JP2016161211A - 冷凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮機の摺動部に、冷媒で希釈された低粘度の冷凍機油が供給されることによる摺動部の損傷を抑制することができる冷凍装置を提供する。【解決手段】冷凍装置は、スクロール圧縮機111と、油分離器112と、第1絞り部113と、熱交換器114と、油供給部とを備える。スクロール圧縮機111は、冷媒が圧縮される圧縮室と、冷凍機油が供給される摺動部とを有する。油分離器112では、摺動部に供給された冷凍機油が貯留される。第1絞り部113は、油分離器112に貯留された冷凍機油を減圧する。熱交換器114は、第1絞り部113によって減圧された冷凍機油を、圧縮室で圧縮された冷媒の熱によって加熱する。油供給部は、熱交換器114で加熱されて、冷凍機油に混ざっていた冷媒の少なくとも一部が蒸発して取り除かれた冷凍機油をスクロール圧縮機111に供給する。【選択図】図2

Description

本発明は、冷凍装置に関する。
圧縮機を備える冷凍装置では、圧縮機から吐出された冷媒には、圧縮機の摺動部の潤滑に用いられた冷凍機油が混ざり合っている。そのため、従来、特許文献1(特開2004−286240号公報)に開示されているように、圧縮機の吐出側の配管には、圧縮機から吐出された冷媒から冷凍機油を分離するための油分離器が接続されている。油分離器において冷媒から分離された冷凍機油は、圧縮機に戻される。油分離器において冷凍機油が分離された冷媒は、凝縮器に導かれる。
しかし、油分離器を用いても、冷媒から冷凍機油を完全に分離することは困難である。また、多量の液冷媒が圧縮機に戻った時などにおいて、冷凍機油は、冷媒によって希釈される場合がある。冷凍機油は、冷媒によって希釈されることで粘度が低下する。低粘度の冷凍機油が摺動部に供給されると、摺動部の潤滑状態が悪化して、摺動部の磨耗の加速および焼き付きが発生する。これにより、摺動部が損傷して、圧縮機の寿命が低下するおそれがある。
本発明の課題は、圧縮機の摺動部に、冷媒で希釈された低粘度の冷凍機油が供給されることによる摺動部の損傷を抑制することができる冷凍装置を提供することにある。
本発明の第1観点に係る冷凍装置は、圧縮機と、油貯留部と、第1減圧部と、熱交換部と、油供給部とを備える。圧縮機は、冷媒が圧縮される圧縮室と、冷凍機油が供給される摺動部とを有する。油貯留部では、摺動部に供給された冷凍機油が貯留される。第1減圧部は、油貯留部に貯留された冷凍機油を減圧する。熱交換部は、第1減圧部によって減圧された冷凍機油を、圧縮室で圧縮された冷媒の熱によって加熱する。油供給部は、熱交換部で加熱されて、冷凍機油に混ざっていた冷媒の少なくとも一部が蒸発して取り除かれた冷凍機油を圧縮機に供給する。
第1観点に係る冷凍装置は、冷媒で希釈された高圧の冷凍機油を油貯留部に貯留する。油貯留部の冷凍機油は、第1減圧部で減圧され、熱交換部において、圧縮機で圧縮された冷媒との熱交換によって加熱される。これにより、冷凍機油に含まれる冷媒が気化して冷凍機油から分離するので、油貯留部の冷凍機油の濃度および粘度が上昇する。その結果、高粘度の冷凍機油が、圧縮機の摺動部に供給される。冷媒で希釈された低粘度の冷凍機油が摺動部に供給されると、摺動部が損傷して、圧縮機の寿命が低下するおそれがある。従って、第1観点に係る冷凍装置は、圧縮機の摺動部の損傷を抑制することができる。
本発明の第2観点に係る冷凍装置は、第1観点に係る冷凍装置であって、油貯留部は、圧縮室で圧縮されて圧縮機から吐出された冷媒に混ざっている冷凍機油を、冷媒から分離するための油分離器である。
第2観点に係る冷凍装置は、油分離器において、圧縮機の摺動部に供給された冷凍機油と、圧縮機で圧縮された冷媒との混合物から、冷凍機油を分離することができる。
本発明の第3観点に係る冷凍装置は、第2観点に係る冷凍装置であって、熱交換部は、油分離器で分離された冷媒の熱によって冷凍機油を加熱する。
第3観点に係る冷凍装置は、熱交換部において、圧縮機で圧縮された高温の冷媒の熱を利用して、油分離器で分離された冷凍機油を効率的に加熱することができる。
本発明の第4観点に係る冷凍装置は、第1乃至第3観点のいずれか1つに係る冷凍装置であって、油貯留部は、圧縮機の外部に設置されている。
本発明の第5観点に係る冷凍装置は、第1乃至第4観点のいずれか1つに係る冷凍装置であって、油供給部は、摺動部に冷凍機油を供給する給油路を含む。
第5観点に係る冷凍装置は、油供給部の給油路によって、冷媒が分離された高粘度の冷凍機油が、圧縮機の摺動部に直接供給される。
本発明の第6観点に係る冷凍装置は、第1乃至第5観点のいずれか1つに係る冷凍装置であって、気液分離部をさらに備える。気液分離部では、熱交換部で加熱された冷凍機油と、冷凍機油から取り除かれた冷媒とが、互いに分離された状態で貯留される。
第6観点に係る冷凍装置は、気液分離部において、冷媒が分離された高粘度の冷凍機油と、冷凍機油から分離された冷媒とを、互いに分離された状態で貯留することができる。これにより、第6観点に係る冷凍装置は、気液分離部によって、高粘度の冷凍機油を、圧縮機の摺動部に安定的に供給することができる。
本発明の第7観点に係る冷凍装置は、第6観点に係る冷凍装置であって、気液分離部は、圧縮機の外部に設置されている。
本発明の第8観点に係る冷凍装置は、第7観点に係る冷凍装置であって、第2冷媒導入路をさらに備える。圧縮機は、固定スクロールと、固定スクロールと噛み合うことで圧縮室を形成する可動スクロールとを有する。圧縮機は、可動スクロールを固定スクロールに押し付ける圧力を有する背圧空間を有する。第2冷媒導入路は、気液分離部に貯留されている冷媒を背圧空間に導く。背圧空間は、冷媒が圧縮される途中の圧縮室と連通する。
第8観点に係る冷凍装置は、気液分離部に貯留されている冷媒を、スクロール圧縮機内部の背圧空間に供給することができる。これにより、第8観点に係る冷凍装置は、背圧空間の圧力を安定的に保ち、スクロール圧縮機の寿命の低下を抑制することができる。
本発明の第9観点に係る冷凍装置は、第7観点に係る冷凍装置であって、第2減圧部と、第1冷媒導入路とをさらに備える。第2減圧部は、気液分離部に貯留されている冷媒をさらに減圧する。第1冷媒導入路は、第2減圧部で減圧された冷媒を、圧縮室で圧縮される前の冷媒が流れる吸入空間に導く。
第9観点に係る冷凍装置は、気液分離部に貯留されている冷媒を、第2減圧部によってさらに減圧して、圧縮機で圧縮される前の冷媒に合流させることができる。これにより、第9観点に係る冷凍装置は、圧縮機の摺動部に供給された冷凍機油に含まれる冷媒を効率的に回収して再利用することができる。
本発明の第10観点に係る冷凍装置は、第6観点に係る冷凍装置であって、圧縮機は、固定スクロールと、固定スクロールと噛み合うことで圧縮室を形成する可動スクロールとを有する。圧縮機は、可動スクロールを固定スクロールに押し付ける圧力を有する背圧空間を有する。気液分離部は、背圧空間に設置されている。
第10観点に係る冷凍装置は、スクロール圧縮機内部の背圧空間において、冷媒が分離された高粘度の冷凍機油と、冷凍機油から分離された冷媒とを、互いに分離された状態で貯留することができる。これにより、第10観点に係る冷凍装置は、背圧空間の圧力を安定的に保ち、スクロール圧縮機の寿命の低下を抑制することができる。
本発明の第11観点に係る冷凍装置は、第1乃至第10観点のいずれか1つに係る冷凍装置であって、冷媒は、R32を含む。
本発明の第1観点乃至第11観点に係る冷凍装置は、圧縮機の摺動部に、冷媒で希釈された低粘度の冷凍機油が供給されることによる摺動部の損傷を抑制することができる。
第1実施形態の冷凍装置の冷媒回路図である。 圧縮機ユニットの冷媒回路図である。 スクロール圧縮機の縦断面図である。 固定スクロールの平面図である。 可動スクロールの平面図である。 第2実施形態の圧縮機ユニットの冷媒回路図である。 第3実施形態の圧縮機ユニットの冷媒回路図である。 第3実施形態のスクロール圧縮機の縦断面図である。 変形例Aのスクロール圧縮機の縦断面図である。 変形例Aの圧縮機ユニットの冷媒回路図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る冷凍装置について、図面を参照しながら説明する。冷凍装置100は、例えば、空気調和装置である。
(1)冷凍装置の構成
図1は、冷凍装置100の冷媒回路図である。冷凍装置100は、主として、圧縮機ユニット101と、四方切替弁102と、室外熱交換器103と、膨張機構104と、室内熱交換器105とから構成される。図1において、実線の矢印は、冷房運転時における冷媒の流れを表し、点線の矢印は、暖房運転時における冷媒の流れを表す。冷媒は、R410A、R407CおよびR32等のHFC系冷媒を含む。
冷房運転時における冷凍装置100の冷凍サイクルについて説明する。最初に、圧縮機ユニット101は、低圧のガス冷媒を圧縮する。圧縮機ユニット101によって圧縮されたガス冷媒は、四方切替弁102を通過して、室外熱交換器103に供給される。室外熱交換器103は、高圧のガス冷媒を凝縮して、高圧の液冷媒を吐出する。室外熱交換器103から吐出された冷媒は、膨張機構104である膨張弁を通過して低圧の気液混合状態の冷媒となり、室内熱交換器105に供給される。室内熱交換器105は、低圧の気液混合状態の冷媒に含まれる液冷媒を蒸発させて、低圧のガス冷媒を吐出する。室内熱交換器105から吐出された低圧のガス冷媒は、圧縮機ユニット101に再び供給される。
冷房運転時では、室外熱交換器103は凝縮器として機能し、室内熱交換器105は蒸発器として機能する。この場合、室内熱交換器105で発生する冷媒の蒸発潜熱によって、室内が冷却される。一方、暖房運転時では、四方切替弁102を切り換えることで、室外熱交換器103は蒸発器として機能し、室内熱交換器105は凝縮器として機能する。この場合、室内熱交換器105で発生する冷媒の凝縮潜熱によって、室内が加熱される。
(2)圧縮機ユニットの構成
図2は、圧縮機ユニット101の冷媒回路図である。圧縮機ユニット101は、主として、スクロール圧縮機111と、油分離器112と、第1絞り部113と、熱交換器114と、気液分離器115とを備える。
(2−1)スクロール圧縮機
図3は、スクロール圧縮機111の縦断面図である。スクロール圧縮機111は、低圧ドーム型のスクロール圧縮機である。スクロール圧縮機111は、互いに噛み合う渦巻状のラップを有する2つのスクロール部材を用いて、冷凍装置100の冷媒回路を循環する冷媒ガスを圧縮する。スクロール圧縮機111は、主として、ケーシング10と、圧縮機構15と、ハウジング23と、駆動モータ16と、下部軸受60と、クランク軸17と、吸入管19と、吐出管20とを備える。
(2−1−1)ケーシング
ケーシング10は、略円筒状の胴部ケーシング部11と、胴部ケーシング部11の上端部に気密状に溶接される椀状の上壁部12と、胴部ケーシング部11の下端部に気密状に溶接される椀状の底壁部13とから構成される。ケーシング10は、ケーシング10の内部および外部において圧力や温度が変化した場合に、変形および破損が起こりにくい剛性部材で成型されている。ケーシング10は、胴部ケーシング部11の略円筒状の軸方向が鉛直方向に沿うように設置される。
ケーシング10の内部には、圧縮機構15と、圧縮機構15の下方に配置されるハウジング23と、ハウジング23の下方に配置される駆動モータ16と、鉛直方向に延びるように配置されるクランク軸17等が収容されている。ケーシング10の壁部には、吸入管19および吐出管20が気密状に溶接されている。後述するように、ケーシング10の内部空間は、ハウジング23によって、低圧空間S1と高圧空間S2とに区画されている。低圧空間S1は、ハウジング23の下方の空間であり、圧縮機構15によって圧縮される前の低圧のガス冷媒が存在する空間である。高圧空間S2は、ハウジング23の上方の空間であり、圧縮機構15によって圧縮された後の高圧のガス冷媒が存在する空間である。
(2−1−2)圧縮機構
圧縮機構15は、ケーシング10の内部に収容され、低温低圧の冷媒ガスを吸引および圧縮して、高温高圧の冷媒ガス(以下、「圧縮冷媒」と呼ぶ。)を吐出する。圧縮機構15は、主に、固定スクロール24と、可動スクロール26とから構成される。固定スクロール24は、ケーシング10に対して固定されている。可動スクロール26は、固定スクロール24に対して公転運動を行う。図4は、鉛直方向下方から視た固定スクロール24の平面図である。図5は、鉛直方向上方から視た可動スクロール26の平面図である。
固定スクロール24は、第1鏡板24aと、第1鏡板24aに直立して形成されるインボリュート形状の第1ラップ24bとを有する。第1鏡板24aには、吸入孔24cが形成されている。吸入孔24cは、ハウジング23に形成される吸入ポート(図示せず)と連通し、低圧空間S1と、圧縮機構15内部の圧縮室40とを接続する。吸入孔24cおよび吸入ポートは、低温低圧の冷媒ガスを低圧空間S1から圧縮室40に導入するための吸入空間を形成する。第1鏡板24aの中央部には、吐出孔41が形成されている。高圧空間S2において、吐出孔41の開口部には、逆流防止弁41aが取り付けられている。
可動スクロール26は、第2鏡板26aと、第2鏡板26aに直立して形成されるインボリュート形状の第2ラップ26bとを有する。第2鏡板26aの下面中央部には、上端軸受26cが形成されている。可動スクロール26は、圧力調整ポート26dを有している。圧力調整ポート26dは、後述するクランク室S3と、圧縮室40とを連通する。圧力調整ポート26dと連通する圧縮室40は、圧縮される途中の冷媒が存在する空間であり、圧縮前の冷媒の圧力と圧縮冷媒の圧力との中間の圧力の空間である。
固定スクロール24および可動スクロール26は、第1ラップ24bと第2ラップ26bとが噛み合うことにより、第1鏡板24aと、第1ラップ24bと、第2鏡板26aと、第2ラップ26bとによって囲まれる空間である圧縮室40を形成する。圧縮室40の容積は、可動スクロール26の公転運動によって徐々に減少する。可動スクロール26の公転中に、固定スクロール24の第1鏡板24aおよび第1ラップ24bの下面は、可動スクロール26の第2鏡板26aおよび第2ラップ26bの上面と摺動する。以下、可動スクロール26と摺動する固定スクロール24の表面を、スラスト摺動面24dと呼ぶ。
(2−1−3)ハウジング
ハウジング23は、圧縮機構15の下方に配置されている。ハウジング23の外周面は、ケーシング10の内面に気密状に接合されている。これにより、ケーシング10の内部空間は、ハウジング23の下方の低圧空間S1と、ハウジング23の上方の高圧空間S2とに区画されている。ハウジング23は、固定スクロール24を載置し、オルダム継手39を介して固定スクロール24と共に可動スクロール26を挟持している。オルダム継手39は、可動スクロール26の自転運動を防止するための環状部材である。ハウジング23は、固定スクロール24の吸入孔24cと低圧空間S1とを接続する吸入ポートを有している。
ハウジング23の上面には、クランク室S3が凹設されている。ハウジング23には、ハウジング貫通孔31が形成されている。ハウジング貫通孔31は、クランク室S3の底面中央部から、ハウジング23の下面中央部まで、ハウジング23を鉛直方向に貫通している。以下、ハウジング23の一部であり、かつ、ハウジング貫通孔31が形成されている部分を、上部軸受32と呼ぶ。クランク室S3の圧力は、低圧空間S1の圧力と高圧空間S2の圧力との間の圧力である。クランク室S3の圧力は、圧縮室40から圧力調整ポート26dを介してクランク室S3に冷媒が供給されることにより、安定化している。クランク室S3の圧力は、低圧空間S1の圧力の1.2倍〜1.3倍であることが好ましい。ハウジング23は、クランク室S3と連通する冷媒導入路23aを有している。
(2−1−4)駆動モータ
駆動モータ16は、ハウジング23の下方に配置されるブラシレスDCモータである。駆動モータ16は、主に、ケーシング10の内面に固定されるステータ51と、ステータ51の内側にエアギャップを設けて配置されるロータ52とから構成される。
ステータ51の外周面には、ステータ51の上端面から下端面に亘り、かつ、周方向に所定間隔をおいて切欠形成されている複数のコアカット部が設けられている。コアカット部は、胴部ケーシング部11とステータ51との間を鉛直方向に延びるモータ冷却通路55を形成する。
ロータ52は、その回転中心を鉛直方向に貫通するクランク軸17に連結されている。ロータ52は、クランク軸17を介して、圧縮機構15に接続されている。
(2−1−5)下部軸受
下部軸受60は、駆動モータ16の下方に配置される。下部軸受60の外周面は、ケーシング10の内面に気密状に接合されている。下部軸受60は、クランク軸17を支持する。下部軸受60の下端面には、軸受底板60cが気密状に取り付けられている。下部軸受60は、軸受空間60bと連通する第1油導入路60aを有している。軸受空間60bは、下部軸受60と、クランク軸17と、軸受底板60cとによって形成される空間である。
(2−1−6)クランク軸
クランク軸17は、ケーシング10の内部に収容される。クランク軸17は、その軸方向が鉛直方向に沿うように配置されている。クランク軸17は、その上端部の軸心が上端部を除く部分の軸心に対してわずかに偏心している形状を有している。クランク軸17は、バランスウェイト18を有する。バランスウェイト18は、ハウジング23の下方かつ駆動モータ16の上方の高さ位置において、クランク軸17に密着して固定されている。
クランク軸17は、ロータ52の回転中心を鉛直方向に貫通してロータ52に連結されている。クランク軸17は、その上端部が上端軸受26cに嵌入することで、可動スクロール26に接続されている。クランク軸17は、上部軸受32および下部軸受60によって支持されている。クランク軸17の下端面は、軸受底板60cの上面とスラスト摺動する面である。
クランク軸17は、その軸方向に延びている主給油路61を内部に有している。クランク軸17は、第2油導入路61dを有している。第2油導入路61dは、主給油路61の下端近傍と、軸受空間60bとを接続する。クランク軸17は、主給油路61から分岐する第1副給油路61a、第2副給油路61bおよび第3副給油路61cを有している。第1副給油路61a、第2副給油路61bおよび第3副給油路61cは、水平方向に延びている。第1副給油路61aは、クランク軸17と可動スクロール26の上端軸受26cとの摺動面である第1摺動面62aに開口している。第2副給油路61bは、クランク軸17とハウジング23の上部軸受32との摺動面である第2摺動面62bに開口している。第3副給油路61cは、クランク軸17と下部軸受60との摺動面である第3摺動面62cに開口している。主給油路61の上端は、第1副給油路61aと同じ高さ位置にある。
(2−1−7)吸入管
吸入管19は、ケーシング10外部の冷媒回路から低圧空間S1へ、低圧のガス冷媒を導入するための管である。吸入管19は、ケーシング10の胴部ケーシング部11に気密状に嵌入されている。吸入管19の一端は、低圧空間S1において、ハウジング23と駆動モータ16との間の高さ位置で開口している。
(2−1−8)吐出管
吐出管20は、高圧空間S2からケーシング10外部の冷媒回路へ、圧縮機構15で圧縮された高圧のガス冷媒を吐出するための管である。吐出管20は、ケーシング10の上壁部12に気密状に嵌入されている。吐出管20の一端は、高圧空間S2において開口している。
(2−2)油分離器
油分離器112は、スクロール圧縮機111の外部に設置される。油分離器112は、スクロール圧縮機111の吐出管20から吐出された圧縮冷媒から潤滑油を分離する。油分離器112は、潤滑油を含有する圧縮冷媒が冷凍装置100の冷媒回路を循環することを防止する。潤滑油は、スクロール圧縮機111の運転中において、圧縮機構15等の摺動部の潤滑性を良好に保つために使用される冷凍機油である。
油分離器112は、主として、油分離タンク112aと、冷媒入口管112bと、冷媒出口管112cと、油排出管112dとを備える。冷媒入口管112b、冷媒出口管112cおよび油排出管112dは、油分離タンク112aの壁部を貫通して気密上に溶接されている。
油分離タンク112aは、圧縮冷媒から潤滑油を分離する油分離機構を内部に備えている。油分離機構の一例は、遠心分離式機構である。遠心分離式機構は、油分離タンク112aの内部に設置された旋回板によって、油分離タンク112a内部で圧縮冷媒を旋回運動させることにより、圧縮冷媒に含まれる潤滑油の油滴を遠心力で分離する。圧縮冷媒から分離された潤滑油は、油分離タンク112aの底部に貯留され、油排出管112dから油分離タンク112aの外部へ排出される。
冷媒入口管112bは、スクロール圧縮機111の吐出管20に接続される。冷媒入口管112bは、スクロール圧縮機111の高圧空間S2から油分離タンク112aの内部へ、圧縮冷媒を導入するための管である。
冷媒出口管112cは、潤滑油が分離された圧縮冷媒を油分離タンク112aから排出するための管である。冷媒出口管112cは、熱交換器114の第1熱交換流路114aに接続されている。
油排出管112dは、圧縮冷媒から分離された高圧の潤滑油を油分離タンク112aから排出するための管である。油排出管112dは、油分離タンク112aの底部を貫通して気密上に溶接されている。油排出管112dは、第1絞り部113を介して、熱交換器114の第2熱交換流路114bに接続されている。
(2−3)第1絞り部
第1絞り部113は、油分離器112の油排出管112dと、熱交換器114の第2熱交換流路114bとを接続する。第1絞り部113は、油排出管112dを流れる高圧の潤滑油の流路抵抗を増加させる機構である。第1絞り部113は、例えば、キャピラリーチューブである。油排出管112dを流れる高圧の潤滑油は、第1絞り部113を通過することにより、より低圧の潤滑油となる。第1絞り部113を通過した潤滑油の圧力は、クランク室S3の圧力よりもわずかに高いことが好ましい。
(2−4)熱交換器
熱交換器114は、スクロール圧縮機111の外部に設置される。熱交換器114は、第1絞り部113を通過した低圧の潤滑油と、冷媒出口管112cを流れる高圧の圧縮冷媒との間の熱交換を行う。熱交換器114は、主として、第1熱交換流路114aと第2熱交換流路114bとを備える。第1熱交換流路114aは、油分離器112の冷媒出口管112cに接続され、高圧の圧縮冷媒が流れる管である。第2熱交換流路114bは、第1絞り部113に接続され、低圧の潤滑油が流れる管である。第2熱交換流路114bを流れる低圧の潤滑油は、第1熱交換流路114aを流れる圧縮冷媒との熱交換によって加熱される。これにより、第2熱交換流路114bを流れる潤滑油に含まれる冷媒が気化する。
(2−5)気液分離器
気液分離器115は、スクロール圧縮機111の外部に設置される。気液分離器115は、主として、気液分離タンク115aと、油入口管115bと、油出口管115cと、冷媒排出管115dとを備える。
気液分離タンク115aは、熱交換器114の第2熱交換流路114bを通過した潤滑油から、熱交換器114で気化した冷媒を分離する冷媒分離機構を内部に備えている。冷媒分離機構は、例えば、油分離器112の油分離機構と同様の遠心分離式機構である。
油入口管115bは、熱交換器114の第2熱交換流路114bに接続される。油入口管115bは、気液分離タンク115aの内部へ、熱交換器114で熱交換された潤滑油を導入するための管である。
油出口管115cは、熱交換器114で気化した冷媒が分離された潤滑油を気液分離タンク115aから排出するための管である。油出口管115cは、スクロール圧縮機111に接続されている。油出口管115cは、下部軸受60の第1油導入路60aに接続され、軸受空間60bに連通している。
冷媒排出管115dは、熱交換器114で気化した冷媒を気液分離タンク115aから排出するための管である。冷媒排出管115dは、スクロール圧縮機111に接続されている。冷媒排出管115dは、ハウジング23の冷媒導入路23aに接続され、クランク室S3に連通している。
(3)スクロール圧縮機の動作
スクロール圧縮機111の動作について説明する。最初に、スクロール圧縮機111内部における冷媒の流れについて説明する。次に、スクロール圧縮機111内部における潤滑油の流れについて説明する。
(3−1)冷媒の流れ
最初に、駆動モータ16が駆動することによって、ロータ52が回転する。これにより、ロータ52に固定されているクランク軸17が軸回転する。クランク軸17の軸回転運動は、上端軸受26cを介して可動スクロール26に伝達される。クランク軸17の上端部の軸心は、クランク軸17の軸回転運動の軸心に対して偏心している。また、可動スクロール26は、オルダム継手39によって自転が防止される。これにより、可動スクロール26は、自転することなく、固定スクロール24に対して公転運動を行う。
圧縮機ユニット101において圧縮される前の低温低圧の冷媒は、吸入管19から低圧空間S1に流入し、ハウジング23の吸入ポート、および、固定スクロール24の吸入孔24cを経由して、圧縮機構15の圧縮室40に供給される。可動スクロール26の公転運動により、圧縮室40は容積を徐々に減少させながら固定スクロール24の外周部から中心部に向かって移動する。その結果、圧縮室40の冷媒は圧縮されて圧縮冷媒となる。圧縮冷媒は、固定スクロール24の吐出孔41から高圧空間S2へ吐出される。高圧空間S2の圧縮冷媒は、吐出管20からスクロール圧縮機111の外部に吐出される。
(3−2)潤滑油の流れ
最初に、気液分離器115において冷媒が分離された潤滑油が、油出口管115cを流れて、下部軸受60の第1油導入路60aに供給される。第1油導入路60a内の潤滑油は、軸受空間60b、および、クランク軸17の第2油導入路61dを経由して、クランク軸17の主給油路61に供給される。主給油路61の上端側は、第1副給油路61aおよび第2副給油路61bを介して、最終的に低圧空間S1に連通している。一方、主給油路61の下端側は、低圧空間S1より高圧である気液分離タンク115aに連通している。そのため、主給油路61において、潤滑油は、圧力差によって上昇する。
主給油路61を上昇する潤滑油は、順に、第3副給油路61c、第2副給油路61bおよび第1副給油路61aに分流する。第3副給油路61cを流れる潤滑油は、第3摺動面62cを潤滑する。第2副給油路61bを流れる潤滑油は、第2摺動面62bを潤滑した後、低圧空間S1に流入する。第1副給油路61aを流れる潤滑油は、第1摺動面62aを潤滑した後、クランク室S3に流入して、第2摺動面62bを経由して低圧空間S1に流入する。低圧空間S1に流入した潤滑油は、微小な油滴の状態で、低圧空間S1の冷媒に混入される。低圧空間S1において冷媒に混入された潤滑油は、圧縮室40に送られて、高圧空間S2に吐出される。高圧空間S2に吐出された潤滑油は、圧縮冷媒に混入された状態で、吐出管20からスクロール圧縮機111の外部に吐出される。
(4)圧縮機ユニットの特徴
冷凍装置100の圧縮機ユニット101では、油分離器112は、スクロール圧縮機111から吐出された圧縮冷媒と潤滑油との混合物から潤滑油を分離して貯留する。油分離器112に貯留されている高温高圧の潤滑油は、スクロール圧縮機111内部の第1摺動面62a、第2摺動面62b、第3摺動面62cおよびスラスト摺動面24d等の摺動部を潤滑して、スクロール圧縮機111の吐出管20、および、油分離器112の冷媒入口管112bを通過した潤滑油である。油分離器112に貯留されている潤滑油は、圧縮冷媒を含んでおり、圧縮冷媒によって希釈されている状態にある。
油分離器112に貯留されている高温高圧の潤滑油は、油排出管112dから排出され、第1絞り部113を通過する。これにより、潤滑油の温度および圧力が低下する。第1絞り部113を通過した潤滑油は、熱交換器114の第1熱交換流路114aを流れる。一方、油分離器112において潤滑油が分離された高温高圧の圧縮冷媒は、冷媒出口管112cから吐出されて、熱交換器114の第2熱交換流路114bを流れる。熱交換器114において、第1熱交換流路114aを流れる潤滑油と、第2熱交換流路114bを流れる圧縮冷媒との間で熱交換が行われる。これにより、第1熱交換流路114aを流れる潤滑油が加熱され、潤滑油に含まれる冷媒が気化する。そのため、潤滑油が熱交換器114を通過することで、気化したガス冷媒が潤滑油から分離するので、潤滑油の濃度および粘度が上昇する。第2熱交換流路114bを通過した圧縮冷媒は、圧縮機ユニット101の外部に吐出される。
次に、熱交換器114を通過した潤滑油とガス冷媒との混合物は、気液分離器115に流入する。気液分離器115では、油入口管115bから気液分離タンク115aに流入した混合物が、潤滑油とガス冷媒とに分離される。分離された潤滑油は、油出口管115cから排出され、スクロール圧縮機111内部の下部軸受60の第1油導入路60aを流れて、軸受空間60bに供給される。軸受空間60bに供給された潤滑油は、第2油導入路61dを流れて、主給油路61に流入する。主給油路61に流入した潤滑油は、第1摺動面62a、第2摺動面62bおよび第3摺動面62c等の摺動部に供給される。以上の工程によって、油分離器112に貯留されている潤滑油は、第1絞り部113、熱交換器114および気液分離器115を通過して、スクロール圧縮機111に戻される。これにより、スクロール圧縮機111内部の潤滑油の量が不足する油上がりの発生が抑制される。
油分離器112に貯留されている高温高圧の潤滑油は、圧縮冷媒によって希釈されている。冷媒で希釈されている潤滑油は、第1絞り部113、熱交換器114および気液分離器115を通過する過程で冷媒が分離され、濃度が高い潤滑油となる。そのため、スクロール圧縮機111には、高濃度および高粘度の潤滑油が供給される。
油分離器112に貯留されている潤滑油のように、冷媒で希釈された潤滑油が、スクロール圧縮機111内部に戻されると、スクロール圧縮機111内部の潤滑油の濃度および粘度が徐々に低下する。濃度および粘度が低下した潤滑油が、スクロール圧縮機111の摺動部に供給されると、摺動部の潤滑状態が悪化して、摺動部の磨耗の加速および焼き付きが発生し、摺動部の損傷によって圧縮機の寿命が低下するおそれがある。
本実施形態では、油分離器112に貯留されている潤滑油は、濃度および粘度が高い状態でスクロール圧縮機111内部に戻される。そのため、スクロール圧縮機111内部の潤滑油の濃度および粘度の低下が抑制される。従って、冷凍装置100は、スクロール圧縮機111内部の摺動部の損傷を抑え、スクロール圧縮機111の寿命の低下を抑制することができる。
また、気液分離器115に貯留されている潤滑油の圧力は、スクロール圧縮機111内部の低圧空間S1の圧力よりも高い。そのため、気液分離器115に貯留されている潤滑油は、差圧によって、スクロール圧縮機111に安定的に供給される。従って、冷凍装置100は、スクロール圧縮機111の油上がりの発生を抑制することができる。
また、気液分離器115に貯留されている冷媒は、冷媒排出管115d、および、ハウジング23の冷媒導入路23aを経由して、スクロール圧縮機111内部のクランク室S3に流入する。スクロール圧縮機111の運転中、気液分離器115からクランク室S3に冷媒が供給されるので、クランク室S3の圧力が安定化する。そのため、クランク室S3の圧力によって可動スクロール26を固定スクロール24に向かって押し付ける力も安定化する。従って、公転運動している可動スクロール26の振動が抑制され、可動スクロール26と固定スクロール24との衝突が抑制されるので、スクロール圧縮機111の寿命の低下が抑制される。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係る冷凍装置について説明する。本実施形態の基本的な構成、動作および特徴は、第1実施形態に係る冷凍装置と同一であるので、第1実施形態との相違点を主に説明する。
図6は、本実施形態に係る圧縮機ユニット201の冷媒回路図である。圧縮機ユニット201は、主として、スクロール圧縮機211と、油分離器212と、第1絞り部213と、熱交換器214と、気液分離器215とを備える。油分離器212、第1絞り部213および熱交換器214は、それぞれ、第1実施形態の油分離器112、第1絞り部113および熱交換器114と同じである。油分離器212は、主として、油分離タンク212aと、冷媒入口管212bと、冷媒出口管212cと、油排出管212dとを備える。熱交換器214は、主として、第1熱交換流路214aと第2熱交換流路214bとを備える。
スクロール圧縮機211は、吸入管219および吐出管220を有する低圧ドーム型のスクロール圧縮機である。スクロール圧縮機211は、第1実施形態のスクロール圧縮機111と同様に、第1油導入路60aと、低圧空間S1と、高圧空間S2と、クランク室S3とを内部に有する。スクロール圧縮機211は、第1実施形態のスクロール圧縮機111の冷媒導入路23aを有さない。
気液分離器215は、主として、気液分離タンク215aと、油入口管215bと、油出口管215cと、冷媒排出管215dとを備える。気液分離タンク215a、油入口管215bおよび油出口管215cは、それぞれ、第1実施形態の気液分離タンク115a、油入口管115bおよび油出口管115cと同じである。冷媒排出管215dは、第2絞り部216の一端に接続されている。第2絞り部216の他端は、冷媒導入管217に接続されている。冷媒導入管217は、スクロール圧縮機211の吸入管219に接続されている。
第2絞り部216は、気液分離器215の冷媒排出管215dを流れる冷媒の流路抵抗を増加させる機構である。第2絞り部216は、例えば、キャピラリーチューブである。冷媒排出管215dを流れるガス冷媒は、第2絞り部216を通過することにより減圧されて、より低圧のガス冷媒となる。第2絞り部216を通過した冷媒の圧力は、吸入管219内部の圧縮される前の冷媒の圧力よりもわずかに高いことが好ましい。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、油分離器212に貯留されている潤滑油は、濃度および粘度が高い状態でスクロール圧縮機211内部に戻される。そのため、スクロール圧縮機211内部の潤滑油の濃度および粘度の低下が抑制される。従って、圧縮機ユニット201を備える冷凍装置は、スクロール圧縮機211内部の摺動部の損傷を抑え、スクロール圧縮機211の寿命の低下を抑制することができる。
また、気液分離器215に貯留されている潤滑油の圧力は、スクロール圧縮機211内部の低圧空間S1の圧力よりも高い。そのため、気液分離器215に貯留されている潤滑油は、差圧によって、スクロール圧縮機211に安定的に供給される。従って、圧縮機ユニット201を備える冷凍装置は、スクロール圧縮機211の油上がりの発生を抑制することができる。
また、気液分離器215に貯留されている冷媒は、冷媒排出管215d、第2絞り部216および冷媒導入管217を経由して、スクロール圧縮機211の吸入管219に流入する。冷媒導入管217を流れる冷媒の圧力は、吸入管219内部の冷媒の圧力よりも高いので、気液分離器215に貯留されている冷媒は、スクロール圧縮機211の吸入管219に安定的に供給される。従って、圧縮機ユニット201を備える冷凍装置は、油分離器212に貯留されている潤滑油に含まれる冷媒を減圧して、圧縮される前の冷媒に合流させることができるので、スクロール圧縮機211の圧縮効率を向上させることができる。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係る冷凍装置について説明する。本実施形態の基本的な構成、動作および特徴は、第1実施形態に係る冷凍装置と同一であるので、第1実施形態との相違点を主に説明する。
図7は、本実施形態に係る圧縮機ユニット301の冷媒回路図である。圧縮機ユニット301は、主として、スクロール圧縮機311と、油分離器312と、第1絞り部313と、熱交換器314とを備える。油分離器312、第1絞り部313および熱交換器314は、それぞれ、第1実施形態の油分離器112、第1絞り部113および熱交換器114と同じである。油分離器312は、主として、油分離タンク312aと、冷媒入口管312bと、冷媒出口管312cと、油排出管312dとを備える。熱交換器314は、主として、第1熱交換流路314aと第2熱交換流路314bとを備える。
図8は、スクロール圧縮機311の縦断面図である。図8において、第1実施形態と共通する構成要素には、図3と同じ参照符号が付されている。スクロール圧縮機311は、吸入管319および吐出管320を有する低圧ドーム型のスクロール圧縮機である。スクロール圧縮機311は、第1実施形態のスクロール圧縮機111と同様に、低圧空間S1と、高圧空間S2と、クランク室S3とを内部に有する。スクロール圧縮機211は、第1実施形態のスクロール圧縮機111の冷媒導入路23aおよび第1油導入路60aを有さない。
スクロール圧縮機311は、ハウジング323と、第1摺動面362aと、第2摺動面362bと、第3摺動面362cとを有している。第1摺動面362a、第2摺動面362bおよび第3摺動面362cは、それぞれ、第1実施形態の第1摺動面62a、第2摺動面62bおよび第3摺動面62cに相当する。ハウジング323は、クランク室S3と連通し第2摺動面362bに開口する給油通路323bを有している。
スクロール圧縮機311は、主給油路361および下部軸受給油路361cを有するクランク軸317を備える。主給油路361は、クランク軸317の上端面に開口する。下部軸受給油路361cは、主給油路361と連通し、第3摺動面362cに開口する。下部軸受給油路361cは、第1実施形態の第3副給油路61cに相当する。
スクロール圧縮機311は、第1実施形態の気液分離器115に相当する構成を内部に有している。具体的には、スクロール圧縮機311のクランク室S3は、第1実施形態の気液分離器115と同じ機能を有する。スクロール圧縮機311は、クランク室S3と連通する潤滑油導入路323aを有している。熱交換器314の第2熱交換流路314bと、潤滑油導入路323aとは、潤滑油導入管315によって接続されている。
本実施形態では、熱交換器314において加熱された潤滑油は、気化したガス冷媒と共に、潤滑油導入管315および潤滑油導入路323aを経由して、クランク室S3に流入する。クランク室S3において、潤滑油とガス冷媒とが互いに分離される。クランク室S3に貯留される潤滑油は、第1摺動面362aおよび第2摺動面362bに直接供給される。また、クランク室S3に貯留される潤滑油は、ハウジング323の給油通路323bを経由して第2摺動面362bに供給される。第1摺動面362aに供給された潤滑油は、クランク軸317の上端面から主給油路361に流入する。主給油路361に流入した潤滑油は、主給油路361内を下降して、下部軸受給油路361cを流れて第3摺動面362cに供給される。クランク室S3において分離された冷媒は、差圧により低圧空間S1に流入する。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、油分離器312に貯留されている潤滑油は、スクロール圧縮機311内部に戻されると、クランク室S3において冷媒が分離されて、濃度および粘度が高い潤滑油となる。そのため、スクロール圧縮機311内部の潤滑油の濃度および粘度の低下が抑制される。従って、圧縮機ユニット301を備える冷凍装置は、スクロール圧縮機311内部の摺動部の損傷を抑え、スクロール圧縮機311の寿命の低下を抑制することができる。
<変形例>
本発明の実施形態に対する適用可能な変形例について説明する。
(1)変形例A
第1乃至第3実施形態のスクロール圧縮機111,211,311は、低圧ドーム型のスクロール圧縮機である。しかし、スクロール圧縮機111,211,311は、高圧ドーム型または高低圧ドーム型のスクロール圧縮機であってもよい。次に、第1実施形態において、スクロール圧縮機111が高圧ドーム型である場合の変形例について説明する。
図9は、高圧ドーム型のスクロール圧縮機411の縦断面図である。スクロール圧縮機411は、主として、ケーシング10と、圧縮機構15と、ハウジング23と、駆動モータ16と、下部軸受60と、クランク軸17と、吸入管419と、吐出管420とを備える。吸入管419および吐出管420を除いて、スクロール圧縮機411の各構成要素は、第1実施形態のスクロール圧縮機111の各構成要素と同じ機能を有するので、説明を省略する。また、スクロール圧縮機411と第1実施形態のスクロール圧縮機111との共通の構成要素には、同じ参照符号が用いられている。
スクロール圧縮機411では、ケーシング10の内部空間は、ハウジング23の下方の第1高圧空間S41と、ハウジング23の上方の空間である第2高圧空間S42とに区画されている。スクロール圧縮機411では、ケーシング10の内部空間は、圧縮室40およびクランク室S43を除いて、圧縮冷媒で満たされている高圧の空間である。第1高圧空間S41と第2高圧空間S42とは、互いに連通している。
吸入管419は、ケーシング10の上壁部12に気密状に嵌入されている。吸入管419の一端は、ケーシング10内部において、圧縮機構15に気密状に嵌入されている。図9に示されるように、吸入管419は、圧縮機構15の固定スクロール24に形成される吸入孔24eを介して、圧縮機構15内部の圧縮室40に接続されている。
吐出管420は、ケーシング10の胴部ケーシング部11に気密状に嵌入されている。吐出管420の一端は、第1高圧空間S41において、ハウジング23と駆動モータ16との間の高さ位置で開口している。
スクロール圧縮機411では、圧縮される前の冷媒は、吸入管419から圧縮機構15内部の圧縮室40に流入する。圧縮機構15で圧縮された冷媒は、第2高圧空間S42に吐出され、第1高圧空間S41から吐出管420に流入して、スクロール圧縮機411の外部に吐出される。
図10は、本変形例の圧縮機ユニット401の冷媒回路図である。圧縮機ユニット401は、主として、スクロール圧縮機411と、油分離器412と、第1絞り部413と、熱交換器414と、気液分離器415とを備える。油分離器412、第1絞り部413、熱交換器414および気液分離器415は、それぞれ、第1実施形態の油分離器112、第1絞り部113、熱交換器114および気液分離器115と同じである。油分離器412は、主として、油分離タンク412aと、冷媒入口管412bと、冷媒出口管412cと、油排出管412dとを備える。熱交換器414は、主として、第1熱交換流路414aと第2熱交換流路414bとを備える。気液分離器415は、主として、気液分離タンク415aと、油入口管415bと、油出口管415cと、冷媒排出管415dとを備える。
圧縮機ユニット401では、スクロール圧縮機411の吐出管420は、油分離器412の冷媒入口管412bに接続されている。気液分離器415の油出口管415cは、スクロール圧縮機411の第1油導入路60aに接続されている。気液分離器415の冷媒排出管415dは、スクロール圧縮機411の冷媒導入路23aに接続されている。
なお、図9に示される高圧ドーム型のスクロール圧縮機411は、第2実施形態および第3実施形態の冷凍装置にも適用可能である。
(2)変形例B
第2実施形態では、気液分離器215に貯留されている冷媒は、冷媒排出管215d、第2絞り部216および冷媒導入管217を経由して、スクロール圧縮機211の吸入管219に流入する。しかし、気液分離器215に貯留されている冷媒は、減圧された後に、スクロール圧縮機211内部の低圧空間S1に直接供給されてもよい。この場合、冷媒導入管217は、スクロール圧縮機211のケーシングに気密状に嵌入されてもよい。
(3)変形例C
第1実施形態では、油分離器112は、スクロール圧縮機111の外部に設置されている。しかし、油分離器112は、スクロール圧縮機111に内蔵されていてもよい。第2実施形態および第3実施形態の油分離器212,312に関しても同様である。
(4)変形例D
第1実施形態では、熱交換器114は、油分離器112に貯留されている潤滑油を、油分離器112で潤滑油が分離された冷媒との熱交換によって加熱する。しかし、熱交換器114は、油分離器112に貯留されている潤滑油を、油分離器112で潤滑油が分離される前の冷媒との熱交換によって加熱してもよい。第2実施形態および第3実施形態の熱交換器214,314に関しても同様である。
本発明に係る冷凍装置は、圧縮機の摺動部に、冷媒で希釈された低粘度の冷凍機油が供給されることによる摺動部の損傷を抑制することができる。
23a 冷媒導入路(第2冷媒導入路)
24 固定スクロール
26 可動スクロール
40 圧縮室
60a 油戻し流路(給油路)
62a 第1摺動面(摺動部)
62b 第2摺動面(摺動部)
62c 第3摺動面(摺動部)
100 冷凍装置
111 スクロール圧縮機(圧縮機)
112 油分離器(油貯留部)
113 第1絞り部(第1減圧部)
114 熱交換器(熱交換部)
115 気液分離器(気液分離部)
216 第2絞り部(第2減圧部)
217 冷媒導入管(第1冷媒導入路)
219 吸入管(吸入空間)
S3 クランク室(背圧空間)
特開2004−286240号公報

Claims (11)

  1. 冷媒が圧縮される圧縮室(40)と、冷凍機油が供給される摺動部(62a,62b,62c)とを有する圧縮機(111)と、
    前記摺動部に供給された前記冷凍機油が貯留される油貯留部(112)と、
    前記油貯留部に貯留された前記冷凍機油を減圧する第1減圧部(113)と、
    前記第1減圧部によって減圧された前記冷凍機油を、前記圧縮室で圧縮された前記冷媒の熱によって加熱する熱交換部(114)と、
    前記熱交換部で加熱されて、前記冷凍機油に混ざっていた前記冷媒の少なくとも一部が蒸発して取り除かれた前記冷凍機油を前記圧縮機に供給する油供給部と、
    を備える冷凍装置(100)。
  2. 前記油貯留部は、前記圧縮室で圧縮されて前記圧縮機から吐出された前記冷媒に混ざっている前記冷凍機油を、前記冷媒から分離するための油分離器である、
    請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記熱交換部は、前記油分離器で分離された前記冷媒の熱によって前記冷凍機油を加熱する、
    請求項2に記載の冷凍装置。
  4. 前記油貯留部は、前記圧縮機の外部に設置されている、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の冷凍装置。
  5. 前記油供給部は、前記摺動部に前記冷凍機油を供給する給油路(60a)を含む、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の冷凍装置。
  6. 前記熱交換部で加熱された前記冷凍機油と、前記冷凍機油から取り除かれた前記冷媒とが、互いに分離された状態で貯留される気液分離部(115)をさらに備える、
    請求項1から5のいずれか1項に記載の冷凍装置。
  7. 前記気液分離部は、前記圧縮機の外部に設置されている、
    請求項6に記載の冷凍装置。
  8. 前記圧縮機は、固定スクロール(24)と、前記固定スクロールと噛み合うことで前記圧縮室を形成する可動スクロール(26)とを有し、
    前記圧縮機は、前記可動スクロールを前記固定スクロールに押し付ける圧力を有する背圧空間(S3)を有し、
    前記気液分離部に貯留されている前記冷媒を前記背圧空間に導く第2冷媒導入路(23a)をさらに備え、
    前記背圧空間は、前記冷媒が圧縮される途中の前記圧縮室と連通する、
    請求項7に記載の冷凍装置。
  9. 前記気液分離部に貯留されている前記冷媒をさらに減圧する第2減圧部(216)と、
    前記第2減圧部で減圧された前記冷媒を、前記圧縮室で圧縮される前の前記冷媒が流れる吸入空間(219)に導く第1冷媒導入路(217)と、
    をさらに備える、
    請求項7に記載の冷凍装置。
  10. 前記圧縮機は、固定スクロール(24)と、前記固定スクロールと噛み合うことで前記圧縮室を形成する可動スクロール(26)とを有し、
    前記圧縮機は、前記可動スクロールを前記固定スクロールに押し付ける圧力を有する背圧空間(S3)を有し、
    前記気液分離部は、前記背圧空間に設置されている、
    請求項6に記載の冷凍装置。
  11. 前記冷媒は、R32を含む、
    請求項1から10のいずれか1項に記載の冷凍装置。
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