本発明は、建築現場等で枠組足場の作業床及び通路として使用される床付き布枠並びにこの床付き布枠を組み込んでなる枠組足場に関する。
建築現場等で用いられる枠組足場には、例えば、建枠に筋違(すじかい)や手摺枠を取り付けてなる「建枠式足場」と、支柱部材やブレース材(斜材ともいう。)や手摺部材等の足場構成部材を緊結して組み立ててなる「緊結式足場」がある。
「建枠式足場」は、通常、横桟と縦柱から構成されるH形状や鳥居形状の建枠を複数個組み立てることによって形成される。すなわち、建枠の複数個を、所定の間隔で建物等の構造物とは直角に立設し、隣接する建枠の縦柱の間に筋違や手摺枠を取り付け固定して複数個の建枠を自立させた後、隣接する建枠の横桟の間に床付き布枠(布板ともいう。)を1枚又は2枚以上架け渡すことで、1単位の足場を形成する。次に、既に立設した建枠の上に、別途用意された建枠を立設し、同様にして筋違や手摺枠を隣接する建枠の間に取り付け固定した後、新たに立設した建枠の横桟の上に床付き布枠を1枚又は2枚以上架け渡すことによって一つ上の段の足場を形成する。これを順次繰り返すことによって、全体の枠組み足場を形成する。
この建枠として、H形状の建枠(以下、「H枠」という。)を用いて建枠式の枠組足場を形成する一例を、図1に示す。(a)が正面図、(b)が右側面図である。
3個のH枠1を建物22とは直角に等間隔に並べ、隣接するH枠の間に、建物とは反対側に手摺枠10をロック金具6bに取り付けて、1段目のH枠1を自立させる。さらに、建物とは反対側に手摺枠10をロック金具7bに取り付け、そして建物側の手摺枠10をロック金具7aに取り付けて固定する。その後、1段目の隣接するH枠1の横桟3の間に床付き布枠11を架け渡して、1段目の足場を形成する。次に、既に立設した1段目のH枠1の縦柱2の上に、別途用意したH枠1の縦柱2の下部を載置し、固定ピン(図示せず)で固定することによって、2段目のH枠1を立設する。その後、1段目と同様にして、建物とは反対側に手摺枠10をロック金具6bと7bに取り付け、そして、建物側に手摺枠10をロック金具7aに取り付けて固定し、その後、2段目のH枠1の横桟3に床付き布枠11を架け渡して、2段目の足場を形成する。3段目の足場も、2段目の足場と同じ手順で組み立てる。すなわち、建物とは反対側に手摺枠10を取り付け、そして、建物側に手摺枠10を取り付けて固定し、その後、3段目のH枠1の横桟3に床付き布枠11を架け渡して、3段目の足場を形成する。このようにして、必要な段数になるまで枠組足場を形成する。
また、建枠を用いる他の例として、鳥居形状の建枠(以下、「鳥居枠」という。)を用いて建枠式の枠組足場を形成する1例を、図2に示す。(a)が正面図、(b)が右側面図である。
まず3個の鳥居枠4を建物22とは直角に等間隔に並べ、隣接する鳥居枠4との間に、建物とは反対側に筋違13をロック金具8bに取り付け、そして建物側にも筋違13をロック金具8aに取り付けて、1段目の鳥居枠4を自立させることによって、1段目の足場を形成する。その後、1段目の隣接する鳥居枠4の上部の横桟3の間に2段目の足場板となる床付き布枠11を架け渡した後、既に立設した1段目の鳥居枠4の縦柱2の上に、別途用意した鳥居枠4の縦柱2の下部を載置し、固定ピン(図示せず)で固定することによって、2段目の鳥居枠4を立設する。その後、1段目と同様にして、建物とは反対側に筋違13をロック金具8bに取り付け、そして、建物側にも筋違13をロック金具8aに取り付けて、2段目の鳥居枠4を自立させることによって、2段目の足場を形成する。その後、2段目の隣接する鳥居枠4の上部の横桟3の間に3段目の足場板となる床付き布枠11を架け渡した後、既に立設した2段目の鳥居枠4の縦柱2の上に、別途用意した鳥居枠4の縦柱2の下部を載置し、固定ピン(図示せず)で固定することによって、3段目の鳥居枠4を立設する。その後、2段目と同様にして、建物とは反対側に筋違13をロック金具8bに取り付け、そして、建物側にも筋違13をロック金具8aに取り付けて、3段目の鳥居枠4を自立させることによって、3段目の足場を形成する。このようにして、必要な段数になるまで枠組足場を形成する。
一方、「緊結式足場」は、「コマ」と呼ばれる取付部材が複数個設けられた支柱部材に、手摺部材、ブレース材、腕木部材等の足場構成部材をコマを介して取り付け、そして、コマにおいて楔等によってこれらの足場構成部材を緊結した後、床付き布枠を1枚又は2枚以上架け渡すことによって、組み立てられる。
図3に、緊結式足場の構造の一例を示す。(a)は緊結式足場の正面図、(b)は(a)において円で示されたコマの周辺の拡大図、そして、(c)は緊結式足場の右側面図である。
緊結式足場は、支柱14が建物側とその反対側に各3本が立設されている。各々の支柱14は、複数のコマ20を有する支柱部材16を縦に継ぎ足すことによって形成されている。建物側の隣接する支柱14の間には、コマ20を介してブレース材19が取り付けられ、また、建物とは反対側の隣接する支柱14の間には、コマ20を介して作業用手摺15が取り付けられ、コマ20において楔等で緊結される。さらに、建物側の支柱14と建物とは反対側の支柱14の間には、コマ20を介して腕木材21が取り付けられ、コマ20において楔等で緊結され、そして、隣接する腕木材21の間に、床付き布枠11を架け渡すことで、1段目の足場が形成される。なお、ブレース材19は建物とは反対側の支柱14の間に取り付ける場合もある。
2段目の足場は、1段目の足場と同様にして形成される。必要に応じて、1段目の足場の支柱14の上端に別途用意した支柱14を縦方向に継ぎ足した上で、ブレース材19、手摺部材15、腕木部材21をコマ20を介して取り付け緊結した後、床付き布枠11を架け渡すことによって、形成される。これを順次繰り返すことによって、複数段の緊結式足場が形成される。
このように、床付き布枠は、建枠式枠組足場と緊結式枠組足場とを問わず、すべての枠組足場に組み込まれており、作業床及び通路として用いられている。
床付き布枠は、長尺の主材の1本又は2本以上と、主材の長手方向の両端に取り付けられる掴み金具と断面コの字形の梁材から構成されている。主材は水平面の床材部とその両縁側面を折り曲げてなる布材部とからなる。長尺の主材の両端部に断面コの字形の梁材が取り付けられ、そして、長尺の主材の両端部の四隅に掴み金具がリベット等で固定されて取り付けられる。なお、床付き布枠上を歩行する際に作業員が滑るのを防止するために、床材部の上面にはエンボス加工が施されることがある。また、床材部が幅方向に撓るのを防止するため、床材部の中央部の下側に桟木が設けられることがある。
上述のとおり、1枚の床付き布枠に組み込まれる主材は、1枚だけでなく、2枚の場合もあるが、1枚の床付き布枠に組み込まれる主材が1枚の場合と2枚の場合では、次のとおり、断面コの字形の梁材および掴み金具の取り付け方が異なる。
1枚の床付き布枠に組み込まれる主材が1枚の場合には、断面コの字形の梁材は1枚の長尺の主材の両端部それぞれ1個嵌合されて取り付けられ、そして、掴み金具は1枚の長尺の主材の両端部の四隅にリベット等で固定されて取り付けられる。
これに対して、1枚の床付き布枠に組み込まれる主材が2枚以上の場合には、複数枚の主材を水平方向に平行に配設した後の複数枚を合わせた長尺の主材の両端部にそれぞれ1個嵌合されて取り付けられる。そして、掴み金具は、複数本の主材を水平方向に平行に配設した後の複数枚を合わせた長尺の主材の両端部の四隅にリベット等で固定されて取り付けられる。
すなわち、梁材の個数は、1枚の床付き布枠に組み込まれる主材が1枚の場合も2枚以上の場合も、1枚の床付き布枠には合計2個が取り付けられることになる。また、掴み金具の個数は、1枚の床付き布枠に組み込まれる主材が1枚の場合も2枚以上の場合も、1枚の床付き布枠には合計4個が取り付けられることになる。
図4は、従来技術に係る床付き布枠の一例であり、(a)は組立図、(b)は完成図を、それぞれ示す。
この床付き布枠には、2枚の主材が組み込まれている。床付き布枠の主材30は、上面に長尺の床材部31とその両縁側面に一体化されて形成される長尺の布材部32a、32bからなり、さらに、両縁側面の下面の内側には長尺のリップ33が長尺の布材部32a、32bと一体化されて設けられている。
このような主材30の2本が、少し間隔を開けて、水平方向に平行に配設され、2本の主材30の床材部31の両端部に断面コの字形の梁材40が嵌合して取り付けられ、溶接等で接合される。すなわち、断面コの字形の梁材40は、上側フランジ41と下側フランジ42と、両フランジを連結するウエブ43から構成されており、2本の主材30の床材部31の両端部は、上側フランジ41と下側フランジ42の間に嵌め込まれることになる。
また、外縁側に位置する2つの布材部32aの両端近傍には、掴み金具50をリベット等で固定するための穴34が、各々2個穿たれている。そして、外縁側に位置する布材部32aの両端部の内側には、断面コの字形の梁材40の両端部との隙間に、掴み金具50が挿入され、リベット35で固定される。
図5は、図4に示す従来技術に係る床付き布枠の端部の拡大図であり、(a)は正面図、(b)は平面図、そして、(c)はA−A面における断面図(側面図)を、それぞれ示す。
この床付き布枠の主材は、その剛性を高めるために、床材部31の中央付近と両縁部近傍に、長尺方向に溝36が成型され、そして、布材部32a、32bと一体化されて設けられているリップ33の縁部は内側に屈曲した形に成型され、屈曲部37を形成している。
上述したとおり、2本の主材は、少し間隔を開けて、水平方向に平行に配設され、その両端部に断面コの字形の梁材40が嵌合され、そして、主材の床材部31の上面の端部と梁材の上側フランジ41の間、及び、主材のリップ33の下面の端部と梁材の下側フランジ42の間が、それぞれ、溶接W1及びW2によって接合される。溶接W1及びW2は、線溶接でもよいし、間隔を開けた点溶接でもよい。次いで、外縁側に位置する布材部32aの両端部の内側には、断面コの字形の梁材40の両端部との隙間に掴み金具50が挿入され、外縁側に位置する布材部32aのリベット穴34と掴み金具のリベット穴51とが位置合わせされた後、リベット35で掴み金具50が固定される。さらに、外縁側に位置する布材部32aの端部と掴み金具50の外側面の間が、溶接W4によって接合される。溶接W4は、線溶接でもよいし、間隔を開けた点溶接でもよい。
なお、掴み金具50はその先端に湾曲部を有しており、足場を構成する建枠の横桟又は腕木材の上にその湾曲部の内側を引っかけることで、床付き布枠を隣接する建枠の横桟又は腕木材の間に取り付けるためのものである。ここでは、掴み金具50は外れ止め52を有しており、外れ止め52を建枠の横桟又は腕木材の下側に突出させることによって掴み金具50が誤って建枠の横桟又は腕木材から外れないようにすることができる。
次に、このようにして形成された床付き布枠は、前述したとおり、枠組足場の作業床および通路として使用されるのであるが、建枠式足場の場合には隣接する横桟3の間に、そして、緊結式足場の場合には隣接する腕木材21の間に架け渡される。このとき、枠組足場の作業床および通路の幅、即ち、建枠の横桟の長さ又は腕木材の長さに応じて、床付き布枠を1枚又は2枚以上並べて架け渡すことによって、作業床又は通路が形成される。
なお、床付き布枠の幅は通常、240mm幅と500mm幅の2種類が用いられ、それぞれ、小アンチ(小布板ともいう。)及び大アンチ(大布板ともいう。)と呼称される。
図6に、従来技術に係る床付き布枠の2例を示す。(a)が小アンチ25であり、(b)が大アンチ26である。いずれも平面図である。(a)の小アンチ25は240mm幅の主材30の1枚のみで240mm幅の床付き布枠としたものであり、(b)の大アンチ26は240mm幅の主材30を2枚並べて合わせて500mm幅の床付き布枠としたものであることが示されている。なお、これらの例では、床付き布枠上を歩行する際に作業員が滑るのを防止するために、床材部31の上面にはエンボス加工71が施されている。また、主材30が幅方向に撓るのを防止するため、主材30の中央部の下側に桟木70が設けられている。
そして、建枠の横桟の長さと腕木材の長さは、インチサイズとメーターサイズがあるが、インチサイズを例として挙げると、通常、610mm、914mm及び1219mmの3種類のものが揃えられている。
したがって、通常、床付き布枠を枠組足場の作業床および通路として設置する場合、610mm幅を形成するには大アンチ(500mm幅)を1枚用いて架け渡すことになり、914mm幅を形成するには大アンチ(500mm幅)1枚と小アンチ(240mm幅)1枚を並べて架け渡すことになり、そして、1219mm幅を形成するには大アンチ(500mm幅)を2枚並べて架け渡すことになる。
図7に、従来技術に係る床付き布枠11を隣接する建枠の横桟3の間に架け渡して作業床および通路として設置したときの3例を示す。 (a)が610mm幅の設置例、(b)が914mm幅の設置例、そして、(c)が1219mm幅の設置例である。いずれも、床付き布枠11を隣接する建枠の横桟3の間に架け渡して設置したときの横桟3の近傍の拡大図(平面図)である。(a)の610mm幅は大アンチ26(500mm幅)1枚から、(b)の914mm幅は大アンチ26(500mm幅)1枚と小アンチ25(240mm幅)1枚から、そして、(c)の1219mm幅は大アンチ26(500mm幅)2枚から、それぞれ、形成されていることが示されている。なお、これらの例では、床付き布枠上を歩行する際に作業員が滑るのを防止するために、床材部の上面にはエンボス加工71が施されている。
しかしながら、床付き布枠の両端部の掴み金具を建枠の横桟又は腕木材に取り付けることによって、隣接する建枠の横桟又は腕木材の間に床付き布枠を架け渡すと、床付き布枠の両縁側及び両端には隙間が生じることになる。このような隙間があると、作業員が枠組み足場を組立若しくは解体する作業中に又は枠組み足場内を移動中に、枠組み足場の隙間から工具や建築資材等を落下させたりするおそれがある。
このため、床付き布枠の両縁側の隙間については、通常、床付き布枠の道路側には、あるいはさらに建物側に、巾木(図示せず)を設置することによって、その隙間を塞ぐことがなされている。
次に、床付き布枠の両端の隙間について説明する。床付き布枠の両端の隙間は、建枠の横桟又は腕木材を介して隣接する床付き布枠の間に形成される。
図8は、隣接する建枠の横桟3に従来技術に係る床付き布枠11を架け渡す際に床付き布枠の両端に生じる隙間72を示す一例(平面図)である。ここでは、床付き布枠の梁材40と横桟3との間に、25mmという大きな隙間72が生じている。したがって、枠組み足場の隙間から工具や建築資材等が落下するおそれがある。
この隙間対策として、床付き布枠の両端の隙間を少なくしたり、なくしたりすることが、考えられる。
床付き布枠の両端の隙間を少なくするためには、床付き布枠の端面を床付き布枠の長手方向の外側に延長すればよい。床付き布枠自体の長手方向の長さを従来よりも長くするだけでも、床付き布枠の端面を外側に延長することができる。そのためには、床付き布枠の主材を構成する布材部と床材部の長手方向の長さを従来よりも長くするか、又は布枠の両端部に設けられる梁材の幅を従来よりも広くすればよい。また、建枠の横桟又は腕木材が通常は円管形状であることを考慮すると、床付き布枠の両端部に設けられる梁材の上側フランジを布枠端面の外側に延長した形状として、ひさし部を形成すればよい。あるいは、断面コの字状の梁材の外側に梁材と平行にひさし部材を接合することによって、ひさし部を形成してもよい。特許文献1には、掴み金具は主材の布材部の両端に取り付けられたままであるが、床付き布枠の両端部に設けられる梁材の上側フランジを布枠端面の外側に延長させた形状とすることによって、この隙間を少なくする手法が開示されている。
図9は、床付き布枠の梁材の上側フランジを外側に延長し、ひさし部を形成することによって、床付き布枠の両端の隙間を少なくした一例(平面図)である。ここでは、ひさし部があるために、床付き布枠の梁材40と横桟3との間の隙間72はほとんどなくなっている。
図10は、床付き布枠の梁材の上側フランジをさらに外側に延長することによって、床付き布枠の両端の隙間を少なくした他の例(平面図)である。これは、特許文献1に示された床付き布枠であって、床付き布枠11の両端部の梁材40の上側フランジを布枠端面の外側に延長する形で突出させて突出部44が形成され、そして、掴み金具50は主材の布材部32a、32bの両端に取り付けられている。掴み金具50は建枠の横桟3又は腕木材21を確実に掴んでいるので、床付き布枠11は隣接する建枠の横桟3又は腕木材21の間に架設することができる。また、床付き布枠11の両端の隙間72はほとんどなくなっている。
図11に、床付き布枠の両端部の梁材の上側フランジを主材の長手方向の外側に延長する形で突出させて、ひさし部を形成したときの断面形状の一例を示す。
この床付き布枠は、床材部31の端面に上側フランジ41と下側フランジ42とウェブ43から形成される梁材40を嵌合させて取り付けたものであるが、上側フランジ41は梁材の幅方向の外側に延長する形で突出させることで、ひさし部を形成している。
次に、図12に、梁材の外側に梁材と平行にひさし部材を接合することによって、ひさし部を形成したときの断面形状の一例を示す。
この床付き布枠は、上側フランジ41と下側フランジ42とウェブ43から形成される断面コの字形状の梁材40の外側に梁材と平行に、平板の突出部材(ひさし部材)60を線溶接により接合することによって、ひさし部を形成している。なお、この突出部材(ひさし部材)60は、リブ63により補強されている。
さらに、主材の布材部の両端に取り付けられる掴み金具を不要にすることによって、床付き布枠の両端の隙間を完全になくすことが、特許文献2及び3で提案されている。ここでは、床付き布枠の両端部に設けられる梁材の全体を布枠端面の外側に延長させるとともに外向きに凹凸形状の切欠き部又は凹部を設け、梁材に掴み金具の機能を持たせることによって主材の布材部の両端に取り付けられる掴み金具を不要にするとともに、建枠の横桟又は腕木材を介して隣接する床付き布枠の端部に設けられた梁材に外向きに設けられた凹凸形状の切欠き部又は凹部と互いに嵌合させることで、この隙間をなくす手法が開示されている。
次に、枠組足場においては、作業員が枠組み足場を組立若しくは解体する作業をするために又は枠組み足場内を移動するために、階段を枠組足場に組み込むことがある。この場合、上段の足場における床付き布枠の1枚又は2枚を取り外して、あるいはさらに下段の足場における床付き布枠の1枚又は2枚を取り外して、上下の足場を構成する建枠の横桟又は腕木材の間に、両端部に掴み金具が取り付けられた階段部材を斜めに架け渡すことによって、枠組足場に階段を組み入れることができる。あるいは、掴み金具は階段部材の上端部のみに取り付けられていて、これを上段の足場を構成する建枠の横桟又は腕木材に掴ませるが、下端部は床付き布枠の上に載置又は固定するタイプの階段部材を用いて、階段部材を斜めに組み込むことができる。階段部材を枠組足場に組み込んでなる枠組足場は、たとえば特許文献4に開示されている。
特開2001−311304号公報
特開2005−68934号公報
特開平9−13660号公報
特開平11−36572号公報
上述したように、床付き布枠の両縁側の隙間については、通常、床付き布枠の道路側に、あるいはさらに建物側に、巾木(図示せず)を設置することによって、その隙間を塞ぐことができる。
そして、床付き布枠の両端の隙間については、床付き布枠の両端部の端面を外側に延長することによって、建枠の横桟又は腕木材との間の隙間および対向する床付き布枠との間の隙間を少なくしたり、なくしたりすることが、上記の特許文献1〜3において開示されている。
ところで、階段を枠組足場に組み込む場合には、上段の足場における床付き布枠の1枚又は2枚を取り外して、あるいはさらに下段の足場における床付き布枠の1枚又は2枚を取り外して、上下の足場を構成する建枠の横桟又は腕木材の間に、両端部に掴み金具が取り付けられたタイプの階段部材を斜めに架け渡すことになる。あるいは、掴み金具は階段部材の上端部のみに取り付けられていて、これを上段の足場を構成する建枠の横桟又は腕木材に掴ませるが、下端部は床付き布枠の上に載置又は固定するタイプの階段部材を用いて、階段部材を斜めに組み込むことになる。
図13は、枠組足場に組み込むことができる階段部材の一例である。(a)が正面図、(b)が右側面図、そして、(c)が(a)の円で示した部分の拡大図である。
この階段部材75は、上下の両端部に掴み金具が取り付けられたタイプであって、上下の足場を構成する建枠の横桟又は腕木材(図示せず)の間に斜めに架け渡されることによって、枠組足場に組み込まれる。一対の桁材80と、桁材の間に設けられたステップ81と、桁材80の上端部に設けられた一対の掴み金具50と、桁材80の下端部に設けられた一対の掴み金具50を有しており、上端部の掴み金具50を上段の建枠の横桟に掴ませ、そして、下端部の掴み金具50を下段の建枠の横桟に掴ませることができるようになっている。
なお、階段部材を構成する桁材80の両端に取り付けられる掴み金具50は、桁材80の両端部にリベット35で接合されており、床付き布枠に用いる掴み金具と同じものを用いることができるが、別の形状としてもよい。この掴み金具50は、湾曲した開口部53を有しており、建枠の横桟又は腕木材の上にその湾曲した開口部53の内側を引っかけることで、階段部材を上下段の横桟又は腕木材の間に斜めに取り付けることができる。ここでは、掴み金具50は落下錠52を有しており、落下錠52を建枠の横桟又は腕木材の下側に突出させることによって掴み金具50が誤って建枠の横桟又は腕木材から外れないようにすることができる。
図14は、枠組足場に組み込むことができる階段部材の他の例である。(a)が正面図、(b)が右側面図、そして、(c)が(a)の円で示した部分の拡大図である。
この階段部材75は、掴み金具50が上端部のみに取り付けられていて、下端部は床付き布枠11の上に載置するタイプである。この階段部材は、一対の桁材80と、桁材80の間に設けられたステップ81と、桁材80の上端部に設けられた一対の掴み金具50と、桁材80の下端部に設けられた据え置き材82からなり、上端部の掴み金具50を上段の足場を構成する建枠の横桟又は腕木材に掴ませ、そして、下端部の据え置き材82を下段の床付き布枠11の上に載置することによって、枠組足場に組み込まれる。なお、据え置き材を下段の床付き布枠の上に載置する場合、ボルトナット等で下段の床付き布枠の上に固定してもよい。
ここで、この上端部の掴み金具50も、桁材80の上端部にリベット35で接合されており、床付き布枠に用いる掴み金具と同じものを用いることができるが、別の形状としてもよい。この上端部の掴み金具50も、湾曲した開口部53を有しており、建枠の横桟又は腕木材の上にその湾曲した開口部53の内側を引っかけることができる。掴み金具50は落下錠52を有しており、落下錠52を建枠の横桟又は腕木材の下側に突出させることによって掴み金具50が誤って建枠の横桟又は腕木材から外れないようにすることができる。なお、下端部の据え置き材82は、桁材80の下端部にリベット35で接合されている。
これらの階段部材を枠組足場に組み込むとき、階段部材の掴み金具が対向する床付き布枠の端面を回避できて、はじめて建枠の横桟又は腕木材に掴ませることができ、もって階段部材を組み入れることができる。また、階段部材を枠組足場から取り外す場合には、掴み金具に付属する落下錠を解除しながら、階段部材の全体を斜め上に持ち上げることになるが、このときも、階段部材の掴み金具が対向する床付き布枠の端面を回避できて、はじめて階段部材の全体を斜め上に持ち上げることができ、もって階段部材を取り外すことができる。
したがって、図8に示すような、床付き布枠の梁材40と横桟3との間に大きな隙間72が形成される床付き布枠11が組み込まれている場合には、階段部材の掴み金具を建枠の横桟又は腕木材に掴ませることができるだけの十分なスペースが存在するから、階段部材の掴み金具は対向する床付き布枠の端面に干渉しない。その結果、このような大きな隙間72が形成される床付き布枠が組み込まれている枠組足場においては、以下に示すとおり、階段部材は道路側と建物側のいずれにも設置することができるし、階段部材を組み入れたり取り外したりすること自体にも問題は発生しない。
図15に、床付き布枠の端面と建枠の横桟との間に大きな隙間のある枠組足場に階段部材を組み込んだときの2例(平面図)を示す。作業床および通路の幅は914mm幅であり、したがって、床付き布枠11は、大アンチ26(500mm幅)と小アンチ25(240mm幅)の各1枚が水平方向に平行に並べられて、隣接する建枠の横桟3の間に架け渡されている。そして、この場合、図15(a)及び(b)に示すとおり、階段部材75は道路側と建物側のいずれにも組み込むことができる。ここでは、階段部材75の上端部の掴み金具50は上段の足場の横桟3を掴んでいるのに対して、階段部材75の下端部の掴み金具50は下段の足場の横桟(図示せず)を掴んでいる。
図16は、床付き布枠の梁材と横桟との間に隙間のある床付き布枠が組み込まれている枠組足場に、図13に示す階段部材を組み込んだときの階段部材の両端部の掴み金具の状態の一例を示す正面図である。
この階段部材75は、その上端部においてその掴み金具50aを上段の足場の建枠の横桟3aに掴ませ、そして、下端部においてその掴み金具50bを下段の建枠の横桟3dに掴ませている。ここでは、階段部材の直上と直下には床付き布枠は設置されていない。
したがって、階段部材の上端部が架け渡される横桟3aには、階段部材の掴み金具50aに加えて、上段の足場の床付き布枠11aの右端部の掴み金具50cを掴ませることになる。また、階段部材の下端部が架け渡される横桟3dには、階段部材の掴み金具50bに加えて、下段の足場の床付き布枠11eの左端部の掴み金具50gを掴ませることになる。なお、階段部材の端部が架け渡されない上段の足場の横桟3bには、上段の足場の床付き布枠11bの左端部の掴み金具50cを掴ませることになる。また、階段部材の端部が架け渡されない下段の足場の横桟3cには、下段の足場の床付き布枠11cの右端部の掴み金具50dを掴ませることになる。
図17は、床付き布枠の梁材と横桟との間に隙間のある床付き布枠が組み込まれている枠組足場に、図13に示す階段部材を組み込んだときの階段部材の両端部の掴み金具の状態の他の例を示す正面図である。
この階段部材75は、その上端部においてその掴み金具50aを上段の足場の建枠の横桟3aに掴ませ、そして、下端部においてその掴み金具50bを下段の建枠の横桟3dに掴ませている。上段の足場では作業員が階段を上下できるように階段部材の直上には床付き布枠は設置されていないのに対して、下段の足場では作業員の転落防止のため階段部材の直下には床付き布枠11dが設置されている。
そして、階段部材の上端部が架け渡される横桟3aには、階段部材の掴み金具50aに加えて、上段の足場の床付き布枠11aの右端部の掴み金具50cを掴ませることになる。また、階段部材の下端部が架け渡される横桟3dには、階段部材の掴み金具50bに加えて、下段の足場の床付き布枠11dの右端部の掴み金具50fと、下段の足場の床付き布枠11eの左端部の掴み金具50gを掴ませることになる。なお、階段部材の端部が架け渡されない上段の足場の横桟3bには、上段の足場の床付き布枠11bの左端部の掴み金具50cを掴ませることになる。また、階段部材の端部が架け渡されない下段の足場の横桟3cには、下段の足場の床付き布枠11cの右端部の掴み金具50dと、下段の足場の床付き布枠11dの左端部の掴み金具50eを、掴ませることになる。
次に、床付き布枠が組み込まれている枠組足場の横桟に、掴み金具が取り付けられた階段部材を斜めに架け渡す際に、掴み金具を用いて階段部材を組み入れたり取り外したりする手順を、まず階段部材の上端部のつかみ金具について、説明する。
図18は、図16又は図17のA−A矢視図(平面図)であって、図13に示す階段部材を組み込んだときの上部足場の横桟近傍の掴み金具および隙間の状態を示す。
床付き布枠11aは、大アンチ26(500mm幅)の1枚が2個の掴み金具50bによって建枠の横桟3aに架け渡されている。さらに、この横桟3aには階段部材が2個の掴み金具50aによって建枠の横桟3aに架け渡されている。
図19は、図16又は図17の円Bで示される部分の一部拡大図(正面図)であり、図13に示す階段部材を組み込むときの階段部材の上端における掴み金具と床付き布枠の端面の位置関係を示す一部拡大図(正面図)である。(a)は床付き布枠と階段部材の両方の掴み金具を図示したものであり、そして、(b)は掴み金具のうち、床付き布枠の掴み金具は図示せず、階段部材の掴み金具のみを図示したものである。
上段の足場を構成する建枠の横桟3aに、床付き布枠11aの掴み金具50cを掴ませた後に、階段部材を右方ないし上方から移動させて、階段部材の掴み金具50aを建枠の横桟3aに掴ませる。上段の足場の床付き布枠11aの右端部と、階段部材の掴み金具50aの間には大きな隙間が開いているので、階段部材の上端部の掴み金具50は、建枠の横桟3aを容易に掴むことができる。また、階段部材を取り外すときは、掴み金具50aに付属する落下錠52を解除し、次いで階段部材を右方ないし上方へ移動させることになる。建枠の横桟3aの右方ないし上方には、床付き布枠は設置されていないから、掴み金具50aを右方又は右上方へ容易に移動させることができる。
そして、階段部材の下端部のつかみ金具について、床付き布枠が組み込まれている枠組足場の横桟に階段部材を組み入れたり取り外したりする手順を、説明する。
図20は、図16の円Cで示される部分の一部拡大図であり、図13に示す階段部材を組み込むとき及び取り外すときの階段部材の下端における掴み金具と床付き布枠の端面の位置関係を示す一部拡大図(正面図)である。(a)がこの階段部材の掴み金具を組み込むとき、(b)がこの階段部材を組み込んであるとき、そして、(c)がこの階段部材を取り外すときを示す。なお、掴み金具のうち、床付き布枠の掴み金具は図示せず、階段部材の掴み金具のみを図示した。
この階段部材の下端部が架け渡される下段の足場の建枠の横桟3dには、階段部材の掴み金具50bに加えて、下段の足場の床付き布枠11eの左端部に取り付けられる掴み金具50g(図示せず)が掴んでいる。
図20(a)にみるごとく、階段部材の掴み金具50bは右上方又は上方から移動してきて、横桟3dを斜めに掴むことになる。下段の足場の床付き布枠11eの左端面と横桟3dの間は、20mm以上の隙間が空いているので、階段部材の掴み金具50bと下段の足場の右側の床付き布枠11eとは干渉することはない。また、図示しなかったが、階段部材の掴み金具50bと下段の足場の右側の床付き布枠11eの掴み金具50gとも干渉することはない。したがって、図20(b)にみるごとく、階段部材の下端部の掴み金具50bは下段の足場の横桟3dに掴ませることができる。
次に、図20(c)にみるごとく、この階段部材の下端部の掴み金具50bを横桟3dから取り外すためには、まず掴み金具50bに付属する落下錠52を解除して、階段部材の下端部を右上方又は上方に持ち上げる。このとき、掴み金具50bを横桟3dから完全に外す必要があるが、床付き布枠の端面と横桟3aとの間には20mm以上の隙間があるから、階段部材の掴み金具50bと下段の足場の右側の床付き布枠11eとは干渉することはない。また、図示しなかったが、階段部材の掴み金具50bと下段の足場の右側の床付き布枠11eの掴み金具50gとも干渉することはない。したがって、階段部材の全体を右上方又は上方に持ち上げることができる。
図21は、図17の円Cで示される部分の一部拡大図であり、図13に示す階段部材を組み込むとき及び取り外すときの階段部材の下端における掴み金具と床付き布枠の端面の位置関係を示す一部拡大図(正面図)である。(a)がこの階段部材の掴み金具を組み込むとき、(b)がこの階段部材を組み込んであるとき、そして、(c)がこの階段部材を取り外すときを示す。なお、掴み金具のうち、床付き布枠の掴み金具は図示せず、階段部材の掴み金具のみを図示した。
この階段部材の下端部が架け渡される下段の足場の建枠の横桟3dには、階段部材の掴み金具50bに加えて、下段の足場の床付き布枠11dの右端部に取り付けられる掴み金具50f(図示せず)と、下段の足場の床付き布枠11eの左端部に取り付けられる掴み金具50g(図示せず)が掴んでいる。
図21(a)にみるごとく、階段部材の掴み金具50bは右上方又は上方から移動してきて、横桟3dを斜めに掴むことになる。下段の足場の床付き布枠11dの右端面と横桟3dの間、及び、下段の足場の床付き布枠11eの左端面と横桟3dの間は、それぞれ、20mm以上の隙間が空いているので、階段部材の掴み金具50bと下段の足場の左右の床付き布枠11d、11eとは干渉することはない。また、図示しなかったが、階段部材の掴み金具50bと下段の足場の左右の床付き布枠11d、11eの掴み金具50f、50gとも干渉することはない。したがって、図21(b)にみるごとく、階段部材の下端部の掴み金具50bは下段の足場の横桟3dに掴ませることができる。
次に、図21(c)にみるごとく、この階段部材の下端部の掴み金具50bを横桟3dから取り外すためには、まず掴み金具50bに付属する落下錠52を解除して、階段部材の下端部を右上方又は上方に持ち上げる。このとき、掴み金具50bを横桟3dから完全に外す必要があるが、床付き布枠の端面と横桟3aとの間には20mm以上の隙間があるから、階段部材の掴み金具50bと下段の足場の左右の床付き布枠11d、11eとは干渉することはない。また、図示しなかったが、階段部材の掴み金具50bと下段の足場の左右の床付き布枠11d、11eの掴み金具50f、50gとも干渉することはない。したがって、階段部材の全体を斜め上に持ち上げることができる。
このように、床付き布枠の梁材と横桟との間には、20mm以上の隙間が開いているので、上下の両端部に掴み金具が取り付けられたタイプと、掴み金具が上端部のみに取り付けられていて下端部は床付き布枠11の上に載置するタイプとを問わず、掴み金具が取り付けられた階段部材を、床付き布枠が組み込まれている枠組足場の横桟の間に、斜めに架け渡すことに困難はなく、このような床付き布枠が組み込まれている枠組足場に階段部材を組み入れたり取り外したりすることに何ら問題はない。なお、掴み金具が上端部のみに取り付けられていて下端部は床付き布枠の上に載置又は固定するタイプの階段部材においては、階段部材の下端部における床付き布枠の端面との干渉の問題はそもそも発生しない。
しかしながら、20mm以上の隙間が開いているので、枠組み足場の隙間から工具や建築資材等が落下したりするおそれがある。枠組み足場の隙間から工具や建築資材等が落下することを防止するために、図9〜図12に示すように、床付き布枠の両端部にひさし部を形成することによって、この隙間をなくそうとすると、階段部材の両端部の近傍において、以下に示すような問題が出てくる。すなわち、階段部材の設置場所を自由に選択することができないという問題や、階段部材を組み入れたり取り外したりすることができないという問題が発生する。
図22は、図9に示された床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13に示す階段部材を設置する2例の部分平面図である。梁材の上側フランジを外側に延長させることで突出した形状にすることによって布枠端面間の隙間を少なくしてなる、床付き布枠の大アンチ26(500mm幅)と小アンチ25(240mm幅)の各1枚が水平方向に平行に並べられて、隣接する建枠の横桟3の間に架け渡されたところに階段部材75が設置される。
ところが、階段部材75は、図22(a)の場合には取り付けることができるが、図22(b)の場合には階段部材75の掴み金具50の先端が対向する床付き布枠の梁材40にぶつかるから、階段部材75を取り付けることができない。すなわち、階段部材を設置しようとしても、階段部材の設置場所は組み立てられた枠組足場の構造によって道路側又は建物側のいずれかに固定されている。したがって、道路側と建物側のうちから自由に設置場所を選択することはできない。
図23は、図9に示された床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13に示す階段部材を設置する他の2例の部分平面図である。梁材の上側フランジを外側に延長させることで突出した形状にすることによって布枠端面間の隙間を少なくしてなる、床付き布枠の大アンチ26(500mm幅)の2枚が水平方向に平行に並べられて、隣接する建枠の横桟3の間に架け渡されたところに階段部材75が設置される。
ところが、階段部材75は、図23(a)の場合には取り付けることができるが、図23(b)の場合には階段部材75の掴み金具50の先端が対向する床付き布枠の梁材40にぶつかるから、階段部材75を取り付けることができない。すなわち、階段を道路側又は建物側のいずれにも組み込むことができるが、中央部に組み込むことができない。
これらの階段の設置場所の問題は、特許文献1に示された床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに階段部材を設置する場合にも同様に生じる。階段部材の設置場所は固定されており、自由に選択することはできないからである。
そして、床付き布枠の両端の隙間を完全になくした場合には、階段部材の掴み金具を取り付けるべき建枠の横桟が完全に隠れてしまうために、掴み金具を用いて階段部材を組み入れることは不可能となる。すなわち、特許文献2及び3に示された、床付き布枠の両端部に設けられる梁材の全体を布枠端面の外側に延長させるとともに外向きに凹凸形状の切欠き部又は凹部を設けてなる床付き布枠は、そもそも階段部材を取り付けることができない。
図24は、図11に示された断面を有する、ひさし部付きの床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13又は図14に示す階段部材を組み込もうとしたときの階段部材の上端部の掴み金具との干渉の状態の一例を示す一部拡大図(正面図)である。(a)は床付き布枠と階段部材の両方の掴み金具を図示したものであり、そして、(b)は掴み金具のうち、床付き布枠の掴み金具は図示せず、階段部材の掴み金具のみを図示したものである。
この階段部材は、その上端部においてその掴み金具50aを上段の足場の建枠の横桟3aに掴ませている。ここでは、階段部材の直上には床付き布枠は設置されていない。
上段の足場の床付き布枠11aは、その梁材の上側フランジ41を延長させて、突出部(ひさし部)44が形成されている。しかしながら、上段の足場を構成する建枠の横桟3aに、床付き布枠11aの掴み金具50cを掴ませた後に、上段の足場を構成する建枠の横桟3aに、階段部材を右方ないし上方から移動させて、階段部材の掴み金具50aを建枠の横桟3aに掴ませようとすると、図24(b)の楕円で示すように、階段部材の上端部に取り付けられた掴み金具50aが、この突出部(ひさし部)44にぶつかるために、建枠の横桟3を掴むことができない。
図25は、図9に示された床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13に示す階段部材を組み込もうとしたときの階段部材の下端部の掴み金具との干渉の状態の一例を示す一部拡大図(正面図)である。(a)がこの階段部材の掴み金具を組み込もうとしたとき、(b)がこの階段部材を組み込んであるとき、そして、(c)がこの階段部材を取り外そうとしたときを示す。なお、階段部材の掴み金具は図示したが、床付き布枠の掴み金具は図示しなかった。
この階段部材の下端部が架け渡される下段の足場の建枠の横桟3dには、階段部材の掴み金具50bに加えて、下段の足場の床付き布枠11eの左端部に取り付けられる掴み金具50g(図示せず)が掴んでいる。ここでは、階段部材の直下には床付き布枠は設置されていない。
図25(a)にみるごとく、階段部材の掴み金具50bは右上方又は上方から移動してきて、横桟3dを斜めに掴もうとする。しかしながら、下段の足場の床付き布枠11eの左端面には突出部(ひさし部)44が存在するため、階段部材の下端部の掴み金具50bはこの突出部(ひさし部)44にぶつかって、建枠の横桟3を掴むことができない。
また、図25(b)にみるごとく、階段部材の下端部の掴み金具50bは、下段の足場の床付き布枠11eの左端面に存在する突出部(ひさし部)44にぶつかっている。したがって、この階段部材の掴み金具50bを組み込んである状態のときには、階段部材の下端部の掴み金具50bはこの突出部(ひさし部)44に干渉している。
次に、図25(c)にみるごとく、階段部材を枠組足場から取り外すために、階段部材を右上方又は上方に持ち上げようとすると、階段部材の下端部の掴み金具50の先端が、下段の足場の床付き布枠11eの左端面の突出部(ひさし部)を回避できないために、階段部材を右上方又は上方に持ち上げることができない。
図26は、図9に示された床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13に示す階段部材を組み込もうとしたときの階段部材の下端部の掴み金具との干渉の状態の他の例を示す一部拡大図(正面図)である。(a)がこの階段部材の掴み金具を組み込もうとしたとき、(b)がこの階段部材を組み込んであるとき、そして、(c)がこの階段部材を取り外そうとしたときを示す。なお、階段部材の掴み金具は図示したが、床付き布枠の掴み金具は図示しなかった。
この階段部材の下端部が架け渡される下段の足場の建枠の横桟3dには、階段部材の掴み金具50bに加えて、下段の足場の床付き布枠11dの右端部に取り付けられる掴み金具50f(図示せず)と、下段の足場の床付き布枠11eの左端部に取り付けられる掴み金具50g(図示せず)が掴んでいる。ここでは、階段部材の直下には床付き布枠が設置されている。
図26(a)にみるごとく、階段部材の掴み金具50bは右上方又は上方から移動してきて、横桟3dを斜めに掴もうとする。しかしながら、下段の足場の床付き布枠11eの左端面には突出部(ひさし部)44が存在するため、階段部材の下端部の掴み金具50bはこの突出部(ひさし部)44にぶつかって、建枠の横桟3を掴むことができない。
また、図26(b)にみるごとく、階段部材の下端部の掴み金具50bは、下段の足場の床付き布枠11eの左端面に存在する突出部(ひさし部)44にぶつかっている。また、下段の足場の床付き布枠11dの右端面に存在する突出部(ひさし部)44にぶつかっている。したがって、この階段部材の掴み金具50bを組み込んである状態のときには、階段部材の下端部の掴み金具50bはこの突出部(ひさし部)44に干渉している。
次に、図26(c)にみるごとく、階段部材を枠組足場から取り外すために、階段部材を右上方又は上方に持ち上げようとすると、階段部材の下端部の掴み金具50の先端が、下段の足場の床付き布枠11eの左端面の突出部(ひさし部)を回避できないために、階段部材を右上方又は上方に持ち上げることができない。
以上、階段部材を組み入れたり取り外したりすることができないという問題については、図13に示す階段部材を例にとって説明したが、階段部材の上端の掴み金具に関しては、図14に示す階段部材も同様の問題がある。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、床付き布枠の両端の隙間を少なくできるとともに、階段部材を建物側と道路側を問わず、どの場所にも組み込むことができ、かつ、階段部材を枠組足場に組み入れるときに階段部材の掴み金具が建枠の横桟又は腕木材を確実に掴むことができ、また、階段部材を枠組足場から取り外すときにために階段部材の掴み金具が下段の足場の床付き布枠の端面を回避できる床付き布枠と、この床付き布枠を組み込んでなる枠組足場を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を解決するために、種々の検討を重ねた結果、次の(a)〜(j)の知見を得た。
(a) 床付き布枠の両端部の掴み金具を建枠の横桟又は腕木材に取り付けることによって建枠の横桟又は腕木材の間に床付き布枠を架け渡したときに、床付き布枠の端面と横桟又は腕木材との間に、あるいは対向する床付き布枠の端面との間に、隙間が生じると、枠組み足場の隙間から工具や建築資材等が落下したりするおそれがある。ただし、5〜10mm程度の隙間にするだけでも、工具や建築資材等が落下するおそれは小さくなる。
(b) 床付き布枠の両端部の梁材の上側フランジを主材の長手方向の外側に延長する形で突出させるか、又は、梁材の外側に梁材と平行にひさし部材を接合することによって、図9〜図12に示すように、床付き布枠の両端部にひさし部を形成することによって、床付き布枠の端面と横桟又は腕木材との間の隙間を少なくすることができる。
(c) しかしながら、このようなひさし部を有する床付き布枠を用いた場合、図24にみるごとく、上段の足場を構成する建枠の横桟又は腕木材に階段部材の上端部の掴み金具を掴ませようとすると、上下の両端部に掴み金具が取り付けられたタイプと、掴み金具が上端部のみに取り付けられていて下端部は床付き布枠11の上に載置するタイプとを問わず、階段部材の上端部に取り付けられた掴み金具が、上段の足場の床付き布枠の端面のひさし部にぶつかるために、建枠の横桟又は腕木材を掴むことができない。
(d) また、このようなひさし部を有する床付き布枠を用いた場合、図25〜26にみるごとく、上下の両端部に掴み金具が取り付けられたタイプにおいては、下段の足場を構成する建枠の横桟又は腕木材に階段部材の下端部の掴み金具を掴ませようとして、階段部材の下端部を右方ないし上方に移動させようとすると、階段部材の下端部に取り付けられた掴み金具が、下段の足場の床付き布枠の端面のひさし部にぶつかるために、建枠の横桟又は腕木材を掴むことができない。また、たとえ、階段部材の下端部に取り付けられた掴み金具が、下段の足場の建枠の横桟又は腕木材を掴むことができたとしても、階段部材を枠組足場から取り外そうとして、階段部材の下端部を右上方又は上方に持ち上げようとすると、下段の足場の床付き布枠の端面のひさし部を回避できないために、階段部材の下端部を右上方又は上方に持ち上げることができない。
(e) ところが、図24をよくみてみると、階段部材の上端部の掴み金具50aが床付き布枠の端面のひさし部44にぶつかるのは、対向する床付き布枠11aの両端部の梁材のひさし部44のレベルが横桟3aの上面レベルと同じであるので、階段部材の掴み金具50aが干渉するためであることが分かる。したがって、ひさし部44のレベルを横桟3aの上面レベルよりも高くして、ひさし部44の下に掴み金具を受容させることができるだけのスペースを確保すれば、階段部材の掴み金具50aが対向する床付き布枠のひさし部44にぶつかることを回避することができることに思い至った。言い換えれば、ひさし部44と横桟31との間に垂直方向にレベル差を設けることで得られたスペースに、階段部材の掴み金具50aを収容すればよい。こうすれば、床付き布枠の端面と横桟又は腕木材との間の隙間を少なくしたままであっても、階段部材の上端部に取り付けられた掴み金具が、上段の足場の床付き布枠の端面のひさし部を回避できるから、建枠の横桟又は腕木材を掴むことができる。なお、階段部材の掴み金具の形状にもよるが、ひさし部のレベルと横桟の上面レベルとの差は、通常15〜30mm程度あればよい。好ましくは20〜25mmである。
したがって、階段部材の上端部を枠組足場に組み込む際に、階段部材の上端部の掴み金具50aは、対向する床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材にぶつかることなく、建枠の横桟3aを容易に掴むことができる。
また、階段部材の上端部の掴み金具50aを横桟3aから取り外すときは、掴み金具50aに付属する落下錠52を解除し、次いで階段部材を右方ないし上方へ移動させることになる。建枠の横桟3aの右方及び右上方には、床付き布枠は設置されていないから、掴み金具50aを右方ないし上方へ容易に移動させることができる。
(f) そして、上記(e)の階段部材の上端部の掴み金具50aに関して得られた新たな知見は、上下の両端部に掴み金具が取り付けられたタイプの階段部材の下端部の掴み金具50bにも適用できることも分かった。すなわち、ひさし部又はひさし部材のレベルを横桟3dの上面レベルよりも高くして、ひさし部又はひさし部材の下に掴み金具を受容させることができるだけのスペースを確保すれば、この階段部材の掴み金具50bを組み込んである状態のときには、階段部材の下端部の掴み金具50bは、下段の足場の床付き布枠11eの左端面に存在する、ひさし部又はひさし部材には干渉しない。なお、階段部材の掴み金具の形状にもよるが、ひさし部のレベルと横桟の上面レベルとの差は、通常15〜30mm程度あればよい。好ましくは20〜25mmである。
ここで、階段部材の直下に床付き布枠が設置されていない場合には、床付き布枠の掴み金具を横桟から外し、床付き布枠の端面を持ち上げた状態で、先に階段部材の下端部の掴み金具を横桟に掴ませ、その後に床付き布枠の端面を降ろして、床付き布枠の掴み金具(図示せず)を横桟に掴ませるという手法を採用することによって、ひさし部又はひさし部材のレベルを横桟3aの上面レベルよりも高くした床付き布枠の掴み金具を横桟3aに取り付けることができる。同様にして、階段部材を横桟から取り外すこともできる。
これに対して、階段部材の直下に床付き布枠が設置されている場合には、この手法を採用することはできない。ただし、階段部材の直下に床付き布枠が設置されている場合には、床付き布枠の梁材と横桟との間に20mm以上の隙間が開いていても、工具や建築資材等が落下するおそれは小さい。したがって、階段部材の直下に床付き布枠が設置されている場合には、図8に示す隙間の開いた床付き布枠を用いることができる。
したがって、掴み金具が上端部のみに取り付けられていて下端部は床付き布枠11の上に載置するタイプの階段部材はもちろんのこと、上下の両端部に掴み金具が取り付けられたタイプの階段部材であっても、ひさし部又はひさし部材のレベルを横桟の上面レベルよりも高くして、ひさし部又はひさし部材の下に掴み金具を受容させることができるだけのスペースを確保すれば、階段部材の掴み金具が対向する床付き布枠のひさし部又はひさし部材にぶつかることを回避することができる。
(g) このように、床付き布枠の端面と横桟又は腕木材との間の隙間を少なくすることができるにもかかわらず、階段部材が枠組足場に組み込んである状態のときには、階段部材の掴み金具は、上下段の足場の床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材には干渉していないのであるから、階段部材の設置場所についての制限を受けることはなくなる。階段部材は、道路側と建物側のうちのどちらにも設置できるし、場合によっては中央部に設置することもできるから、自由に設置場所を選択することができる。
(h) 上記(e)及び(f)において説明したとおり、階段部材の上端部の掴み金具に関しては、本発明により、ひさし部又はひさし部材のレベルを横桟の上面レベルよりも高くして、ひさし部又はひさし部材の下に掴み金具を受容させることができるだけのスペースを確保できれば、容易に階段部材の上端部を枠組足場に組み込むことができるし、取り外すこともできる。
そして、階段部材の下端部の掴み金具に関しても、階段部材の直下に床付き布枠が設置されていない場合には、本発明により、ひさし部又はひさし部材のレベルを横桟の上面レベルよりも高くして、ひさし部又はひさし部材の下に掴み金具を受容させることができるだけのスペースを確保すれば、この階段部材の掴み金具50bを組み込んである状態のときには、階段部材の下端部の掴み金具50bは、下段の足場の床付き布枠11eの左端面に存在する、ひさし部又はひさし部材には干渉しないので、階段部材の下端部を枠組足場に組み込むことができるし、取り外すこともできる。ただし、階段部材の下端部を枠組足場に組み込んだり、取り外したりしようとすると、床付き布枠の端面を持ち上げた状態で、階段部材の下端部の掴み金具を横桟に掴ませるか又は取り外したりする手法を採用する必要がある。
(i) この問題を解決して、本発明のさらなる改良を図るべく、種々に検討した結果、階段部材の下端部を枠組足場に組み込んだり、取り外したりしようとする際に、階段部材の下端部の掴み金具が床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材にぶつからないようにするためには、床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材に切欠き部(スリット)を設ければよいことに思い至った。
このように床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材に切欠き部(スリット)を設ければ、階段部材の直下に床付き布枠が設置されていない場合において、階段部材の下端部を枠組足場に組み込む際に、階段部材の下端部の掴み金具は、対向する床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材にぶつかることなく、建枠の横桟を容易に掴むことができる。なお、切欠き部(スリット)の位置によっては、階段部材の下端部を右上方又は上方から移動させようとすると、階段部材の下端部に取り付けられた掴み金具が下段の足場の床付き布枠の端面のひさし部にぶつかる場合が考えられるが、この場合は階段部材の下端部を左上方から移動させることで、ひさし部又はひさし部材にぶつかることなく、建枠の横桟を容易に掴むことができる。
また、階段部材の下端部の掴み金具を横桟から取り外すときは、掴み金具に付属する落下錠を解除し、次いで階段部材を左上方ないし右上方へ移動させることになるが、このときも階段部材の下端部の掴み金具は、対向する床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材にぶつかることなく、左上方ないし右上方へ容易に移動させることができる。このように、床付き布枠の端面を持ち上げた状態で、階段部材の下端部の掴み金具を横桟に掴ませるか又は取り外したりする必要はなくなる。
さらに、このように床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材に切欠き部(スリット)を設ければ、階段部材の上端部を枠組足場に組み込む際に、階段部材の上端部の掴み金具は、右方ないし上方だけでなく、左上方から移動させてもひさし部又はひさし部材にぶつかることなく、建枠の横桟を容易に掴むことができる。また、階段部材の上端部の掴み金具を横桟から取り外すときに、ひさし部又はひさし部材にぶつかることなく、階段部材の上端部を、右方ないし上方だけでなく、左上方へ移動させることもできる。
なお、ひさし部又はひさし部材に外向きに設けられる切欠き部(スリット)の位置はその中程に設けるのが好ましいが、特に限定するものではなく、ひさし部の端部方向に偏ってもよい。切欠き部(スリット)の数は1個であってもよいが、複数個であってもよい。また、階段部材の下端部の掴み金具が床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材と干渉することなく通り抜けることができればよいのであるから、切欠き部(スリット)の幅は階段部材の掴み金具の最大幅より大きければよい。通常は、10〜30mm、好ましくは、15〜25mmである。
(j) また、上記の(g)において、床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材に切欠き部(スリット)がなくても、階段部材の設置場所についての制限を受けることはなくなるから、階段部材は、道路側と建物側のうちのどちらにも設置できるし、場合によっては中央部に設置することもできるから、自由に設置場所を選択することができるものであるが、階段部材の下端部を枠組足場に組み込んだり、取り外したりしようとすると、床付き布枠の端面を持ち上げた状態で、階段部材の下端部の掴み金具を横桟に掴ませるか又は取り外したりする手法を採用するか、又は、隙間の開いた床付き布枠を用いることを余儀なくされることを説明した。
これに対して、床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材に切欠き部(スリット)を設けると、階段部材の直下に床付き布枠が設置されていない場合において、階段部材の下端部を枠組足場に組み込んだり、取り外したりしようとする際に、階段部材の下端部の掴み金具は床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材にぶつからないから、床付き布枠の端面を持ち上げた状態で、階段部材の下端部の掴み金具を横桟に掴ませるか又は取り外したりする必要はないし、隙間の開いた床付き布枠を用いることを余儀なくされることもない。
さらに、掴み金具が横桟を掴んでいるときに、掴み金具を横桟の長さ方向に滑らすことが可能であるから、この切欠き部(スリット)から階段部材の掴み金具を組み入れて横桟を掴ませたりできるし、この切欠き部(スリット)から階段部材の掴み金具を取り外したりすることができる。また、この切欠き部(スリット)から床付き布枠の掴み金具を組み入れて横桟を掴ませたりできるし、この切欠き部(スリット)から小アンチ等の床付き布枠の掴み金具を取り外したりすることができる。
したがって、床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材に切欠き部(スリット)を設けると、この切欠き部(スリット)を通して、階段部材や床付き布枠等、掴み金具によって横桟に把持される足場部材を自由に組み込むことができる。
本発明は、このような知見に基づいて完成したものであって、次の(1)〜(5)の床付き布枠及び(6)〜(7)の枠組足場を要旨とする。以下、(1)〜(7)を総称して、本発明ということもある。
(1) 外向きに平板状のひさし部を設けた梁材を両端に備える床付き布枠であって、そのひさし部の下に掴み金具を受容できるだけのスペースを有することを特徴とする床付き布枠。
(2) ひさし部は梁材の上側フランジを外側に延長することによって形成されることを特徴とする、上記(1)の床付き布枠。
(3) ひさし部は、梁材の外側に梁材と平行にひさし部材を接合することによって形成されることを特徴とする、上記(1)又は(2)の床付き布枠。
(4) ひさし部はリブによって補強されていることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれかの床付き布枠。
(5) ひさし部は掴み金具を受容可能な1個又は複数個の切欠き部を外向きに有することを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれかの床付き布枠。
(6) 上記(1)〜(5)のいずれかの床付き布枠が組み込まれていることを特徴とする枠組足場。
(7) 上記(6)の枠組足場であって、階段部材が組み込まれていることを特徴とする枠組足場。
本発明によれば、床付き布枠の両端の隙間を少なくできるとともに、階段部材を建物側と道路側を問わず、どの場所にも組み込むことができ、かつ、階段部材を枠組足場に組み入れるときに階段部材の掴み金具が建枠の横桟又は腕木材を確実に掴むことができ、また、階段部材を枠組足場から取り外すときに階段部材の掴み金具が下段の足場の床付き布枠の端面を回避できる床付き布枠と、この床付き布枠を組み込んでなる枠組足場を提供することができる。
本発明に係る床付き布枠及びこの床付き布枠を組み込んでなる枠組足場を、以下に、図面を用いて説明する。
図27は、本発明に係る床付き布枠の一例であり、(a)は全体平面図、(b)はC−C矢視断面図である。そして、(c)は掴み金具を受容できるスペースを斜線で示したものである。
この床付き布枠11は、上側フランジ41と下側フランジ42とウェブ43から形成される断面コの字形状の梁材の外側に梁材と平行に、平板のひさし部材60を線溶接により接合することによって、ひさし部を形成している。
ここでは、ひさし部材60を水平に設けたが、図28に示したように、ひさし部材60は傾斜させてもよい。
また、ここでは、梁材の外側に梁材と平行にひさし部材を接合することによってひさし部を形成したが、図29にみるごとく、床材部31の端面に上側フランジ41と下側フランジ42とウェブ43から形成される梁材の上側フランジ41を梁材の幅方向の外側に延長する形で突出させることで、ひさし部44を形成してもよい。
なお、図30に示すように、このひさし部材60は単板のリブ63を垂直に取り付けることにより補強されているが、ひさし部材60だけで強度が保たれる場合は、リブを省略してもよい。また、リブ63の形状は特に限定するものではなく、図31に示す単板折り曲げ型や、図32に示す一体型であってもよい。
図33は、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定した床付き布枠(図27)を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13又は図14に示す階段部材を組み込んだときの階段部材の上端部の掴み金具の干渉の状況の2例を示す一部拡大図(正面図)である。(a)は床付き布枠と階段部材の両方の掴み金具を図示したものであり、そして、(b)は階段部材の掴み金具は図示したが、床付き布枠の掴み金具を図示しなかった。
このひさし付きの床付き布枠の端部は、床付き布枠の掴み金具の形状を変更することによって、ひさし部のレベルと横桟の上面レベルとの差を23mmとしたものである。
上段の足場を構成する建枠の横桟3aに、床付き布枠11aの掴み金具50cを掴ませた後に、階段部材を右方又は右上方から移動させて、階段部材の掴み金具50aを建枠の横桟3aに掴ませる。上段の足場の床付き布枠11aの右端部の突出部材(ひさし部材)60と横桟3aとの間には、垂直方向に23mmのレベル差があるので、突出部材(ひさし部材)60と横桟3aとの間のスペースに階段部材の掴み金具50aを収容することができる。
したがって、階段部材の上端部を枠組足場に組み込む際に、階段部材の上端部の掴み金具50aは、対向する床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材にぶつかることなく、建枠の横桟3aを容易に掴むことができる。また、階段部材の上端部の掴み金具50aを横桟3aから取り外すときは、掴み金具50aに付属する落下錠52を解除し、次いで階段部材を右方又は右上方へ移動させることになる。建枠の横桟3aの右方及び右上方には、床付き布枠は設置されていないから、掴み金具50aを右方又は右上方へ容易に移動させることができる。
このようにして、このひさし付きの床付き布枠を用いると、床付き布枠の両端の隙間を少なくできるとともに、階段部材を枠組足場に組み入れるときに階段部材の上端部の掴み金具が建枠の横桟又は腕木材を確実に掴むことができ、また、階段部材の上端部を枠組足場から取り外すときにも、階段部材の上端部の掴み金具が上段の足場の床付き布枠の端面にぶつかることはないから、階段部材の上端部を枠組足場から取り外すことに何ら支障は生じない。
図34は、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定した床付き布枠(図27)を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13に示す階段部材を組み込んだときの階段部材の下端部の掴み金具の干渉の状況の3例を示す一部拡大図(正面図)である。ここでは、階段部材の直下には床付き布枠は設置されていない。(a)がこの階段部材の掴み金具を組み込もうとしたとき、(b)がこの階段部材を組み込んであるとき、そして、(c)がこの階段部材を取り外そうとしたときを示す。なお、階段部材の掴み金具は図示したが、床付き布枠の掴み金具は図示しなかった。
この階段部材の下端部が架け渡される下段の足場の建枠の横桟3dには、階段部材の掴み金具50bに加えて、下段の足場の床付き布枠11eの左端部の掴み金具50g(図示せず)が掴んでいる。
このひさし付きの床付き布枠の端部は、床付き布枠の掴み金具の形状を変更することによって、ひさし部のレベルと横桟の上面レベルとの差を23mmとしたものである。
図34(a)にみるごとく、階段部材の掴み金具50bは右上方ないし左上方から移動してきて、横桟3dを斜めに掴もうとする。しかしながら、下段の足場の床付き布枠11eの左端面には突出部材(ひさし部材)60が存在するため、階段部材の下端部の掴み金具50bはこの突出部材(ひさし部材)60にぶつかって、建枠の横桟3を掴むことができない。
ただし、図34(b)においては、階段部材の下端部の掴み金具50bは、下段の足場の床付き布枠11eの左端面に存在する突出部材(ひさし部材)60にぶつかっていない。したがって、この階段部材の掴み金具50bを組み込んである状態のときには、階段部材の下端部の掴み金具50bは、下段の足場の床付き布枠11eの左端面に存在する突出部材(ひさし部材)60には干渉していない。
次に、図34(c)にみるごとく、階段部材を枠組足場から取り外すために、階段部材を右上方ないし左上方に持ち上げようとすると、階段部材の下端部の掴み金具50の先端が、下段の足場の床付き布枠11eの左端面の突出部材(ひさし部材)60を回避できないために、階段部材を右上方ないし左上方に持ち上げることができない。
このように、下段の足場の床付き布枠11eの掴み金具(図示せず)を横桟3dに掴ませた後に、階段部材の下端部の掴み金具50bを横桟3dに掴ませようとすると、階段部材の下端部の掴み金具50bは床付き布枠11eの左端面に存在する突出部材(ひさし部材)60にぶつかってしまうことになる。しかしながら、この階段部材の掴み金具50bを組み込んである状態のときには、階段部材の下端部の掴み金具50bは、下段の足場の床付き布枠11eの左端面に存在する突出部材(ひさし部材)60には干渉していないのであるから、床付き布枠11eの掴み金具(図示せず)を横桟3dから外し、床付き布枠11eの左端面を持ち上げた状態で、先に階段部材の下端部の掴み金具50bを横桟3dに掴ませ、その後に床付き布枠11eの左端面を降ろして、床付き布枠11eの掴み金具(図示せず)を横桟3dに掴ませることによって、階段部材を組み込むことができる。
逆に、階段部材を横桟3dから取り外すときは、床付き布枠11eの掴み金具(図示せず)を横桟3dから外し、床付き布枠11eの左端面を持ち上げて、先に床付き布枠11eの掴み金具(図示せず)を横桟3dから外した状態で、階段部材の下端部の掴み金具50bを横桟3dから外し、その後に床付き布枠11eの左端面を降ろして、床付き布枠11eの掴み金具(図示せず)を横桟3dに掴ませることによって、階段部材を横桟3dから取り外すことができる。
このように、階段部材の直下に床付き布枠は設置されていない場合には、突出部材(ひさし部材)60のレベルを横桟3aの上面レベルよりも高くして、突出部材(ひさし部材)60の下に掴み金具を受容させることができるだけのスペースを確保すれば、階段部材の下端部の掴み金具50bが対向する床付き布枠の突出部材(ひさし部材)60にぶつかることを回避することができる。
このようにして、このひさし付きの床付き布枠を用いると、床付き布枠の両端の隙間を少なくできるとともに、上下の両端部に掴み金具が取り付けられたタイプであっても、階段部材を枠組足場に組み入れることができるし、取り外すことができる。
図35は、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定した床付き布枠(図27)を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13に示す階段部材を組み込んだときの階段部材の下端部の掴み金具の干渉の状況の他の3例を示す一部拡大図(正面図)である。ここでは、階段部材の直下に床付き布枠は設置されており、この階段部材の直下に床付き布枠だけは、図8に示す隙間の開いた床付き布枠が用いられている。(a)がこの階段部材の掴み金具を組み込もうとしたとき、(b)がこの階段部材を組み込んであるとき、そして、(c)がこの階段部材を取り外そうとしたときを示す。なお、階段部材の掴み金具は図示したが、床付き布枠の掴み金具は図示しなかった。
この階段部材の下端部が架け渡される下段の足場の建枠の横桟3dには、階段部材の掴み金具50bに加えて、下段の足場の床付き布枠11dの右端部に取り付けられる掴み金具50f(図示せず)と、下段の足場の床付き布枠11eの左端部の掴み金具50g(図示せず)が掴んでいる。
下段の足場の床付き布枠11eは、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定した床付き布枠(図27)であって、床付き布枠の掴み金具の形状を変更することによって、ひさし部のレベルと横桟の上面レベルとの差を23mmとしたものである。図34で説明したとおり、このひさし付きの床付き布枠を用いると、床付き布枠の両端の隙間を少なくできるとともに、上下の両端部に掴み金具が取り付けられたタイプであっても、階段部材を枠組足場に組み入れることができるし、取り外すことができる。
そして、下段の足場の床付き布枠11dは、図8に示す隙間の開いた床付き布枠を上面の梁材の上側フランジ41のレベルと横桟3dの上面レベルとの差がないように設置されており、階段部材の下端部に取り付けられた掴み金具が、下段の足場の床付き布枠の端面にぶつかることはないので、建枠の横桟又は腕木材を掴むことができる。なお、階段部材の直下に床付き布枠が設置されている場合には、作業員が立ち入る場所ではないので、床付き布枠の梁材と横桟との間に、20mm以上の隙間が開いていても、工具や建築資材等が落下するおそれは小さい。
以上のとおりであるから、床付き布枠の両端部の梁材の上側フランジを主材の長手方向の外側に延長する形で突出させるか、又は、梁材の外側に梁材と平行にひさし部材を接合することによって、床付き布枠の両端部にひさし部を形成することによって、床付き布枠の端面と横桟又は腕木材との間の隙間を少なくすることができる。そして、ひさし部又はひさし部材のレベルを横桟の上面レベルよりも高くして、ひさし部又はひさし部材の下に掴み金具を受容させることができるだけのスペースを確保すれば、階段部材の掴み金具が対向する床付き布枠のひさし部又はひさし部材にぶつかることを回避することができる。そして、そのレベル差としては、通常15〜30mm程度あればよく、20〜25mmとするのが好ましい。
そのレベル差を23mmに設定して検証したところでは、階段部材の上端部の掴み金具に関しては、上段の足場の床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材にぶつかることがないため、建枠の横桟又は腕木材を掴むことができる。そして、上段の足場の床付き布枠の掴み金具を建枠の横桟又は腕木材に掴ませたまま、階段部材の上端部を枠組足場に組み込むことに支障はないし、階段部材の上端部を枠組足場から取り外すことにも支障はない。
そして、階段部材の下端部の掴み金具に関しては、この階段部材の掴み金具を建枠の横桟又は腕木材に掴ませることによってこの階段部材が枠組足場に組み込んである状態のときには、階段部材の下端部の掴み金具は、下段の足場の床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材には干渉していない。したがって、階段部材の直下に床付き布枠が設置されていない場合には、床付き布枠の掴み金具を横桟から外し、床付き布枠の端面を持ち上げた状態で、先に階段部材の下端部の掴み金具を横桟に掴ませ、その後に床付き布枠の端面を降ろして、床付き布枠の掴み金具(図示せず)を横桟に掴ませるという手法を採用することによって、階段部材の下端部を枠組足場に組み込むことができるし、階段部材の下端部を枠組足場から取り外すこともできる。ただし、階段部材の直下に床付き布枠が設置されている場合には、この手法は適用できないが、隙間の開いた床付き布枠を用いても支障はない。
したがって、掴み金具が上端部のみに取り付けられていて下端部は床付き布枠11の上に載置するタイプの階段部材はもちろんのこと、上下の両端部に掴み金具が取り付けられたタイプの階段部材であっても、ひさし部又はひさし部材のレベルを横桟の上面レベルよりも15〜30mm程度高くして、ひさし部又はひさし部材の下に掴み金具を受容させることができるだけのスペースを確保すれば、階段部材の掴み金具が対向する床付き布枠のひさし部又はひさし部材にぶつかることを回避することができる。
次に、階段部材の設置場所については、床付き布枠の端面と横桟又は腕木材との間の隙間を少なくすることができるにもかかわらず、階段部材が枠組足場に組み込んである状態のときには、階段部材の掴み金具は、上下段の足場の床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材には干渉していないのであるから、階段部材の設置場所に制限を受けることはなくなる。階段部材は、道路側と建物側のうちのどちらにも設置できるし、場合によっては中央部に設置することもできるから、自由に設置場所を選択することができる。
図36は、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定した床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13又は図14に示す階段部材を設置する2例の部分平面図である。
ひさし部60を有することによって端面と横桟3との間の隙間を少なくしてなる床付き布枠の大アンチ(図27)26(500mm幅)と小アンチ25(240mm幅)の各1枚が水平方向に平行に並べられて、隣接する建枠の横桟3の間に架け渡されたところに階段部材75が設置される。階段部材の掴み金具50はひさし部60の下に受容できるから、図36(a)の場合はもちろん、図36(b)の場合も、階段部材75を取り付けることができる。したがって、道路側と建物側のうちから自由に階段部材75の設置場所を選択することができる。
図37は、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定した床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13又は図14に示す階段部材を設置する他の2例の部分平面図である。ひさし部60を有することによって端面と横桟3との間の隙間を少なくしてなる床付き布枠の大アンチ(図27)26(500mm幅)の2枚が水平方向に平行に並べられて、隣接する建枠の横桟3の間に架け渡されたところに階段部材75が設置される。階段部材の掴み金具50はひさし部60の下に受容できるから、図37(a)の場合はもちろん、図37(b)の場合も、階段部材75を取り付けることができる。したがって、階段部材75を道路側又は建物側だけでなく、中央部にも組み込むことができる。
このように、図36及び図37で示されるように、階段部材の上端部を枠組足場に組み込む際に、階段部材の上端部の掴み金具50aは、対向する床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材にぶつかることなく、建枠の横桟3aを容易に掴むことができる。また、階段部材の上端部の掴み金具50aを横桟3aから取り外すときは、対向する床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材にぶつかることなく、掴み金具50aを横桟又は腕木材から取り外すことができる。
ただし、階段部材の下端部を枠組足場に組み込んだり、取り外したりしようとすると、床付き布枠の端面を持ち上げた状態で、階段部材の下端部の掴み金具を横桟に掴ませるか又は取り外したりする手法を採用するか、又は、隙間の開いた床付き布枠を用いることを余儀なくされる。
なお、掴み金具が上端部のみに取り付けられていて下端部は床付き布枠11の上に載置するタイプの階段部材を用いるときは、階段部材の下端部には掴み金具は存在しないので、このような問題はない。
図38は、本発明に係る床付き布枠の他の例であり、(a)は全体平面図、(b)はC−C矢視断面図である。そして、(c)は掴み金具を受容できるスペースを斜線で示したものである。
この床付き布枠11は、上側フランジ41と下側フランジ42とウェブ43から形成される断面コの字形状の梁材の外側に梁材と平行に、平板のひさし部材60を線溶接により接合することによって、ひさし部を形成している。そして、このひさし部材60の中程には外向きに切り欠き部(スリット)61が設けられている。
ここでは、ひさし部材60を水平に設けたが、図28に示したように、ひさし部材60は傾斜させてもよい。
また、ここでは、梁材の外側に梁材と平行にひさし部材を接合することによってひさし部を形成したが、図29にみるごとく、床材部31の端面に上側フランジ41と下側フランジ42とウェブ43から形成される梁材の上側フランジ41を梁材の幅方向の外側に延長する形で突出させることで、ひさし部44を形成してもよい。
なお、図30に示すように、このひさし部材60は単板のリブ63を垂直に取り付けることにより補強されているが、ひさし部材60だけで強度が保たれる場合は、リブを省略してもよい。また、リブ63の形状は特に限定するものではなく、図31に示す単板折り曲げ型や、図32に示す一体型であってもよい。
図39は、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定した床付き布枠(図38)を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13又は図14に示す階段部材を組み込んだときの階段部材の上端部の掴み金具の干渉の状況の2例を示す一部拡大図(正面図)である。(a)は床付き布枠と階段部材の両方の掴み金具を図示したものであり、そして、(b)は階段部材の掴み金具は図示したが、床付き布枠の掴み金具を図示しなかった。
このひさし付きの床付き布枠の端部は、床付き布枠の掴み金具の形状を変更することによって、ひさし部のレベルと横桟の上面レベルとの差を23mmとしたものである。
上段の足場を構成する建枠の横桟3aに、床付き布枠11aの掴み金具50cを掴ませた後に、階段部材の上端部を左上方ないし右方から移動させて、階段部材の掴み金具50aを建枠の横桟3aに掴ませる。上段の足場の床付き布枠11aの右端部の突出部材(ひさし部材)60と横桟3aとの間には、垂直方向に23mmのレベル差があるので、突出部材(ひさし部材)60と横桟3aとの間のスペースに階段部材の掴み金具50aを収容することができる。なお、階段部材の上端部を左上方又は上方から移動させると、階段部材の掴み金具50aは、ひさし部の中程に外向きに設けられた切り欠き部(スリット)61を通って移動することになる。
したがって、階段部材の上端部を枠組足場に組み込む際に、階段部材の上端部の掴み金具50aは、対向する床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材にぶつかることなく、建枠の横桟3aを容易に掴むことができる。また、階段部材の上端部の掴み金具50aを横桟3aから取り外すときは、掴み金具50aに付属する落下錠52を解除し、次いで階段部材を左上方ないし右方へ移動させることになる。建枠の横桟3aの左上方ないし右方には、床付き布枠は設置されていないから、掴み金具50aを左上方ないし右方へ容易に移動させることができる。
このようにして、このひさし付きの床付き布枠を用いると、床付き布枠の両端の隙間を少なくできるとともに、階段部材を枠組足場に組み入れるときに階段部材の上端部の掴み金具が建枠の横桟又は腕木材を確実に掴むことができ、また、階段部材の上端部を枠組足場から取り外すときにも、階段部材の上端部の掴み金具が上段の足場の床付き布枠の端面にぶつかることはないから、階段部材の上端部を枠組足場から取り外すことに何ら支障は生じない。なお、ひさし部に切り欠き部(スリット)61を設けると、階段部材の上端部を枠組足場に組み込む際に、その階段部材の上端部の掴み金具を横桟又は腕木材に取り付けるときと取り外すときの許容角度を大きくすることができるので、作業性が向上する。
図40は、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定した床付き布枠(図38)を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13に示す階段部材を組み込んだときの階段部材の下端部の掴み金具の干渉の状況の3例を示す一部拡大図(正面図)である。ここでは、階段部材の直下には床付き布枠は設置されていない。(a)がこの階段部材の掴み金具を組み込もうとしたとき、(b)がこの階段部材を組み込んであるとき、そして、(c)がこの階段部材を取り外そうとしたときを示す。なお、階段部材の掴み金具は図示したが、床付き布枠の掴み金具は図示しなかった。
この階段部材の下端部が架け渡される下段の足場の建枠の横桟3dには、階段部材の掴み金具50bに加えて、下段の足場の床付き布枠11eの左端部の掴み金具50g(図示せず)が掴んでいる。
このひさし付きの床付き布枠の端部は、床付き布枠の掴み金具の形状を変更することによって、ひさし部のレベルと横桟の上面レベルとの差を23mmとしたものである。
図40(a)にみるごとく、階段部材の掴み金具50bは左上方から移動してきて、横桟3dを斜めに掴むことになる。下段の足場のひさし付きの床付き布枠11eのひさし部材60には切り欠き部(スリット)61が設けられており、階段部材の掴み金具50bはこの切り欠き部(スリット)61を通り抜けるので、階段部材の掴み金具50bは下段の足場の右側の床付き布枠11eのひさし部材60とは干渉することはない。したがって、図40(b)にみるごとく、階段部材の下端部の掴み金具50bは下段の足場の横桟3dに掴ませることができる。
次に、図40(c)にみるごとく、この階段部材の下端部の掴み金具50bを横桟3dから取り外すためには、まず掴み金具50bに付属する落下錠52を解除して、階段部材の下端部を左上方に持ち上げる。このとき、掴み金具50bを横桟3dから完全に外す必要があるが、下段の足場のひさし付きの床付き布枠11eのひさし部材60には切り欠き部(スリット)61が設けられており、階段部材の掴み金具50bはこの切り欠き部(スリット)61を通り抜けるので、階段部材の掴み金具50bは下段の足場の右側の床付き布枠11eのひさし部材60とは干渉することはない。また、図示しなかったが、階段部材の掴み金具50bと下段の足場の右側の床付き布枠11eの掴み金具50gとも干渉することはない。したがって、階段部材の下端部を左上方に持ち上げることができる。
このようにして、この切り欠き部(スリット)が設けられた、ひさし付きの床付き布枠を用いると、床付き布枠の両端の隙間を少なくできるとともに、上下の両端部に掴み金具が取り付けられたタイプであっても、階段部材を枠組足場に組み入れることができるし、取り外すことができる。このとき、床付き布枠の端面を持ち上げた状態で、階段部材の下端部の掴み金具を横桟に掴ませるか又は取り外したりしなくてもよい。
図41は、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定した床付き布枠(図38)を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13に示す階段部材を組み込んだときの階段部材の下端部の掴み金具の干渉の状況の他の3例示す一部拡大図(正面図)である。ここでは、階段部材の直下に床付き布枠は設置されており、この階段部材の直下に床付き布枠だけは、図8に示す隙間の開いた床付き布枠が用いられている。(a)がこの階段部材の掴み金具を組み込もうとしたとき、(b)がこの階段部材を組み込んであるとき、そして、(c)がこの階段部材を取り外そうとしたときを示す。なお、階段部材の掴み金具は図示したが、床付き布枠の掴み金具は図示しなかった。
この階段部材の下端部が架け渡される下段の足場の建枠の横桟3dには、階段部材の掴み金具50bに加えて、下段の足場の床付き布枠11dの右端部に取り付けられる掴み金具50f(図示せず)と、下段の足場の床付き布枠11eの左端部の掴み金具50g(図示せず)が掴んでいる。
下段の足場の床付き布枠11eは、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定した床付き布枠(図38)であって、床付き布枠の掴み金具の形状を変更することによって、ひさし部のレベルと横桟の上面レベルとの差を23mmとしたものである。図40で説明したとおり、このひさし付きの床付き布枠を用いると、床付き布枠の両端の隙間を少なくできるとともに、上下の両端部に掴み金具が取り付けられたタイプであっても、階段部材を枠組足場に組み入れることができるし、取り外すことができる。
そして、下段の足場の床付き布枠11dは、図8に示す隙間の開いた床付き布枠を上面の梁材の上側フランジ41のレベルと横桟3dの上面レベルとの差がないように設置されており、階段部材の下端部に取り付けられた掴み金具が、下段の足場の床付き布枠の端面にぶつかることはないので、建枠の横桟又は腕木材を掴むことができる。なお、階段部材の直下に床付き布枠が設置されている場合には、作業員が立ち入る場所ではないので、床付き布枠の梁材と横桟との間に、20mm以上の隙間が開いていても、工具や建築資材等が落下するおそれは小さい。
このようにして、この切り欠き部(スリット)が設けられた、ひさし付きの床付き布枠を用いると、床付き布枠の両端の隙間を少なくできるとともに、上下の両端部に掴み金具が取り付けられたタイプであっても、階段部材を枠組足場に組み入れることができるし、取り外すことができる。このとき、床付き布枠の端面を持ち上げた状態で、階段部材の下端部の掴み金具を横桟に掴ませるか又は取り外したりしなくてもよい。
以上のとおりであるから、床付き布枠の両端部の梁材の上側フランジを主材の長手方向の外側に延長する形で突出させるか、又は、梁材の外側に梁材と平行にひさし部材を接合することによって、床付き布枠の両端部にひさし部を形成することによって、床付き布枠の端面と横桟又は腕木材との間の隙間を少なくすることができる。そして、ひさし部又はひさし部材のレベルを横桟の上面レベルよりも高くして、ひさし部又はひさし部材の下に掴み金具を受容させることができるだけのスペースを確保し、さらにひさし部に切り欠き部(スリット)が設ければ、階段部材の掴み金具が対向する床付き布枠のひさし部又はひさし部材にぶつかることをさらに回避することができる。そして、そのレベル差としては、通常15〜30mm程度あればよく、20〜25mmとするのが好ましい。また、ひさし部又はひさし部材に外向きに設けられる切欠き部(スリット)の位置はその中程に設けるのが好ましいが、特に限定するものではない。また、階段部材の下端部の掴み金具が床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材と干渉することなく通り抜けることができればよいのであるから、切欠き部(スリット)の幅は階段部材の掴み金具の最大幅より大きければよい。通常は、10〜30mm、好ましくは、15〜25mmである。
次に、階段部材の設置場所については、床付き布枠の端面と横桟又は腕木材との間の隙間を少なくすることができるにもかかわらず、階段部材が枠組足場に組み込んである状態のときには、階段部材の掴み金具は、上下段の足場の床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材には干渉していないのであるから、階段部材の設置場所に制限を受けることはなくなる。階段部材は、道路側と建物側のうちのどちらにも設置できるし、場合によっては中央部に設置することもできるから、自由に設置場所を選択することができる。
図42は、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定し、そして、ひさし部に切り欠き部(スリット)を設けた床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13又は図14に示す階段部材を設置する2例の部分平面図である。
ひさし部60を有することによって端面と横桟3との間の隙間を少なくしてなる床付き布枠の大アンチ(図38)26(500mm幅)と小アンチ25(240mm幅)の各1枚が水平方向に平行に並べられて、隣接する建枠の横桟3の間に架け渡されたところに階段部材75が設置される。階段部材の掴み金具50はひさし部60の下に受容できるから、図42(a)の場合はもちろん、図42(b)の場合も、階段部材75を取り付けることができる。したがって、道路側と建物側のうちから自由に階段部材75の設置場所を選択することができる。
図43は、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定し、そして、ひさし部に切り欠き部(スリット)を設けた床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13又は図14に示す階段部材を設置する他の2例の部分平面図である。
ひさし部60を有することによって端面と横桟3との間の隙間を少なくしてなる床付き布枠の大アンチ(図38)26(500mm幅)の2枚が水平方向に平行に並べられて、隣接する建枠の横桟3の間に架け渡されたところに階段部材75が設置される。階段部材の掴み金具50はひさし部60の下に受容できるから、図43(a)の場合はもちろん、図43(b)の場合も、階段部材75を取り付けることができる。したがって、階段部材75を道路側又は建物側だけでなく、中央部にも組み込むことができる。
このように、図42及び図43で示されるように、階段部材の上端部を枠組足場に組み込む際に、階段部材の上端部の掴み金具50aは、対向する床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材にぶつかることなく、建枠の横桟3aを容易に掴むことができる。また、階段部材の上端部の掴み金具50aを横桟3aから取り外すときは、対向する床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材にぶつかることなく、掴み金具50aを右方又は右上方へ容易に移動させることができる。
ただし、階段部材の直下に床付き布枠が設置される場合には、階段部材の下端部を枠組足場に組み込んだり、取り外したりしようとすると、階段部材の直下の床付き布枠としては、隙間の開いた床付き布枠を用いることを余儀なくされる。
なお、掴み金具が上端部のみに取り付けられていて下端部は床付き布枠11の上に載置するタイプの階段部材を用いるときは、階段部材の下端部には掴み金具は存在しないので、このような問題はない。
ここで、ひさし部に切欠き部(スリット)を設けることによって、この切欠き部(スリット)から階段部材や床付き布枠の掴み金具を組み入れて横桟を掴ませたりできるし、この切欠き部(スリット)から階段部材や床付き布枠の掴み金具を取り外したりすることができることを、図44〜図47を用いて、説明する。
図44は、大アンチ26と小アンチ25の各1枚を水平方向に平行に並べて、建枠の横桟3の左側に架け渡されたところに、その同じ横桟3の右側に、まず、小アンチ25を架け渡したところを示す平面図である。
ここでは、大アンチ26(500mm幅)と小アンチ25(240mm幅)とも、端面にひさし部材60を有し、かつひさし部材60のレベルを横桟の上面レベルよりも23mm高く設定している。そして、大アンチ26はそのひさし部材60の中程に外向きに切り欠き部(スリット)61が設けられている。右側の小アンチ25の一方の掴み金具50a(図面上で上方のもの)を、左側の大アンチ26のひさし部材60の切欠き部(スリット)61から挿入した後に、この掴み金具50aを横桟3に掴ませ、そして横桟3の上を図面上で下方に滑らせて、右側の小アンチ25の他方の掴み金具50b(図面上で下方のもの)を横桟3に掴ませたところである。
図45は、次いで、建枠の横桟の右側に、このようにして組み込まれた小アンチ25と平行に、階段部材75の下端部を取り付けようとする作業を示す。(a)が平面図、(b)が円で囲んだ部分の拡大図、そして、(c)はE−E線矢視拡大図である。
階段部材75の下端部の一方の掴み金具50c(図面上で下方のもの)を、左側の大アンチ26のひさし部材60の切欠き部(スリット)61から挿入し、この掴み金具50cを横桟3に掴ませたが、階段部材75の下端部の他方の掴み金具50d(図面上で上方のもの)は左側の小アンチ25のひさし部材60の上に載置され、仮置きされている状態である。
図46は、ついで、階段部材75の下端部の両方の掴み金具を横桟に掴ませるまでの作業を示す。(a)が平面図、そして、(b)がF−F線矢視拡大図である。
下端部の一方の掴み金具50c(図面上で下方のもの)は横桟3を掴み、そして、他方の掴み金具50d(図面上で上方のもの)は左側の小アンチ25のひさし部材60の上に載置されている階段部材75を軽く持ち上げ、階段部材75の下端部の一方の掴み金具50cを横桟3の上を図面上で上方に滑らせ、そして、階段部材75の下端部の他方の掴み金具50d(図面上で上方のもの)を横桟3に掴ませる。これで、階段部材75の下端部の両方の掴み金具50c、50dは、横桟3を掴んだことになる。
図47は、さらに、階段開口手摺りを設置したときの平面図である。
図46に示したように、横桟3の右側に組み込んだ階段部材75と、既に横桟3の右側に組み込まれている小アンチ25との間に、階段開口手摺85を設置することで、階段部材の下端部の組み込みが完了する。
このように、床付き布枠の端面のひさし部又はひさし部材に切欠き部(スリット)を設けると、この切欠き部(スリット)を通して、階段部材や床付き布枠等、掴み金具によって横桟に把持される足場部材を自由に組み込むことができる。
以上のとおり、本発明によれば、床付き布枠の両端の隙間を少なくできるとともに、階段部材を建物側と道路側を問わず、どの場所にも組み込むことができ、かつ、階段部材を枠組足場に組み入れるときに階段部材の掴み金具が建枠の横桟又は腕木材を確実に掴むことができ、また、階段部材を枠組足場から取り外すときにために階段部材の掴み金具が下段の足場の床付き布枠の端面を回避できる床付き布枠と、この床付き布枠を組み込んでなる枠組足場を提供することができる。
H枠を用いて建枠式の枠組足場を形成する一例である。
鳥居枠を用いて建枠式の枠組足場を形成する一例である。
緊結式足場の構造の一例を示す。
従来技術に係る床付き布枠の一例である。
図4に示す従来技術に係る床付き布枠の端面の拡大図である。
従来技術に係る床付き布枠の2例を示す。
従来技術に係る床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡して作業床および通路として設置したときの3例を示す。
隣接する建枠の横桟に従来技術に係る床付き布枠を架け渡す際に床付き布枠の両端に生じる隙間を示す一例である。
床付き布枠の端面を外側に延長した一例を示す。
床付き布枠の端面を外側に延長した他の例を示す。
床付き布枠の両端部の梁材の上側フランジを主材の長手方向の外側に延長する形で突出させて、ひさし部を形成したときの断面形状の一例を示す。
梁材の外側に梁材と平行にひさし部材を接合することによって、ひさし部を形成したときの断面形状の一例を示す。
枠組足場に組み込むことができる階段部材の一例である。(a)が正面図、(b)が右側面図、そして、(c)が(a)の円で示した部分の拡大図である。
枠組足場に組み込むことができる階段部材の他の例である。(a)が正面図、(b)が右側面図、そして、(c)が(a)の円で示した部分の拡大図である。
床付き布枠の端面と建枠の横桟との間に大きな隙間のある枠組足場に階段部材を組み込んだときの2例(平面図)を示す。
床付き布枠の梁材と横桟との間に隙間のある床付き布枠が組み込まれている枠組足場に、図13に示す階段部材を組み込んだときの階段部材の両端部の掴み金具の状態の一例を示す正面図である。
床付き布枠の梁材と横桟との間に隙間のある床付き布枠が組み込まれている枠組足場に、図13に示す階段部材を組み込んだときの階段部材の両端部の掴み金具の状態の他の例を示す正面図である。
図16又は図17のA−A矢視図(平面図)であって、図13に示す階段部材を組み込んだときの上部足場の横桟近傍の掴み金具および隙間の状態を示す。
図16又は図17の円Bで示される部分の一部拡大図(正面図)であり、図13に示す階段部材を組み込むときの階段部材の上端における掴み金具と床付き布枠の端面の位置関係を示す一部拡大図(正面図)である。(a)は床付き布枠と階段部材の両方の掴み金具を図示したものであり、そして、(b)は掴み金具のうち、床付き布枠の掴み金具は図示せず、階段部材の掴み金具のみを図示したものである。
図16の円Cで示される部分の一部拡大図であり、図13に示す階段部材を組み込むとき及び取り外すときの階段部材の下端における掴み金具と床付き布枠の端面の位置関係を示す一部拡大図(正面図)である。
図17の円Cで示される部分の一部拡大図であり、図13に示す階段部材を組み込むとき及び取り外すときの階段部材の下端における掴み金具と床付き布枠の端面の位置関係を示す一部拡大図(正面図)である。
図9に示された床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13に示す階段部材を設置する2例の部分平面図である。
図9に示された床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13に示す階段部材を設置する他の2例の部分平面図である。
図11に示された断面を有する、ひさし部付きの床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13又は図14に示す階段部材を組み込もうとしたときの階段部材の上端部の掴み金具との干渉の状態の一例を示す一部拡大図(正面図)である。
図9に示された床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13に示す階段部材を組み込もうとしたときの階段部材の下端部の掴み金具との干渉の状態の一例を示す一部拡大図(正面図)である。
図9に示された床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13に示す階段部材を組み込もうとしたときの階段部材の下端部の掴み金具との干渉の状態の他の例を示す一部拡大図(正面図)である。
本発明に係る床付き布枠の一例であり、(a)は全体平面図、(b)はC−C矢視断面図である。そして、(c)は掴み金具を受容できるスペースを斜線で示したものである。
本発明に係る床付き布枠であって、ひさし部材を傾斜させたときの断面形状の一例を示す。
本発明に係る床付き布枠であって、床付き布枠の両端部の梁材の上側フランジを主材の長手方向の外側に延長する形で突出させて、ひさし部を形成したときの断面形状の一例を示す。
本発明に係る床付き布枠であって、ひさし部材が単板のリブ63を垂直に取り付けることにより補強されている一例を示す。
本発明に係る床付き布枠であって、ひさし部材が単板折り曲げ型のリブ63を垂直に取り付けることにより補強されている一例を示す。
本発明に係る床付き布枠であって、ひさし部材が一体型のリブ63を垂直に取り付けることにより補強されている一例を示す。
本発明に係る床付き布枠の実施態様であって、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定した床付き布枠(図27)を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13又は図14に示す階段部材を組み込んだときの階段部材の上端部の掴み金具の干渉の状況の2例を示す一部拡大図(正面図)である。
本発明に係る床付き布枠の実施態様であって、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定した床付き布枠(図27)を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13に示す階段部材を組み込んだときの階段部材の下端部の掴み金具の干渉の状況の3例を示す一部拡大図(正面図)である。
本発明に係る床付き布枠の実施態様であって、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定した床付き布枠(図27)を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13に示す階段部材を組み込んだときの階段部材の下端部の掴み金具の干渉の状況の他の3例を示す一部拡大図(正面図)である。
本発明に係る床付き布枠の実施態様であって、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定した床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13又は図14に示す階段部材を設置する2例の部分平面図である。
本発明に係る床付き布枠の実施態様であって、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定した床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13又は図14に示す階段部材を設置する他の2例の部分平面図である。
本発明に係る床付き布枠の他の例であり、(a)は全体平面図、(b)はC−C矢視断面図である。そして、(c)は掴み金具を受容できるスペースを斜線で示したものである。
本発明に係る床付き布枠の実施態様であって、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定した床付き布枠(図38)を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13又は図14に示す階段部材を組み込んだときの階段部材の上端部の掴み金具の干渉の状況の2例を示す一部拡大図(正面図)である。
本発明に係る床付き布枠の実施態様であって、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定した床付き布枠(図38)を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13に示す階段部材を組み込んだときの階段部材の下端部の掴み金具の干渉の状況の3例を示す一部拡大図(正面図)である。ここでは、階段部材の直下には床付き布枠は設置されていない。
本発明に係る床付き布枠の実施態様であって、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定した床付き布枠(図38)を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13に示す階段部材を組み込んだときの階段部材の下端部の掴み金具の干渉の状況の他の3例示す一部拡大図(正面図)である。
本発明に係る床付き布枠の実施態様であって、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定し、そして、ひさし部に切り欠き部(スリット)を設けた床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13又は図14に示す階段部材を設置する2例の部分平面図である。
本発明に係る床付き布枠の実施態様であって、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定し、そして、ひさし部に切り欠き部(スリット)を設けた床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13又は図14に示す階段部材を設置する2例の部分平面図である。
本発明に係る床付き布枠の実施態様であって、ひさし部のレベルを横桟の上面レベルよりも高く設定し、そして、ひさし部に切り欠き部(スリット)を設けた床付き布枠を隣接する建枠の横桟の間に架け渡したところに、図13又は図14に示す階段部材を設置する他の2例の部分平面図である。
図44についで、建枠の横桟の右側に、このようにして組み込まれた小アンチ25と平行に、階段部材75の下端部を取り付けようとする作業を示す。(a)が平面図、(b)が円で囲んだ部分の拡大図、そして、(c)はE−E線矢視拡大図である。
図45についで、階段部材75の下端部の両方の掴み金具を横桟に掴ませるまでの作業を示す。(a)が平面図、そして、(b)がF−F線矢視拡大図である。
図46についで、さらに、階段開口手摺りを設置したときの平面図である。
符号の説明
1 H枠
2 縦柱
3 横桟
3a、3b 上段の足場の横桟
3c、3d 下段の足場の横桟
4 鳥居枠
6a、6b ロック金具
7a、7b ロック金具
8a、8b ロック金具
10 手摺枠
11 床付き布枠
11a、11b 上段の足場の床付き布枠
11c、11d、11e 下段の足場の床付き布枠
13 筋違
14 支柱
15 作業用手摺
16 支柱部材
19 ブレース材
20 コマ
21 腕木材
22 建物
25 小アンチ
26 大アンチ
30 主材
31 床材部
32a、32b 布材部
33 リップ
34 布材部のリベット穴
35 リベット
36 床材部の溝
37 リップの屈曲部
40 梁材
41 梁材の上側フランジ
42 梁材の下側フランジ
43 梁材のウェブ
44 梁材の上側フランジの突出部(ひさし部)
50 掴み金具
50a、50b 階段部材の掴み金具
50c、50d、50e、50f、50g 床付き布枠の掴み金具
51 掴み金具のリベット穴
52 掴み金具の外れ止め(落下錠)
53 掴み金具の開口部
60 突出部材(ひさし部材)
61 突出部材(ひさし部材)の切欠き部(スリット)
63 リブ
70 桟木
71 エンボス加工
72 隙間
75 階段部材
80 桁材
81 ステップ
82 据え置き材
85 階段開口手摺
W1、W2、W3、W4 溶接