーザー光(α)を照射して接着する工程と、を含み、
前記シート状樹脂が、熱可塑性樹脂、感光性樹脂組成物、および熱硬化性樹脂組成物からなる群から選択される少なくとも1種の材料からなる、レーザー彫刻用円筒状印刷原版の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、レーザー彫刻用円筒状印刷原版の製造方法に関する。
近年、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、およびレタープレス印刷といった樹脂凸版を製造する場合や、エンボス加工などの表面加工を行う場合において、樹脂層表面に、レーザー光を照射して照射された部分の樹脂が除去されることにより表面に凹凸パターンを形成するレーザー彫刻法が用いられるようになってきた。
レーザー彫刻法に適用される材料としては、加硫ゴム、感光性樹脂組成物を光硬化させて得られる感光性樹脂硬化物、熱硬化性樹脂組成物を熱硬化させて得られる熱硬化性樹脂硬化物が用いられている。特に、近年、処理時間の短縮の観点から、感光性樹脂組成物を光硬化させて得られる感光性樹脂硬化物をレーザー彫刻する技術が増えてきた。
特許文献1には、中空円筒状支持体上に熱可塑性エラストマーからなるシート状感光性樹脂組成物を巻き付け、端部を溶着し、接着剤を用いて中空円筒状支持体上にシート状感光性樹脂組成物を接着し、円筒状印刷原版を製造する方法が記載されている。
日本国特許2846954号
しかしながら、特許文献1に記載された方法では、接着剤が硬化するまでに相当な時間を要するため、円筒状印刷原版の真円度、厚み分布等の寸法精度が低下することが課題となっている。
また、従来技術では、寸法精度の高い円筒状印刷原版を生産性高く製造する方法は存在していない。
本発明が解決しようとする課題は、円筒状印刷原版を、寸法精度が高く、かつ生産性高く製造することのできる方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、レーザー彫刻用円筒状印刷原版の製造方法として、特定のシート状樹脂とレーザー光吸収性のある熱収縮性チューブを用いて、(1)円筒状支持体(a)にレーザー光吸収性のある熱収縮性チューブを被覆する工程と、(2)前記熱収縮性チューブを加熱し、収縮させる工程と、(3)収縮させたチューブ上にシート状樹脂を円筒状に巻きつける工程と、(4)前記シート状樹脂を前記収縮させたチューブ表面に接触させる工程と、(5)接触させた部分にレーザー光(α)を照射して接着する工程と、を含む製造方法とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は以下の通りである。
1.
レーザー彫刻用円筒状印刷原版の製造方法であって、
(1)円筒状支持体(a)にレーザー光吸収性のある熱収縮性チューブを被覆する工程と、
(2)前記熱収縮性チューブを加熱し、収縮させる工程と、
(3)収縮させたチューブ上にシート状樹脂を被覆する工程と、
(4)前記シート状樹脂を前記収縮させたチューブ表面に接触させる工程と、
(5)接触させた部分にレーザー光(α)を照射して接着する工程と、を含み、
前記シート状樹脂が、熱可塑性樹脂、感光性樹脂組成物、および熱硬化性樹脂組成物からなる群から選択される少なくとも1種の材料からなる、レーザー彫刻用円筒状印刷原版の製造方法。
2.
前記工程(5)が、前記シート状樹脂と前記収縮させたチューブが接触した界面に、前記レーザー光(α)の焦点を合わせて照射する工程である、1.に記載の製造方法。
3.
前記シート状樹脂の光線透過率が、前記レーザー光(α)の発振波長において、50%以上100%以下である、1.または2.に記載の製造方法。
4.
前記レーザー光(α)の発振波長が700nm以上3μm以下である、1.から3.のいずれか1項に記載の製造方法。
5.
前記レーザー光(α)が、
連続発振レーザー、または
レーザーパルスの半値時間幅が1ナノ秒以上50ミリ秒以下であるパルス発振レーザーであって、
前記レーザー光(α)の平均出力が0.01W以上200W以下である、1.から4.のいずれか1項に記載の製造方法。
6.
前記レーザー光(α)の焦点部でのビーム径が、1μm以上5mm以下である、1.から5.のいずれか1項に記載の製造方法。
7.
前記熱収縮性チューブの光線透過率が、使用する前記レーザー光(α)の発振波長において10%以下である、1.から6.のいずれか1項に記載の製造方法。
8.
前記熱収縮性チューブが、近赤外線を吸収する、染料または顔料を含む、1.から7.のいずれか1項に記載の製造方法。
9.
前記熱収縮性チューブの厚さが、10μm以上500μm以下である、1.から8.のいずれか1項に記載の製造方法。
10.
前記熱収縮性チューブの中心線平均表面粗さRaが、0.5μm以下である、1.から9.のいずれか1項に記載の製造方法。
11.
前記感光性樹脂組成物または熱硬化性樹脂組成物が、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルポリオール、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、およびスチレン−イソプレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含有する、1.から10.のいずれか1項に記載の製造方法。
12.
前記円筒状支持体(a)が繊維強化プラスチックを含み、該繊維強化プラスチックが、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリイミド繊維、ポリエステル繊維、ポリウレタン繊維、セルロース繊維、炭素繊維、金属繊維、およびセラミックス繊維からなる群から選択される少なくとも1種の繊維を含有する、1.から11.のいずれか1項に記載の製造方法。
13.
前記円筒状支持体(a)が中空円筒状支持体であり、該中空円筒状支持体の厚さが、0.2mm以上2mm以下である、1.から12.のいずれか1項に記載の製造方法。
14.
前記シート状樹脂が、厚さが10μm以上500μm以下である、熱可塑性樹脂からなるシート状支持体上に、厚さが50μm以上5mm以下である、感光性樹脂組成物もしくは熱硬化性樹脂組成物またはそれらの硬化物が積層される積層体である、1.から13.のいずれか1項に記載の製造方法。
15.
1.から14.のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されるレーザー彫刻用円筒状印刷原版に、レーザー光(β)を照射して凹パターンを形成する工程を含む、レーザー彫刻用円筒状印刷版の製造方法。
16.
前記レーザー彫刻用円筒状印刷版が、フレキソ印刷版、ドライオフセット印刷版、またはグラビア印刷版である、15.に記載のレーザー彫刻用円筒状印刷版の製造方法。
17.
16.に記載の製造方法によって製造されるドライオフセット印刷版を用いて、円筒状の被印刷体表面に印刷する、ドライオフセット印刷方法。
18.
脂肪族系炭化水素および/または芳香族系炭化水素を含むインキを用いて印刷する、17.に記載のドライオフセット印刷方法。
本発明によれば、レーザー彫刻法で表面にパターンを形成するレーザー彫刻円筒状印刷原版を厚み精度高く、かつ生産性高く製造する方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「本実施の形態」という。)について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
[レーザー彫刻用円筒状印刷原版の製造方法]
本実施の形態のレーザー彫刻用円筒状印刷原版の製造方法は、
円筒状支持体(a)上にシート状樹脂を接着する円筒状印刷版の製造方法であって、
(1)円筒状支持体(a)にレーザー光吸収性のある熱収縮性チューブを被覆する工程と、
(2)前記熱収縮性チューブを加熱し、収縮させる工程と、
(3)収縮させたチューブ上にシート状樹脂を被覆する工程と、
(4)前記シート状樹脂を前記収縮させたチューブ表面に接触させる工程と、
(5)接触させた部分にレーザー光(α)を照射して接着する工程と、を含み、
前記シート状樹脂が、熱可塑性樹脂、感光性樹脂組成物、および熱硬化性樹脂組成物からなる群から選択される少なくとも1種の材料からなる、レーザー彫刻用円筒状印刷原版の製造方法である。
本実施の形態の製造方法は、レーザー溶着法により、シート状樹脂と収縮したチューブとを接着させる方法であり、シート状樹脂と収縮したチューブが接触している界面部分にレーザー光(α)を照射することによって、極めて短時間に接着することができる。
[工程(1)]
本実施の形態において、工程(1)における円筒状支持体(a)にレーザー光吸収性のある熱収縮性チューブを被覆する方法として、円筒状支持体(a)に熱収縮性シートを巻き付け、周端部を接着または溶着させる方法、熱収縮性シートの周端部を予め接着または溶着させたチューブを円筒状支持体(a)に嵌め込む方法、および継ぎ目のない熱収縮性チューブを円筒状支持体(a)に嵌め込む方法等を挙げることができる。
「熱収縮性チューブ」
本実施の形態において用いられる熱収縮性チューブは、加熱することによって収縮する性質と、レーザー光(α)を吸収する性質を併せ持つ熱収縮性チューブである。
熱収縮性チューブの収縮特性に関しては、80℃における熱収縮率が10%以上50%以下であることが好ましい。より好ましい範囲は、20%以上50%以下、さらに好ましくは20%以上40%以下である。
熱収縮率が上記範囲内であれば、円筒状支持体(a)に確実に固定することができ、印刷工程においても周方向にずれることが防げ、機械的強度も充分確保することが可能である。
熱収縮性チューブの厚さは、10μm以上500μm以下であることが好ましい。より好ましい範囲は25μm以上250μm以下、さらに好ましくは50μm以上150μm以下である。
熱収縮性チューブの厚みが上記範囲内であれば、チューブを成形することが容易に実施でき、機械的強度を充分に確保することも可能である。
レーザー光(α)は熱収縮させたチューブとシート状樹脂との接触界面に照射するため、熱収縮性チューブは、溶着に使用するレーザー光(α)を吸収する必要がある。
熱収縮性チューブは、レーザー光(α)を吸収するために、レーザー光吸収剤を含有していることが好ましい。レーザー光(α)として、近赤外線領域に発振波長を有するレーザー光が好ましいので、レーザー光吸収剤としては、近赤外線領域に光吸収特性のある染料や顔料を含むことが好ましい。
レーザー光吸収剤として、好ましい化合物としては、カーボンブラック、グラファイト、活性炭、カーボンナノチューブ、フラーレン等の黒色顔料、フタロシアニン系、アゾ系、ペリノン系、アントラキノン系等の有機染料や有機顔料、酸化鉄、酸化銅等の金属酸化物、クロム酸塩、硫化物、ケイ酸塩、炭酸塩、フェロシアン化物等の無機顔料等を挙げることができる。
熱収縮性チューブの光線透過率は、使用するレーザー光(α)の発振波長において、10%以下であることが好ましく、より好ましくは1%以下であり、さらに好ましくは0.1%以下である。
熱収縮性チューブの光線透過率が上記範囲内であれば、充分にレーザー光を吸収することが可能である。
熱収縮性チューブは、フィルムの両端部を溶着したチューブであっても、継ぎ目のないシームレスチューブであってもよい。フィルムの両端部を溶着して形成する場合、フィルムは押し出し成形やキャスト法などの手法を用いて成形し、その後延伸することによって作製することができる。また、サーキュラーダイやリングダイを使用し、インフレーションすることによって、継ぎ目のないチューブを作製することができる。
熱収縮性チューブの材料としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアミド、およびポリ酢酸ビニル等の材料を挙げることができる。
熱収縮性チューブの中心線平均表面粗さRaは、その上に積層するシート状樹脂との接着強度確保の観点で、0.5μm以下であることが好ましい。より好ましくは0.4μm以下、更に好ましくは0.2μm以下である。
[円筒状支持体(a)]
本実施の形態において用いられる円筒状支持体(a)は、成形精度や取り扱いの容易さの観点で、金属製、ゴム製またはプラスチック製のシリンダー、およびプラスチック製、金属製または繊維強化プラスチック製のスリーブ等の円筒状支持体を挙げることができる。
円筒状支持体(a)としては、取り扱い、質量の観点から、繊維強化プラスチック製の中空円筒状支持体が好ましい。
繊維強化プラスチックが、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリイミド繊維、ポリエステル繊維、ポリウレタン繊維、セルロース繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミックス繊維からなる群から選択される少なくとも1種類の繊維を含有するプラスチックであることが好ましい。
円筒状支持体(a)が、中空円筒状支持体の場合、割れたり欠けたりしない機械的強度確保、高速回転時のねじれの有無、軽量化、取り扱いの容易さの観点で、中空円筒状支持体の厚さは0.2mm以上2mm以下であることが好ましい。より好ましくは0.3mm以上1.5mm以下、さらに好ましくは0.4mm以上1mm以下である。
中空円筒状支持体の厚さが上記範囲内であれば、エアーシリンダーへの装着が容易であり、折れたり割れたりせずに、充分に機械的強度を確保することができる。
[工程(2)]
本実施の形態において、工程(2)における熱収縮性チューブを加熱し、収縮させる方法として、熱収縮性チューブに熱風を吹き付ける方法、オーブン等の加熱した雰囲気中に保持する方法、赤外線等の熱線を照射する方法、および加熱したシリンダーや平板と接触させる方法等を挙げることができる。
熱収縮チューブを収縮させることにより、収縮したチューブを収縮力によって円筒状支持体(a)上に保持させることができる。
[工程(3)]
本実施の形態において、工程(3)における収縮したチューブ上にシート状樹脂を被覆する方法は、特に限定されるものではなく、シート状樹脂を収縮したチューブ上に巻きつける方法を挙げることができる。シート状樹脂を巻きつける方法としては、円筒状にシート状樹脂を巻きつけることが好ましく、円筒状支持体(a)の周方向の全周に巻きつけてもよく、周方向の一部分に巻きつけてもよい。また、手作業で巻きつけても、冶具を用いて巻きつけてもよい。シート状樹脂を巻きつけた後、収縮させたチューブ上にテープ等を用いて仮留めすることが好ましい。
「シート状樹脂」
本実施の形態において用いられるシート状樹脂は、熱可塑性樹脂、感光性樹脂組成物、熱硬化性樹脂組成物からなる群から選択される少なくとも1種の材料からなる。
以下、感光性樹脂組成物と熱硬化性樹脂組成物を、単に「樹脂組成物」と、感光性樹脂硬化物と熱硬化性樹脂硬化物を、単に「樹脂硬化物」という場合がある。
シート状樹脂として、レーザー彫刻性、画像形成性、フレキシビリティー、機械的強度確保等の観点で、熱可塑性樹脂からなるシート状支持体上に、感光性樹脂硬化物または熱硬化性樹脂硬化物が積層されるシート状積層体であることが好ましい。
シート状樹脂は、20℃において固体状の樹脂と定義する。すなわち、流動せずにシートの形状を保持することを意味する。
シート状樹脂の厚さは、0.1mm以上5mm以下であることが好ましい。
シート状樹脂の厚みがこの範囲であれば、熱収縮させたチューブ上に巻きつけることが容易であり、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、グラビア印刷等の印刷用途で使用することが可能となる。
シート状樹脂は、20℃において液状の感光性樹脂組成物または熱硬化性樹脂組成物をシート状に成形し、その後、光硬化または熱硬化させて得られる感光性樹脂硬化物または熱硬化性樹脂硬化物であってもよい。
熱収縮させたチューブとシート状樹脂との溶着に使用するレーザー光(α)は、シート状樹脂側から照射するため、シート状樹脂は、このレーザー光(α)に対し、光線透過性が高いことが好ましい。
シート状樹脂は、変形の抑制、厚み精度確保の観点で、使用するレーザー光(α)が透過する材料であることが好ましく、使用するレーザー光(α)の発振波長における光線透過率は、レーザー光(α)によるアブレーションの抑制、熱吸収による変形の抑制の観点で、50%以上100%以下であることが好ましく、より好ましくは70%以上100%以下であり、さらに好ましくは80%以上100%以下である。
樹脂組成物として、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルポリオール、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、およびスチレン−イソプレン共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含有していることが好ましい。
シート状支持体としては、寸法安定性、軽量性、平面平滑性、フレキシビリティーの観点で、厚さは10μm以上500μm以下であることが好ましい。シート状支持体の厚さは、より好ましくは50μm以上300μm以下であり、さらに好ましくは50μm以上200μm以下である。
シート状支持体の材料として、ニッケル、アルミニウム、および鉄等の金属と、ポリエステル、ポリアミド、およびポリイミドからなる群から選ばれる少なくとも1種である熱可塑性樹脂と、を挙げることができる。
シート状樹脂において、感光性樹脂組成物もしくは熱硬化性樹脂組成物またはそれらの樹脂硬化物の厚さは、50μm以上5mm以下であることが好ましい。より好ましくは100μm以上3mm以下、さらに好ましくは、400μm以上1.5mm以下である。
シート状樹脂において、該厚さが上記範囲内にあれば、画像パターン形成性を確保し、フレキシビリティーを確保することができる。
シート状樹脂としては、フレキソ印刷用途では、比較的硬度の低いポリウエタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルポリオール、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等の材料を含有していることが好ましく、ドライオフセット印刷、グラビア印刷用途では、比較的硬度の高いポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート等の材料を含有していることが好ましい。
[工程(4)]
本実施の形態において、シート状樹脂を収縮させたチューブ表面に接触させる工程は、シート状樹脂と収縮させたチューブが密着していることが好ましく、シート状樹脂の上から冶具を用いて圧力をかけることが好ましい。
[工程(5)]
本実施の形態において、接触させた部分にレーザー光(α)を照射して接着する工程は、収縮したチューブとシート状樹脂界面にシート状樹脂側から、レーザー光(α)を照射することが好ましい。また、シート状樹脂と収縮したチューブが密着した状態でレーザー光(α)が照射されることが好ましい。
本実施の形態において、熱収縮したチューブとシート状樹脂にレーザー光(α)を照射して接着する工程において、該チューブとシート状樹脂が接触した界面に、レーザー光(α)の焦点を合わせる工程を含むことが好ましい。
レーザー光(α)の焦点を界面に合わせることにより、レーザー光のエネルギーを高めることができるので、効率的に接着させることができる。
[レーザー光(α)]
レーザー光(α)としては、シート状樹脂への光線透過性の観点から、波長700nm以上3μm以下の近赤外線領域に発振波長のあるレーザー光が好ましい。より好ましくは700nm以上2μm以下、さらに好ましくは800nm以上1100nm以下である。
YAGレーザー、YVO4レーザー、YLFレーザー、チタンサファイアレーザー、アレクサンドライトレーザー、ErやYbをドープしたファイバーレーザーを好ましいレーザーとして挙げることができる。
レーザー光(α)は、連続発振レーザーであっても、パルス状レーザーであってもよい。
パルス発振レーザーの場合、レーザーパルスの半値時間幅が1ナノ秒以上50ミリ秒以下であることが好ましい。より好ましくは5ナノ秒以上50マイクロ秒以下、さらに好ましくは、10ナノ秒以上1マイクロ秒以下である。
パルスの半値時間幅が上記範囲内であれば、熱モードで溶着が充分に実施可能である。
連続発振レーザーを用いる場合でも、電気光学素子や音響光学素子を用いることによって、パルス状にレーザー光を変換することが可能である。
レーザー光(α)の平均出力は、0.01W以上200W以下であることが好ましい。より好ましい範囲は0.1W以上100W以下、さらに好ましくは1W以上50W以下である。
レーザー光(α)の平均出力が上記範囲内であれば、溶着による接着強度を充分に確保することが可能であり、レーザー光源のコストを下げることが可能となる。円筒状支持体(a)とシート状樹脂の接触界面に照射されるレーザービーム径は、レンズを用いて絞ることができる。
レーザー光(α)のビーム径は、1μm以上5mm以下であることが好ましい。より好ましくは10μm以上4mm以下、さらに好ましくは100μm以上3mm以下である。
レーザー光(α)のビーム径が上記範囲内であれば、生産性高く円筒状支持体(a)上にシート状樹脂を接着することが可能であり、高価な高出力レーザーを使用しなくとも充分に接着が可能である。
レーザー光(α)の焦点部でのビーム径は、接着処理速度の観点で、1μm以上5mm以下であることが好ましく、より好ましくは10μm以上3mm以下であり、さらに好ましくは100μm以上1mm以下である。
本実施の形態においては、レーザー彫刻のパターン形成精度確保の観点で、シート状樹脂を形成する感光性樹脂組成物および/または熱硬化性樹脂組成物としては、樹脂(b)および有機化合物(c)を含有していることが好ましい。
[樹脂(b)]
本実施の形態において用いられる樹脂(b)の数平均分子量は、1000以上30万以下、より好ましくは2000以上20万以下、さらに好ましくは5000以上15万以下である。
樹脂(b)の数平均分子量が1000以上であれば、後に架橋して作成する樹脂硬化物が強度を保ち、繰り返しの使用にも耐えられる。
樹脂(b)の数平均分子量が30万以下であれば、押し出し成形時に樹脂組成物の溶融粘度が過度に上昇することもなく、シート状に成形できる。
本実施の形態において数平均分子量とは、ゲル浸透クロマトグラフィーを用いて測定し、分子量既知のポリスチレンで検量し換算した値である。
樹脂(b)は、分子内に重合性不飽和基を有していてもよく、好ましい化合物として1分子あたり平均で0.7以上の重合性不飽和基を有するポリマーを挙げることができる。
1分子あたりの重合性不飽和基の数が平均で0.7以上であれば、樹脂組成物より得られる樹脂硬化物の機械強度に優れ、耐久性も良好で、特に印刷用基材として繰り返しの使用にも耐えられるのものとなり好ましい。
樹脂硬化物の機械強度を考慮すると、樹脂(b)の重合性不飽和基の数は1分子あたり0.7以上が好ましく、1以上であることがより好ましい。1分子あたりの重合性不飽和基の数の上限については特に限定されないが、20以下であることが好ましい。20以下であれば、硬化時の収縮を低く抑えることができ、また表面近傍でのクラック等の発生も抑制できる。
本実施の形態において分子内に重合性不飽和基を有するとは高分子主鎖の末端、高分子側鎖の末端、高分子主鎖中、および高分子側鎖中に直接、重合性不飽和基が付いている場合等も含まれる。
樹脂(b)として、下記に示すようなポリマーを骨格として、分子内に重合性不飽和基を有する化合物を挙げることができる。
ポリマーの例として、ポリエチレンおよびポリプロピレン等のポリオレフィン類;ポリブタジエンおよびポリイソプレン等のポリジエン類;ポリ塩化ビニルおよびポリ塩化ビニリデン等のポリハロオレフィン類;ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリアクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル類、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリアミド、ポリウレア、ポリエーテルポリオール、およびポリイミド等の主鎖にヘテロ原子を有する高分子、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、およびスチレン−イソプレン共重合体等からなる群より選ばれる1種若しくは2種以上のポリマーをもちいることができる。複数の高分子を用いる場合の形態としては共重合体、ブレンドどちらでもよい。
フレキソ印刷版用途のように柔軟なレリーフ画像が必要な場合には、樹脂(b)の一部として、ガラス転移温度が20℃以下の液状樹脂、好ましくはガラス転移温度が0℃以下の液状樹脂を添加することもできる。
液状樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリブタジエン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレン、および水添ポイソプレン等の炭化水素類;アジペートおよびポリカプロラクトン等のポリエステル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル類;脂肪族ポリカーボネート;ポリジメチルシロキサン等のシリコーン類;(メタ)アクリル酸および/またはその誘導体の重合体ならびにこれらの混合物やコポリマー類を挙げることができる。
液状樹脂の含有量は、硬化物の機械的物性確保の観点で、樹脂(b)全体に対して30質量%以上100質量%以下含有することが好ましい。
液状樹脂として、耐候性の観点から、ポリカーボネート構造を有する不飽和ポリウレタン類が好ましい。不飽和ポリウレタン類として、ポリウレタン分子鎖の末端にアクリレート基やメタクリレート基等の重合性不飽和基を有する樹脂およびポリウレタン分子鎖中に二重結合を有する樹脂等を挙げることができる。
樹脂(b)の分子中に重合性不飽和基を導入する方法として、例えば、直接、重合性の不飽和基をその分子末端または分子鎖中に導入した単量体を用いて重合する方法を挙げることができる。
別法として、樹脂(ポリマー)と、重合性不飽和基を有する化合物と、を反応させて樹脂の末端に重合性不飽和基を導入する方法も挙げることができる。具体的には、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、酸無水物基、ケトン基、ヒドラジン残基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、環状カーボネート基、およびエステル基等の反応性基を複数有する化合物に、反応性基と結合しうる官能基を複数有する結合剤(例えば、反応性基が水酸基またはアミノ基である場合、結合剤としてポリイソシアネート等を挙げることができる。)を反応させ、分子量の調節、および末端の結合性基への変換を行った後に、該反応によって得られた樹脂と、該樹脂の末端結合性基と反応する官能基および重合性不飽和基を有する化合物とを反応させて、該樹脂の末端に重合性不飽和基を導入する方法である。
樹脂硬化物をレーザー彫刻用印刷基材として使用する場合、樹脂(b)として、熱分解性の高いポリマーを使用することが好ましい。例えば、α−メチルスチレン、メタクリル酸エステル、およびアクリル酸エステルの単位、またはカーボネート結合およびカーバメート結合等を分子内に有するポリマーは、熱分解性の高い化合物として知られている。
熱分解性の指標として、不活性ガス雰囲気中でサンプルを加熱した際の重量減少を測定した熱重量分析法のデータを用いることができる。
好ましい樹脂(b)としては、レーザー彫刻速度確保、レーザー彫刻で得られるパターンエッジ部の精度確保の観点で、量が半減する時点の温度が、150℃以上450℃以下の範囲であることが好ましく、より好ましくは、250℃以上400℃以下であり、さらに好ましくは、250℃以上380℃以下である。
レーザー彫刻速度確保、レーザー彫刻で得られるパターンエッジ部の精度確保の観点で、熱分解が狭い温度範囲で起こる化合物が好ましい。その指標として、熱重量分析において、重量が初期重量の80%に減少する温度と、重量が初期重量の20%に減少する温度との差が、100℃以下であることが好ましく、より好ましくは80℃以下であり、さらに好ましくは60℃以下である。
[有機化合物(c)]
有機化合物(c)は、ラジカル重合反応または開環重合反応に関与する重合性不飽和基を有した化合物であり、樹脂(b)との希釈のし易さを考慮すると数平均分子量は1000以下であることが好ましい。
有機化合物(c)として、例えば、エチレン、プロピレン、スチレン、ジビニルベンゼン等のオレフィン類;アセチレン類;(メタ)アクリル酸およびその誘導体;ハロオレフィン類;アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;(メタ)アクリルアミドおよびその誘導体;アリルアルコールおよびアリルイソシアネート等のアリル化合物;無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、およびイタコン酸等の不飽和ジカルボン酸ならびにそれらの誘導体;酢酸ビニル類;N−ビニルピロリドン;N−ビニルカルバゾール;シアネートエステル類等を挙げることができる。
有機化合物(c)として、種類の豊富さおよび価格等の観点から、(メタ)アクリル酸および(メタ)アクリル酸エステル等の誘導体が好ましい。
上記誘導体として、シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、シクロアルケン基、およびビシクロアルケン基等の官能基を有する脂環族化合物ベンジル基、フェニル基、フェノキシ基、メチルスチリル基、およびスチリル基等の官能基を有する芳香族化合物;アルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、テトラヒドロフルフリル基、およびグリシジル基等の官能基を有する化合物等のエステル化合物またはアミド化合物、ならびにアルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコール、(アルキル/アリルオキシ)ポリアルキレングリコールやトリメチロールプロパン等の多価アルコールのエステル化合物等を挙げることができる。
重合性不飽和基を有する有機化合物(c)は、その目的に応じて1種または2種以上の化合物を選択できる。例えば、円筒状印刷原版を印刷版として用いる場合、印刷インキの溶剤であるアルコールやエステル等の有機溶剤に対する膨潤を押さえるため、有機化合物(c)として、長鎖脂肪族、脂環族、または芳香族の誘導体を少なくとも1種類以上を選択することが好ましい。
樹脂硬化物の機械強度を高めるためには、有機化合物(c)として、脂環族基または芳香族基等の置換基(官能基)を有する化合物を少なくとも1種類以上を選択することが好ましく、脂環族基または芳香族基等の置換基を有する化合物が、有機化合物(c)の全体量の20質量%以上100質量%以下であることが好ましく、より好ましくは50質量%以上100質量%以下である。
本実施の形態におけるシート樹脂は、感光性樹脂組成物または感光性樹脂硬化物であってもよく、感光性樹脂組成物中に光重合開始剤を含有していることが好ましい。
[光重合開始剤]
本実施の形態では、樹脂組成物に光を照射して硬化させてレーザー彫刻層を形成する。光としては、紫外線、可視光線の他、電子線、X線等の高エネルギー線を用いることもできる。特に紫外線、可視光線を用いて光硬化させる場合、光重合開始剤を添加することが好ましい。光重合開始剤としては、水素引き抜き型光重合開始剤(d)および/または崩壊型光重合開始剤(e)を添加することが好ましい。
[水素引き抜き型光重合開始剤(d)]
水素引き抜き型光重合開始剤(d)として、特に限定するものではないが、芳香族ケトンを用いることが好ましい。芳香族ケトンは光励起により効率よく励起三重項状態になり、この励起三重項状態は周囲の媒体から水素を引き抜いてラジカルを生成する化学反応機構が提案されている。生成したラジカルが光架橋反応に関与するものと考えられる。本実施の形態で用いる水素引き抜き型光重合開始剤(d)として励起三重項状態を経て周囲の媒体から水素を引き抜いてラジカルを生成する化合物であれば何でもよい。
芳香族ケトンとして、ベンゾフェノン類、ミヒラーケトン類、キサンテン類、チオキサントン類、アントラキノン類を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を用いることが好ましい。ベンゾフェノン類とは、ベンゾフェノンまたはその誘導体を指し、具体的には3,3‘,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3‘,4,4’−テトラメトキシベンゾフェノン等である。ミヒラーケトン類とはミヒラーケトンおよびその誘導体をいう。キサンテン類とはキサンテンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基で置換された誘導体をいう。チオキサントン類とは、チオキサントンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基で置換された誘導体をさし、エチルチオキサントン、メチルチオキサントン、クロロチオキサントン等を挙げることができる。アントラキノン類とはアントラキノンおよびアルキル基、フェニル基、ハロゲン基等で置換された誘導体をいう。
水素引き抜き型光重合開始剤の添加量は、感光性樹脂組成物全体量の0.3質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上5質量%以下であることが好ましい。添加量がこの範囲であれば、液状感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合、硬化物表面の硬化性は充分に確保でき、また、長期保存時に表面にクラック等が発生せず、退候性を確保することができる。
[崩壊型光重合開始剤(e)]
崩壊型光重合開始剤(e)とは、光吸収後に分子内で開裂反応が発生し活性なラジカルが生成する化合物を指し、特に限定するものではない。具体的には、ベンゾインアルキルエーテル類、2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類、アセトフェノン類、アシルオキシムエステル類、アゾ化合物類、有機イオウ化合物類、アシルホスフィンオキシド類、ジケトン類等を挙げることができ、これらの群から選ばれる少なくとも1種類の化合物を用いることが好ましい。
ベンゾインアルキルエーテル類としては、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等を挙げることができる。2,2−ジアルコキシ−2−フェニルアセトフェノン類としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン等を挙げることができる。アセトフェノン類としては、アセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン等を挙げることができる。アシルオキシムエステル類としては、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム等を挙げることができる。アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾニウム化合物、テトラゼン化合物等を挙げることができる。ジケトン類としては、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート等を挙げることができる。
崩壊型光重合開始剤の添加量は、感光性樹脂組成物全体量の0.3質量%以上10質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上5質量%以下であることが好ましい。添加量がこの範囲であれば、液状感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合、硬化物内部の硬化性は充分に確保できる。
水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する化合物を、光重合開始剤として用いることもできる。光重合開始剤としては、α−アミノアセトフェノン類を挙げることができ、例えば、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン等の化合物を挙げることができる。
水素引き抜き型光重合開始剤として機能する部位と崩壊型光重合開始剤として機能する部位を同一分子内に有する光重合開始剤の添加量としては、感光性樹脂組成物全体量の0.3質量%以上10質量%以下が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上3質量%以下である。添加量がこの範囲であれば、感光性樹脂組成物を大気中で光硬化させた場合であっても、硬化物の機械的物性は充分に確保できる。
[光酸発生剤、光塩基発生剤]
本実施の形態では、光照射によって、酸または塩基を発生する化合物を光重合開始剤として用いることができる。開環重合反応する官能基を有する化合物、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物等を開環重合させることができる。
[熱重合開始剤]
本実施の形態では、シート樹脂が熱硬化性樹脂組成物またはその硬化物であってもよいので、熱硬化性樹脂組成物中に熱重合開始剤を含有していることが好ましい。熱重合開始剤として、好適な化合物は、ラジカル重合反応、開環重合反応に使用できる全ての熱重合開始剤である。ラジカル重合反応に用いられる熱重合開始剤として、例えば、有機過酸化物、無機過酸化物、有機珪素過酸化物、ヒドロペルオキシド、アゾ化合物、チオール化合物、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ハロゲン化合物、アルデヒド化合物等を挙げることができる。また、開環重合反応に用いられる熱重合開始剤としては、マイクロカプセル中に熱重合開始剤を入れた潜在性熱重合開始剤を選択することが好ましい。
熱重合開始剤は、樹脂(b)または有機化合物(c)との混合の容易性の観点から、20℃において液状であることが好ましい。
熱重合開始剤の含有量は熱硬化性樹脂組成物全体量に対し、0.1質量%以上10質量%以下が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上5質量%以下、さらに好ましくは1質量%以上5質量%以下である。熱重合開始剤の含有率が上記範囲であれば、熱硬化性樹脂組成物を十分に硬化させることができ、熱硬化物の表面の粘着性を低減することが可能となる。
好適な熱重合開始剤の選択は、本実施の形態の方法を実施する上で特に重要である。熱重合開始剤の熱安定性は、通常、10時間半減期の温度10h−t1/2の方法によって、即ち、熱重合開始剤の当初の量の50%が、10時間後に分解してフリーラジカルを形成する温度で示される。これに関するさらなる詳細については、「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」,11巻、1頁以降、John Wiley & Sons,ニューヨーク,1988年、に示されている。
好適な熱重合開始剤は、通常、好ましくは少なくとも60℃、より好ましくは少なくとも70℃の10h−t1/2を有する。特に好ましくは80℃〜150℃の10h−t1/2である。
熱重合開始剤としては、熱硬化性の観点および熱硬化性樹脂組成物との相溶性の観点から有機過酸化物が特に好ましい。化合物の具体例としては、ペルオキシエステル類、例えば、過オクタン酸t−ブチル、過オクタン酸t−アミル、ペルオキシイソ酪酸t−ブチル、ペルオキシマレイン酸t−ブチル、過安息香酸t−アミル、ジペルオキシフタール酸ジ−t−ブチル、過安息香酸t−ブチル、過酢酸t−ブチルおよび2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、ある種のジペルオキシケタール、例えば、1,1−ジ(t−アミルペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブタンおよびエチル3,3−ジ(t−ブチルペルオキシ)ブチレート、ある種のジアルキルペルオキシド、例えば、ジ−t−ブチルペルオキシド、t−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシドおよび2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、ある種のジアシルペルオキシド、例えば、ジベンゾイルペルオキシドおよびジアセチルペルオキシド、ある種のt−アルキルヒドロペルオキシド、例えばt−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシドおよびクミルヒドロペルオキシドである。
気泡を含有させるクッション層を形成する際に好ましいものとして、アゾ化合物を挙げることができる。例えば、1−(t−ブチルアゾ)ホルムアミド、2−(t−ブチルアゾ)イソブチロニトリル、1−(t−ブチルアゾ)シクロヘキサンカルボニトリル、2−(t−ブチルアゾ)−2−メチルブタンニトリル、2,2’−アゾビス(2−アセトキシプロパン)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)および2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル)等の化合物である。
[微粒子]
本実施の形態のシート状樹脂には無機系微粒子、有機系微粒子、有機無機複合微粒子を添加することができる。これらの微粒子を添加することにより得られるシート状樹脂の機械的物性の向上、シート状樹脂表面の濡れ性改善、またはシート状樹脂の粘弾性特性の調整等が可能となる。無機系微粒子または有機系微粒子の材質は特に限定するものではなく、公知のものを用いることができる。また、有機無機複合微粒子として、無機系微粒子の表面に有機物層または有機系微粒子を形成した微粒子、または有機系微粒子表面に無機物層または無機微粒子を形成した微粒子等を挙げることができる。
本実施の形態において、シート状樹脂の機械的物性を向上させる目的では、窒化珪素、窒化ホウ素、炭化珪素等の剛性の高い無機系微粒子またはポリイミド等の有機系微粒子を用いることができる。さらに、得られたシート状樹脂の耐溶剤特性を向上させる目的で、無機系微粒子や、使用する溶剤への膨潤特性の良好な材質で形成された有機系微粒子を添加することもできる。
レーザー彫刻法により円筒状印刷原版表面に凹凸パターンを形成する際の、レーザー彫刻工程で発生する粘稠性液状残渣の吸着除去特性に優れる無機多孔質微粒子を添加してもよい。特に限定するものではないが、例えば、多孔質シリカ、メソポーラスシリカ、シリカ−ジルコニア多孔質ゲル、ポーラスアルミナ、多孔質ガラス等を挙げることができる。
本実施の形態において用いられる微粒子は、数平均粒径が0.01〜100μmであることが好ましい。この数平均粒径の範囲の微粒子を用いた場合、樹脂(b)および有機化合物(c)との混合を行う際に粘度の上昇、気泡の巻き込み、粉塵の大量発生等の不都合を生じることなく、シート状樹脂表面に凹凸が発生することもない。より好ましい平均粒子径の範囲は、0.1〜20μmであり、さらに好ましい範囲は1〜10μmである。本実施の形態の微粒子の平均粒子径は、レーザー散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定した値である。
微粒子の粒子形状は特に限定するものではなく、球状、扁平状、針状、無定形、または表面に突起のある粒子などを使用することができる。特に耐磨耗性の観点からは、球状粒子が好ましい。
微粒子の表面をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、その他の有機化合物で被覆し表面改質処理を行い、より親水性化または疎水性化した粒子を用いることもできる。
本実施の形態において、これらの微粒子は1種類もしくは2種類以上のものを選択できる。
[樹脂組成物の組成比率]
本実施の形態のシート状樹脂における樹脂(b)、有機化合物(c)、微粒子の割合は、通常、樹脂(b)100質量部に対して、有機化合物(c)は5〜200質量部が好ましく、20〜100質量部の範囲がより好ましい。また、微粒子は1〜100質量部が好ましく、2〜50質量部の範囲がより好ましい。さらに好ましい範囲は、2〜20質量部である。
有機化合物(c)の割合が、上記の範囲である場合、得られるシート状樹脂の硬度と引張強伸度のバランスがとりやすく、硬化時の収縮も小さい範囲に収まり、厚み精度を確保することができる。
シート状樹脂には用途や目的に応じて重合禁止剤、紫外線吸収剤、滑剤、界面活性剤、可塑剤、香料などを添加することができる。
[シート状樹脂の製造方法]
本実施の形態においてシート状樹脂の製造方法は、既存の樹脂の成形方法を用いることができる。例えば、注型法、ポンプや押し出し機等の機械で樹脂をノズルやダイスから押し出し、ブレードで厚みを合わせる、ロールによりカレンダー加工して厚みを合わせる方法等、スプレー等を用いて噴霧する方法が例示できる。その際、樹脂の熱分解を起こさない範囲で加熱しながら成形を行うことも可能である。また、必要に応じて圧延処理、研削処理などをほどこしてもよい。
[光硬化方法]
本実施の形態におけるシート状樹脂が感光性樹脂組成物である場合、成形された感光性樹脂組成物は光照射により架橋せしめ、感光性樹脂硬化物を形成する。また、成型しながら光照射により架橋させることもできる。硬化に用いられる光源としては高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、殺菌灯、カーボンアーク灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等が挙げることができる。感光性樹脂組成物に照射される光は、200nmから400nmの波長の光を有することが好ましい。特に水素引き抜き型光重合開始剤は、この波長領域に強い光吸収を有するものが多いため、200nmから400nmの波長の光を有する場合、感光性樹脂硬化物層表面の硬化性を充分に確保することができる。光硬化に用いる光源は、1種類でもよいが、波長の異なる2種類以上の光源を用いて硬化させることにより、樹脂の硬化性が向上することがあるので、2種類以上の光源を用いることも差し支えない。
[熱硬化方法]
硬化性樹脂組成物が熱硬化性樹脂組成物である場合、加熱処理により、熱硬化性樹脂硬化物とする。
加熱方法は、赤外線を照射する方法、オーブン等で加熱した雰囲気に曝す方法、および加熱した金属等の物体と接触する方法等が挙げられる。加熱温度は、熱重合開始剤の種類に応じて選択する。
[クッション層]
本実施の形態では、シート状樹脂にエラストマーからなるクッション層を形成することもできる。クッション層としては、ショアA硬度が10以上70度以下、またはASKER−C型硬度計で測定したASKER−C硬度が20度以上85度以下のエラストマー層であることが好ましい。ショアA硬度が10度以上またはASKER−C硬度が20度以上である場合、適度に変形するため、印刷品質を確保することができる。また、ショアA硬度が70度以下またはASKER−C硬度が85度以下であれば、クッション層としての役割を果たすことができる。より好ましいショアA硬度の範囲は20〜60度、ASKER−C硬度では45〜75度の範囲である。ショアA硬度とASKER−C硬度は、クッション層に使用する材質により使い分けることが好ましい。2種類の硬度の違いは、測定に用いる硬度計の押針形状の違いに由来する。均一な樹脂組成の場合、ショアA硬度を用いることが好ましく、発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン等の発泡性基材のように不均一な樹脂組成の場合には、ASKER−C硬度を用いることが好ましい。ASKER−C硬度は、JIS K7312規格に準拠する測定法である。
クッション層は、特に限定せず、熱可塑性エラストマー、光硬化型エラストマー、熱硬化型エラストマー等ゴム弾性を有するものであれば何でもよい。特にシート状または円筒状印刷版への加工性の観点から、光で硬化する液状感光性樹脂組成物を用い、硬化後にエラストマー化する材料を用いることが簡便であり好ましい。
クッション層が、光硬化性樹脂硬化物を含み、且つ気泡または有機系微粒子を含有することが好ましい。また、有機系微粒子が中空マイクロカプセルであって、該中空マイクロカプセルの表面に無機系微粒子が付着しているものを用いることが好ましい。有機系微粒子の平均粒子径が1μm以上500μm以下であることが好ましい。より好ましい範囲は10μm以上300μm以下、さらにこのましくは80μm以上200μm以下である。
クッション層の密度は、0.1g/cm3以上0.9g/cm3以下であることが好ましい。より好ましくは0.3g/cm3以上0.7g/cm3以下、さらに好ましくは0.4g/cm3以上0.6g/cm3以下である。
クッション層の密度がこの範囲であれば、印刷工程においてレーザー彫刻層にかかる衝撃を充分に吸収することができる。
クッション層に用いる熱可塑性エラストマーの具体例としては、スチレン系熱可塑性エラストマーであるSBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン)、SIS(ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレン)、SEBS(ポリスチレン−ポリエチレン/ポリブチレン−ポリスチレン)等、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、アミド系熱可塑性エラストマー、シリコン系熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
光硬化型エラストマーとしては、熱可塑性エラストマーに光重合性モノマー、可塑剤および光重合開始剤等を混合したもの、液状樹脂に光重合性モノマー、光重合開始剤等を混合した液状感光性樹脂組成物などを挙げることができる。本実施の形態では、微細パターンの形成機能が重要な要素である感光性樹脂組成物の設計思想とは異なり、光を用いて微細なパターンの形成を行う必要がなく、全面露光により硬化させることにより、必要な機械的強度を確保できればよいため、材料の選定において自由度が極めて高い。
硫黄架橋型ゴム、有機過酸化物、フェノール樹脂初期縮合物、キノンジオキシム、金属酸化物、チオ尿素等の化合物を架橋剤として用いる非硫黄架橋型ゴムでもよい。
テレケリック液状ゴムを反応する硬化剤を用いて3次元架橋させてエラストマー化したものを使用することもできる。
発泡ポリウレタン、発泡ポリエチレン等の材質で、独立または連続気泡を層内に有するクッション層であっても構わず、市販品として入手可能なクッション材、クッションテープを使用することもでき、クッション層の片面または両面に、接着剤または粘着剤が塗布されたものであってもよい。
[レーザー彫刻円筒状印刷版の製造方法]
本実施の形態のレーザー彫刻用円筒状印刷版の製造方法は、円筒状印刷原版に、レーザー光(β)を照射して凹パターンを形成するレーザー彫刻工程を含む、製造方法である。
[レーザー彫刻]
本実施の形態において、感光性樹脂硬化物を、レーザー彫刻法を用いてパターンを形成する印刷原版として使用する場合、レーザー彫刻法においては、形成したい画像をデジタル型のデータとしてコンピューターを利用してレーザー装置を操作し、印刷基材にレリーフ画像を作成する。レーザー彫刻に用いるレーザー光(β)は、原版が吸収を有する波長を含むものであればどのようなものを用いてもよいが、彫刻を高速度で行うためには出力の高いものが好ましく、炭酸ガスレーザーやYAGレーザー、半導体レーザー等の赤外線または赤外線放出固体レーザーが好ましいものの一つである。また、可視光線領域に発振波長を有するYAGレーザーの第2高調波、銅蒸気レーザー、紫外線領域に発振波長を有する紫外線レーザー、例えばエキシマレーザー、第3または第4高調波へ波長変換したYAGレーザーは、有機分子の結合を切断するアブレージョン加工が可能であり、微細加工に適する。また、レーザーは連続照射でも、パルス照射でもよい。
レーザー光(β)による彫刻は酸素含有ガス下、一般には空気存在下もしくは気流下に実施するが、炭酸ガス、窒素ガス下でも実施できる。彫刻終了後、レリーフ印刷版面にわずかに発生する粉末状もしくは液状の物質は適当な方法、例えば溶剤や界面活性剤の入った水等で洗いとる方法、高圧スプレー等により水系洗浄剤を照射する方法、高圧スチームを照射する方法などを用いて除去してもよい。
[円筒状印刷版の表面処理]
本実施の形態において、レーザー光(β)を照射し凹凸パターンを形成する彫刻後に、版表面に残存する粉末状または粘性のある液状カスを除去する工程に引き続き、パターンを形成した印刷版表面に波長200nm〜450nmの光を照射する後露光を実施することもできる。表面のタック除去に効果がある方法である。後露光は大気中、不活性ガス雰囲気中、水中のいずれの環境で行ってもよい。用いる感光性樹脂組成物中に水素引き抜き型光重合開始剤が含まれている場合、特に効果的である。さらに、後露光工程前に印刷版表面を、水素引き抜き型光重合開始剤を含む処理液で処理し露光してもよい。また、水素引き抜き型光重合開始剤を含む処理液中に印刷版を浸漬した状態で露光してもよい。
[用途]
本実施の形態で製造されたシート状印刷版の用途として、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、グラビア印刷を挙げることができる。特に精度の高い印刷物が要求されるフレキソ印刷のラベル印刷等のナローウェッブや、缶印刷やチューブ印刷等のドライオフセット印刷の曲面印刷が、好ましい用途である。
ドライオフセット印刷においてインキが脂肪族炭化水素および/または芳香族炭化水素を含む場合、シート状樹脂にポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体を含有することが好ましい。これらの樹脂材料は、上記の溶剤に対する耐性を有するため好ましい。
脂肪族炭化水素として、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ジペンテン、ゴム揮発油、ミネラルスピリット、高沸点石油溶剤(インキオイル)等の化合物を挙げることができる。
芳香族炭化水素として、トルエン、キシレン、ジメチルベンゼン、ジクロロベンゼン、ソルベントナフタ、テトラリン等の化合物を挙げることができる。
以下、本実施の形態を実施例および比較例によってさらに具体的に説明するが、本実施の形態は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、本実施の形態に用いられる測定方法および評価方法は以下の通りである。
(1)レーザー彫刻
レーザー彫刻は炭酸ガスレーザー彫刻機(ZED−mini−1000、英国、ZED社製、米国、コヒーレント社製、出力250W炭酸ガスレーザーを搭載、レーザー光の発振波長は10.6μm)を用いて行った。彫刻は、網点(120線/インチ、面積率10%)パターンを作成して実施した。彫刻深さは0.55mmとした。
(2)粘度
樹脂組成物の粘度は、B型粘度計(商標、B8H型;日本国、東京計器社製)を用い、20℃で測定した。
(3)数平均分子量の測定
樹脂(b)、有機化合物(c)の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ法(GPC法)を用いて、分子量既知のポリスチレンで換算して求めた。高速GPC装置(日本国、東ソー社製、HLC−8020)とポリスチレン充填カラム(商標:TSKgel GMHXL;日本国、東ソー社製)を用い、テトラヒドロフランで展開して測定した。カラムの温度は40℃に設定した。GPC装置に注入する試料としては、樹脂濃度が1質量%のテトラヒドロフラン溶液を調製し、注入量10μLとした。検出器としては、示差屈折計を用いた。
(4)熱収縮率の測定
100mm角のフィルム試料を80℃に設定したオーブンに入れ、自由に収縮する状態で30分間処理した後、フィルムの収縮量を求め、元の寸法で割った値を百分率で表わした。縦方向と横方向の値の平均値を熱収縮率とした。
(5)中心線平均表面粗さの測定
小坂研究所社製の表面粗さ測定機「SE500」を用いて、触針R(曲率半径)2μm、カットオフλc=0.8mm、測定長さ4mm、送り速さ0.5m/秒の条件で測定し、中心線平均表面粗さRaを測定した。
(製造例1)
温度計、攪拌機、還流器を備えた1Lのセパラブルフラスコに旭化成株式会社製ポリカーボネートジオールである、「PCDL(登録商標)L4672」(数平均分子量1990、OH価56.4) 447.24gとトリレンジイソシアナート 30.83gを加え80℃に加温下に約3時間反応させた後、2−メタクリロイルオキシイソシアネート 14.83gを添加し、さらに約3時間反応させて、末端がメタアクリル基(分子内の重合性不飽和基が1分子あたり平均約2個)である数平均分子量約10000の樹脂(ア)を製造した。この樹脂(ア)は20℃では水飴状であり、外力を加えると流動し、かつ外力を除いても元の形状を回復しなかった。
(実施例1)
[熱収縮性チューブの作製]
ポリエチレンテレフタレート(ユニチカ社製)にカーボンブラック(東海カーボン社製、「TB#A700F」)を10質量%の割合で、小容量加圧型ニーダー(モリヤマ社製、「D1−5」)を用いて130℃に加熱しながら混合した。冷却後、粉砕し、二軸押し出し装置(テクノベル社製、「KZW−TW」)で溶融させてダイスから押し出しフィルム状に成形し、その後、二軸延伸して厚さ50μmとした。使用する中空円筒状支持体であるガラス繊維強化プラスチック製スリーブの外径よりも1mm程度大きい径になるように両端部を3mm程度重ねて溶着してチューブとした。熱収縮性チューブの一部を裁断し、熱収縮率の測定に使用した。その結果、80℃における熱収縮率は、30%であった。
また、熱収縮チューブの中心線平均表面粗さRaは、0.2μmであり、光線透過率は、発振波長940nm及び1064nmのレーザー光において1%未満であった。
[円筒状支持体(a)上への被覆]
エアーシリンダーに装着された内径225mm、厚み1mm、幅200mmのガラス繊維強化プラスチック製スリーブ(独国、ポリベスト社製)上に、作製した熱収縮性チューブを被せ、120℃に加熱することによって収縮させ、中空円筒状支持体に密着させた。用いたガラス繊維強化プラスチック製スリーブの中心線平均表面粗さRaは1μmであった。
[シート状樹脂の作製]
樹脂(b)として、数平均分子量が約10万のポリカーボネートポリウレタン(大日精化社製、「レザミン(登録商標)P890」) 70質量部、有機化合物(c)として、フェノキシエチルメタクリレート(分子量190) 30質量部およびトリメチロールプロパントリアクリレート(分子量338) 1質量部、微粒子として、多孔質性微粉末シリカ(富士シリシア化学社製、「サイロスフェア(登録商標)C−1504(以下略してC−1504)」、数平均粒子径4.5μm、比表面積520m2/g、平均細孔径12nm、細孔容積1.5ml/g、灼熱減量2.5質量%、吸油量290ml/100g) 5質量部、光重合開始剤としてベンゾフェノン 0.5質量部および2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン 0.6質量部、安定剤として、2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン 0.5質量部を、小容量加圧型ニーダー(モリヤマ社製、「D1−5」)を用いて温度130℃で混合し、感光性樹脂組成物を調製した。得られた感光性樹脂組成物を2軸押し出し装置(テクノベル社製、「KZW−TW」)を用いて、接着剤が表面に薄く塗布されている厚さ50μmのPETフィルム(東レ社製)上に、厚さ0.4mmで押し出し、さらにシリコーン離型処理した厚み50μmのPETカバーシート(藤森工業社製)で挟み、シート状樹脂を形成した。シート状樹脂の感光性樹脂組成物は、20℃において固体状であった。
[円筒状印刷原版の製造]
得られたシート状樹脂を幅180mm、長さ710mmにカットした。カバーフィルムを剥がし、ガラス繊維強化プラスチック製スリーブ上にシート状樹脂を巻き付け、収縮したチューブとシート状樹脂のPETフィルムとを接触させた。接触部をファイバーレーザー(英国、SPI社製、「redENERGY」)のレーザーヘッドを中空円筒状支持体の長軸方向に動かし線状に接着させた。用いたファイバーレーザーの波長が1064nm、ビーム径が3mm、半値時間幅が20ナノ秒、平均出力が20W、焦点部でのビーム径が1mmであった。次に、接着する位置を動かし、5mmピッチでシート状樹脂全面を接着し、両端部を最後に溶着した。シート状樹脂の波長1064nmにおける光線透過率は95%以上であった。
エアーシリンダーを回転させながらメタルハライドランプ(フュージョン社製、「F450V型UVランプ」)の光を350nmにおいて4000mJ/cm2の条件で露光し、シート状樹脂の感光性樹脂組成物を光硬化させ、円筒状印刷原版を得た。
感光性樹脂硬化物のショアA硬度は、50度であった。また、得られた円筒状印刷原版の外径を同一周上で5箇所、長軸方向に5箇所についてレーザー測長器を用いて測定した。ただし、シート状樹脂硬化物の継ぎ目部が入らない部分を測定に選定した。外径精度は、±20μmであった。
得られたレーザー彫刻円筒状印刷原版の表面に、炭酸ガスレーザー彫刻機を用いて凹凸パターンを形成した。
表面にパターンを形成した円筒状印刷版8本を準備し、ドライオフセット缶印刷機(米国、ストーレーマシーナリー社製)にセットし、アルミニウム缶の表面に8色の印刷を施した。円筒状印刷版をエアーシンダーに装着し、位置合わせを行う操作に要した時間は、1本あたり2分以内であった。従来のシート版を装着して位置合わせする操作に要した時間(1本あたり20分程度)に比較して、格段に短縮できた。アルミニウム缶への印刷は、1秒あたり25本のスピードで実施した。アルミニウム缶の表面には、良好な印刷品質で印刷されていることが確認できた。100万本印刷しても接着性、耐久性に特に問題は発生しなかった。
(実施例2)
実施例1と同様にして、シート状樹脂を得た。中空円筒状支持体上に巻きつける前に、ガラス平板上でケミカルランプ(蘭国、フィリップス社製、「10R」)から発する紫外線で4000mJ/cm2(350nmにおける積算光量)照射し、光硬化させた。その後、実施例1と同様に、熱収縮性チューブを熱収縮させた中空円筒状支持体上に、シート状樹脂を巻き付け、半導体レーザー溶着装置を用いて両者を接着させて、円筒状印刷原版を作製した。外径制度は、±15μm以内に入っていた。
(実施例3)
樹脂(b)として、製造例1で作製した樹脂(ア) 70質量部、有機化合物(c)として、フェノキシエチルメタクリレート(分子量190) 10質量部およびポリピレングリコールモノメタクリレート(分子量400) 10質量部、微粒子として、C−1504 5質量部、光重合開始剤としてベンゾフェノン 0.5質量部および2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン 0.6質量部、安定剤として、2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン 0.5質量部を混合した感光性樹脂組成物を調製した。得られた感光性樹脂組成物は、20℃において液状であった。また、B型粘度計を用いて測定した粘度は、20℃において、1200Pa・sであった。
作製した液状感光性樹脂組成物を、ガラス板上に設置した、厚み50μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製)上に厚み0.4mmで塗布し、上下からケミカルランプ(蘭国、フィリップス社製、「10R」)の紫外線を4000mJ/cm2照射し、シート状樹脂を得た。得られたシート状樹脂を用いる以外は、実施例2と同様にして、円筒状印刷原版を作製した。
得られた円筒状印刷原版の外径精度は、±20μmであった。
実施例1と同様しにして、アルミニウム缶表面への印刷を実施したが、印刷品質上は特に問題は発生しなかった。
(実施例4)
樹脂(b)として、数平均分子量が約10万のポリカーボネートポリウレタン(大日精化社製、「レザミン(登録商標)P890」) 70質量部、有機化合物(c)として、フェノキシエチルメタクリレート(分子量190) 30質量部およびトリメチロールプロパントリアクリレート(分子量338) 1質量部、微粒子として、C−1504 5質量部、安定剤として、2,6−ジ−t−ブチルアセトフェノン 0.5質量部を、小容量加圧型ニーダー(モリヤマ社製、「D1−5」)を用いて温度130℃で混合し、その後、70℃まで冷却し、熱重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルカーボネート(日本油脂株式会社製 「パーブチルE(登録商標)」) 1質量部を添加して、熱硬化性樹脂組成物を調製した。得られた熱硬化性樹脂組成物を、表面に接着剤層が塗布されている厚み50μmのPETフィルム(東レ社製)とシリコーン離型処理されたPETフィルム(藤森工業社製)の間に挿入し、2枚の金属板で熱プレスした。2枚の金属板の間には厚み0.5mmの金属製スペーサーを挿入してあり、130℃において30分間熱処理を行い、シート状樹脂を得た。
得られたシート状樹脂を幅180mm、長さ710mmにカットした。カバーフィルムを剥がし、実施例1と同じガラス繊維強化プラスチック製スリーブ上に巻き付け、収縮したチューブとシート状樹脂のPETフィルムとを接触させた。接触部を半導体レーザー溶着装置(ファインデバイス社製、「FD−200」)のレーザーヘッドを中空円筒状支持体の長軸方向に動かし線状に接着させた。用いた半導体レーザーの波長は940nm、ビーム径が3mm、平均出力が50W、焦点部でのビーム径が1mmであった。次に、溶着する位置を動かし、5mmピッチでシート状樹脂硬化物全面を溶着し、両端部を最後に溶着した。シート状樹脂の波長940nmにおける光線透過率は95%以上であった。
(実施例5)
[熱収縮性チューブの作製]
ポリエチレンテレフタレート(ユニチカ社製)にフタロシアニン(日本触媒社製、「イーエクスカラー(登録商標)IR906」)を1質量%の割合で、ニーダー(モリヤマ社製、「D1−5」)を用いて130℃に加熱しながら混合した。冷却後、粉砕し、二軸押し出し装置(テクノベル社製、「KZW−TW」)で溶融させてダイスから押し出しフィルム状に成形し、その後、二軸延伸して厚さ50μmとした。使用する中空円筒状支持体であるガラス繊維強化プラスチック製スリーブの外径よりも1mm程度大きい径になるように両端部を3mm程度重ねて溶着してチューブとした。熱収縮性チューブの一部を裁断し、熱収縮率の測定に使用した。その結果、80℃における熱収縮率は、30%であった。
また、熱収縮チューブの中心線平均表面粗さRaは、0.2μmであり、光線透過率は、発振波長940nmのレーザー光において1%未満であった。
[円筒状支持体(a)上への被覆]
エアーシリンダーに装着された内径225mm、厚み1mm、幅200mmのガラス繊維強化プラスチック製スリーブ(独国、ポリベスト社製)上に、作製した熱収縮性チューブを被せ、120℃に加熱することによって収縮させ、中空円筒状支持体に密着させた。用いたガラス繊維強化プラスチック製スリーブの中心線平均表面粗さRaは1μmであった。
[円筒状印刷原版の作製]
その後、実施例3と同様にして、円筒状印刷原版を作製した。外径精度は、±20μmであった。
その後、炭酸ガスレーザー彫刻機を用いて、表面に凹凸パターンを形成し、円筒状印刷版を作製した。実施例3と同様に、ドライオフセット印刷版として、アルミニウム缶表面への曲面印刷に用いた。円筒状印刷版の耐久性には問題なかった。
(比較例1)
実施例1で作製したシート樹脂を、熱収縮性チューブを被覆せずに、実施例1で用いた中空円筒状支持体上に巻きつけ、シート状樹脂の両端部にテープを貼り付け固定した。未硬化樹脂部分に手が接触するなど、得られた表面には、凸凹が目視で観察された。その後、メタルハライドランプ(フュージョン社製、「F450V型UVランプ」)の光を350nmにおいて8000mJ/cm2の条件で露光し、円筒状印刷原版を得た。
得られた円筒状印刷原版の中空円筒状支持体とシート状感光性樹脂硬化物との間には、所々、ボイドが観察された。円筒状印刷原版の外径精度は、±80μmであった。
得られた円筒状印刷原版をレーザー彫刻し、表面に画像パターンを形成した後、実施例1と同じようにドライオフセット印刷を実施した。しかしながら、表面の凸凹のため、凸凹に対応する印刷不良が発生した。
本発明は、レーザー彫刻法で表面にパターンを形成するレーザー彫刻円筒状印刷原版を厚み精度高く、かつ生産性高く製造する方法として好適である。
本発明は、フレキソ印刷、ドライオフセット印刷、グラビア印刷などの印刷法における印刷版として産業上の利用可能性を有する。

Claims (18)

  1. レーザー彫刻用円筒状印刷原版の製造方法であって、
    (1)円筒状支持体(a)にレーザー光吸収性のある熱収縮性チューブを被覆する工程と、
    (2)前記熱収縮性チューブを加熱し、収縮させる工程と、
    (3)収縮させたチューブ上にシート状樹脂を被覆する工程と、
    (4)前記シート状樹脂を前記収縮させたチューブ表面に接触させる工程と、
    (5)接触させた部分にレーザー光(α)を照射して接着する工程と、を含み、
    前記シート状樹脂が、熱可塑性樹脂、感光性樹脂組成物、および熱硬化性樹脂組成物からなる群から選択される少なくとも1種の材料からなる、レーザー彫刻用円筒状印刷原版の製造方法。
  2. 前記工程(5)が、前記シート状樹脂と前記収縮させたチューブが接触した界面に、前記レーザー光(α)の焦点を合わせて照射する工程である、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記シート状樹脂の光線透過率が、前記レーザー光(α)の発振波長において、50%以上100%以下である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記レーザー光(α)の発振波長が700nm以上3μm以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記レーザー光(α)が、
    連続発振レーザー、または
    レーザーパルスの半値時間幅が1ナノ秒以上50ミリ秒以下であるパルス発振レーザーであって、
    前記レーザー光(α)の平均出力が0.01W以上200W以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記レーザー光(α)の焦点部でのビーム径が、1μm以上5mm以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記熱収縮性チューブの光線透過率が、使用する前記レーザー光(α)の発振波長において10%以下である、請求項1から6のいずれか1項に記載の製造方法。
  8. 前記熱収縮性チューブが、近赤外線を吸収する、染料または顔料を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 前記熱収縮性チューブの厚さが、10μm以上500μm以下である、請求項1から8のいずれか1項に記載の製造方法。
  10. 前記熱収縮性チューブの中心線平均表面粗さRaが、0.5μm以下である、請求項1から9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記感光性樹脂組成物または熱硬化性樹脂組成物が、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエーテルポリオール、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、およびスチレン−イソプレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含有する、請求項1から10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 前記円筒状支持体(a)が繊維強化プラスチックを含み、該繊維強化プラスチックが、ガラス繊維、ポリアミド繊維、ポリイミド繊維、ポリエステル繊維、ポリウレタン繊維、セルロース繊維、炭素繊維、金属繊維、およびセラミックス繊維からなる群から選択される少なくとも1種の繊維を含有する、請求項1から11のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 前記円筒状支持体(a)が中空円筒状支持体であり、該中空円筒状支持体の厚さが、0.2mm以上2mm以下である、請求項1から12のいずれか1項に記載の製造方法。
  14. 前記シート状樹脂が、厚さが10μm以上500μm以下である、熱可塑性樹脂からなるシート状支持体上に、厚さが50μm以上5mm以下である、感光性樹脂組成物もしくは熱硬化性樹脂組成物またはそれらの硬化物が積層される積層体である、請求項1から13のいずれか1項に記載の製造方法。
  15. 請求項1から14のいずれか1項に記載の製造方法によって製造されるレーザー彫刻用円筒状印刷原版に、レーザー光(β)を照射して凹パターンを形成する工程を含む、レーザー彫刻用円筒状印刷版の製造方法。
  16. 前記レーザー彫刻用円筒状印刷版が、フレキソ印刷版、ドライオフセット印刷版、またはグラビア印刷版である、請求項15に記載のレーザー彫刻用円筒状印刷版の製造方法。
  17. 請求項16に記載の製造方法によって製造されるドライオフセット印刷版を用いて、円筒状の被印刷体表面に印刷する、ドライオフセット印刷方法。
  18. 脂肪族系炭化水素および/または芳香族系炭化水素を含むインキを用いて印刷する、請求項17に記載のドライオフセット印刷方法。
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