JP5068719B2 - 回転式圧縮機と冷凍サイクル装置 - Google Patents

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本発明は、複数のシリンダ室を備えた回転式型圧縮機と、この回転式圧縮機を備えて冷凍サイクルを構成する冷凍サイクル装置に関する。
[特許文献1]に開示される回転式圧縮機は、圧縮機構部を1個備えた1シリンダ型の回転式圧縮機において、シリンダ室の内径をDcy、シリンダの高さ(軸方向長さ)をH、回転軸の偏心部の軸径をDcr、回転軸の偏心部と偏心ローラとの軸方向の摺動長さ(接触長さ)をLとしたとき、
H/Dcy ≦ 0.4
L/Dcr ≧ 0.6
となるようにしたことを特徴としている。
特開2008−14150号公報
この[特許文献1]には、1シリンダ型の回転式圧縮機において、回転軸の偏心部の軸径と、偏心部と偏心ローラの軸方向の摺動長さとの関係は記載されているが、近時は、複数(2個)のシリンダを備えたタイプの回転式圧縮機が多用されている。このような2シリンダタイプの回転式圧縮機においては、上述の関係式が必ずしも最適条件ではない。
2シリンダタイプの回転式圧縮機においては、それぞれのシリンダ室で回転する偏心ローラを備えていて、各偏心ローラは回転軸に一体形成される偏心部に嵌合されている。そして、各偏心部相互間に形成される連結部は、その軸径が、偏心部の軸径より小さく設定することで、回転軸の一端側から偏心ローラを偏心部に嵌め込むことができる。
そこで、偏心ローラの外内径および軸方向長さと、回転軸偏心部の軸径および軸方向長さを設計するにあたり、実際に圧縮運転をなした際の、回転軸偏心部と、ここに嵌合される偏心ローラとの摺動損失の抑制化を考慮するとともに、偏心部相互間に形成される連結部の剛性不足によるたわみ変形の防止を考慮しないと、圧縮性能の低下の虞れがある。
本発明は上記事情にもとづきなされたものであり、その目的とするところは、回転軸偏心部の軸径と、偏心部と偏心ローラの摺動長さとの関係および、偏心部相互間の連結部の撓みを考慮した部品構成として、回転軸の偏心部と偏心ローラとの摺動損失の抑制化を図り、偏心部相互間の連結部における剛性不足を解消してたわみ変形の防止と圧縮性能の向上化を得られる回転式圧縮機と、この回転式圧縮機を備えて冷凍サイクル効率の向上化を得られる冷凍サイクル装置を提供しようとするものである。
上記目的を満足するため本発明の回転式圧縮機は、密閉容器内に電動機部と圧縮機構部を収容し、上記圧縮機構部は、中間仕切り板を介在して設けられそれぞれが内径部を有する複数のシリンダと、一方のシリンダに取付けられ中間仕切り板とともにシリンダの内径部を覆ってシリンダ室を形成する主軸受と、他方のシリンダに取付けられ中間仕切り板とともにシリンダの内径部を覆ってシリンダ室を形成する副軸受と、各シリンダ室それぞれに収容される偏心部、主軸受に軸支される主軸部、副軸受に軸支される副軸部を有し電動機部に連結する回転軸と、回転軸の偏心部それぞれに嵌合し各シリンダ室内で回転駆動する偏心ローラとを具備し、回転軸の偏心部半径をRc、回転軸の主軸部半径をRm、回転軸の副軸部半径をRs、偏心部の偏心量をeとしたとき、
Rc<Rm+e ……(1)、 Rc≧Rs+e ……(2)
(1)式および(2)式が成り立ち、かつ隣接する偏心部相互間の連結部を円柱状もしくは円筒状とし、偏心部間の連結部の軸方向長さをL、連結部の軸径をφD、偏心ローラの軸方向長さ(厚み)をHとしたとき、
(2L−H)/(D+2e)≧0.5 ……(3)
(3)式が成り立ち、圧縮運転時の吐出圧力と吸込み圧力の差圧をΔP、偏心ローラの外径をφDro、回転軸のヤング率をE、連結部の断面2次モーメントをM、偏心部相互間の連結部の円筒内径をφDiとしたとき、
(ΔP・Dro・H・L)/(E・M)≦0.02[mm] ……(4)
ただし、M=π・(D−Di)/64 (4)式が成り立つ。
上記目的を満足するため本発明の冷凍サイクル装置は、上記回転式圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器とを備えて冷凍サイクルを構成する。
本発明によれば、回転軸の偏心部と偏心ローラとの摺動損失の抑制化を図り、偏心部相互間の連結部における剛性不足を解消してたわみ変形の防止と圧縮性能の向上化を得られる回転式圧縮機と、この回転式圧縮機を備えて冷凍サイクル効率の向上化を得られる冷凍サイクル装置を提供できる。
以下、本発明の実施の形態を、図面にもとづいて説明する。
図1は、回転式圧縮機Rの一部を省略した縦断面図と冷凍サイクル装置の冷凍サイクル構成図。図2は回転式圧縮機の要部を拡大した縦断面図である。(なお、図面上の煩雑さを避けるために、説明しても符号を付していない部品があり、図示しても説明しない部品もある。以下同)
はじめに回転式圧縮機Rから説明すると、1は密閉容器であって、この密閉容器1内の下部には圧縮機構部3が設けられ、上部には電動機部4が設けられる。これら圧縮機構部3と電動機部4は、回転軸5によって連結される。
上記圧縮機構部3は、中間仕切り板2を介して、この中間仕切り板2の上面部に第1のシリンダ6Aを備え、下面部に第2のシリンダ6Bを備えている。さらに、第1のシリンダ6Aの上面には主軸受7が取付け固定され、第2のシリンダ6Bの下面には副軸受8が取付け固定される。
上記主軸受7は回転軸5の主軸部5aを軸支し、副軸受8は回転軸5の副軸部5bを軸支する。上記回転軸5は、第1、第2のシリンダ6A、6B内部を貫通するとともに、略180°の位相差をもって形成される第1の偏心部aと第2の偏心部bを一体に備えている。
第1、第2の偏心部a、bは互いに同一直径をなし、第1、第2のシリンダ6A、6Bの内径部に位置するように組立てられる。第1の偏心部aの周面には、第1の偏心ローラ9aが嵌合され、第2の偏心部bの周面には、第2の偏心ローラ9bが嵌合される。
上記第1のシリンダ6Aの内径部は、主軸受7と中間仕切り板2によって囲まれていて、第1のシリンダ室Saが形成される。第2のシリンダ6Bの内径部は、副軸受8と中間仕切り板2によって囲まれていて、第2のシリンダ室Sbが形成される。
各シリンダ室Sa、Sbは互いに同一直径および高さ寸法に形成され、上記偏心ローラ9a、9bの周壁一部が各シリンダ室Sa、Sbの周壁一部に線接触しながら偏心回転自在に収容される。
特に図示していないが、第1のシリンダ6Aには、第1のシリンダ室Saと連通するベーン室が設けられ、ベーンが移動自在に収容される。第2のシリンダ6Bには、第2のシリンダ室Sbと連通するベーン室が設けられ、ベーンが移動自在に収容される。
それぞれのベーンの先端部は平面視で半円状に形成されており、対向するシリンダ室Sa、Sbに突出して平面視で円形状の上記第1、第2の偏心ローラ9a、9b周壁に、この回転角度にかかわらず線接触できる。
第1のシリンダ6Aのベーン室と、このシリンダ6Aの外周面とを連通する横孔が設けられ、圧縮ばねであるばね部材が収容される。このばね部材はベーンの後端側端面と密閉容器1内周壁との間に介在され、上記ベーンに弾性力(背圧)を付与する。
第2のシリンダ6Bのベーン室と、このシリンダ6Bの外周面とを連通する横孔が設けられ、圧縮ばねであるばね部材が収容される。このばね部材はベーンの後端側端面と密閉容器1内周壁との間に介在され、上記ベーンに弾性力(背圧)を付与する。
一方、上記密閉ケース1の上端部には冷媒管Pが接続されていて、この冷媒管Pは、凝縮器15と、膨張装置16と、蒸発器17を介して図示しないアキュームレータに接続される。
さらに、上記アキュームレータから、回転式圧縮機Rの密閉ケース1と第1のシリンダ6A側部を貫通して第1のシリンダ室Sa内に直接連通する第1の吸込み冷媒管Paと、密閉ケース1と第2のシリンダ6B側部を貫通して第2のシリンダ室Sb内に直接連通する第2の吸込み冷媒管Pbが接続される。
このようにして、冷凍サイクル装置の冷凍サイクルが構成される。
つぎに、上述の回転式圧縮機Rを備えた冷凍サイクル装置の作用について説明する。
運転開始の指示が入ると制御部は、インバータを介して電動機部4に運転信号を送る。回転軸5が回転駆動され、第1、第2の偏心ローラ9a,9bは同時に第1、第2のシリンダ室Sa,Sb内で偏心回転を行う。
第1のシリンダ6Aにおいては、ベーンがばね部材によって常に弾性的に押圧付勢されるところから、ベーンの先端縁が第1の偏心ローラ9a周壁に摺接して、第1のシリンダ室Sa内を吸込み室と圧縮室に二分する。
第1の偏心ローラ9a周面での第1のシリンダ室Sa内周面転接位置と、ベーン先端位置とが一致し、ベーンが最も後退した状態で、第1のシリンダ室Saの空間容量が最大となる。冷媒ガスはアキュームレータから冷媒管Paを介して第1のシリンダ室Saに吸込まれ充満する。
第1の偏心ローラ9aの偏心回転にともなって、第1の偏心ローラ9a周面における第1のシリンダ室Sa内周面との転接位置が移動し、第1のシリンダ室Saの区画された圧縮室の容積が減少する。すなわち、先に第1のシリンダ室Saに導かれたガスが徐々に圧縮される。
回転軸5が継続して回転され、第1のシリンダ室Saに区画された圧縮室の容量がさらに減少してガスが圧縮され、所定圧まで上昇したところで吐出弁が開放する。高圧ガスはバルブカバーを介して密閉ケース1内に吐出され充満する。そして、密閉ケース1上部に接続される冷媒管Pから吐出される。
一方、第1の偏心部9aに対して第2の偏心部9bが、180°位相がずれた位置に設けられるところから、第1の偏心部9aの偏心回転にともなう第1のシリンダ室Saでの圧縮作用と、第2の偏心部9bの偏心回転にともない第2のシリンダ室Sbで圧縮作用が、180°の位相差をもって行われる。
いずれのシリンダ室Sa,Sbにおいても、圧縮された高圧ガスはバルブカバーを介して密閉ケース1内に吐出され、混合して充満する。高圧ガスは回転式圧縮機Rから冷媒管Pに吐出されて凝縮器15に導かれ、外気もしくは水と熱交換して凝縮液化する。この液冷媒は、膨張装置16に導かれて断熱膨張し、蒸発器17に導かれて熱交換空気から蒸発潜熱を奪って冷凍作用をなす。
蒸発器17で蒸発したあとの冷媒はアキュームレータに導かれて気液分離され、蒸発冷媒のみ各吸込み冷媒管Pa,Pbから回転式圧縮機Rにおける第1のシリンダ室Saと第2のシリンダ室Sbに吸込まれる。そして、再び上述の作用がなされ、上述の経路を循環する。
このような冷凍サイクル装置に備えられる回転式圧縮機Rにおいて、回転軸5の偏心部a,b半径をRc、回転軸5の主軸部5a半径をRm、回転軸5の副軸部5b半径をRs、偏心部a,bの偏心量をeとしたとき、
Rc < Rm+e ……(1)
Rc ≧ Rs+e ……(2)
(1)式および(2)式が成り立つように設計されている。
隣接する第1の偏心部aと、第2の偏心部b相互間に形成される連結部10は、円柱状もしくは円筒状に形成される。上記連結部10の軸方向長さをL、連結部10の軸径をφD、偏心ローラ9a,9bの軸方向長さ(厚み)をHとすると、
(2L−H)/(D+2e) ≧ 0.5 ……(3)
(3)式が成り立つように設計されている。
図4は、偏心部a,bと偏心ローラ9a,9bそれぞれの摺動長さLcr/偏心部a,bの直径φDcrと、偏心部a,bの摺動損失との特性図であり、いわゆるマッキーの実験式等の関係がある。
なお説明すると、図4は、回転軸5の偏心部a,bの直径をφDcr、偏心部a,bと偏心ローラ9a,9bとの摺動長さをLcrとし、Lcr/φDcrを横軸にとり、偏心部a,bの摺動損失を縦軸にとっている。
結果として、Lcr/φDcrが0.5よりも大きければ、回転軸5の摺動部a,bにおける摺動損失が小さくてすむが、Lcr/φDcrが0.5よりも小さい範囲で回転軸5の摺動部a,bにおける摺動損失が大きく増加することが分る。
また、上述するように複数のシリンダ6A,6Bを備え、それぞれのシリンダ室Sa,Sbに回転軸5の偏心部a,bが収容される回転式圧縮機Rの構成では、偏心部a,bに対して偏心ローラ9a,9bを嵌合する作業を円滑に行うために、最適の設計をなす必要がある。
図3(A)〜(D)は、回転軸5の主軸部5a側に設けられる第1の偏心部aに、第1の偏心ローラ9aを嵌合する工程を順に示す図である。
図3(A)に示すように、たとえば回転軸5の中心軸CLに対して第1の偏心部aが図の左側へ突出し、第2の偏心部bが図の右側へ突出して保持する。この図以前の状態として、第1の偏心ローラ9aを回転軸5の副軸部5b側端部から挿入し、副軸部5bを通過させたあと、図のように第1の偏心ローラ9aを第2の偏心部bに嵌め込む。
なお、第2の偏心部bは、回転軸5の中心軸CLとは偏心量eだけ偏心している。第2の偏心部b半径をRcとすると、ここに嵌め込まれる第1の偏心ローラ9a内径部の直径は2Rcとなる。
また、第2の偏心部bにおける反偏心側の周面位置と、連結部10の周面一部とが一致するよう形成され、第1の偏心部aにおける反偏心側の周面位置と、連結部10の周面一部とが一致するよう形成されている。
図3(A)から図3(B)に示すように、第1の偏心ローラ9aを第2の偏心部bから抜き出して、一旦、第1の偏心部aと第2の偏心部b相互間に形成される連結部10に位置するよう、第1の偏心ローラ9aを移動する。
この状態で、 第1の偏心ローラ9aの軸方向長さ(厚み)H>連結部10の軸方向長さL となるように構成されている。そこで、第1の偏心ローラ9aの内径部で、軸方向の両端部に面取り部qを設けないと、それ以上は第1の偏心ローラaを移動することができない。
このようにして設けられる上記面取り部qは、それぞれの軸方向長さが (H−L) 以上に設定しなければならない。したがって、第1の偏心ローラ9aにおける軸方向長さHから、2つの面取り部qの合計長さ2(H−L)を差し引いた長さが、第1の偏心ローラ9aの摺動長さとして確保される。
具体的に、第1の偏心ローラ9aの摺動長さは、 H−2(H−L) となり、これを展開すると、 2L−H 以下となる。この第1の偏心ローラ9aが嵌め込まれ、互いに摺動する第1の偏心部aの軸方向長さ、すなわち第1の偏心ローラ9aに対する摺動長さも、当然ながら 2L−H となる。
図3(B)の状態から、第1の偏心ローラ9aを図に矢印で示すように反時計回り方向に傾ける。そのままの姿勢で第1の偏心ローラ9aを図の左方向に移動すると、第1の偏心ローラ9aの内径部に設けた面取り部qが第2の偏心部bの上端角部を乗り越える。
さらに、第1の偏心ローラ9aを図の左方向に移動することで、第1の偏心ローラ9aの下端面が第2の偏心部bの上端面に接しながら滑り、第1の偏心ローラ9bの上端面が第1の偏心部aの下端面に接しながら滑る。
ついには、図3(C)に示すように、第1の偏心ローラ9aが第2の偏心部bの上端面上に載り、この内径部が連結部10の周面と第1の偏心部aの偏心側周面に対向する。
つぎに、図3(D)に示すように、第1の偏心ローラ9aを上方へずらすことによって、第1の偏心ローラ9aは第1の偏心部aに嵌め込まれる。
このとき、第1の偏心部aの軸径は、 D+2e 以上でなければ第1の偏心ローラ9aを第1の偏心部aに組み付けられないので、先に図4から説明した第1の偏心部aの摺動長さLcr/軸径φDcrの関係は、 (2L−H)/(D+2e) 以下となる。
さらに、図4から、 Lcr/φDcr≧0.5 が導かれるので、
(2L−H)/(D+2e) ≧ 0.5 ……(3)
上述した(3)式の関係が成立する構成となすことにより、第1、第2の偏心部a,bと第1、第2の偏心ローラ9a,9bとの摺動損失の大幅増加を抑制して性能の高い回転式圧縮機Rを提供できる。
さらにそのうえ、圧縮運転時の回転式圧縮機Rにおける吐出圧力と吸込み圧力との差圧をΔP、第1、第2の偏心ローラ9a、9bの外径をφDro、回転軸5のヤング率をE、偏心部a,b相互間の連結部10の断面2次モーメントをMとすると、
(ΔP・Dro・H・L)/(E・M) ≦ 0.02[mm] ……(4)
(4)式が成り立つように構成することにより、偏心部a,b相互間の連結部10の撓み変形を防止して、圧縮性能の向上を得られる。
ただし、 M=π・(D4−Di)/64 であり、Diは偏心部a,b相互間の円筒状連結部10の内径である。
なお説明すると、長さL、ヤング率E、断面2次モーメントMで、断面積が一定の片持ち梁において、先端に荷重Fが作用する場合、この片持ち梁先端の撓みσは、
σ = (F・L)/(3・E・M) ……(5)
(5)式が成り立つことが知られている。
上記連結部10においても、一方のシリンダ室SaもしくはSbにおけるガス負荷による撓み量は、 (ΔP・Dro・H・L)/(E・M) に比例すると考えられる。
図5は、特定条件における (ΔP・Dro・H・L)/(E・M) とCPOの関係図である。
図5から、 (ΔP・Dro・H・L)/(E・M) が大きくなると、回転軸5の各偏心部a,b相互間に形成される連結部10の撓み変形によるクリアランスの拡大等が生じ、圧縮性能が悪化することが分る。
特に、 (ΔP・Dro・H・L)/(E・M)>2[mm] になると、連結部10での撓み変形発生による圧縮性能の低下がある。
そこで、先に説明した(4)式である、
(ΔP・Dro・H・L)/(E・M) ≦ 0.02[mm] ……(4)
ただし、 M=π・(D4−Di)/64 であり、Diは円筒状連結部10の内径である。
(4)式を満足する構成を採用することで、連結部10における剛性不足による撓み変形で圧縮性能が低下するのを防止し、圧縮性能の向上を得られる。
以下の[表1]は、(4)式を満足する具体的な設計例である。
Figure 0005068719
図5の縦軸に示すCOPoは、上記[表1]の (ΔP・Dro・H・L)/(E・M)=0.0137 におけるCOP値である。
また、 (ΔP・Dro・H・L)/(E・M) が0.02[mm]以下であれば、図5に示すように連結部10の撓み変形による圧縮性能の低下を防止できるが、上記 (ΔP・Dro・H・L)/(E・M) の値が小さくなるにしたがって、 (2L−H)/(D+2e) の値が小さくなる。
しかしながら、 (ΔP・Dro・H・L)/(E・M) が0.01[mm]以上であれば、多くの条件において (2L−H)(D+2e)≧0.5 の条件を満たすことが可能である。
結論として、より好ましくは、
(ΔP・Dro・H・L)/(E・M)≧0.01[mm] ……(5)
(5)式が成り立つように構成すればよい。
なお、本発明は上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。そして、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。
本発明における一実施の形態に係る、回転式圧縮機の概略縦断面図および冷凍サイクル装置の冷凍サイクル構成図。 同実施の形態に係る、2気筒回転式圧縮機要部の拡大した縦断面図。 同実施の形態に係る、回転軸の第1の偏心部へ第1の偏心ローラを組込む工程を順に示す図。 同実施の形態に係る、偏心部摺動長さ/偏心部軸径に対する偏心部摺動損失の特性図。 同実施の形態に係る、 (ΔP・Dro・H・L)/(E・M) に対するCOPの特性図。
符号の説明
1…密閉容器に、4…電動機部、3…圧縮機構部、2…中間仕切り板、6A…第1のシリンダ、6B…第2のシリンダ、Sa…第1のシリンダ室、Sb…第2のシリンダ室、7…主軸受、8…副軸受、a…第1の偏心部、b…第2の偏心部、5a…主軸部、5b…副軸部、5…回転軸、9a…第1の偏心ローラ、9b…第2の偏心ローラ、R…回転式圧縮機、10…連結部、15…凝縮器、16…膨張装置、17…蒸発器。

Claims (3)

  1. 密閉容器内に、電動機部と圧縮機構部とを収容し、
    上記圧縮機構部は、
    中間仕切り板を介在して設けられ、それぞれが内径部を有する複数のシリンダと、
    上記一方のシリンダに取付けられ、上記中間仕切り板とともに一方のシリンダの内径部を覆って第1のシリンダ室を形成する主軸受と、
    上記他方のシリンダに取付けられ、上記中間仕切り板とともに他方のシリンダの内径部を覆って第2のシリンダ室を形成する副軸受と、
    上記第1のシリンダ室と第2のシリンダ室それぞれに収容される偏心部、上記主軸受に軸支される主軸部および、上記副軸受に軸支される副軸部を有し、上記電動機部に連結される回転軸と、
    この回転軸の上記偏心部それぞれに嵌合され、第1のシリンダ室と第2のシリンダ室内で回転駆動される偏心ローラと、
    を具備する回転式圧縮機において、
    上記回転軸の偏心部半径をRc、回転軸の主軸部半径をRm、回転軸の副軸部半径をRs、偏心部の偏心量をeとしたとき、
    Rc < Rm+e ……(1)
    Rc ≧ Rs+e ……(2)
    (1)式および(2)式が成り立ち、かつ隣接する偏心部相互間の連結部は、円柱状もしくは円筒状に形成され、
    上記連結部の軸方向長さをL、連結部の軸径をφD、上記偏心ローラの軸方向長さ(厚み)をHとしたとき、
    (2L−H)/(D+2e) ≧ 0.5 ……(3)
    (3)式が成り立ち、
    かつ、圧縮運転時の吐出圧力と吸込み圧力の差圧をΔP、偏心ローラの外径をφDro、回転軸のヤング率をE、連結部の断面2次モーメントをMとしたとき、
    (ΔP・Dro・H・L)/(E・M) ≦ 0.02[mm] ……(4)
    (4)式が成り立つことを特徴とする回転式圧縮機。
    ただし、 M = π・(D−Di)/64
    Di:円筒状連結部の内径
  2. より好ましくは、
    (ΔP・Dro・H・L)/(E・M) ≧ 0.01[mm] ……(5)
    (5)式が成り立つことを特徴とする請求項1記載の回転式圧縮機。
  3. 上記請求項1および請求項2のいずれかに記載の回転式圧縮機と、凝縮器と、膨張装置と、蒸発器とを備えて冷凍サイクルを構成することを特徴とする冷凍サイクル装置。
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