JP2010071264A - 2気筒回転式圧縮機と冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、全能力運転と能力半減運転との能力可変をなし、信頼性を確保しつつ能力半減運転時の効率向上を確実に得られる2気筒回転式圧縮機と、この2気筒回転式圧縮機を備えて冷凍サイクル効率の向上化を得られる冷凍サイクル装置を提供する。
【解決手段】圧縮機構部3A,3Bは、中間仕切り板2、第1のシリンダ6A、第2のシリンダ6B、第1のシリンダ室Sa、主軸受7、第2のシリンダ室Sb、副軸受8、回転軸5に2つの偏心部a,b、主軸部5a、副軸部5b、2つの偏心ローラ9a,9bを有し、第2のシリンダ室で圧縮運転と非圧縮運転との切換を可能とした切換え機構Kを備えていて、副軸受に軸支される回転軸の副軸部軸径φDbは、
【数1】
Figure 2010071264

上記(1)式が成立するように構成される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、全能力運転と、能力半減運転との切換えが可能な2気筒回転式圧縮機と、この2気筒回転式圧縮機を備えて冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置に関する。
第1の圧縮機構部を構成する第1のシリンダと、第2の圧縮機構部を構成する第2のシリンダのそれぞれにシリンダ室を備えた2気筒回転式圧縮機が多用される。この種の圧縮機において、2つのシリンダ室同時に圧縮作用を行う、もしくはいずれか一方のシリンダ室での圧縮作用を中断して圧縮仕事を低減する、能力可変運転できれば有利である。
たとえば、[特許文献1]の2シリンダ型ロータリ式圧縮機は、シリンダ室を2室備え、それぞれのシリンダ室に偏心回転するローラと、このローラに弾性的に当接するブレード等からなる圧縮機構を備え、一方のシリンダ室のブレードをローラから離間保持するとともに、シリンダ室を高圧化して圧縮作用を中断させる高圧導入手段を備えている。
[特許文献2]に開示されるロータリ式密閉形圧縮機は、第1のシリンダと第2のシリンダのシリンダ室を二分するベーンをベーン室に収容し、第1のシリンダ側のベーンはばね部材によって押圧付勢し、第2のシリンダ側のベーンはベーン室に導かれるケース内圧力と、シリンダ室に導かれる吸込み圧もしくは吐出圧との差圧によって押圧付勢する。
特開平1−247786号公報 特開2004−301114号公報
ところで、このような全能力運転と、能力半減運転との切換えが可能な2気筒回転式型圧縮機においては、回転数が低くなると電動機部のモータ効率が低下する。そのため、能力半減運転をなす低能力域では、回転軸の回転数を2倍にすることでモータ効率の向上を図る必要がある。
上述の圧縮機において、最も軸摺動損失が大きい箇所は回転軸の偏心部であるので、この偏心部における摺動損失を低減しなければならない。しかしながら、[特許文献1]および[特許文献2]の圧縮機ではともに、回転数を上げるのにともなって、軸摺動損失割合が大きくなってしまい、能力半減運転時におけるモータ効率の向上を得難い。
なお、回転軸は主軸受に軸支される主軸部と、副軸受に軸支される副軸部とを備えているが、回転軸の偏心部に偏心ローラを組み込むにあたって、軸方向長さが主軸部よりは短い副軸部側から偏心ローラを挿入すれば、作業が容易に行える。そこで、偏心ローラの挿入をより容易にするために、単純に副軸部の軸径を小さく設定することが考えられる。
しかしながら、その反面、単純に副軸部の軸径を小さく設定すると、実際の圧縮運転時に副軸部の軸面の面圧が上昇し易くなる。特に、低回転域(低能力域)において潤滑油の油膜が形成され難くなり、信頼性の低下を招いてしまう。
本発明は上記事情にもとづきなされたものであり、その目的とするところは、2シリンダタイプで、全能力運転と能力半減運転との能力可変をなすことを前提として、信頼性を確保しつつ能力半減運転時のモータ効率の向上を確実に得られるようにした2気筒回転式圧縮機と、この2気筒回転式圧縮機を備えて冷凍サイクル効率の向上化を得られる冷凍サイクル装置を提供しようとするものである。
上記目的を満足するため本発明の2気筒回転式圧縮機は、密閉容器内に電動機部と圧縮機構部とを収容し、上記圧縮機構部は、中間仕切り板を介在して内径部を有する第1のシリンダと第2のシリンダを設け、第1のシリンダの電動機部側に中間仕切り板と第1のシリンダの内径部を覆って第1のシリンダ室を形成する主軸受を取付け、第2のシリンダの反電動機部側に中間仕切り板と第2のシリンダの内径部を覆って第2のシリンダ室を形成する副軸受を取付け、電動機部に連結される回転軸は第1のシリンダ室と第2のシリンダ室に互いに回転角を180°ずらせた2つの偏心部と、主軸受に軸支される主軸部と、副軸受に軸支される副軸部とを有し、この回転軸の偏心部に偏心ローラを嵌合して第1のシリンダ室と第2のシリンダ室内で回転駆動し、第2のシリンダ室において圧縮運転と非圧縮運転との切換を可能とした切換え機構を備え、副軸受に軸支される回転軸の副軸部軸径φDbは(1)式が成立するように構成される。
Figure 2010071264
φDa:主軸受に軸支される回転軸の主軸部軸径。L1:第1のシリンダの軸方向中心位置から回転軸主軸部の軸負荷位置(主軸部における第1のシリンダ室側端部から主軸部軸径の半分の距離)までの軸方向距離。L2:第1のシリンダの軸方向中心位置から第2のシリンダの軸方向中心位置までの軸方向距離。L3:第2のシリンダの軸方向中心位置から回転軸副軸部の軸負荷位置(副軸部における第2のシリンダ室側端部から副軸部軸径の半分の距離)までの軸方向距離。L4:回転軸の偏心部と偏心ローラとの摺動長さ。E:回転軸の偏心部の偏心量。
上記目的を満足するため本発明の冷凍サイクル装置は、上記2気筒回転式圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器とを備えて冷凍サイクルを構成する。
本発明によれば、2シリンダタイプで、全能力運転と能力半減運転との能力可変をなすことを前提として、信頼性を確保しつつ能力半減運転時のモータ効率の向上を確実に得られるようにした2気筒回転式圧縮機と、この2気筒回転式圧縮機を備えて冷凍サイクル効率の向上化を得られる冷凍サイクル装置を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面にもとづいて説明する。
図1は2気筒回転式圧縮機Rの縦断面図および冷凍サイクル装置の冷凍サイクル構成を示す図。図2は2気筒回転式圧縮機Rの要部を拡大した縦断面。図3は2気筒回転式圧縮機Rの一部を分解した斜視図である。(なお、図面上の煩雑さを避けるために、説明しても符号を付していない部品があり、図示しても説明しない部品もある。以下同)
はじめに2気筒回転式圧縮機Rから説明すると、1は密閉容器であって、この密閉容器1内の下部には圧縮機構部3が設けられ、上部には電動機部4が設けられる。これら圧縮機構部3と電動機部4は、回転軸5によって連結される。
上記圧縮機構部3は中間仕切り板2を介して、この中間仕切り板2の上面部に第1のシリンダ6Aを備え、下面部に第2のシリンダ6Bを備えている。さらに、第1のシリンダ6Aの上面部に主軸受7が取付け固定され、第2のシリンダ6Bの下面部に副軸受8が取付け固定される。
上記主軸受7は回転軸5の主軸部5aを軸支し、副軸受8は回転軸5の副軸部5bを軸支する。さらに、上記回転軸5は、第1、第2のシリンダ6A、6B内部を貫通するとともに、略180°の位相差をもって形成される第1の偏心部aと第2の偏心部bを一体に備えている。
第1、第2の偏心部a、bは互いに同一軸径をなし、第1、第2のシリンダ6A、6Bの内径部に位置するように組立てられる。第1の偏心部aの周面には、第1の偏心ローラ9aが嵌合され、第2の偏心部bの周面には、第2の偏心ローラ9bが嵌合される。
上記第1のシリンダ6Aの内径部は、主軸受7と中間仕切り板2によって囲まれていて、第1のシリンダ室Saが形成される。第2のシリンダ6Bの内径部は、副軸受8と中間仕切り板2によって囲まれていて、第2のシリンダ室Sbが形成される。
各シリンダ室Sa、Sbは互いに同一軸径および高さ寸法に形成され、上記偏心ローラ9a、9bの周壁一部が各シリンダ室Sa、Sbの周壁一部に線接触しながら偏心回転自在に収容される。
特に図3に示すように、第1のシリンダ6Aには、第1のシリンダ室Saと連通する第1のベーン室10aが設けられ、第1のベーン11aが移動自在に収容される。第2のシリンダ6Bには、第2のシリンダ室Sbと連通する第2のベーン室10bが設けられ、第2のベーン11bが移動自在に収容される。
第1、第2のベーン11a、11bの先端部は平面視で半円状に形成されており、対向するシリンダ室Sa、Sbに突出して平面視で円形状の上記第1、第2の偏心ローラ9a、9b周壁に、この回転角度にかかわらず線接触できる。
上記第1のシリンダ6Aのみ、第1のベーン室10aと、このシリンダ6Aの外周面とを連通する横孔fが設けられ、圧縮ばねであるばね部材12が収容される。ばね部材12は第1のベーン11aの後端側端面と密閉容器1内周壁との間に介在され、このベーン11aに弾性力(背圧)を付与する。
上記第2のベーン室10bには、第2のベーン11b以外に何らの部材も収容されていないが、後述するように第2のベーン室10bの設定環境および、切換え機構Kの作用に応じて、第2のベーン11bの先端縁を上記第2の偏心ローラ9b周面に接触できるようになっている。
すなわち、第2のシリンダ6Bの外形寸法形状と、中間仕切り板2および副軸受8の外径寸法との関係から、第2のシリンダ6Bの外形一部は密閉容器1内に露出する。この密閉容器1への露出部分が、ベーン室10bに相当するように設計されており、したがってベーン室10bおよびベーン11b後端部はケース内圧力を直接的に受ける。
特に、第2のシリンダ6Bおよび第2のベーン室10bは構造物であるからケース内圧力を受けても何らの影響もないが、第2のベーン11bは第2のベーン室10bに摺動自在に収容され、かつこの後端部が第2のベーン室10bに位置するので、密閉容器1内の圧力を直接的に受けることとなる。
そしてさらに、第2のベーン11bの先端部が第2のシリンダ室Sbに対向しており、ベーン11b先端部はこのシリンダ室Sb内の圧力を受ける。結局、第2のベーン11bは先端部と後端部が受ける互いの圧力の大小に応じて、圧力の大きい方から圧力の小さい方向へ移動するよう構成されている。
再び図1に示すように、密閉容器1の上端部には、冷媒管Pが接続される。冷媒管Pは、凝縮器15と、膨張装置16と、蒸発器17を介してアキュームレータ18に接続され、さらにアキュームレータ18から上記2気筒回転式圧縮機Rに接続されて冷凍サイクルが構成される。
なお説明すると、上記アキュームレータ18底部から2気筒回転式圧縮機Rに対して2本の吸込み冷媒管Pa,Pbが接続される。一方の吸込み冷媒管Paは密閉容器1と第1のシリンダ6A側部を貫通し、第1のシリンダ室Sa内に直接連通する。他方の吸込み冷媒管Pbは密閉容器1を介して第2のシリンダ6B側部を貫通し、第2のシリンダ室Sb内に直接連通する。
また、2気筒回転式圧縮機Rと凝縮器15とを連通する冷媒管Pの中途部から分岐冷媒管Pcが分岐して設けられる。この分岐冷媒管Pcは、中途部に第1の開閉弁20が設けられ、アキュームレータ18と第2のシリンダ室Sbとを連通する吸込み冷媒管Pbの中途部に接続される。
さらに、上記吸込み冷媒管Pbで、分岐冷媒管Pcの接続部よりも上流側には、第2の開閉弁21が設けられる。上記第1の開閉弁20および第2の開閉弁21は、それぞれ電磁開閉弁である。
このようにして、第2のシリンダ室Sbに接続される吸込み冷媒管Pb、分岐冷媒管Pc、第1の開閉弁20および第2の開閉弁21とで、上記切換え機構Kが構成される。そして、切換え機構Kの切換え作動に応じて、第2のシリンダ6Bのシリンダ室Sbに吸込み圧もしくは吐出圧が導かれるようになっている。
つぎに、上述の2気筒回転式圧縮機Rを備えた冷凍サイクル装置の作用について説明する。
a) 通常運転(全能力運転)を選択した場合:
通常運転の指示が入ると制御部は、切換え機構Kの第1の開閉弁20を閉成し、第2の開閉弁21を開放するよう制御し、かつインバータを介して電動機部4に運転信号を送る。回転軸5が回転駆動され、第1、第2の偏心ローラ9a,9bは同時に第1、第2のシリンダ室Sa,Sb内で偏心回転を行う。
第1のシリンダ6Aにおいては、第1のベーン11aがばね部材12によって常に弾性的に押圧付勢されるところから、第1のベーン11aの先端縁が第1の偏心ローラ9a周壁に摺接して、第1のシリンダ室Sa内を吸込み室と圧縮室に二分する。
第1の偏心ローラ9a周面が転接する第1のシリンダ室Sa内周面位置と第1のベーン11a先端とが一致し、第1のベーン11aが最も後退した状態で、第1のシリンダ室Saの空間容量が最大となる。冷媒ガスはアキュームレータ18から吸込み冷媒管Paを介して第1のシリンダ室Saに吸込まれ充満する。
さらに第1の偏心ローラ9aの偏心回転にともない、第1の偏心ローラ9a周面における第1のシリンダ室Sa内周面との転接位置が移動し、第1のシリンダ室Saの区画された圧縮室の容積が減少する。すなわち、先に第1のシリンダ室Saに導かれたガスが徐々に圧縮される。
回転軸5が継続して回転され、第1のシリンダ室Saに区画された圧縮室の容量がさらに減少してガスが圧縮され、所定圧まで上昇したところで吐出弁が開放する。高圧ガスはバルブカバーを介して密閉容器1内に吐出され充満する。そして、密閉容器1上部に接続される冷媒管Pから吐出される。
一方、切換え機構Kを構成する第1の開閉弁20が閉成されているので、第2のシリンダ室Sbに吐出圧(高圧)が導かれることはない。そして、第2の開閉弁21が開放されているので、蒸発器17で蒸発しアキュームレータ18で気液分離された低圧の蒸発冷媒が第2のシリンダ室Sbに導かれる。
上記第2のシリンダ室Sbは吸込み圧(低圧)雰囲気となる一方で、第2のベーン室10bが密閉容器1内に露出して吐出圧(高圧)下にある。第2のベーン11bにおいては、その先端部が低圧条件となり、かつ後端部が高圧条件となって、前後端部で差圧が存在する。
この差圧の影響で、第2のベーン11bの先端部が第2の偏心ローラ9bに摺接するように押圧付勢される。したがって、第2のシリンダ室Sbにおいても圧縮作用が行われることとなり、第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbの両方で圧縮作用がなされる、全能力運転となる。
密閉容器1から冷媒管Pを介して吐出される高圧ガスは、凝縮器15で外気もしくは水と熱交換して凝縮液化し、膨張装置16で断熱膨張し、蒸発器17で熱交換空気から蒸発潜熱を奪って冷凍作用をなす。
そして、蒸発したあとの冷媒はアキュームレータ18に導かれて気液分離され、再び各吸込み冷媒管Pa,Pbから2気筒回転式圧縮機Rにおける第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sb2に吸込まれて、上述の作用がなされ、上述の経路を循環する。
b) 特別運転(能力半減運転)を選択した場合:
特別運転(圧縮能力を半減する運転)を選択すると、切換え機構Kは第1の開閉弁20を開放し、第2の開閉弁21を閉成するように切換え設定する。第1のシリンダ室Saにおいては上述したように通常の圧縮作用がなされ、密閉容器1内に吐出された高圧ガスが充満してケース内高圧となる。
冷媒管Pから吐出される高圧ガスの一部が分岐冷媒管Pcに分流され、開放された第1の開閉弁20と吸込み冷媒管Pbを介して第2のシリンダ室Sb内に導入される。上記第2のシリンダ室Sbが吐出圧(高圧)雰囲気となる一方で、第2のベーン室10bはケース内高圧と同一の状況下にあることには変りがない。
そのため、第2のベーン11bは前後端部とも高圧の影響を受け、前後端部において差圧が存在しない。第2のベーン11bは偏心ローラ9bの回転にともなって蹴られ、この周面から離間した位置で停止状態を保持する。
第2の偏心ローラ9bは空回転をなしたままであり、第2のシリンダ室Sbでの圧縮作用は行われない(非圧縮運転状態)。結局、第1のシリンダ室Saでの圧縮作用のみが有効であり、能力を半減した運転がなされることになる。
なお、第2のシリンダ室Sbにおいて圧縮運転と非圧縮運転を切換える切換え機構Kは、上記実施の形態で示したものに限られない。たとえば、第2のベーン室10bの圧力を高圧と低圧に切換え、第2のベーン室10bの圧力を高圧にしたときに第2のシリンダ室Sbで圧縮運転をなし、低圧にしたときには非圧縮運転を行うようにしても良い。
このように、副軸受8側のシリンダ室、すなわち第2のシリンダ室Sbで圧縮運転と非圧縮運転との切換を可能とした2気筒回転式圧縮機Rにおいて、副軸受8に軸支される回転軸5の副軸部5b軸径φDbは、以下の(1)式が成立するように設定される。
Figure 2010071264
ここで、 φDa:主軸受7に軸支される回転軸5の主軸部5a軸径。
L1: 第1のシリンダ6Aの軸方向中心位置から回転軸主軸部5aの軸負荷位置(主軸部5aにおける第1のシリンダ室Sa側端部から主軸部5a軸径φDaの半分の距離Da/2)までの軸方向距離。
L2: 第1のシリンダ6Aの軸方向中心位置から第2のシリンダ6Bの軸方向中心位置までの軸方向距離。
L3: 第2のシリンダ6Bの軸方向中心位置から回転軸副軸部5bの軸負荷位置(副軸部5bにおける第2のシリンダ室Sa側端部から副軸部5b軸径φDbの半分の距離Db/2)までの軸方向距離。
L4: 回転軸5の偏心部bと偏心ローラ9bとの摺動長さ。
E: 回転軸5の偏心部bの偏心量。
すなわち、上述した2気筒回転式圧縮機Rにおいては、回転軸5の回転数が低くなると電動機部4であるモータの効率が低下する。そのため、低能力域では第2のシリンダ室Sbにおいて非圧縮運転状態(以下、「休筒運転」と呼ぶ)となし、かつ回転数を2倍に上げることでモータ効率を上げるよう制御している。
しかしながら、この場合は回転数を上げることによる軸摺動損失の増加を招き、軸摺動損失割合の大きい設計仕様においては、休筒運転によるモータ効率の向上が得られない。特に、2気筒回転式圧縮機Rにおいて最も軸摺動損失の大きい箇所は回転軸5に形成される偏心部a,bであるので、これら偏心部a,bでの摺動損失を低減させる必要がある。
図2に拡大して示すように、回転軸5に形成される第1の偏心部aと第2の偏心部bの、第1の偏心ローラ9aと第2の偏心ローラ9bに対する摺動長さをL4とし、第1の偏心部aと第2の偏心部bの軸径をφDcrとする。
図4は、横軸に(L4/φDcr)をとり、縦軸に偏心部摺動損失[W]をとった場合の、L4/φDcrと偏心部摺動損失の特性図であり、2気筒運転時および休筒運転時それぞれについて同能力下で比較して示す。
なお、偏心部摺動損失[W]の値は、第1、第2の偏心部a,bの第1、第2の偏心ローラ9a,9bに対する摺動長さL4を一定とし、第1、第2の偏心部軸径φDcrを変化させて導いている。また、休筒運転時の回転数は2気筒運転時の2倍とし、休筒側偏心部である第2の偏心部bの摺動損失は「0」と仮定している。
2気筒運転時の変化を破線で示し、休筒運転時の変化を実線で示す。この図から、L4/φDcr値の減少とともに損失差が大きくなるのが分る。
図5は、空気調和機としての冷房中間条件における同能力時のL4/φDcrと総合効率の特性図である。ここでも、横軸にL4/φDcrをとり、偏心部摺動長さL4を一定とし、偏心部軸径φDcrを変化させて導いている。縦軸は総合効率である。
この図から休筒運転による効率向上を得るには、
L4/φDcr ≧ 0.43 ……(2)
(2)式を満足する必要がある。
上述の冷房中間条件を得るための測定条件を、以下の[表1]に示す。
Figure 2010071264
なお、表1中の、kPaAは絶対圧。
再び図2に示すように、第1、第2の偏心部a,bの軸径φDcrと、副軸部5bの軸径φDbとの間には、特に第1の偏心部aに第1の偏心ローラ9aを副軸部5b側から組み込むために
φDcr ≧ φDb+2×E ……(3)
(3)式を満足する必要がある。
したがって、(2)式と(3)式を展開し、休筒運転による効率向上が得られる条件として、
φDb ≦ L4/0.43−2×E ……(4)
(4)式を満足しなければならない。
一方、上記副軸部5bの軸径φDbを小さくするにしたがって、軸面に対する面圧が上がり、特に低回転域(低能力域)において潤滑油の油膜が形成され難くなって信頼性が悪化する。
上述した2気筒回転式圧縮機Rにおいては、低能力域で副軸部5b側である第2のシリンダ室Sbを休筒させるため、回転軸5の主軸部5aにかかるガス負荷Faと、副軸部5bにかかるガス負荷Fbとの比は、図2に示すように、
Fa:Fb = (L2+L3):1 ……(5)
となる。
また、主軸部5aに対する面圧Paと、副軸部5bに対する面圧Pbとの比は、負荷を受ける摺動長比が軸径比と同等とすると、
Pa:Pb = (L2+L3)/φDa:L1/φDb ……(6)
となる。
ここで、回転軸5の副軸部5bにおいて主軸部5aと同等以上の面圧を確保するためには、
Figure 2010071264
(7)式を満たす必要がある。
したがって、これらのことから
Figure 2010071264
(1)式が導き出される。
すなわち、上述した(1)式を満足することで、信頼性を確保しつつ、休筒運転による効率向上が充分に得られる。
以下の表2は、(1)式を具体的に表現した設計例である。
Figure 2010071264
そして、このような2気筒回転式圧縮機Rを備えて冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置は、さらに冷凍効率の向上を得られる。
なお、本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。
本発明における一実施の形態に係る、2気筒回転式圧縮機の概略縦断面図および冷凍サイクル装置の冷凍サイクル構成図。 同実施の形態に係る、2気筒回転式圧縮機要部の拡大した縦断面図。 同実施の形態に係る、2気筒回転式圧縮機要部の一部分解斜視図。 同実施の形態に係る、偏心部摺動長さ/偏心部軸径に対する偏心部摺動損失の特性図。 同実施の形態に係る、偏心部摺動長さ/偏心部軸径に対する総合効率の特性図。
符号の説明
1…密閉容器、4…電動機部、3A…第1の圧縮機構部、3B…第2の圧縮機構部、2…中間仕切り板、6A…第1のシリンダ、6B…第2のシリンダ、Sa…第1のシリンダ室、7…主軸受、Sb…第2のシリンダ室、8…副軸受、a…第1の偏心部、b…第2の偏心部、5…回転軸、9a…第1の偏心ローラ、9b…第2の偏心ローラ、K…切換え機構、R…2気筒回転式圧縮機、15…凝縮器、16…膨張装置、17…蒸発器。

Claims (2)

  1. 密閉容器内に、電動機部と圧縮機構部とを収容し、
    上記圧縮機構部は、
    中間仕切り板を介在して設けられ、それぞれが内径部を有する第1のシリンダおよび第2のシリンダと、
    上記第1のシリンダの上記電動機部側に取付けられ、上記中間仕切り板とともに第1のシリンダの内径部を覆って第1のシリンダ室を形成する主軸受と、
    上記第2のシリンダの反電動機部側に取付けられ、上記中間仕切り板とともに第2のシリンダの内径部を覆って第2のシリンダ室を形成する副軸受と、
    上記第1のシリンダ室と第2のシリンダ室それぞれに収容され、互いに回転角を180°ずらせた2つの偏心部と、上記主軸受に軸支される主軸部および、上記副軸受に軸支される副軸部を有し、上記電動機部に連結される回転軸と、
    この回転軸の上記偏心部それぞれに嵌合され、上記第1のシリンダ室と第2のシリンダ室内で回転駆動される偏心ローラと、
    上記第2のシリンダ室において、圧縮運転と非圧縮運転との切換をなす切換え機構と、
    を具備する2気筒回転式圧縮機において、
    上記副軸受に軸支される上記回転軸の副軸部の軸径φDbは、
    Figure 2010071264
    φDa: 主軸受に軸支される回転軸の主軸部軸径
    L1: 第1のシリンダの軸方向中心位置から回転軸主軸部の軸負荷位置(主軸部における第1のシリンダ室側端部から主軸部軸径の半分の距離)までの軸方向距離
    L2: 第1のシリンダの軸方向中心位置から第2のシリンダの軸方向中心位置までの軸方向距離
    L3: 第2のシリンダの軸方向中心位置から回転軸副軸部の軸負荷位置(副軸部における第2のシリンダ室側端部から副軸部軸径の半分の距離)までの軸方向距離
    L4: 回転軸の偏心部と偏心ローラとの摺動長さ
    E: 回転軸の偏心部の偏心量
    上記(1)式が成立するように構成されることを特徴とする2気筒回転式圧縮機。
  2. 上記請求項1記載の2気筒回転式圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器とを備えて冷凍サイクルを構成することを特徴とする冷凍サイクル装置。
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