JP2010064558A - 乗用型作業車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン動力を受ける前ミッションケース3と前ミッションケース3の後方に位置する後ミッションケース6とに亘って動力伝達可能に構成するとともに、後ミッションケース6に導入されたエンジン動力を前ミッションケース3に戻すべく、前輪駆動用の伝動軸22,24を後ミッションケース6から前ミッションケース3に向けて、ユニバーサルジョイントを備えない状態で架設してある。
【選択図】図2
Description
一方、後輪駆動機構から分岐された動力は、ミッションケースと前輪増速ケースとに亘って架設されている第2伝動軸によって前輪増速ケース内の前輪増速機構に連係されている。
そうすると、ユニバーサルジョイントでは使用可能な曲がり角度に一定の制限があるので、このようにユニバーサルジョインを使用した伝動構造を、ホイールベースが短い小型の機種に適応することはできなかった。
請求項1に係る本発明の特徴構成は、エンジン動力を受ける前ミッションケースと、前記前ミッションケースの後方に配置される後ミッションケースと、前記後ミッションケースの前面に装着される静油圧式無段変速装置とを設け、
前記前ミッションケース内に、エンジン動力を後輪出力部に伝達する第1伝動機構と、前記後ミッションケースから戻される動力を受けて前輪出力部へ伝達する第2伝動機構とを設け、
前記後ミッションケース内に、前記静油圧式無段変速装置の油圧モータ軸からの動力伝達を受けて後輪駆動軸に動力伝達する第3伝動機構と、前記第3伝動機構に伝達された動力を前記前ミッションケースへ戻す第4伝動機構とを設け、
前記後輪出力部から前記静油圧式無段変速装置の油圧ポンプ軸に動力伝達する第1伝動軸と、前記第4伝動機構の動力を前記第2伝動機構に伝達する第2伝動軸とを、前記前後ミッションケースに亘って架設し、
前記後輪出力部の出力軸芯と、前記油圧ポンプ軸の入力軸芯と、前記第1伝動軸とを同一軸芯位置に配置し、前記第4伝動機構の出力軸芯と、前記第2伝動機構の入力軸芯と、前記第2伝動軸を同一軸芯位置に配置し、
エンジン動力を、前記第1伝動機構、前記後輪出力部、前記第1伝動軸を介して前記静油圧式無段変速装置の油圧モータ軸に伝達し、前記静油圧式無段変速装置の油圧モータに伝達された動力を、前記第3伝動機構を介して前記後輪駆動軸に伝達し、前記第3伝動機構に伝達された動力を、前記第2伝動軸を介して前記前輪出力部に伝達する点にあり、その作用効果は次の通りである。
後輪への駆動力は、エンジンから前ミッションケース内の第1伝動機構を通って前輪出力部に伝達され、その前輪出力部から第1伝動軸を介して静油圧式無段変速装置の油圧ポンプに導入される。油圧ポンプに導入された後輪駆動力は油圧モータで変速され、第3伝動機構を介して、後輪伝動機構及び後輪に伝動される。
一方、後輪伝動機構に伝動される駆動力は、第4伝動機構によって分岐されて第2伝動軸を介して前ミッションケース内の第2伝動機構に導入され、第2伝動機構から前輪出力部に伝達され、前輪出力部より前輪に伝達されて前輪駆動に利用される。
後ミッションケースから前輪出力部に動力伝達するに、前記第4伝動機構の出力軸芯と、前記第2伝動機構の入力軸芯と、前記第2伝動軸を同一軸芯位置に配置して、後ミッションケースから前ミッションケースへの動力伝達は、同一軸芯上に配置した第2伝動軸等で行いつつ、第2伝動機構の入力軸芯と前輪出力部との偏芯状態は、前ミッションケース内に配置された第2伝動機構内の動力伝達経路によって行っている。
したがって、ホイールベース間の異なる機種に変更する場合には、第1、第2伝動軸として長さの異なるものに変更するだけでよく、ユニバーサルジョイントを使用した場合のように、ホイールベースが短い機種には適用できないということはない。
請求項2に係る本発明の特徴構成は、前記後輪出力部と前記前輪出力部を前記前ミッションケース内の下部に配置し、前記静油圧式無段変速装置の油圧ポンプ軸を油圧モータ軸より下方に配置し、
前記後輪出力部から前記油圧ポンプ軸に動力伝達する第1伝動軸と、前記第4伝動機構の動力を前記第2伝動機構に伝達する第2伝動軸とを、前記第2伝動軸が前記第1伝動軸よりも上方に位置する状態で前記前後ミッションケースに亘って架設してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
請求項1に係る発明の作用効果に加えて、次のような作用効果を奏する。
つまり、静油圧式無段変速装置における油圧ポンプを油圧モータより下方に位置させる設置形態を採っている。したがって、前ミッションケースでは、上部から取り入れたエンジン駆動力を、一旦第1伝動機構を介して前ミッションケースの下部に導き、第1伝動軸を前ミッションケースの下部より静油圧式無段変速装置の油圧ポンプ軸に向けて延出して、後ミッションケースに導入している。
そして、前輪を駆動する前輪出力部も前ミッションケースの下部に位置するので、第1伝動軸の上方が空き空間となっている。
そこで、第1伝動軸の上方が空き空間となっている点に着目して、第2伝動軸を配置することとした。これによって、第2伝動軸を配置するために専用のスペースを見出す必要は少ない。
請求項3に係る本発明の特徴構成は、請求項1又は2記載に係る発明において、前記第3伝動機構が副変速機構であり、前記第3伝動機構が、上方に位置する前記油圧モータ軸から下方に位置する前記後輪出力軸に動力伝達すべく構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
請求項1又は2に係る発明の作用効果に加えて、次のような作用効果を奏する。
第3伝動機構が副変速機構に兼用されており、この副変速機構を利用して第4伝動機構が構成されているので、機器構成の簡素化が達成できる。また、第3伝動機構での動力伝達の流れが上下方向となっているので、第4伝動機構への動力分岐点を上下方向での何れの高さの位置にも設定でき、前ミッションケースへ動力伝達する上下方向での位置が限定されないものとなる。
前ミッションケース3と後ミッションケース6とに亘って運転ステップ兼用のカバーフレーム7が設けてある。パワーステアリング装置用の取付座4を設けて、静油圧式無段変速装置5を使用しないギヤ式変速機構を採用する機種にも兼用できるように構成する。
ここに、出力軸10の前ミッションケース3から突出する後端部10Aとカップリング14とで、後輪出力部から静油圧式無段変速装置5のポンプ軸5aに動力伝達する第1伝動軸を構成する。
後ミッションケース6内には油圧モータ出力軸5bの軸芯延長線上に走行入力軸16が架設されており、油圧モータ出力軸5bの突出端部と走行入力軸16の前端部とがカップリング15によって連動連結されている。
以上のような構成によって、高低二段に変速可能な第3伝動機構としての副変速機構Cを構成する。尚、この第3伝動機構、後輪デフ機構においては、静油圧式無段変速装置5を使用せず通常のギヤ式主変速機構を使用する機種にも兼用することができる。ただし、ギヤ歯数等の細かい修正は必要である。
一方、静油圧式無段変速装置5のポンプ軸5aを、油圧ブロック5Dを貫通させて後ミッションケース6内に延出するとともに、中継軸18の前端を油圧ブロック5Dに支承し、ポンプ軸5aの延出端に取り付けた出力ギヤ5cと中継軸18の前端に取り付けた入力ギヤ18cとを常咬式に咬合させて、ポンプ軸5aから中継軸18への動力伝達を可能に構成してある。
一方、中継軸18の横側方に後記する前輪用伝動軸21が架設され、この前輪用伝動軸21に逆転ギヤ21Aが遊転支承されている。
逆転ギヤ21Aは大小二段ギヤであり、大小二段ギヤのうちの小径ギヤ部21aを、中継軸18に取り付けてある大小二段ギヤ18Aの小径ギヤ部18aに咬合させるとともに、大径ギヤ部21bをPTO出力軸20に装着した入力ギヤ20Bに咬合させている。
ここで、入力ギヤ20Bはクラッチギヤ20Aの存在側にスプライン嵌合部を設けてあり、クラッチギヤ20Aを入力ギヤ20Bのスプライン嵌合部に嵌合させることによって、逆転ギヤ21Aを介した逆転動力をPTO出力軸20に導入することが可能である。
(イ) クラッチギヤ20Aの小径部20aを中継軸18の大小二段ギヤ18Aにおける大径ギヤ部18bに咬合させると、高速駆動状態を現出できる。
(ロ) クラッチギヤ20Aの大径部20aを中継軸18の大小二段ギヤ18Aにおける小径ギヤ部18aに咬合させると、低速駆動状態を現出できる。
(ハ) クラッチギヤ20Aを入力ギヤ20Bに咬合させると、逆転駆動状態を現出できる。この場合の逆転動力は、中継軸18より逆転ギヤ21Aを中継して、クラッチギヤ20Aを通してPTO出力軸20に伝達される。
以上のような構成によって、PTO変速構造は、静油圧式無段変速装置5を使用せず通常のギヤ式主変速機構を使用する機種にも兼用することができる。
図2に示すように、中継軸18の横側方に前輪用伝動軸21を架設して、その前輪用伝動軸21に逆転ギヤ21Aを遊嵌する。前輪用伝動軸21の後端部を後輪駆動軸17と平行に僅かに延出し、延出端に受動ギヤ21Bを嵌着してある。一方、後輪駆動軸17の前端部に駆動ギヤ17Bが装着固定してあり、後輪駆動軸17より前輪用伝動軸21に動力伝達可能に構成してある。この駆動ギヤ17Bと受動ギヤ21Bとで、第3伝動機構Cに伝達された動力を前ミッションケース3へ戻す第4伝動機構Fを構成する。ここに、前輪用伝動軸21の軸芯を、第4伝動機構Fの出力軸芯と称する。
第4伝動機構Fは、静油圧式無段変速装置5を使用しないギヤ式変速機構を採用する機種にも兼用可能である。
前輪用中間軸22に出力ギヤ22Aが一体形成してあり、前記した静油圧式無段変速装置5へ動力伝達する出力軸10に中継ギヤ10Bを遊嵌し、更に、下方の前輪出力軸23に前輪ギヤ23Aが一体形成してある。ここに、前輪用中間軸22の軸芯を第2伝動機構の入力軸芯と称する。
ここに前輪用中間軸22、出力ギヤ22A、中継ギヤ10B、前輪出力軸23、前輪ギヤ23Aを第2伝動機構としての前輪伝動機構Eと称する。
一方、前輪用伝動軸21の前端部と前輪用中間軸22の後端部とを、繋ぎ軸24と二つのカップリング25を介して連動連結している。この伝動軸の構成を、前記第4伝動機構から前記第2伝動機構に動力伝達する第2伝動軸と称する。
また、第4伝動機構Fの出力軸芯としての前輪用伝動軸21の軸芯と、第2伝動機構Eとしての入力軸芯としての前輪用中間軸22の軸芯とが同一軸芯上にあり、前輪用伝動軸21と前輪用中間軸22とを連結する第2伝動軸も同一軸芯上にある。このような構成によって、第2伝動軸としてはユニバーサルジョイントを必要としない構成が可能である。
第1及び第2伝動軸や、成形が容易な板金製のカバーフレーム7等を、長さの異なるものに変更することによって、主クラッチケース2、前ミッションケース3、静油圧式無段変速装置5及び後ミッションケース6等を余り変更せずに、ホイールベースの異なる機種に対応(生産)することができる。
尚、前車軸ケース26と前輪増速装置28は、静油圧式無段変速装置5を使用しないギヤ式変速機構を採用する機種にも兼用できるように構成する。
(1) 第1伝動機構Bから第4伝動機構Fまでの構成においては、使用するギヤや伝動軸の数は適宜選択すればよく、かつ、ギヤ伝動機構以外のチェーンやベルトの伝動構造も採用できる。
(2) 第1伝動軸、及び、第2伝動軸は、カップリングを介して複数の軸で構成したが、軸単体で構成してもよい。
(3) 上記した伝動構造は、農用トラクタ以外に田植機等の他の作業車に適用してもよい。
5 静油圧式無段変速装置
5A 油圧ポンプ
5B 油圧モータ
6 後ミッションケース
10 後輪出力部(出力軸)
17 後輪駆動軸
23 前輪出力部(前輪用伝動軸)
B 第1伝動機構
C 副変速機構(第3伝動機構)
E 前輪伝動機構(第2伝動機構)
F 第4伝動機構
Claims (3)
- エンジン動力を受ける前ミッションケースと、前記前ミッションケースの後方に配置される後ミッションケースと、前記後ミッションケースの前面に装着される静油圧式無段変速装置とを設け、
前記前ミッションケース内に、エンジン動力を後輪出力部に伝達する第1伝動機構と、前記後ミッションケースから戻される動力を受けて前輪出力部へ伝達する第2伝動機構とを設け、
前記後ミッションケース内に、前記静油圧式無段変速装置の油圧モータ軸からの動力伝達を受けて後輪駆動軸に動力伝達する第3伝動機構と、前記第3伝動機構に伝達された動力を前記前ミッションケースへ戻す第4伝動機構とを設け、
前記後輪出力部から前記静油圧式無段変速装置の油圧ポンプ軸に動力伝達する第1伝動軸と、前記第4伝動機構の動力を前記第2伝動機構に伝達する第2伝動軸とを、前記前後ミッションケースに亘って架設し、
前記後輪出力部の出力軸芯と、前記油圧ポンプ軸の入力軸芯と、前記第1伝動軸とを同一軸芯位置に配置し、前記第4伝動機構の出力軸芯と、前記第2伝動機構の入力軸芯と、前記第2伝動軸を同一軸芯位置に配置し、
エンジン動力を、前記第1伝動機構、前記後輪出力部、前記第1伝動軸を介して前記静油圧式無段変速装置の油圧モータ軸に伝達し、前記静油圧式無段変速装置の油圧モータに伝達された動力を、前記第3伝動機構を介して前記後輪駆動軸に伝達し、前記第3伝動機構に伝達された動力を、前記第2伝動軸を介して前記前輪出力部に伝達する乗用型作業車。 - 前記後輪出力部を前記前ミッションケース内の下部に配置し、前記静油圧式無段変速装置の油圧ポンプ軸を油圧モータ軸より下方に配置し、
前記後輪出力部から前記油圧ポンプ軸に動力伝達する第1伝動軸と、前記第4伝動機構の動力を前記第2伝動機構に伝達する第2伝動軸とを、前記第2伝動軸が前記第1伝動軸よりも上方に位置する状態で前記前後ミッションケースに亘って架設してある請求項1記載の乗用型作業車。 - 前記第3伝動機構が副変速機構であり、前記第3伝動機構が、上方に位置する前記油圧モータ軸から下方に位置する前記後輪出力軸に動力伝達すべく構成してある請求項1又は2記載の乗用型作業車。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104527391A (zh) * | 2014-12-20 | 2015-04-22 | 重庆凯特动力科技有限公司 | 一种新型中置后驱两档自动变速电动汽车 |
CN113854270A (zh) * | 2021-11-04 | 2021-12-31 | 陕西惠途智能装备有限公司 | 一种用于果园的自走式喷雾装置 |
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JP2005225353A (ja) * | 2004-02-12 | 2005-08-25 | Kubota Corp | トラクタの伝動装置 |
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2008
- 2008-09-09 JP JP2008231060A patent/JP4960938B2/ja active Active
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