JP2010063330A - 車両用電源装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】蓄電部の回生電力によるスタータ駆動と負荷への電力供給が両立可能な高効率車両用電源装置の提供。
【解決手段】発電機13に接続された主電源15、負荷19、および双方向昇降圧型のDC/DCコンバータ21を介して接続された蓄電部23と、蓄電部23にスイッチ25を介して接続されたスタータ27と、DC/DCコンバータ21とスイッチ25に接続され、回生電力発電期間は、蓄電部23を上限電圧Vcuに至るまでの範囲で充電し、前記回生電力発電期間以外は、蓄電部23の電圧Vcが、アイドリングストップ状態と車速vに応じて決定される設定電圧Vcsに至るまでの範囲で蓄電部23の電力を負荷19に対して放電するようにDC/DCコンバータ21を制御するとともに、アイドリングストップ後にスイッチ25をオンにして蓄電部23の電力をスタータ27に対して放電するように制御する制御回路35とを備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、高効率化が可能な車両用電源装置に関するものである。
近年、環境への配慮や燃費向上のために、制動時に発電を行うことで制動エネルギーを電気エネルギーとして回収する回生システムを搭載した自動車(以下、車両という)が開発されている。この回生システムは車両減速時に発電機で発生する電力(以下、回生電力という)を充電し、減速時以外に負荷等へ放電することで、熱として捨てていた制動エネルギーを電気エネルギーとして利用するので効率が向上するとともに、放電時における発電機の発電量を減らすことができるので、その分、エンジン負担が軽減され省燃費が可能となる。
このような回生システムを従来の車両に適用すると、回生電力は鉛バッテリに充電されることになるが、急減速等の場合は大電力が短時間に発生し、急速充電が不十分な鉛バッテリに効率的に充電することができなかった。また、鉛バッテリに印加される電圧が急上昇し、電解液の減少を引き起こす。その結果、鉛バッテリの寿命が短くなってしまう。
そこで、短時間に発生する大電力を効率よく回収するために、急速充放電特性に優れるキャパシタを予備的な蓄電手段として用いた車両回生システム用の電源装置が、例えば下記特許文献1に提案されている。図4はこのような車両用電源装置のブロック回路図である。
図4において、主蓄電手段101は鉛バッテリであり、その正極にはイグニションスイッチ103を介して車両電気負荷105が接続されている。また、主蓄電手段101の正極には車両用発電機107が接続されている。車両用発電機107はエンジン109と機械的に接続されているので、エンジン109の動作により車両用発電機107が駆動される。さらに、エンジン109はタイヤ111が機械的に接続されており、エンジン109の駆動力によりタイヤ111が回転し、車両を走行させる。また、制動による減速時には、車両の慣性によりタイヤ111が回転し、これによりエンジン109も回転する。この回転エネルギーにより車両用発電機107が駆動され、制動エネルギーによる発電が行われる。
このような車両に対し、回生電力を効率よく回収するために、車両用発電機107にはDC/DCコンバータ113を介して予備蓄電手段115が接続されている。予備蓄電手段115には大容量の電気二重層キャパシタが用いられるので、急減速時等に発生する短時間の大電力を効率よく回収できる。また、DC/DCコンバータ113には、その動作を制御するために電子演算装置117が接続されている。さらに、電子演算装置117には車両側から様々な信号を受信するための信号受信用端子119が設けられている。従って、電子演算装置117は車両の状態を信号受信用端子119から受信することにより、それに応じた予備蓄電手段115への充放電制御をDC/DCコンバータ113に対して行う。
このような構成の回生システム用電源装置とすることで、短時間に発生する大電力を含む減速時の回生電力を、一旦予備蓄電手段115に充電しておき、減速時以外に充電した電力を主蓄電手段101や車両電気負荷105に供給することができる。その結果、効率のよい制動エネルギーの回生が可能となるだけでなく、主蓄電手段101(鉛バッテリ)に印加される電圧の急上昇を低減することも可能となるので、主蓄電手段101の寿命短縮を抑制できる。
特許第3465293号公報
上記の車両用電源装置によると、確かに効率的な回生により車両の省燃費化が可能となるのであるが、これをアイドリングストップ車に適用した場合、次のような課題があった。
アイドリングストップ車は、信号待ちなどで車両が停止するとエンジンを止め、再び発進する直前にエンジンを再始動することで、車両停止中の燃料消費を抑制する。従って、上記車両用電源装置をアイドリングストップ車に適用すると、エンジン109を再始動するためのスタータは車両電気負荷105に相当するので、スタータ駆動電力は予備蓄電手段115から供給されることになる。これは、予備蓄電手段115に充電された電力が減速時以外に主蓄電手段101や車両電気負荷105に供給するよう、電子演算装置117がDC/DCコンバータ113を制御するためである。その結果、DC/DCコンバータ113にはスタータ駆動時に100A以上の大電流が流れることになり、DC/DCコンバータ113を構成するスイッチング素子の発熱による損失が大きくなるという課題があった。
これを避けるために、例えばリレーを介してスタータを予備蓄電手段115に接続する構成が考えられる。これにより、スタータ駆動時に前記リレーをオンにすることで、予備蓄電手段115の回生電力を直接スタータに供給できる。さらに、前記リレーは内部抵抗値が小さいので、発熱の影響を低減できる。
しかし、この構成の場合は、DC/DCコンバータ113を介さないので、予備蓄電手段115の電圧を常にスタータの最低駆動電圧に維持しておく必要がある。そのため、アイドリングストップ中に予備蓄電手段115の回生電力をスタータ以外の車両電気負荷105に供給できず、効率が低減するという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、アイドリングストップ車において、蓄電部の回生電力によるスタータ駆動と負荷への電力供給を両立することができる高効率な車両用電源装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の車両用電源装置は、発電機と、前記発電機に電気的に接続された主電源、および負荷と、前記発電機に双方向昇降圧型のDC/DCコンバータを介して電気的に接続された蓄電部と、前記蓄電部にスイッチを介して電気的に接続されたスタータと、前記DC/DCコンバータと前記スイッチに電気的に接続され、制動時の前記発電機の回生電力発電期間は、前記蓄電部を上限電圧(Vcu)に至るまでの範囲で充電し、前記回生電力発電期間以外は、前記蓄電部の電圧(Vc)が、アイドリングストップ状態と車速(v)に応じて決定される設定電圧(Vcs)に至るまでの範囲で前記蓄電部の電力を前記負荷に対して放電するように前記DC/DCコンバータを制御するとともに、前記アイドリングストップ後の前記スタータ駆動時に前記スイッチをオンにして前記蓄電部の電力を前記スタータに対して放電するように制御する制御回路と、を備えたものである。
本発明の車両用電源装置によれば、DC/DCコンバータを双方向昇降圧型とすることで、まず、蓄電部への回生電力充電時には発電電圧より高い電圧まで昇圧して充電できる。また、アイドリングストップ中は、スタータの最低駆動電圧に至るまでスタータ以外の負荷に回生電力を降圧、または昇圧して供給できる。さらに、アイドリングストップ後のスタータ駆動時はスイッチを介して直接蓄電部の電力を供給し、その後は蓄電部の電圧(Vc)が車速(v)に応じた設定電圧(Vcs)に至るまで前記負荷に電力を昇圧して供給することが可能となる。従って、蓄電部の回生電力によるスタータ駆動と負荷への電力供給を両立することができ、高効率化が可能になるという効果が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態における車両用電源装置のブロック回路図である。図2は、本発明の実施の形態における車両用電源装置の車速に対する設定電圧の相関図である。図3は、本発明の実施の形態における車両用電源装置の車速と蓄電部電圧の経時変化図であり、(a)は車速の経時変化図を、(b)は蓄電部電圧の経時変化図を、それぞれ示す。なお、図1において、太線は電力系配線を、細線は信号系配線を、それぞれ示す。
図1において、車両のエンジン(図示せず)には、発電機13が機械的に接続されている。発電機13はエンジン駆動時や車両制動時に電気エネルギーを発生する。発電機13には、主電源15と負荷19が電気的に接続されている。主電源15はバッテリであり、負荷19は後述するスタータを除く車載電装品である。
また、発電機13にはDC/DCコンバータ21を介して蓄電部23が電気的に接続されている。ここで、DC/DCコンバータ21は双方向昇降圧型とした。すなわち、DC/DCコンバータ21は、主電源15側の電圧Vbに対して、蓄電部23側の電圧Vcを昇圧、および降圧することができる。さらに、双方向型であるので、発電機13の電力を蓄電部23に充電したり、蓄電部23の電力を主電源15や負荷19に対して放電することができる。従って、DC/DCコンバータ21は蓄電部23の充電回路、および放電回路の役割を担う。また、蓄電部23は定格電圧2.5Vの電気二重層キャパシタを6個直列接続して構成される。従って、蓄電部23の充電時における上限電圧Vcuは2.5V×6個=15Vとなる。なお、電気二重層キャパシタの個数や接続方法(直列、並列、直並列)は上記に限定されるものではなく、必要な電気仕様に基いて適宜決定すればよい。
蓄電部23には、スイッチ25を介してエンジンを始動するためのスタータ27が電気的に接続されている。従って、スイッチ25がオンになると、蓄電部23とスタータ27が電気的に直接接続される構成となる。ここで、スイッチ25は共通端子29に対し、第1端子31、第2端子33、またはオフ状態のいずれかを選択する構成としている。なお、図1ではスイッチ25がオフ状態を選択している場合を示している。ここで、共通端子29にはスタータ27が、第1端子31には主電源15が、第2端子33には蓄電部23が、それぞれ電気的に接続されている。従って、スイッチ25は、スタータ27と主電源15を導通する状態、スタータ27と蓄電部23を導通する状態、またはオフ状態のいずれかの状態を選択することができる。また、スイッチ25の切り替えは外部からの信号により行われる。このようなスイッチ25の例として、オンオフ型リレーを2個用いることにより構成できる。これにより、スタータ27の起動、停止と、主電源15か蓄電部23のいずれかの駆動電力の選択が可能となる。
なお、ここではスイッチ25に主電源15と蓄電部23の両方が接続された構成としたが、これは、例えば車両の使用開始時におけるスタータ27の駆動時にのみ、イグニションスイッチにより直接主電源15の電力が供給される構成の場合は、蓄電部23だけをオンオフするスイッチ構成としてもよい。
DC/DCコンバータ21とスイッチ25は制御回路35と信号系配線で電気的に接続されている。制御回路35はマイクロコンピュータと周辺回路から構成され、DC/DCコンバータ21に内蔵された電圧検出回路(図示せず)で検出された蓄電部23の電圧Vcを読み込み、DC/DCコンバータ21に対して、設定電圧Vcsや制御信号contを出力する。また、スイッチ25に対し、主電源15、蓄電部23、またはオフ状態のいずれかを選択するための選択信号SWを出力する。さらに、制御回路35は、車両用制御回路(図示せず)との間で様々なデータ信号dataのやり取りを行う。
次に、設定電圧Vcsの詳細について説明する。
設定電圧Vcsは蓄電部23を放電する際の最低電圧に相当し、DC/DCコンバータ21は蓄電部23の放電動作時に、蓄電部23の電圧Vcを制御回路35から出力された設定電圧Vcsに至るまでの範囲で制御する。ここで、設定電圧Vcsの求め方について説明する。
設定電圧Vcsはアイドリングストップ状態と車速vに応じて決定される。具体的には、制御回路35は、アイドリングストップ中でなければ、現在の車速vに応じて設定電圧Vcsを変更するようにしている。すなわち、車速vが大きいほど、制動時の回生電力を多く回収できるので、蓄電部23をより低い電圧まで放電するように設定電圧Vcsを決定している。これにより、低電圧まで放電したとしても、制動時の回生電力により蓄電部23を必要な電圧まで充電することができる。
ここで、必要な電圧とは、車両制動により車速vが0km/hになった際に必要となる蓄電部23の電圧Vcのことである。すなわち、アイドリングストップ中のエネルギー供給を蓄電部23から行うために、蓄電部23の必要な電圧は、スタータ27の最低駆動電圧(=12V)と、アイドリングストップ中の負荷19へのエネルギー供給による電圧変化分を合計した電圧となる。従って、アイドリングストップ中のエネルギー供給を最大限に行えるように、車速v=0km/hにおける必要な電圧を上限電圧Vcu(=15V)に設定する例で説明する。なお、この場合、アイドリングストップ中の負荷19へのエネルギー供給による電圧変化分は3Vとなる。
車速vで走行している車両の運動エネルギーEaは、車両重量をmとすると、Ea=m・v2/2である。一方、蓄電部23を充電した場合の電気エネルギーEcは、蓄電部23の全体の容量値をCとし、充電による電圧VcがV1からV2に上昇したとすると、Ec=C・(V22−V12)/2となる。従って、蓄電部23に充電できる電気エネルギーEcは車両の運動エネルギーEaと比例するので、v2∝(V22−V12)となる。ここで、蓄電部23は制動により、制動直前の車速vに応じた設定電圧Vcsから上限電圧Vcuまで充電されるので、v2∝(Vcu2−Vcs2)となる。上限電圧Vcuは上記したように本実施の形態では15Vで定数であるので、車速vと設定電圧Vcsは負の相関関係となることがわかる。
次に、境界条件は次のように決定される。1つめの境界条件は、上記した通り、車速v=0km/hの時の設定電圧Vcs=上限電圧Vcu=15Vとなる。
次に、蓄電部23を過放電から保護するために、マージンを加味して蓄電部23の下限電圧Vcmを9Vとする。従って、蓄電部23の電圧Vcは充放電により9V(下限電圧Vcm)から15V(上限電圧Vcu)の間を変動することになる。この最大電圧変化幅ΔVmaxを充電するために必要な車速vは、上記した車両の運動エネルギーEaと蓄電部23の電気エネルギーEcの関係から計算して、60km/hであったとする。なお、この車速vは蓄電部23の容量値Cや車両重量m等の比例定数によって変化するので、それらの値によって適宜決定すればよい。以上のことから、2つめの境界条件として、車速v=60km/hの時は、設定電圧Vcs=9Vとなる。
さらに、3つめの境界条件として、アイドリングストップ中に蓄電部23のエネルギーを負荷19に供給した場合、設定電圧Vcsは12V(スタータ27の始動時に必要な最低駆動電圧)とする。これにより、アイドリングストップ後に蓄電部23のエネルギーによりスタータ27の駆動が可能となる。
以上の相関関係と境界条件から、車速vと設定電圧Vcsは図2に示すように求められる。なお、図2において、横軸は車速vを、縦軸は設定電圧Vcsを、それぞれ示す。図2の車速vが60km/hまでは、上記したように車速vと設定電圧Vcsは負の相関関係を有する。
また、車速vが60km/hを超えると、運動エネルギーEaがさらに増すので、制動時により多くの電気エネルギーEcを回収することが可能となるのであるが、蓄電部23の容量値Cや定格電圧により、これ以上の電気エネルギーEcを蓄電できない。従って、本実施の形態では、車速vが60km/hを超える場合は、図2に示すように設定電圧Vcsを9Vの一定値とした。
さらに、3つめの境界条件から、アイドリングストップ中であれば、設定電圧Vcsはスタータ27の最低駆動電圧(=12V)となる。なお、この時の車速vは0km/hである。従って、車速vが0km/hの時は、アイドリングストップ中なら設定電圧Vcsは12Vに、それ以外なら上限電圧Vcu(=15V)に設定される。
以上のようにして、アイドリングストップ状態と車速vに応じた設定電圧Vcsの相関関係を求めている。この相関関係は、あらかじめ制御回路35に内蔵されたメモリに記憶してある。従って、制御回路35は車両用制御回路からデータ信号dataによりアイドリングストップ状態と車速vを読み込むと、図2の相関関係から設定電圧Vcsを決定することができる。
次に、このような車両用電源装置の動作について、実際の車両走行時を例に図3を用いて説明する。
まず、図3(a)に示すパターンで車両が走行、停止を繰り返す場合を想定する。ここで、図3(a)の横軸は時刻tを、縦軸は車速vを、それぞれ示す。
図3(a)より、車両の走行パターンは、次の通りである。まず、時刻t2までの停止状態から車速vが40km/hに至るまで加速後(時刻t4)、その車速vを維持し(時刻t6)、次に減速して時刻t7で停止する。この停止中はアイドリングストップを行う。その後、時刻t9で加速を開始し、車速vが20km/hになる時刻t11で定速走行を行い、時刻t12で再加速する。車速vが80km/hに至ると(時刻t14)、その車速vを維持し、次に時刻t15で減速する。時刻t18で車両が停止すると、再びアイドリングストップを行い、時刻t20で再度加速を開始する。これ以降の動作は省略する。
以上の走行パターンに対し、本実施の形態の車両用電源装置は図3(b)に示す動作を行う。なお、図3(b)の横軸は時刻tを、縦軸は蓄電部23の電圧Vcを、それぞれ示す。また、実線は電圧Vcの経時特性を、太破線は設定電圧Vcsの経時特性を、それぞれ示す。
まず、時刻t0は運転者が車両に乗り込み、イグニションスイッチをオンにした状態である。この時の蓄電部23の電圧Vcは、自己放電等により、ほぼ0Vであったとする。また、イグニションスイッチをオンにすることで、制御回路35が起動し、現在の車速vに応じた設定電圧Vcsを決定する。時刻t0では車速v=0km/hであるので、図2より設定電圧Vcsは15Vとなる(図3(a)の太破線参照)。また、本来であれば蓄電部23の電圧Vcが上限電圧Vcu(=15V)に至るようにDC/DCコンバータ21が充電制御を行うのであるが、時刻t0から時刻t1の間はエンジンが始動していないので、蓄電部23の充電を行おうとすると、主電源15の電力が持ち出されることになる。そこで、蓄電部23への電力の持ち出しを回避するために、制御回路35はエンジンが始動していない時はDC/DCコンバータ21が蓄電部23の充電を行わないように制御する。
次に、時刻t1で運転者がイグニションスイッチによりエンジンを始動する。この時、蓄電部23には電力が蓄えられていないので、主電源15の電力によりスタータ27に電力を供給しなければならない。そのために、制御回路35は車両用制御回路よりエンジン始動信号をデータ信号dataとして受信すると、スイッチ25が第1端子31を選択するように選択信号SWをスイッチ25に出力する。これを受け、スイッチ25は第1端子31側に切り替わり、主電源15の電力がスタータ27に供給される。このような動作により、エンジンの始動が行われる。なお、エンジンの始動が終了すれば、制御回路35は、それを示す信号を車両用制御回路から受信する。これにより、制御回路35はスイッチ25をオフ状態にするように選択信号SWを出力する。その結果、スタータ27の動作が停止する。
時刻t1でエンジンが始動すると、制御回路35は直ちにエンジントルクによる発電機13の発電電力を蓄電部23に充電するようDC/DCコンバータ21に制御信号contを出力する。これにより、蓄電部23への充電が開始される。この動作は、蓄電部23の下限電圧Vcmが9Vであるので、最低でも下限電圧Vcmまでは充電しておく必要があるためである。この結果、蓄電部23の電圧Vcは図3(b)の実線に示すように時刻t1以降で経時的に上昇する。
その後、時刻t2で車両が走行を開始する。これにより、図3(a)に示すように、車速vは経時的に上昇する。その結果、制御回路35は、車両用制御回路から得られた車速信号に応じて、図2の相関関係から設定電圧Vcsを更新していく。ゆえに、図3(b)の太破線に示すように、時刻t2以降で設定電圧Vcsは経時的に低下していく。
一方で、蓄電部23の電圧Vcは経時的に上昇しているので、両者は時刻t3で一致する。しかし、車速vは図3(a)に示すように時刻t3以降も上昇し続けるため、設定電圧Vcsは低下していく。その結果、時刻t3では加速中であり回生電力発電期間ではないので、制御回路35は時刻t3以降で、蓄電部23の電圧Vcが設定電圧Vcsに至るまでの範囲で、蓄電部23を放電するようDC/DCコンバータ21を制御する。放電されたエネルギーは負荷19に供給される。このような動作により、蓄電部23の電圧Vcは時刻t3以降で低下していく。なお、図3(b)において、設定電圧Vcsの方が蓄電部23の電圧Vcよりも速く低下しているが、これは負荷19の消費電力Wが小さい場合を想定しているためである。また、蓄電部23の電圧Vcの低下速度は経時的に大きくなっているが、これは時刻tが電圧Vcに対して2次の負の相関関係、すなわち、W・t=C・(Vc22−Vc12)/2を有するためである。ここで、Vc2は負荷19への放電初期の蓄電部23の電圧、Vc1は時刻tにおける蓄電部23の電圧Vcを示す。また、消費電力Wは一定とする。
その後、図3(a)に示すように、時刻t4で車速vが40km/hで一定になると、図3(b)の太破線に示すように、設定電圧Vcsはv=40km/hの時の値である12.7Vを維持する(図2参照)。一方、蓄電部23の電圧Vcは時刻t4の時点では、まだ設定電圧Vcsに至っていないので、DC/DCコンバータ21は引き続き負荷19に蓄電部23のエネルギーを供給し続ける。
次に、時刻t5で蓄電部23の電圧Vcが設定電圧Vcs(=12.7V)に至る。これにより、制御回路35はDC/DCコンバータ21に対し、負荷19への放電を停止するよう制御信号contを出力する。従って、蓄電部23の電圧Vcは設定電圧Vcsの値を維持する。
その後、図3(a)に示すように、時刻t6で車両が制動を開始し、車速vが低下していく。この車速変化を車両用制御回路から受信すると、制御回路35はDC/DCコンバータ21に対し、直ちに発電機13で発生している回生電力を蓄電部23に充電するよう制御する。この回生電力発電期間においては、蓄電部23が上限電圧Vcuに至るまでの範囲で充電される。ここで、上記したように車速vと設定電圧Vcsはv2∝(Vcu2−Vcs2)の相関関係があり、回生電力の充電による蓄電部23の電圧Vcは上記相関関係で設定電圧Vcsが電圧Vcに相当するため、v2∝(Vcu2−Vc2)となる。従って、時刻t6から時刻t7における回生電力発電期間中は、設定電圧Vcsと蓄電部23の電圧Vcの挙動が等しくなる。ゆえに、図3(b)に示したように、太実線と太破線が一致する。
時刻t7で車速vが0km/hになると、設定電圧Vcsは図3(b)の太破線に示したように上限電圧Vcu=15Vに至る。これにより、制御回路35は充電を停止するようDC/DCコンバータ21を制御する。この時点で、車両用制御回路はアイドリングストップを行うよう制御する。この状態はデータ信号dataにより制御回路35に送信される。これを受け、制御回路35は、現在車両がアイドリングストップ状態であるので、上記した3つめの境界条件が成立したとして、設定電圧Vcsをスタータ27の最低駆動電圧である12Vとする。
時刻t7以降ではアイドリングストップのために、エンジンが停止する。従って、発電機13も発電を停止する。そこで、制御回路35は蓄電部23が蓄えた回生電力を負荷19に対して放電するようにDC/DCコンバータ21を制御する。これにより、蓄電部23の電圧Vcは経時的に低下するものの、DC/DCコンバータ21により電圧が安定化されて、アイドリングストップ中でも負荷19にエネルギーが供給され続ける。また、このエネルギーは制動時に得られたものであるので、従来捨てていたエネルギーを有効活用でき、効率が向上する。なお、時刻t7以降では、上記したように設定電圧Vcsが12Vとなるので、制御回路35は蓄電部23の電圧Vcが設定電圧Vcs(=12V)に至るまで負荷19にエネルギーを供給する。
時刻t8で電圧Vcが設定電圧Vcsに至ると、制御回路35は蓄電部23の放電を停止するようDC/DCコンバータ21を制御する。これにより、蓄電部23の電圧Vcは設定電圧Vcsを維持する。また、時刻t8以降は主電源15のエネルギーが負荷19に供給される。
この時刻t7から時刻t8までの動作をまとめると、次のようになる。制御回路35は、アイドリングストップを行っている間に、負荷19に対して放電している蓄電部23の電圧Vcが、アイドリングストップ状態の設定電圧Vcs(=12V)に至れば、蓄電部23から負荷19への電力の放電を停止するように、DC/DCコンバータ21を制御する。これにより、後述するように、蓄電部23に残った電力でスタータ27を駆動することができるので、回生電力の有効活用が可能になるとともに、主電源15の大電流放電が低減されるので、主電源15の長寿命化を図ることができる。
次に、時刻t9で車両を再び走行させるために、運転者はブレーキペダルからアクセルペダルに踏み替える。これらのペダル信号から、車両用制御回路はアイドリングストップを終了し、エンジンを再始動する信号を制御回路35に送信する。これを受け、制御回路35はスイッチ25を第2端子33側に切り替える。その結果、蓄電部23の電力がスタータ27に対して放電される。この時、蓄電部23の電圧Vcはスタータ27の最低駆動電圧(12V)を維持しているので、主電源15の電力を使用することなくスタータ27の駆動が可能となる。従って、スタータ27の駆動中も負荷19には主電源15から安定したエネルギーが供給され続けるので、負荷19の動作が途切れることがなくなる。
スタータ27を駆動すると、大電流が流れるため、蓄電部23の電圧Vcは図3(b)の実線に示すように、時刻t9で急激に低下する。これは、蓄電部23の直列抵抗成分に起因して低下する。その後、エンジンが始動すると、その信号が車両用制御回路から送信される。これを受け、制御回路35はスイッチ25をオフ状態にする。これにより、スタータ27が停止する。このスタータ27における駆動から停止までの期間は極めて短いので、エンジンが始動しスイッチ25がオフ状態になると、蓄電部23から流れる電流が小さくなるので、電圧Vcは急激に上昇する。
このようにしてエンジンの始動が完了すると、アイドリングストップ状態ではなくなるが、車速vは0km/hであるので、制御回路35は設定電圧Vcsを再び上限電圧Vcu(=15V)に設定する。これにより、DC/DCコンバータ21は、蓄電部23の電圧Vcが設定電圧Vcsに至るように、発電機13で発生したエンジントルクによる電力を蓄電部23に充電し始める。
時刻t9以降で車両が走行を始めると、図3(a)に示すように車速vは経時的に上昇する。それに応じて、設定電圧Vcsは図3(b)の太破線に示すように低下していく。
一方で、上記したように、蓄電部23の電圧Vcは経時的に上昇しているので、両者は時刻t10で一致する。しかし、車速vは図3(a)に示すように時刻t3以降も上昇し続けるため、設定電圧Vcsは低下していく。その結果、制御回路35は時刻t10以降で、蓄電部23の電圧Vcが設定電圧Vcsに至るように、蓄電部23を放電するようDC/DCコンバータ21を制御する。放電されたエネルギーは負荷19に供給される。このような動作により、上記した時刻t3以降と同様に、蓄電部23の電圧Vcは時刻t10以降で低下していく。但し、この期間では図3(a)に示すように、車両の加速が緩やかであるので、設定電圧Vcsの変化も緩やかになる。その結果、設定電圧Vcsの方が蓄電部23の電圧Vcよりも遅く低下し、設定電圧Vcsの変化が律速となる。従って、図3(b)の太実線と太破線は一致する。
その後、図3(a)に示すように、時刻t11で車速vが20km/hで一定になると、図3(b)の太破線に示すように、設定電圧Vcsはv=20km/hの時の値である14.5Vを維持する(図2参照)。従って、蓄電部23の電圧Vcも時刻t11で設定電圧Vcs(=14.5V)となるので、制御回路35はDC/DCコンバータ21に対し、負荷19への放電を停止するよう制御信号contを出力する。これにより、蓄電部23の電圧Vcは設定電圧Vcsの値を維持する。
その後、図3(a)に示すように、時刻t12で再び車速vが上昇する。それに応じて、設定電圧Vcsが低下するので、DC/DCコンバータ21は電圧Vcが設定電圧Vcsに至るように蓄電部23のエネルギーを再び負荷19に供給する。その結果、電圧Vcも低下していく。但し、この場合は設定電圧Vcsの変化速度が蓄電部23の電圧Vcの変化速度よりも大きくなるので、設定電圧Vcsの方が速く低下する。
時刻t13で車速vが60km/hに達すると、図2より設定電圧Vcsは9V(下限電圧Vcm)に至る。これにより、時刻t13以降で図3(a)に示すように車速vが上昇し続けても、設定電圧Vcsは9Vのまま一定となる。しかし、時刻t13では蓄電部23の電圧Vcが9Vに至っていないので、蓄電部23のエネルギーは負荷19に供給され続ける。
その後、時刻t14で車速vが80km/hに至った後、定速で走行しても、設定電圧Vcsは9Vのままである。一方、蓄電部23の電圧Vcは時刻t14で9Vに至るので、その後、DC/DCコンバータ21は電圧Vcが9Vを維持するように制御する。従って、時刻t14以降は、負荷19には主電源15のエネルギーのみが供給される。なお、図3(b)では時刻t14で車速vが80km/hに至ると同時に蓄電部23の電圧Vcが9Vになっているが、これは時刻t14でちょうど電圧Vcが9Vに至るような負荷19の消費電力であったためであり、負荷19の動作状況によっては時刻t14より早くに、または遅くに9Vに至る場合もある。
次に、時刻t14から時刻t15の間は車速vが80km/hを維持しているため、設定電圧Vcs、および蓄電部23の電圧Vcは、いずれも9Vとなる。
次に、図3(a)に示すように、時刻t15で車両が制動され減速する。これにより車速vは低下するが、60km/h以上の間(時刻t16まで)は設定電圧Vcsは9Vのままである。一方、制御回路35は、回生電力発電期間に入ると、直ちに蓄電部23を上限電圧Vcuに至るまでの範囲で充電するようにDC/DCコンバータ21を制御する。従って、蓄電部23の電圧Vcは時刻t15以降で経時的に上昇する。このように、回生電力が発生すると、設定電圧Vcsの値とは無関係に蓄電部23を充電制御することにより、回生電力を少しでも早く充電でき、その分、高効率化が図れる。
その後、時刻t16以降で車速vが60km/hを下回ると、設定電圧Vcsは車速vに応じて上昇するが、DC/DCコンバータ21は引き続き蓄電部23の電圧Vcが上限電圧Vcuに至るまでの範囲で回生電力を蓄電部23に充電する。
その後、時刻t17で蓄電部23の電圧Vcが上限電圧Vcuに至ると、制御回路35はDC/DCコンバータ21に対し充電を停止するよう制御する。従って、蓄電部23の電圧Vcは上限電圧Vcu(=15V)を維持する。
次に、時刻t18で車速vが0km/hに至ると、設定電圧Vcsと蓄電部23の電圧Vcは15Vとなるが、この時、車両はアイドリングストップを行うので、上記した3つめの境界条件が成立し、制御回路35は設定電圧Vcsをスタータ27の最低駆動電圧(=12V)に下げる。この動作により、DC/DCコンバータ21は時刻t18以降で回生電力を蓄えた蓄電部23のエネルギーを設定電圧Vcsに至るまでの範囲で負荷19に供給する。なお、これらの動作は時刻t7以降と同じである。
また、時刻t19で蓄電部23の電圧Vcが設定電圧Vcsに至り、時刻t20でアイドリングストップが終了してスタータ27を駆動する動作については、時刻t8から時刻t9と同じ動作である。
このような動作を繰り返すことにより、図3(b)の実線に示すように、蓄電部23の電圧Vcは、スタータ27の最低駆動電圧(12V)を中心に、車両制動時は上限電圧Vcuまで、走行時は車速vに応じて下限電圧Vcmまでの間をそれぞれ上下することにより、効率のよい充放電が可能となり、回生電力の有効活用ができる。
以上の動作をまとめると、次のようになる。制御回路35は、制動時の発電機13の回生電力発電期間(図3の時刻t6から時刻t7や、時刻t15から時刻t18)は、蓄電部23を上限電圧Vcuに至るまでの範囲で充電するようにDC/DCコンバータ21を制御する。また、回生電力発電期間以外は、蓄電部23の電圧Vcが、アイドリングストップ状態と車速vに応じて決定される設定電圧Vcs(最小は下限電圧Vcm)に至るまでの範囲で、蓄電部23の電力を負荷19に対して放電するようにDC/DCコンバータ21を制御する。この時、アイドリングストップ後のスタータ27の駆動時には、スイッチ25を第2端子33側にオンにして蓄電部23の電力をスタータ27に対して放電するように制御する。
なお、回生電力発電期間に蓄電部23の電圧Vcが上限電圧Vcuに至らなければ、制御回路35は回生電力の発電が終了する時点まで蓄電部23を充電するように制御する。同様に、回生電力発電期間以外で、蓄電部23の電圧Vcが設定電圧Vcsに至らなければ、制御回路35は回生電力が発電される時点まで蓄電部23のエネルギーを負荷19に供給するように制御する。
次に、車両の使用を終了した後の動作について説明する。
運転者がイグニションスイッチをオフにして車両の使用を終了すると、その時に蓄電部23には車両を停止した際の回生電力がほぼ上限電圧Vcuまで充電されている状態となる。この状態で放置しても構わないが、車両使用終了後は、負荷19が停止しているので、蓄電部23は高電圧の状態で放置されることになる。その結果、蓄電部23の寿命が短くなる可能性がある。
そこで、本実施の形態では、車両使用終了時に制御回路35が蓄電部23の電力を放電するようにDC/DCコンバータ21を制御している。なお、蓄電部23の電力の放電先は負荷19の内のいずれかでもよいし、放電回路を設ける構成としてもよい。これにより、蓄電部23が高電圧状態にある期間が短くなり、長寿命化が図れる。この時、蓄電部23の電圧Vcが0Vになるまで放電すると寿命に対しては理想的であるが、車両の使用終了直前の制動により発生した回生電力をほとんど活かすことができない。ゆえに、本実施の形態では、蓄電部23の電圧Vcが、少なくともスタータ27の最低駆動電圧(=12V)に至るまで、制御回路35が蓄電部23の電力を放電するようにしている。これにより、次に車両を使用する時に、蓄電部23に電力が残っている可能性が高くなり、その分、図3(b)の時刻t1以降で行っている蓄電部23の充電が早く終了するとともに、充電電力も低減できる。なお、前記最低駆動電圧より低い電圧まで放電するようにしても構わないが、蓄電部23の寿命は、電圧Vcが定格電圧から少し下がると、格段に長くなる傾向がある。従って、必要な寿命が確保できる範囲までで蓄電部23の電圧Vcを放電するようにしている。これにより、寿命確保と回生電力の有効活用が両立できる。なお、本実施の形態では蓄電部23の寿命が確保できる最大の電圧Vcとしてスタータ27の最低駆動電圧とした。
また、このような放電制御を行っても、車両非使用期間が長ければ蓄電部23の内部抵抗により自己放電が進行するので、電圧Vcはさらに低下する。しかし、この場合であっても、蓄電部23が高電圧状態にある期間を低減するために、車両使用終了時の放電は有効である。
以上の構成、動作により、本実施の形態における車両用電源装置は以下のような効果が得られる。
1)DC/DCコンバータ21を双方向昇降圧型としたので、蓄電部23への回生電力充電時には発電機13の発電電圧(例えば14V)より高い電圧、すなわち上限電圧Vcu(=15V)まで昇圧して充電できる。
2)アイドリングストップ中は、スタータ27の最低駆動電圧である12Vに至るまで、スタータ27以外の負荷19に、蓄電部23が蓄えた回生電力によるエネルギーを降圧、または昇圧して供給できる。すなわち、負荷19の定格電圧を14Vとすると、蓄電部23の電圧Vcは、回生電力の充電により最初は上限電圧Vcu(=15V)であるので、DC/DCコンバータ21により15Vを14Vに降圧して負荷19に供給する。電圧Vcが14Vを下回ると、DC/DCコンバータ21により昇圧した14Vを負荷19に出力する。
3)アイドリングストップ後のスタータ27の駆動時は、スイッチ25を介して直接蓄電部23から回生電力を放電できる。
4)その後、蓄電部23の電圧Vcが車速vに応じた設定電圧Vcsに至るまで、DC/DCコンバータ21により負荷19に蓄電部23のエネルギーを昇降圧して供給できる。
これらの効果をまとめると、蓄電部23が蓄えた回生電力によるスタータ27の駆動と負荷19への電力供給を両立することができ、高効率化が可能な車両用電源装置を実現できる。
なお、本実施の形態では、アイドリングストップ状態の設定電圧Vcsを、スタータ27の始動時に必要な最低駆動電圧としたが、これに限定されるものではなく、前記最低駆動電圧より高い電圧でもよい。しかし、回生電力を最大限に有効活用するには、回生により得られたエネルギーをできるだけ負荷19に供給する方が望ましいので、スタータ27を駆動するための最低限の電圧まで蓄電部23を放電するようにしている。
また、本実施の形態では、図3において車両が平坦な道路を走行している場合を想定して説明したが、例えば登坂時に制動した場合は、車両の運動エネルギーEaの一部が位置エネルギーの増加に費やされることになり、十分な回生電力が得られない可能性がある。この場合は、傾斜角センサや気圧センサ等の高度センサを設け、それによる制動時の高度変化を考慮し、設定電圧Vcsを可変して決定すればよい。また、カーナビゲーションの地図情報から高度変化を求めて、設定電圧Vcsを可変してもよい。
また、本実施の形態において、蓄電部23は電気二重層キャパシタで構成したが、これは電気化学キャパシタ等の高容量キャパシタでもよい。また、蓄電部23を電池で構成することも可能ではあるが、回生電力の充放電を図3(b)に示すように自在に制御しにくいので、蓄電部23にはキャパシタが適する。
本発明にかかる車両用電源装置は、高効率化が可能となるので、特に燃費向上が要求される車両用電源装置等として有用である。
本発明の実施の形態における車両用電源装置のブロック回路図 本発明の実施の形態における車両用電源装置の車速に対する設定電圧の相関図 本発明の実施の形態における車両用電源装置の車速と蓄電部電圧の経時変化図であり、(a)は車速の経時変化図、(b)は蓄電部電圧の経時変化図 従来の車両用電源装置のブロック回路図
符号の説明
13 発電機
15 主電源
19 負荷
21 DC/DCコンバータ
23 蓄電部
25 スイッチ
27 スタータ
35 制御回路

Claims (6)

  1. 発電機と、
    前記発電機に電気的に接続された主電源、および負荷と、
    前記発電機に双方向昇降圧型のDC/DCコンバータを介して電気的に接続された蓄電部と、
    前記蓄電部にスイッチを介して電気的に接続されたスタータと、
    前記DC/DCコンバータと前記スイッチに電気的に接続され、制動時の前記発電機の回生電力発電期間は、前記蓄電部を上限電圧(Vcu)に至るまでの範囲で充電し、前記回生電力発電期間以外は、前記蓄電部の電圧(Vc)が、アイドリングストップ状態と車速(v)に応じて決定される設定電圧(Vcs)に至るまでの範囲で前記蓄電部の電力を前記負荷に対して放電するように前記DC/DCコンバータを制御するとともに、前記アイドリングストップ後の前記スタータ駆動時に前記スイッチをオンにして前記蓄電部の電力を前記スタータに対して放電するように制御する制御回路と、を備えた車両用電源装置。
  2. 前記アイドリングストップ状態の前記設定電圧(Vcs)は、前記スタータの始動時に必要な最低駆動電圧である請求項1に記載の車両用電源装置。
  3. 前記スイッチは、前記スタータと前記主電源を導通する状態、前記スタータと前記蓄電部を導通する状態、またはオフ状態のいずれかの状態を選択する構成を有する請求項1に記載の車両用電源装置。
  4. 前記蓄電部はキャパシタである請求項1に記載の車両用電源装置。
  5. 前記制御回路は、車両使用終了時に前記蓄電部の電力を放電するようにした請求項1に記載の車両用電源装置。
  6. 前記制御回路は、前記蓄電部の電圧(Vc)が、少なくとも前記スタータの最低駆動電圧に至るまで、前記蓄電部の電力を放電するようにした請求項5に記載の車両用電源装置。
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