JP2010062284A - シール構造および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】配線体20は、電子機器の筐体の貫通穴に嵌合する嵌合部15を備えている。嵌合部15において、第1,第2補強板11a,11bがFPC21に固着されている。各貫通穴33,43の段差部33a、43aには、Oリング13が取り付けられている。押さえ板16および皿ネジ17(押圧機構)によって、Oリング13が軸方向に押圧され、弾性変形する。これにより、配線体20とOリング13の間、段差部33a,43aの壁面とOリング13との間、からの水等の浸入が阻止される。補強板11a,11bは、配線部材の設計変更に柔軟に対応でき、安価に製造することができる。
【選択図】図4
Description
特許文献1の図1〜図3には、FPC30と一体でグロメット状に形成されたFPC一体ガスケットが開示されている。FPC一体ガスケット1には、ゴム状弾性体からなる1対のガスケット10が設けられている。各ガスケット10の先端部には、筐体2の貫通孔3をシールする突起50が設けられている。突起50は、筐体2の貫通孔3の径よりも大きい断面積面52から先端面54に向かって傾斜するテーパ面53を有している。
第1に、突起10とFPC30を一体的に成形する金型などが必要である。そのため、FPCの設計変更のたびに新たな射出成形金型が必要になり、コストが高くなる。
第2に、FPC30と一体成形するので、ガスケット10を構成するゴム状弾性体の材料が限られる。
配線体は、フレキシブルプリント配線板(以下、「FPC」と略する)や、フラットケーブルなどの板状の配線部材、多心極細同軸線などの丸型の配線部材を有している。さらに、配線体は、必要に応じて、配線部材を補強する部材等を含んでいてもよい。
弾性リング部材は、押圧機構によって軸方向に押圧されると、径方向に広がるように弾性変形する。そして、弾性リング部材が段差部の壁面に接触して、段差部の壁面と弾性リング部材との間からの水等の浸入が阻止される、つまりシールされる。同様に、弾性リング部材が、配線体に接触して、弾性リング部材と配線体との間がシールされる。
ここで、弾性リング部材や押圧機構は、配線部材と同時に成形する必要はないので、配線部材の設計変更にも柔軟に対応が可能である。また、貫通穴には、段差部を設ければよく、Oリング溝を設ける必要がないので、安価に製造することができる。
平板状の配線部材として、代表的なものは、電子機器に汎用されているFPCがあるが、これに限定されるものではない。
また、筐体の外部において、配線部材が板面に近づくので、配線部材の高さ位置を低くすることができる。よって、たとえば、スライド式携帯端末のように、スライド部の高さ方向のスペースを節約したい構造に適したシール構造となる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る携帯端末(電子機器)の構造を概略的に示す斜視図である。
携帯端末1は、各種情報を表示するための表示部3と、入力部4と、ヒンジ部5とを備えている。表示部3には、液晶表示パネルを用いた表示装置6やスピーカ等が設けられている。入力部4には、入力キーやマイクが設けられている。ヒンジ部5は、入力部4と表示部3とを回動自在に連結している。
表示部3には、表示部筐体31と、表示部基板35とが主要部材として設けられている。表示部基板35は、表示装置6に表示用信号を送るための回路等を備えている。表示部筐体31は、互いに連結された第1筐体31aと第2筐体31bとを有している。そして、第1筐体31aと第2筐体31bとの間に、貫通穴33が設けられている。
さらに、配線体20には、各筐体31,41の貫通穴33,43に嵌合される嵌合部15が2カ所に設けられている。
第1の方法としては、ガラスエポキシ樹脂等の平板に、機械加工等により溝部を形成する方法がある。第2の方法としては、押し出し成形により、連続した溝付き平板を形成し、これを切断する方法がある。第3の方法としては、射出成形により、溝付き補強板を形成する方法がある。
その場合にも、補強板11a,11bは、FPC等の配線部材と一体的に成形する必要がない。したがって、PC等の配線部材の設計変更にも柔軟に対応が可能で、安価に製造することができる。
なお、Oリング13と、補強板11a,11bとの間にも接着剤層を設けてもよい。そうすることによって、防水機能をさらに高めることができる。
なお、電子機器としては、PDA,パソコン、デジタルカメラ等があり、携帯端末1に限定されるものではない。
図5は、本発明の実施の形態2に係る携帯端末(電子機器)の構造を概略的に示す斜視図である。
携帯端末1は、各種情報を表示するための表示部3と、入力部4と、スライド部8とを備えている。表示部3には、液晶表示パネルを用いた表示装置6やスピーカ等が設けられている。入力部4には、入力キーやマイクが設けられている。スライド部8は、表示部3側に設けられた外枠8aと、入力部4側に設けられた内枠8bとを、滑動自在に嵌合させて構成されている。
本実施の形態においては、入力部筐体31,表示部筐体41の各第1筐体31a,41aに、貫通穴33,43が設けられている。
さらに、配線体20には、各筐体31,41の貫通穴33,43に嵌合される嵌合部15が2カ所に設けられている。
同図に示すように、本実施の形態の嵌合部15においては、第1,第2補強板11a,11bが、平板状ではない。第1,第2補強板11a,11bは、FPC21の長さ方向に沿って互いに逆向きに傾斜している。そして、FPC21および第1,第2補強板11a,11bの合計厚みは、各部位で均一である。
一方、実施の形態2においては、第1,第2補強板11a,11bが互いに逆向きに傾斜している。これにより、FPC21が、第1筐体31aの板面に垂直な方向から傾いた、斜め方向から挿入されている。以下、実施の形態1と実施の形態2との作用効果の相違について、説明する。
よって、実施の形態2により、FPC21が引っ張られたときにも、上述のようなシール性の悪化を抑制することができる。
ただし、FPC21が傾く方向は、FPC21が引っ張られたときに、張力Tが加わる方向である。
すなわち、このような嵌合部15の構造は、スライド部8の高さ方向のスペースを節約したいスライド式携帯端末に適している。
図8は、実施の形態2の変形例に係るシール構造を示す縦断面図である。
この変形例においては、配線体20の嵌合部15の構造は、実施の形態1と同じである(図3の部分拡大断面図参照)。一方、貫通穴33は、表示部筐体31の第1筐体31aの板面に垂直な方向から傾くように形成されている。図示しないが、入力部筐体41の第1筐体41aにおいても、貫通穴が第1筐体41aの板面に垂直な方向から傾くように形成されている。
上記各実施の形態においては、押さえ板16を段付き形状としたが、段差部33a,43aを浅くして、平板状の押さえ板により、Oリング13を押さえてもよい。
3 表示部
4 入力部
5 ヒンジ部
6 表示装置
8 スライド部
8a 外枠
8b 内枠
11a 第1補強板
11b 第2補強板
12 溝部
13 Oリング
14a 第1接着剤層
14b 第2接着剤層
15 嵌合部
16 押さえ板(押圧機構)
17 皿ネジ(押圧機構)
20 配線体
21 FPC(配線部材)
25a,25b ハーネス部
31 表示部筐体
31a 第1筐体
31b 第2筐体
33 貫通穴
33a 段差部
41 入力部筐体
41a 第1筐体
41b 第2筐体
43 貫通穴
43a 段差部
Claims (6)
- 貫通穴を有する電子機器の筐体と、一部が前記貫通穴から筐体内に挿入される配線体との間のシール構造であって、
前記貫通穴は、一端部に段差部を有する段付き貫通穴であり、
前記段差部に配置された弾性リング部材と、
前記弾性リング部材を軸方向に押圧して、弾性リング部材を弾性変形させるための押圧機構と、
を備えている、シール構造。 - 請求項1記載のシール構造において、
前記配線体は、平板板状の配線部材と、
前記配線部材の両面側に設けられた1対の補強板と、
を備えている、シール構造。 - 請求項2記載のシール構造において、
前記1対の補強板は、配線部材の両面側で、配線部材の長さ方向に沿って互いに逆向きに傾斜した板状の部材である、シール構造。 - 請求項1または2記載のシール構造において、
前記貫通穴は、筐体の板面に垂直な方向から傾いている、シール構造。 - 請求項1〜4のうちいずれか1つに記載の配線体において、
前記弾性リング部材の断面形状は、リング中心軸に直交する方向に長軸を有する楕円形である、シール構造 - 請求項1〜5のうちいずれか1つに記載のシール構造を有する電子機器。
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