JP2010073776A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置の大型化を抑えつつ、高出力化を図ることが可能な半導体レーザ装置を提供すること。
【解決手段】レーザ光を出射する複数の半導体レーザ素子と、上記複数の半導体レーザ素子が設けられたブロック1B、およびこのブロック1Bに対して上記レーザ光の出射方向反対側に位置するベース1Aを含むステム1と、ブロック1Bと導通するコモン用リード34と、上記複数の半導体レーザ素子と導通する複数のリード31A,31B,32A,32Bと、を備えた半導体レーザ装置Aであって、ベース1Aは、複数のリード31A,31B,32A,32Bを挿通させる貫通孔11,12を有しており、複数のリード同士31A,31B,32A,32Bが互いに絶縁されるように、貫通孔11,12には絶縁材料6が充填されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、たとえばレーザプリンタなどのレーザ光を走査する必要がある各種装置に好適に用いることができる半導体レーザ装置に関する。
従来の半導体レーザ装置の一例としては、図5に示すものがある(たとえば特許文献1参照)。本図に示された半導体レーザ装置Xは、ベース91Aおよびブロック91Bからなるステム91と、ブロック91B上に搭載された半導体レーザ素子92および受光素子93を備えており、図中上方に向けてレーザ光を出射するものである。ベース91Aには、2つの貫通孔91Aaが形成されており、これらの貫通孔91Aaを貫通するようにリード94A,94Bが設けられている。リード94Aは、ワイヤを介して半導体レーザ素子92に導通しており、リード94Bは、受光素子93に導通している。リード94Cは、ベース91Aの図中下面に接合されており、いわゆるコモン端子となっている。ブロック91Bおよびリード94A,94Bの図中上部を覆うように、キャップ95が設けられている。キャップ95の上部には開口95aが形成されており、この開口95aを遮蔽するガラス板96が取り付けられている。ガラス板96は、半導体レーザ素子92から出射されるレーザ光に対して透光性を有する。また、キャップ95の図中下端は、その全周においてベース91Aと抵抗溶接により接合されている。さらに、ベース91Aの貫通孔91Aaは、リード94A,94B以外の部分に低融点ガラス97が充填されている。これらにより、半導体レーザ素子92からのレーザ光を図中上方に向けて出射可能であるとともに、ベース91Aとキャップ95とにより区画された空間は、この半導体レーザ装置X外の空間に対して気密されている。このような構成によれば、この半導体レーザ装置Xが湿度の高い環境において使用されても、半導体レーザ素子92の周囲における湿度が高くなることを防止することが可能であり、半導体レーザ素子92を保護するのに適している。
近年、レーザプリンタの印刷速度の高速化の要請に伴い、半導体レーザ装置Xとしても高出力化が必要とされている。このような要請に応えるために、たとえば、半導体レーザ素子92の数を増やすことが提案されている。半導体レーザ素子92の数を増やすと、リードの数を増やす必要があり、さらに、増やしたリードの数に応じて貫通孔を増やす必要がある。またさらに、気密を保つために、増やした貫通孔にも低融点ガラス97を充填する必要があり、ベース91Aの大型化を避けることが困難であった。しかしながら、一方で、レーザプリンタなどの印刷機器の小型化の要請もあり、半導体レーザ装置Xの大型化を避ける必要があった。従って、ベース91Aが大きくなるのは好ましくなかった。
特開2004−31900号公報
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、装置の大型化を抑えつつ、高出力化を図ることが可能な半導体レーザ装置を提供することをその課題としている。
上記課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明によって提供される半導体レーザ装置は、レーザ光を出射する複数の半導体レーザ素子と、上記複数の半導体レーザ素子が設けられたブロック、およびこのブロックに対して上記レーザ光の出射方向反対側に位置するベースを含むステムと、上記ブロックと導通するコモン用リードと、上記複数の半導体レーザ素子と導通する複数のリードと、を備えた半導体レーザ装置であって、上記ベースは、上記複数のリードを挿通させる貫通孔を有しており、上記複数のリード同士が互いに絶縁されるように、上記貫通孔には絶縁材料が充填されていることを特徴とする。
このような構成によれば、上記複数の半導体レーザ素子と導通する上記複数のリードを1つの貫通孔に通すことにより、上記複数のリードごとに複数の貫通孔を形成する場合に比べて上記ベースの大きさを抑えることができる。このため、上記半導体レーザ装置は、上記複数の半導体レーザ素子を有することにより高出力のレーザを提供可能であり、なおかつ、比較的小型化を図りやすくなっている。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記貫通孔は、上記レーザ光の出射方向視において細長状に形成されている。このような構成によれば、上記貫通孔は、上記複数のリードを好ましく挿通させることができる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数のリードの断面積は、上記コモン用リードの断面積よりも小さい。このような構成によれば、上記複数のリードを挿通させる上記貫通孔をより小さくすることが可能となる。このため、上記ベースをより小さくすることが可能であり、上記半導体レーザ装置の小型化をより図りやすくなる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数のリードは、上記半導体レーザ素子に近いものほど、上記レーザ光の出射方向側の端部と上記貫通孔との距離が大きくなっている。このような構成によれば、製造時に上記複数のリードと上記半導体レーザ素子とをワイヤを用いて導通させる際に上記ワイヤが交差しにくくなるため、不良が生じにくくなる。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数の半導体レーザ素子は4個以上であり、上記ベースには、上記貫通孔が2個以上形成されており、上記複数の貫通孔は、それぞれ2本以上の上記リードを挿通させるように構成されている。このような構成によれば、上記半導体レーザ装置の出力をより向上させつつ、大型化を抑えることが可能となっている。
さらに好ましい実施の形態においては、上記複数の貫通孔のうち2つの貫通孔をそれぞれ挿通する上記複数のリードのうち、上記半導体レーザ素子により近いもの同士の間隔が、上記半導体レーザ素子からより遠いもの同士の間隔よりも大きくなるように構成されている。このような構成によれば、上記レーザの進行方向視において上記2つの貫通孔が上記半導体レーザ素子に寄るような配置になっているため、上記ベースの小型化を図りやすくなっている。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1〜図4は、本発明に係る半導体レーザ装置の一例を示している。図1〜図4に示すように、本実施形態の半導体レーザ装置Aは、ステム1、レーザ発振部2、リード31A,31B,32A,32B、受光素子用リード33、コモン用リード34、受光素子4、およびキャップ5を備えており、方向Lに向けてレーザ光を出射可能である。なお、図2〜図4では、半導体レーザ装置Aの内部を示すためにキャップ5を省略している。
ステム1は、ベース1Aとブロック1Bとを有している。本実施形態においては、ステム1は、ベース1Aとブロック1Bとが一体的に成形された構造とされている。ステム1は、CuまたはCu合金からなる。図3に示すように、ベース1Aは、円形板状である。ブロック1Bは、六角柱形状であり、ベース1Aの方向L上方において、ベース1Aの中心からその半径方向外方にシフトした位置に配置されている。ベース1Aは、たとえば厚さが1.2mm程度、直径が5.6mm程度とされる。
ベース1Aには、3個の貫通孔11,12,13が設けられている。図3に示すように貫通孔11,12は、方向L視において細長状に形成されており、貫通孔13は円形に形成されている。また、貫通孔11,12は、ブロック1Bおよび貫通孔13を挟むように配置されており、貫通孔11,12のブロック1Bにより近い端部同士の間隔は、ブロック1Bからより遠い端部同士の間隔よりも大きくなるように構成されている。
ブロック1Bの一側面には、たとえばシリコン基板またはAIN(アルミナイトライド)からなるサブマウント1bが設けられている。図2に示すように、サブマウント1bには、レーザ発振部2および互いに離間する4枚のパッド14a,14b,15a,15bが搭載されている。
レーザ発振部2は、互いに独立してレーザ光を出射可能な4個の半導体レーザ素子によって構成されている。これらの4個の半導体レーザ素子は、それぞれ4枚のパッド14a,14b,15a,15bのいずれかと導通している。
リード31Aは、図4に示すように、方向Lに沿って長く延びるように形成されており、貫通孔11のブロック1Bにより近い端部付近を挿通するように配置されている。リード31Aの、方向Lにおける上端には、平板状のパッド31aが形成されている。パッド31aは、パッド14aにワイヤを介して導通接続されている。
リード31Bは、図4に示すように、貫通孔11のブロック1Bからより遠い端部付近を挿通するように配置されている。リード31Bの、方向Lにおける上端には、平板状のパッド31bが形成されている。パッド31bは、パッド14bにワイヤを介して導通接続されている。なお、パッド31bは、方向Lにおいてパッド31aよりも下方に配置されている。
リード32Aは、貫通孔12のブロック1Bにより近い端部付近を挿通するように配置されている。リード32Aの、方向Lにおける上端には、平板状のパッド32aが形成されている。パッド32aは、パッド15aにワイヤを介して導通接続されている。
リード32Bは、貫通孔12のブロック1Bからより遠い端部付近を挿通するように配置されている。リード32Bの、方向Lにおける上端には、平板状のパッド32bが形成されている。パッド32bは、パッド15bにワイヤを介して導通接続されている。なお、パッド32bは、方向Lにおいてパッド32aよりも下方に配置されている。
これらのリード31A,31B,32A,32Aの直径は、たとえば0.3mmである。
受光素子用リード33は、貫通孔13を挿通するように配置されている。この受光素子用リード33の直径は、たとえば0.45mmである。
コモン用リード34は、たとえば直径0.45mmであり、この直径よりも太く形成された接着部34aを介して、方向Lにおけるベース1Aの下側に導通接続されている。
受光素子4は、たとえばピンフォトダイオードであり、ベース1A上の貫通孔11,12に挟まれる位置に設置されている。この受光素子4は受けた光の光度に応じた大きさの信号を出力するものである。レーザ発振部2から出射される光のうち、図中下方へと向かう光が受光素子4により受光されると、この光の大きさをあらわす信号が出力される。この信号の大きさから、レーザ発振部2への指令値としての光度と実際の光度とを比較することにより、レーザ発振部2をいわゆるフィードバック制御することが可能である。
キャップ5は、方向Lにおける上面に図示しない開口部と、この開口部を遮蔽する図示しないガラス板とを備えており、たとえば内部の直径が3.3mmとなるように形成されている。
絶縁材料6は、たとえば低融点ガラスからなり、貫通孔11,12,13のそれぞれに充填されており、貫通孔11,12,13を気密封止している。貫通孔11に充填された絶縁材料6、はリード31A,31Bを固定しており、貫通孔12に充填された絶縁材料6は、リード32A,32Bを固定している。
次に、半導体レーザ装置Aの作用について説明する。
本実施形態によれば、レーザ発振部2が4個の半導体レーザ素子によって構成されており、半導体レーザ装置Aはより高い出力のレーザ光を提供可能である。したがって、たとえばレーザプリンタにおいて、このような半導体レーザ装置Aを用いて走査を行えば、印刷速度の高速化を図ることができる。
さらに、本実施形態によれば、比較的細い2本のリード31A,31Bを貫通孔11にまとめて挿通させることにより、2本のリード31A,31Bを保持するのに必要な方向L視における面積を比較的小さくすることができる。同様に、比較的細い2本のリード32A,32Bを貫通孔12にまとめて挿通させることにより、2本のリード32A,32Bを保持するのに必要な方向L視における面積は比較的小さくなっている。このため、リード31A,31B,32A,32Bを保持するためにベース1Aの方向L視における面積が大きくなるのを抑えることが可能となっている。従って、半導体レーザ装置Aは、装置の大型化を抑えることが可能となっている。
さらに、本実施形態によれば、貫通孔11,12は、全体としてブロック1Bに寄るように配置されており、ベース1Aの小型化を図りやすくなっている。従って、半導体レーザ装置Aは、より小型化を図りやすくなっている。
さらに、本実施形態によれば、パッド31a,31bの高さが異なっており、製造時に、パッド31a,31bとパッド14a,14bとを繋ぐワイヤが交錯するのを避けることができる。同様に、パッド32a,32bの高さが異なっており、製造時に、パッド332,32bとパッド15a,15bとを繋ぐワイヤが交錯するのを避けることができる。このため、半導体レーザ装置Aは不良が生じにくくなっている。
本発明に係る半導体レーザ装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る半導体レーザ装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。たとえば、上記実施形態ではレーザ発振部2を構成する半導体レーザ素子の数は4個であるが、レーザ発振部2を構成する半導体レーザ素子の数は、必要なレーザ光の出力に応じて変更可能である。また、半導体レーザ素子の数に応じてリードの数および貫通孔の数も変更可能である。
受光素子4を有する構成は、たとえばフィードバック制御によるレーザ発振部2の安定的な発光に有利であるが、やはり本発明はこれに限定されず、別の手法によりレーザ発振部2の出力制御を実現することなどにより、受光素子4を備えない構成としても良い。
本発明に係る半導体レーザ装置Aは、レーザプリンタに用いられるのに適しているが、これに限定されず広く電子機器などに搭載されるレーザ光の発光源として用いることができる。
本発明に係る半導体レーザ装置の一例の正面図である。 図1に示す半導体レーザ装置の内部を示す要部正面図である。 図1の示す半導体レーザ装置の内部を示す平面図である。 図3のIV-IV線に沿う断面図である。 従来の半導体レーザ装置の一例の断面図である。
符号の説明
L (レーザ光出射)方向
A 半導体レーザ装置
1 ステム
1A ベース
1B ブロック
1b サブマウント
11,12,13 貫通孔
14a,14b,15a,15b パッド
2 レーザ発振部
31A,31B,32A,32B リード
31a,31b,32a,32b パッド
33 受光素子用リード
34 コモン用リード
34a 接着部
4 受光素子
5 キャップ
6 絶縁材料

Claims (6)

  1. レーザ光を出射する複数の半導体レーザ素子と、
    上記複数の半導体レーザ素子が設けられたブロック、およびこのブロックに対して上記レーザ光の出射方向反対側に位置するベースを含むステムと、
    上記ブロックと導通するコモン用リードと、
    上記複数の半導体レーザ素子と導通する複数のリードと、
    を備えた半導体レーザ装置であって、
    上記ベースは、上記複数のリードを挿通させる貫通孔を有しており、
    上記複数のリード同士が互いに絶縁されるように、上記貫通孔には絶縁材料が充填されていることを特徴とする、半導体レーザ装置。
  2. 上記貫通孔は、上記レーザ光の出射方向視において細長状に形成されている、請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 上記複数のリードの断面積は、上記コモン用リードの断面積よりも小さい、請求項1または2に記載の半導体レーザ装置。
  4. 上記複数のリードは、上記ブロックに近いものほど、上記レーザ光の出射方向側の端部と上記貫通孔との距離が大きくなっている、請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
  5. 上記複数の半導体レーザ素子は4個以上であり、上記ベースには、上記貫通孔が2個以上形成されており、上記複数の貫通孔は、それぞれ2本以上の上記リードを挿通させるように構成されている、請求項1ないし4のいずれかに記載の半導体レーザ装置。
  6. 上記複数の貫通孔のうち2つの貫通孔をそれぞれ挿通する上記複数のリードのうち、上記半導体レーザ素子により近いもの同士の間隔が、上記ブロックからより遠いもの同士の間隔よりも大きくなるように構成されている、請求項5に記載の半導体レーザ装置。
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