本発明者らは、上記目的を解決するために、種々の検討を重ねた結果、次の(a)〜(p)の知見を得た。
(a) 床付き布枠の両端の隙間をなくした場合には、階段部材の掴み金具を取り付けるべき建枠の横桟が完全に隠れてしまうために、掴み金具を用いて階段部材を組み入れることは不可能となる。すなわち、特許文献3及び4に示される床付き布枠が取り付けられ固定されてなる建枠の横桟に、掴み金具を介して階段部材を取り付けることはできない。したがって、掴み金具を介して階段部材を枠組足場に組み込む場合には、床付き布枠の両端の隙間をなくすことはできない。
(b) しかしながら、床付き布枠の両端の隙間を完全になくすまでに至らなくても、床付き布枠の両端の隙間を少なくするだけでも、工具や建築資材等が隙間から落下するおそれは小さくなる。そして、その床付き布枠の両端の隙間を少なくするために、床付き布枠の端面を外方向に延長するか、又は、梁材の外側に梁材と平行に突出部材を接合すれば足りる。したがって、このときの問題点は、掴み金具を介して階段部材を枠組足場に組み込む場合に、階段部材の設置場所が、道路側、建物側、あるいは中央部に固定されているので、自由に選択することはできない点である。
(c) 床付き布枠を建枠の横桟又は腕木材の間に架け渡すための掴み金具は、通常、特許文献2に開示されたように、主材の両端部の四隅に固定されている。階段部材を枠組足場に組み込む際には、上段の足場における床付き布枠の1枚又は2枚を取り外して、上下の足場を構成する建枠の横桟又は腕木材の間に、両端部に掴み金具が取り付けられた階段部材を斜めに架け渡すことになる(下端部は掴み金具で建枠の横桟又は腕木材を掴む代わりに、下段の床付き布枠の上に載置又は固定してもよい。以下同じ。)。ここで、階段部材の掴み金具は階段側面の長尺部材に取り付けられるから、階段部材の掴み金具は階段部材の両端部の四隅に固定されることになる。したがって、床付き布枠の掴み金具の位置と階段部材の掴み金具の位置が合致すれば、両者の掴み金具の位置の互換性を確保することができる。
床付き布枠の掴み金具の位置と階段部材の掴み金具の位置の互換性について、500mmの幅の階段部材を例にとって検討すると、この階段部材の幅は小アンチ(240mm幅)2枚分又は大アンチ(500mm幅)1枚分に相当する。
したがって、掴み金具を主材の両端部の四隅に固定してなる小アンチとの掴み金具の位置との互換性は必ず備わっているので、小アンチのみに隣接して500mmの幅の階段部材を組み入れるときには、小アンチがその両端の隙間を少なくしたものであったとしても、階段部材の掴み金具は建枠の横桟又は腕木材を確実に掴むことができる。
(d) したがって、その両端の隙間を少なくした大アンチに隣接する場合であっても、掴み金具の位置との互換性を必ず確保するためには、階段部材の掴み金具が、既に隣接して設置された大アンチの延長された端面にぶつからないようにすればよい。そのためには、階段部材の掴み金具が建枠の横桟又は腕木材を掴むであろう場所の近傍に、床付き布枠の端面に隙間を作ればよい。
すなわち、梁材の断面形状にかかわらず、梁材の中央部に外向きの切欠き部又は凹部を設ければよい。梁材の外側に梁材と平行に突出部材を接合した場合には、その突出部材の中央部に外向きの切欠き部又は凹部を設ければよい。このようにすれば、階段部材の掴み金具は建枠の横桟又は腕木材を確実に掴むことができる。
(e) 本発明者らは、このような着想の下に、床付き布枠の梁材の中央部に外向きの切欠き部又は凹部を設けてみた。また、梁材自体に外向きの切欠き部又は凹部を設ける代わりに、梁材の外側に梁材と平行に突出部材を接合して、その突出部材の中央部に切欠き部又は凹部を設けてみた。以下は、梁材の上側フランジを梁材の幅方向の外側に延長して突出部44を形成し、その中央部に外向きの凹部を設けてなる床付き布枠を例にとって、図14〜図17を用いて説明する。
図14は、梁材の中央部に外向きの凹部を設けてなる床付き布枠の一例の端部を示したものであり、(a)は平面図、(b)は(a)のA−A矢視方向の拡大側面図(断面図)である。
この床付き布枠は、長尺の主材30の2枚を水平方向に平行に2枚配設し、床材部31の端面に上側フランジ41と下側フランジ42とウェブ43から形成される梁材40が嵌合されて取り付けられたものであり、大アンチ(500mm幅)の類である。ただし、梁材40のうち、水平面の上側フランジ41は梁材の幅方向の外側に延長し、垂直面のウェブ43の全部を外側に傾斜させることによって、突出部44が形成されているので、梁材40は図14(b)に見るごとく、断面が倒立台形状を有している。さらに、梁材の上部フランジの突出部44には、その中央部に凹部46が設けられている。そして、掴み金具50は主材の布材部32a、32bの両端に取り付けられている。ここでは、床材部31の上面にはエンボス加工が施されていて、床付き布枠上を歩行する際に作業員が滑るのを防止しているが、その必要がない場合にはエンボス加工を施さなくてもよい。なお、床材部31が幅方向に撓るのを防止するため、床材部31の長手方向の中央部の下側に桟木を設けてもよい。
図15は、図14に示される床付き布枠を、隣接する建枠2の横桟3の間に架け渡したときの床付き布枠の端部の状況を示す平面図である。
床付き布枠の掴み金具50は建枠の横桟3を確実に掴むことができるので、床付き布枠11は隣接する建枠の横桟3の間に架設することができる上に、床付き布枠の両端の隙間72はほとんどなくなっている。ただし、梁材の上部フランジの突出部44には、その中央部に凹部45が設けられているため、その凹部46の分だけ、隙間は広くなっている。
図16は、図14に示される床付き布枠(大アンチ)を小アンチと組み合わせて、隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに階段部材を設置する2例の部分平面図である。図14に示される床付き布枠11(大アンチ26)と小アンチ25(240mm幅)の各1枚が水平方向に平行に並べられて、隣接する建枠の横桟3の間に架け渡されたところに階段部材75が設置される。(a)の場合はもちろん、(b)の場合であっても階段部材75を取り付けることが可能であることが分かる。これは、梁材の上部フランジの突出部44には、その中央部に凹部46が設けられているため、階段部材の掴み金具50は隣接する床付き布枠の梁材にぶつかることはないので、(b)の場合であっても階段部材75を取り付けることができるようになったためである。すなわち、図14に示す床付き布枠を用いると、階段の設置場所は、道路側又は建物側のいずれかに固定されることはなく、道路側と建物側のうちから自由に設置場所を選択することができる。図12(b)と比較すれば、その違いがよく分かる。
図17は、図14に示される床付き布枠(大アンチ)の2枚を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに階段部材を設置する2例の部分平面図である。図14に示される床付き布枠11(大アンチ26)の2枚が水平方向に平行に並べられて、隣接する建枠の横桟3の間に架け渡されたところに階段部材75が設置される。(a)の場合はもちろん、(b)の場合であっても階段部材75を取り付けることが可能であることが分かる。これは、梁材の上部フランジの突出部44には、その中央部に凹部46が設けられているため、階段部材の掴み金具50は隣接する床付き布枠の梁材にぶつかることはないので、(b)の場合であっても階段部材75を取り付けることができるようになったためである。すなわち、図14に示す床付き布枠を用いると、階段の設置場所は、道路側又は建物側だけに固定されることはなく、中央部でもよいから、階段を道路側、中央部、建物側のいずれにも自由に組み込むことができる。図13(b)と比較すれば、その違いがよく分かる。
以上は、梁材の上側フランジを梁材の幅方向の外側に延長して突出部44を形成し、その中央部に外向きの凹部を設けてなる床付き布枠で説明したが、梁材の下側フランジを梁材の幅方向の外側に延長して突出部44を形成し、その中央部に外向きの凹部を設けてなる床付き布枠であっても、階段を道路側、中央部、建物側のいずれにも自由に組み込むことができる。また、梁材の中央部に外向きの凹部を設ける代わりに、外向きの切欠き部を設けてもよい。さらに、梁材自体に外向きの切欠き部又は凹部を設ける代わりに梁材の外側に梁材と平行に突出部材を接合してその突出部材の中央部に切欠き部又は凹部を設けてもよい。
(f) このように、外向きの切欠き部又は凹部を設ける、床付き布枠の梁材の断面形状としては、従来どおりコの字形状であってもよいが、床付き布枠の端面の上面部又は下面部を突出させてなる形状でもよい。その上面部又は下面部を突出させるためには、床付き布枠を構成する主材の長手方向の両端に取り付けられる梁材の形状を工夫すればよい。従来の梁材は、水平面の上側フランジと下側フランジと垂直面のウェブから形成されかつその断面コの字形状であるが、水平面の上側又は下側フランジを布枠端面の外方向に延長する形で突出させることによって形成される倒立h形状であるとすればよい。あるいは、水平面の上側又は下側フランジを布枠端面の外方向に延長しかつ垂直面のウェブの全部又は一部を布枠端面の外方向に傾斜させることによって形成される台形状又は変形台形状としてもよい。
床付き布枠の端面の上面部を突出させてなる梁材の断面形状は、図14(b)に示した断面形状の外に、たとえば、図18〜図21を挙げることができる。なお、いずれの図も、外向きの切欠き部又は凹部における断面を示している。
図18は、断面が倒立h形状を有している。梁材の上部フランジの突出部44には、その中央部に切欠き部45が設けられている。
図19は、断面が倒立台形状を有しており、梁材の上部フランジの突出部44には、その中央部に凹部46が設けられている点は、図14(b)に示されたものと同じであるが、凹部の切り込み深さが図14(b)に示されたものより深い。
図20は、断面が倒立変形台形状を有している。梁材の上部フランジの突出部44には、その中央部に凹部46が設けられている。
図21は、断面はコの字形状である。そして、梁材の幅方向の外側の中央部には凹部46が設けられている。
なお、床付き布枠の端面の下面部を突出させてなる梁材の断面形状は、特に例示することはしないが、基本的には上記の床付き布枠の端面の上面部を突出させてなる梁材の断面形状の上下を入れ替えた断面形状となる。
(g) 床付き布枠の梁材に切欠き部又は凹部を設ける代わりに、突出部材を梁材の外側に梁材と平行に接合して、ここに外向きの切欠き部又は凹部設ける場合の突出部材の断面の形状としては、コの字形状であってもよいし、平板であってもよい。また、倒立H形状、倒立L型形状、倒立山形又は三角形状のものであってもよい。接合は、線溶接や点溶接等で溶接することによって行うことができるし、ボルトナットやリベット等で固定することによって行うこともできる。必要に応じて、リブ等で補強をすることもできる。
突出部材の断面形状は、たとえば、図22〜図26を挙げることができる。なお、いずれの図も、外向きの切欠き部又は凹部における断面を示している。
図22は、上側フランジ41と下側フランジ42とウェブ43から形成される断面コの字形状の梁材40の外側に梁材と平行に、断面が倒立L形状の突出部材60を線溶接W3により接合したものである。そして、突出部材60には、その中央部に切欠き部61が設けられている。
図23は、図22の変形例である。上側フランジ41と下側フランジ42とウェブ43から形成される断面コの字形状の梁材40の外側に梁材と平行に、断面が倒立L形状の突出部材60を線溶接W3により接合したものである。図22と異なる点は、突出部材60を2部材に分割し、この2部材の間の間隔をあけることで、実質的に切り欠き部61を形成した点である。
図24は、上側フランジ41と下側フランジ42とウェブ43から形成される断面コの字形状の梁材40の外側に梁材と平行に、断面が三角形状の突出部材60を線溶接W3により接合したものである。そして、突出部材60には、その中央部に凹部62が設けられている。
図25は、図24の変形例である。上側フランジ41と下側フランジ42とウェブ43から形成される断面コの字形状の梁材40の外側に梁材と平行に、突出部材60を線溶接W3により接合し、突出部材60にはその中央部に凹部62が設けられたものである。図24と異なる点は、突出部材として山形鋼を倒立させて用いている点である。ただし、山形鋼を用いても突出部材の断面は三角形状となっていることが分かる。
図26は、上側フランジ41と下側フランジ42とウェブ43から形成される断面コの字形状の梁材40の外側に梁材と平行に、平板の突出部材60を線溶接W3により接合するとともに、リブ63により補強したものである。そして、突出部材60には、その中央部に切欠き部61が設けられている。
なお、下面部を外方向に突出させてなる突出部材の断面形状は、特に例示することはしないが、基本的には上記の上面部を外方向に突出させてなる突出部材の断面形状の上下を入れ替えた断面形状となる。
(h) このように、梁材又は突出部材の中央部に外向きの切欠き部又は凹部を設けてなる床付き布枠を用いれば、建枠の横桟又は腕木材の間に架け渡したときに床付き布枠の両端の隙間を少なくできるとともに、床付き布枠に隣接して階段部材を組み入れるときに階段部材の掴み金具が建枠の横桟又は腕木材を確実に掴むことができ、もって、階段をどの場所にも自由に組み込むことが可能となる。
なお、以上は、梁材又は突出部材の中央部に外向きの切欠き部又は凹部を設けてなる床付き布枠を例にとって説明してきたが、建枠の横桟又は腕木材の間に架け渡したときに床付き布枠の両端の隙間を少なくできるとともに、床付き布枠に隣接して階段部材を組み入れるときに階段部材の掴み金具が建枠の横桟又は腕木材を確実に掴むことができればよいのであるから、必ずしも梁材又は突出部材の中央部に外向きの切欠き部又は凹部を設けなければならないというものではない。
たとえば、階段部材によってはその掴み金具の設置位置が異なる場合もある。この場合は、隣接する床付き布枠の掴み金具の設置位置に応じて、外向きの切欠き部又は凹部の設置位置を、中央部から建物側又は道路側へと変更してもよいし、1個所に限らず複数箇所に設置してもよい。あるいは、外向きの切欠き部又は凹部を幅広にすれば、階段部材の掴み金具の設置位置が多少ずれても、その掴み金具は建枠の横桟又は腕木材を確実に掴むことができる。
(i) しかしながら、梁材又は突出部材に切欠き部又は凹部を設けた床付き布枠は、その切欠き部又は凹部において、隣接する梁材の間の隙間は広くなっている。
したがって、このような切欠き部又は凹部を梁材又は突出部材に設けた床付き布枠を、枠組足場内の階段部材の掴み金具を組み込まない場所に用いる場合には、切欠き部の下部には横桟が通っているため、この切欠き部又は凹部の隙間から大型の工具や建築資材等が落下するおそれは小さいものの、ボルト、ナット等の小物が落下するおそれは否めない。また、作業員が作業中にこの隙間に足を引っかけ、転んでしまうおそれもある。
(j)本発明者らは、このように、外向きの切欠き部又は凹部を設けることによって想定される問題点を解決すべく、さらに検討を重ねた結果、その切欠き部又は凹部に開閉可能な蓋を設け、その切欠き部又は凹部に掴み金具を受容している状態又は受容していない状態のときにはその切欠き部又は凹部の上面にその蓋を水平に保持することによってその切欠き部又は凹部を塞いでおき、そして、掴み金具を取り外すとき又は取り付けるときには手動によりその蓋を開けるようにすることに思い至った。
このようにすれば、階段部材の掴み金具は建枠の横桟又は腕木材を確実に掴むことができるとともに、梁材又は突出部材に設けた切欠き部又は凹部の上面の蓋が開いているのは、階段部材の掴み金具を取り外すとき又は取り付けるときだけとなる。したがって、その切欠き部又は凹部に掴み金具を受容している状態又は受容していない状態のときには、その切欠き部又は凹部の上面にその蓋が水平に保持されているので、作業員が枠組み足場内を移動したり、作業をする際にはその切欠き部又は凹部の上面の蓋を塞いだままとすることができる。よって、工具や建築資材がその切欠き部又は凹部から落下するおそれは各段と小さくなる。
ここで、梁材又は突出部材に設ける外向きの切欠き部と凹部は、いずれも同等の効果がある。そして、この開閉可能な蓋は、梁材に外向きの切欠き部又は凹部を設けてなる床付き布枠と、突出部材に外向きの切欠き部又は凹部を設けてなる床付き布枠とを問わず、設置することが可能であり、いずれにも同等の効果がある。したがって、以下は、主として、「梁材に外向きの凹部を設けてなる床付き布枠」を例にとって説明するが、「梁材に外向きの切欠き部を設けてなる床付き布枠」並びに「突出部材に外向きの凹部を設けてなる床付き布枠」及び「突出部材に外向きの切欠き部を設けてなる床付き布枠」もまた、「梁材に外向きの凹部を設けてなる床付き布枠」と同等の効果があることは明らかである。
(k) この梁材又は突出部材に設けた切欠き部又は凹部の上面を覆う蓋は、床付き布枠から独立した部材とすることが考えられるが、この場合は紛失等のおそれがあるとともに、作業性に劣る。床付き布枠に付属した部材とすると、紛失等のおそれはなくなり、作業性にも優れたものとなる。
床付き布枠に付属した部材として、まず思いつくのは、切欠き部又は凹部の上を塞ぐことができる開閉蓋を、回転軸を有する蝶番により開閉可能に設置することである。
図27は、外向きの凹部を有する梁材を設けてなる床付き布枠の凹部の上を塞ぐことができる開閉蓋を、回転軸を有する蝶番により開閉可能に設置した例である。ここで、図27(a)は、回転軸81を有する蝶番82により開閉蓋80を開閉可能に設置した例(平面図)であり、そして、図27(b)は凹部に階段部材の掴み金具を受容している状態のときの図27(a)のA−A矢視断面図であり、図27(c)は凹部に階段部材の掴み金具を受容していない状態のときの図27(a)のA−A矢視断面図である。
ここでは、床付き布枠の梁材は、突出部44を有する上側フランジ41と、下側フランジ42と、上部を外側に傾斜させてなるウェブ43からなり、断面は倒立台形状となっている。そして、梁材の中央部の上部フランジの突出部44とウェブ43には、外向きに凹部46が設けられている。なお、凹部を形成したために低下した強度を補強するために、断面コの字形の補強部材47が凹部の内周面に接合されている。
図27(b)に示すとおり、凹部に階段部材の掴み金具50を受容している状態のときは、開閉蓋80は掴み金具50によって下方から支えられているので、開閉蓋80の上に作業員が乗ったときでも開閉蓋80はその位置に水平に保持される。しかしながら、図27(c)に示すとおり、凹部に階段部材の掴み金具50を受容していない状態のときは、開閉蓋80は階段部材の掴み金具50によって支えられていない。したがって、凹部の幅が狭い場合には開閉蓋80の上に作業員が乗っても撓むことはないが、凹部の幅が広い場合には開閉蓋80の上に作業員が乗ると、開閉蓋80が下方に撓むので、足場を通行する作業員に不安を与えるおそれがある。
また、開閉蓋80は梁材の凹部の上に単に載置されている状態であって、回転軸81の回りに上方に回転可能である。したがって、梁材の凹部の上に設置された開閉蓋80が風にあおられると、その凹部に階段部材の掴み金具を受容している状態と受容していない状態を問わず、白抜き矢印で示すように、上方に持ち上げられて、開閉蓋80が蝶番82の回転軸81の回りに簡単に回転して、反転してしまうおそれがある。開閉蓋80が反転した場合には、その都度、持ち上がった開閉蓋80を手動によって閉じる動作が必要となるし、不意に持ち上がった開閉蓋80に作業員がつまずいて転倒するおそれがある。
(l) また、床付き布枠には、作業中にその上面にコンクリートやペンキ等が付着することがあり、枠組足場を解体後に、「ケレン機」という機械を用いて床付き布枠に付着したコンクリートやペンキ等を除去する作業をすることがある。「ケレン機」は、鉄製のリング等を多数備えており、このリングを床付き布枠の上面に叩き付けることで付着物が除去できるものであるが、薄い鉄板を曲げるほどの衝撃が床付き布枠の上面に加わる。
図27に示すように、梁材あるいは突出部材の上面に回転軸81を設けると、コンクリートやペンキ等が蝶番82の回転軸81に付着して回転できなくなる場合があり、また、これらをケレン機で除去しようとすると蝶番82の回転軸81を傷める場合があるので、回転軸を有する開閉蓋を用いるときは、その回転軸は梁材あるいは突出部材の上面のレベルより下方に設けるのが好ましい。
なお、床付き布枠を構成する梁材の上面にもこのような衝撃が加わることになるから、開閉蓋はその衝撃に耐えうる構造とするのが好ましい。
(m) このように、切欠き部又は凹部の上面に設ける開閉可能な蓋は、風力等により不意に持ち上がって作業員がつまずいて転倒するおそれがあるので、開閉蓋が風力等で上方へ回転することがないようにするのが好ましい。また、その回転軸は梁材あるいは突出部材の上面のレベルより下方に設けるのが好ましい。
開閉蓋80の回転軸81を、梁材の上面のレベルより下方に設けておけば、作業中にコンクリートやペンキ等が付着することはない。また、枠組足場を解体後に、「ケレン機」という機械を用いて床付き布枠の上面に付着したコンクリートやペンキ等を除去する作業をしても、補強部材47と開閉蓋80の端部85を連結するリベット89及び引きバネ87は、開閉蓋80の上面にはないため、リベット89及び引きバネ87を傷めることもない。
したがって、開閉蓋の回転軸は梁材あるいは突出部材の上面のレベルより下方に設けるとともに、その切欠き部又は凹部に階段部材の掴み金具を受容している状態のとき又は受容していない状態のときには、風力等では上方へ開閉蓋が回転しないようにするのが好ましい。もちろん、風力等では下方へも開閉蓋が回転しないようにするのが好ましい。すなわち、開閉蓋は風力等では上方にも下方にも開かない構造であって、人為的な力により回転させて開けることができる構造とするのが好ましい。そして、その回転軸は梁材あるいは突出部材の上面のレベルより下方に設けるのが好ましい。
人為的な力により回転させて開閉蓋を開けることができる構造としては、開閉蓋に回転防止用のストッパー等を設置する方法、コイルバネ、引きバネ、押しバネ等のバネを設置してバネの付勢力を利用して開閉蓋を水平に保持する方法、凸部又は突起を長孔と嵌合させることによって開閉蓋を水平に保持する方法などを挙げることができる。
階段部材に取り付けられた掴み金具の掴み金具をその切欠き部又は凹部に階段部材の掴み金具を受容している状態のとき又は受容していない状態のときには、その切欠き部又は凹部を塞いでおり、そして、掴み金具を取り外すとき又は取り付けるときには手動によりその蓋を回転させて開閉蓋を開ける代わりに、水平方向に動かすことによって開閉蓋を開けるようにしてもよい。この場合には、開閉蓋に格別、上方又は下方へ開かない構造としなくても、風力等で自然に上方にも下方にも開くことはない。
そして、切欠き部又は凹部の上面に設ける開閉蓋は、蓋を開閉する必要があるときに、作業員により手動ではじめて蓋が下方又は水平方向に開く構造とするのが好ましい。
(n) このような考え方の下に、風力等では上方にも下方にも開かず、人為的な力によりはじめて回転させて開けることができる構造を有する開閉蓋であって、その回転軸を梁材あるいは突出部材の上面のレベルより下方に設けてなるものを考察してみた。
図28は、このような開閉蓋を有する床付き布枠の一例を示したものである。(a)は床付き布枠の全体平面図、(b)は(a)の梁材の端面の中央部の楕円Aの部分平面図であり、(c)は(b)のB−B矢視断面図、(d)は(b)のC−C矢視断面図、(e)は(b)のD部分の拡大図を、それぞれ示す。なお、(f)は(e)のうち、特にコイルバネのみを取り出して示したものである。
ここでは、床付き布枠の梁材は、突出部44を有する上側フランジ41と、下側フランジ42と、上部を外側に傾斜させてなるウェブ43からなり、断面は倒立台形状となっている。梁材の中央部の上部フランジの突出部44とウェブ43には、外向きに凹部46が設けられている。そして、外向きの凹部46の上を水平に塞ぐことができる開閉蓋80が、上側フランジ41の上面レベルよりも下方に水平に設けられたコイルバネ83を介して取り付けられている。なお、凹部46の内周面には、凹部46を形成したために低下した強度を補強するために、断面コの字形の補強部材47が接合されている。また、開閉蓋80には剛性をもたせるために、端部85が設けられている。さらに、コイルバネ83の一端を取り付けるためのコイルバネ取付孔84が補強部材47に、そして、コイルバネ83の他端を取り付けるためのコイルバネ取付孔84が開閉蓋の端部85に、それぞれ設けられている。
この開閉蓋80は上方への回転防止用のストッパー(図示せず)のために上方には開かない構造になっている。そして、その外向きの凹部46に階段部材の掴み金具を受容していない状態のときには、このコイルバネ83の左回りの付勢力によって、その凹部の上面レベルに水平に蓋が水平に保持されており、風力では下方に回転することはない。
図29は、作業員の手作業により、図28に示した開閉蓋を開ける作業の手順を示したものである。
図29(a)では、床付き布枠の掴み金具(図示せず)を建枠の横桟3に取り付けることによって、床付き布枠を枠組足場内に設置したが、凹部46には階段部材の掴み金具を受容していない状態である。ここでは、開閉蓋80はこのコイルバネ83の付勢力によって、その凹部の上面レベルに水平に蓋が閉じた状態で水平に保持されている。また、開閉蓋80は開閉蓋の端部85の右下方において建枠の横桟3の左上方に接しているので、この開閉蓋80の上を作業員が通行してもその開閉蓋の沈み込みは防止されている。
次に、図29(b)は作業員が手動によって、蓋が閉じた状態の床付き布枠の端部を上方に持ち上げて、手動で開閉蓋80を回転軸81を中心として右回りに下方に回転させ蓋を開けたまま、床付き布枠の端部を下方に降ろすことによって、蓋が開いた状態で下方に落とし込んだ状態を示す。ここでは、開閉蓋80はこのコイルバネ83の付勢力によって建枠の横桟3の左側で接した状態で斜めに水平保持されている。
そして、図29(c)はこの床付き布枠を枠組足場内に設置した状態で、右上方から階段部材の掴み金具50を降ろして建枠の横桟3に引っかけた状態を示している。蓋が開いた状態の開閉蓋80は階段部材の掴み金具50の下方への動きに追随して、回転軸81を中心としてさらに右回りに左方に回転するので、階段部材の掴み金具50を容易に床付き布枠の梁材の突出部の凹部46に受容することができる。
しかしながら、これでは、階段部材の掴み金具を取り付けた後も、開閉蓋80は開いた儘となる。凹部に階段部材の掴み金具を受容している状態のときに、開閉蓋80は開いた儘となり、凹部の上面にその蓋は保持されない。よって、工具や建築資材がその凹部から落下するおそれが残る。
したがって、図28に示す開閉蓋では、凹部に階段部材の掴み金具を受容している状態のときにはその凹部を塞いでおくことはできない。
(o) このため、風力等では上方にも下方にも開かず、人為的な力によりはじめて回転させて開けることができる構造を有し、その回転軸を梁材あるいは突出部材の上面のレベルより下方に設けてなるものである点は同じであるが、図28に示す開閉蓋とは回転方向が逆となる開閉蓋を考察してみた。
図30は、このような開閉蓋を有する床付き布枠の一例を示したものである。(a)は床付き布枠の全体平面図、(b)は(a)の梁材の端面の中央部の楕円Aの部分平面図であり、(c)はその正面図、(d)は(b)のE−E矢視断面図(背景は図示せず)、(e)は(b)のF−F矢視断面図(背景は図示せず)を、それぞれ示す。
ここでは、床付き布枠の梁材は、突出部44を有する上側フランジ41と、下側フランジ42と、上部を外側に傾斜させてなるウェブ43からなり、断面は倒立台形状となっている。梁材の中央部の上部フランジの突出部44とウェブ43には、外向きに凹部46が設けられている。凹部46の内周面には、凹部46を形成したために低下した強度を補強するために、断面コの字形の補強部材47が接合されている。
外向きの凹部46の上には、凹部46の上の全体を水平に塞ぐことができる開閉蓋80が設置されているが、開閉蓋80には剛性をもたせるために、2つの端部85と2つの縁部86a、86bがそれぞれ設けられている。開閉蓋の端部85には長孔88が設けられ、この長孔88の中を移動自在のリベット89が補強部材47と開閉蓋80の端部85を連結しており、開閉蓋80はリベット89の中心に位置する回転軸81の回りに回転することができる。
この開閉蓋80は、凹部46に階段部材の掴み金具を受容していない状態のときには、引きバネ87の付勢力によって、梁材の凹部の上面レベルに水平に蓋が水平に保持されている。したがって、梁材の凹部の上に設置された開閉蓋80が風にあおられても、上方にも下方にも回転することはなく、したがって、開閉蓋80が不意に持ち上がることはないので、作業員が開閉蓋80につまずいて転倒するおそれもない。
図31及び図32は、作業員の手作業により、図30に示した開閉蓋を開ける作業の手順を示したものである。図31が図30(b)のE−E矢視断面図(背景は図示せず)、そして、図32が図30(b)のF−F矢視断面図(背景は図示せず)を、それぞれ示す。
図31(a)及び図32(a)は、床付き布枠の掴み金具(図示せず)を建枠の横桟3に取り付けることによって、床付き布枠を枠組足場内に設置したが、階段部材の掴み金具は受容していない状態である。ここでは、この開閉蓋80は、開閉蓋の端部85に設けられた長孔88の中を移動自在のリベット89によって、リベット89の中心に位置する回転軸81の回りに回転自在に補強部材47と連結されているが、この開閉蓋80は、引きバネ87の付勢力のために、梁材の凹部の上面レベルに水平に保持されている。この開閉蓋80は作業員による人為的な力を加えなければ水平に保持されているので、開閉蓋80の上を作業員が通行しても移動することはない。なお、図示したように、開閉蓋80は作業員の手作業によって左回りに回転可能である。
次に、図31(b)及び図32(b)は、作業員の手作業によって引きバネ87の付勢力に反して、開閉蓋80を回転軸81の回りに左回りに回転した後、開閉蓋80が引きバネ87の付勢力によって長孔88に沿って下方に移動する途中の状態を示している。
そして、図31(c)及び図32(c)は、開閉蓋80が引きバネ87の付勢力によって長孔88に沿って下方に移動した後の状態を示している。
この結果、開閉蓋80が開かれているので、階段部材の掴み金具を梁材の凹部に取り付けることが可能となる。
そして、図33は、上記図32(c)に示された開閉蓋80が開かれた状態で、階段部材の掴み金具50を建枠の横桟3に取り付ける際の動きを示す。図33(a)が階段部材の掴み金具50の取り付け前、そして、図33(b)が取り付け後である。
図示されるように、階段部材の掴み金具50は容易に床付き布枠の梁材の突出部の凹部46に受容させることができる。
次に、図34は、階段部材の掴み金具50を建枠の横桟3に取り付けた状態で、上記図33(b)に示された開閉蓋80を開かれた状態から右回転させて閉じる際の動きを示す。図34(a)が開閉蓋80の回転前、そして、図34(b)が回転後である。
図示されるように、開閉蓋80の2つの縁部86a、86bのうち、外側縁部86bが階段部材の掴み金具50にぶつかるので、開閉蓋80は水平レベルまで回転することができない。
したがって、図31に示す開閉蓋では、凹部に階段部材の掴み金具を受容している状態のときにはその凹部をある程度は塞ぐことはできるものの、開閉蓋80は傾斜したままとなる。したがって、隙間が少し残るので、ボルト、ナット等の小物が落下するおそれがあるとともに、作業員がこの開閉蓋につまずくおそれがある。
(p) このため、さらに検討を重ねた結果、図34(b)において、開閉蓋80を右回転させたときに、開閉蓋80の2つの縁部86a、86bのうち、階段部材の掴み金具50にぶつかる部分の外側縁部86bをカットし、このカット部分に階段部材の掴み金具50を収容すれば、開閉蓋80は階段部材の掴み金具50にぶつからないことに思い至った。すなわち、開閉蓋80の外側縁部86bの全部又は一部をカットすれば、開閉蓋80は梁材の凹部の上面レベルに水平に保持される。
なお、開閉蓋80の外側縁部86bは、階段部材の掴み金具50にぶつからないようにすればよいのであって、少なくとも階段部材の掴み金具50が当たる部分のみをカットすればよい。ただし、階段部材によっては、その掴み金具の設置位置が異なる場合もあるから、余裕を持たせるために、開閉蓋80の外側縁部86bのカット部分の幅を広くしてもよいし、外側縁部86bの全部をカットしてもよい。ただし、外側縁部86bのカット部分の幅が広すぎると、その上を作業員が乗ったときに撓むことがあり、足場を通行する作業員に不安を与えるおそれがある。このようなおそれがあるときには、カット部分の途中に補強リブを形成するのがよい。
このようにすれば、凹部に階段部材の掴み金具を受容している状態のときであっても、開閉蓋80を水平に保持することができる。このとき、この開閉蓋80は、引きバネ87の付勢力のために、梁材の凹部の上面レベルに水平に保持されている。この開閉蓋80は作業員による人為的な力を加えなければ水平に保持されているので、開閉蓋80の上を作業員が通行しても移動することはない。開閉蓋が水平に保持されていて、隙間もほとんどないので、ボルト、ナット等の小物が落下するおそれはないし、作業員がこの開閉蓋につまずくおそれもない。
そして、階段部材の掴み金具50を取り外すときには、作業員の手作業によって引きバネ87の付勢力に反して、開閉蓋80を回転軸81の回りに左回りに回転して、開閉蓋80を開き、その状態で、階段部材の掴み金具50を右上方に取り外せばよい。階段部材の掴み金具50を建枠の横桟3から取り外した後は、再度、開閉蓋80を右回転させて閉じることができる。このとき、この開閉蓋80は、引きバネ87の付勢力のために、梁材の凹部の上面レベルに水平に保持される。この開閉蓋80は作業員による人為的な力を加えなければ水平に保持されているので、開閉蓋80の上を作業員が通行しても移動することはない。階段部材の掴み金具50を建枠の横桟3から取り外した後も、開閉蓋を水平に保持することができ、隙間もほとんどないので、ボルト、ナット等の小物が落下するおそれはないし、作業員がこの開閉蓋につまずくおそれもない。
このように、風力等では上方にも下方にも開かず、人為的な力によりはじめて回転させて開けることができる構造を有し、その回転軸を梁材あるいは突出部材の上面のレベルより下方に設けてなる開閉蓋の回転方向を限定するとともにその開閉蓋の縁部の構造を工夫することによって、掴み金具を受容可能な1個又は複数個の切欠き部又は凹部を外向きに有する梁材を両端に備える床付き布枠において、上記切欠き部又は凹部に掴み金具を受容している状態又は受容していない状態のときにはその切欠き部又は凹部の上面に水平にその蓋を保持することによってその切欠き部又は凹部を塞いでおり、そして、掴み金具を取り外すとき又は取り付けるときには手動によりその蓋を回転させて開けることができることができる。
なお、以上は、開閉蓋を水平に保持することができる構造として、バネの付勢力を利用したものによって説明したが、凸部又は突起を長孔と嵌合させる構造などを採用してもよい。
また、作業員の手作業により、水平方向に動かすことによって開けることができる構造を有する開閉蓋についても、回転させて開ける開閉蓋と同様に、バネの付勢力を利用することができるほか、くさび効果のある凸部又は突起を有する構造やくびれを有する長孔を有する構造などを採用することができる。
本発明は、このような知見に基づいて完成したものであって、次の(1)〜(16)の床付き布枠及び(17)〜(18)の枠組足場を要旨とする。以下、(1)〜(18)を総称して、本発明ということもある。
(1) 掴み金具を受容可能な1個又は複数個の切欠き部又は凹部を外向きに有する梁材を両端に備える床付き布枠であって、その切欠き部又は凹部には開閉可能な蓋が設けられており、上記切欠き部又は凹部に掴み金具を受容している状態又は受容していない状態のときにはその切欠き部又は凹部の上面に水平にその蓋を保持することによってその切欠き部又は凹部を塞いでおり、そして、掴み金具を取り外すとき又は取り付けるときには手動によりその蓋を回転させて開けることができることを特徴とする床付き布枠。
(2) 梁材を両端に備える床付き布枠であって、掴み金具を受容可能な1個又は複数個の切欠き部又は凹部を外向きに有する突出部材が両方の梁材の外側に梁材と平行に接合されていて、その切欠き部又は凹部には開閉可能な蓋が設けられており、上記切欠き部又は凹部に掴み金具を受容している状態又は受容していない状態のときにはその切欠き部又は凹部の上面に水平にその蓋を保持することによってその切欠き部又は凹部を塞いでおり、そして、掴み金具を取り外すとき又は取り付けるときには手動によりその蓋を回転させて開けることができることを特徴とする床付き布枠。
(3) 梁材を両端に備え、一方の梁材の外側には掴み金具を受容可能な1個又は複数個の切欠き部又は凹部を外向きに有する突出部材が平行に接合されていてその切欠き部又は凹部には開閉可能な蓋が設けられており、他方の梁材は掴み金具を受容可能な1個又は複数個の切欠き部又は凹部を外向きに有していてその切欠き部又は凹部には開閉可能な蓋が設けられている床付き布枠であって、上記切欠き部又は凹部に掴み金具を受容している状態又は受容していない状態のときにはその切欠き部又は凹部の上面に水平にその蓋を保持することによってその切欠き部又は凹部を塞いでおり、そして、掴み金具を取り外すとき又は取り付けるときには手動によりその蓋を回転させて開けることができることを特徴とする床付き布枠。
(4) 開閉可能な蓋は外側縁部の一部又は全部をカットすることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかの床付き布枠。
(5) 開閉可能な蓋はストッパーを備えており、掴み金具を取り外すとき又は取り付けるときにはストッパーを外してからその蓋を開けるものであることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかの床付き布枠。
(6) 回転軸が梁材の上面レベルよりも下方に設けられていることを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれかの床付き布枠。
(7) 開閉可能な蓋は、切欠き部又は凹部に掴み金具を受容している状態又は受容していない状態のときにはバネの付勢力によってその切欠き部又は凹部の上面に水平に保持されていることを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれかの床付き布枠。
(8) 開閉可能な蓋は、切欠き部又は凹部に掴み金具を受容している状態又は受容していない状態のときには凸部又は突起を長孔と嵌合させることによってその切欠き部又は凹部の上面に水平に保持されていることを特徴とする、上記(1)〜(6)のいずれかの床付き布枠。
(9) 掴み金具を受容可能な1個又は複数個の切欠き部又は凹部を外向きに有する梁材を両端に備える床付き布枠であって、その切欠き部又は凹部には開閉可能な蓋が設けられており、上記切欠き部又は凹部に掴み金具を受容している状態又は受容していない状態のときにはその切欠き部又は凹部の上面に水平にその蓋を保持することによってその切欠き部又は凹部を塞いでおり、そして、掴み金具を取り外すとき又は取り付けるときには手動によりその蓋を水平方向に動かすことによって開けることができることを特徴とする床付き布枠。
(10) 梁材を両端に備える床付き布枠であって、掴み金具を受容可能な1個又は複数個の切欠き部又は凹部を外向きに有する突出部材が両方の梁材の外側に梁材と平行に接合されていて、その切欠き部又は凹部には開閉可能な蓋が設けられており、上記切欠き部又は凹部に掴み金具を受容している状態又は受容していない状態のときにはその切欠き部又は凹部の上面に水平にその蓋を保持することによってその切欠き部又は凹部を塞いでおり、そして、掴み金具を取り外すとき又は取り付けるときには手動によりその蓋を水平方向に動かすことによって開けることができることを特徴とする床付き布枠。
(11) 梁材を両端に備え、一方の梁材の外側には掴み金具を受容可能な1個又は複数個の切欠き部又は凹部を外向きに有する突出部材が平行に接合されていてその切欠き部又は凹部には開閉可能な蓋が設けられており、他方の梁材は掴み金具を受容可能な1個又は複数個の切欠き部又は凹部を外向きに有していてその切欠き部又は凹部には開閉可能な蓋が設けられている床付き布枠であって、上記切欠き部又は凹部に掴み金具を受容している状態又は受容していない状態のときにはその切欠き部又は凹部の上面に水平にその蓋を保持することによってその切欠き部又は凹部を塞いでおり、そして、掴み金具を取り外すとき又は取り付けるときには手動によりその蓋を回転させて開けることができることを特徴とする床付き布枠。
(12) 開閉可能な蓋は外側縁部の一部又は全部をカットすることを特徴とする、上記(9)〜(11)のいずれかの床付き布枠。
(13) 開閉可能な蓋はストッパーを備えており、掴み金具を取り外すとき又は取り付けるときにはストッパーを外してからその蓋を開けるものであることを特徴とする、上記(9)〜(12)のいずれかの床付き布枠。
(14) 開閉可能な蓋は、切欠き部又は凹部に掴み金具を受容している状態又は受容していない状態のときにはバネの付勢力によってその切欠き部又は凹部の上面に水平に保持されていることを特徴とする、上記(9)〜(13)のいずれかの床付き布枠。
(15) 開閉可能な蓋は、切欠き部又は凹部に掴み金具を受容している状態又は受容していない状態のときにはくさび効果のある長孔によってその切欠き部又は凹部の上面に水平に保持されていることを特徴とする、上記(9)〜(13)のいずれかの床付き布枠。
(16) 開閉可能な蓋は、切欠き部又は凹部に掴み金具を受容している状態又は受容していない状態のときにはくびれを有する長孔によってその切欠き部又は凹部の上面に水平に保持されていることを特徴とする、上記(9)〜(13)のいずれかの床付き布枠。
(17) 上記(1)〜(16)のいずれかの床付き布枠が組み込まれていることを特徴とする枠組足場。
(18) 上記(17)の枠組足場であって、さらに階段部材が組み込まれていることを特徴とする枠組足場。