JP2010070115A - 車両のドア構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両のドア構造は、インナパネル17の支持部25に補強部材20を介してロック機構22が設けられている。補強部材20は、ロック機構が取り付けられた取付部45と、取付部から側壁24に沿って折り曲げられて側壁に接合された上接合部46と、上接合部および取付部間に介在されて第1空隙75,76を形成する空隙仕切部48,49とを有する。上接合部46のビード部56,57および側壁24間に第2空隙62,63が形成されている。第2空隙62,63は、第1空隙75,76に連通され、かつ、外側に開口されている。
【選択図】図4
Description
補強用のビード部は、ドアパネルに対して離れる方向に膨出された凸部である(例えば、特許文献1参照。)。
よって、補強部材に補強用のビード部を設けることで、補強用のビード部とドアパネルとの間に比較的小さな空隙が形成される。
よって、補強用のビード部とドアパネルとの間の空隙は、上端部がドアパネルおよび補強部材で閉塞されている。
このため、ドアを電着塗装する際に、補強用のビード部およびドアパネル間の空隙に塗料を円滑に導くことが難しくなることが考えられる。
空隙仕切部をドアパネルに対して非接触状態に配置することで、空隙仕切部およびドアパネル間に第1空隙を形成した。
そして、第2空隙の一端部を第1空隙に連通するとともに、第2空隙の他端部を補強部材の外側に開口させた。
これにより、ドアを電着塗装する際に、第2空隙や第1空隙に塗料を円滑に導くことが可能になり、第1空隙を形成する面や第2空隙を形成する面の電着塗装を良好におこなうことができる。
電着塗装とは、水溶性塗料中に浸漬したドア(車体)に電流を流し、電気泳動により電気化学的にドア(車体)に塗膜を施す塗装方法をいう。
よって、ストライカに対してロック機構を精度よく位置決めすることが要求される。
ストライカに対してロック機構を精度よく位置決めするためには、ロック機構を取付部を介して支持部に高精度に取り付ける必要がある。
しかし、支持部に接触する取付部は、比較的大きな形状であり、取付部の形状を精度よく形成する作業に手間がかかるとされていた。
このように、取付部の面積を小さく抑えることで、取付部の形状を精度よく簡単に形成することができ、コストを抑えることができる。
よって、第1空隙の気泡に作用する浮力で、気泡を上折線部に沿って中央部寄りの部位から外側部まで円滑に上昇させ、外側部から良好に排出させることができる。
これにより、気泡による影響を受けることなく、第1空隙を形成する面に電着塗装を良好におこなうことができる。
このように、空隙仕切部の少なくとも一部の部位を平坦に形成することで、空隙仕切部の平坦な部位を、側壁および支持部を支える梁構造として兼用できる。
これにより、側壁および支持部の折曲部を軸にして支持部が変形することを防止できる。
これにより、ドアパネルの側壁および支持部の折曲部の近傍において、中央接合部および取付部をドアパネルの側壁および支持部にそれぞれ当接させることで、補強部材をドアパネルに対して精度よく位置決めすることができる。
これにより、ロック機構を組み付ける際に、ロック機構の外形を下折線部に合わせることで、ロック機構を容易に位置決めできるので、組付け作業性を高めることができる。
車両のドア構造10は、車体11の後部12に開口部13が形成され、開口部13の上部13aにテールゲート(ドア)15の上端部15aがヒンジ部(図示せず)を介して回動自在に支持されている。
テールゲート15をヒンジ部を軸にして上下方向にスイング移動(揺動)することで、車体11の開口部13が開閉される。
テールゲート15は、車体11の外側に配置されたアウタパネル16と、車体11の内側に配置されたインナパネル(ドアパネル)17と、インナパネル17の下部18に設けられた補強部材20と、補強部材20を介してインナパネル17の下部18に設けられたロック機構22とを備えている。
具体的には、インナパネル17は、アウタパネル16の内側に配置された状態で、アウタパネル16の外周に取り付けられることにより車体11の内部に対向して配置されている。
側壁24の下部24a、支持部25および下折曲部26でインナパネル17の下部18が形成されている。
支持部25は、テールゲート15を閉じた状態で略横向き(具体的には、車体前方から後方に向けて下り勾配)に配置された載置部である。
支持部25は、中央に第1ロック収容開口31が形成され、第1ロック収容開口31の左右側に左右の取付孔32が形成されている。
左右の取付孔32は、ロック機構22(図2も参照)を支持部25にボルト止めするための孔である。
側壁24の下部24a、支持部25および下折曲部26(すなわち、インナパネル17の下部18)に補強部材20が取り付けられている。
この補強部材20を介して支持部25にロック機構22(図2も参照)が設けられている。
ベース部35は、左右の側部35a,35bに左右の差込孔38(左差込孔38のみを図3に示す)がそれぞれ形成され、前中央に車体幅方法に延びる中央辺部35cが形成され、中央辺部35cの左側に左傾斜辺部35dが形成され、中央辺部35cの右側に右傾斜辺部35eが形成されている。
ベース部35の上面には、左右の差込孔38と同軸上に左右のナット33部がそれぞれ形成されている。
右傾斜辺部35eは、中央辺部35cの右端部からベース部35の右側部35bに向けて車体後方に傾斜するように延出されている。
図2に示すように、テールゲート15を閉じた状態でラッチ39をストライカ41に係止させることで、テールゲート15を閉じた状態に保持される。
ストライカ41は、開口部13の下部13bに設けられている(図2、図3参照)。
この補強部材20は、支持部25に設けられた取付部45と、取付部45の前辺部(具体的には、後述する「中央前辺部」)45aから立ち上げられた上接合部(接合部)46と、取付部45の後辺部45bから下向きに折り曲げられた下接合部47と、上接合部46の左側部および取付部45の左側部間に介在された左空隙仕切部(空隙仕切部)48と、上接合部46の右側部および取付部45の右側部間に介在された右空隙仕切部(空隙仕切部)49とを備えている。
この取付部45は、前中央に車体幅方法に延びる中央前辺部45aと、中央前辺部45aの左側に形成された左前傾斜辺部45cと、中央前辺部45aの右側に形成された右前傾斜辺部45dと、左前傾斜辺部45cの外端部から車体後方に延出された左側部45eと、右前傾斜辺部45dの外端部から車体後方に延出された右側部45fと、左右の側部45e,45fの後端部間に設けられた後辺部45bとで略6角形に形成されている。
右前傾斜辺部45dは、中央前辺部45aの右端部から右側部45fに向けて車体後方に傾斜するように延出されている。
この第2ロック収容開口52は、ラッチ機構本体36の下部36a(図2参照)を収容可能な開口部で、支持部25の第1ロック収容開口31に重なる位置に配置されている。
この上接合部46は、中央に設けられた中央接合部53と、中央接合部53の左右側に設けられた左右のビード部(ビード部)56,57と、左ビード部56の左側に設けられた左接合部58と、右ビード部57の右側に設けられた右接合部59とを有している。
さらに、上接合部46は、中央接合部53の左右の側部(両側部)54,55が左右の空隙仕切部48,49を介して取付部45に連結され、左右の側部54,55に左右のビード部56,57がそれぞれ形成されている。
また、左側部54は、左ビード部56の左側に左接合部58が形成されている。
さらに、右側部55は、右ビード部57の右側に右接合部59が形成されている。
なお、図7、図8においては構成の理解を容易にするためにロック機構22を取り付けた状態で示す。
上接合部46に左右のビード部56,57を形成することで、左右のビード部56,57で上接合部46が補強されている。
同様に、上接合部46に右ビード部57を形成することで、右ビード部57および側壁24間に右第2空隙(第2空隙)63が形成されている。
なお、左右の第2空隙62,63は左右対称の空隙である。
さらに、左第2空隙62の上端部(他端部)62bが補強部材20の外側(すなわち、上接合部46の上方)に開口されている。
よって、左第2空隙62が左第1空隙75に連通されている。
これにより、テールゲート15を電着塗装する際に、左第2空隙62および左第1空隙75を塗料の流通経路として確保することができる。
これにより、テールゲート15を電着塗装する際に、右第2空隙63および右第1空隙76を塗料の流通経路として確保することができる。
左接合部58は、左ビード部56の左側に設けられ、図8に示すように、側壁24に接触された状態でスポット溶接された部位である。
右接合部59は、左接合部58と同様に、右ビード部57の右側に設けられ、側壁24に接触された状態でスポット溶接された部位である。
中央接合部53および左右の接合部58,59が側壁24にスポット溶接で接合されることで、上接合部46が側壁24に接合されている。
同様に、右接合部59および取付部45間に右空隙仕切部49を介在させることで、右接合部59は取付部45に対して高位置に配置されている。
これにより、左右の接合部58,59を側壁24にスポット溶接で接合する際に、溶接機器の取付部45への干渉を考慮する必要がなく溶接作業性の向上を図ることができる。
このように、下接合部47が下折曲部26にスポット溶接で接合され、かつ、上接合部46が側壁24にスポット溶接で接合されることで、補強部材20がインナパネル17の下部18に設けられている。
これにより、図2に示すロック機構22が補強部材20を介して取付部に2本のボルト71で取り付けられている。
よって、ストライカ41に対してロック機構22を精度よく位置決めすることが要求される。
ストライカ41に対してロック機構22を精度よく位置決めするためには、ロック機構22を取付部45を介して支持部25に高精度に取り付ける必要がある。
しかし、支持部25に接触する取付部45は、比較的大きな形状であり、取付部45の形状を精度よく形成する作業に手間がかかるとされていた。
これにより、支持部25に接触する取付部45の面積を小さく抑えられている。
このように、取付部45の面積を小さく抑えることで、取付部45の形状を手間をかけないで簡単に精度よく形成することができる。
左下折線部67がベース部35の左傾斜辺部(ロック機構22の外形)35dに沿って形成されている。
右下折線部68がベース部35の右傾斜辺部(ロック機構22の外形)35eに沿って形成されている。
これにより、ロック機構22を組み付ける際の組付け作業性を高めることができる。
よって、中央接合部53および中央前辺部45aの形状を、図3に示すように、側壁24および支持部25の境界における折曲部17aの近傍に倣わせることができる。
これにより、折曲部17aの近傍において、中央接合部53を側壁24に当接させるとともに、中央前辺部45aを支持部25に当接させることで、補強部材20をインナパネル17の下部18に対して精度よく位置決めすることができる。
左空隙仕切部48は、上接合部46の左側部54および取付部45の左前傾斜辺部45c間に介在され、左側部54の下端部および左前傾斜辺部45cを連結するように車体後方に向けて傾斜する平坦な部位である。
すなわち、左上折線部69は、中央部65a寄りの部位48aから左側部45eの部位48bに向けて上り勾配に傾斜されている。
左上折線部69を上り勾配に傾斜させた理由については図10で詳しく説明する。
具体的には、左空隙仕切部48は、「左上折線部69」、「左下折線部67」および「左側部45eの部位48b」の3辺で略三角形状に形成されている。
よって、側壁24および支持部25間に左空隙仕切部48が傾斜状に設けられている。加えて、この左空隙仕切部48は平坦に形成されている。
このように、左空隙仕切部48を平坦に形成することで、左空隙仕切部48は、側壁24および支持部25を支える梁構造として兼用される。
ここで、「左上折線部69」に隣接する左側部54は、側壁24に接合されている。
また、「左下折線部67」に隣接する取付部45(具体的には、左前傾斜辺部45c)は、支持部25に接合されている。
よって、左空隙仕切部48の剛性を高めることができ、側壁24および支持部25を支える梁構造としての役割をさらに高めることができる。
よって、左空隙仕切部48は、インナパネル17の下部18の折曲部(具体的には、側壁24および支持部25の境界における折曲部)17aに対して非接触状態に設けられている。
これにより、左空隙仕切部48と折曲部17aとの間に左第1空隙(第1空隙)75が形成されている。
さらに、左第1空隙75は、左側部45eの部位48bにおいて補強部材20の外側(すなわち、左側)に開口されている。
ここで、左第2空隙62は、上端部62bが補強部材20の外側(すなわち、上接合部46の上方)に開口されている。
右空隙仕切部49は、上接合部46の右側部55および取付部45の右前傾斜辺部45d間に介在され、右側部55の下端部および右前傾斜辺部45dを連結するように車体後方に向けて傾斜する平坦な部位である。
この右空隙仕切部49は、左空隙仕切部48と左右対称の部位であり、以下詳しい説明を省略する。
これにより、右空隙仕切部49と折曲部17aとの間に右第1空隙(第1空隙)76が形成されている。
右第1空隙76は、左第1空隙75と左右対称の空隙であり、以下詳しい説明を省略する。
なお、右第1空隙76および右第2空隙63は、前述したように、左第1空隙75および左第2空隙62と左右対称の空隙である。そこで、図10においては、左第1空隙75および左第2空隙62について説明して右第1空隙76および右第2空隙63の説明を省略する。
左第1空隙75が中央部65a寄りの部位48aにおいて左第2空隙62の下端部62aに連通されている。
左第2空隙62は、上端部62bが補強部材20の外側(すなわち、上接合部46の上方)に開口されている。
また、左第1空隙75は、左側部45eの部位48bにおいて補強部材20の外側(左側)に開口されている。
よって、左第1空隙75および左第2空隙62から閉塞部を除去することができる。
さらに、導いた塗料を左第2空隙62の下端部62bから左第2空隙62に矢印Bの如く上向きに導くことができる。
したがって、左第1空隙75を形成する面や左第2空隙62を形成する面に電着塗装を良好におこなうことができる。
よって、左第1空隙75の気泡85に作用する浮力で、気泡85を左上折線部69に沿って左第1空隙75の左側部75aまで矢印Cの如く円滑に上昇させることができる。
したがって、気泡85による影響を受けることなく、左第1空隙75を形成する面に電着塗装を一層良好におこなうことができる。
さらに、左第1空隙75の左側部75aから気泡85を排出させる例について説明したが、左第2空隙62に導いて左第2空隙62の上端部62bから気泡85を排出させることも可能である。
テールゲート15を矢印D方向に閉じる際に、例えば、ストライカ41にロック機構22のラッチ39が噛み合う。
ストライカ41にラッチ39が噛み合うことにより、側壁24に対してテールゲート15を閉じる方向に慣性力Fが作用し、さらに慣性力Fの反動が作用する。
よって、左空隙仕切部48は、側壁24および支持部25を支える梁構造としての役割を果たすことができる。
したがって、側壁24が、側壁24および支持部25の折曲部17aを軸にして時計回り方向や反時計回り方向に変形することを防止できる。
この場合、ロック機構22はサイドドアの後部に取り付けられる。
一例として、左右の空隙仕切部48,49を中央部寄りの部位から側部の部位へ向けて同じ幅寸法で形成することで、左右の第1空隙75,76を中央部寄りの部位から側部の部位へ向けて同じ大きさとすることも可能である。
Claims (5)
- 車体の開口部を開閉するドアを備え、このドアの壁部をドアパネルで形成し、このドアパネルの側壁から支持部を折り曲げ、この支持部に補強部材を介してロック機構を設け、このロック機構で前記ドアを閉じた状態に保持する車両のドア構造であって、
前記補強部材は、
前記支持部に設けられた状態で前記ロック機構が取り付けられた取付部と、
この取付部から前記側壁に沿って折り曲げられるとともに補強用のビード部が形成され、前記側壁に接合された接合部と、
この接合部および前記取付部間に介在されて両部を連結し、前記ドアパネルに対して非接触状態に配置されることで前記ドアパネルとの間に第1空隙を形成する空隙仕切部と、
を有し、
前記補強用のビード部を前記側壁に対して離す方向に膨出させることで、前記補強用のビード部および前記側壁間に第2空隙が形成され、
この第2空隙の一端部が前記第1空隙に連通されるとともに、第2空隙の他端部が前記補強部材の外側に開口されたことを特徴とする車両のドア構造。 - 前記補強部材のうち、前記取付部および前記接合部が交差する略水平な交差線の延長方向の中央部寄りの部位から外側部まで前記空隙仕切部が前記交差線に沿って延出され、
この空隙仕切部および前記接合部の境界に形成された上折線部を、前記空隙仕切部の延出方向に向けて上り勾配に傾斜させたことを特徴とする請求項1記載の車両のドア構造。 - 前記空隙仕切部の少なくとも一部の部位が、
前記接合部から前記取付部に向けて下り勾配となるように傾斜状に形成されるとともに平坦に形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の車両のドア構造。 - 前記接合部は、
前記取付部および前記接合部が交差する略水平な交差線の延長方向の中央部において中央接合部が前記取付部に直接接続され、
この中央接合部の両側部が前記空隙仕切部を介して前記取付部に連結されたことを特徴とする請求項1記載の車両のドア構造。 - 前記空隙仕切部および前記取付部の境界に下折線部が形成され、
この下折線部が前記ロック機構の外形に沿って形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両のドア構造。
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