[第1実施形態]
本実施形態による半導体装置の製造方法を説明するに先立って、本実施形態で用いられる研磨装置について図1乃至図4を用いて説明する。図1は、研磨装置を示す平面図である。図2は、図1に示す研磨装置の一部を示す側面図である。図3は、図1に示す研磨装置の一部を示す平面図である。図4は、図1に示す研磨装置の一部を示す拡大側面図である。
図1に示すように、基台100上には、回転可能な研磨テーブル102a〜102cが3つ設けられている。
本実施形態では、例えば研磨テーブル102aを用いて被研磨膜の表面を研磨する。なお、研磨テーブル102b、102cを用いて被研磨膜の表面を研磨してもよい。
図2に示すように、研磨テーブル102a〜102c上には、それぞれ研磨パッド104が設けられている。研磨パッド104としては、例えばロデールニッタ株式会社製の研磨パッド(型番:IC1400)が用いられている。
基台100上には、アーム108a〜108dを有するカルーセル110が設けられている。
アーム108a〜108dには、回転可能な研磨ヘッド112a〜112dがそれぞれ設けられている。カルーセル110を適宜回転させることにより、研磨ヘッド112a〜112dを移動させることが可能である。
図2に示すように、研磨ヘッド112a〜112dは、半導体基板10を支持する。研磨ヘッド112a〜112dは、半導体基板10を回転させながら、半導体基板10を研磨パッド104に押し付ける。
研磨テーブル102a〜102c上には、それぞれ複数のノズル124a、124bが設けられている。ノズル124aは、研磨剤を研磨パッド104上に供給するためのものである。ノズル124bは、純水を研磨パッド104上に供給するためのものである。ノズル124a、124bは、図3に示すように、研磨テーブル102の半径方向にそれぞれ個別に移動することができるようになっている。このため、研磨剤を供給する位置と純水を供給する位置とを、適宜個別に設定することが可能である。
図1に示すように、研磨テーブル102a〜102cの側部には、研磨パッド104の目立てを行うための目立て装置114a〜114cがそれぞれ設けられている。
図4に示すように、目立て装置114は、ダイヤモンドディスク116を有している。ダイヤモンドディスク116は、例えばステンレスより成る台金118に、例えば150μm程度の粒状のダイヤモンド120を固定することにより構成されている。ダイヤモンド120は、1cm2当たり数個程度配置されている。ダイヤモンド120は、例えばニッケルめっき層122により台金118に固定されている。
こうして、本実施形態で用いられる研磨装置が構成されている。
提案されている半導体装置の製造方法では、仕上げ研磨の際には、研磨パッド上に研磨剤を供給するのを止め、研磨パッド上に純水を供給しながら、被研磨膜の表面を更に研磨していた。
図5は、提案されている半導体装置の製造方法の仕上げ研磨を行う際における、研磨砥粒の濃度、添加剤の濃度、及び研磨速度の変化を概念的に示すグラフである。点線は、研磨砥粒の濃度を示している。一点鎖線は、界面活性剤より成る添加剤の濃度を示している。実線は、研磨速度を示している。横軸は時間を示している。縦軸は、研磨砥粒の濃度、添加剤の濃度、及び研磨速度を示している。
仕上げ研磨を開始する際、被研磨膜であるシリコン酸化膜と研磨パッドとの間には、メイン研磨の際に用いられた研磨剤が残っている。研磨剤に含まれていた添加剤は水溶性であるため、純水を供給すると、添加剤は短時間で除去される。このため、添加剤の濃度は、急激に低下していく。
一方、研磨剤に含まれていた研磨砥粒は、水溶性ではないため、除去されにくい。添加剤は、被研磨膜の表面が平坦化された際に、被研磨膜の研磨速度を遅くするのに寄与していたものである。研磨速度を阻害する添加剤は短時間で除去される一方、研磨に寄与する研磨砥粒は除去されにくいため、被研磨膜と研磨パッドとの間に残された研磨砥粒により、被研磨膜の表面を更に研磨することが可能である。研磨砥粒は、研磨パッド上に供給された純水により、徐々に研磨パッド上から除去されていく。このため、研磨砥粒の濃度は徐々に低下していく。研磨砥粒の濃度の低下に伴って、被研磨膜に対する研磨速度は遅くなっていく。
図6は、研磨剤と純水の両方を研磨パッド上に供給しながら仕上げ研磨を行った際における、研磨砥粒の濃度、添加剤の濃度、及び研磨速度の変化を概念的に示すグラフである。点線は、研磨砥粒の濃度を示している。一点鎖線は、界面活性剤より成る添加剤の濃度を示している。実線は、研磨速度を示している。横軸は時間を示している。縦軸は、研磨砥粒の濃度、添加剤の濃度、及び研磨速度を示している。
図6から分かるように、研磨剤と純水の両方を研磨パッド上に供給しながら被研磨膜の表面を研磨すれば、研磨砥粒の濃度、添加剤の濃度及び研磨速度を、ほぼ一定に保持することができる。このため、安定した条件で被研磨膜を研磨することが可能となる。
図7は、被研磨膜に対する研磨速度を示すグラフである。実施例1は、研磨剤と純水とを研磨パッド上に同時に供給しながら被研磨膜を研磨した場合の研磨速度を示している。比較例1は、研磨剤のみを研磨パッド上に供給しながら被研磨膜を研磨した際の研磨速度を示している。実施例1と比較例1のいずれにおいても、表面が平坦になっている被研磨膜に対して研磨を行った。
図7から分かるように、比較例1の場合、即ち、研磨剤のみを研磨パッド104上に供給しながら被研磨膜を研磨した場合には、研磨速度は15nm/min程度と極めて遅い。
これに対し、実施例1の場合、即ち、研磨剤と純水の両方を研磨パッド104上に供給しながら被研磨膜を研磨した場合には、研磨速度は140nm/min程度と極めて速い。即ち、実施例1の場合には、比較例1の場合と比較して、約10倍の研磨速度で被研磨膜を研磨することが可能となる。
これらのことから、研磨剤と純水の両方を同時に研磨パッド104上に供給しながら被研磨膜を研磨すれば、極めて速い研磨速度で被研磨膜の表面を研磨し得ることが分かる。
図8は、研磨剤を供給する位置と純水を供給する位置とを適宜変化させた場合における被研磨膜の研磨速度を示すグラフである。図9及び図10は、研磨剤を供給する位置と純水を供給する位置とを示す概念図である。
実施例2は、図9(a)に示すように、研磨パッド104の中心の位置P1に研磨剤と純水の両方を供給した場合の研磨速度を示している。
実施例3は、図9(b)に示すように、研磨パッド104の中心から12.5cm離れた位置P2に研磨剤を供給し、研磨パッド104の中心の位置P1に純水を供給した場合を示している。
実施例4は、図10(a)に示すように、研磨パッド104の中心の位置P1に研磨剤を供給し、研磨パッドの中心から12.5cm離れた位置P2に純水を供給した場合を示している。
実施例5は、図10(b)に示すように、研磨パッド104の中心から12.5cm離れた位置P2に研磨剤と純水の両方を供給した場合を示している。
図8から分かるように、研磨剤を供給する位置と純水を供給する位置とを変化させると、研磨速度が変化する。このことから、研磨剤を供給する位置と純水を供給する位置とを適宜設定することにより、研磨速度を制御し得ることが分かる。
図11は、研磨剤を供給する位置と純水を供給する位置とを適宜変化させた場合における、被研磨膜に対する研磨速度の面内分布を示すグラフ(その1)である。横軸は、ウェハの中心からの距離を示している。縦軸は、被研磨膜に対する研磨速度を示している。
実施例6は、図9(a)に示すように、研磨パッド104の中心の位置P1に研磨剤と純水の両方を供給した場合を示している。
実施例7は、図9(b)に示すように、研磨パッド104の中心から12.5cm離れた位置P2に研磨剤を供給し、研磨パッド104の中心の位置P1に純水を供給した場合を示している。
実施例8は、図10(a)に示すように、研磨パッドの中心の位置P1に研磨剤を供給し、研磨パッドの中心から12.5cm離れた位置P2に純水を供給した場合を示している。
実施例9は、図10(b)に示すように、研磨パッドの中心から12.5cm離れた位置P2に研磨剤と純水の両方を供給した場合を示している。
図11から分かるように、実施例6、7の場合には、ウェハの中心から5cm以上外側の領域では研磨速度が比較的速く、ウェハの中心部では研磨速度が比較的遅い。
また、実施例8の場合には、ウェハの中心から7cm以上外側の領域では研磨速度が比較的速く、ウェハの中心から5〜7cmの領域では研磨速度が比較的遅く、ウェハの中心から5cm以内では研磨速度が比較的速い。
また、実施例9の場合には、ウェハの中心から5cm以上外側の領域では研磨速度が比較的遅く、ウェハの中心から2〜5cmの領域では研磨速度が比較的遅く、ウェハの中心から2cm以内では研磨速度が比較的速い。
これらのことから、研磨剤を供給する位置や純水を供給する位置を適宜設定することにより、被研磨膜に対する研磨速度の面内分布を適宜設定し得ることが分かる。
図12は、研磨剤を供給する位置と純水を供給する位置とを適宜変化させた場合における、被研磨膜に対する研磨速度の面内分布を示すグラフ(その2)である。横軸は、ウェハの中心からの距離を示している。縦軸は、被研磨膜に対する研磨速度を示している。いずれの場合も、研磨剤を供給する位置は、研磨パッド104の中心から6.9cmの位置P3とした。図13及び図14は、研磨剤を供給する位置と純水を供給する位置とを示す概念図である。
実施例10は、研磨剤を供給する位置より外側に純水を供給した場合を示している。具体的には、図13(a)に示すように、研磨パッド104の中心から9.4cm離れた位置P4に純水を供給した。
実施例11は、研磨剤を供給する位置と同じ位置に純水を供給した場合を示している。具体的には、図13(b)に示すように、研磨パッドの中心から6.9cm離れた位置P3に純水を供給した。
実施例12は、研磨剤を供給する位置より内側に純水を供給した場合を示している。具体的には、図14に示すように、研磨パッドの中心から4.4cm離れた位置P5に純水を供給した。
図12から分かるように、実施例10、11の場合には、被研磨膜に対する研磨速度の面内分布は比較的均一であった。実施例10、11で比較的均一な面内分布が得られるのは、研磨剤と純水とが比較的均一に混合されるためと考えられる。
一方、実施例12の場合には、被研磨膜に対する研磨速度の面内分布は、ウェハの中心近傍と周縁部近傍では研磨速度が比較的速く、ウェハの中心と周縁との間の領域では研磨速度が比較的遅くなるような分布となった。実施例12でこのような面内分布が得られるのは、研磨剤と純水との混合が比較的不均一になるためと考えられる。
これらのことから、純水を供給する位置を、研磨剤を供給する位置と同じ位置又は研磨剤を供給する位置より外側の位置に設定することにより、被研磨膜に対する研磨速度の面内分布を比較的均一に設定し得ることが分かる。
図15は、研磨剤の供給量と純水の供給量とを変化させた場合における、被研磨膜に対する研磨速度を示すグラフである。研磨剤を供給する位置は、研磨パッドの中心の位置P1とした。純水を供給する位置は、研磨パッドの中心から12.5cmの位置P2とした。
実施例13は、研磨剤の供給量を0.1リットル/分、純水の供給量を0.1リットル/分とした場合、即ち、研磨剤の供給量と純水の供給量との比を1:1とした場合を示している。
実施例14は、研磨剤の供給量を0.05リットル/分、純水の供給量を0.15リットル/分とした場合、即ち、研磨剤の供給量と純水の供給量との比を1:3とした場合を示している。
比較例2は、研磨剤の供給量を0.2リットル/分、純水の供給量を0リットル/分とした場合、即ち、純水を供給することなく、研磨剤のみを供給して研磨を行った場合を示している。
比較例3は、研磨剤の供給量を0.15リットル/分、純水の供給量を0.05リットル/分とした場合、即ち、研磨剤の供給量と純水の供給量との比を3:1とした場合を示している。
図15から分かるように、比較例2、3の場合、即ち、研磨剤の供給量に対する純水の供給量の比が比較的小さい場合には、被研磨膜に対する研磨速度は比較的遅い。
これに対し、実施例13、14の場合、即ち、研磨剤の供給量に対する純水の供給量の比が比較的大きい場合には、被研磨膜に対する研磨速度は比較的速い。具体的には、実施例13、14の場合には、比較例2、3の場合と比較して、5〜10倍程度の研磨速度が得られる。
図16は、研磨剤の供給量と純水の供給量とを変化させた場合における、被研磨膜に対する研磨速度の面内分布を示すグラフ(その1)である。横軸は、ウェハの中心からの距離を示している。縦軸は、被研磨膜に対する研磨速度を示している。研磨剤を供給する位置は、研磨パッドの中心の位置P1とした。純水を供給する位置は、研磨パッドの中心から12.5cmの位置P2とした。
実施例15は、研磨剤の供給量を0.1リットル/分、純水の供給量を0.1リットル/分とした場合を示している。即ち、研磨剤の供給量と純水の供給量との比が、1:1の場合を示している。
実施例16は、研磨剤の供給量を0.05リットル/分、純水の供給量を0.15リットル/分とした場合を示している。即ち、研磨剤の供給量と純水の供給量との比が、1:3の場合を示している。
比較例4は、研磨剤の供給量を0.2リットル/分、純水の供給量を0リットル/分とした場合を示している。即ち、仕上げ研磨の際に純水を供給することなく、研磨剤のみを供給した場合を示している。
比較例5は、研磨剤の供給量を0.15リットル/分、純水の供給量を0.05リットル/分とした場合を示している。即ち、研磨剤の供給量と純水の供給量との比が、3:1の場合を示している。
図16から分かるように、比較例4の場合には、ウェハの中心から9.5cm以上外側の領域では研磨速度が速く、ウェハの中心から9.5cm以内の領域では研磨速度が極めて遅い。
また、比較例5の場合には、ウェハの中心から8.5cm以上外側の領域では研磨速度が比較的速く、ウェハの中心から8.5cm以内の領域では研磨速度が極めて遅い。
また、実施例15の場合には、ウェハの中心から7cm以上外側の領域では研磨速度が比較的速く、ウェハの中心から5〜7cmの領域では研磨速度が比較的遅く、ウェハの中心から5cm以内の領域では研磨速度が比較的速い。
また、実施例16の場合には、ウェハの全面に対して研磨速度が比較的速い。
図17は、研磨剤の供給量と純水の供給量との比を変化させた場合における、被研磨膜に対する研磨速度の分布を示すグラフ(その2)である。横軸は、ウェハの中心からの距離を示している。縦軸は、被研磨膜に対する研磨速度を示している。研磨剤を供給する位置は、研磨パッドの中心から6.9cmの位置P3とした。純水を供給する位置は、研磨パッドの中心から9.4cmの位置P4とした。
実施例17は、研磨剤の供給量と純水の供給量との比を1:2とした場合を示している。
実施例18は、研磨剤の供給量と純水の供給量との比を1:2.5とした場合を示している。
実施例19は、研磨剤の供給量と純水の供給量との比を1:3とした場合を示している。
実施例20は、研磨剤の供給量と純水の供給量との比を1:4とした場合を示している。
実施例21は、研磨剤の供給量と純水の供給量との比を1:5とした場合を示している。
図1を用いて上述したように、研磨剤の供給量に対する純水の供給量が1の場合、即ち、実施例15の場合には、被研磨膜に対する研磨速度の面内分布は不均一であった。
これに対し、実施例17〜21に示すように、研磨剤の供給量に対する純水の供給量の比が2以上の場合には、被研磨膜に対する研磨速度の面内分布が比較的均一となる。より具体的には、研磨剤の供給量に対する純水の供給量の比が2〜3程度の場合には、実施例17〜19に示すように、研磨速度の面内分布を全体として比較的均一にすることができる。研磨剤の供給量に対する純水の供給量の比が4〜5程度の場合には、実施例20、21に示すように、ウェハの中心から50mm以内の領域における研磨速度が若干遅くなるような分布が得られる。
これらのことから、研磨剤の供給量に対する純水の供給量の比を2以上に設定すれば、被研磨膜に対する研磨速度の面内分布を均一化し得ることが分かる。
図18は、被研磨膜に対する研磨を行う前、被研磨膜に対してメイン研磨を行った後、及び被研磨膜に対して仕上げ研磨を行った後における、被研磨膜の膜厚分布を示すグラフである。横軸は、ウェハの中心からの距離を示している。縦軸は、被研磨膜の膜厚を示している。破線は、被研磨膜を成膜した後、被研磨膜に対してメイン研磨を行う前における被研磨膜の膜厚の面内分布を示している。一点鎖線は、被研磨膜に対してメイン研磨を行った後、仕上げ研磨を行う前における被研磨膜の膜厚の面内分布を示している。実線は、被研磨膜に対して仕上げ研磨を行った後における被研磨膜の膜厚の面内分布を示している。
被研磨膜を成膜する際には、以下のような条件で被研磨膜を成膜した。被研磨膜は、380nmの段差が形成されているウェハ上に形成した。被研磨膜としては、シリコン酸化膜を形成した。被研磨膜の成膜方法は、CVD法とした。被研磨膜の膜厚は、425nmとした。
被研磨膜に対してメイン研磨を行う際には、以下のような条件で被研磨膜を研磨した。即ち、研磨剤の供給量は、0.135リットル/分とした。研磨ヘッドを研磨パッドに押し付ける圧力、即ち、研磨圧力は、280g重/cm2とした。研磨ヘッドの回転数は、142回転/分とした。研磨テーブルの回転数は、140回転/分とした。メイン研磨の終点は、研磨テーブルの駆動電流の変化に基づいて検出した。具体的には、研磨テーブルの駆動電流の変化が一定値より小さくなったことに基づいて、研磨の終点を検出した。
被研磨膜に対して仕上げ研磨を行う際には、以下のような条件で被研磨膜を研磨した。即ち、研磨剤の供給量と純水の供給量との比は、1:5とした。具体的には、研磨剤の供給量は、0.05リットル/分とした。純水の供給量は、0.25リットル/分とした。研磨剤を供給する位置は、研磨パッド104の中心から6.9cm離れた位置とした。純水を供給する位置は、研磨パッドの中心から9.4cm離れた位置とした。研磨圧力は、175g重/cm2とした。研磨ヘッドの回転数は、122回転/分とした。研磨テーブルの回転数は、120回転/分とした。ストッパ膜であるシリコン窒化膜が露出した時点を、研磨の終点とした。
図18に破線を用いて示すように、被研磨膜を研磨する前では、ウェハの中心と周縁部で被研磨膜の膜厚が若干薄く、ウェハの中心と周縁部との間の領域で被研磨膜の膜厚が若干厚い膜厚分布となっていた。
また、一点鎖線を用いて示すように、被研磨膜に対してメイン研磨を行った後では、ウェハの中心から80mmより外側の領域では、被研磨膜の膜厚が比較的薄くなるような膜厚分布となった。
また、実線で示すように、被研磨膜に対して仕上げ研磨を行った後では、全体として比較的均一な膜厚分布が得られた。
このように、被研磨膜に対して研磨を行う前、及び、被研磨膜に対してメイン研磨を行った後では、被研磨膜の膜厚の面内分布は比較的不均一であったが、被研磨膜に対して仕上げ研磨を行った後では、被研磨膜の膜厚の面内分布は比較的均一となった。
これらのことから、仕上げ研磨の際に、純水のみならず研磨剤をも研磨パッド上に供給し、研磨剤を供給する位置と純水を供給する位置とを適宜設定し、研磨剤の供給量と純水の供給量との比を適宜設定することにより、仕上げ研磨を行った後における被研磨膜の膜厚の面内分布を均一化することが可能となる。
図19は、被研磨膜に対してメイン研磨を行う前、被研磨膜に対してメイン研磨を行った後、及び、被研磨膜に対して仕上げ研磨を行った後における、被研磨膜の膜厚のウェハ面内におけるばらつきを示すグラフである。被研磨膜の膜厚のウェハ面内におけるばらつきを求める際には、光学式の膜厚測定装置によりウェハ内の40箇所における膜厚を測定した。そして、測定された被研磨膜の膜厚の最大値と最小値との差を、ウェハ面内におけるばらつきとした。
図19に示すように、被研磨膜を研磨する前では、被研磨膜の膜厚の面内におけるばらつきは、32nm程度であった。
また、被研磨膜に対してメイン研磨を行った後では、被研磨膜の膜厚の面内におけるばらつきは、35nm程度であった。
これに対し、被研磨膜に対して仕上げ研磨を行った後では、被研磨膜の膜厚の面内におけるばらつきは、25nm程度であった。
このように、被研磨膜に対して研磨を行う前、及び、被研磨膜に対してメイン研磨を行った後では、被研磨膜の膜厚の面内におけるばらつきは比較的大きいが、被研磨膜に対して仕上げ研磨を行った後では、被研磨膜の膜厚の面内におけるばらつきは比較的小さくなる。
これらのことから、仕上げ研磨の際に、純水のみならず研磨剤をも研磨パッド上に供給し、研磨剤を供給する位置と純水を供給する位置とを適宜設定し、研磨剤の供給量と純水の供給量との比を適宜設定することにより、被研磨膜の膜厚の面内におけるばらつきを小さくし得ることが分かる。
図20は、メイン研磨を行う前における被研磨膜の膜厚の面内分布を示す概念図である。
実線は、ウェハの周縁部より少し内側で被研磨膜の膜厚が厚く、ウェハの中心及びウェハの周縁部でシリコン酸化膜の膜厚が薄くなるように、被研磨膜の膜厚が分布している場合を示している。
破線は、ウェハの中心とウェハの周縁部より少し内側とでシリコン酸化膜の膜厚が厚く、ウェハの中心より少し外側とウェハの周縁部とでシリコン酸化膜の膜厚が薄くなるように、被研磨膜の膜厚が分布している場合を示している。
一点鎖線は、ウェハの周縁部からウェハの中心部に向かって徐々に厚くなるように被研磨膜の膜厚が分布している場合を示している。
図20に示すように、メイン研磨を行う前における被研磨膜の膜厚の面内分布は、成膜装置の特性等により異なり、メイン研磨を行った後における被研磨膜の膜厚の面内分布は、メイン研磨を行う前における被研磨膜の膜厚分布の影響を大きく受けるが、いずれの場合においても、仕上げ研磨の際に研磨剤と純水の両方を供給し、研磨剤を供給する位置と純水を供給する位置とを適宜設定し、研磨剤の供給量と純水の供給量との比を適宜設定することにより、被研磨膜の膜厚を均一化することが可能である。
(半導体装置の製造方法)
本発明の第1実施形態による半導体装置の製造方法を図21乃至図23を用いて説明する。図21は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図21(a)に示すように、半導体基板10を用意する。半導体基板10としては、例えばシリコン基板を用いる。
次に、半導体基板10上の全面に、例えば熱酸化法により、シリコン酸化膜12を形成する。シリコン酸化膜12の厚さは、例えば10nm程度とする。
次に、全面に、例えばCVD法により、シリコン窒化膜14を形成する。シリコン窒化膜14の膜厚は、例えば100nm程度とする。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、シリコン窒化膜14及びシリコン酸化膜12に半導体基板10に達する開口部16を形成する。
次に、開口部16が形成されたシリコン窒化膜14をマスクとして、半導体基板10を異方性エッチングする。これにより、半導体基板10にトレンチ18、即ち、溝が形成される。トレンチ18の深さは、シリコン窒化膜14の表面から例えば300nm程度とする。
次に、図21(b)に示すように、全面に、例えば高密度プラズマCVD法により、シリコン酸化膜20を形成する。シリコン酸化膜20の膜厚は、例えば450nmとする。こうして、トレンチ18内にシリコン酸化膜20が埋め込まれる。こうして、表面に凹凸が存在するシリコン酸化膜20が形成される。シリコン酸化膜20は、被研磨膜となるものである。
次に、半導体基板10を、研磨ヘッド112a(図1参照)により支持する。この際、被研磨膜であるシリコン酸化膜20が下面側に位置するようにする。
次に、カルーセル110を反時計回りに90度程度回転させる。これにより、半導体基板10を支持する研磨ヘッド112aが、上面に研磨パッド104が設けられた研磨テーブル102a上に位置することとなる。
次に、図21(c)に示すように、CMP法により、半導体基板10に形成された被研磨膜20に対してメイン研磨を行う。メイン研磨は、以下のようにして行う。即ち、研磨ヘッド112aにより半導体基板10を回転させながら、研磨ヘッド112aを降下させ、被研磨膜20の表面を研磨パッド104の表面に押し付ける。この際、研磨テーブル102aを回転させるとともに、ノズル124aを介して研磨パッド104上に研磨剤を供給する。
メイン研磨の際における研磨条件は、以下の通りとする。
研磨ヘッド112aを研磨パッド104に押し付ける圧力、即ち、研磨圧力は、例えば100〜500g重/cm2とする。ここでは、研磨圧力を例えば210g重/cm2とする。
研磨ヘッド112aの回転数は、例えば70〜150回転/分とする。ここでは、研磨ヘッドの回転数を例えば142回転/分とする。
研磨テーブル112aの回転数は、例えば70〜150回転/分とする。ここでは、研磨テーブルの回転数を、例えば140回転/分とする。
研磨剤の供給量は、例えば0.1〜0.3リットル/分の範囲とする。ここでは、研磨剤の供給量を例えば0.15リットル/分とする。研磨剤は、例えば、研磨パッドの中心の位置P1に供給する。
研磨剤としては、研磨砥粒と界面活性剤より成る添加剤とを含む研磨剤を用いる。このような研磨剤では、研磨砥粒として、例えば酸化セリウム(セリア)が用いられている。また、添加剤として、例えばポリアクリル酸アンモニウム塩が用いられている。このような研磨剤としては、例えばEKCテクノロジー株式会社製の研磨剤(型番:Micro Planer STI2100)を挙げることができる。
メイン研磨の終点検出は、上述したように、研磨テーブル102aの駆動電圧又は駆動電流の変化に基づいて行う。
メイン研磨の際における研磨テーブル102aの駆動電圧及び駆動電流は、例えば図23に示すように変化する。図23は、研磨テーブルの駆動電圧の変化を概念的に示すグラフである。研磨テーブルの駆動電流も、研磨テーブルの駆動電圧と同様に変化する。被研磨膜20の表面がほぼ平坦化されると、図23に示すように、研磨テーブル102aの駆動電圧及び駆動電流は殆ど変化しなくなる。このため、単位時間当たりの駆動電圧又は駆動電流の変化を観測することにより、終点検出を行うことができる。具体的には、駆動電圧又は駆動電流の変化が一定値より小さくなった時点を、研磨の終点とすることができる。
なお、ここでは、メイン研磨の終点検出を研磨テーブル102aの駆動電圧又は駆動電流に基づいて行う場合を例に説明したが、メイン研磨の終点を検出する方法はこれに限定されるものではなく、他の方法を用いてメイン研磨の終点を検出してもよい。例えば、研磨テーブル102aのトルクを観測することにより、終点検出を行ってもよい。また、研磨ヘッド112aの駆動電圧、駆動電流、トルク等を観測することによっても、終点検出を行うことが可能である。
こうして、被研磨膜20の表面が平坦化されたことが、上記のような終点検出方法により検出される。
こうして、被研磨膜20の表面が平坦化され、メイン研磨が終了する(図21(c)参照)。
なお、研磨パッド104の目立てを、メイン研磨を行う前に行ってもよいし、メイン研磨中に行ってもよい。
研磨パッド104の目立てを行う際の条件は、例えば以下の通りとする。
ダイヤモンドディスク116が研磨パッド104aに加える荷重は、例えば1300〜4600g重とする。ダイヤモンドディスク116の回転数は、例えば70〜120回転/分とする。
次に、仕上げ研磨を行う。仕上げ研磨は、以下のようにして行う。即ち、ノズル124aを介して、研磨パッド104上に研磨剤を供給するとともに、ノズル124bを介して、純水を研磨パッド104上に供給する。研磨剤は、研磨パッドの中心の位置P1に供給する。純水は、研磨パッドの中心から12.5cm離れた位置P2に供給する。そして、研磨ヘッド112aを回転させながら、被研磨膜20を研磨パッド104の表面に押し付ける。この際、研磨テーブル102bについても回転させる。
なお、研磨剤を供給する位置、純水を供給する位置は、上記に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
仕上げ研磨を行う際の条件は、例えば以下のように設定する。
研磨圧力は、例えば100〜500g重/cm2の範囲とする。ここでは、研磨圧力を例えば210g重/cm2とする。
研磨ヘッド112aの回転数は、例えば70〜150回転の範囲とする。ここでは、研磨ヘッドの回転数を、例えば122回転/分とする。
研磨テーブル102aの回転数は、例えば70〜150回転/分の範囲とする。ここでは、研磨テーブルの回転数を、例えば120回転/分とする。
研磨パッド上104に供給する研磨剤の供給量は、例えば0.05〜0.3リットル/分の範囲とする。ここでは、研磨剤の供給量を、例えば0.05リットル/分とする。
研磨パッド104上に供給する純水の供給量は、例えば0.05〜0.3リットル/分の範囲とする。ここでは、純水の供給量を、例えば0.15リットル/分とする。
仕上げ研磨の時間は、例えば60秒程度とする。
なお、仕上げ研磨を行う際の条件は、上記に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
こうして、シリコン窒化膜14上のシリコン酸化膜20が除去され、仕上げ研磨が終了する(図22(a)参照)。
この後、図22(b)に示すように、シリコン窒化膜14及びシリコン酸化膜12をエッチング除去する。トレンチ18内に埋め込まれたシリコン酸化膜20より成る素子分離領域21により、素子領域22が画定される。
この後、素子領域22内に、トランジスタ等(図示せず)を形成する。
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される。
このように、本実施形態によれば、仕上げ研磨の際に、純水のみならず研磨剤をも研磨パッド上に供給し、研磨剤を供給する位置と純水を供給する位置とを適宜設定し、研磨剤の供給量と純水の供給量との比を適宜設定するため、仕上げ研磨を行った後における被研磨膜の膜厚の面内分布を均一化することが可能となる。
(変形例)
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法の変形例を図24及び図25を用いて説明する。図24及び図25は、本変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図24(a)に示すように、トランジスタ(図示せず)等が形成された半導体基板10上に、層間絶縁膜28を形成する。
次に、全面に、積層膜30を形成する。積層膜30は、配線の材料となるものである。積層膜30は、例えば、膜厚5nmのTi膜、膜厚50nmのTiN膜、膜厚300nmのAl膜、膜厚5nmのTi膜、及び膜厚80nmのTiN膜を順次積層することにより形成することができる。
次に、図24(b)に示すように、フォトリソグラフィ技術を用いて、積層膜30をパターニングする。これにより、積層膜30より成る複数の配線32が形成される。
次に、図24(c)に示すように、全面に、例えば高密度プラズマCVD法により、シリコン酸化膜20を形成する。シリコン酸化膜20の膜厚は例えば700nm程度とする。シリコン酸化膜20は、被研磨膜となるものである。
次に、シリコン酸化膜より成る被研磨膜20に対してメイン研磨及び仕上げ研磨を行う。被研磨膜20に対してメイン研磨及び仕上げ研磨を行う方法は、図21(c)及び図22(a)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様とすればよい。
こうして、図25に示すように、被研磨膜20の表面が平坦化された半導体装置が形成される。
このように、被研磨膜20が、配線32上に形成された被研磨膜20であってもよい。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による半導体装置の製造方法を図21、図22、及び図26乃至図32を用いて説明する。図1乃至図25に示す第1実施形態による半導体装置の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による半導体装置の製造方法は、研磨テーブル等の駆動電流等に基づいて仕上げ研磨の終点を検出すること、また、メイン研磨を行う際に、比較的高い研磨圧力で被研磨膜を研磨し、この後、比較的低い研磨圧力で被研磨膜を研磨することにも主な特徴がある。
まず、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、半導体基板10を用意する(図21(a)参照)。
次に、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、半導体基板10上の全面に、例えば熱酸化法により、シリコン酸化膜12を形成する。シリコン酸化膜12の厚さは、例えば10nm程度とする。
次に、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、全面に、例えばCVD法により、シリコン窒化膜14を形成する。シリコン窒化膜14の膜厚は、例えば100nm程度とする。シリコン窒化膜14は、被研磨膜であるシリコン酸化膜12を研磨する際に、ストッパ膜として機能するものである。
次に、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、フォトリソグラフィ技術を用い、シリコン窒化膜14及びシリコン酸化膜12に半導体基板10に達する開口部16を形成する。
次に、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、開口部16が形成されたシリコン窒化膜14をマスクとして、半導体基板10を異方性エッチングする。これにより、半導体基板10にトレンチ18、即ち、溝が形成される。トレンチ18の深さは、シリコン窒化膜14の表面から例えば380nm程度の深さとする。
まず、次に、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、全面に、例えば高密度プラズマCVD法により、シリコン酸化膜20を形成する(図21(b)参照)。シリコン酸化膜20の膜厚は、例えば425nmとする。こうして、トレンチ18内にシリコン酸化膜20が埋め込まれる。こうして、表面に凹凸が存在するシリコン酸化膜20が形成される。
次に、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、半導体基板10を、研磨ヘッド112aにより支持する。この際、被研磨膜であるシリコン酸化膜20が下面側に位置するようにする。
次に、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、カルーセル110を反時計回りに90度程度回転させる。これにより、半導体基板10を支持する研磨ヘッド112aが、上面に研磨パッド104が設けられた研磨テーブル102a上に位置することとなる。
次に、CMP法により、半導体基板10に形成された被研磨膜20に対してメイン研磨を行う。メイン研磨は、以下のようにして行う。即ち、研磨ヘッド112aにより半導体基板10を回転させながら、研磨ヘッド112aを降下させ、被研磨膜20の表面を研磨パッド104の表面に押し付ける。この際、研磨テーブル102aを回転させるとともに、ノズル124aを介して研磨パッド104上に研磨剤を供給する。
メイン研磨の際における研磨条件は、以下の通りとする。
研磨ヘッド112aの回転数は、例えば70〜150回転/分とする。ここでは、例えば142回転/分とする。
研磨テーブル112aの回転数は、例えば70〜150回転/分とする。ここでは、例えば140回転/分とする。
研磨剤126の供給量は、例えば0.1〜0.3リットル/分の範囲とする。ここでは、例えば0.15リットル/分とする。
研磨剤としては、第1実施形態と同様に、研磨砥粒と界面活性剤より成る添加剤とを含む研磨剤を用いる。
メイン研磨は、第1段階の研磨と第2段階の研磨とにより構成される。第1段階の研磨では、比較的高い研磨圧力で被研磨膜20の表面を研磨し、第2段階の研磨では、比較的低い研磨圧力で被研磨膜20の表面を研磨する。第1段階の研磨において比較的高い研磨圧力で被研磨膜20の表面を研磨するのは、被研磨膜20の表面を高速で研磨することにより、スループットを向上するためである。一方、第2段階の研磨において比較的低い研磨圧力で被研磨膜20の表面を研磨するのは、比較的低い研磨圧力で被研磨膜20の表面を研磨すると、被研磨膜20の表面を十分に平坦化し得るためである。
なお、研磨圧力以外の研磨条件は、第1段階の研磨と第2段階の研磨とで異なるように設定してもよいし、同様に設定してもよい。
第1段階の研磨における研磨圧力は、例えば300〜700g重/cm2とする。ここでは、第1段階における研磨圧力を、例えば420g重/cm2とする。
図26は、研磨テーブルの駆動電流の変化を示すグラフである。横軸は時間を示している。縦軸は、研磨テーブルの駆動電流を示している。
図26に示すように、研磨テーブル102の駆動電流は徐々に増加していき、この後、減少し始める。研磨テーブル102の駆動電流が減少し始めた時点Aを、第1段階の研磨の終点とする。
第2段階の研磨における研磨圧力は、例えば60〜300g重/cm2とする。但し、第2段階の研磨における研磨圧力は、第1段階の研磨における研磨圧力より低く設定する。ここでは、第2段階の研磨圧力を、例えば280g重/cm2とする。
第2段階の研磨では、第1段階の研磨より低い研磨圧力で研磨するため、研磨テーブルの駆動電流は急激に減少する。この後、研磨テーブルの駆動電流は増加に転じ、やがて研磨テーブルの駆動電流の増加が終了する。研磨テーブルの駆動電流の増加が終了した時点Bを、第2段階の研磨の終点とする。
こうして、被研磨膜20の表面が平坦化されたことが、上記のような終点検出方法により検出される。
こうして、被研磨膜であるシリコン酸化膜20の表面が平坦化され、メイン研磨が終了する(図21(c)参照)。
なお、メイン研磨を行う際の条件は、上記に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
また、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、研磨パッド104の目立てを、メイン研磨を行う前に行ってもよいし、メイン研磨中に行ってもよい。
研磨パッド104の目立てを行う際の条件は、例えば以下の通りとする。
ダイヤモンドディスク116が研磨パッド104aに加える荷重は、例えば1300〜4600g重とする。ダイヤモンドディスク116の回転数は、例えば70〜120回転/分とする。
次に、仕上げ研磨を行う。仕上げ研磨は、以下のようにして行う。即ち、ノズル124aを介して、研磨パッド104上に研磨剤を供給するとともに、ノズル124bを介して、純水を研磨パッド104上に供給する。そして、研磨ヘッド112aを回転させながら、被研磨膜20を研磨パッド104表面に押し付ける。この際、研磨テーブル102bについても回転させる。なお、研磨剤と純水とを供給する位置は、適宜設定すればよい。
仕上げ研磨を行う際の条件は、例えば以下のように設定する。
研磨圧力は、例えば60〜300g重/cm2の範囲とする。但し、仕上げ研磨では、第2段階の研磨における研磨圧力より低い研磨圧力で被研磨膜20を研磨する。ここでは、研磨圧力を、例えば175g重/cm2とする。
研磨パッド104上に供給する研磨剤の供給量は、例えば0.05〜0.3リットル/分の範囲とする。ここでは、例えば0.05リットル/分とする。
研磨パッド104上に供給する純水の供給量は、例えば0.05〜0.3リットル/分の範囲とする。ここでは、例えば0.15リットル/分とする。
研磨ヘッドの回転数、研磨テーブルの回転数については、第1段階の研磨や第2段階の研磨と異なるように設定してもよいし、同様に設定してもよい。
なお、仕上げ研磨を行う際の条件は、上記に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
仕上げ研磨では、第2段階の研磨より低い研磨圧力で被研磨膜を研磨するため、研磨テーブルの駆動電流は急激に減少する。この後、研磨テーブルの駆動電流は増加に転じ、やがて研磨テーブルの駆動電流の増加が終了する。そして、研磨テーブルの駆動電流は、減少し始める。仕上げ研磨では、研磨テーブルの駆動電流が、減少から増加に転じて更に減少し始めた時点Cを、研磨の終点とする。研磨テーブルの駆動電流が減少から増加に転じて更に減少し始めた時点Cは、ストッパ膜であるシリコン窒化膜14の表面が露出した時点とほぼ一致するため、素子領域22上に被研磨膜20が残存するのを防止しつつ、埋め込み絶縁膜20の表面に深いディッシングが生じるのを防止することができる。
こうして、シリコン窒化膜14上のシリコン酸化膜20が除去され、仕上げ研磨が終了する(図22(a)参照)。
なお、ここでは、研磨の終点を研磨テーブル102aの駆動電流に基づいて検出する場合を例に説明したが、メイン研磨の終点を検出する方法はこれに限定されるものではなく、他の方法を用いて研磨の終点を検出してもよい。例えば、研磨テーブル102の駆動電圧に基づいて研磨の終点を検出してもよい。また、研磨ヘッド112aの駆動電圧、駆動電流に基づいて、終点を検出してもよい。研磨テーブルの駆動電圧、研磨ヘッドの駆動電圧、及び研磨ヘッドの駆動電流は、図23に示す研磨テーブルの駆動電流と同様に変化するため、上記と同様にして、研磨の終点を検出することが可能である。
また、研磨テーブルや研磨ヘッドのトルクに基づいて終点を検出してもよい。
この後、図22(b)に示すように、シリコン窒化膜14及びシリコン酸化膜12をエッチング除去する。トレンチ18内に埋め込まれたシリコン酸化膜20より成る素子分離領域21により、素子領域22が画定される。
この後、素子領域22内に、トランジスタ等(図示せず)を形成する。
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される。
図27は、被研磨膜の表面に存在する段差の変化を示すグラフである。図27では、被研磨膜に対して第1段階の研磨を行う前、被研磨膜に対して第1段階の研磨を行った後、及び被研磨膜に対して第2段階の研磨を行った後において、被研磨膜20の表面に存在している段差の高さが示されている。
面積が比較的大きい凸部における段差は、ハッチングを付すことなく示されている。ここでは、面積が比較的大きい凸部における段差として、100μm×100μmの凸部における段差を測定した。
面積が比較的小さい凸部における段差は、ハッチングを付すことにより示されている。ここでは、面積が比較的小さい凸部における段差として、1μm×1μmの凸部による段差を測定した。
図27から分かるように、第1段階の研磨を行った後では、第1段階の研磨を行う前と比較して、面積が比較的小さい凸部における段差が、著しく緩和されている。具体的には、第1段階の研磨を行った後では、第1段階の研磨を行う前と比較して、段差が12%程度にまで緩和されている。一方、面積が比較的大きい凸部における段差は、ほとんど緩和されていない。
このことから、第1段階の研磨では、主として、面積が比較的小さい凸部における段差が著しく緩和されることが分かる。
また、第2段階の研磨を行った後では、第1段階の研磨を行った後と比較して、面積が比較的大きい凸部における段差が、著しく緩和されている。具体的には、第2段階の研磨を行った後では、第1段階の研磨を行った後と比較して、段差が20%程度にまで緩和されている。
このことから、第2段階の研磨では、主として、面積が比較的大きい凸部における段差が著しく緩和されることが分かる。
図28は、メイン研磨の際の研磨圧力と研磨時間との関係を示すグラフである。
実施例22は、本実施形態による半導体装置の製造方法の場合、即ち、第1段階の研磨では比較的高い研磨圧力で被研磨膜を研磨し、第2段階の研磨では比較的低い研磨圧力で被研磨膜を研磨した場合を示している。第1段階の研磨における研磨圧力は、420g重/cm2とした。第2段階における研磨圧力は、280g重/cm2とした。
比較例6は、メイン研磨の研磨圧力を2段階で設定することなく、比較的高い研磨圧力でメイン研磨を行った場合を示している。研磨圧力は、420g重/cm2とした。
比較例7は、提案されている半導体装置の製造方法の場合、即ち、メイン研磨の研磨圧力を2段階に設定することなく、比較的低い研磨圧力でメイン研磨を行った場合を示している。研磨圧力は、280g重/cm2とした。
図28から分かるように、比較例6では、メイン研磨の時間は87秒程度であった。
また、比較例7では、メイン研磨の時間は138秒程度であった。
これに対し、実施例22では、メイン研磨の時間は110秒程度であった。実施例22では、比較例7と比較して、研磨時間が28秒程度短縮されている。
このことから、本実施形態によれば、提案されている半導体装置の製造方法と比較して、メイン研磨の時間を短縮し得ることがわかる。
図29は、メイン研磨を行った際に被研磨膜の表面に残存する段差を示すグラフである。
実施例23は、本実施形態による半導体装置の製造方法の場合、即ち、メイン研磨の第1段階では比較的高い研磨圧力で被研磨膜を研磨し、メイン研磨の第2段階では比較的低い研磨圧力で被研磨膜を研磨した場合を示している。第1段階の研磨における研磨圧力は、420g重/cm2とした。第2段階における研磨圧力は、280g重/cm2とした。
比較例8は、メイン研磨の研磨圧力を2段階に設定することなく、比較的高い研磨圧力でメイン研磨を行った場合を示している。研磨圧力は、420g重/cm2とした。
比較例9は、提案されている半導体装置の製造方法の場合、即ち、メイン研磨の研磨圧力を2段階に設定することなく、比較的低い研磨圧力でメイン研磨を行った場合を示している。研磨圧力は、280g重/cm2とした。
図29から分かるように、比較例8では、被研磨膜の表面に残存した段差は、115nm程度であった。
また、比較例9では、被研磨膜の表面に残存した段差は、60nm程度であった。
これに対し、実施例23では、被研磨膜の表面に残存した段差は、75nm程度であった。
これらのことから、本実施形態によれば、提案されている半導体装置の製造方法と同様に、メイン研磨の際に被研磨膜20の表面の段差を十分に緩和し得ることが分かる。
図30は、メイン研磨を行った際にチップ領域内に残存する段差を示すグラフである。
実施例24は、本実施形態による半導体装置の製造方法の場合、即ち、メイン研磨の第1段階では比較的高い研磨圧力で被研磨膜を研磨し、メイン研磨の第2段階では比較的低い研磨圧力で被研磨膜を研磨し、仕上げ研磨では第2段階の研磨より更に低い研磨圧力で被研磨膜を研磨した場合を示している。メイン研磨の第1段階における研磨圧力は、420g重/cm2とした。メイン研磨の第2段階における研磨圧力は、280g重/cm2とした。仕上げ研磨における研磨圧力は、175g重/cm2とした。仕上げ研磨を行う際には、研磨砥粒と純水の両方を研磨パッド上に供給した。研磨砥粒の供給量は、0.05リットル/分とした。純水の供給量は、0.15リットル/分とした。仕上げ研磨では、研磨テーブルの駆動電流が、下降から上昇に転じて更に下降し始めた時点Cを、研磨の終点とした。
比較例10は、メイン研磨の研磨圧力を2段階に設定することなく、比較的高い研磨圧力でメイン研磨を行った場合を示している。研磨圧力は、420g重/cm2とした。
比較例11は、提案されている半導体装置の製造方法の場合、メイン研磨の研磨圧力を2段階に設定することなく、比較的低い研磨圧力でメイン研磨を行った場合を示している。研磨圧力は、280g重/cm2とした。
図30から分かるように、比較例10では、チップ内における段差は65nm程度であった。
比較例11では、チップ内における段差は37nm程度であった。
これに対し、実施例24では、チップ内における段差は37nm程度であった。
これらのことから、本実施形態によれば、提案されている半導体装置の製造方法と同様に、チップ内段差をも十分に緩和し得ることが分かる。
図31は、素子領域上に残存する被研磨膜の膜厚の変化を示すグラフである。図31では、被研磨膜に対して第1段階の研磨を行う前、被研磨膜に対して第1段階の研磨を行った後、被研磨膜に対して第2段階の研磨を行った後、及び、被研磨膜に対して仕上げ研磨を行った後において、素子領域22上に残存している被研磨膜20の膜厚がそれぞれ示されている。
図31から分かるように、素子領域22上に残存する被研磨膜20の膜厚は、徐々に減少していく。そして、仕上げ研磨が終了した後では、素子領域22上には被研磨膜20は全く残存していない。このことから、研磨テーブル102等の駆動電流等の変化に基づいて仕上げ研磨の終点を検出することにより、素子領域22上の被研磨膜20を確実に除去し得ることが分かる。
図32は、ディッシング量のウェハ間でのばらつきを統計的に処理した結果を示すグラフである。実施例25は、本実施形態による半導体装置の製造方法の場合、即ち、研磨テーブルの駆動電流の変化に基づいて仕上げ研磨の終点を検出した場合を示している。比較例12は、仕上げ研磨を予め定められた所定時間行った場合を示している。なお、比較例12では、仕上げ研磨の時間を30秒間とした。実施例25と比較例12のいずれにおいても、25枚のウェハに対して研磨を行った。
ディッシング量のウェハ間でのばらつきは、以下のようにして求めた。即ち、まず、各ウェハ内の3つのチップについて、40μm×40μmのトレンチ内に埋め込まれた埋め込み絶縁膜の膜厚と、130μm×210μmのトレンチ内に埋め込まれた埋め込み絶縁膜の膜厚とをそれぞれ測定した。埋め込み絶縁膜の膜厚を測定する際には、光学式の膜厚測定装置を用いた。そして、40μm×40μmのトレンチ内に埋め込まれた埋め込み絶縁膜の膜厚と130μm×210μmのトレンチ内に埋め込まれた埋め込み絶縁膜の膜厚との差分に基づいて、ディッシング量を算出した。25枚のウェハについてディッシング量を3箇所ずつ求めたため、実施例25と比較例12のそれぞれにおいて、75箇所ずつのディシング量が求められた。そして、ディッシング量に関する75個のデータに基づいてそれぞれ標準偏差を求めた。求められた標準偏差の平均膜厚に対する割合を、ウェハ間でのばらつきとした。
図32から分かるように、比較例12では、ディッシング量のばらつきが、32%程度と大きい。このことから、仕上げ研磨を所定時間行った場合には、ディッシングの深さのウェハ間でのばらつきが大きいことが分かる。
これに対し、実施例25では、ディッシング量のばらつきが、13%程度と小さい。このことから、本実施形態の場合、即ち、研磨テーブルの駆動電流等の変化に基づいて仕上げ研磨の終点を検出した場合には、提案されている半導体装置の製造方法と比較して、ウェハ間でのディッシング量のばらつきを比較例の半分程度に抑制し得ることが分かる。
これらのことから、本実施形態によれば、ディッシング量のウェハ間のばらつきを抑制しうることが分かる。
本実施形態による半導体装置の製造方法は、上述したように、研磨テーブル等の駆動電流等の変化に基づいて、仕上げ研磨の終点を検出することに主な特徴の一つがある。
提案されている半導体装置の製造方法では、仕上げ研磨の際には、予め定められた所定時間、被研磨膜20を研磨していた。このため、被研磨膜20を成膜する際における膜厚のばらつき等により、素子領域22上に被研磨膜20が残ってしまったり、被研磨膜より成る埋め込み絶縁膜20に深いディッシングが生じてしまったりすることがあった。
これに対し、本実施形態によれば、ストッパ膜14の露出に対応した研磨テーブル102等の駆動電流等の変化に基づいて仕上げ研磨の終点を検出するため、仕上げ研磨の終点を正確に検出することができる。このため、本実施形態によれば、素子領域22上に被研磨膜20が残ってしまったり、被研磨膜より成る埋め込み絶縁膜20の表面に深いディッシングが生じてしまったりするのを防止することができる。
また、本実施形態による半導体装置の製造方法は、メイン研磨の第1段階では比較的高い研磨圧力で被研磨膜20を研磨し、メイン研磨の第2段階では比較的低い研磨圧力で被研磨膜20を研磨することにも主な特徴がある。
提案されている半導体装置の製造方法では、メイン研磨の際に比較的低い研磨圧力で被研磨膜20を研磨していたため、メイン研磨に要する研磨時間は必ずしも十分に短くはなかった。
これに対し、本実施形態による半導体装置の製造方法では、メイン研磨の第1段階では比較的高い研磨圧力で被研磨膜20を研磨し、メイン研磨の第2段階では比較的低い研磨圧力で被研磨膜20を研磨する。第1段階の研磨では、比較的高い研磨圧力で被研磨膜20を研磨するため、比較的速い研磨速度で被研磨膜20を研磨することができる。一方、第2段階の研磨では、比較的遅い研磨圧力で被研磨膜20を研磨するため、被研磨膜20の表面を十分に平坦化することができる。従って、本実施形態によれば、被研磨膜の平坦性を損なうことなく、メイン研磨の時間を短縮することもできる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による半導体装置の製造方法を図33乃至図37を用いて説明する。図33乃至図35は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図33乃至図35において、紙面左側はチップ領域内を示しており、紙面右側はスクライブライン領域を示している。図36は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す平面図である。図1乃至図32に示す第1又は第2実施形態による半導体装置の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による半導体装置の製造方法は、大きさが互いに異なる複数の検査用パターンを予め形成しておき、これらの検査用パターンにおける埋め込み酸化膜の膜厚の差に基づいて、仕上げ研磨が正常に行われたか否かを検査することに主な特徴がある。
まず、半導体基板10を用意する(図33(a)参照)。
次に、半導体基板10上の全面に、例えば熱酸化法により、シリコン酸化膜12を形成する。シリコン酸化膜12の厚さは、例えば10nm程度とする。
次に、全面に、例えばCVD法により、シリコン窒化膜14を形成する。シリコン窒化膜14の膜厚は、例えば100nm程度とする。シリコン窒化膜14は、被研磨膜であるシリコン酸化膜12を研磨する際に、ストッパ膜として機能するものである。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、シリコン窒化膜14及びシリコン酸化膜12に半導体基板10に達する開口部16を形成する。この際、スクライブラインには、40μm×40μmの開口部16aと、70μm×150μmの開口部16bとを形成する。開口部16aと開口部16bとの間の距離は、例えば50μm以上とする。
次に、開口部16、16a、16bが形成されたシリコン窒化膜14をマスクとして、半導体基板10を異方性エッチングする。これにより、半導体基板10にトレンチ18、即ち、溝が形成される。トレンチ18の深さは、シリコン窒化膜14の表面から例えば380nm程度とする。スクライブラインには、開口部16aに対応して第1の検査用トレンチ18aが形成され、開口部16bに対応して第2の検査用トレンチ18bが形成される。
次に、全面に、例えば高密度プラズマCVD法により、シリコン酸化膜20を形成する。シリコン酸化膜20の膜厚は、例えば425nmとする。こうして、トレンチ18内にシリコン酸化膜20が埋め込まれる。こうして、表面に凹凸が存在するシリコン酸化膜20が形成される(図33(b)参照)。
次に、半導体基板10を、研磨ヘッド112aにより支持する。この際、シリコン酸化膜より成る被研磨膜20が下面側に位置するようにする。
次に、第1及び第2実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、カルーセル110を反時計回りに90度程度回転させる。これにより、半導体基板10を支持する研磨ヘッド112aが、上面に研磨パッド104が設けられた研磨テーブル102a上に位置することとなる。
次に、CMP法により、半導体基板10に形成された被研磨膜20に対してメイン研磨を行う。メイン研磨は、以下のようにして行う。即ち、研磨ヘッド112aにより半導体基板10を回転させながら、研磨ヘッド112aを降下させ、被研磨膜20の表面を研磨パッド104の表面に押し付ける。この際、研磨テーブル102aを回転させるとともに、ノズル124aを介して研磨パッド104上に研磨剤を供給する。
メイン研磨の際における研磨条件は、以下の通りとする。
研磨圧力は、例えば100〜500g重/cm2とする。ここでは、研磨圧力を200g重/cm2とする。
研磨ヘッド112aの回転数は、例えば70〜150回転/分とする。ここでは、研磨ヘッドの回転数を、例えば120回転/分とする。
研磨テーブル112aの回転数は、例えば70〜150回転/分とする。ここでは、研磨テーブルの回転数を例えば120回転/分とする。
研磨剤126の供給量は、例えば0.1〜0.3リットル/分の範囲とする。ここでは、研磨剤の供給量を例えば0.2リットル/分とする。
研磨剤としては、第1及び第2実施形態と同様に、研磨砥粒と界面活性剤より成る添加剤とを含む研磨剤を用いる。
メイン研磨における終点は、第1実施形態と同様に、研磨テーブル等の駆動電流等の変化に基づいて検出する。
こうして、被研磨膜20に対するメイン研磨が終了する(図34(a)参照)。
なお、メイン研磨を行う際の条件は、上記に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
また、研磨パッド104の目立てを、メイン研磨を行う前に行ってもよいし、メイン研磨中に行ってもよい。目立てを行う際の条件は、例えば第1又は第2実施形態による半導体装置の製造方法と同様とすればよい。
次に、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、仕上げ研磨を行う。仕上げ研磨は、以下のようにして行う。即ち、研磨剤を供給するのを止め、ノズル124bを介して、純水を研磨パッド104上に供給する。そして、研磨ヘッド112aを回転させながら、被研磨膜20を研磨パッド104表面に押し付ける。この際、研磨テーブル102bについても回転させる。なお、純水を供給する位置は、適宜設定すればよい。また、研磨剤を供給するのを止めず、研磨剤と純水の両方を研磨パッド104上に供給しながら、被研磨膜の表面を研磨してもよい。
仕上げ研磨を行う際の条件は、例えば以下のように設定する。
研磨ヘッド112aを研磨パッド104に押し付ける圧力、即ち、研磨圧力は、例えば50〜500g重/cm2の範囲とする。ここでは、研磨圧力を、例えば140g重/cm2とする。
研磨ヘッドの回転数は、40〜150回転/分の範囲とする。ここでは、研磨ヘッドの回転数を120回転/分とする。
研磨テーブルの回転数は、40〜150回転/分の範囲とする。ここでは、研磨テーブルの回転数を120回転/分とする。
研磨パッド104上に供給する純水の供給量は、例えば0.1〜10リットル/分の範囲とする。ここでは、例えば0.2リットル/分とする。
仕上げ研磨の時間は、例えば40秒とする。
なお、仕上げ研磨を行う際の条件は、上記に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
こうして、シリコン窒化膜14上のシリコン酸化膜20が除去され、仕上げ研磨が終了する(図34(b)参照)。
図34(b)及び図36に示すように、チップ領域34とチップ領域34との間のスクライブライン36に形成された第1の検査用トレンチ18aには、埋め込み絶縁膜20より成る40μm×40μmの第1の検査用パターン38aが埋め込まれる。また、スクライブライン36に形成された第2の検査用トレンチ18bには、埋め込み絶縁膜20より成る70μm×150μmの第2の検査パターン38bが埋め込まれる。
図34(b)に示すように、第1の検査用パターン38aは表面積が比較的小さいため、第1の検査用パターン38aを構成する埋め込み絶縁膜20の表面には極めて浅いディッシングしか生じない。このため、第1の検査用パターン38aを構成する埋め込み絶縁膜20の膜厚d1は、比較的厚くなる。一方、第2の検査用パターン38bは面積が比較的大きいため、第2の検査用パターン38bを構成する埋め込み絶縁膜20の表面には比較的深いディッシングが生ずる。このため、第2の検査用パターン38bを構成する埋め込み絶縁膜20の膜厚d2は、比較的薄くなる。
次に、第1の検査用パターン38aを構成する埋め込み絶縁膜20の膜厚d1と第2の検査用パターンを構成する埋め込み絶縁膜20の膜厚d2とを測定する。そして、第1の検査用パターンを構成する埋め込み絶縁膜20の膜厚d1と、第2の検査用パターンを構成する埋め込み絶縁膜20の膜厚d2との差Δdに基づいて、被研磨膜20に対する研磨が正常に行われたか否かを検査する。被研磨膜20に対する研磨が正常に行われたか否かの検査は、予め定められた所定の検査規格を満たすか否かにより行う。
図37は、第2の検査用パターンの面積に対する、第1の検査用パターンの膜厚と第2の検査用パターンとの膜厚の差との関係を示すグラフである。横軸は第2の検査用パターン38bの表面積を示している。縦軸は、第1の検査用パターン38aを構成する埋め込み絶縁膜20の膜厚d1と第2の検査用パターン38bを構成する埋め込み絶縁膜20の膜厚d2との差Δdを示している。上述したように、第1の検査用パターン38aとしては、40μm×40μmのパターンを用いた。第1の検査用パターン38aとしてこのような比較的面積の小さいパターンを用いるのは、比較的面積の小さいパターンはディッシング量が極めて少ないため、第1の検査用パターン38aを構成する埋め込み絶縁膜20の膜厚d1を基準の膜厚とすることができるためである。このような理由により第1の検査用パターンの面積は、3600μm2以下であることが好ましい。但し、第1の検査用パターン38aがあまりに小さすぎると、第1の検査用パターン38aが形成されている箇所を検出することが困難となるため、第1の検査用パターン38aは1000μm2以上であることが好ましい。従って、第1の検査用パターンの面積は、1000〜3600μm2程度であることが好ましい。
実線は、本実施形態による半導体装置の製造方法の場合、即ち、研磨砥粒と界面活性剤より成る添加剤とを含む研磨剤を用い、所定時間の仕上げ研磨を行った場合を示している。
破線は、研磨砥粒と界面活性剤より成る添加剤とを含む研磨剤を用い、所定時間より10秒間長く仕上げ研磨を行った場合を示している。
被研磨膜20の膜厚を測定する際には、KLA−Tencor株式会社製の薄膜測定装置(型番:ASET−F5X)を用いた。
実線で示した特性と破線で示した特性とを比較して分かるように、提案されている研磨剤、即ち、研磨砥粒と界面活性剤より成る添加剤とを含む研磨剤を用いて仕上げ研磨を行う場合には、仕上げ研磨の時間が所定の研磨時間よりオーバーすると、第1の検査用パターン38aを構成する埋め込み絶縁膜20の膜厚d1と第2の検査用パターン38bを構成する埋め込み絶縁膜20との膜厚d2の差Δdが大きくなる。
被研磨膜20に対する研磨が正常に行われたか否かの検査を行う際には、第1の検査用パターン38aを構成する埋め込み絶縁膜20の膜厚d1と第2の検査用パターン38bを構成する埋め込み絶縁膜20との膜厚d2の差Δdと、予め求められた膜厚の差Δd′(図37参照)とを比較し、膜厚の差Δdと膜厚の差Δd′との差ΔDが、所定の検査規格を満たすか否かにより判断する。
例えば、第2の検査用パターンの面積が10000μm2程度の場合には、予め求められた膜厚の差Δd′は、7nm程度である。検査規格として、ΔDが2nm以内の場合を正常と判断する旨定められている場合には、第1の検査用パターン38aにおける埋め込み絶縁膜20の膜厚d1と第2の検査用パターン38bにおける埋め込み絶縁膜20の膜厚d2との差Δdが5〜9nmである場合には、被研磨膜20に対する研磨が正常に行われたと判断される。
被研磨膜20に対する研磨が正常に行われたと判断された場合には、次の工程に移行する。
一方、第1のパターンを構成する埋め込み絶縁膜20の膜厚d1と第2のパターンを構成する埋め込み絶縁膜20の膜厚d2との差Δdが、所定の検査規格の範囲外である場合には、被研磨膜20に対する研磨が正常に行われなかったと考えられるため、不良品として処理する。例えば、第1の検査用パターン38aにおける埋め込み絶縁膜20の膜厚d1と第2の検査用パターン38bにおける埋め込み絶縁膜20の膜厚d2との差Δdが15nm程度であった場合には、研磨時間が10秒間長すぎたと判断することができる(図37参照)。
図37から分かるように、第2の検査用パターンの面積が10000μm2以上の場合には、第1の検査用パターンを構成する埋め込み絶縁膜の膜厚と第2の検査用パターンを構成する埋め込み絶縁膜の膜厚との差は、第2の検査用パターンの面積に比例する。このため、第2の検査用パターンの面積を10000μm2以上とすることにより、被研磨膜に対する研磨が正常に行われたか否かの検査を正確に行うことが可能となる。従って、第2の検査用パターンの面積は、10000μm2以上とすることが好ましい。
次に、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様にして、シリコン窒化膜及びシリコン酸化膜をエッチング除去する(図35参照)。トレンチ18内に埋め込まれたシリコン酸化膜20より成る素子分離領域21により、素子領域22が画定される。
こうして、本実施形態による半導体装置の製造方法が製造される。
この後、素子領域22内に、トランジスタ等(図示せず)を形成する。
なお、互いに面積の異なる検査用パターンを2種類形成したが、互いに面積の異なるパターンを更に多くの種類形成してもよい。
このように本実施形態によれば、面積が互いに異なる複数の検査用パターンを形成しておき、これらの検査用パターンを構成する埋め込み絶縁膜の膜厚の差に基づいて、被研磨膜に対する研磨が正常に行われたか否かを検査するため、研磨砥粒と界面活性剤より成る添加剤とを含む研磨剤を用いて仕上げ研磨を行った場合であっても、被研磨膜に対する研磨が正常に行われたか否かを正確に検査することができる。従って、本実施形態によれば、半導体装置の信頼性の更なる向上を図ることができる。
(変形例(その1))
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法の変形例(その1)を図38を用いて説明する。図38は、本変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図38(a)に示すように、ゲート電極(図示せず)とソース/ドレイン領域27を有するトランジスタが形成された半導体基板10上に、シリコン酸化膜より成る層間絶縁膜28を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、層間絶縁膜28にソース/ドレイン領域27に達するコンタクトホール40を形成する。コンタクトホール40は、導体プラグを埋め込むためのものである。この際、スクライブライン36に、第1の検査用トレンチ18a及び第2の検査用トレンチ18bを形成する。
次に、全面に、ポリシリコン膜20aを形成する。
次に、ポリシリコン膜より成る被研磨膜42の表面を研磨する。被研磨膜42に対する研磨の方法は、図34(a)及び図34(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様とする。ポリシリコン膜20aとシリコン酸化膜28とは研磨特性が異なるため、ポリシリコン膜より成る被研磨膜20aを研磨する際には、シリコン酸化膜より成る層間絶縁膜28がストッパ膜として機能する。第1の検査用トレンチ18a及び第2の検査用トレンチ18bには、第1の検査用パターン38aと第2の検査用パターン38bとが形成される。
こうして、図38(b)に示すように、コンタクトホール40内にポリシリコンより成る導体プラグ44が埋め込まれる。
こうして、本変形例による半導体装置が製造される。
このように、被研磨膜20aは、層間絶縁膜28上に形成されたポリシリコン膜20aであってもよい。
(変形例(その2))
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法の変形例(その2)を図39を用いて説明する。図39は、本変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図39(a)に示すように、ゲート電極(図示せず)とソース/ドレイン領域27とを有するトランジスタが形成された半導体基板10上に、シリコン酸化膜より成る層間絶縁膜28を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、層間絶縁膜38にソース/ドレイン領域27に達するコンタクトホール40を形成する。コンタクトホール40は、導体プラグを埋め込むためのものである。
次に、全面に、TiN膜41を形成する。TiN膜41は、バリア膜として機能するものである。なお、ここでは、TiN膜41を形成したが、Ti膜とTiN膜とを順次積層してもよい。
次に、タングステン膜43を形成する。タングステン膜43は、配線の材料となるものである。こうして、TiN膜41及びタングステン膜43より成る積層膜20bが形成される。
次に、図34(a)及び図34(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、積層膜より成る被研磨膜20bの表面を研磨する。これにより、コンタクトホール40内に積層膜より成る導体プラグ42aが埋め込まれる。
こうして、本変形例による半導体装置が製造される。
このように、被研磨膜20bは、TiN膜41やタングステン膜43等より成る積層膜であってもよい。
(変形例(その3))
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法の変形例(その3)を図40を用いて説明する。図40は、本変形例による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。
まず、図40(a)に示すように、トランジスタ(図示せず)等が形成された半導体基板10上に、シリコン酸化膜より成る層間絶縁膜28を形成する。
次に、フォトリソグラフィ技術を用い、層間絶縁膜28にトレンチ40aを形成する。トレンチ40aは、配線を埋め込むためのものである。
次に、全面に、TiN膜41を形成する。TiN膜41は、上記と同様に、バリア膜として機能するものである。なお、ここでは、TiN膜41を形成したが、Ti膜とTiN膜とを順次積層してもよい。
次に、Cu膜44を形成する。Cu膜44は、配線の材料となるものである。こうして、TiN膜41及びCu膜44より成る積層膜20cが形成される。
次に、図40(b)を用いて上述した半導体装置の製造方法と同様にして、積層膜より成る被研磨膜20cの表面を研磨する。これにより、トレンチ40a内に積層膜より配線42bが埋め込まれる。
こうして、本変形例による半導体装置が製造される。
このように、被研磨膜20cは、TiN膜41やCu膜44等から成る積層膜であってもよい。
[第4実施形態]
メイン研磨を行った後、単に仕上げ研磨を行った場合には、素子領域の上方に被研磨膜が残ってしまう場合があり得る。
図54乃至図56は、素子領域の上方に被研磨膜が残ってしまうメカニズムを示す工程断面図である。
図54(a)に示すように、半導体基板210には、幅が比較的広いトレンチ218bと幅が比較的狭いトレンチ218cとが混在している。トレンチ218b、218cが形成された半導体基板210上には、シリコン酸化膜より成る被研磨膜220が形成されている。トレンチ218b、218cが形成された半導体基板210上に被研磨膜220が形成されているため、被研磨膜220の表面には凹凸219が形成されている。幅が比較的広いトレンチ218bの上方においては、被研磨膜220の表面に凹部219aが存在している。一方、素子領域222の上方においては、被研磨膜220の表面に凸部219bが存在している。また、幅が比較的狭いトレンチ218cの上方においても、被研磨膜220の表面に凸部219bが存在している。
メイン研磨の際には、研磨砥粒(図示せず)と界面活性剤より成る添加剤224とを含む研磨剤が、研磨パッド104上に供給される。添加剤224は、被研磨膜220の表面に付着する。研磨が開始されると、凸部219b上の添加剤224は大きな圧力が加わることにより除去され、凹部219a上に添加剤224が選択的に残留する(図54(b)参照)。
被研磨膜220の表面が平坦化されると、メイン研磨は終了となる。凹部219aが存在していた領域217aにおいては、メイン研磨が終了した時点においても、添加剤224が多く付着している。一方、凸部219bが存在していた領域217bにおいては、添加剤はあまり多く付着していない。即ち、幅が比較的広いトレンチ218bの上方においては、被研磨膜220の表面に添加剤224が多く付着している一方、素子領域222の上方や幅が比較的狭いトレンチ218cの上方においては、被研磨膜220の表面に添加剤224はあまり付着していない(図55(a)参照)。
仕上げ研磨の際には、研磨剤と純水とが、研磨パッド104上に供給される。凹部219aが存在していた領域217aにおいては、被研磨膜220の表面に添加剤224が多く付着しているため、添加剤224が純水により十分に除去しきれないまま、仕上げ研磨が行われる。一方、凸部219bが存在していた領域217bにおいては、被研磨膜220の表面に添加剤224が少ししか付着していないため、添加剤224が純水により十分に除去された状態で、仕上げ研磨が行われる(図55(b)参照)。
凸部219bが存在していた領域217bにおいては、被研磨膜220の表面から添加剤224が十分に除去された状態で仕上げ研磨が行われるため、被研磨膜220に対する研磨が確実に行われる。一方、凹部219aが存在していた領域217aにおいては、被研磨膜220の表面から添加剤224が十分に除去しきれない状態で仕上げ研磨が行われるため、被研磨膜224に対する研磨が十分に行われない。このため、凹部219aが存在していた領域217aの近傍においては、素子領域222の上方に被研磨膜220が残ってしまうこととなる(図56参照)。
本願発明者は鋭意検討した結果、メイン研磨を行った後、仕上げ研磨を行う前に、被研磨膜の表面に付着している添加剤を純水を用いて除去することに想到した。
仕上げ研磨を行う前に、被研磨膜の表面に付着している添加剤を除去すれば、被研磨膜の表面に添加剤が付着している状態で被研磨膜に対する仕上げ研磨を行うことを防止することが可能となる。このため、凹部が存在していた領域においても、被研磨膜に対する研磨を確実に行うことが可能となる。
本発明の第4実施形態による半導体装置の製造方法を図41乃至図45を用いて説明する。図41は、本実施形態で用いられる研磨装置を示す側面図である。図42乃至図44は、本実施形態による半導体装置の製造方法を示す工程断面図である。図1乃至図40に示す第1乃至第3実施形態による半導体装置の製造方法と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
まず、本実施形態で用いられる研磨装置について図41を用いて説明する。
本実施形態で用いられる研磨装置は、基本的な構成は、図1乃至図4を用いて上述した研磨装置と同様である。
本実施形態による研磨装置は、ノズル124a、124bの他に、純水を高圧で噴射するためのノズル124cが更に設けられている点が、図1乃至図4を用いて上述した研磨装置と異なっている。純水を高圧で噴射するのは、研磨パッド104上に純水を短時間で大量に供給し、被研磨膜20の表面に付着した添加剤24(図42(b)参照)を短時間かつ確実に除去するためである。
こうして、本実施形態で用いられる研磨装置が構成されている。このような研磨装置としては、例えば、アプライド・マテリアルズ社製の化学機械研磨装置(型番:Mirra3400)を挙げることができる。
次に、本実施形態による半導体装置の製造方法について図42乃至図45を用いて説明する。
まず、図42(a)に示すように、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、半導体基板10を用意する。
次に、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、半導体基板10上の全面に、例えば熱酸化法により、シリコン酸化膜12を形成する。
次に、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、全面に、例えばCVD法により、シリコン窒化膜14を形成する。シリコン窒化膜14は、被研磨膜であるシリコン酸化膜12を研磨する際に、ストッパ膜として機能するものである。
次に、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、フォトリソグラフィ技術を用い、シリコン窒化膜14及びシリコン酸化膜12に半導体基板10に達する開口部16を形成する。
次に、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、開口部16が形成されたシリコン窒化膜14をマスクとして、半導体基板10を異方性エッチングする。こうして、半導体基板10に、幅が比較的広いトレンチ(溝)18cと、幅が比較的狭いトレンチ18dとが形成される。
まず、次に、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、全面に、例えば高密度プラズマCVD法により、シリコン酸化膜20を形成する。こうして、トレンチ18c、18d内にシリコン酸化膜20が埋め込まれる。トレンチ18c、18dが形成された半導体基板10上に被研磨膜20が形成されているため、被研磨膜20の表面には凹凸19が形成される。幅が比較的広いトレンチ18cの上方においては、被研磨膜20の表面に凹部19aが形成される。一方、素子領域22の上方においては、被研磨膜20の表面に凸部19bが形成される。また、幅が比較的狭いトレンチ18dの上方においても、被研磨膜20の表面に凸部19bが形成される。
次に、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、半導体基板10を、研磨ヘッド112a(図41参照)により支持する。この際、被研磨膜であるシリコン酸化膜20が下面側に位置するようにする。
次に、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、カルーセル110(図1参照)を反時計回りに90度程度回転させる。これにより、半導体基板10を支持する研磨ヘッド112aが、上面に研磨パッド104が設けられた研磨テーブル102a上に位置することとなる。
次に、CMP法により、半導体基板10に形成された被研磨膜20に対してメイン研磨を行う。メイン研磨は、以下のようにして行う。即ち、研磨ヘッド112aにより半導体基板10を回転させながら、研磨ヘッド112aを降下させ、被研磨膜20の表面を研磨パッド104の表面に押し付ける。この際、研磨テーブル102aを回転させるとともに、ノズル124aを介して研磨パッド104上に研磨剤を供給する。
メイン研磨の際における研磨条件は、以下の通りとする。
研磨ヘッド112aを研磨パッド104に押し付ける圧力、即ち、研磨圧力は、例えば100〜500g重/cm2とする。ここでは、研磨圧力を例えば280g重/cm2とする。
研磨ヘッド112aの回転数は、例えば70〜150回転/分とする。ここでは、例えば122回転/分とする。
研磨テーブル112aの回転数は、例えば70〜150回転/分とする。ここでは、例えば120回転/分とする。
研磨剤126の供給量は、例えば0.1〜0.3リットル/分の範囲とする。ここでは、例えば0.135リットル/分とする。研磨剤としては、第1実施形態と同様に、研磨砥粒と界面活性剤より成る添加剤とを含む研磨剤を用いる。
図45は、研磨剤の供給量及び純水の供給量を示すグラフである。横軸は時間を示しており、縦軸は研磨剤又は純水の供給量を示している。図45中において、点線は研磨剤の供給量を示しており、実線は純水の供給量を示している。
メイン研磨の際には、研磨砥粒(図示せず)と界面活性剤より成る添加剤24とを含む研磨剤が、研磨パッド104上に供給される。添加剤24は、被研磨膜20の表面に付着する。研磨が開始されると、凸部19b上の添加剤24は大きな圧力が加わることにより除去され、凹部19a上に添加剤24が選択的に残留する(図42(b)参照)。
メイン研磨の終点検出は、例えば、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、研磨テーブル102aの駆動電圧又は駆動電流の変化に基づいて行えばよい。こうして、被研磨膜20の表面が平坦化されたことが検出される。
こうして、被研磨膜であるシリコン酸化膜20の表面が平坦化され、メイン研磨が終了する。
なお、メイン研磨を行う際の条件は、上記に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
凹部19aが存在していた領域17aにおいては、メイン研磨が終了した時点においても、被研磨膜20の表面に添加剤24が多く付着している。一方、凸部19bが存在していた領域17bにおいては、被研磨膜20の表面に添加剤24があまり多く付着していない。即ち、幅が比較的広いトレンチ18cの上方においては、被研磨膜20の表面に添加剤24が多く付着している一方、素子領域22の上方や幅が比較的狭いトレンチ18dの上方においては、被研磨膜20の表面に添加剤24はあまり付着していない(図43(a)参照)。
なお、第1実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、研磨パッド104の目立てを、メイン研磨を行う前に行ってもよいし、メイン研磨中に行ってもよい。
研磨パッド104の目立てを行う際の条件は、例えば以下の通りとする。
ダイヤモンドディスク116が研磨パッド104aに加える荷重は、例えば1300〜4600g重とする。ダイヤモンドディスク116の回転数は、例えば70〜120回転/分とする。
次に、被研磨膜220の表面に付着している添加剤24を純水を用いて除去する(図43(b)参照)。添加剤24の除去は、以下のようにして行う。即ち、ノズル124cを介して、研磨パッド104上に純水を高圧で噴射するとともに、研磨ヘッド112aを回転させながら、被研磨膜20の表面を研磨パッド104に押し付ける。この際、研磨テーブル102bについても回転させる。
添加剤24を除去する際の条件は、例えば以下のように設定する。
純水の供給量は、例えば0.2〜10リットル/分の範囲とする。ここでは、例えば3リットル/分とする。
なお、ここでは、添加剤24を純水により除去する際に、研磨パッド104上に純水のみを供給する場合を例に説明したが(図45参照)、添加剤24を除去する際に、純水のみならず研磨剤が供給されていてもよい。但し、研磨剤の供給量に対する純水の供給量が十分に多くない場合には、被研磨膜の表面に付着した添加剤24を純水により供給することが困難である。従って、研磨剤の供給量に対して純水の供給量が十分に多いことが必要である。例えば、研磨剤の供給量に対する純水の供給量を、5倍以上に設定することが望ましい。更に望ましくは、研磨剤の供給量に対する純水の供給量を、7倍以上に設定することが望ましい。
純水を噴射する圧力は、例えば70〜7000g重/cm2の範囲とする。ここでは、例えば1750g重/cm2とする。
なお、純水を噴射する際の圧力は、上記に限定されるものではない。例えば、純水に圧力を加えることなく、研磨パッド104上に純水を供給するようにしてもよい。
添加剤24の除去を行う時間は、例えば1〜10秒程度とする。ここでは、例えば4秒とする。
研磨圧力は、例えば100〜500重/cm2の範囲とする。ここでは、研磨圧力を例えば210g重/cm2とする。
研磨ヘッド112aの回転数は、例えば70〜150回転/分の範囲とする。ここでは、研磨ヘッドの回転数を、例えば122回転/分とする。
研磨テーブル102aの回転数は、例えば70〜150回転/分の範囲とする。ここでは、研磨テーブルの回転数を、例えば120回転/分とする。
なお、添加剤24を除去する際の条件は、上記に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
こうして、被研磨膜20の表面に付着していた界面活性剤より成る添加剤24が、純水により除去される。
次に、仕上げ研磨を行う。仕上げ研磨は、以下のようにして行う。即ち、ノズル124aを介して、研磨パッド104上に研磨剤を供給するとともに、ノズル124bを介して、純水を研磨パッド104上に供給する。そして、研磨ヘッド112aを回転させながら、被研磨膜20を研磨パッド104表面に押し付ける。この際、研磨テーブル102bについても回転させる。
仕上げ研磨を行う際の条件は、例えば以下のように設定する。
研磨圧力は、例えば100〜500g重/cm2の範囲とする。ここでは、研磨圧力を例えば210g重/cm2とする。
研磨パッド104上に供給する研磨剤の供給量は、例えば0.05〜0.3リットル/分の範囲とする。ここでは、例えば0.1リットル/分とする。
研磨パッド104上に供給する純水の供給量は、例えば0.05〜0.3リットル/分の範囲とする。ここでは、例えば0.25リットル/分とする。
研磨ヘッド112aの回転数は、例えば70〜150回転/分の範囲とする。ここでは、研磨ヘッドの回転数を、例えば122回転/分とする。
研磨テーブル102aの回転数は、例えば70〜150回転/分の範囲とする。ここでは、研磨テーブルの回転数を、例えば120回転/分とする。
仕上げ研磨の時間は、例えば30秒程度とする。
なお、仕上げ研磨の終点検出を、例えば第2実施形態による半導体装置の製造方法と同様に、研磨テーブル102の駆動電圧又は駆動電流の変化に基づいて行うようにしてもよい。
また、仕上げ研磨を行う際の条件は、上記に限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
こうして、シリコン窒化膜14上のシリコン酸化膜20が除去され、仕上げ研磨が終了する(図44(a)参照)。
この後、図44(b)に示すように、シリコン窒化膜14及びシリコン酸化膜12をエッチング除去する。トレンチ18内に埋め込まれたシリコン酸化膜20より成る素子分離領域21により、素子領域22が画定される。
この後、素子領域22内に、トランジスタ等(図示せず)を形成する。
こうして、本実施形態による半導体装置が製造される。
本実施形態による半導体装置の製造方法は、上述したように、メイン研磨を行った後、仕上げ研磨を行う前に、被研磨膜20の表面に付着している添加剤24を純水を用いて除去することに主な特徴がある。
本実施形態によれば、仕上げ研磨を行う前に、被研磨膜20の表面に付着している添加剤24を除去するため、被研磨膜20の表面に添加剤24が付着している状態で仕上げ研磨が行われるのを防止することができる。このため、本実施形態によれば、素子領域22の上方に被研磨膜20が残ってしまうのを確実に防止することができ、ひいては、素子領域22上のシリコン窒化膜14及びシリコン酸化膜12を確実に除去することができる。
[変形実施形態]
本発明は上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態では、被研磨膜20がシリコン酸化膜であり、ストッパ膜14がシリコン窒化膜である場合を例に説明したが、被研磨膜20、ストッパ膜14の材料はこれらに限定されるものではない。研磨速度が互いに異なる材料であれば、被研磨膜20とストッパ膜14の材料として適宜用いることができる。例えば、被研磨膜20がシリコン酸化膜であり、ストッパ膜14がシリコン膜であってもよい。
また、上記実施形態では、トレンチ18を形成した後、トレンチ18内を埋め込むようにシリコン酸化膜20を形成したが、トレンチ18を形成した後、図41に示すように、被研磨膜となるシリコン酸化膜20を形成する前に、トレンチ18の内壁にシリコン酸化膜46とシリコン窒化膜48とを順次形成してもよい。図46は、変形実施形態による半導体装置の製造方法を示す平面図及び断面図である。図46(a)は平面図であり、図46(b)は図46(a)のA−A′線断面図である。
また、上記実施形態では、研磨剤に含まれる研磨砥粒が酸化セリウムである場合を例に説明したが、研磨剤に含まれる研磨砥粒は酸化セリウムに限定されるものではない。他のあらゆる研磨砥粒を用いることが可能である。例えば、研磨砥粒として酸化シリコン(シリカ)を用いてもよい。
また、第3実施形態では、検査用パターン38a、38bをスクライブライン上に形成したが、検査用パターンを形成する領域はスクライブライン上に限定されるものではなく、例えばチップ領域内に形成してもよい。
(付記1)
研磨砥粒と界面活性剤より成る添加剤とを含む研磨剤を研磨パッド上に供給しながら、半導体基板上に形成された被研磨膜の表面を前記研磨パッドを用いて研磨し、前記被研磨膜の表面を平坦化する工程と、
前記被研磨膜の表面が平坦化された後、前記研磨剤と水とを研磨パッド上に供給しながら、前記被研磨膜の表面を前記研磨パッドを用いて更に研磨する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記2)
付記1記載の半導体装置の製造方法において、
前記被研磨膜の表面を更に研磨する際には、前記研磨剤を供給する位置より外側の位置に前記水を供給する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記3)
付記1又は2記載の半導体装置の製造方法において、
前記被研磨膜の表面を更に研磨する工程では、前記研磨剤の供給量に対する前記水の供給量の比を2以上に設定する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記4)
研磨砥粒と界面活性剤より成る添加剤とを含む研磨剤を研磨パッド上に供給しながら、半導体基板上に形成された被研磨膜の表面を前記研磨パッドを用いて研磨し、前記被研磨膜の表面を平坦化する工程と、
前記被研磨膜の表面が平坦化された後、研磨パッド上に少なくとも水を供給しながら、前記被研磨膜の表面を前記研磨パッドを用いて更に研磨する工程とを有し、
前記被研磨膜の表面を更に研磨する工程では、前記研磨テーブル又は前記研磨ヘッドの、駆動電流又は駆動電圧が、減少から増加に転じて更に減少し始めたことに基づいて、研磨の終点を検出する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記5)
付記4記載の半導体装置の製造方法において、
前記被研磨膜の表面を更に研磨する工程では、前記被研磨膜を平坦化する工程における研磨圧力より低い研磨圧力で、前記被研磨膜の表面を研磨する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記6)
付記5記載の半導体装置の製造方法において、
前記被研磨膜の表面を更に研磨する工程では、60〜300g重/cm2の研磨圧力で、前記被研磨膜の表面を研磨する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記7)
付記4乃至6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記被研磨膜の表面を平坦化する工程は、第1の研磨圧力で前記被研磨膜の表面を研磨する第1の研磨工程と、前記第1の研磨圧力より低い第2の研磨圧力で前記被研磨膜の表面を研磨する第2の研磨工程とを含む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記8)
付記7記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の研磨工程では、研磨テーブル又は前記研磨ヘッドの、駆動電流又は駆動電圧が減少し始めたことに基づいて、研磨の終点を検出する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記9)
付記7又は8記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2の研磨工程では、研磨テーブル又は前記研磨ヘッドの、駆動電流又は駆動電圧の増加が終了したことに基づいて、研磨の終点を検出する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記10)
付記7乃至9のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の研磨工程又は前記第2の研磨工程では、研磨の終点を検出した後、前記被研磨膜の表面を更に所定時間研磨する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記11)
付記1乃至10のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記被研磨膜の表面を平坦化する工程の前に、前記半導体基板上に前記被研磨膜と異なる研磨特性を有する絶縁膜を形成する工程と;前記絶縁膜に開口部を形成する工程と;前記絶縁膜をマスクとして前記半導体基板をエッチングし、前記半導体基板に溝を形成する工程と;前記溝内及び前記絶縁膜上に前記被研磨膜を形成する工程とを更に有し、
前記被研磨膜の表面を更に研磨する工程では、前記絶縁膜をストッパとして前記被研磨膜の表面を研磨する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記12)
半導体基板又は絶縁膜に、第1の被検査溝と、前記第1の被検査溝より面積が大きい第2の被検査溝とを含む複数の溝を形成する工程と、
前記溝内を埋め込むように、被研磨膜を形成する工程と、
研磨剤を研磨パッド上に供給しながら、前記被研磨膜の表面を前記研磨パッドを用いて研磨し、前記被研磨膜の表面を研磨する工程と、
前記被研磨膜の表面が平坦化された後、研磨パッド上に少なくとも水を供給しながら、前記被研磨膜の表面を前記研磨パッドを用いて更に研磨する工程と、
前記第1の被検査溝内に埋め込まれた前記被研磨膜の膜厚と前記第2の被検査溝内に埋め込まれた前記被研磨膜の膜厚との差が、予め定められた検査規格を満たすか否かを検査する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記13)
付記12記載の半導体装置の製造方法において、
前記研磨剤は、研磨砥粒と界面活性剤より成る添加剤とを含む
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記14)
付記12又は13記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の被検査溝が形成されている領域の面積は、1000〜3600μm2であり、
前記第2の被検査溝が形成されている領域の面積は、7000μm2以上である
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記15)
付記12乃至14のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記複数の溝を形成する工程では、スクライブライン上に前記第1の被検査溝及び前記第2の被検査溝を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記16)
付記12乃至14のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記複数の溝を形成する工程では、チップ領域内に前記第1の被検査溝及び前記第2の被検査溝を形成する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記17)
付記4乃至16のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記被研磨膜の表面を更に研磨する工程では、前記研磨パッド上に前記研磨剤をも供給しながら、前記被研磨膜の表面を研磨する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記18)
研磨砥粒と界面活性剤より成る添加剤とを含む研磨剤を研磨パッド上に供給しながら、半導体基板上に形成された被研磨膜の表面を前記研磨パッドを用いて研磨し、前記被研磨膜の表面を平坦化する工程と、
前記被研磨膜の表面が平坦化された後、水を前記研磨パッド上に供給しながら、前記被研磨膜の表面に付着している前記添加剤を除去する工程と、
前記研磨剤と水とを研磨パッド上に供給しながら、前記被研磨膜の表面を研磨パッドを用いて更に研磨する工程と
を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記19)
付記18記載の半導体装置の製造方法において、
前記添加剤を除去する工程では、前記研磨剤の供給量の5倍以上の水を前記研磨パッド上に供給しながら、前記被研磨膜の表面に付着している前記添加剤を除去する
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記20)
付記1乃至19のいずれかに記載の半導体装置の製造方法において、
前記研磨砥粒は、酸化セリウム又は酸化シリコンより成り、
前記添加剤は、ポリアクリル酸アンモニウム塩より成る
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。