JP2010065345A - ポリウレタンウレア弾性繊維 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】N,N’−ジメチルアセトアミド溶媒中で溶液重合法により得られる硬度80A以下30A以上であるポリウレタン重合体を、5重量%以上40重量%以下含有することを特徴とするポリウレタンウレア弾性繊維。
【選択図】なし
Description
ポリウレタン弾性繊維は、主としてセグメント化ポリウレタンからなる弾性繊維であり、高分子量ポリオール、ジイソシアネート、鎖延長剤を主原料としたブロック共重合体を基本としており、化学構造的には屈曲性に富むソフトセグメントと、水素結合による強い分子間力により結合構造をつくりやすいハードセグメントから構成される。ハードセグメントの水素結合力は、耐熱性などの物性に大きく影響し、「ソフトセグメント分子量」/「ハードセグメント分子量」の比が小さいほど耐熱性に優れる。そして、ハードセグメントを構成する鎖延長剤の種類によって、低分子ジアミンを用いウレア結合を有するポリウレタンウレア重合体と、低分子ポリオールを用いウレタン結合からなるポリウレタン重合体に分類することができる。また、ウレア結合の方がウレタン結合よりも水素結合が強いため、ポリウレタンウレア重合体の方が耐熱性に優れ、現在生産されているポリウレタン弾性繊維の原料の主流となっている。本明細書中では、このようなポリウレタンウレア重合体を主成分としてなる弾性繊維をポリウレタンウレア弾性繊維と称する。ポリウレタン重合体を主成分としてなる弾性繊維はポリウレタンウレア弾性繊維に比べて耐熱性や回復性に劣るが、比較的低温で熱セットできるという特性を活かし、例えばウール織物やゾッキパンストなどの分野に用いられる。
また、通常の製品において、裁断したままの状態では縁部がほつれてしまうため、ほつれ防止をするために、何らかの縁始末が行われている。例えば、裁断した縁部を折り返して2重にして縫合したり、テープ等の別布で包み込んで縫製するのが一般的である。しかし、これらの縁始末や縫製といったほつれ止めの後処理作業は、衣料製品の生産工程において手間がかかり、経済的にも大きな負担となる。しかも、このように縁始末や縁部の縫製を施した衣料製品では、その上にアウターウェアを着用した際に、アウターウェアに段差が凸状になって現れ、外観を損なう。また、ポリウレタンウレア弾性繊維を用いた衣料は、ファンデーション、パンティストッキングなどの体に直接フィットさせる製品が多く、厚くなった縁部が着用感を低下させるという問題もある。
例えば、編組織が非弾性糸と弾性糸とを同行させた1×1編み組織で、かつ各編針において非弾性糸と弾性糸のうち少なくとも一方が閉じ目により編成された経編地からなる縁始末不要な生地を用いた衣類が提案されている(特許文献1参照)。
また、低融点のポリウレタン重合体を主成分としてなる弾性繊維を用い、それ以外の糸をプレーティング編により編みたて、ヒートセット加工を施したほつれ止め機能がある編地を用い、同様に切りっぱなし開口部を有する衣類が提案されている。(特許文献2又は3参照)
しかしながら、低融点のポリウレタン重合体を主成分としてなる弾性繊維は、生地や製品を型止めするためのセット工程や、染色工程での熱による物性低下が大きく、ポリウレタンウレア弾性繊維が通常使用される温度条件では、生地の回復性能低下や、糸切れが起こることがあり、この生地を使用する製品では、加工条件に熱的制約が生じる可能性がある。
1.N,N’−ジメチルアセトアミド溶媒中で溶液重合法により得られる硬度80A以下30A以上であるポリウレタン重合体を、5重量%以上40重量%以下含有することを特徴とするポリウレタンウレア弾性繊維
2.ポリウレタン重合体がポリエーテル系ポリウレタン重合体である、第1記載のポリウレタンウレア弾性繊維
3.ポリウレタン重合体が架橋型ポリウレタン重合体である、第1または第2に記載のポリウレタンウレア弾性繊維
4.ポリウレタン重合体の架橋量が0.05×10−5mol/g以上、50×10−5mol/g以下であることを特徴とする第1から第3のいずれかに記載のポリウレタンウレア弾性繊維
5.ポリウレタン重合体のK値が1.2以上3.0以下であることを特徴とする第1から第4のいずれかに記載のポリウレタンウレア弾性繊維
6.ポリウレタン重合体の溶液と、ポリウレタンウレア重合体の溶液を混合して得られる紡糸原液から、乾式紡糸法により紡糸されることを特徴とする第1から第5に記載のポリウレタンウレア弾性繊維
熱合着性能とは、ポリウレタンウレア弾性繊維の熱変形を利用して、生地中の糸を拘束させる性能である。熱合着性能の高いポリウレタンウレア弾性繊維を使った布帛に熱を加えることでポリウレタンウレア弾性繊維同士の接点、または、ポリウレタンウレア弾性繊維と相手繊維との接点で、ポリウレタンウレア弾性繊維が大きく熱変形し糸同士の接点が拘束される。熱合着は、熱融着のようにポリウレタン弾性繊維の熱融解作用を利用するものではなく、熱変形作用を利用するものである。
また、溶媒に溶解しやすいポリウレタン重合体であっても、溶質の濃度が上昇するにつれて溶解速度が低下するため、ポリウレタン重合体を20重量%より高い濃度で短時間に溶解させることは困難である。そのため、ポリウレタン重合体を溶解させて20重量%より高い濃度の溶液を調整しようとすると溶解時間が長時間となり、ポリウレタン重合体の分子量低下、架橋構造の破壊、更にはそれらに由来する、黄変、物性低下が懸念される。
また、得られたポリウレタン重合体の溶液は容易にポリウレタンウレア弾性繊維の紡糸原液に混合することができるため、物理的性能の低下を起こさずにポリウレタン重合体をポリウレタンウレア弾性繊維に含有させることが出来る。
本発明においては、ポリウレタンウレア弾性繊維は、N,N’−ジメチルアセトアミド溶媒中で溶液重合法により得られるポリウレタン重合体を含有することを特徴とするものである。
本発明に用いることができるポリウレタン重合体を製造する方法に関しては、公知のポリウレタン化反応の技術を用いることができる。例えば、ポリアルキレンエーテルグリコールとジイソシアネートをジイソシアネート過剰の条件下で反応させ、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを合成し、次いで、このウレタンプレポリマーをジオールで鎖伸長反応を行い、ポリウレタン重合体を得ることができる。
本発明に用いられるポリウレタン重合体のK値は、1.2以上3.0以下とするものである。
K=(ジイソシアネートに由来するNCO基モル数)/(ポリエーテル系ジオールに由来するOH基モル数)
K値を3.0以下とすることで、ポリウレタン重合体が熱変形しやすくなり、ポリウレタンウレア弾性繊維に良好な熱合着性能を付与することが出来る。ポリウレタンウレア弾性繊維により高い熱合着性を付与する観点から、K値は2.8以下がより好ましく、特に好ましくは2.5以下である。また、K値を1.2以上とすることで、ポリウレタン重合体に適度な耐熱性を付与することができるため、安定的な紡糸が出来る。紡糸工程の安定性の観点からK値は、より好ましくは1.5以上、特に好ましくは2.0以上である。
高分子ポリオールとしては、実質的に線状のホモ又は共重合体からなる各種ジオール、例えば、ポリエーテルジオール、ポリエステルアミドジオール、ポリアクリルジオール、ポリチオエステルジオール、ポリチオエーテルジオール、ポリカーボネートジオール又はこれらの混合物又はこれらの共重合物等が挙げられる。好ましくはポリアルキレンエーテルグリコールであり、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラオキシメチレングリコール、ポリオキシペンタメチレングリコール、ポリエステルジオール、テトラメチレン基と2,2−ジメチルプロピレン基から成る共重合ポリエーテルグリコール、テトラメチレン基と3−メチルテトラメチレン基から成る共重合ポリエーテルグリコール又はこれらの混合物等である。中でも、優れた弾性機能を示す、ポリテトラオキシメチレングリコール、テトラメチレン基と2,2−ジメチルプロピレン基から成る共重合ポリエーテルグリコールが好適であり、数平均分子量としては500以上5,000以下が好ましい。より好ましい数平均分子量は、1,000以上3,000以下である。
本発明中のポリウレタンウレア弾性繊維は、後述の評価方法にて、190℃でポリウレタンウレア弾性繊維同士の熱合着剥離応力が0.25cN/dt以上であることを特徴とする。熱合着剥離応力が0.25cN/dt以上とすることで、製品生地のほつれ防止機能を得ることができる。生地中でほつれ防止機能を発現させる観点から、ポリウレタンウレア弾性繊維同士の熱合着剥離応力は0.30cN/dt以上であることが好ましく、0.40cN/dt以上であることがより好ましい範囲である。
本発明のポリウレタンウレア弾性繊維は、ジメチルシリコーンを1.0%以上6.0%以下含有することが好ましい。1.0%以上ジメチルシリコーンを含有することで、ポリウレタンウレア弾性繊維を使用する際に、パッケージからの糸の解じょが良好となり、経時での解じょ性の低下を抑制することができる。
ポリウレタンウレア弾性繊維の紡糸原液には、通常用いられる他の化合物、例えば紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤、耐ガス着色防止剤、耐塩素剤、着色剤、艶消し剤、滑剤、充填剤等を添加してもよい。
以下にポリウレタンウレア弾性繊維の性能評価のための各評価方法について述べる。
(1)硬度
ポリウレタン重合体の厚さ6mm以上の平板上試験片を作成し、JIS−K7311記載のデュロメーター硬さ試験機を用いる方法で測定する。溶液重合法で作成したポリウレタン重合体の硬度を測定する場合は以下の方法で行う。まず、平滑なガラス板上にアプリケーターを用いて厚さ0.6mmで均一にポリウレタン重合体の溶液をキャストし、これを70℃16時間で、溶媒を乾燥除去して厚さ約0.2mmのフィルム状のポリウレタン重合体を作成する。その後、このフィルム細かくハサミで裁断し、テフロン(登録商標)製容器内で180℃60分間加熱し融解させ、厚さ6mm以上の試験片を作成し硬度を測定した。
5cm幅でサンプリング(両端は両面テープに挟んで固定)した2本の試験糸を、図1のように中心で交絡させ、1cmの間隔を空けて金型に固定する。原糸が100%伸長となるように伸長させた状態で、湯洗を90℃10分間行った後、乾熱で190℃1分間処理する。処理後、金枠からサンプルを外し、交絡を解除して、合着部だけで2本が接する状態にする。各々の試験糸両端は重ねておく。引張試験機(オリエンテック(株)社製UTM−III−100型(商品名))を用い、各々の試験糸両端を試験機上下チャックにあわせてつかみセットする。50cm/分で引張り合着部が剥がれる際の最大応力P(cN)を測定し、ポリウレタンウレア弾性繊維サンプルの繊度(dt)で除する。
ポリウレタン重合体5gを3,000ppmのnブチルアミン(nBA)/ジメチルホルムアミド溶液95gに浸漬し、試験瓶中で40℃×4時間処理をして試験液とする。
次いで、試験液を、ブロムフェノールブルーを指示薬として、0.1Nの塩酸/メタノール溶液で滴定を行い残余アミン量(mol)を求める。
更にポリウレタン重合体を入れないで同様にして処理したnBA/ジメチルホルムアミドを、ブロモフェノールブルーを指示薬として、0.1N塩酸/メタノールで滴定を行いアミン量(mol)を求め、これをリファレンスとする。
そして、レファレンスのアミン量と残余アミン量の差を架橋結合と反応した(架橋結合の分解に消費した)アミン量と定義し、ポリウレタン重合体の架橋量(mol/g)を計算する。
K値=2.0となるように、数平均分子量1830のポリテトラオキシメチレングリコール(PTMG)を160.00重量部、4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート(MDI)43.77重量部、N,N’−ジメチルアセトアミド(DMAc)109.72重量部を乾燥窒素雰囲気下で、30℃において2時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマー溶液を得た。前記プレポリマーに対して1,4−ブタンジオール8.12重量部とN,N’−ジメチルアセトアミド283.79重量部を加え70℃において4時間、攪拌下で反応させて、ポリウレタン重合体がN,N’−ジメチルアセトアミドに均一に溶解した溶液を得た。前記ポリウレタン重合体の溶液に4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート0.30重量部、N,N’−ジメチルアセトアミド0.56重量部を添加し70℃において攪拌下で反応させることで、架橋構造を持ったポリウレタン重合体の溶液PU1(濃度35%)を得た。
また別に、数平均分子量1830のポリテトラオキシメチレングリコールに対し、K値=1.6となるように4,4’−ジフェニルメタンイソシアネートを加え、乾燥窒素雰囲気下、80℃において3時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマーを得た。これを室温まで冷却した後、N,N’−ジメチルアセトアミドを加え、溶解してポリウレタンプレポリマー溶液を得た。エチレンジアミン及びジエチルアミンをN,N’−ジメチルアセトアミドに溶解した溶液を用意し、これを前記プレポリマー溶液に室温下添加して、固形分濃度30%、粘度450Pa・s(30℃)のポリウレタンウレア重合体の溶液PAを得た。
この紡糸原液を紡速800m/分、熱風温度310℃で乾式紡糸し、得られたポリウレタンウレア弾性繊維をパッケージに巻き取られる前に、仕上げ剤として、ポリジメチルシロキサン80重量%、鉱物油18重量%、ステアリン酸マグネシウム2重量%からなる油剤を、ポリウレタン弾性繊維に対して4重量%付与し、紙管に巻き取ることで、33デシテックス/2フィラメントのポリウレタンウレア弾性繊維を得た。
実施例1と同様の操作により、ポリウレタンウレア重合体とポリウレタン重合体の重量比が75:25となるようにPAとPU1を混合した後、33デシテックス/2フィラメントのポリウレタンウレア弾性繊維を得た。
実施例1と同様の操作により、ポリウレタンウレア重合体とポリウレタン重合体の重量比が65:35となるようにPAとPU1を混合した後、33デシテックス/2フィラメントのポリウレタンウレア弾性繊維を得た。
K値=1.2となるように、実施例1のPU1の代わりに、数平均分子量1830のポリテトラオキシメチレングリコール160.00重量部に対して、4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート26.26重量部、N,N’−ジメチルアセトアミド100.29重量部を加え、乾燥窒素雰囲気下、30℃において2時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマー溶液を得た。前記プレポリマーに対して1,4−ブタンジオール1.62重量部とN,N’−ジメチルアセトアミド248.63重量部を加え70℃において4時間、攪拌下で反応させて、ポリウレタン重合体がN,N’−ジメチルアセトアミドに均一に溶解した溶液を得た。前記ポリウレタン重合体の溶液に4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート0.15重量部、N,N’−ジメチルアセトアミド0.28重量部を添加し70℃において攪拌下反応させることで、架橋構造を持ったポリウレタン重合体の溶液PU2(濃度35%)を得た。
PU2中のポリウレタン重合体の硬度は36Aであり、架橋量は0.4×10−5(mol/g)であった。
実施例1と同様の操作により、ポリウレタンウレア重合体とポリウレタン重合体の重量比が80:20となるようにPAとPU2を混合し、33デシテックス/2フィラメントのポリウレタンウレア弾性繊維を得た。
K値=2.5となるように、実施例1のPU1の代わりに、数平均分子量1830のポリテトラオキシメチレングリコール160.00重量部に対して、4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート54.71重量部、N,N’−ジメチルアセトアミド115.61重量部を加え、乾燥窒素雰囲気下、30℃において2時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマー溶液を得た。前記プレポリマーに対して1,4−ブタンジオール12.17重量部とN,N’−ジメチルアセトアミド305.74重量部を加え70℃において4時間、攪拌下で反応させて、ポリウレタン重合体がN,N’−ジメチルアセトアミドに均一に溶解した溶液を得た。前記ポリウレタン重合体の溶液に4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート0.4重量部、N,N’−ジメチルアセトアミド0.74重量部を添加し70℃において攪拌下反応させることで、架橋構造を持ったポリウレタン重合体の溶液PU3(濃度35%)を得た。
PU3中のポリウレタン重合体の硬度は70Aであり、架橋量は2.4×10−5(mol/g)であった。
実施例1と同様の操作により、ポリウレタンウレア重合体とポリウレタン重合体の重量比が80:20となるようにPAとPU3を混合し、33デシテックス/2フィラメントのポリウレタンウレア弾性繊維を得た。
K値=2.2となるように、実施例1のポリウレタン重合体の溶液PU1の代わりに、数平均分子量1830のポリテトラオキシメチレングリコール160.00重量部に対し、4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート48.15重量部を加え、乾燥窒素雰囲気下、85℃において3.5時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマーを得た。前記プレポリマーに対して1,4−ブタンジオール9.74重量部を添加し均一に攪拌した後、150℃において12時間加熱しポリウレタン重合体を得た。
このポリウレタン重合体の硬度は66Aであり、架橋量は2.0×10−5(mol/g)であった。
結果として、上記ポリウレタン重合体を混合したポリウレタンウレア紡糸原液を得ることが出来なかった。
実施例1のポリウレタン重合体の溶液PU1の代わりに、K値=2.7となるように、数平均分子量1830のポリテトラオキシメチレングリコール160.00重量部に対し、4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート59.09重量部を加え、乾燥窒素雰囲気下、85℃において3.5時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマーを得た。前記プレポリマーに対して1,4−ブタンジオール13.80重量部を添加し均一に攪拌した後、150℃において12時間加熱しポリウレタン重合体を得た。
前記ポリウレタン重合体の硬度は85Aであり、架橋量は5.0×10−5(mol/g)であった。
実施例1と同様の操作により、ポリウレタンウレア重合体とポリウレタン重合体の重量比が80:20となるようにPAとPU5を混合し、33デシテックス/2フィラメントのポリウレタンウレア弾性繊維を得た。
実施例1のPU1の代わりに、K値=3.1となるように、数平均分子量1830のポリテトラオキシメチレングリコール160.00重量部に対して、4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート67.84重量部、N,N’−ジメチルアセトアミド122.68重量部を加え、乾燥窒素雰囲気下、30℃において2時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマー溶液を得た。前記プレポリマーに対して1,4−ブタンジオール17.04重量部とN,N’−ジメチルアセトアミド332.10重量部を加え70℃において4時間、攪拌下で反応させて、N,N’−ジメチルアセトアミドに均一に溶解したポリウレタン重合体の溶液を得た。前記ポリウレタン重合体の溶液に4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート0.50重量部、N,N’−ジメチルアセトアミド0.93重量部を添加し70℃において攪拌下反応させることで、架橋構造を持ったポリウレタン重合体の溶液PU6(濃度35%)を得た。
PU6中のポリウレタン重合体の硬度は90Aであり、架橋量は6.2×10−5(mol/g)であった。
実施例1と同様の操作により、ポリウレタンウレア重合体とポリウレタン重合体の重量比が80:20となるようにPAとPU6を混合し、33デシテックス/2フィラメントのポリウレタンウレア弾性繊維を得た。
実施例1と同様の操作により、ポリウレタンウレア重合体とポリウレタン重合体の重量比が50:50となるようにPAとPU1を混合し、33デシテックス/2フィラメントのポリウレタンウレア弾性繊維の紡糸を試みたが、糸切れ頻度が高く数分間しかパッケージに巻き取ることができなかった。
実施例1のPU1の代わりに、K値=2.7となるように、数平均分子量1830のポリテトラオキシメチレングリコール160.00重量部に対して、4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート59.09重量部、N,N’−ジメチルアセトアミド117.97重量部を加え、乾燥窒素雰囲気下、30℃において2時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマー溶液を得た。前記プレポリマーに対して1,4−ブタンジオール13.80重量部とN,N’−ジメチルアセトアミド314.54重量部を加え70℃において4時間、攪拌下で反応させて、N,N’−ジメチルアセトアミドに均一に溶解したポリウレタン重合体の溶液を得た。前記ポリウレタン重合体の溶液に4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート0.50重量部、N,N’−ジメチルアセトアミド0.93重量部を添加し70℃において攪拌下反応させることで、架橋構造を持ったポリウレタン重合体の溶液PU7(濃度35%)を得た。
PU7中のポリウレタン重合体の硬度は85Aであり、架橋量は4.5×10−5(mol/g)であった。
実施例1と同様の操作により、ポリウレタンウレア重合体とポリウレタン重合体の重量比が80:20となるようにPAとPU7を混合し、33デシテックス/2フィラメントのポリウレタンウレア弾性繊維を得た。
実施例1のPU1の代わりに、K値=1.2となるように、数平均分子量1830のポリテトラオキシメチレングリコール160.00重量部に対して、4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート26.26重量部、N,N’−ジメチルアセトアミド100.29重量部を加え、乾燥窒素雰囲気下、30℃において2時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマー溶液を得た。前記プレポリマーに対して1,4−ブタンジオール1.62重量部とN,N’−ジメチルアセトアミド248.63重量部を加え70℃において4時間、攪拌下で反応させて、ポリウレタン重合体がN,N’−ジメチルアセトアミドに均一に溶解した溶液PU8(濃度35%)を得た。
PU8中のポリウレタン重合体の硬度は29Aであり、架橋量は0.05×10−5(mol/g)であった。
実施例1と同様の操作によって、ポリウレタンウレア重合体とポリウレタン重合体の重量比が75:25となるようにPAとPU8を混合し、33デシテックス/2フィラメントのポリウレタンウレア弾性繊維の巻き取りを試みたが、耐熱性が低いためか糸切れが頻発し、ポリウレタンウレア弾性糸を得ることが出来なかった。
実施例1のPU1の代わりに、K値=1.2となるように、数平均分子量1830のポリテトラオキシメチレングリコール160.00重量部に対して、4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート26.26重量部、N,N’−ジメチルアセトアミド100.29重量部を加え、乾燥窒素雰囲気下、30℃において2時間、攪拌下で反応させて、末端がイソシアネートでキャップされたポリウレタンプレポリマー溶液を得た。前記プレポリマーに対して1,4−ブタンジオール1.62重量部とN,N’−ジメチルアセトアミド248.63重量部を加え70℃において4時間、攪拌下で反応させて、ポリウレタン重合体がN,N’−ジメチルアセトアミドに均一に溶解した溶液を得た。前記ポリウレタン重合体の溶液に4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート1.50重量部、N,N’−ジメチルアセトアミド2.79重量部を添加し70℃において攪拌下反応させることで、架橋構造を持ったポリウレタン重合体の溶液PU9(濃度30%)を得た。
PU9中のポリウレタン重合体の硬度は54Aであり、架橋量は51.8×10−5(mol/g)であった。
PU9は架橋量が多いためか、微小なゲル状物が多数みられ、紡糸原液の原料としては不適なものであった。結果的にPU9を混合したポリウレタンウレア弾性繊維は得られなかった。
Claims (6)
- N,N’−ジメチルアセトアミド溶媒中で溶液重合法により得られる硬度80A以下30A以上であるポリウレタン重合体を、5重量%以上40重量%以下含有することを特徴とするポリウレタンウレア弾性繊維
- ポリウレタン重合体がポリエーテル系ポリウレタン重合体である、請求項1記載のポリウレタンウレア弾性繊維
- ポリウレタン重合体が架橋型ポリウレタン重合体である、請求項1または2に記載のポリウレタンウレア弾性繊維
- ポリウレタン重合体の架橋量が0.05×10−5mol/g以上、50×10−5mol/g以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のポリウレタンウレア弾性繊維
- ポリウレタン重合体のK値が1.2以上3.0以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のポリウレタンウレア弾性繊維
- ポリウレタン重合体の溶液と、ポリウレタンウレア重合体の溶液を混合して得られる紡糸原液から、乾式紡糸法により紡糸されることを特徴とする請求項1から5に記載のポリウレタンウレア弾性繊維
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