JP2010071438A - 金属製部品及びその製造方法 - Google Patents

金属製部品及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010071438A
JP2010071438A JP2008242209A JP2008242209A JP2010071438A JP 2010071438 A JP2010071438 A JP 2010071438A JP 2008242209 A JP2008242209 A JP 2008242209A JP 2008242209 A JP2008242209 A JP 2008242209A JP 2010071438 A JP2010071438 A JP 2010071438A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
divided
hole
connecting rod
metal
width
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008242209A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5252371B2 (ja
Inventor
Akira Hashimoto
晃 橋本
Daisuke Fujii
大輔 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2008242209A priority Critical patent/JP5252371B2/ja
Publication of JP2010071438A publication Critical patent/JP2010071438A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5252371B2 publication Critical patent/JP5252371B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C7/00Connecting-rods or like links pivoted at both ends; Construction of connecting-rod heads
    • F16C7/02Constructions of connecting-rods with constant length
    • F16C7/023Constructions of connecting-rods with constant length for piston engines, pumps or the like
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C9/00Bearings for crankshafts or connecting-rods; Attachment of connecting-rods
    • F16C9/04Connecting-rod bearings; Attachments thereof
    • F16C9/045Connecting-rod bearings; Attachments thereof the bearing cap of the connecting rod being split by fracturing

Abstract

【課題】破断部の曲げ剛性を高め、分離荷重を高めることのできるコンロッドと、その製造方法を提供する。
【解決手段】コンロッド部材の貫通孔の両側部位を破断してロッド部とキャップ部とに分割され、分割部後にそれらが締結部材により締結されるコンロッドにおいて、 1対の破断部の各々の断面形状における貫通孔の軸心と直交する径方向長さH1,H2が貫通孔の軸心方向幅B1,B2よりも長く設定され、ロッド部とキャップ部を締結する締結部材を挿通させる為の挿入孔8が形成され、挿入孔8の近傍の内径側部分には、この内径側部分よりも大径の大径側部分よりも貫通孔の軸心方向幅B1,B2が大きく設定された幅拡張部E1,E2が形成されている。
【選択図】 図11

Description

本発明は、金属製部品及びその製造方法に関し、特にエンジン用コンロッド等の金属製部品の貫通孔の両側部位を破断して第1,第2分割部品にしてから締結部材でもって一体的に締結される金属製部品と、その製造方法に関する。
従来のエンジンのコンロッドは、ロッド部と、このロッド部に複数のボルトにて締結されるキャップ部からなり、一般に鍛造部材又は焼結部材で構成されている。しかし、最近では、延性金属材料製の鍛造部材からなるコンロッドを一体品として製作後に、破断装置を用いて破断し、ロッド部とキャップ部とに分割することによりコンロッドを製作するコンロッドクラッキング技術が採用されつつある。特許文献1には、延性金属製部品の破断方法、破断装置、延性金属製部品の製造方法が開示されている。
エンジンに組み込まれた状態のコンロッドには、ピストンとクランクピンから圧縮荷重や引っ張り荷重が作用し、ロッド部とキャップ部との分割面に作用する圧縮応力が低下して分割面が分離する傾向になる。そこで、コンロッドの性能の1つに、「分離荷重」という指標がある。これは、コンロッドの大径部と小径部とを相離隔する方向へ引っ張った場合に、上記分割面の内周端(クランクピン孔の周面)における圧縮歪みが零になるまでに、コンロッドに付加し得る引っ張り荷重のことである。
前記クラッキング技術により、コンロッドの大径部の1対の破断部を破断したとき、破断部にはへき開状の脆性破断面がほぼ全面的に発生するけれども、破断面にはディンプル状の延性破断面も発生し、分割されたコンロッドの大径部のクランクピン孔(貫通孔)がコンロッドの長さ方向に微小に引き延ばされた長円形になる。つまり、破断部の近傍部には微小塑性変形が発生している。そのため、ロッド部にキャップ部を2本のボルトで締結するとき、ボルト張力の一部は、上記の微小塑性変形を解消させたり、多数の微小突起を変形させたりするのに消費されるため、分離荷重が低下しがちになる。
図13は本願出願人が採用している現行の焼結金属製のコンロッドの分割面100の形状を示し、ボルト孔101も示されている。図14は本願出願人が採用している現行の鍛造品のコンロッドの破断分割面200の形状を示し、ボルト孔201も示されている。 これらコンロッドの分割面100や破断分割面200では、クランクピンの軸心と直交する径方向長さHが、軸心と平行方向幅Bの約50〜60%の長さに設定されている。
特開2005−144560号公報
従来のコンロッドの分割面や破断分割面では、クランクピンの軸心と直交する径方向長さHが、前記軸心と平行方向幅Bの約50〜60%に設定されているため、ロッド部とキャップ部とをボルトにて締結した状態において、コンロッドの1対の分割面(破断部)の近傍部の曲げ剛性(断面2次モーメント)が低くなってしまう。そのため、コンロッドの小径部と大径部とを相離隔させるような荷重が作用したとき、1対の分割面の内径側部分が引っ張り方向へ変形し易くなるため、コンロッドの分離荷重を高めることが難しく、コンロッドの性能を高めることが困難である。
しかも、分割面の面積も大きく設定されているため、ボルトなどの締結部材で締結したときの圧縮応力も低くなるため、分離荷重を高めることが難しい。特にクラッキング技術で製作したコンロッドの場合は、前記のように分離荷重を高めることが難しい。
本発明の目的は、破断により第1,第2金属部品に分割してから締結部材で締結される金属製部品であって、破断部の曲げ剛性を高め、分離荷重を高めることのできる金属製部品と、その製造方法を提供することである。
請求項1の金属製部品は、金属製部材の貫通孔の両側部位を破断して第1分割部品と第2分割部品とに分割され、分割部後にそれら第1,第2分割部品が締結部材により締結される金属製部品において、第1分割部品と第2分割部品とに分割される 1対の破断部の各々の断面形状における貫通孔の軸心と直交する径方向長さが貫通孔の軸心方向幅よりも長く設定されたことを特徴としている。
ここで、上記の請求項1の発明に次の構成を採用してよい。
前記第1分割部品と第2分割部品とを締結する締結部材を挿通させる為に、前記各破断部を直交状に貫通する挿入孔が形成され、前記各破断部の前記挿入孔の近傍の内径側部分には、この内径側部分よりも大径の大径側部分よりも貫通孔の軸心方向幅が大きく設定された幅拡張部が形成され、この幅拡張部の径方向幅が前記大径側部分の径方向幅よりも小さく形成されたことを特徴とする(請求項2)。
前記金属製部品は、エンジンの鋼製コンロッドであり、前記第1分割部品が鋼製コンロッドのロッド部であり、前記第2分割部品が鋼製コンロッドのキャップ部であることを特徴とする(請求項3)
請求項4の金属製部品の製造方法は、金属製部材の貫通孔の両側部位を破断して第1分割部品と第2分割部品とに分割し、分割部後にそれら第1,第2分割部品を締結部材により締結して金属製部品とする金属製部品の製造方法において、第1分割部品と第2分割部品とに分割する1対の破断部の各々の断面形状における貫通孔の軸心と直交する径方向長さを貫通孔の軸心方向幅よりも長くなるよう設定することにより、破断部における曲げ剛性を高めて破断部の分離荷重を高めることを特徴としている。
請求項1の発明によれば、金属製部材の貫通孔の両側部位を破断して第1,第2分割部品に分割され、分割部後にそれら第1,第2分割部品が締結部材により締結される金属製部品において、第1,第2分割部品に分割される 1対の破断部の各々の断面形状における貫通孔の軸心と直交する径方向長さが貫通孔の軸心方向幅よりも長く設定されたため、前記締結部材により締結した状態において、貫通孔の両側の破断部の曲げ剛性(断面2次モーメント)が高くなるため、第1,第2分割部品を相離隔させる方向へ荷重が作用する時の分離荷重を格段に高めることができ、性能の高い金属製部品になる。
請求項2の発明によれば、前記第1分割部品と第2分割部品とを締結する締結部材を挿通させる為に、前記各破断部を直交状に貫通する挿入孔が形成され、前記各破断部の前記挿入孔の近傍の内径側部分には、この内径側部分よりも大径の大径側部分よりも貫通孔の軸心方向幅が大きく設定された幅拡張部が形成されたため、挿入孔により破断部の曲げ剛性が低下するのを防止して、破断部の曲げ剛性を高める上で有利である。そして、大径側部分の幅を小さくして破断部の断面積を小さく設定することが可能となる。それ故、第1,第2分割部品を締結部材で締結した状態において、破断部に作用する圧縮応力を大きくすることが可能となり、その結果分離荷重を高めることが可能となる上、金属製部品に用いる金属材料の量を節減して製作コストを低減できる。
また、前記幅拡張部の径方向幅が前記大径側部分の径方向幅よりも小さく形成されたため、挿入孔近傍の面積を小さくすることができるから、挿入孔近傍の面圧を高めることができ、締結力を高めることができるため、分離荷重を高めることができる。
請求項3の発明によれば、金属製部品がエンジンのコンロッドであり、第1分割部品がロッド部であり、第2分割部品がコンロッドのキャップ部であるため、ロッド部とキャップ部との境界の破断部の近傍部位の曲げ剛性に優れ且つ分離荷重を高めたコンロッドが得られる。
請求項4の発明によれば、第1分割部品と第2分割部品とに分割する 1対の破断部の各々の断面形状における貫通孔の軸心と直交する径方向長さを貫通孔の軸心方向幅よりも長くなるよう設定することにより、破断部における曲げ剛性を高め且つ破断部の分離荷重を高めるため、破断部の近傍部位における曲げ剛性を高めて破断部の分離荷重を高めた金属製部品を製作することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、実施例に基づいて説明する。
最初に、金属製部品である鋼製のコンロッドについて説明する。
図1、図2に示すように、コンロッドは延性のある鍛造用鋼を用いて鍛造成形にて製作されるものであり、コンロッド1は、ロッド部2と、キャップ部3と、これらロッド部2とキャップ部3とを締結する締結部材としての1対のボルト4とを備えている。
図1、図2に示すように、ロッド部2にキャップ部3を、挿入孔8に挿通された1対のボルト4により締結し破断部6を密着させた状態では、コンロッド1の大径部1aに円形の貫通孔5が形成され、コンロッド1の小径部1bにピン孔9が形成されている。
このコンロッド1を製作する場合、コンロッド部材1A(図3参照)を一体品として鍛造成形にて製作後に、ロッド部2とキャップ部3との境界部を破断することによりロッド部2とキャップ部3とを分割する。このように分割した状態において、ロッド部2が第1分割部品に相当し、キャップ部3が第2分割部品に相当する。
上記のコンロッド部材1Aを分割する際には、図3に示す破断装置10を用いて行う。この破断に際して、貫通孔5の内周面のうち破断部6(図1、図2参照)に対応する部位に1対のノッチ7が形成される。その後、図3に示すように、貫通孔5内に上記のノッチ7の両側に位置する1対のマンドレル11(拡張具)をセットし、それらマンドレル11の間に形成されるV形隙間12に楔部材13を挿入し、楔部材13を油圧シリンダ14の出力ロッド15の先端に連結しておき、油圧シリンダ14により、楔部材13をV形隙間12に瞬時に強制的に嵌入させることで、1対のノッチ7を破断の起点とする破断を発生させて、ロッド部2とキャップ部3とを分断する。この破断面6(分割面)の大部分はへき開状の脆性破断面のような破断面になるが、この破断面には多数の微小突起のあるディンプル状の延性破断面も含まれる。
ところで、上記のようなクラッキングにより製作したコンロッド1の場合、貫通孔5の外周側壁部に微小な塑性歪みが発生し、貫通孔5の真円度が低下し、貫通孔5がコンロッド1の長さ方向に歪んだ形状になる。しかし、ロッド部2とキャップ部3とを締結部材(ボルト4)により締結した状態で、貫通孔5の内面を研磨加工することにより、貫通孔5の真円度は確保される。
ここで、コンロッド1の小径部1bはピン部材を介してエンジンのピストンに連結され、コンロッド1の大径部1aはクランク軸のクランクピンに連結され、エンジンの稼働中にロッド部2からキャップ部3を分離させるような大きな分離荷重が作用する。そのため、コンロッド1の耐え得る最大の分離荷重がコンロッド1の性能を評価する重要な指標となっている。
クラッキングにより製作したコンロッド1の分離荷重を測定する場合、貫通孔5の内周面のうちの破断面6に対応する部位に、歪みゲージを貼り付けた状態で、締結部材(ボルト4)を所定の締結力で強力に締結して、破断部6とその近傍部の壁部を圧縮状態にし、その状態において、大径部1aと小径部1bを相離隔させる「引っ張り荷重」を付加することにより、破断面6とその近傍部の壁部の圧縮歪みを低減させていき、歪みゲージの歪みが零になる時の上記引っ張り荷重を「分離荷重」と定義している。以下、本明細書に記載する「分離荷重」は、上記の分離荷重のことである。
ところで、クラッキングにより製作したコンロッド1の場合、破断面6に前記のような多数の微小突起が発生した延性破断面が存在するため、また、貫通孔5の外周側壁部に微小な塑性歪みが発生していて、そこに締結部材4による締結力の一部が吸収(消費)されてしまうため、分離荷重が低下しがちになる。
そこで、本願の発明者等は、品質工学の手法を用いて破断面の望ましい断面形状(つまり、図1のX−X断面に表れる望ましい断面形状)を決定すべく品質工学に基づいて開発を行った。以下に、その内容と望ましい断面形状について説明する。
図4、図5に示すように、コンロッド1についての品質工学上の制御因子としては、ボルト座確保の為の基準長、縦横比、縦段差比、基準座Rなどを選択した。これらの制御因子について、水準1,2,3の3通り設定した。水準2は平均的な値を示し、水準1は水準2よりも低い値を示し、水準3は水準2よりも高い値を示す。図4には、4因子×3水準からなる12通りのモデルが設定されている。
図6に示すように、コンロッド1についての品質工学上の誤差因子としては、断面積と、中凹量、中凸量を選択し、図6のようにN1(有利)、N2(不利)の場合の誤差因子の諸量を設定した。中凹とは、図7に示すように、貫通孔5Aの内周面において、締結部材で締結しない状態で破断面6a間に隙間が発生する状態であり、中凸とは中凹の逆の状態である。
図4に示す12モデルについてのN1,N2の2ケースのコンロッド模型、つまり、合計24個のコンロッド模型を機械加工により、クラッキング技術に伴うボルト座角度、中凹量、中凸量等の変形形態を折り込み製作した。図7はそのコンロッド模型1Mの斜視図である。コンロッド模型1Mは、ロッド部の代用としてのロッド部代用部3Bと、キャップ部3Aと、ボルト孔8Aと、貫通孔5Aなどが形成されている。
次に、合計24個のコンロッド模型1Mの各々について、3通りの締結力(10KN,25KN,40.8KN)にて締結部材4を締結した状態において、ロッド部代用部3Bとキャップ部3Aとを分離させる分離方向の荷重を作用させた場合の分離荷重を測定した。但し、その測定結果は図示省略したが、図8には上記の測定結果から得られた「SN比」を示し、図9には上記の測定結果から得られた「感度」を示す。
尚、「SN比」とは、誤差に左右される性質を示す指標であり、できるだけ大きい値が望ましい。「感度」は「SN比」と比例関係にあり、誤差に左右される性質を示す指標である。図8、図9において、横軸に示すA1,A2,A3,・・は、制御因子A〜Dと、水準1,2,3とで分類されるコンロッド模型1Mを示す。そして、「2重丸」で示すコンロッド模型が各制御因子別に望ましいものを示している。
図8、図9から判るように、制御因子A(基準長)ではA1の模型が望ましい結果となったため、「基準長」については「14.5」mmが望ましい値であることが判った。
制御因子B(縦横比)ではB3の模型が望ましい結果となったため、「縦横比」については「1:1.2」が望ましい値であることが判った。制御因子C(縦段差比)についてはC1の模型が望ましい結果となったため、「縦段差比」については「1:2」が望ましい値であることが判った。制御因子D(基準座R)ではD3の模型が望ましい結果となったため、「基準座R」については「0」が望ましい値であることが判った。
以上のように得られた、コンロッド模型1Mの破断面6a(分割面)の最適な形状は、図10に示すとおりである。但し、図10の数値に厳密に制約される訳ではない。
以上の検討結果を加味して、クラッキング技術により製作するコンロッド1の望ましい破断面(分割面)の形状について補足的に説明する。
図11は、出願人が将来採用予定の特に望ましい破断面6A(分割面)の形状を示す。 この破断面6A(分割面)の形状において、貫通孔の軸心と平行方向の幅B1はB1=14.5mmであり、貫通孔の軸心と直交方向の長さH1はH1=幅B1×(1.1 〜 1.2)であり、縦段差比h1:h2は1:2であり、基準座Rは0であり、破断面6Aの断面積は例えば260mm2 である。
この破断面6Aでは、その破断面を直交状に貫通する挿入孔8(ボルト穴)が形成され、各破断面6Aの挿入孔8の近傍の内径側部分には、この内径側部分よりも大径の大径側部分よりも貫通孔の軸心方向幅Cが大きく設定された幅拡張部E1が形成されている。
図12は、出願人が将来採用予定の特に望ましい破断面6B(分割面)の形状を示す。 この破断面6Bでは、前記幅拡張部E1と同様の幅拡張部E2が形成され、貫通孔の軸心と直交方向の長さH2は貫通孔の軸心と平行方向の幅B2よりも大きく設定されている。また、内径側部分よりも大径の大径側部分において、挿入孔8の外周側に所定の厚さの壁部8aが形成され且つ大径側部分の軸心平行方向幅bが小さく設定されている。
以上説明した図10〜図12に示すコンロッド1の作用、効果について説明する。
図11に示すコンロッド1においては、ロッド部2とキャップ部3に分割する1対の破断部6の各々の断面形状における貫通孔5の軸心と直交する径方向長さH1が貫通孔5の軸心方向幅B1よりも長く設定されたため、締結部材4により締結した状態において、貫通孔5の両側の破断部における曲げ剛性が高くなるため、ロッド部2とキャップ部3とを相離隔させる方向へ荷重が作用する時の分離荷重を格段に高めることができ、性能の高いコンロッド1になる。
幅拡張部E1が形成されているため、挿入孔8により破断部の曲げ剛性が低下するのを防止して、破断部における曲げ剛性を高める上で有利である。しかも、幅拡張部E1よりも外径側の外径側部分の軸心平行方向幅B1を小さくして、破断部の断面積を小さくすることが可能であるので、締結部材4で締結した状態における圧縮応力を大きく設定可能であるから、分離荷重を高める上で有利である。
また、前記幅拡張部E1の径方向幅が前記大径側部分の径方向幅よりも小さく形成されたため、挿入孔8の近傍の面積を小さくすることができるから、挿入孔8近傍の面圧を高めることができ、締結力を高めることができるため、分離荷重を高めることができる。
図12のコンロッドにおいては、前記と同様の作用、効果を奏する上、幅拡張部E2よりも外径側の外径側部分のうちの最外径側部分の幅bを小さくしてあるため、破断部の断面積を一層小さくすることが可能であり、重量を軽減可能である。
本願のコンロッド1の製造方法は、ロッド部2とキャップ部3とに分割する1対の破断部の各々の断面形状における貫通孔5の軸心と直交する径方向長さH1,H2を貫通孔5の軸心方向幅B1,B2よりも長くなるよう設定することにより、破断部における曲げ剛性を高めて破断部の分離荷重を高めることを特徴としている。
前記実施例では、エンジンのコンロッドに本発明を適用した場合を例として説明したが、本発明は、エンジンのコンロッド以外の種々の金属製部品とその製造方法に適用可能であることは勿論である。
本発明の実施例に係るコンロッドの正面図である。 図1のII−II線断面図である。 コンロッド部材を破断する破断装置とコンロッド部材の要部断面図である。 制御因子と水準で区分した12モデルを示す説明図である。 制御因子と水準の内容を示す図表である。 誤差因子と有利/不利の内容を示す図表である。 コンロッド模型の斜視図である。 12モデルについてのSN比を示す線図である。 12モデルについての感度を示す線図である。 コンロッドの破断面に関する制御因子の最適値を示す図表である。 コンロッドの望ましい破断面形状の平面図である。 別のコンロッドの望ましい破断面形状の平面図である。 従来の焼結金属製コンロッドの分割面の平面図である。 従来の鍛造品のコンロッドの破断面形状の平面図である。
符号の説明
1 コンロッド
2 ロッド部
3 キャップ部
4 ボルト(締結部材)
5 貫通孔
6 破断部
8 挿入孔
H1,H2 径方向長さ
B1,B2 軸心方向幅
E1,E2 幅拡張部

Claims (4)

  1. 金属製部材の貫通孔の両側部位を破断して第1分割部品と第2分割部品とに分割され、分割部後にそれら第1,第2分割部品が締結部材により締結される金属製部品において、 第1分割部品と第2分割部品とに分割される 1対の破断部の各々の断面形状における貫通孔の軸心と直交する径方向長さが貫通孔の軸心方向幅よりも長く設定されたことを特徴とする金属製部品。
  2. 前記第1分割部品と第2分割部品とを締結する締結部材を挿通させる為に、前記各破断部を直交状に貫通する挿入孔が形成され、
    前記各破断部の前記挿入孔の近傍の内径側部分には、この内径側部分よりも大径の大径側部分よりも貫通孔の軸心方向幅が大きく設定された幅拡張部が形成され、この幅拡張部の径方向幅が前記大径側部分の径方向幅よりも小さく形成されたことを特徴とする請求項1に記載の金属製部品。
  3. 前記金属製部品は、エンジンの鋼製コンロッドであり、前記第1分割部品が鋼製コンロッドのロッド部であり、前記第2分割部品が鋼製コンロッドのキャップ部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属製部品。
  4. 金属製部材の貫通孔の両側部位を破断して第1分割部品と第2分割部品とに分割し、分割部後にそれら第1,第2分割部品を締結部材により締結して金属製部品とする金属製部品の製造方法において、
    第1分割部品と第2分割部品とに分割する 1対の破断部の各々の断面形状における貫通孔の軸心と直交する径方向長さを貫通孔の軸心方向幅よりも長くなるよう設定することにより、破断部における曲げ剛性を高めて破断部の分離荷重を高めることを特徴とする金属製部品の製造方法。
JP2008242209A 2008-09-22 2008-09-22 エンジンの鋼製コンロッド Active JP5252371B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008242209A JP5252371B2 (ja) 2008-09-22 2008-09-22 エンジンの鋼製コンロッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008242209A JP5252371B2 (ja) 2008-09-22 2008-09-22 エンジンの鋼製コンロッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010071438A true JP2010071438A (ja) 2010-04-02
JP5252371B2 JP5252371B2 (ja) 2013-07-31

Family

ID=42203419

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008242209A Active JP5252371B2 (ja) 2008-09-22 2008-09-22 エンジンの鋼製コンロッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5252371B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012101748A1 (ja) * 2011-01-24 2012-08-02 トヨタ自動車 株式会社 コネクティングロッドの破断方法
WO2012115201A1 (ja) * 2011-02-25 2012-08-30 日本精工株式会社 分割軌道輪およびその製造方法
JP2013011341A (ja) * 2011-05-27 2013-01-17 Nsk Ltd 分割軌道輪およびその製造方法
EP2985478A1 (en) * 2014-08-14 2016-02-17 Caterpillar Energy Solutions GmbH Method for connecting two members

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000110825A (ja) * 1998-10-01 2000-04-18 Honda Motor Co Ltd コネクティングロッドの製造方法
JP2002147432A (ja) * 2000-11-15 2002-05-22 Toyota Motor Corp コネクティングロッド
JP2002188618A (ja) * 2000-12-25 2002-07-05 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関用コンロッド

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000110825A (ja) * 1998-10-01 2000-04-18 Honda Motor Co Ltd コネクティングロッドの製造方法
JP2002147432A (ja) * 2000-11-15 2002-05-22 Toyota Motor Corp コネクティングロッド
JP2002188618A (ja) * 2000-12-25 2002-07-05 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関用コンロッド

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012101748A1 (ja) * 2011-01-24 2012-08-02 トヨタ自動車 株式会社 コネクティングロッドの破断方法
JP5267739B2 (ja) * 2011-01-24 2013-08-21 トヨタ自動車株式会社 コネクティングロッドの破断方法
US8875966B2 (en) 2011-01-24 2014-11-04 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Connecting rod breaking method
WO2012115201A1 (ja) * 2011-02-25 2012-08-30 日本精工株式会社 分割軌道輪およびその製造方法
US8956055B2 (en) 2011-02-25 2015-02-17 Nsk Ltd. Method for manufacturing split bearing ring
EP2679844A4 (en) * 2011-02-25 2017-07-05 NSK Ltd. Split bearing ring, and manufacturing method for same
JP2013011341A (ja) * 2011-05-27 2013-01-17 Nsk Ltd 分割軌道輪およびその製造方法
EP2985478A1 (en) * 2014-08-14 2016-02-17 Caterpillar Energy Solutions GmbH Method for connecting two members
WO2016023611A1 (en) * 2014-08-14 2016-02-18 Caterpillar Energy Solutions Gmbh Method for connecting two members

Also Published As

Publication number Publication date
JP5252371B2 (ja) 2013-07-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101474477B1 (ko) 펀치리벳 및 다이
JP5252371B2 (ja) エンジンの鋼製コンロッド
US6632057B1 (en) Fixing unit with an end imprint in a threaded terminal portion
US20080219797A1 (en) Rivet
CN100523526C (zh) 用于低延展性材料中的自攻螺钉
JP4947604B2 (ja) 中空構造のロッドならびにその製造方法
WO1993022082A1 (en) Welding stud and method of forming same
JP5756170B2 (ja) アルミニウムのフェルールを鋼線の高強度の輪に配置する方法及びその構成
ITVE20010016A1 (it) Rivetto di accoppiamento mediante battitura fatto di alluminio
WO2010150753A1 (ja) 金属製部品の破断開始部形成方法
JP2013007448A (ja) コンロッドの破断分割方法及びその装置
US11391312B2 (en) Method for creating a high tensile strength joint for connecting rods and fittings
CN100404891C (zh) 内燃机的连杆及其制造方法
JP2004353670A (ja) タービンエンジン用の中空ファンブレード、およびそのようなブレードの製造方法
JP5145987B2 (ja) 金属製部品の加工方法及び金属製部品の加工装置
JP2007016446A (ja) コンクリート杭の接続部構造
JP5194854B2 (ja) 金属製部品の破断方法及び金属製部品の破断装置
US2040640A (en) Hollow turbine blade
JP4781438B2 (ja) クランクシャフトの製造方法及び製造装置
WO2013192028A1 (en) High tensile strength joint for connecting rods and fittings
JP2006503712A (ja) タイロッドケーシングを製造するための方法
JP5031643B2 (ja) クロスメンバ及びクロスメンバユニット製造方法
JP2005096066A (ja) コンロッド破断分割装置及びコンロッド破断分割方法
JP4464315B2 (ja) コンロッドの製造方法
JP2009173155A (ja) 車両用サスペンションアーム及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110802

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120831

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120831

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121022

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130325

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130407

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5252371

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160426

Year of fee payment: 3