JP2010065417A - プレキャスト部材の接合構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プレキャスト部材2の接合端面2aを既設部材3の接合端面3aに突き合わせて接合した接合構造1Aであって、プレキャスト部材2及び既設部材3に主筋20,30が配筋されるとともに、プレキャスト部材2及び既設部材3の接合端面2a,3aに凹部2b,3bが形成され、各主筋20,30の先端部に設けられた継手部材21,31が対向した状態で凹部2b,3b内に配置されており、両継手部材21,31の間に接着材A1を介在させることで、両継手部材21,31を連結していることを特徴としている。
【選択図】図1
Description
また、プレキャスト部材及び既設部材の各主筋の先端部に設けられた継手部材を連結することで、両主筋を連結しているため、各主筋の先端部を重ね合わせる従来の接合構造のように、プレキャスト部材や既設部材の接合端面から主筋を突出させる必要がない。したがって、一体のプレキャスト部材の容積が小さくなり、多数のプレキャスト部材を施工現場に搬入するときに、一台のトラックに積載可能な個数が多くなるため、搬入効率を高めることができる。
また、プレキャスト部材や既設部材の接合端面から主筋を突出させる必要がないため、接合構造における鋼材の重量を小さくすることができる。
また、プレキャスト部材及び既設部材の各主筋の先端部を重ね合わせることなく連結しているため、各主筋の先端部を重ね合わせる従来の接合構造のように、プレキャスト部材や既設部材の接合端面から主筋を突出させる必要がない。したがって、一体のプレキャスト部材の容積が小さくなり、多数のプレキャスト部材を施工現場に搬入するときに、一台のトラックに積載可能な個数が多くなるため、搬入効率を高めることができる。
また、プレキャスト部材や既設部材の接合端面から主筋を突出させる必要がないため、接合構造における鋼材の重量を小さくすることができる。
なお、各実施形態の説明において、同一の構成要素に関しては同一の符号を付し、重複した説明は省略するものとする。
まず、第一実施形態の接合構造について説明する。
第一実施形態の接合構造1Aは、図1(a)及び(b)に示すように、プレキャスト部材2の接合端面2aを既設部材3の接合端面3aに突き合わせて接合したものである。
接合構造1Aでは、プレキャスト部材2及び既設部材3の各主筋20,30の先端部に設けられた継手部材21,31が、プレキャスト部材2及び既設部材3の接合端面2a,3aに形成された凹部2b,3b内で箱体40内に収容され、箱体40内には接着材Aが充填されており、両継手部材21,31の間に接着材A1を介在させることで、両継手部材21,31が連結されている。
プレキャスト部材2の接合端面2a側の縁部には、主筋20の先端部に対応する位置に凹部2bが形成されている。この凹部2bは、直方体状に形成され、プレキャスト部材2の接合端面2a及び外面2cに開口しており、内部には主筋20の先端部が露出している。
既設部材3の接合端面3a側の縁部には、主筋30の先端部に対応する位置に凹部3bが形成されている。この凹部3bは、直方体状に形成され、既設部材3の接合端面3a及び外面3cに開口しており、内部には主筋30の先端部が露出している。
挿入溝42aには、図2(b)に示すように、上方から主筋30が挿入されており、主筋30の先端部に取り付けられた継手部材31が箱体40内に収容されている。
また、挿入溝42aにおいて、挿入された主筋30よりも上方の部位は、長方形の板状部材である閉塞板42bによって塞がれている。閉塞板42bは、箱体40の側面42に固着されている。
挿入溝41aには主筋20が挿入され、主筋20の先端部に取り付けられた継手部材21が箱体40内に収容されている。また、挿入溝41aは、主筋20よりも上方の部位は閉塞板41bによって塞がれている(図2(b)参照)。
これにより、プレキャスト部材2の接合端面2aに形成された凹部2bと、既設部材3の接合端面3aに形成された凹部3bとが連結し、プレキャスト部材2と既設部材3との境界部に凹状の空間が形成される。この凹状の空間内では、プレキャスト部材2の主筋20に取り付けられた継手部材21の連結面21bと、既設部材3の主筋30に取り付けられた継手部材31の連結面31bとが所定間隔を離して対向している。
さらに、箱体40の側面41,42に閉塞板41b、42bを取り付け、各挿入溝41a,42aに挿入された各主筋20,30よりも上方を塞いだ後に、箱体40内に接着材A1を充填する。この実施形態では、接着材A1として溶融金属を箱体40内に充填しており、両継手部材21,31は、箱体40内で接着材A1の中に埋め込まれ、両継手部材の間に接着材A1が介在している。そして、箱体40内で硬化した接着材A1の接着力によって、両継手部材21,31が連結されている。
例えば、前記第一実施形態では、図1(a)及び(b)に示すように、プレキャスト部材2及び既設部材3の接合端面2a,3aを平面に形成しているが、プレキャスト部材2の接合端面2aに形成した凸部と、既設部材3の接合端面3aに形成した凹部とが嵌り合うように構成することもできる。
この構成では、プレキャスト部材2の接合端面2aに形成した凸部がせん断キーの役割りを果たすことになり、プレキャスト部材2の接合端面2aと既設部材3の接合端面3aとの間のせん断力の伝達性能を高めることができる。
なお、プレキャスト部材2の接合端面2aに凹部を形成し、既設部材3の接合端面3aに凸部を形成してもよい。
次に、第二実施形態の接合構造について説明する。
第二実施形態の接合構造1Bでは、図3(a)及び(b)に示すように、プレキャスト部材2の主筋20に取り付けられた継手部材21の連結面21bと、既設部材3の主筋30に取り付けられた継手部材31の連結面31bとが、プレキャスト部材2及び既設部材3の凹部2b,3b内で所定間隔を離して対向しており、両継手部材21,31の間に接着材A2を介在させることで、両継手部材21,31が連結されている。
接合構造1Bを構築するときには、各継手部材21,31の間の外周部をテープTによって覆った状態で、両継手部材21,31の間に液体状の接着材A2を充填しており(図3(b)参照)、両継手部材21,31の間で硬化した接着材A2の接着力によって、両継手部材21,31が連結されている。
なお、液体状の接着材A2としては、無機系、有機系など各種の接着材を用いることができる。
次に、第三実施形態の接合構造について説明する。
第三実施形態の接合構造1Eでは、図6(a)に示すように、プレキャスト部材2及び既設部材3の各主筋20,30の先端部が、円筒状の連結部材50内に挿入された状態で(図6(b)参照)、プレキャスト部材2及び既設部材3の接合端面2a,3aに形成された凹部2b,3b内に配置され、連結部材50内には接着材A5が充填されており、両主筋20,30の先端部の間に接着材A5を介在させることで、両主筋20,30の先端部が連結されている。
各主筋20,30の先端部は、接触することなく所定間隔を離して対向した状態で、連結部材50内に配置されており、両主筋20,30の先端部の間で硬化した液体状又は半固体状の接着材A5の接着力によって、両主筋20,30の先端部が連結されている。
1B 接合構造(第二実施形態)
1C 接合構造(第二実施形態の変形例)
1D 接合構造(第二実施形態の変形例)
1E 接合構造(第三実施形態)
2 プレキャスト部材
2a 接合端面
2b 凹部
3 既設部材
3a 接合端面
3b 凹部
20 主筋
21 継手部材
21b 連結面
30 主筋
31 継手部材
31b 連結面
40 箱体
41a 挿入溝
41b 閉塞板
42a 挿入溝
42b 閉塞板
T テープ
50 連結部材
A1 接着材(第一実施形態)
A2 接着材(第二実施形態)
A3 接着材(第二実施形態の変形例)
A4 接着材(第二実施形態の変形例)
A5 接着材(第三実施形態)
Claims (5)
- プレキャスト部材の接合端面を既設部材の接合端面に突き合わせて接合した接合構造であって、
前記プレキャスト部材及び前記既設部材に主筋が配筋されるとともに、前記プレキャスト部材及び前記既設部材の接合端面に凹部が形成され、
前記各主筋の先端部に設けられた継手部材が対向した状態で前記凹部内に配置されており、
前記両継手部材の間に接着材を介在させることで、前記両継手部材を連結していることを特徴とするプレキャスト部材の接合構造。 - 前記両継手部材が箱体内に収容されていることを特徴とする請求項1に記載のプレキャスト部材の接合構造。
- 前記両継手部材の間の外周部が、被覆部材によって覆われていることを特徴とする請求項1に記載のプレキャスト部材の接合構造。
- 前記両継手部材の間に、固体状の前記接着材が挿入されていることを特徴とする請求項1に記載のプレキャスト部材の接合構造。
- プレキャスト部材の接合端面を既設部材の接合端面に突き合わせて接合した接合構造であって、
前記プレキャスト部材及び前記既設部材に主筋が配筋されるとともに、前記プレキャスト部材及び前記既設部材の接合端面に凹部が形成され、
前記各主筋の先端部が対向した状態で前記凹部内に配置され、前記各主筋の先端部は筒状の連結部材内に挿入されており、
前記連結部材内に接着材を充填することで、前記両主筋の先端部を連結していることを特徴とするプレキャスト部材の接合構造。
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