JP2010065097A - 重合体、その製造方法、それを含む組成物、およびその硬化物 - Google Patents

重合体、その製造方法、それを含む組成物、およびその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】電気特性や耐屈曲性を向上し得る熱硬化可能な重合体材料の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表される重合体。

(一般式(1)において、A、A、AおよびAは、それぞれ独立して二価の有機基を表し、X、Xはそれぞれ1〜5個の三重結合を構成単位とする二価の不飽和基を、YおよびZはそれぞれ独立して二価の有機基を表し、k、m、nはそれぞれ独立して1以上の整数を表す)
【選択図】なし

Description

本発明は、主鎖構造内にアセチレン基を含む機械特性や電気特性に優れたマルチブロック共重合体、その製造方法、それを含む組成物、およびその硬化物に関する。
主鎖にアセチレン基を有する高分子材料は、高い耐熱性や剛性、低吸湿性、そして低誘電率等の種々の優れた特性を有することから、電子材料分野を中心に広く検討されている。特に、アセチレン基が連なったジアセチレン化合物は、それら特性が顕著に現れるために、接着剤や絶縁層等のコーティング、フィルムやシート等の成形材料として利用可能である。
この様な主鎖にジアセチレン構造を持つ重合体としては、特許文献1に摺動性に優れたジアセチレン基を有するエステルまたはアミド化合物が、また、特許文献2では加工性に優れたジアセチレン構造を有する芳香族ポリカルボジイミドが、特許文献3では気体透過性に優れたジアセチレン基を有するポリイミドが、特許文献4では透水性と塩阻止性とを備えたジアセチレン基を有するポリアミドが提案されている。
特開平4−246452号公報 特開2000−198829号公報 特開2001−81193号公報 特開2003−144874号公報
一方、携帯電話や液晶ディスプレイ、HDDドライブに主に使用されるフレキシブルプリント基板は、近年、一配線当りの情報量が増加する傾向にあり、用いる電気信号がメガヘルツ帯からギガヘルツ帯に高周波化するトレンドになっている。そのため、フレキシブルプリント基板を構成する材料にもその高周波特性への対応が求められており、具体的には低い誘電率が求められている。
この様なフレキシブルプリント基板の絶縁基板にジアセチレン基を有する重合体を用いた場合、その低い誘電率という特性上、高周波特性には優れるが、機械的特性が不十分であり、特にフレキシブルプリント基板として必要な耐屈曲性に劣るものであった。上記で提案されている重合体は、必ずしも誘電率と耐屈曲性とを共に満足はしていない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、フレキシブルプリント基板等に好適な材料として、低い誘電率と折り曲げ特性に優れた重合体、その製造方法、その重合体を含む組成物、およびその硬化物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、主鎖構造の一部に三重結合を持つ重合体において、特定の連結基構造を取ることによって、上記課題が解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の態様は、下記<1>〜<7>である。
<1> 下記一般式(1)で表される重合体。
一般式(1)
(一般式(1)において、A、A、AおよびAは、それぞれ独立して二価の有機基を表し、X、Xはそれぞれ1〜5個の三重結合を構成単位とする二価の不飽和基を、YおよびZはそれぞれ独立して二価の有機基を表し、k、m、nはそれぞれ独立して1以上の整数を表す)
<2> 前記一般式(1)の重合体が、下記一般式(2)で表される前記<1>に記載の重合体。
一般式(2)
(一般式(2)において、A、A、A、A、Y、Z、k、m及びnはそれぞれ一般式(1)におけるA、A、A、A、Y、Z、k、m及びnと同義である。)
<3> 前記一般式(1)または(2)において、A、A、AおよびAの少なくとも1つが二価の芳香環である、前記<1>または<2>に記載の重合体。
<4> 前記一般式(1)または(2)において、YおよびZが、各々独立して、―O―、−CO−、―COO―、―OCOO―、―CSO―、−COS−、―CSS―、―NRCO―、―NRCONR’―、―NRCSNR’−、からなる群から選ばれる1つ以上(ここでR、R’は、それぞれ水素原子、又は、炭素数1〜8のアルキル基、アルケニル基を表す。ただし、k=m=1、かつYとZが同時に―COO―または―NHCO―になることはない)である前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の重合体。
<5> 前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の重合体を含む組成物。
<6> 下記一般式(3)で表される化合物と共重合可能な他の単量体とを縮合してなる、前記一般式(2)で表される重合体の製造方法。
一般式(3)
(一般式(3)において、AおよびAは、それぞれ独立して二価の有機基を表し、Yは二価の有機基を表し、Wは1価の有機基を表し、mは1以上の整数を表す)
<7> 前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の重合体、または前記<5>に記載の組成物を150〜400℃で硬化させることによって得られる硬化物。
本発明によれば、フレキシブルプリント基板等に好適な材料として、低い誘電率と折り曲げ特性に優れた新規な重合体、その製造方法、その重合体を含む組成物、およびその硬化物を提供することができる。
本発明の重合体は、下記一般式(1)で表される重合体である。
一般式(1)
ここで、一般式(1)中のA、A、AおよびAは、各々独立に二価の炭素数1〜20の炭化水素基、又はヘテロ環基であって、無置換であっても、任意に置換されていてもよく、また環状又は非環状であっても良いが、芳香環を含むものが好ましい。
以下に、二価の芳香族炭化水素基、及びヘテロ環基について説明する。本発明に於いては、簡潔な説明で理解を容易にするために、芳香族炭化水素基、及びヘテロ環基の説明に際し、芳香族炭化水素、又はヘテロ環の化合物名を示す。2価の結合手の位置はいずれの位置でも良く、特に限定されないが合成反応の容易性等からオルト位ではない方が好ましい。具体的な例を挙げると、ベンゼン、ナフタレン、インデン、インダン、テトラリンなどの芳香環や、フラン、チオフェン、ピロール、ピラン、チオピラン、ピリジン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピリミジン、トリアジン、インドール、キノリン、プリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、キノキサリン、カルバゾールなどのヘテロ環が例示される。
これらの中でも、芳香環としては、ベンゼン、インデン、インダン、ナフタリンが、ヘテロ環としては、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、インドール、キノリン、プリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、キノキサリン、カルバゾールなどが好ましく、更に、芳香環としては、ベンゼン、ナフタリンが、ヘテロ環としては、ピリジン、トリアジン、インドール、キノリンがより好ましい。特に、得られるエチニレン基を有する芳香族化合物の溶媒に対する溶解性に優れることや硬化物の機械的特性に優れることから、ベンゼンが好ましい。
また、これら以外の化合物として、ビフェニル、ジフェニルエーテル、ベンゾフェノン、ジフェニルスルホン、ジフェニルメタン、2、2‘−ジフェニルプロパン、芳香族ジエステル、9,9−ジフェニルフルオレン、そしてこれらのハロゲンや炭化水素基で置換された各種誘導体が利用可能である。
これら芳香環またはヘテロ環構造は、他の置換基によって置換されていてもよい。その置換基としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、Ν−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−リールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−Ν−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、アルキルアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、モノアリールホスフォノ基、ジアルキルホスフォノオキシ基、ジアリールホスフォノオキシ基、アルキルアリールホスフォノオキシ基、モノアルキルホスフォノオキシ基、モノアリールホスフォノオキシ基、モルホリノ基、シアノ基、ニトロ基が挙げられる。
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロペンチル基等が挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることができる。また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基等が挙げられる。アシル基(G1CO−)におけるG1としては、水素、ならびに上記のアルキル基、アリール基を挙げることができる。アラルキル基としては、上記のアルキル基に上記のアリール基が置換したものを挙げることができる。
これら置換基のうち、好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Br、−Cl)、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカバモイルオキシ基、アシルアミノ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールカルボニル基、アリールカルボニルオキシ基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、シアノ基が挙げられる。
これら置換基のうち、より好ましいものとしてはハロゲン原子(−F、−Cl)、アルキル基(メチル基、トリフロロメチル基、エチル基、トリフロロエチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基)、アリール基(フェニル基、トリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基)、アリーロキシ基(フェノキシ基)、アシルオキシ基(アセトキシ基、プロピオニルオキシ基)、アセチル基、アセトキシ基、ベンゾイル基、ベンゾイルオキシ基、アシルアミノ基(アセチルアミノ基)が挙げられる。
一般式(1)中のX及びXで表される三重結合を必須構成単位とする二価の不飽和基は、それぞれ1〜5個の三重結合を含む二価の不飽和結合含有基である。本発明の目的である低い誘電率を発現する目的から、三重結合を含んでさえいれば特に限定されないが、具体的には下記の構造が好適である。
特に、得られる重合体の溶媒に対する溶解性や、重合体の耐屈曲特性に優れることから、

が好適である。
一般式(1)中のYおよびZは二価の有機基を表し、特にその有機基の種類については限定されないが、得られる重合体の誘電率、耐屈曲特性、そして耐熱性が優れることから、好ましくは―O―、−CO−、―COO―、―OCOO―、―CSO―、−COS−、―CSS―、―NRCO―、―NRCONR’―、―NRCSNR’−、からなる群から選ばれる1つ以上が好ましい。
ここで、R、R’はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜8のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル基など)またはアルケニル基(例えば、ビニル、2−プロペニル、i−プロペニル、3−ブテニル基など)を表す。RとR’が連結してアルキレン基(例えば、エチレン基、プロピレン基など)となり環を形成してもよい。
これらのうち、―NRCO―、―NRCONR’―、―NRCSNR’−からなる群から選ばれる1つ以上であることが好ましく、特に―NRCONR’―が好ましい。
R、R’としては、それぞれ水素原子、メチル、エチル、エチレンなどが好ましく、特に水素原子が好ましい。ただし、k=m=1、かつYとZがともに―COO―、または―NHCO―になることはない。k=m=1、かつYとZがともに―COO―、または―NHCO―であった場合、重合体の耐屈曲性が劣り、好ましくない。
k、m、nはそれぞれ独立して1以上の整数を表す。k、m、nのそれぞれの上限値は特に限定されないが、重合体の溶解性やその粘度等の観点から、それぞれ、及びk+m+nが5000以下、好ましくは1000以下、更に500以下が好ましい。
[重合体の製造方法]
本発明の主鎖に三重結合を有する重合体を製造する方法としては、特に限定されないが、原料の入手性が優れることや重合反応時の効率が高い、そして置換基XとYが異なるマルチブロックな重合体を得ることができるなどの理由から、三重結合を主鎖に含むオリゴマーを予め製造しておき、これを原料としてさらに重縮合反応を行うことによって製造する方法が好適である。
ここで用いることのできる三重結合を主鎖に含むオリゴマーとしては特に限定されないが、説明を理解し易くするためのジアセチレン基を含むオリゴマーの好ましい態様例として、一般式(3)が例示される。
一般式(3)
(一般式(3)において、A およびA は、それぞれ独立して二価の有機基を表し、Yは二価の有機基を表し、Wは1価の有機基を表し、mは1以上の整数を表す)
およびA、Yはそれぞれ前述のものと同様である。Wは1価の有機基であり、その種類には特に限定されず、これは前述の置換基Zを形成するための前駆体であれば良い。例えば、置換基Zがエステル基の場合、Wは−OHまたは−COOHであり、置換基Zが−O−である場合、Wはハロゲンや−OHである。よって、好ましいWの態様例としては、水素、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、―OH、−COOH、―CSOH、−COSH、−SH、―NH、―NO が例示される。これらは単独で、または二種以上を併用しても良い。置換基YまたはZの最も好ましい態様例が−NHCONH−であることから、Wの最も好ましい態様例は−NH である。
本発明の重合体の分子量には特に制限はないが、重量平均分子量で300〜1000000、好ましくは500〜200000、更には1000〜50000が、溶媒に対する溶解性が優れること、また硬化物の機械特性が優れるなどの観点から好ましい。分子量約10000以下のものをオリゴマーと称することもある。
[オリゴマーの調製方法]
次に、上述した本発明の重合体の原料となる三重結合を主鎖に含むオリゴマーの製造方法について述べる。特に、三重結合を主鎖に含むオリゴマーの好ましい態様例が末端アミノ基(−NH)であることから、一例としてこの製造方法について述べる。
三重結合を主鎖に含むアミノ基末端のオリゴマーは、下式(4)で示される三重結合を有するジアミン(特開平3−38551号、J.Am.Chem.Soc.,113,7658(1991))を原料とし、公知の方法によりイソシアネート化した後重合を行い製造することができる。
一般式(4)
このようにジアミンからジイソシアネートを得る方法としては特に限定されないが、上記ジアミンにホスゲン、ジフェニルカーボネート、又はカルボニルジイミダゾールを作用させる方法、ジアミン化合物にハロゲン化アルキルホーメートまたはハロゲン化アリールホーメートを作用させてジカルバメートを合成し、これに活性化試薬としてクロロシランを用いてジイソシアネート化する方法(Angew. Chem. Int. Ed., Vol. 17, No.12, 941(1968))、カテコールボランを用いてジイソシアネート化する方法(J.Org.Chem.,Vol.60,257(1995))等が利用可能である。
すなわち具体的な例として示すと、まず対応するアセチレン基を有するジアミン化合物に対し、メチルクロロホーメート、エチルクロロホーメート、フェニルクロロホーメート、p-ニトロフェニルクロロホーメートなどを作用させてジカルバメートを製造する。これらのうち、イソシアネート化を円滑に進行させるためにはフェニルクロロホーメートまたはp−ニトロフェニルクロロホーメートが適している。p−ニトロフェニルクロロホーメートは活性が高く、副反応の生ずる恐れがあるのでフェニルクロロホーメートが最も好ましい。これらのハロゲン化ホーメート類は単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。ハロゲン化ホーメート類の使用量はジアミンのモル数の1.5〜3.4倍がよく、1.8〜3.0倍がより好ましい。使用量がこれより少ないと、反応溶液中に未反応ジアミンが残存し、次いで生成するイソシアネートと尿素生成などの副反応を引き起こし好ましくない。一方、前記範囲より多いと反応終了後に系内からの除去が困難であったり、副反応が生じ好ましくない。
上記の様に得られたジカルバメートと上記ジアミンとを縮合させることによって、アセチレンオリゴマーを調製することができる。この際、得られたオリゴマーの末端基はカルバメートであっても、容易に加水分解を受けて元のアミノ基に戻るため、最終的に得られたアセチレンオリゴマーの両末端はアミノ基となり、次の工程であるブロック重合するには好適となる。
アセチレンオリゴマーの好ましい分子量は、マルチブロック共重合体を得る目的から、アセチレン単位として2以上、ポリスチレン換算分子量として400以上である。また、ジアセチレン単位を持つ下記一般式(3)で表されるアセチレンオリゴマーを例として挙げると、mが1以上の整数である必要がある。
一般式(3)
mが0の場合、得られる重合体がマルチブロックで無くなり、得られた重合体の耐屈曲性が低下するため好ましくない。
これら、ジアミンとジカルバメートとの反応に用いられる溶媒種は特に限定されないが、目的とする高い分子量を持つ重合体を得る必要性があることから、原料となるジアミンと、得られた重合体を溶解させるものが好ましい。この様な溶媒として例えば、テトロヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル系化合物;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系化合物;酢酸エチルなどのエステル系化合物;トルエン、キシレン、ベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒;クロロホルム、塩化メチレン、テトラクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられる。これらの溶媒は単独でも2種以上併用してもよい。
反応混合物中のアセチレン基を有するジアミンの濃度は特に限定されないが、好ましくは1〜50重量%(以下単に%という)、より好ましくは5〜40%、特に好ましくは10〜30%である。上記濃度が1%未満であると、反応に時間を要するだけでなく分子量が向上し難くなるため好ましくない。また濃度が50%を超えると副反応を起こしたり、得られたオリゴマーの溶解性が悪くなり、析出して再び分子量が低下してしまうため好ましくない。
反応を進行させるための望ましい温度は−40〜100℃、好ましくは−20〜80℃である。反応温度が−40℃より低いと進行しにくく重合度が上がり難い傾向がある。また、100℃より高いと縮合などの副反応を生し収率が低下する傾向がある。
反応により生成する塩化水素をトラップする塩基としては、用いた溶媒に溶解し反応を阻害しないものであればよく、有機塩基、無機塩基をいずれも用いることができる。溶媒に溶解しやすいという点から有機塩基が好ましく、反応を阻害しない点から特にトリエチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、コリジン、ピコリン、ルチジンなどの三級アミンが好ましい。塩基の使用量は、用いる塩基の種類によって異なるが、概して、添加効果が優れることと、生成する重合体の溶媒に対する溶解度に影響を及ぼさない範囲として、ジアミンの使用モル数の1.5〜3.4倍がよく、1.8〜3.0がより好ましい。
得られたアセチレン基を有するジアミンオリゴマーを精製するには、再結晶、カラムなど、公知の方法を用いることができる。また、必要に応じて蒸留を行ってもよい。
本発明の重合体の具体的な例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[組成物]
本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、一般に使用されている酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、耐候性安定剤、帯電防止剤、防曇剤、難燃剤、可塑剤、離形剤、発泡剤、滑剤、ブロッキング防止剤、染料、顔料、着色剤、香料、紫外線吸収剤、加工助剤、耐衝撃助剤等の各種添加剤や、炭酸カルシウム、タルク、ガラス繊維、マイカ、ケイ酸カルシウムなどの無機フィラー、有機フィラー、他の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂やその前駆体を配合することができる。
本発明の組成物中に含むことができる溶媒としては、特に限定されるものではなく、例えば水、アミド系溶剤(例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチルー2−ピロリドン)、スルホン系溶剤(例えばスルホラン)スルホキシド系溶剤(例えばジメチルスルホキシド)、エーテル系溶剤(例えばジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル)、ケトン系溶剤(例えばアセトン、メチルエチルケトン)、炭化水素系溶剤(例えばトルエン、キシレン)、ハロゲン系溶剤(例えばテトラクロロエタン,クロロベンゼン)、アルコール系溶剤(例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、1−ブタノール、エチレングリコール)、ピリジン系溶剤(例えばピリジン、γ―ピコリン、2,6−ルチジン)などがあり、これらが単独或いは混合したものでも良い。
フィラーは、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率の改善等の役割を有する。
上記無機フィラーとしては特に限定されず、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、タルク、ガラスビーズ、セリサイト活性白土、ベントナイト、窒化アルミニウム、窒化珪素等の無機フィラー等が挙げられる。
これらフィラーは、シラン化合物によって表面処理されたものを使用しても良い。例えば3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−(2−(ビニルベンジルアミノ)エチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤が挙げられる。これらシランカップリング剤は2種以上を混合して用いても良い。
上記フィラーの粒子径及び配合量の好ましい範囲は、用いるフィラーの種類、使用用途分野、及びその分野に対して必要とされる特性に応じて選択されるが、一般的に組成物の安定性や硬化速度、硬化度、硬化物の強度や電気特性、表面形状、得られる硬化物の剛性や衝撃強度等を良好に保つ必要性があることから、粒子径の好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は10μmである。その配合量としては、組成物100重量%中、好ましい下限量は1重量%、好ましい上限量は40重量%である。
[硬化物]
本発明の重合体は、三重結合を有するため、熱等のトリガーによって架橋反応をさせることができる。この様にして得られた硬化物は、本発明の重合体を架橋反応させたものであり、架橋・硬化させることによって、有機溶剤に不溶となって耐薬品性を向上させ、また、耐熱性や機械的特性に優れたものとすることができる。
架橋・硬化させるための手段としては、特に限定されないが、紫外線や電子線、放射線を照射させる方法や、ラジカル発生剤や酸発生剤を添加する方法、熱処理をする方法等が利用できるが、容易かつ安全に硬化ができ、得られた硬化物の安定性に優れることから、熱処理が好ましい。
熱処理によって本発明の硬化物を得る場合の望ましい温度範囲は、短時間で硬化ができること、熱による重合体の分解を抑制できることから、好ましくは150〜400℃、より好ましくは180〜350℃、さらに好ましくは200〜300℃である。400℃以上では、一部分解や炭化等、重合体の劣化が生じ、150℃以下では硬化が遅くなるため好ましくない。
[用途]
この様にして得られた主鎖に三重結合を有する重合体は、低い誘電率、良好な耐屈曲特性、優れた耐熱性を有しており、また、柔軟性の必要なフィルムやコーティングとして利用することができ、半導体絶縁材料やビルドアップ積層板材料、各種絶縁コーティング材料、塗料、接着剤、コンデンサー用絶縁層、電池用セパレータやバインダー、シール剤等、広い用途で応用することができ、その産業上の意義は極めて大きいものである。
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
[製造例1]
攪拌基、窒素導入管、冷却管を備えた四つ口フラスコに、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ブタジイン1.74g(7.5mmol)を窒素気流下、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン30mlに溶解させ、5℃に冷却した。この溶液に、1,4−ビス(4−クロロホルミルフェニル)−ブタジイン2.33g(7.1mmol)を添加し、5℃で1時間反応させた。引き続き室温で3時間反応させ、得られた反応溶液を大過剰のメタノール中に投入し、重合体を析出させた。メタノールで洗浄後、減圧下で乾燥させ、ジアセチレン基を含有するポリアミドオリゴマーを得た。
このオリゴマーは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により重量平均分子量3,900の重合体であることを確認した。この重合体のNMRより、末端が定量的にアミノ基であることを確認した。
[製造例2]
攪拌基、窒素導入管、冷却管を備えた四つ口フラスコに、1,4−ビス(3−アミノフェニル)ブタジイン1.74g(7.5mmol)、トリエチルアミン4.55gを加え30mLのTHF溶解させた。溶解後、30mLのTHFに溶解させたジフェニル3,3’−(ブタジイン−1,4−ジイル)ビス(3,1−フェニレン)ジカルバメート3.55g(7.5mmol)を滴下しながら加えた。滴下後、還流を行いながら80℃で2時間反応させた。反応後、酢酸エチル/メタノール=1/1の混合溶媒に再沈殿させ、ジアセチレン基を含有するポリ尿素オリゴマーを得た。
このオリゴマーは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により重量平均分子量5,100の重合体であることを確認した。この重合体のNMRより、末端が定量的にアミノ基であることを確認した。
[製造例3]
攪拌基、窒素導入管、冷却管を備えた四つ口フラスコに、p−イソシアナトベンジルイソシアネート2.61g(15mmol)およびN,N−ジメチルホルムアミド5mlを仕込み、これに対して1,4−ビス(3−アミノフェニル)ブタジイン1.74g(7.5mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド35mlの溶液を、氷冷下、30分掛けてゆっくりと滴下し、さらに0℃で1時間攪拌を継続した。
この混合物に対して、エチレングリコール0.465g(7.5mmol)、ジブチルスズラウリン酸エステル0.474g(0.375mmol)を添加し、室温で10時間攪拌した。重合溶液をメタノール中に投入し、得られた重合体を濾過、乾燥し、一般式(1)において、一方の置換基Xのみがジアセチレン基(もう一方はベンジル基)である、尿素オリゴマーを得た。
このオリゴマーは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により重量平均分子量6,400の重合体であることを確認した。この重合体のNMRより、末端が定量的にアミノ基であることを確認した。
[実施例1] 重合体(A−1)の調製
攪拌基、窒素導入管、冷却管を備えた四つ口フラスコに、製造例1により得られた末端がアミノ基であるジアセチレン基含有ポリアミドオリゴマー1.5g、トリエチルアミン230mgを10mLのN,N−ジメチルアセトアミドに溶解させた。溶解後、5mLのN,N−ジメチルアセトアミドに溶解させたジフェニル3,3’−(ブタジイン−1,4−ジイル)ビス(3,1−フェニレン)ジカルバメート320mgを滴下しながら加えた。滴下後、還流を行いながら80℃で2時間反応させた。反応後、酢酸エチル/メタノール=1/1の混合溶媒に再沈殿した後に乾燥させ、ジアセチレン基を含有するポリアミドポリ尿素マルチブロック共重合体(A−1)を得た。GPCによりこの重量平均分子量は18,000であった。
[実施例2] 重合体(A−2)の調製
攪拌基、窒素導入管、冷却管を備えた四つ口フラスコに、製造例2により得られた末端がアミノ基であるジアセチレン基含有ポリ尿素オリゴマー1.5g、トリエチルアミン230mgを10mLのN,N−ジメチルアセトアミドに溶解させた。溶解後、5mLのN,N−ジメチルアセトアミドに溶解させたジフェニル3,3’−(ブタジイン−1,4−ジイル)ビス(3,1−フェニレン)ジカルバメート320mgを滴下しながら加えた。滴下後、還流を行いながら80℃で2時間反応させた。反応後、酢酸エチル/メタノール=1/1の混合溶媒に再沈殿した後の乾燥させ、ジアセチレン基を含有するポリ尿素(A−2)を得た。回収した重合物は、GPCによりこの重量平均分子量は15,000であった。
[実施例3] 重合体(A−3)の調製
攪拌基、窒素導入管、冷却管を備えた四つ口フラスコに、製造例2により得られた末端がアミノ基であるジアセチレン基含有ポリ尿素オリゴマー1.5gを窒素気流下、乾燥したN−メチル−2−ピロリドン30mlに溶解させ、5℃に冷却した。この溶液に、1,4−ビス(4−クロロホルミルフェニル)−ブタジイン300mgを添加し、5℃で1時間反応させた。引き続き室温で3時間反応させ、得られた反応溶液を大過剰のメタノール中に投入し、重合体を析出させた。メタノールで洗浄後、減圧下で乾燥させ、ジアセチレン基を含有するポリ尿素ポリアミドマルチブロック共重合体(A−3)を得た。GPCによりこの重量平均分子量は13,000であった。
[比較例1] 重合体(A−4)の調製
製造例1記載の例において、用いる1,4−ビス(4−クロロホルミルフェニル)−ブタジインを2.45g(7.5mmol)とした以外は同様にて重合を行い、ジアセチレン基を含有するポリアミド重合体(A−4)を得た。GPCによりこの重量平均分子量は20,000であった。
[比較例2] 重合体(A−5)の調製
実施例1記載の例において、用いるオリゴマーを製造例3記載の尿素オリゴマーとした以外は同様にして重合を行い、ジアセチレン基の少ないポリアミドポリ尿素マルチブロック共重合体(A−5)を得た。GPCによりこの重量平均分子量は19,000であった。
[比誘電率]
横河HP社製C−VプロッタHP4280Aを用いシールドマイクロプローブ法により測定した。
[耐屈曲性]
得られた各重合体のNMP溶液をガラス上にキャストし、窒素雰囲気下、200℃で4時間加熱し、厚み25μmのフィルムを得た。得られたフィルムを10mm×200mmに切り出し、MIT型耐折度試験機(東洋精機社製)を用い、荷重9.8N、折曲げ角度135°、折曲げ速度175回/分、折曲げ面の曲率半径R=0.38mmの条件で、サンプルが破断するまでの折曲げ回数をカウントした。
[実施例4〜9]
上記実施例で得られた重合体(A−1)〜(A−5)、溶剤、フィラーを表2の比率(重量比)で配合し、室温にて2時間攪拌し、各組成物を得た。これらの組成物(重合体溶液)を耐熱ガラス上にドクターブレードで塗布し、窒素雰囲気下で220℃で4時間加熱し、厚み25μmのフィルムを得た。
[耐屈曲性]
得られたフィルムを10mm×200mmに切り出し、MIT型耐折度試験機(東洋精機社製)を用い、荷重9.8N、折曲げ角度135°、折曲げ速度175回/分、折曲げ面の曲率半径R=0.38mmの条件で、サンプルが破断するまでの折曲げ回数をカウントした。
なお、表中のものは下記を使用した。
NMP; N−メチル−2−ピロリドン
DMAC; N,N−ジメチルアセトアミド
DMSO; ジメチルスルホキシド
シリカ; 日本アエロジル(株)製「アエロジル90G」[粒径20nm]
珪藻土; 昭和化学工業(株)製「ラヂオライト800」[平均粒径:40μm、平均細孔径:0.2μm]
酸化チタン; 五大産業(株)製「スーパータイタニアF−1」[平均粒径90nm]
[実施例10] 熱硬化フィルムの調製
実施例4で得られたフィルムを、さらに270℃×4時間熱処理してアセチレン基の架橋反応をさせた。熱硬化前と熱硬化後のフィルムの赤外吸収スペクトル(透過)を測定し、上記熱処理でアセチレン基の60%が消失したことを確認した。
得られた熱硬化フィルムの比誘電率は2.7と、熱硬化前(2.9)よりもさらに低下し、耐屈曲性試験での破断回数は510回と、やや低下したものの、良好なレベルを維持していた。
実施例1のジアセチレン基を含有するアミドオリゴマー、実施例2および3のジアセチレン基を有する尿素オリゴマーを原料に用いた共重合体は、比誘電率が低く、かつ耐屈曲性にも優れるものであった。
比較例1のジアセチレン基を含有するポリアミドを用いた場合には、比誘電率は低いが、耐屈曲性に劣るものであった。
また、比較例2のジアセチレン基比率の低い(一般式(1)において、Xの一方に三重結合を含まない)重合体を用いた場合には、耐屈曲性には優れるが、比誘電率が高くなってしまうものであった。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とする重合体。
    一般式(1)

    (一般式(1)において、A、A、AおよびAは、それぞれ独立して二価の有機基を表し、X、Xはそれぞれ1〜5個の三重結合を構成単位とする二価の不飽和基を、YおよびZはそれぞれ独立して二価の有機基を表し、k、m、nはそれぞれ独立して1以上の整数を表す)
  2. 前記一般式(1)の重合体が、下記一般式(2)で表される重合体であることを特徴とする請求項1記載の重合体。
    一般式(2)

    (一般式(2)において、A、A、A、A、Y、Z、k、m及びnはそれぞれ一般式(1)におけるA、A、A、A、Y、Z、k、m及びnと同義である。)
  3. 前記一般式(1)または(2)において、A、A、AおよびAの少なくとも1つが二価の芳香環であることを特徴とする、請求項1または2記載の重合体。
  4. 前記一般式(1)または(2)において、YおよびZが、各々独立して、―O―、−CO−、―COO―、―OCOO―、―CSO―、−COS−、―CSS―、―NRCO―、―NRCONR’―、―NRCSNR’−、からなる群から選ばれる1つ以上(R、R’は、それぞれ水素原子、又は、炭素数1〜8のアルキル基、アルケニル基を表す。ただし、k=m=1、かつYとZが同時に―COO―または―NHCO―になることはない)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の重合体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合体を含むことを特徴とする組成物。
  6. 下記一般式(3)で表される化合物と共重合可能な他の単量体とを縮合してなることを特徴とする、前記一般式(2)で表される請求項2の重合体の製造方法。
    一般式(3)

    (一般式(3)において、AおよびAは、それぞれ独立して二価の有機基を表し、Yは二価の有機基を表し、Wは1価の有機基を表し、mは1以上の整数を表す)
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の重合体、または請求項5に記載の組成物を150〜400℃で硬化させることによって得られることを特徴とする硬化物。
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