JP2010062585A - 希土類磁石及び磁石モータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明では、R−Fe−B(Rは希土類元素)系磁石の主相であるNd2Fe14Bの粒界の一部に層状の粒界相が形成された希土類磁石であって、前記粒界相はフッ素化合物を含み、該フッ素化合物の厚さが10μm以下、或いは、該フッ素化合物の厚さが0.1μm以上10μm以下であり、該フッ素化合物の主相粒子被覆率が平均で50%以上とする。そして、前記粒界相に板状に形成された粉末のフッ素化合物を層状に形成後、所定の温度で真空溶解後、急冷する、或いは、前記主相とフッ素化合物を加熱加圧して該フッ素化合物が前記粒界相に沿って層状に形成させることで製造する。
【選択図】 図9
Description
NdFeB合金は水素化脱水素処理を施した粒径約100μmの粉であり、この粉末の保磁力は16kOeである。このNdFeB粉末に混合するフッ素化合物はNdF3である。NdF3原料粉を図7のような急冷装置を用いて急冷し、板状あるいはリボン状粉末を形成する。図7では、原料粉102をタングステン電極103によるアーク溶解で不活性ガス雰囲気101中にて溶解し、ノズル孔104からシャッター107を開けてロール105上に溶解したNdF3を吹き付ける。不活性ガスにはArガスを、ロール105にはCuあるいはFe系材料を使用し、500から5000rpmで回転したロール105の上にArガスで加圧し差圧を利用して吹き付ける。得られるNdF3粉末は板状となり、このNdF3粉末とNdFeB粉末をNdF3が約10wt%となるように混合した。この混合粉末を10kOeの磁界で配向,圧縮し、Arガス中で加熱圧縮成形した。成形条件は、加熱温度700℃,圧縮圧力3−5t/cm2であり7mm×7mm×5mmの異方性磁石を作製した。作製した成形体の密度はいずれも7.4g/cm2以上であった。成形した異方性磁石の異方性方向に30kOe以上のパルス磁界を印加し減磁曲線を20℃で測定した。
実施例1で使用したNdFeB粉末はボンド磁石などに用いられるものである。実施例2で用いるNdFeB粉末は、焼結用粉末であり、Nd2Fe14Bを主相とし主相の結晶粒界にはNdリッチ相が成長したものであり、粉末径は5μmである。(Nd,Dy)F3粉末は、真空度l×10-5Torr以下に真空引き後アルゴン雰囲気でアーク溶解により溶解後、溶湯を真空中で回転する単ロール表面に加圧噴射させる。このときの冷却速度は、104-6℃/秒である。急冷によって形成されたNdF3−5wt%DyF3粉((Nd,Dy)F3粉末)から厚さ10μm以下、アスペクト比(縦と横の比)2以上の粉末を含んでいる。このような(Nd,Dy)F3粉末から厚い粉末を取り除き、できるだけ薄いNdF3粉末を選別してNd−Fe−B合金粉末と混合する。(Nd,Dy)F3混合量は約10wt%である。混合した粉末を磁界中(10kOe)で成形(1t/cm2)し、真空中において1100℃で焼結した。焼結体は10×10×5mmであり異方性の方向は5mm方向である。焼結磁石を30kOeの磁界で異方性の方向に着磁後、減磁曲線を20℃で測定した。粒界被覆率は平均約50%である。
NdFeB合金は水素化脱水素処理を施した粒径約150μmの粉であり、この粉末の保磁力は12kOeである。このNdFeB粉末に混合するフッ素化合物はNdF3である。NdF3原料粉を粉砕し平均粒径0.1μmとした。NdFeB粉末にNdF3が約10wt%となるように混合した。この混合粉末を10kOeの磁界で配向,圧縮し、通電により真空中(1×10-5Torr)で加熱圧縮成形した。加熱温度700℃,圧縮圧力3t/cm2であり7mm×7mm×5mmの異方性磁石を作製した。作製した成形体の密度はいずれも7.4g/cm2以上であった。成形した異方性磁石の異方性方向に30kOe以上のパルス磁界を印加し減磁曲線を20℃で測定した。
NdFeB粉末は、焼結用粉末であり、Nd2Fe14Bを主相粉末径は5μmである。(Nd,Dy)F3,Fe混合粉末は、真空度1×10-2Torr以下に真空引き後アルゴン雰囲気中の双ロールで加熱急冷し圧延により形成した。このときの冷却速度は、103℃/秒である。急冷によって形成されたNdF3−5wt%DyF3−Fe1wt%粉(Fe−(Nd,Dy)F3粉末)から厚さ30μm以下、アスペクト比(縦と横の比)2以上の粉末を含んでいる。このようなFe−(Nd,Dy)F3粉末とNd−Fe−B粉末と混合する。Fe−(Nd,Dy)F3粉末はFeを含んでいるため室温で強磁性を示す。またキュリー温度は400℃でありNdFeB主相のキュリー温度よりも高い。さらにFe−(Nd,Dy)F3粉末の20℃での保磁力は3−10kOeであり、Fe無添加のフッ化物よりも高保磁力化が可能である。Fe−(Nd,Dy)F3混合量は約10wt%である。混合した粉末を磁界中(10kOe)で成形(1t/cm2)し、真空中において1100℃で焼結した。焼結体は10×10×5mmであり異方性の方向は5mm方向である。焼結磁石を30kOeの磁界で異方性の方向に着磁後、減磁曲線を20℃で測定した。粒界被覆率は平均約50%である。その結果を図6に示す。図6のBr,BHmaxとNdF3厚さとの関係は図3の傾向と定性的に等しい。(Nd,Dy)F3厚さ0.05μmから10μmの範囲では、Br,iHc,Bhmax全てがNdF3無添加磁石よりも高い。これは(Nd,Dy)F3により高保磁力化が可能なこと、減磁曲線の角形性が向上しBrが増加すること、その結果(BH)maxが増加することを示している。これらの結果から、粒界被覆率(50%以上)と粒界のフッ化物厚さを制御することで焼結磁石の高性能化が達成でき、フッ化物を強磁性化することでさらに高保磁力化が可能であることを示している。
モータ用回転子を作成した例を以下に示す。図8に作製した回転子の外観を示す。インナーロータの場合、シャフト202の外周側に磁石が配置され、上記フッ素化合物を含む磁石201をシャフト202外周側に配置する。図8の回転子は熱減磁しにくく、保磁力の温度係数が小さい硬質磁性材料の適用により、逆磁界に強く、誘起電圧の温度依存性が小さく、高温まで安定した出力を得ることが可能である。
磁性粉末としてNd2Fe14Bを主相とする粉末径1−100μmの粉末を用い、NdF3を含む溶液を使用して磁性粉末表面の一部または全面に結晶質または非晶質のNdF3主成分とする膜を形成する。NdF3の膜厚は、平均で1−100nmである。NdF3にNdF2が混合していても、磁性粉末の磁気特性には影響しない。これらのフッ化物層と磁性粉末の界面付近には、希土類元素を含む酸化物及び微量の不純物である炭素含有化合物があってもよい。フッ化物として同様な溶液が使用できるのは、BaF2,CaF2,MgF2,SrF2,LiF,LaF3,NdF3,PrF3,SmF3,EuF3,GdF3,TbF3,DyF3,CeF3,HoF3,ErF3,TmF3,YbF3,PmF3である。これらの結晶質または非晶質のフッ素化合物含有成分を少なくとも1種類以上Nd2Fe14Bを主相とする粉末表面に形成することにより、保磁力の温度係数低減,保磁力増大,残留磁束密度の温度係数低減あるいはHkの増加,減磁曲線の角型性向上のいずれかの効果が得られる。上記フッ化物層を形成させた磁性粉末をPPS(ポリフェニルスルヒド)などの有機樹脂と混合させたコンパウンドを作製し、磁場中成形することにより、ボンド磁石に成形することが可能である。作製したボンド磁石の磁気特性を表1に示す。
Nd2Fe14Bを主相とする粉末径1−100μmの磁性粉を用い、フッ化物を含む溶液を使用して結晶質または非晶質のフッ化物を主成分とする膜を磁性粉表面の一部または全面に形成する。該フッ化物の厚さは平均1−100nmである。この磁性粉を1100℃に加熱し、さらに500−600℃の熱処理を加えて磁性粉の保磁力を増加させる。この熱処理により10kOe以上の保磁力が得られる。上記熱処理により、磁性粉の表面付近には希土類リッチ相が形成され、その外側に結晶質または非晶質のフッ素化合物を主成分とする膜がある。フッ素化合物としては、BaF2,CaF2,MgF2,SrF2,LiF,LaF3,NdF3,PrF3,SmF3,EuF3,GdF3,TbF3,DyF3,CeF3,HoF3,ErF3,TmF3,YbF3,PmF3が形成でき、これらのフッ化物の形成により、保磁力の温度係数低減,保磁力増大,残留磁束密度の温度係数低減あるいはHkの増加のいずれかの効果が得られる。上記熱処理により、磁性粉表面の酸化物とフッ化物の一部が反応してフッ化物内に酸素が混合し、酸素を含んだフッ化物が形成する。この酸フッ化物の形成により主相の酸素濃度が減少し、その結果残留磁束密度の増加,角型性向上が実現できる。表面酸化物がない場合においても、フッ化物により磁粉表面の酸化が抑えられ、耐熱温度の高いボンド磁石用磁粉として用いることが可能である。作製したボンド磁石の磁気特性を表2に示す。
Nd2Fe14Bを主相とする粉末径1−100μmの磁性粉を用い、フッ化物を含む溶液を使用して結晶質または非晶質のフッ化物を主成分とする膜を磁性粉表面の一部または全面に形成する。該フッ化物の厚さは平均1−100nmである。結晶質または非晶質のフッ化物を主成分とする膜が形成されたか否かは、X線回折,SEM組成分析,TEMなどの分析によって判定できる。結晶質または非晶質のフッ化物を主成分とする膜が被覆された磁粉に磁界を印加しプレス機を使用して成形体を作成する。この成形体を900−1100℃に加熱し、さらに500−700℃の熱処理を加えて保磁力を増加させる。この熱処理により10kOe以上の保磁力が得られる。結晶質または非晶質のフッ化物を主成分とする膜の厚さが薄い場合は、上記1100℃の熱処理において、フッ化物層が部分的に凝集したり破れたりすることで、焼結する。上記熱処理により、磁性粉の表面付近には希土類リッチ相が形成され、その外側に結晶質または非晶質のフッ化物を主成分とする層がある。フッ素化合物としては、BaF2,CaF2,MgF2,SrF2,LiF,LaF3,NdF3,PrF3,SmF3,EuF3,GdF3,TbF3,DyF3,CeF3,HoF3,ErF3,TmF3,YbF3,PmF3が形成でき、これらのフッ化物は希土類リッチ相あるいは希土類酸化物と界面を形成するか、あるいは希土類酸化物とフッ化物の混合層となる。希土類酸化物とフッ化物の混合層の形成によりフッ素濃度が少ないフッ化物が形成するが同様の効果が得られる。このようなフッ素を含む外周層の形成により、内部の酸化を防止することができ、保磁力の温度係数低減,保磁力増大,残留磁束密度の温度係数低減あるいはHkの増加のいずれかの効果が得られる。作製した焼結磁石の特性を表3に示す。
Nd2Fe14Bを主相とする粉末径1−100μmの磁性粉を用い、フッ化物を含む溶液を使用して結晶質または非晶質のフッ化物を主成分とする膜を磁性粉表面の一部または全面に形成する。該フッ化物の厚さは平均1−100nmである。結晶質または非晶質のフッ化物を主成分とする膜が形成されたか否かは、X線回折,SEM組成分析,TEMなどの分析によって判定できる。結晶質または非晶質のフッ化物を主成分とする膜が被覆された磁粉に磁界を印加し、プレス機を使用して成形体を作成する。この成形体を1000℃以上に加熱し、さらに500−600℃の熱処理を加えて保磁力を増加させる。この熱処理により10kOe以上の保磁力が得られる。結晶質または非晶質のフッ化物を主成分とする層は上記熱処理後も連続的に層状に磁粉の外周に存在する。上記熱処理により、磁性粉の表面付近には希土類リッチ相が形成され、その外側に結晶質または非晶質のフッ化物を主成分とする層がある。フッ素化合物としては、BaF2,CaF2,MgF2,SrF2,LiF,LaF3,NdF3,PrF3,SmF3,EuF3,GdF3,TbF3,DyF3,CeF3,HoF3,ErF3,TmF3,YbF3,PmF3が形成でき、これらのフッ化物は希土類リッチ相あるいは希土類酸化物と界面を形成するか、あるいは希土類酸化物とフッ化物の混合層となる。希土類酸化物とフッ化物の混合層の形成によりフッ素濃度が少ないフッ化物が形成するが同様の効果が得られる。このようなフッ素を含む外周層の形成により、内部の酸化を防止することができ、保磁力の温度係数低減,保磁力増大,残留磁束密度の温度係数低減あるいはHkの増加のいずれかの効果が得られる。上記磁粉を500−600℃の熱処理時に加圧することで、焼成体ができる。作製した焼成体の磁気特性を表4に示す。
2−14相以外の主相である、2−17相(SmFeN系,SmCo系)へも結晶質または非晶質のフッ化物を主成分とする膜の形成が可能である。粉末径1−10μmのSm2Fe17N3粉末を、フッ化物を含む溶液に浸して粉末表面の一部または全面に結晶質または非晶質のフッ化物を主成分とする膜を形成する。磁粉表面の溶媒は100℃以上の温度で加熱することにより除去され、結晶質または非晶質のフッ化物を主成分とする膜が磁粉表面の一部または全面に形成される。該フッ化物の厚さは1−100nmである。フッ素化合物としては、BaF2,CaF2,MgF2,SrF2,LiF,LaF3,NdF3,PrF3,SmF3,EuF3,GdF3,TbF3,DyF3,CeF3,HoF3,ErF3,TmF3,YbF3,PmF3が形成できる。これらのフッ化物で磁粉表面の一部または全面を被覆したSmFeNあるいはSmCo磁粉は、樹脂と混合し射出あるいは圧縮成形によりボンド磁石にすることが可能である。
磁性粉末としてNd2Fe14Bを主相とする粉末径1−100μmの粉末を用い、溶媒を用いてゲル化したNdF3を使用して磁性粉末表面の一部または全面に結晶質または非晶質のNdF3主成分とする膜を形成する。磁性粉末に塗布する際には、磁性粉末に磁気的あるいは構造的ダメージを与えにくい溶媒を選択して使用する。塗布して形成したNdF3の膜厚は、平均で1−10000nmである。NdF3にNdF2が混合していても、磁性粉末の磁気特性には影響しない。これらのフッ化物層と磁性粉末の界面付近には、希土類元素を含む酸化物及び微量の不純物である炭素あるいは酸素含有化合物があってもよい。フッ化物として同様なゲル状物が使用できるのは、BaF2,CaF2,MgF2,SrF2,LiF,LaF3,NdF3,PrF3,SmF3,EuF3,GdF3,TbF3,DyF3,CeF3,HoF3,ErF3,TmF3,YbF3,LuF3,LaF2,NdF2,PrF2,SmF2,EuF2,GdF2,TbF2,DyF2,CeF2,HoF2,ErF2,TmF2,YbF2,LuF2,YF3,ScF3,CrF3,MnF2,MnF3,FeF2,FeF3,CoF2,CoF3,NiF2,ZnF2,AgF,PbF4,AlF3,GaF3,SnF2,SnF4,InF3,PbF2,BiF3である。これらの結晶質または同等の組成をもった非晶質のフッ素化合物含有成分を少なくとも1種類以上Nd2Fe14Bを主相とする粉末表面に形成することにより、保磁力の温度係数低減,保磁力増大,残留磁束密度の温度係数低減あるいはHkの増加,減磁曲線の角型性向上,耐食性向上,酸化抑制のいずれかの効果が得られる。これらのフッ化物は20℃で強磁性あるいは非磁性のどちらでも良い。ゲルを使用して磁性粉末に塗布することにより、ゲルを使用せずフッ化物粉末と混合させる場合よりも磁性粉末表面のフッ化物の被覆率を高くすることができる。したがって上記効果は、フッ化物粉末と混合させた場合よりもゲルを用いた被覆の方が顕著に表れる。フッ化物には酸素、母相の構成元素が含まれても上記効果が維持される。上記フッ化物層を形成させた磁性粉末をエポキシ樹脂,ポリイミド樹脂,ポリアミド樹脂,ポリアミドイミド樹脂,ケルイミド樹脂,マレイミド樹脂,ポリフェニルエーテル,ポリフェニレンスルヒド単体またはエポキシ樹脂,ポリアミド樹脂,ポリアミドイミド樹脂,ケルイミド樹脂,マレイミド樹脂などの有機樹脂と混合させたコンパウンドを作製し、磁場中あるいは無磁場中成形することにより、ボンド磁石に成形することが可能である。上記ゲルを塗布したNd2Fe14B粉を用いたボンド磁石は、磁粉での効果と同様に、保磁力の温度係数低減,保磁力増大,残留磁束密度の温度係数低減あるいはHkの増加,減磁曲線の角型性向上,耐食性向上,酸化抑制のいずれかの効果が確認できる。これらの効果は、フッ化物層の形成により、磁区構造が安定すること、フッ化物付近の異方性が増加すること、フッ化物が磁粉の酸化を防止することに起因していると考えられる。
磁性粉末としてNd2Fe14B,Sm2Fe17N3あるいはSm2Co17を主相とする粉末径1−100μmの粉末を用い、REF3(REは希土類元素)を含むゲル状物を使用して磁性粉末表面の一部または全面に結晶質または非晶質のREF3主成分とする膜を塗布して形成する。REF3の膜厚は、平均で1−10000nmである。REF3にREF2が混合していても、磁性粉末の磁気特性には影響しない。塗布後ゲル作製に用いた溶媒を除去する。これらのフッ化物層と磁性粉末の界面付近には、希土類元素を含む酸化物及び微量の不純物である炭素あるいは酸素含有化合物,希土類リッチ相があってもよい。フッ化物層の組成はREFX(X=1〜3)の範囲でゲルの組成や塗布条件を制御することにより変えることが可能である。これらの結晶質または同等の組成をもった非晶質のフッ素化合物含有成分を少なくとも1種類以上上記磁性粉末の表面に形成することにより、保磁力の温度係数低減,保磁力増大,残留磁束密度の温度係数低減あるいはHkの増加,減磁曲線の角型性向上,耐食性向上,酸化抑制のいずれかの効果が得られる。上記フッ化物層を形成させた磁性粉末をエポキシ樹脂,ポリイミド樹脂,ポリアミド樹脂,ポリアミドイミド樹脂,ケルイミド樹脂,マレイミド樹脂,ポリフェニルエーテル,ポリフェニレンスルヒド単体またはエポキシ樹脂,ポリアミド樹脂,ポリアミドイミド樹脂,ケルイミド樹脂,マレイミド樹脂などの有機樹脂と混合させたコンパウンドを作製し、圧縮あるいは射出成形することにより、ボンド磁石に成形することが可能である。あるいは上記フッ化物層を形成させた磁性粉末を型を用いた圧縮成形,加熱成形,押出成形することにより、磁性粉体積率80%−99%の成形磁石を作製できる。この成形磁石には、粒界部に層状にフッ化物が形成される。上記ゲルを塗布したNd2Fe14B,Sm2Fe17N3あるいはSm2Co17粉を用いたボンド磁石は、磁粉での効果と同様に、保磁力の温度係数低減,保磁力増大,残留磁束密度の温度係数低減あるいはHkの増加,減磁曲線の角型性向上,耐食性向上,酸化抑制のいずれかの効果が確認できる。Nd2Fe14B,Sm2Fe17N3あるいはSm2Co17粉は、応用上それぞれ種々の元素を添加しているが、いずれの添加元素を使用している場合でも、フッ化物は形成可能であり、上記効果が確認できる。またNd2Fe14B,Sm2Fe17N3あるいはSm2Co17磁粉は、希土類元素を含む金属系元素を添加するなどして組織や結晶構造,粒界,粒径などを制御している。このため主相以外にも添加元素や磁石作製プロセスにより主相以外の相が形成される。NdFeB系の場合、ホウ化物や希土類リッチ相あるいは鉄リッチ相などがあるが、このような相とこれらの酸化物が形成された粉末の表面にも上記ゲル状物の塗布は可能であり、層状のフッ化物が形成できる。
Claims (9)
- NdFeB系の磁性粉と、
前記磁性粉の表面の一部又は全面に形成されたフッ化物膜と、を有し、
前記磁性粉は平均粉末径が1−100μmであり、
前記フッ化物膜は平均膜厚が1−100nmである希土類磁石。 - 前記フッ化物膜は、BaF2,CaF2,MgF2,SrF2,LiF,LaF3,NdF3,PrF3,SmF3,EuF3,GdF3,TbF3,DyF3,CeF3,HoF3,ErF3,TmF3,YbF3,PmF3のいずれかを主成分とする
請求項1に記載の希土類磁石。 - 前記フッ化物膜は酸素を含む
請求項1に記載の希土類磁石。 - 前記磁性粉は表面に希土類リッチ相を有し
前記リッチ相の外側に前記フッ化物膜が形成される
請求項1に記載の希土類磁石。 - 前記磁性粉はNd2Fe14Bを主相とする
請求項1に記載の希土類磁石。 - ボンド磁石を構成する
請求項1に記載の希土類磁石。 - 前記フッ化物膜はフッ化物を含む溶液を使用して形成される
請求項1に記載の希土類磁石。 - NdFeB系の磁性粉と、
前記磁性粉の表面の一部又は全面に形成されたフッ化物膜と、を有し、
前記フッ化物膜はTbF3又はDyF3のいずれかを主成分とし、
磁性粉の表面に希土類リッチ相を有し、
前記希土類リッチ相の外側に前記フッ化物膜が形成され、
前記磁性物は平均粉末径が1−100μmであり、
前記フッ化物膜は平均膜厚が1−100nmである希土類磁石。 - NdFeB系の磁性粉と、
前記磁性粉の表面の一部又は全面に形成されたフッ化物膜と、を有する希土類磁石を回転子に用いた磁石モータであり、
前記磁性粉は平均粉末径が1−100μmであり、
前記フッ化物膜は平均膜厚が1−100nmである磁石モータ。
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