JP2010065149A - インクジェットインキ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】このインクジェットインキは、鉄クロロフィリンナトリウムおよび/または銅クロロフィリンナトリウムと、ヒドロキシプロピルセルロースと、水とを含んでなるものである。さらに、プロピレングリコールやシリコン化合物を含んでいてよい。あるいは、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルのうちの少なくとも1種を含んでいても構わない。このインクジェットインキを用いて赤玉卵に印字すると、図1(b)に示すように視認性の良い印字が得られる。
【選択図】図1
Description
また、食品類のトレーサビリティーへの関心の強まりから、近年、卵や果物等への印字が注目されており、特に個々の卵殻表面に賞味期限や生産者関連情報等を直に印字して消費者への安全衛生に関わる情報を提供するシステムも具現化されている。
例えば、下記の特許文献1には、水、アルコール系溶剤、モルホリン、セラック樹脂、鉄クロロフィリンナトリウム等を含むインキが開示されている。しかしながら、このインキには、食品添加物として認可されていないモルホリン等が含まれているので、食品衛生法上、食品への直接使用は認められないと考えられる。
また、下記の特許文献2には、水、アルギン酸ナトリウム、鉄クロロフィリンナトリウム等を含む卵殻用のグリーンインキが開示されている。このインキは、卵殻が白い、いわゆる白玉卵への印字用として開発されたものであり、白色卵殻の表面に茶緑色のくっきりとしたドットとして印刷される。しかしながら、卵殻が赤みを帯びている、いわゆる赤玉卵の卵殻上に、このインキを印字した場合、下地となる赤み部分が印字部分から透けて見える。これによって、印字部分で表される文字を識別できない、すなわち視認性が低い場合が多かった。そのために、白い卵に対して専ら使用されていたのである(後述する図2(a),(b)および比較例2参照)。
また、下記の特許文献4には、木炭等の顔料を使用したインキが開示されている。ところで、卵については冷蔵庫等で出し入れの機会が多いので、出し入れの際の温度変化により生じる水滴や、濡れた手による取り扱いによって、印字部分の顔料成分が手に付着して手を汚すことが懸念される。また、インキ中の顔料粒子を安定に分散させるためにプリンタ内部に攪拌機構が必要になるという懸念もある。
また、下記の特許文献6,7には、鉄または銅クロロフィリンアルカリ金属塩、カルボキシメチルセルロース、ペクチン、カラギーナンを用いるインキが開示されているが、色素濃度の濃いインキは開示されていない。また、これらのインキにおいては、鉄または銅クロロフィリンアルカリ金属塩を水に溶解させたときに泡が大量に発生する問題や、経時により安定性の低下が懸念される。
しかしながら、近年、市場に流通する卵として赤玉卵が急増しているため、従来のインクジェットプリンタで赤玉卵に印字するにあたり、白玉卵の場合と同様の視認性や印字品位が要求されている。
このような観点から、この色素の含有量は上限が2.5重量%程度に留まらざるを得ず、このため、赤玉卵表面に印刷されたフォントの視認性を十分に有するインキとはならなかったのである。
そのうち、色素として用いる鉄クロロフィリンナトリウムと銅クロロフィリンナトリウムはインキ全体の3.0〜6.0重量%の範囲、すなわち、従来の約2倍量程度含有して使用される。この場合、視認性を確実なものとする観点から色素の含有量はインキ全体の4.0〜6.0重量%とするのが好ましい。色素の含有量が3重量%よりも少ないと、赤玉卵の卵殻表面での印字濃度が不十分になって視認性が不足する。一方、色素の含有量が6重量%を越えても視認性はそれ以上向上しないうえ、インキの安定性が低下する傾向にあり、色素コストに関する経済性も低下する。これらの鉄クロロフィリンナトリウムと銅クロロフィリンナトリウムは1種単独で使用してよく、あるいは双方を併用しても印字性能は変わらない。
また、ヒドロキシプロピルセルロースは、上記のような優れた特性以外に、他のセルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などと比べて、少量使用においても所望の粘度調整を十分に果たすことができ、また少量使用においても定着性に関する効果が十分に得られる。そして、前記したような粘度調整のための使用量の低減化ができることにより、他のセルロース誘導体と比べると、水溶液自体の発泡の程度を低く抑えることができる。すなわち、かかるヒドロキシプロピルセルロースは、インキ全体の0.05〜1重量%の範囲で含まれることが好ましく、さらに好ましくは、0.05〜0.1重量%である。ヒドロキシプロピルセルロースの含有量が0.05重量%より少ないと、適度な粘度のインキが得られないためにプリンタでの印字レンジの調整が不充分となり、更には印字のドット表面の滑らかさに欠けることとなる。一方、ヒドロキシプロピルセルロースの含有量が1重量%を越えると、インキの粘度が高くなりすぎるため、ノズルからの吐出性能が悪くなって印字品位が低下する。
尚、本発明でいう分子量は、下記するMark-Houwink-桜田(マーク・フウィンク・桜田)の式(1)を用いて、極限粘度(測定値)から算出したものである。
[η]=KMα ・・・(1)
式中、[η]:極限粘度、M:分子量、K:被測定物質固有の定数、α:被測定物質固有の定数である。定数Kおよび定数αは被測定物質ごとに予め知られている。極限粘度[η]は、溶媒の粘度と、被測定物質の濃度の異なる複数の溶液の粘度を測定し、複数の粘度測定値から外挿して得られる。
前記の分子量が10万を下回るヒドロキシプロピルセルロースを用いると、インキ全体粘度の調整においてヒドロキシプロピルセルロースの配合割合を増加させなければならないので、色素分の溶解度の低下を余儀なくさせることとなり、ひいてはインキの安定性を不足させるおそれがある。一方、分子量が40万を超えるヒドロキシプロピルセルロースを用いると、ヒドロキシプロピルセルロース自体の粘性が高すぎるために、水で希釈して水溶液を調整する作業が困難になる場合があり、作業効率の低下を生じることが懸念される。
尚、ヒドロキシプロピルセルロース自体は発泡させやすいものでない。因みに、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとカルボキシメチルセルロースはもともと粘度が低いので、多量に添加しなければならないために、色素分の増量化を図ることが困難であり、調製したインキも発泡しやすくなる。また、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースのうち比較的分子量の大きいものは、粘度増加への期待があるものの、分子量が大きくなると色素との相溶性が一部低下し、色素の溶解性がヒドロキシプロピルセルロースに比べると悪くなる。
かかるシリコン化合物としては、例えばポリジメチルシロキサン単独、このポリジメチルシロキサンとシリカ微粒子との混合により得られるペースト状のシリコンコンパウンドなどが挙げられる。前記のポリジメチルシロキサンとしては、動粘度が100〜1100mm2/s(20℃)であるものが使用される。
また、シリカ微粒子はシリコンコンパウンド全体の10〜15重量%の含有量で使用することが好ましい。シリカ微粒子の含有量が10重量%よりも少なければ、消泡効果を高めるポリジメチルシロキサンとの相乗作用が効きにくくなる。一方、シリカ微粒子の含有量が15重量%を超えると、コンパウンド調製時の加熱作業や混合作業に係る作業性が低下する。これらのシリコン化合物は、元来泡を発生しやすい鉄クロロフィリンナトリウムと銅クロロフィリンナトリウムの高濃度の溶液においても、泡の発生を抑えてプリンタ内でのインキ回収に伴うトラブルを防ぐ。また、配管系内でのインキの流動性を高め、配管系の特に口径が狭くなる部分でのインキの流動性も向上させる。これらのポリジメチルシロキサンとシリカ微粒子は食品に対して使用できる材料として食品衛生法で認定されている。
また、上記のシリコン化合物:ソルビタン脂肪酸エステル:グリセリン脂肪酸エステル:ショ糖脂肪酸エステルは、それぞれの重量比を100:7〜15:2〜5:1〜2.5とする混合系にして用いると、流動性、消泡性の効果が十分発揮される。また、シリコン化合物の安定した分散と、長期にわたり良好な流動性、消泡性が維持されて、プリンタでの安定した良好な印字特性が保持される。
前記した成分のように、インキ中での含有量を微量に限定することにより、インキからの水分の揮散によるインキ粘度の上昇が非常に起こりにくい組成となる。従って、連続式インクジェットプリンタ内での希釈液による希釈調整の回数が少なくて済むという効果を奏する。
このようなシリコン化合物のエマルション化においては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルの併用に加え、ショ糖脂肪酸エステルを添加することが、乳化の安定化、親油性の脂肪酸エステルの分離防止に著しい効果を発揮し、長期的な消泡効果の持続をもたらす。これらの脂肪酸エステルとシリコン化合物は、必要量を少量とするため、希釈品にして用いるほうが精密な量管理が可能であり、添加量の過剰や不足を避けることができる。
[実施例1]
本実施例のインクジェットインキを調製するにあたり、ヒドロキシプロピルセルロース水溶液の調製、シリコンコンパウンドの調製、並びに、シリコンコンパウンドおよび分散剤の乳化処理を行なった。
まず、「ヒドロキシプロピルセルロース水溶液の調製」として、ヒドロキシプロピルセルロース(日本曹達株式会社製、製品名:セルニーH、分子量(極限粘度の測定値から算出した):25万〜40万、2重量%水溶液の粘度:3270mPa・s(20℃))1重量部と、精製水199重量部とを攪拌機付き容器中で3時間混合し溶解させて0.5重量%濃度のヒドロキシプロピルセルロース水溶液(以下、0.5%HPC水溶液と略称する)を得た。極限粘度(固有粘度)は毛細管粘度計にて測定した。その他の水溶液およびインキの粘度は、TOKI SANGYO CO,LTD.の回転式粘度計(型式RE-80L)にて測定した。
尚、後述する実施例2,3,4,8,10,11,12,13の濾過処理についても開目1.0μmのフィルタを使用し、実施例5,6,7,9については開目3.0μmのフィルタを使用した。
シリコンコンパウンドとして、動粘度700mm2/sのポリジメチルシロキサン88重量部と、BET法による比表面積700m2/gのシリカ微粒子12重量部とを加熱処理して得たものをインキ全体の0.003重量%用い、更にそれぞれインキ全体量のうち、14重量%のポリプロピレングリコール、0.0003重量%のソルビタンモノラウレート、0.00008重量%のモノパルミチン酸グリセリンエステル、および0.00006重量%のショ糖脂肪酸エステルを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェットインキを調製した。
シリコンコンパウンドとして、動粘度700mm2/sのポリジメチルシロキサン87重量部と、BET法による比表面積700m2/gのシリカ微粒子13重量部とを加熱処理して得たものをインキ全体の0.04重量%用い、更にそれぞれインキ全体量のうち、5.2重量%の鉄クロロフィリンナトリウム、13.5重量%のプロピレングリコール、0.004重量%のソルビタンモノラウレート、0.001重量%のモノステアリン酸グリセリンエステル、および、ショ糖脂肪酸エステルとして0.0006重量%のモノステアリン酸エステルを用いたこと以外は、実施例2と同様にしてインクジェットインキを調製した。
色素として、鉄クロロフィリンナトリウムに替えて、銅クロロフィリンナトリウムをインキ全体の5.5重量%用い、更にそれぞれインキ全体量のうち、10.9重量%の0.5%HPC水溶液、0.004重量%のシリコンコンパウンド、0.0004重量%のソルビタンモノラウレート、0.0001重量%のモノステアリン酸グリセリンエステル、および0.00006重量%のモノステアリン酸エステルを用いたこと以外は、実施例3と同様にしてインクジェットインキを調製した。
シリコンコンパウンドとして、動粘度500mm2/sのポリジメチルシロキサン85重量部と、比較的粒子径が大きな、平均粒子径5μmのシリカ微粒子15重量部とを加熱処理して得たものを用い、シリコンコンパウンド、ソルビタン脂肪酸エステル、およびグリセリン脂肪酸エステルの配合量を実施例1の1/10とし、ショ糖脂肪酸エステルを使用しないこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェットインキを調製した。尚、シリカ微粒子の粒径分布および平均粒径は、粒度分布測定装置(日機装製のマイクロトラックMT3200II)を用いて測定した。
シリコンコンパウンドとして、動粘度500mm2/sのポリジメチルシロキサン85重量部と、平均粒子径5μmのシリカ微粒子15重量部とを加熱処理して得たものを用いたこと以外は、実施例2と同様にしてインクジェットインキを調製した。
シリコンコンパウンドとして、動粘度500mm2/sのポリジメチルシロキサン85重量部と、平均粒子径5μmのシリカ微粒子15重量部とを加熱処理して得たものをインキ全体の0.004重量%用い、更にそれぞれインキ全体量のうち、0.0004重量%のソルビタンモノラウレート、0.0001重量%のモノステアリン酸グリセリンエステル、および0.00006重量%のモノステアリン酸エステルを用いたこと以外は、実施例3と同様にしてインクジェットインキを調製した。
銅クロロフィリンナトリウムに替えて、鉄クロロフィリンナトリウムをインキ全体の5.5重量%用い、ショ糖脂肪酸エステルを使用しなかったこと以外は、実施例4と同様にしてインクジェットインキを調製した。
グリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルを使用しなかったこと以外は、実施例7と同様にしてインクジェットインキを調製した。
0.5%HPC水溶液の配合量をインキ全体の11.4重量%にしたことと、ソルビタン脂肪酸エステルおよびグリセリン脂肪酸エステルを使用しなかったこと、すなわち分散剤を全く使用しなかったこと以外は、実施例8と同様にしてインクジェットインキを調製した。
シリコンコンパウンドに替えて、ポリジメチルシリキサンのみをインキ全体の0.004重量%用い、0.5%HPC水溶液の配合量をインキ全体の11.0重量%にしたこと以外は、実施例10と同様にしてインクジェットインキを調製した。
プロピレングリコールを使用せず、0.5%HPC水溶液の配合量をインキ全体の18.7重量%にしたこと以外は、実施例1と同様にしてインクジェットインキを調製した。
シリコン化合物および分散剤を全く使用しなかったことと、0.5%HPC水溶液の配合量をインキ全体の18重量%にしたこと以外は、実施例12と同様にしてインクジェットインキを調製した。
ステンレス容器に、残量の精製水、プロピレングリコール14重量部、および鉄クロロフィリンナトリウム1.5重量部を仕込み、プロペラ攪拌機にて混合溶解させた後、1重量%アルギン酸ナトリウム水溶液8重量部を加えて撹拌し混合液を得た。この混合液を、開目1.0μmのフィルタで濾過してインクジェットインキを得た。
鉄クロロフィリンナトリウムの配合量を2.5重量部に増量し、この増量に対応して精製水の配合量を残分調整したこと以外は、比較例1と同様にしてインクジェットインキを調製した。
鉄クロロフィリンナトリウムの配合量を5.2重量部に増量し、この増量を成し得るために、プロピレングリコールおよびアルギン酸ナトリウムを若干減量して溶解性を担保し、精製水を残分調整したこと以外は、比較例1と同様にしてインクジェットインキを調製した。
ステンレス容器に、それぞれインキ全体量のうち、77重量%のエタノール、1重量%のプロピレングリコール、10重量%のコウリャン色素、6重量%のセラック樹脂、2重量%の乳酸ナトリウム、および残量(4重量%)の精製水を仕込み、プロペラ攪拌機で撹拌して混合液を得た。この混合液を開目1.0μmのフィルタで濾過してインクジェットインキを得た。
それぞれインキ全体量のうち、1.5重量%の鉄クロロフィリンナトリウム、0.14重量%のカルボキシメチルセルロースナトリウム、3重量%の乳酸ナトリウム、14重量%のプロピレングリコール、および残量(81.3重量%)の精製水を混合して溶解させたのち、この混合液を開目0.8μmのフィルタで濾過してインクジェットインキを得た。この比較例5は既述した特許文献7中の実施例に準拠して行なったものである。
それぞれインキ全体量のうち、2重量%のコウリャン色素、20重量%のグリセリン、0.1重量%のアルギン酸ナトリウム、3重量%の乳酸ナトリウム、1重量%のソルビン酸カリウム、および残量の精製水を混合して溶解させたのち、この混合液を開目0.8μmのフィルタで濾過してインクジェットインキを得た。この比較例6は既述した特許文献5中の実施例に準拠して行なったものである。
それぞれインキ全体量のうち、1.5重量%の鉄クロロフィリンナトリウム、10重量%のプロピレングリコール、2.5重量%のガラクトマンナン、0.2重量%のソルビン酸カリウム、および残量の精製水を混合し撹拌して均一に溶解させた後、この混合液を開目1μmのフィルタで濾過してインクジェットインキを得た。この比較例7は既述した特許文献6中の実施例に準拠して行なったものである。
ガラクトマンナンに替えて、インキ全体の0.3重量%のヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いたこと以外は、比較例7と同様にしてインクジェットインキを調製した。
鉄クロロフィリンナトリウムの配合量をインキ全体の5.1重量%とし、プロピレングリコールの配合量をインキ全体の13重量%としたこと以外は、比較例8と同様にしてインクジェットインキを調製した。
「密着性」は、卵殻の印字部分に粘着テープを貼りつけて剥がしたときの印字部分の剥離(テープ側への転移)の有無により確認した。
「耐熱水性」は、印字した卵殻を熱水中に浸してゆで卵にしたときのインクジェットインキの流れ出しの有無を、熱水の着色および印字部分の着色の低下を目視により確認した。
「印字濃度」は、PPC用紙へインキを印字し、この印字部分の反射濃度をマクベス反射濃度計(GretagMacbeth社製の型式RD918)で測定した。
「プリンタ内安定性」は、インクジェットプリンタで連続して印字テストを行なったときのトラブル(ノズルの詰り、印字不良(異常フォント)、噴出圧力異常など)の有無で判定した。
「乾燥性」は、卵殻への印字後10秒経過したときに印字部分を指で蝕れてインキが指に転移していなければ乾燥性良好と判定した。
「保存安定性」は、インクジェットインキを常温下で3ケ月保存したときの粘度上昇の有無と沈降物の有無により判定した。
「印字文字の視認性」は、印字された卵を観察者が30cm離れた位置から観察したときに文字を判別できるか否かで判定した。判定結果は「視認性良好」のほうが「良好」よりも良い評価であることを示している。
また、各表中で、処方を示す数値はインキ全体中の重量%を表し、部数は重量部を表している。また、処方中の0.5%HPC水溶液の欄で()内に示した数値は、インキ全体量におけるヒドロキシプロピルセルロースそのものの重量%を表している。
また、上記3種の分散剤のうちの1〜2種または全てを用いなかったインクジェットインキ(実施例5,8,9,10,11)では、時間経過によりプリンタ内安定性が低下していく傾向があり、保存安定性も初期は良好であったが3ヶ月経つといくぶん低減した。
実施例13のインクジェットインキは、鉄クロロフィリンナトリウムと、増量した0.5%HPC水溶液と、水とから調製したものであって、シリコン化合物および3種の分散剤を全く使用しなかったが、白玉卵および赤玉卵のいずれの卵殻に印字されたフォントも視認性良く確認することができた。但し、プリンタ内で多少泡の発生が見られ、経時によりプリンタ内安定性が低下していく傾向があった。また、間欠運転を行なう場合、運転に先立ってプリンタのウォーミングアップを行なう必要がある。
比較例2のインクジェットインキは、従来と同等の鉄クロロフィリンナトリウムの配合量であるので、白玉卵の卵殻に印字された文字は、図2(a)に示すように視認できた。しかしながら、赤玉卵の卵殻に印字された文字は、図2(b)に示すように内容の読み取りが困難であった。また、プリンタのインクタンクに収容されたインキ量が多いときに、泡がノズルに向けて引き込まれることがあった。
比較例3のインクジェットインキは、鉄クロロフィリンナトリウムの配合量が従来の約2倍であるにも拘わらず、これに対処する成分が配合されていないために発泡が甚だしく、ノズルの導入管路に泡が流入して印字することができなかった。
比較例4のインクジェットインキは、アルコールを主体とするインキ媒体を含んでいるため、図3(a)に示すように、白玉卵であっても印字部分のドットに滲みが生じやすかった。一方で、赤玉卵の場合も、図3(b)に示すように、印字の内容を判別することが困難であった。
比較例6により得たインクジェットインキ(特許文献5準拠)は、グリセリンが比較的多く配合されているため、卵殻の表面に印刷された印字部分が所要の短時間内に乾燥せず実用的なものとならなかった。
比較例8により得たインクジェットインキは、カルボキシメチルセルロースの替わりにヒドロキシプロピルメチルセルロースを用いているが、比較例7と同様、白玉卵に印字した場合は印字濃度がやや薄く、赤玉卵に印字した場合は印字の内容を認識できず、発泡も生じやすかった。
比較例9により得たインクジェットインキは、比較例8の処方と比べて、鉄クロロフィリンナトリウムの配合量を5.1重量%まで増量し、ポリプロピレングリコールもいくぶん増やしたものであるが、プリンタでの発泡が非常に多いことから、印字動作自体が満足にできなかった。
Claims (9)
- 鉄クロロフィリンナトリウムおよび/または銅クロロフィリンナトリウムと、ヒドロキシプロピルセルロースと、水とを含んでなることを特徴とするインクジェットインキ。
- 分子量が10万以上40万以下のヒドロキシプロピルセルロースを用いることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットインキ。
- さらに、プロピレングリコールを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェットインキ。
- さらに、シリコン化合物を含むことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のインクジェットインキ。
- 3〜6重量%の鉄クロロフィリンナトリウムおよび/または銅クロロフィリンナトリウムと、0.01〜0.5重量%のヒドロキシプロピルセルロースと、0〜20重量%のプロピレングリコールと、0.0001〜0.1重量%のシリコン化合物と、残量の水とを含んでなることを特徴とするインクジェットインキ。
- シリコン化合物が、ポリジメチルシロキサン、または、ポリジメチルシロキサンとシリカ微粒子とを含んでなるシリコンコンパウンドであることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のインクジェットインキ。
- さらに、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、およびショ糖脂肪酸エステルのうちの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインクジェットインキ。
- さらに、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルの全てを含むとともに、シリコン化合物:ソルビタン脂肪酸エステル:グリセリン脂肪酸エステル:ショ糖脂肪酸エステルの含有重量比が100:7〜15:2〜5:1〜2.5であることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載のインクジェットインキ。
- 3〜6重量%の鉄クロロフィリンナトリウムおよび/または銅クロロフィリンナトリウムと、0〜20重量%のプロピレングリコールと、残量の水とを含んでなり、前記成分以外の成分である、ヒドロキシプロピルセルロース、シリコン化合物、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルおよびショ糖脂肪酸エステルの含有率合計が0.05重量%以上0.5重量%以下であることを特徴とするインクジェットインキ。
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