JP2009173155A - 車両用サスペンションアーム及びその製造方法 - Google Patents

車両用サスペンションアーム及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】車体構造側または車軸側への連結端部に必要な寸法精度およびねじり剛性が得られる車両用サスペンションアーム及びその製造方法を提供する。
【解決手段】上面部14と下面部15とが少なくとも2つの側壁部16、17で連結され長手方向に一様な断面略四角形状をなす中空のアルミニウム合金製押出形材からの二次加工によって形成された車両用サスペンションアーム1であって、前記押出形材1Bの一端部11が、その縁端から幅方向中央部に長手方向に延びるスリット状の切欠部110で分断され、その両側部分111、112が、前記切欠部を変形代とした両側方からの曲げ加工で突き合わされて幅狭に構成されるとともに、該幅狭の両側部分で前記各側壁部を貫通する貫通孔10に円筒状の連結部材71が嵌挿され、前記連結部材の前記各貫通孔から側方に突出した両端部71aが拡開され、該拡開端部71cのかしめによって前記両側部分が一体に連結される。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両用サスペンションアーム及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、アルミニウム合金製の押出形材を二次加工してサスペンションアームを成形する技術に係わるものである。
従来、自動車等の車両のサスペンションアームは、比較的安価な鉄鋼材料を用いてプレス成形と溶接を併用して成形するのが一般的であった(例えば、特許文献1参照)。しかし、近年、C02削減要請の高まりとともに更なる軽量化が求められ、サスペンションアームのアルミ化が進行している。サスペンションアームをアルミニウム合金化する方法としては、鋳造による方法(例えば、特許文献2参照)や中空の押出形材を二次成形する方法(例えば、特許文献3、4参照)が知られている。
部品のアルミニウム合金化を図る場合、やはり市場の要求から、材料費や製造工程でのコスト増に伴う部品単価の上昇を極力抑える必要がある。低コストでサスペンションアームをアルミニウム合金化するには、中空の押出形材を溶接工程なしで二次成形する方法が最も有利である。
ところで、自動車のサスペンションアームは、基端部において車体構造に揺動可能に枢支され、該基端部よりも幅狭の先端部には、車輪を支持するナックルが連結されており、さらに、マルチリンク式やダブルウィシュボーン式のリアサスペンションにおけるロアアームでは、アーム長手方向の中間部にコイルスプリングの受け面が設けられている。
この受け面は、コイルスプリングの径よりも大きくする必要があるため、一般に、ロアアームの中間部は、先端部や基端部に比べて幅広に構成される。したがって、ロアアームは、その長手方向に沿って断面形状が大きく変化しており、このようなロアアームを、長手方向に一様な断面形状をなす押出形材から成形する場合、コイルスプリングの受け部に対応した幅を有する押出形材を用い、その端部を幅方向に圧縮する方法や、逆に、押出形材の中間部を幅方向に拡開してコイルスプリングの受け部を形成する方法が想定される。
このうち、押出形材の中間部を拡開する方法は減肉を伴い、高強度を要求されるコイルスプリング受け部の強度を確保することが困難である。したがって、押出形材の端部を幅方向に圧縮する方法が有利であるが、押出形材の端部をプレスで両側面からそのまま潰す場合、変形位置が安定せず精度を確保するのが困難である。ロアアーム両端の取り付け部には、高い寸法精度が求められるが、この精度要求に答えることができない。
そこで、特許文献3では、押出形材の上面および下面の板厚を両側面の板厚よりも小さくすることによって塑性変形が上面および下面の中央部に誘導されるようにしている。しかし、押出形材の上下面を薄肉化すれば、全体的な強度が不足し、上下方向の曲げ入力やコイルスプリングからの下方向の入力に耐えることができない。
特開2002−316228号公報 特許第3873641号公報 国際特許公開01/32979号公報 国際特許公開2005/002890号公報
上述した押出形材の端部をプレスで両側面からそのまま潰す方法に対して、押出形材端部の中央を長手方向にスリット状に切除し、この切除分を圧縮代としてプレスで両側面から圧縮すれば、変形位置が安定し寸法精度を確保することができる。しかし、この方法では、アーム端部の両側面が分断されてしまうため、サスペンションアームに必要なねじり剛性を確保することが困難になる。
また、サスペンションアームをアルミニウム合金製押出形材で形成する場合の別の課題として、ブッシュの保持力の確保がある。一般に、サスペンションアームの基端部は、車軸側から入力される振動や三次元的な変位の吸収を目的としてブッシュを介して車体構造に揺動可能に枢支されるが、アルミニウム合金製の押出形材でサスペンションアームを構成する場合、押出形材の打抜き孔に圧入されたブッシュは、押出形材側面の板厚分だけで保持されることになり、圧入後におけるブッシュの保持力を確保するのが難しい。
特に、アルミニウム合金製のサスペンションアームに対して、アルミニウム合金製の外筒を有するブッシュを圧入する場合は、かじりの問題から、圧入代を大きくすることができず、保持力の確保が一層困難である。また、ブッシュの外筒を鉄製とした場合、アルミニウム合金製のサスペンションアームとの間で電食を生じる問題がある。
本発明はこのような実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、アルミニウム合金製の押出形材から低コストでサスペンションアームを成形できるとともに、車体構造側または車軸側に回動可能に連結される連結部、特に、車体構造側に枢支されるアーム基端部に必要な寸法精度およびねじり剛性が得られ、かつ、ブッシュ外筒に対する保持力にも優れた車両用サスペンションアーム及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、
上面部と下面部とが少なくとも2つの側壁部で連結され長手方向に一様な断面略四角形状をなす中空のアルミニウム合金製押出形材からの二次加工によって形成された車両用サスペンションアームであって、
前記押出形材の一端部が、その縁端から前記上面部および前記下面部の幅方向中央部に長手方向に延びるスリット状の切欠部で分断され、その両側部分が、前記切欠部を変形代とした両側方からの曲げ加工で突き合わされて幅狭に構成されるとともに、該幅狭の両側部分で前記各側壁部を貫通する貫通孔に円筒状の連結部材が嵌挿され、かつ、前記連結部材の前記各貫通孔から側方に突出した両端部が拡開され、該拡開端部のかしめによって前記両側部分が一体に連結されており、前記一端部が、前記連結部材を介して車体構造側または車軸側に回動可能に連結されていることを特徴とする車両用サスペンションアームにある。
また、前記連結部材の前記両端部が、周方向に所定のピッチで間欠的に複数箇所にて拡開されていることが好適である。さらに、前記連結部材が、内筒と外筒とそれらの間に介在するゴム部とで構成されるブッシュであり、前記ブッシュの前記外筒が前記貫通孔に嵌挿され、かつ、前記外筒の両端部が拡開されており、前記押出形材の一端部が、前記ブッシュを介して車体構造側に揺動可能に枢支されていることが好適である。さらに、前記押出形材の前記上面部が、前記各側壁部との接続部を越えて幅方向に張出しており、前記両側部分を含まない前記押出形材の長手方向中間部に、コイルスプリングの受け部が設けられていることが好適である。
また、本発明は、上記車両用サスペンションアームの製造方法として、
前記押出形材の一端部から、前記上面部および前記下面部の幅方向中央部を長手方向にスリット状に切欠する工程と、
前記スリット状の切欠によって分断された前記押出形材一端部の両側部分を、両側方から曲げ加工して突き合わせる工程と、
前記押出形材一端部に前記各側壁部を貫通する貫通孔を穿設する工程と、
前記各側壁部の前記貫通孔に円筒状連結部材を嵌挿する工程と、
前記連結部材の前記各貫通孔から側方に突出した両端部を拡開してかしめ、前記両側部分を一体に連結する工程と、を含む製造方法を採用した。
さらに、前記両側部分を一体に連結する工程が、前記連結部材の前記両端部をその周方向に所定のピッチで間欠的に複数箇所にて拡開してかしめることを含むことが好適である。
本発明の車両用サスペンションアームは上記の通り、
上面部と下面部とが少なくとも2つの側壁部で連結され長手方向に一様な断面略四角形状をなす中空のアルミニウム合金製押出形材からの二次加工によって形成された車両用サスペンションアームであって、
前記押出形材の一端部が、その縁端から前記上面部および前記下面部の幅方向中央部に長手方向に延びるスリット状の切欠部で分断され、その両側部分が、前記切欠部を変形代とした両側方からの曲げ加工で突き合わされて幅狭に構成されるとともに、該幅狭の両側部分で前記各側壁部を貫通する貫通孔に円筒状の連結部材が嵌挿され、かつ、前記連結部材の前記各貫通孔から側方に突出した両端部が拡開され、該拡開端部のかしめによって前記両側部分が一体に連結されており、前記一端部が、前記連結部材を介して車体構造側または車軸側に回動可能に連結されているので、
一様な断面略四角形状をなす中空のアルミニウム合金製押出形材から、切除および曲げ加工という少ない工数の簡素な加工による必要最小限の塑性変形で、幅狭の端部を精度良く形成できるとともに、スリット状切欠部で分断されたアームの両側部分が、連結部材の拡開端部のかしめによって強固に連結されることで、サスペンションアームとして必要なねじり剛性および強度が確保されており、サスペンションアームの製造コストを低減しつつ軽量化するうえで有利である。
また、前記連結部材の前記両端部が、周方向に所定のピッチで間欠的に複数箇所にて拡開されている態様では、連結部材の拡開端部が、単純な円形状ではなく花弁状あるいは多角形状をなすことよって、拡開端部自体の剛性が上昇し、連結部材の抜脱荷重が向上することは勿論、サスペンションアーム全体のねじり剛性が大幅に向上することになる。
また、前記連結部材が、内筒と外筒とそれらの間に介在するゴム部とで構成されるブッシュであり、前記ブッシュの前記外筒が前記貫通孔に嵌挿され、かつ、前記外筒の両端部が拡開されている態様では、サスペンションアームのかしめとブッシュのかしめの両方を兼ねる構造となり、特別な連結部材を省くことができ、かつ、少ない工数でサスペンションアームを製造可能であるとともに、サスペンションアームにブッシュを強固に連結でき、ブッシュ外筒に対する保持力にも優れている。また、ブッシュ外筒を圧入する必要がないので、ブッシュ外筒をアルミニウム合金製としても、かじりの問題を生じることがなく、ブッシュ外筒をアルミニウム合金製とすることで異種金属接触に伴う電食を防止できる。
さらに、前記押出形材の前記上面部が、前記各側壁部との接続部を越えて幅方向に張出しており、前記押出形材の長手方向中間部にコイルスプリングの受け部が設けられている態様では、張出部分によって受け部に必要な幅が確保されるとともに、サスペンションアーム自体の補強が図れ、大断面が必要なコイルスプリング受け部と小断面が必要な車体構造側または車軸側との連結端部を一様な断面略四角形状をなす中空のアルミニウム合金製押出形材に形成するうえで有利である。
本発明は、サスペンションアームの製造方法として、
上面部と下面部とが少なくとも2つの側壁部で連結され長手方向に一様な断面略四角形状をなす中空のアルミニウム合金製押出形材を用い、
前記押出形材の一端部から、前記上面部および前記下面部の幅方向中央部を長手方向にスリット状に切欠する工程と、
前記スリット状の切欠によって分断された前記押出形材一端部の両側部分を、両側方から曲げ加工して突き合わせる工程と、
前記押出形材一端部に前記各側壁部を貫通する貫通孔を穿設する工程と、
前記各側壁部の前記貫通孔に円筒状連結部材を嵌挿する工程と、
前記連結部材の前記各貫通孔から側方に突出した両端部を拡開してかしめ、前記両側部分を一体に連結する工程と、を含む製造方法を採用したので、
押出形材一端部の両側部分を両側方からのプレスによる曲げ加工で無理なく塑性変形させることができ、寸法精度に優れた連結端部を形成可能であるとともに、分断された両側部分を、連結部材の嵌合とその端部の拡開及びかしめによって強固に一体化させ、サスペンションアームに必要なねじり剛性を確保でき、サスペンションアームの製造コストを低減しつつ軽量化するうえで有利である。
また、上記各工程は冷間加工のみで行なうことができるため、工程間の温度調節が不要であり、連続加工や工程の自動化に最適である。
また、前記両側部分を一体に連結する工程が、前記連結部材の前記両端部をその周方向に所定のピッチで間欠的に複数箇所にて拡開してかしめることを含むことにより、連結部材両端部の拡開及びかしめ変形の少なくとも初期において、周方向の数箇所に圧縮応力が集中するため、連結部材両端部の拡開変形に要する圧縮荷重を低減できるとともに、連結部材の中央部など非変形部分に付加される応力を低減でき、不要な変形を防止できる。
すなわち、仮に、円盤状または円錐状の押圧子により、連結部材の両端部を周方向全体に亘って拡開する場合には、同等の拡開量を得るのに連結部材両端部の周長変化が大きくなり、外周部の亀裂が生じ易くなるが、連結部材の両端部を周方向に間欠的に拡開する本発明の方法により、拡開端部における周長変化を最小限に抑えつつ、両端部の拡開量を大きく確保することができ、連結強度を向上させるうえで有利である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる車両用サスペンションアームを、自動車のリアサスペンションにおけるロアアーム1として実施した実施形態を示している。図において、リアサスペンションは、車輪3を回動自在に支持するナックル4が、ロアアーム1およびアッパーアーム2を含む複数のリンクを介して車体構造5に揺動可能に連結されたマルチリンク式サスペンションであり、ロアアーム1の中間部13と車体構造5との間にコイルスプリング6が介装されている。ロアアーム1の基端部11は、ブッシュ7を介して車体構造5に揺動可能に枢支され、一方、ロアアーム1の先端部12は、ナックル4の下部に回動可能に連結されている。
図2は、ロアアーム1を示す斜視図であり、先端部12および中間部13に比べて幅狭の基端部11には、図3に示すように、ブッシュ7が側方に貫通した状態で固定され、車体構造5との回動連結部を構成している。先端部12は、U字状の切欠部120によって二又に分岐したフォーク状に形成され、その両側部分121、122を側方に貫通する貫通孔20がそれぞれに穿設され、ナックル4との回動連結部を構成している。また、中間部13には、コイルスプリング6の受け部材(13)が設けられている。
ロアアーム1は、図4〜図7に示すように、長手方向に一様な断面略四角形状をなす中空のアルミニウム合金製の押出形材1Aを二次加工することによって形成される。素材となる押出形材1Aは、図6に示すように、平坦な上面部14と下面部15とが、それらの両側部で2つの側壁部16、17によって連結された略四角筒状を基本としているが、上面部14の両側14a、14aが、前記各側壁部16、17との接続部を越えて幅方向に張出しており、上面部14の幅が下面部15に比べて広くなっている。
このような押出形材1Aから、ロアアーム1を形成するに際しては、先ず、図4に示すように、押出形材1Aの基端部11および先端部12の縁端から、上面部14および下面部15の幅方向中央部を、長手方向に沿ってスリット状に切欠し、U字状の切欠部110、120を形成する。図7(a)は、切欠部110を形成した基端部11の断面を示している。
次いで、図5に矢印で示すように、切欠部110によって分断された基端部11の両側部分111、112を両側方からプレスで圧縮して曲げ加工を行い、切欠部110の対向する縁部を突き合わせる。この際、両側部分111、112には、それらの基部を中心とした限られた範囲に緩やかな曲げ応力および剪断応力が付加されるのみであり、最小限の塑性変形で成形されるため、寸法精度や強度の低下を生じることがない。図7(a)は、両側方から圧縮され幅狭になった基端部11の断面を示している。なお、図1に示すように、押出形材1Bを必要に応じて厚さ方向に湾曲させる曲げ加工を行なっても良い。
さらに、突き合わされた両側部分111、112の側壁部16、17を貫通して貫通孔10、10を穿設するとともに、先端部12においても、両側部分121、122の側壁部16、17を貫通して貫通孔20、20を穿設する。なお、先端部12の貫通孔20、20は、切欠部120の形成前に穿設しておいても良い。
次に、基端部11の貫通孔10、10にブッシュ7を嵌挿する。ブッシュ7は、図7(c)に示すように、外筒71と、その内側に同軸に配置された内筒72と、それらの間に充填されたゴム部73で構成され、内筒72は外筒71よりも長く、外筒71の端部から両側に突出している。ブッシュ7の外筒71は、押出形材1Aと同様にアルミニウム合金で構成されている。ブッシュ7は、図8(a)に示すように、貫通孔10、10に貫通した状態に嵌入され、ブッシュ7の外筒71および内筒72の両端部は、両側部分111、112の側壁部16、17から側方に突出している。
次いで、図8(a)に示すように、ブッシュ7の外筒71の突出した両端部71aを、両側方から一対の押圧子8、8で挟んで加圧し、図8(b)に示すように、両端部71aを拡開してかしめることにより(71c)、突き合わせられた基端部11の両側部分111、112をブッシュ7の外筒71で連結するとともに、ブッシュ7を基端部11の貫通孔10、10に固定する。
ブッシュ外筒71の拡開かしめに使用する押圧子8は、ブッシュ内筒72と干渉せずにブッシュ外筒71を加圧できるように、少なくとも先端部が、中央に空洞80を有する中空円筒状に形成されている。押圧子8の押圧面は単純な平面または円錐面とすることもできるが、図9(a)および(b)に示すように、端面82の周方向に所定のピッチで間欠的に突設された複数(図示例では4箇所)の凸部81を備えることが好ましい。
このような押圧子8を用いてブッシュ外筒71を加圧することにより、外筒両端部71aの拡開部71cが、周方向に所定のピッチで間欠的な数箇所(図示例では4箇所)となり、図11に示すように、拡開部71cは花弁状または多角形状となる。これにより、全周を均等に拡開する場合に比べて、拡開部71cにおける周長変化を最小限に抑え、図11におけるdC−dBで示される拡開量を大きく確保することができ、拡開かしめによる連結強度を向上できる。
また、外筒両端部71aの拡開及びかしめ変形の少なくとも初期において、周方向の数箇所(図示例では4箇所)に圧縮応力が集中するため、この部分において比較的低い荷重で塑性変形が開始され、拡開変形に要する圧縮荷重を低減できるとともに、ブッシュ外筒71の中央部など非変形部分に付加される応力を低減でき、ブッシュ7の不要な変形を防止できる。
さらに、図10(a)および(b)に示すように、端面82′の周方向に所定のピッチで間欠的に突設されたそれぞれの凸部81′が、中心軸に向かい突出する傾斜角θを有する押圧子8′を用いれば、外筒両端部71aの拡開変形が傾斜面によって誘導され、拡開変形に要する圧縮荷重を一層低減できるとともに、拡開変形時における中心のずれが補正される利点もある。
なお、上記実施形態のブッシュ外筒71では、4箇所の拡開部71cが、周方向に90度間隔で配設される場合を示したが、拡開部71cの設置数および配置はこれ以外とすることもできる。上述のように拡開部71cが周方向に所定のピッチで間欠的に配設され、すなわち、周方向に対称性を有する基本的類型としては、(1)拡開部71cが周方向に等間隔で配設される態様と、(2)拡開部71cがブッシュ外筒71の中心を通り周方向に等間隔で設定された複数の対称軸それぞれについて対称に配置される態様とがある。例えば、周方向に120度間隔で設定された3本の対称軸について対称となるように±10度ずれた配置がこれに該当し、当然ながら、加工に用いる押圧子8、8′の凸部81、81′もこれに対応した配置となる。
次に、本発明のサスペンションアーム(1)におけるブッシュ7の固定強度およびアーム基端部11の両側部分111、112の連結強度を検証するために、ブッシュ外筒71と貫通孔10の嵌合公差と、ブッシュ外筒71の抜脱荷重との関係を調べる実験を以下のように行なった。
実験では、板厚2mmのアルミニウム合金製のブッシュ外筒を用い、ブッシュ外筒のアーム側壁部からの突出量a=6.0mm、ブッシュ外筒の拡開量(dC−dB)は、0.8〜1.4mmとして、図9に示した押圧子8(傾斜角θ=0°)を用いて拡開かしめを行なった場合と、図10に示した押圧子8′(傾斜角θ=10°)を用いて拡開かしめを行なった場合について、ブッシュ外筒の外径(dB)と貫通孔内径(dH)との嵌合公差(dB−dH)を、−0.3mm(緩み嵌め)〜+0.3mm(締まり嵌め)の間で0.1mmずつ変化させてブッシュ外筒の引き抜き試験を行い、抜脱荷重(kN)を測定した。また、比較のために、拡開かしめを行なわずにブッシュ外筒を単に嵌入(圧入)した場合についても同様の測定を行なった。
図12は、実験結果を示すグラフである。この結果から、本発明の方法に基づき拡開かしめを行なった場合には、嵌合公差がマイナスすなわち緩み嵌めの場合においても充分な固定強度が得られ、嵌合公差の許容範囲が広く、安定的な品質が得られることを示唆している。締まり嵌めの範囲で固定強度に頭打ちの傾向が見られる。単に圧入のみ行なった場合には充分な固定強度は得られず、嵌合公差0.2mm以上では逆に固定強度が減少している。
また、凸部に傾斜が有る押圧子8′では、抜脱荷重の測定値が安定しているのに対し、傾斜のない押圧子8では、抜脱荷重の測定値に多少変動が見られ、拡開変形時の微小な偏心や急激な変形による影響が考えられる。この結果から、安定的な品質を維持する上では、凸部に傾斜が有る押圧子8′を用いることが有利であると言える。
さらに、図13に示すように、拡開部71cが車両の上下方向Zおよび水平方向Wを避けるように配置することによって、ブッシュ7のゴム特性への影響を最低限とすることが好ましい。図示例では、4箇所の拡開部71cが、上下方向Zおよび水平方向Wに対して約45度ずれて90度間隔に配置されている。
以上、本発明の実施の形態について述べたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいてさらに各種の変形および変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、本発明のサスペンションアームを、マルチリンク式サスペンションのロアアームに実施する場合を示したが、ダブルウィッシュボーン式、トレーリングアーム式を始め、他の形式のサスペンションアームにも実施可能である。
本発明を自動車のリアサスペンションにおけるロアアームに実施した実施形態を示す側面図である。 本発明実施形態のロアアームを示す斜視図である。 図1のA−A断面図である。 本発明実施形態のロアアームの製造工程を示す斜視図である。 本発明実施形態のロアアームの製造工程を示す斜視図である。 図4のB−B断面図である。 (a)は図4のC−C断面図、(b)は図5のD−D断面図、(c)はブッシュの断面図である。 ブッシュ外筒の拡開かしめ工程を示す断面図である。 (a)はブッシュ外筒の拡開かしめ加工を行なう押圧子の例を示す正面図、(b)は、その側面図である。 (a)はブッシュ外筒の拡開かしめ加工を行なう押圧子の他の例を示す正面図、(b)はその側面図である。 拡開かしめ加工を行なったブッシュを示す端面図である。 ブッシュ外筒の嵌合公差と抜脱荷重との関係を示すグラフである。 本発明実施形態に係わるロアアーム基端部の取付け状況を示す側面図である。
符号の説明
1 ロアアーム
1A、1B 押出形材
2 アッパーアーム
3 車輪
4 ナックル
5 車体構造
6 コイルスプリング
7 ブッシュ
8、8′ 押圧子
10、20 貫通孔
11 基端部
12 先端部
13 中間部(コイルスプリング受け部)
14 上面部
15 下面部
16、17 側壁部
71 外筒
71c 拡開部
72 内筒
73 ゴム部
81、81′ 凸部
110、120 切欠部
111、112、121、122 両側部分

Claims (6)

  1. 上面部と下面部とが少なくとも2つの側壁部で連結され長手方向に一様な断面略四角形状をなす中空のアルミニウム合金製押出形材からの二次加工によって形成された車両用サスペンションアームであって、
    前記押出形材の一端部が、その縁端から前記上面部および前記下面部の幅方向中央部に長手方向に延びるスリット状の切欠部で分断され、その両側部分が、前記切欠部を変形代とした両側方からの曲げ加工で突き合わされて幅狭に構成されるとともに、該幅狭の両側部分で前記各側壁部を貫通する貫通孔に円筒状の連結部材が嵌挿され、かつ、前記連結部材の前記各貫通孔から側方に突出した両端部が拡開され、該拡開端部のかしめによって前記両側部分が一体に連結されており、前記一端部が、前記連結部材を介して車体構造側または車軸側に回動可能に連結されていることを特徴とする車両用サスペンションアーム。
  2. 前記連結部材の前記両端部が、周方向に所定のピッチで間欠的に複数箇所にて拡開されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用サスペンションアーム。
  3. 前記連結部材が、内筒と外筒とそれらの間に介在するゴム部とで構成されるブッシュであり、前記ブッシュの前記外筒が前記貫通孔に嵌挿され、かつ、前記外筒の両端部が拡開されており、前記押出形材の一端部が、前記ブッシュを介して車体構造側に揺動可能に枢支されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用サスペンションアーム。
  4. 前記押出形材の前記上面部が、前記各側壁部との接続部を越えて幅方向に張出しており、前記押出形材の長手方向中間部にコイルスプリングの受け部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の車両用サスペンションアーム。
  5. 上面部と下面部とが少なくとも2つの側壁部で連結され長手方向に一様な断面略四角形状をなす中空のアルミニウム合金製押出形材を用いた車両用サスペンションアームの製造方法であって、
    前記押出形材の一端部から、前記上面部および前記下面部の幅方向中央部を長手方向にスリット状に切欠する工程と、
    前記スリット状の切欠によって分断された前記押出形材一端部の両側部分を、両側方から曲げ加工して突き合わせる工程と、
    前記押出形材一端部に前記各側壁部を貫通する貫通孔を穿設する工程と、
    前記各側壁部の前記貫通孔に円筒状連結部材を嵌挿する工程と、
    前記連結部材の前記各貫通孔から側方に突出した両端部を拡開してかしめ、前記両側部分を一体に連結する工程と、を含む、車両用サスペンションアームの製造方法。
  6. 前記両側部分を一体に連結する工程が、前記連結部材の前記両端部をその周方向に所定のピッチで間欠的に複数箇所にて拡開してかしめることを含む、請求項5に記載の車両用サスペンションアームの製造方法。
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