JP2010073715A - コイル部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で、直流抵抗値が小さいコイル部品を提供すること。
【解決手段】金属平板16を打ち抜き、これを折り曲げることにより得られるコイル部品において、打ち抜き工程において、パターン15を半分に分け、一方を金属平板16の第1の面から打ち抜き、残りを金属平板16の第1の面とは反対側の面から打ち抜いたものであり、このようにすることにより、内部ショートを発生させることがなく、直流抵抗値が小さく、小型のコイル部品を得ることを可能とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、特にパワーチョークコイルとして各種電子機器等に用いられるコイル部品の製造方法に関するものである。
近年コンピュータ等の電源回路に用いるパワーチョークコイルとしては、電源回路の動作周波数領域が300kHz〜1MHz程度の高周波領域で1μH程度のインダクタンス値、数mΩ程度の直流抵抗値を確保しつつ、10数A程度の大電流に対応したものが求められている。さらに小型で、特性バラツキの少ないものへの要望が強くなってきている。
以下従来のコイル部品について図面を参照しながら説明する。
図4は従来のコイル部品の斜視図、図5は図4のA−A線断面図、図6は同コイル部品の複数のリング部を平面状に配置したコイル部の平面図、図7は同コイル部品の複数のリング部を上下に重ねたコイル部の斜視図である。
図4〜図7において従来のコイル部品は、互いにリング連接部1で連接し平面状に配置した金属平板からなる複数のリング部2を、前記リング連接部1で折り曲げるとともに互いに上下に重ね合わせて形成したコイル部3と、絶縁性樹脂と磁性粉末とを混合したものでコイル部3を内包するとともに加圧成形した磁性体部4と、コイル部3の両端部を磁性体部4から突出させた端子部5とを備えていた。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば特許文献1が知られている。
特開2004−111456号公報
しかしながら従来の構成では、端子部5に対向する部分のリング部2が、端子部5にショートしないように、リング部2を狭くして逃がし部6を設ける必要があり、これが直流抵抗値の増加につながっていた。
本発明は、これらの課題を解決し、端子部とリング部とのショートを発生させることがなく、小型で、直流抵抗値の小さいコイル部品を提供するものである。
上記目的を達成するために本発明は、切欠部を形成した複数のリング部と、リング部の端部に形成し複数のリング部を連接したリング連接部と、リング部と連接されていないリング部の端部に接続した端子部とを含む所定のパターンを、金属平板を打ち抜くことにより形成する打ち抜き工程と、複数のリング部が上下に重なり合うようにリング連接部で折曲してコイル部を形成する折り曲げ工程と、コイル部を外装部で被覆するとともに、コイル部に接続した端子部の一部を外装部から突出させる外装部形成工程とを備え、打ち抜き工程において、パターンを半分に分け、一方を金属平板の第1の面から打ち抜き、残りを金属平板の第1の面とは反対側の面から打ち抜いたものである。
本発明によると、端子部とリング部とのショートを発生させることがなく、小型で、直流抵抗値の小さいコイル部品を得ることができる。
以下本発明のコイル部品の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施の形態におけるコイル部品の製造工程図である。また図2は打ち抜き工程について詳細に説明するための図であり、打ち抜き部分を拡大した断面図である。さらに図3は、打ち抜いたパターンを折り曲げ加工した状態の断面図である。
まず図1(a)のように、切欠部11を形成した複数のリング部12と、リング部12の端部に形成し複数のリング部12を連接したリング連接部13と、リング部12と連接されていないリング部12の端部に接続した端子部14とを含む所定のパターン15のうち半分を、銅からなる金属平板16を金型を用いて打ち抜く。このときの打ち抜き型が入る方の金属平板16の面を第1の面とする。
次に金属平板16を裏返しにし、第1の面とは反対側の面から、パターン15の残り半分を打ち抜くことにより、図1(b)のようにパターン15が得られる。そのあと打ち抜き工程により発生したパターン15のバリをブラスト等の手段によるバリ取り加工を行い、リング部12の表面に絶縁材を塗布するなどして絶縁層(図示していない)を設ける。
次に図1(c)のように、複数のリング部12を上下に重ね合わせるようにリング連接部13で折曲することでコイル部17を形成する。
次に図1(d)のように、コイル部17を外装部18で被覆する(外装部形成工程)。この工程では、成形金型20にコイル部17と、このコイル部17を挟み込むように絶縁性樹脂と磁性粉末とを混合したものとを入れ、上下のパンチ21で図1(d)の矢印の方向に加圧成形して外装部18を形成した加圧成形工程と、外装部18を熱処理して熱硬化する熱硬化工程(図示していない)とを有している。
次に図1(e)のように、端子部14を折り曲げ加工することにより、コイル部品を得る。
ここで打ち抜き工程について再度詳細に説明する。図2(a)は金属平板16を上から金型により打ち抜いた時の断面図である。打ち抜き型が入る方の面を抜き側、その反対側を反抜き側とすると、図2(a)の上側が抜き側、下側が反抜き側となり、抜き側の方がエッジが丸くなり、反抜き側の方にバリが出る形となる。これをブラスト等の手段によりバリ取り加工を行なうと、図2(b)のように、反抜き側の方はバリが取られた形となり、一方抜き側の方は角が取られてテーパ状となる。
通常金型で打ち抜く場合、パターン全体を打ち抜くが、打ち抜いたパターン15を折り曲げてコイル部17を形成する場合、リング部12同士あるいは、端子部14とリング部12が対向する部分で、反抜き側同士すなわちバリが向き合うところが生じてくる。バリによりショートが発生しないようにバリ取りを行なうが、バリを取る量が多くなりすぎると、全体的に削られ、コイル部品の直流抵抗値が大きくなるため望ましくない。また、このショートを避けるために、端子部14に対向する部分のリング部12に逃がし部19を設けているが、これも同様に直流抵抗値が大きくなる原因となる。
これに対し本発明では、パターン15を半分に分け、一方と他方を、抜き側が反対になるようにしているため、図3のように端子部14とリング部12が対向する部分では、端子部14はいずれも抜き側となり、またリング部12も抜き側となる。したがって端子部14とリング部12と対向する部分では、いずれもエッジにテーパが設けられた状態となり、ショートしにくくなるため、逃がし部19を設けない、あるいは設けても最小限ですむため、直流抵抗値を低くすることができる。またリング部12同士においても、反抜き側同士になることはないので、リング部12同士のショートを防止することができる。
また図1(b)のように、パターン15は、中央に対して線対称になるように設定されている。このようにすることにより、第1の面から打ち抜く時と、残りの部分を第1の面とは反対側の面から打ち抜く時で、同じ金型を用いることができ、所定の大きさの半分の大きさの金型ですむため、金型の費用を節減することができるという効果も生まれる。
本発明のコイル部品は、リング部と端子部およびリング部同士のショートを発生させることがなく、直流抵抗値が小さく、小型のものが得られるため、各種電子機器への使用に最適である。
本発明の一実施の形態におけるコイル部品の製造工程図 本発明の一実施の形態におけるコイル部品の打ち抜き部分を拡大した断面図 本発明の一実施の形態におけるコイル部品の打ち抜いたパターンを折り曲げ加工した状態の断面図 従来のコイル部品の斜視図 図4のA−A線断面図 従来のコイル部品の複数のリング部を平面状に配置したコイル部の平面図 従来のコイル部品の複数のリング部を上下に重ねたコイル部の斜視図
符号の説明
11 切欠部
12 リング部
13 リング連接部
14 端子部
15 パターン
16 金属平板
17 コイル部
18 外装部
19 逃がし部
20 成形金型
21 パンチ

Claims (2)

  1. 切欠部を形成した複数のリング部と、前記リング部の端部に形成し複数の前記リング部を連接したリング連接部と、前記リング部と連接されていない前記リング部の端部に接続した端子部とを含む所定のパターンを、金属平板を打ち抜くことにより形成する打ち抜き工程と、複数の前記リング部が上下に重なり合うように前記リング連接部で折曲してコイル部を形成する折り曲げ工程と、前記コイル部を外装部で被覆するとともに、前記コイル部に接続した端子部の一部を前記外装部から突出させる外装部形成工程とを備え、前記打ち抜き工程において、前記パターンを半分に分け、一方を前記金属平板の第1の面から打ち抜き、残りを前記金属平板の第1の面とは反対側の面から打ち抜いたコイル部品の製造方法。
  2. 金属平板を打ち抜くパターンを中央に対して対称になるように設定し、第1の面から打ち抜くときと、前記第1の面とは反対側の面から打ち抜くときに同じ金型を用いる請求項1記載のコイル部品の製造方法。
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