JP2010071217A - エンジンの排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒層を新たに追加することなく、冷間始動時のHC及びNOxの双方を効率よく浄化可能な装置を提供する。
【解決手段】過給機(6)と、排気管(9)に配置される三元触媒(12)と、この三元触媒(12)の下流に配置されるHCトラップ触媒(13)と、三元触媒(12)とこのHCトラップ触媒(13)の間にある排気管(9)から分岐して吸気管(2)に合流するEGR通路(17)と、このEGR通路(17)を開閉するEGR弁(18)と、吸気管の圧力を検出する吸気管圧力検出手段(23)と、HCトラップ触媒(13)からHCが脱離する条件のときにこの吸気管圧力検出手段(23)により検出される吸気管圧力が大気圧を超えていればまたは閾値以上にあればEGR弁(18)を開く開弁制御手段(21)とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、エンジン(内燃機関)の排気浄化装置に係り、詳しくはエンジンの冷間始動時においてHC(炭化水素)及びNOx(窒素酸化物)の双方を効率よく浄化可能な排気浄化装置に関する。
排気管に、HC吸着機能を有するHC吸着材を含む第1触媒層と、第1触媒の表面に形成されかつ白金、ロジウム及びパラジウムからなる群より選択される少なくとも一つの貴金属とNOx吸蔵機能を有するNOx吸蔵材とを含む第2触媒層とを備えたHCトラップを設け、第1触媒層のHC吸着材に吸着されたHCが脱離するとき、HCトラップの周辺の酸素濃度が大きくなるように制御し、第2触媒層のNOx吸着材に吸蔵されたノックをパージする条件が成立したとき、HCトラップの周辺の酸素濃度が小さくなるよう制御するものがある(特許文献1参照)。
特開2003−236339号公報
このものによれば、冷間始動時には、第1触媒層のHC吸着材の有するHC吸着機能によってHCが良好に吸着され、第2触媒層のNOx吸蔵材の有するNOx吸蔵機能によってNOxが良好に吸蔵され、HC及びNOxの双方が効率よく浄化可能とされる。一方、第1触媒層のHC吸着材に吸着されたHCが脱離すると、HCトラップ周辺の酸素濃度が大きくなるように制御されて、脱離したHCが良好に酸化除去され、この際には余剰酸素によってNOxが生成されるが、当該NOxは第2触媒層のNOx吸蔵材に吸蔵される。NOx吸蔵材に吸蔵されたNOxをパージする条件が成立すると、HCトラップの周辺の酸素濃度が小さくなるように制御され、NOx吸蔵材に吸蔵されたNOxが良好に還元除去される。
ところで、上記特許文献1の技術では、白金、ロジウム及びパラジウムからなる群より選択される少なくとも一つの貴金属とNOx吸蔵機能を有するNOx吸蔵材とを含む第2触媒層を新たに追加する必要があり、コストが高くなる。
そこで本発明は、第2触媒層を新たに追加することなく、エンジン冷間始動時のHC及びNOxの双方を効率よく浄化可能な装置を提供することを目的とする。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対する符号を付するが、これに限定されるものではない。
本発明は、吸入空気を過給する過給機(6)と、排気管(9)に配置される三元触媒(12)と、この三元触媒(12)の下流に配置され、エンジンの冷間時に排出されるHCをトラップし、排気温度が所定値以上に上昇したときトラップしているHCを脱離して酸化するHCトラップ触媒(13)と、前記三元触媒(12)とこのHCトラップ触媒(13)の間にある排気管(9)から分岐して吸気管(2)に合流するEGR通路(17)と、このEGR通路(17)を開閉するEGR弁(18)と、前記吸気管の圧力を検出する吸気管圧力検出手段(23)と、前記HCトラップ触媒(13)からHCが脱離する条件のときにこの吸気管圧力検出手段により検出される吸気管圧力が大気圧を超えていればまたは閾値以上にあれば前記EGR弁(18)を開く開弁制御手段とを備える。
本発明によれば、吸入空気を過給する過給機(6)と、排気管(9)に配置される三元触媒(12)と、この三元触媒(12)の下流に配置され、エンジンの冷間時に排出されるHCをトラップし、排気温度が所定値以上に上昇したときトラップしているHCを脱離して酸化するHCトラップ触媒(13)と、前記三元触媒(12)とこのHCトラップ触媒(13)の間にある排気管(9)から分岐して吸気管(2)に合流するEGR通路(17)と、このEGR通路(17)を開閉するEGR弁(18)と、吸気管の圧力を検出する吸気管圧力検出手段(23)と、HCトラップ触媒(13)からHCが脱離する条件のときにこの吸気管圧力検出手段により検出される吸気管圧力が大気圧を超えていればまたは閾値以上にあれば前記EGR弁(18)を開く開弁制御手段とを備えるので、上記特許文献1のように第2触媒層を新たに追加することをしなくても、三元触媒(12)によりNOxの浄化を図りつつHCトラップ触媒(13)に酸素を供給することができ、これによりNOxの浄化率とHC、COの浄化率とを共に向上させることができる。
なお、HCトラップ触媒(13)からHCが脱離する条件のときにHCトラップ触媒に酸素を供給する方法として、2次空気供給装置を設け、HCトラップ触媒の上流に2次空気を供給する方法がある。しかしながら、この2次空気供給方法では、2次空気供給装置が必要となり、コストが上昇する。これに対して本発明によれば2次空気供給装置を設けることは必要でない。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は車両に搭載された本発明に係るエンジンの排気浄化装置の概略構成図である。
図1において、吸気管2は吸気通路3、コレクタ4、吸気マニホールド5からなり、吸気通路3に過給機6とスロットルチャンバ7とが介装されている。空気は過給機6で過給され、スロットルチャンバ7内にあるスロットル弁により調量されて、コレクタ4に入り、吸気マニホールド5により分配されてエンジン1の各気筒に供給される。
燃料は吸気ポートにあるいは燃焼室8に臨んで設けられている燃料噴射弁15(燃料供給装置)から気筒別に供給される。
排気管9は排気マニホールド10、メイン排気通路11からなり、排気マニホールド10の集合部10a近傍のメイン排気通路11に三元触媒12を、その下流に床下触媒としてのHCトラップ触媒13を備えている。燃焼室8内で燃焼したガスは排気マニホールド10に排出され、排気中のHC、CO、NOxはこれら触媒12、13によって浄化される。
三元触媒12は、活性化後に理論空燃比を中心とするいわゆるウインドウ内に空燃比を収めるときにHC、CO、NOxを同時に浄化する。ただし、三元触媒12は活性化するまでは、HC、CO、NOxを浄化できずに下流にそのまま吐出してしまう。この下流に吐出されてしまうHCをトラップするのがHCトラップ触媒13である。すなわち、HCトラップ触媒13は触媒温度が低いときに排気中のHCを吸着(トラップ)し、高温の脱離開始温度(例えば約100℃程度以上)になったら吸着(トラップ)していたHCを脱離するHC吸着材と、触媒温度が高くなったら活性化して、HC吸着材より脱離してくるHCを酸化剤により酸化(浄化)する三元触媒とを組み合わせたものである。
一方、排気の一部を吸気管2に還流するEGR装置16を備える。すなわち、EGR装置16は、三元触媒12とHCトラップ触媒13との間の排気通路11より分岐してコレクタ4に合流するEGR通路17と、このEGR通路17のガス流量を調整するためのEGR制御弁18とから構成されている。
入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央演算装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたエンジンコントローラ21では、燃料噴射弁15からの燃料噴射量とEGR弁18の開度とを運転条件(回転速度と負荷)に応じて制御する。
また、上記の三元触媒12は理論空燃比を中心とするいわゆるウインドウ内に空燃比を収めるときにHC、CO、NOxを同時に浄化することができるため、エンジンコントローラ21では、三元触媒12上流のO2センサ25出力に基づいて空燃比フィードバック制御を行う。空燃比フィードバック制御はこれに限られるものでなく、三元触媒上流の空燃比センサの出力と三元触媒下流のO2センサの出力とに基づいて三元触媒の酸素ストレージ量が目標値となるように空燃比フィードバック制御を行うものであってもかまわない。
さて、本発明では、吸入空気を過給する上記の過給機6とEGR装置16とを備えるエンジンを前提として、HCトラップ触媒13からHCが脱離してくる期間(脱離期間)でかつ過給圧が大気圧を超えているときにEGR弁18を所定開度まで開くものである。
ここで、過給圧は図2に示したようにエンジン回転速度とエンジン負荷に応じて制御される。なお、過給機6はターボチャージャであってもよいし、機械式過給機であってもかまわない。ターボチャージャであるときには排気マニホールド10の集合部10aと三元触媒12上流のO2センサ25との間に排気タービンが介装される。ここでのターボチャージャは可変ノズルを備えないものを考えているが、可変ノズルを備えるものでもかまわない。本発明では過給機を備えていれば良く、本発明のために特別に過給圧を制御することはない。
EGR装置16も同様である。EGR装置16の制御方法は問わない。例えば、エンジン回転速度とエンジン負荷に応じてEGR弁18の開度を制御したり、所定の運転領域でのみEGR弁18を開くようにしているものがあるが、いずれでもかまわない。こうした制御を「通常制御」というものとすると、本発明では、後述する脱離期間に限っては、この通常制御に優先して本発明の制御を行うこととなる。
本発明に係る制御の内容を図3、図4を参照してさらに説明する。図3、図4はエンジンを冷間状態にあるt0のタイミングで始動して車両を所定の条件(町乗りに相当)で運転したときに車速、HCトラップ触媒13の触媒温度(図では「HCT BED温度」)、t0の始動タイミングからの空気量積算値、スロットルチャンバ7下流の吸気管圧力(図では「ブースト圧」)、EGR弁18の開閉状態、HCトラップ触媒13の入口空燃比(図では「HCT入口A/F」)、HCトラップ触媒出口のHC濃度、HCトラップ触媒出口のNOx濃度がどうなるかを示したものである。ただし、図4においては、最上段から第4段目までは図3の最上段、第4段目、第5段目、第6段目と同じであり、また図4では図3の第2段目と第3段目を省略している。また、図3、図4において横軸のスケールは同じであり、縦軸も共通の項目は同じスケールとしてある。
図3の第2段目と第3段目はHCトラップ触媒10からのHCの脱離開始とHCの脱離終了とがどうなるかを示している。図3第2段目に示したように、触媒温度はt0のタイミングより急激に上昇して一定温度になっている。HCトラップ触媒13は星印で示した温度(脱離開始温度で約100℃程度)に到達するt1のタイミングの前には排気中のHCをトラップするが、t1のあと(脱離開始温度に到達した後)には、それまでにトラップしていたHCを脱離する。
HCトラップ触媒13からのHC脱離量は、HC吸着材の量と始動タイミングから触媒13を流れた空気量の合計とで決まる。HC吸着材の量は仕様により予め決まっているので、始動タイミングから触媒10を流れた空気量の合計をみれば、触媒13からのHCの脱離を終了したか否かが分かる。すなわち、図3第3段目に示したように、始動タイミングからの空気流量積算値が所定値に到達するt7のタイミングで触媒13からのHCの脱離が終了する。
吸気管圧力Pb(コレクタ4の圧力)はアクセルペダルに応動するスロットルバルブの開度変化に従って大きく変動している。この場合に、吸気管圧力Pbが大気圧を超える領域が過給域となる。
本発明では、この過給域の下限の圧力(=大気圧)より所定の余裕代だけ高い圧力をEGR弁18を開くための閾値P1として定め、吸気管圧力Pbがこの閾値P1以上となるときEGR弁18を所定開度で所定時間TM1だけ開くようにする。閾値P1を定めた理由はHCトラップ触媒13への空気供給を確実にするためである。もちろん、吸気管圧力Pbが大気圧を超えていればEGR弁18を所定開度で所定時間TM1だけ開くようにしてもかまわない。
ここで、吸気管圧力Pbが閾値P1以上となっている状態においてEGR弁18の前後で圧力がどうなっているかを考えてみると、過給機6が働いていればコレクタ4の位置では大気圧よりも高い状態(過給状態)にある。一方、排気マニホールド10の集合部10aでは、燃焼による圧力が加わるためコレクタ4位置よりも圧力がさらに高くなる。しかしながら、三元触媒12の出口になると、大気圧程度まで圧力が低下することを実験あるいはシミュレーションにより本発明者が確かめている。従って、過給機6が作動状態にありEGR弁18前後に圧力差を生じている状態でEGR弁18を開くと、エンジン本体をバイパスして、コレクタ4内の新気を直接的にHCトラップ触媒13の上流のメイン排気通路11に供給することができる。
このように、本発明は、HCトラップ触媒13からのHCの脱離期間中に過給状態になることがあることに着目し、このとき、EGR通路17のメイン排気通路11からの分岐部17aを三元触媒12の下流でかつHCトラップ触媒13の上流のメイン排気通路11とすれば、当該分岐部17aと過給機6下流にあるコレクタ4との間に圧力差が生じ、この圧力差を利用してHCトラップ触媒13にだけ酸素を供給できることに思い至ったことからなされたものである。
この場合、所定時間TM1は長いほうが好ましいが、吸気管圧力Pbは過給機6の作動状態に応じて時々刻々に大きく変化するため、吸気管圧力Pbが閾値P1以上となっている状態が長く続くことは期待できない。そこで、確実に吸気管圧力Pbが閾値P1以上となっている期間を実験により確かめ、この期間を所定時間TM1として設定する。このため、図3第5段目、図4第4段目に示したように、吸気管圧力Pbが閾値P1以上である過給状態となるt2、t3、t4、t5、t6の各タイミングでEGR弁18が所定開度まで開かれている。
HCトラップ触媒13からのHCの脱離中に、過給状態になる度にEGR弁18を開くのは、HCトラップ触媒13の上流に酸素を供給しHCトラップ触媒13より脱離されるHCをこの供給酸素によって酸化するためであるから、脱離されるHC量の酸化に必要な酸素量が与えられるように、EGR弁18を流れる空気流量、つまりEGR弁18の開度を定める必要がある。ここで、HCトラップ触媒13に供給される空気量(酸素量)はEGR弁18の開度(あるいは開口面積)と、EGR弁18を開いている所定時間TM1とにより定まる。この場合、所定時間TM1は上記のように短い時間であるので、脱離されるHC量の酸化に必要な酸素量が与えられるように、EGR弁18を開く所定開度を適合により予め定めておく。この所定開度は簡単には一定値でよい。
このように、EGR弁18を開くタイミング、EGR弁18をどの程度開くか(つまり所定開度)、EGR弁18を開いている期間(所定時間TM1)を定めると、図3第5段目、図4第4段目に示したように、t2、t3、t4、t5、t6の各タイミングで所定量の酸素がHCトラップ触媒13の直ぐ上流に供給されるため、HCトラップ触媒13の入口空燃比が一時的にリーン側に振れている。なお、HCトラップ触媒13の入口空燃比が一時的にリーン側に振れる期間以外では、空燃比が理論空燃比を中心とする所定幅内で振れている。この所定幅はいわゆるウインドウである。
上記t2、t3、t4、t5、t6の各タイミングでHCトラップ触媒13の入口空燃比をリーン化して排気中の酸素濃度を大きくすると、HCトラップ触媒13の一部を構成する三元触媒が、この大きくなった酸素濃度雰囲気中の酸素をストレージすると共に、このストレージした酸素を酸化剤として用いて、脱離されるHCを酸化(浄化)することとなり、図3最下段に破線で示したように、EGR弁18を全閉状態にしたままの場合(図では「HCT出口(従来)」と記している。)と比較してHC濃度が大きく低下している。
また、本実施形態によれば、図4最下段に実線で示したようにエンジンアウト(燃焼室8を出たところ)のNOx濃度は大きくても、三元触媒12出口では、太実線で示したようにNOx濃度は殆どゼロの状態に保たれている。このようにNOx濃度が殆どゼロの状態に保たれるのは、三元触媒12上流の空燃比を理論空燃比を中心とするウインドウに維持しているためである。言い替えると、三元触媒12は活性化されるまでは排気中のNOxは浄化されないまま下流に吐出されてしまうものの、排気マニホールド集合部10aの近傍に設けている三元触媒12はエンジンの冷間始動時にあっても早期に活性化するため、浄化されないまま下流に吐出されるNOxはわずかであり、三元触媒12の早期活性化後に即座にO2センサ25出力に基づく空燃比フィードバック制御を開始して三元触媒12上流の空燃比を理論空燃比を中心とするウインドウに維持する限り、NOxは三元触媒12により効率よく還元浄化されるためである。
HCトラップ触媒13のHC浄化率を向上させるため、空燃比をリーンにした場合(例えば燃料噴射弁15からの燃料量により定まる空燃比をリーンにしたり、燃料カットを行わせたり、気筒停止を行わせたりした場合)の特性(参照例)を、本発明との比較のため、図4最下段において破線で重ねて示している。この参照例の場合には、三元触媒12上流の空燃比が理論空燃比を外れてリーンとなるため、三元触媒12でのNOx転化率が低下し、三元触媒出口のNOx濃度をエンジンアウトでのNOx濃度に対してあまり低下させることができていない。
次に、エンジンコントローラ21で実行されるこの制御内容をフローチャートを参照して説明する。
図5はエンジンの冷間始動直後にEGR弁18の開閉制御を実行するためのもので、一定時間毎(例えば10ms毎)に実行する。
ステップ1では通常制御フラグをみる。この通常制御フラグはエンジンの始動時に通常制御フラグ=0とされているので、ステップ2に進む。ステップ2では水温センサ26により検出される冷却水温に基づいて冷間始動時であるか否かをみる。冷却水温が所定値を超えていれば冷間始動時でないと判断しそのまま今回の処理を終了する。
冷却水温が所定値以下であれば冷間始動時であると判断しステップ3に進み触媒温度センサ24により検出されるHCトラップ触媒13の触媒温度Tbedと、脱離開始温度T1を比較する。脱離開始温度T1は、冷間始動後にHCトラップ触媒13の温度が上昇しHCトラップ触媒13からHCの脱離が開始されるときの温度(例えば100℃程度)で、予め適合により求めておく。触媒温度Tbedが脱離開始温度T1未満であるときにはそのまま今回の処理を終了する。
ステップ3で触媒温度Tbedが脱離開始温度T1以上であるときにはHCトラップ触媒13からHCが脱離していると判断し、ステップ4に進み終了フラグをみる。
ここで、本実施形態では、触媒温度Tbedに基づいてHCトラップ触媒13からのHCの脱離が行われているか否かを判定しているが、これに限られるものでない。例えば、HCトラップ触媒13の入口温度に基づいてHCトラップ触媒13からのHCの脱離が行われているか否かを判定してもかまわない。また、始動タイミングからエンジンの発生する熱量を所定の周期毎に積算し、その積算値が所定値を上回れば、HCトラップ触媒13の触媒温度が脱離開始温度T1に到達したと判断させるようにしてもかまわない。
上記の終了フラグはエンジンの始動時にゼロに初期設定されているので、ステップ5に進みエアフローメータ22により検出される吸入空気流量Qaを用いて空気量積算値SUMQaを、
SUMQa=SUMQa+Qa×Δt …(1)
ただし、Δt;演算周期、
の式により算出する。(1)式は演算周期当たりの吸入空気量(Qa×Δt)を積算する式である。空気量積算値SUMQaの初期値はゼロである。つまり、(1)式により算出される空気量積算値SUMQaは触媒温度Tbedが脱離開始温度T1に到達したタイミングを起点としてHCトラップ触媒13を流れた空気量の全量(合計)を表す。
ステップ6、7、8は、HCトラップ触媒13からのHCの脱離が開始されて所定の期間が経過しているのにEGR弁18が一度も開かれていないときにフェイルセーフのため、従来装置と同様に空燃比をリーン化して酸素濃度を大きくすることで、HCトラップ触媒13から脱離されるHCを浄化する部分である。すなわち、ステップ6では空気量積算値SUMQaと所定値SM2を比較し、ステップ7で経験フラグをみる。ここで、所定値SM2は、HCトラップ触媒13からのHCの脱離開始より所定の期間が経過したか否かを判定するための値で、予め適合により求めておく。所定値SM2は後述する所定値SM1よりは小さな値である。一方、後述するように経験フラグ=1はEGR弁18を開いたことがあることを、経験フラグ=0はEGR弁18を開いたことがないことを表している。
空気量積算値SUMQaが所定値SM2未満であるときや空気量積算値SUMQaが所定値SM2以上であっても経験フラグ=1である(EGR弁18を開いたことがある)ときにはステップ9に進む。これに対して、空気量積算値SUMQaが所定値SM2以上でありかつ経験フラグ=0である(HCトラップ触媒13からのHCの脱離が開始されて所定の期間が経過しているのにEGR弁18を開いたことがない)ときにはステップ8に進んで空燃比リーン化フラグ(始動にゼロに初期設定)=1とした後にステップ9に進む。
ここで、本実施形態では、空気量積算値SUMQaに基づいてHCトラップ触媒13からのHCの脱離が開始されてから所定の期間が経過したか否かを判定しているが、HCトラップ触媒13からのHCの脱離が開始されてからの時間に基づいてHCトラップ触媒13からのHCの脱離が開始されてから所定の期間が経過したか否かを判定してもかまわない。
ステップ9はHCトラップ触媒13からのHCの脱離が終了したか否かを判定する部分である。すなわち、ステップ9では空気量積算値SUMQaと所定値SM1を比較する。所定値SM1は、HCトラップ触媒13からのHCの脱離が終了したか否かを判定するための値で、予め適合により求めておく。空気量積算値SUMQaが所定値未満であるときには、HCトラップ触媒13からのHCの脱離が終了していないと判断し、ステップ10に進んで、圧力センサ23(吸気管圧力検出手段)により検出される吸気管圧力Pbと閾値P1を比較する。
吸気管圧力Pbは過給機6の作動状態に応じて時々刻々に大きく変化し、過給機6の非作動状態では吸気管圧力は大気圧以下にとどまり、過給機6が作動状態になると、吸気管圧力Pbは大気圧を超えて大きくなる(図3の第4段目、図4の第2段目参照)。つまり、吸気管圧力Pbをみれば過給機6の作動状態が分かるのであり、吸気管圧力Pbが閾値P1未満であるときには過給機6は作動状態にあってもEGR弁前後に小さな圧力差しか生じていないと判断し、ステップ11に進んでEGR弁18を全閉状態としたままとする。
これに対してステップ10で吸気管圧力Pbが閾値P1以上であるときには過給機6が作動状態にあり、従ってEGR弁前後にある程度以上の圧力差が生じていると判断し、ステップ12、13に進む。ステップ12、13は空燃比リーン化フラグ=1となった後であっても吸気管圧力Pbが閾値P1以上になったときには、EGR弁18を開くことができるので、空燃比のリーン化を中止する部分である。すなわち、ステップ12で空燃比リーン化フラグをみて空燃比リーン化フラグ=1であるときには空燃比のリーン化を中止するため、ステップ13で空燃比リーン化フラグ=0とした後に、ステップ14に進む。
ステップ14ではEGR弁18を所定開度まで開き、ステップ15においてEGR弁18を開いたことを表すため経験フラグ(始動時にゼロに初期設定)=1とする。過給機6が作動状態にありEGR弁前後にある程度以上の圧力差が生じているときにEGR弁18を開くと、コレクタ4内の新気(空気)がエンジンをバイパスして直接的にHCトラップ触媒13の上流に供給される。このとき、HCトラップ触媒13よりHCが脱離されているので、HCトラップ触媒13の一部を構成している三元触媒ではこの空気中の酸素をストレージすると共に、ストレージした酸素を用いて、脱離されているHCを効率よく酸化(浄化)する。
ステップ16では、EGR弁18を開いてから所定時間TM1が経過したか否かをみる。所定時間TM1は長いほうが好ましいが、吸気管圧力Pbは過給機6の作動状態に応じて時々刻々に大きく変化するため、吸気管圧力Pbが閾値P1以上となっている状態が長く続くことは期待できない。そこで、確実に吸気管圧力Pbが閾値P1以上となっている期間を所定時間TM1として設定している。EGR弁18を開いてから所定時間TM1が経過していなければそのまま今回の処理を終了する。
ステップ16でEGR弁18を開いてから所定時間TM1が経過すればステップ11に進みEGR弁18を全閉状態へと切換える。
HCトラップ触媒13からのHCの脱離中に、過給状態になる度にEGR弁18を開くのは、HCトラップ触媒13より脱離されるHCを酸化するのに用いられる酸素を供給するためであるから、脱離されるHC量の酸化に必要な酸素量が与えられるように、EGR弁18を流れる空気流量(つまりEGR弁18の開度)を定めている。すなわち、HCトラップ触媒13に供給される空気量(酸素量)はEGR弁18の開度と、EGR弁を開いている所定時間TM1とにより定まる。この場合、所定時間TM1は上記のように短い時間であるので、脱離されるHC量の酸化に必要な酸素量が与えられるように、EGR弁18を開く所定開度を定めておく。
ステップ5の操作により空気量積算値SUMQaが増えてゆくが、空気量積算値SUMQaが所定値SM1以上となる前にステップ10、14で吸気管圧力Pbが閾値P1以上になる度にEGR弁18を開く。
ステップ5の操作によりやがて、ステップ9で空気量積算値SUMQaが所定値SM1以上となったときには、HCトラップ触媒13からのHCの脱離が終了したと判断し、ステップ17に進んで終了フラグ=1とし、ステップ18でEGR弁18を全閉状態とし、HCトラップ触媒13への酸素供給を終了する。
ここで、本実施形態では、空気量積算値SUMQaに基づいてHCトラップ触媒13からのHCの脱離が終了したか否かを判定しているが、これに限られるものでない。
ステップ19ではEGR制御の通常制御許可フラグ(エンジン始動時にゼロに初期設定)=1とする。この通常制御許可フラグ=1により、次回からはステップ1よりステップ2以降に進むことができない。つまり、ステップ2以降の処理はエンジンの冷間始動時にだけ行われることとなる。また、通常制御許可フラグ=1により図示しないフローにおいて通常のEGR制御が行われる。つまり、通常制御許可フラグ=1となるまで、通常のEGR制御は行われない。これは、本発明に係るエンジン冷間始動直後のEGR制御を優先させるためである。
図6は各気筒の燃料噴射パルス幅Tiを演算するためのもので、一定時間毎(例えば10ms毎)に実行する。
ステップ21では、エアフローメータ22により検出される吸入空気流量Qaとエンジン回転速度Neとから、
Tp=K×Qa/Ne …(2)
ただし、K;定数、
の式により基本噴射パルス幅Tpを算出する。
所定の燃料噴射タイミングにこの基本噴射パルス幅Tpで各気筒の燃料噴射弁15を開いて燃料供給を行ったときに得られる空燃比を基本空燃比とすると、この基本空燃比は理論空燃比より若干ずれている。この空燃比のずれを解消するため後述する空燃比フィードバック補正係数αを用いて空燃比のフィードバック制御を行うこととなる。
ステップ22、23は基本噴射パルス幅Tpを減量補正する条件にあるか否かをみる部分である。すなわち、ステップ22、23で終了フラグ=0(HCトラップ触媒13からのHCの脱離終了前)でありかつEGR弁18が開かれているときには基本噴射パルス幅Tpを減量補正する条件にあると判断し、ステップ24、25の後にステップ26に進む。これに対して、終了フラグ=1(HCトラップ触媒13からのHCの脱離終了後)であるときやEGR弁18が開かれていないときにはステップ24、25を飛ばしてステップ26に進む。ここで、終了フラグの状態やEGR弁18が開かれているか否かは、図5の結果を用いる。
ステップ24では、圧力センサ23により検出される吸気管圧力Pbから図7を内容とするテーブルを検索することにより減量補正量ΔTp1を算出し、ステップ25で基本噴射パルス幅Tpからこの減量補正量ΔTp1を差し引いた値を改めて基本噴射パルス幅Tpとする。
ここで、EGR弁18が開かれているときに、基本噴射パルス幅Tpを減量補正する理由は次の通りである。すなわち、上記(2)式の「Qa/Ne」はエンジン1回転当たりに燃焼室8に導入される空気量を表すところ、EGR弁18が開かれるとコレクタ4内の空気の一部が燃焼室8に供給されることなくバイパスされるのであるから、エンジン1回転当たりに燃焼室8に導入される空気量である「Qa/Ne」は実質的に小さくなっている。ということは、EGR弁18の開弁に伴う実質的な空気量の減少分だけ空燃比が理論空燃比を外れてリッチ側に偏ることを意味し、三元触媒12の転化効率が低下してしまう。リッチ側に偏った空燃比を理論空燃比へと戻すには、空燃比をリーン化することであり、そのためには燃料噴射量(基本噴射パルス幅)を減らしてやればよい。そこで、EGR弁18の開弁に伴う実質的な空気量の減少があっても三元触媒上流の空燃比は理論空燃比を中心とするウインドウに収まるように(理論空燃比の近傍となるように)、基本噴射パルス幅Tpを減量補正するものである。
図7に示したように減量補正量ΔTp1は、吸気管圧力Pb(過給圧)が閾値P1より大きくなるほどゼロより大きくなる値である。これは、吸気管圧力Pbが大きくなるほどEGR弁18を通過する空気流量が多くなり、その分、三元触媒上流の空燃比がリッチ側に向かうので、これに合わせて燃料の減量分(減量補正量ΔTp1)を増やすようにしたものである。
ステップ26では空燃比リーン化フラグをみる。空燃比リーン化フラグ=0であるときには、空燃比フィードバック制御を行うためステップ27に進み、O2センサ25出力に基づいて空燃比フィードバック補正係数α(空燃比フィードバック補正量)を算出する。空燃比フィードバック補正係数αは、O2センサ25が活性化する前には1.0であり、O2センサ25が活性化したタイミングよりO2センサ25出力に基づいて算出する。例えば、O2センサ25出力から得られる実空燃比が理論空燃比よりもリッチ側にあれば、空燃比フィードバック補正係数αは1.0より小さな値となって基本噴射パルス幅Tpを減量側に補正し、この逆にO2センサ25出力から得られる実空燃比が理論空燃比よりもリーン側にあれば、空燃比フィードバック補正係数αは1.0より大きな値となって基本噴射パルス幅Tpを増量側に補正し、これによって三元触媒上流の空燃比が理論空燃比を中心とするウインドウに収まるようにする。
これに対して空燃比リーン化フラグ=1であるときには空燃比フィードバック制御を中止して空燃比をリーン化するためステップ28、29に進み、空燃比フィードバック補正係数αをクランプする(α=1.0)と共に、基本噴射パルス幅Tpから減量補正量ΔTp2を差し引いた値を改めて基本噴射パルス幅Tpとする。減量補正量ΔTp2は適合により予め定めておく。
ステップ30ではこのようにして算出した空燃比フィードバック補正係数α、基本噴射パルス幅Tpに基づいてシーケンシャル噴射時の燃料噴射パルス幅Tiを、
Ti=Tp×TFBYA×(α+αm−1)×2+Ts …(3)
ただし、TFBYA;目標当量比、
αm ;空燃比学習値、
Ts ;無効噴射パルス幅、
の式により算出する。
(3)式の各値は全て公知である。例えば、目標当量比TFBYAは冷間始動直後に燃焼を安定させるため、1.0より少し大きな値になって空燃比を理論空燃比よりも少しリッチ側にする。なお、空燃比フィードバック制御が行われるときには目標当量比TFBYA=1.0となっている。空燃比学習値αmは空燃比フィードバック補正係数αに基づいて算出される値で、定常偏差がなければ空燃比学習値αm=1.0である。無効噴射パルス幅Tsは燃料噴射弁15の作動遅れを補償するための値である。
このようにして算出された燃料噴射パルス幅Tiは出力レジスタに蓄えられ、所定の燃料噴射タイミングになると、このTiの期間だけ燃料噴射弁15が開かれる。
ここで、本実施形態の作用効果を説明する。
本実施形態(請求項1に記載の発明)によれば、吸入空気を過給する過給機6と、排気管9に配置される三元触媒12と、この三元触媒12の下流に配置され、エンジンの冷間時に排出されるHCをトラップし、排気温度が所定値以上に上昇したときトラップしているHCを脱離して酸化するHCトラップ触媒13と、三元触媒12とこのHCトラップ触媒13の間にある排気管9から分岐して吸気管2に合流するEGR通路17と、このEGR通路17を開閉するEGR弁18と、吸気管の圧力を検出する圧力センサ23(吸気管圧力検出手段)と、HCトラップ触媒13からHCが脱離する条件のときにこの圧力センサ23により検出される吸気管圧力Pbが閾値P1以上にあればEGR弁18を開く開弁制御手段(図5のステップ3、4、10、14参照)とを備えるので、上記特許文献1のように第2触媒層を新たに追加することをしなくても、三元触媒12によりNOxの浄化を図りつつHCトラップ触媒13に酸素を供給することができ、これによりNOxの浄化率とHC、COの浄化率とを共に向上させることができる。
なお、HCトラップ触媒13からHCが脱離する条件のときにHCトラップ触媒13に酸素を供給する方法として、2次空気供給装置を設け、HCトラップ触媒13の上流に2次空気を供給する方法がある。しかしながら、この2次空気供給方法では、2次空気供給装置が必要となり、コストが上昇する。これに対して本実施形態(請求項1に記載の発明)によれば2次空気供給装置を設けることは必要でない。
HCトラップ触媒13からHCが脱離する条件のときにHCトラップ触媒13に酸素を供給する方法として空燃比をリーン化したり、燃料カットや気筒停止等を行ったりすることにより排気中の酸素濃度を大きくする空燃比リーン化法がある。しかしながら、この空燃比リーン化法では、三元触媒12上流の空燃比が理論空燃比を外れてリーンとなり、三元触媒12でのNOx転化効率が悪くなり、NOx濃度が大きくなる。
これに対して本実施形態(請求項2に記載の発明)によれば、エンジンに燃料を供給する燃料噴射弁15(燃料供給装置)と、この燃料噴射弁15からの燃料量により定まる空燃比が理論空燃比を中心とするウインドウに(理論空燃比付近に)収まるように空燃比をフィードバック制御する空燃比フィードバック制御手段(図6のステップ21、27、30参照)とを備え、EGR弁18を開くときに空燃比フィードバック制御手段を作動させる(図6のステップ22、23、27、30参照)。すなわち、本実施形態(請求項2に記載の発明)よれば、三元触媒12を通さずに直接的にHCトラップ触媒13に酸素供給を行うのであり、これによって三元触媒12上流の空燃比が理論空燃比を中心とするウインドウに(理論空燃比付近に)保たれるため、上記空燃比リーン化法のようにNOx排出量が増加することがない。
本実施形態(請求項3に記載の発明)によれば、燃料供給装置は吸気ポートにまたは燃焼室に臨んで設けられる燃料噴射弁15であり、空燃比フィードバック制御手段がEGR通路17が合流する部位17aよりも上流の吸気管2を流れる吸入空気流量を検出するエアフローメータ22(吸入空気流量検出手段)と、このエアフローメータ22により検出される吸入空気流量に基づいて基本噴射パルス幅Tp(基本噴射量)を算出する基本噴射量算出手段(図6のステップ21参照)と、三元触媒上流の空燃比を検出するO2センサ25(空燃比検出手段)と、このO2センサ25により検出される三元触媒12上流の空燃比が理論空燃比を中心とするウインドウに(理論空燃比の付近に)くるように空燃比フィードバック補正係数α(空燃比フィードバック補正量)を算出する空燃比フィードバック補正量算出手段(図6のステップ27参照)と、この空燃比フィードバック補正係数αで基本噴射パルス幅Tpを補正して燃料噴射パルス幅Ti(燃料噴射量)を算出する燃料噴射量算出手段(図6のステップ30参照)と、この燃料噴射パルス幅Tiを燃料噴射弁15に出力する出力手段とを備え、EGR弁18を開くときに基本噴射パルス幅Tpを減量補正するので(図6のステップ22、23、25参照)、EGR弁18を開くときにも、三元触媒12上流の空燃比を理論空燃比を中心とするウインドウに(理論空燃比付近に)保つことができる。
本実施形態(請求項4に記載の発明)によれば、基本噴射パルス幅Tpを減量補正するための減量補正量ΔTp1は、圧力センサ23により検出される吸気管圧力Pbが大気圧を超えて大きくなるほど大きくなる値であるので(図7参照)、圧力センサ23により検出される吸気管圧力Pbが大気圧を超えるいずれの値であっても、基本噴射パルス幅Tpを減量補正するための減量補正量ΔTp1を精度良く与えることができる。
本実施形態(請求項5に記載の発明)によれば、HCトラップ触媒13からHCが脱離する条件のときに圧力センサ23により検出される吸気管圧力Pbが大気圧以下であるとき、EGR弁18を全閉状態とすると共に(図5のステップ3、4、10、11参照)、空燃比フィードバック制御手段を非作動として、燃料噴射弁15からの燃料量により定まる空燃比が理論空燃比よりもリーン側となるようにするので(図6のステップ26、28、29、30参照)、EGR弁18を開くことができない場合においても、HCトラップ触媒13に酸素を供給することができる。
実施形態では、EGR弁18を開くときに基本噴射パルス幅Tpを減量補正する場合で説明したが、EGR弁18を開くときにエアフローメータ22により検出される吸入空気流量を減量補正するようにしてもかまわない(請求項3に記載の発明)。
実施形態では、エンジンの冷間始動時に一時、空燃比を理論空燃比よりもリッチにした後に理論空燃比を目標空燃比として空燃比のフィードバック制御を行う場合で説明したが、エンジンの冷間始動時に多く発生するHCを低減するため、冷間始動直後に一時的に空燃比を理論空燃比よりも若干リーンにして酸素濃度を大きくし、この大きくした酸素濃度でHCを酸化するものがある。このものにも本発明を適用できる。
車両に搭載された本発明に係るエンジンの排気浄化装置の概略構成図。 過給圧の特性図。 エンジンを冷間状態にあるのタイミングで始動して車両を所定の条件で運転したときの車速、HCトラップ触媒の触媒温度、始動タイミングからの空気量積算値、吸気管圧力、EGR弁の開閉状態、HCトラップ触媒の入口空燃比、HCトラップ触媒出口のHC濃度の各タイミングチャート。 エンジンを冷間状態にあるのタイミングで始動して車両を所定の条件で運転したときの車速、吸気管圧力、EGR弁の開閉状態、HCトラップ触媒の入口空燃比、HCトラップ触媒出口のNOx濃度の各タイミングチャート。 エンジンの冷間始動直後のEGR弁の開閉制御を説明するためのフローチャート。 燃料噴射パルス幅の算出を説明するためのフローチャート。 減量補正量の特性図。
符号の説明
1 エンジン
2 吸気管
9 排気管
12 三元触媒
13 HCトラップ触媒
15 燃料噴射弁(燃料供給装置)
18 EGR弁
21 エンジンコントローラ
23 圧力センサ(吸気管圧力検出手段)

Claims (8)

  1. 吸入空気を過給する過給機と、
    排気管に配置される三元触媒と、
    この三元触媒の下流に配置され、エンジンの冷間時に排出されるHCをトラップし、排気温度が所定値以上に上昇したときトラップしているHCを脱離して酸化するHCトラップ触媒と、
    前記三元触媒とこのHCトラップ触媒の間にある排気管から分岐して吸気管に合流するEGR通路と、
    このEGR通路を開閉するEGR弁と、
    前記吸気管の圧力を検出する吸気管圧力検出手段と、
    前記HCトラップ触媒からHCが脱離する条件のときにこの吸気管圧力検出手段により検出される吸気管圧力が大気圧を超えていれば前記EGR弁を開く開弁制御手段と
    を備えることを特徴とするエンジンの排気浄化装置。
  2. エンジンに燃料を供給する燃料供給装置と、
    この燃料供給装置からの燃料量により定まる空燃比が理論空燃比付近に収まるように空燃比をフィードバック制御する空燃比フィードバック制御手段と
    を備え、
    前記EGR弁を開くときに前記空燃比フィードバック制御手段を作動させることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの排気浄化装置。
  3. 前記燃料供給装置は吸気ポートにまたは燃焼室に臨んで設けられる燃料噴射弁であり、
    前記空燃比フィードバック制御手段が
    前記EGR通路が合流する部位よりも上流の吸気管を流れる吸入空気流量を検出する吸入空気流量検出手段と、
    この吸入空気流量検出手段により検出される吸入空気流量に基づいて基本噴射量を算出する基本噴射量算出手段と、
    前記三元触媒上流の空燃比を検出する空燃比検出手段と、
    この空燃比検出手段により検出される三元触媒上流の空燃比が理論空燃比の付近にくるように空燃比フィードバック補正量を算出する空燃比フィードバック補正量算出手段と、
    この空燃比フィードバック補正量で前記基本噴射量を補正して燃料噴射量を算出する燃料噴射量算出手段と、
    この燃料噴射量を前記燃料噴射弁に出力する出力手段と
    を備え、
    前記EGR弁を開くときに前記基本噴射量を減量補正するか前記吸入空気流量検出手段により検出される吸入空気流量を減量補正することを特徴とする請求項2に記載のエンジンの排気浄化装置。
  4. 前記基本噴射量を減量補正するための減量補正量は、前記吸気管圧力検出手段により検出される吸気管圧力が前記大気圧を超えて大きくなるほどまたは前記閾値を超えて大きくなるほど大きくなる値であることを特徴とする請求項3に記載のエンジンの排気浄化装置。
  5. 前記HCトラップ触媒からHCが脱離する条件のときに前記吸気管圧力検出手段により検出される吸気管圧力が大気圧以下であるとき、前記EGR弁を全閉状態とすると共に、前記空燃比フィードバック制御手段を非作動として、前記燃料供給装置からの燃料量により定まる空燃比が理論空燃比よりもリーン側となるようにすることを特徴とする請求項2に記載のエンジンの排気浄化装置。
  6. 前記HCトラップ触媒からHCが脱離する条件の開始は、HCトラップ触媒が脱離開始温度となったときであることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの排気浄化装置。
  7. 前記HCトラップ触媒からHCが脱離する条件の終了は、前記吸入空気流量検出手段により検出される吸入空気流量を、エンジンの始動タイミングより所定の周期毎に積算した値が所定値に到達するときであることを特徴とする請求項3に記載のエンジンの排気浄化装置。
  8. 前記EGR弁は所定開度まで開くと共に、前記HCトラップ触媒から脱離されるHC量の酸化に必要な酸素量が与えられるようにこの所定開度を定めることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの排気浄化装置。
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