本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すると以下の通りである。本実施形態では、一例として、本発明のデータ供給システムにおいて、本発明のデータ作成装置をデスクトップパソコン(以下、パソコン)に適用した場合について説明する。そして、本実施形態では、パソコンが作成したデータを処理する本発明のデータ処理装置として、携帯電話を採用するものとする。
≪実施形態1≫
〔データ供給システムの概要〕
図2は、本発明の実施形態におけるデータ供給システム100の概要を示す図である。
図2に示すとおり、データ供給システム100は、メニュー画面データ4を処理してメニュー画面を表示する携帯電話(データ処理装置)2(a〜c)と、各携帯電話のメニュー画面をカスタマイズするためにメニュー画面データ4を作成するパソコン(データ作成装置)1と、それらを通信可能に接続する通信網3とを含む構成となっている。
本実施形態では、パソコン1、携帯電話2a、および、携帯電話2bをユーザXが、携帯電話2cをユーザYが使用するものとする。
メニュー画面データ4は、携帯電話2が解読可能な、携帯電話2を制御するためのUI(User Interface)記述データと、携帯電話2が表示処理可能な画像とを含んでいる。UI記述データは、アイコンに関する情報(アイコンデータ)および携帯電話2に搭載されている機能に関する情報(機能データ)と、レイアウトに関する情報(レイアウトデータ)とが組み合わされて記述されている。レイアウトデータとは、どのアイコン画像を表示部のどの位置に表示するかなどを規定した記述データである。また、レイアウトデータには、キー割り当ておよびキー操作に応じて携帯電話2が行うべき動作などが規定されている(例えば、図21の<操作情報定義>など)。
図2に示す例では、ユーザXがパソコン1を用いて作成したメニュー画面データ4は、パソコン1および携帯電話2aの通信機能を用いて、通信網3を介してパソコン1からユーザXが使用している携帯電話2aに供給される。これにより、携帯電話2aは、メニュー画面データ4を処理してメニュー画面を表示することにより、パソコン1にてユーザが行ったカスタマイズを携帯電話2に反映させることが可能となる。
このメニュー画面データ4の記述データは、あらゆる機種の携帯電話が読み取り可能な汎用性の高い形式(XML;extensible markup languageなど)で作成されている。したがって、同じユーザXが使用している別の携帯電話2bに供給されても、他のユーザYの携帯電話2cに供給されても、それぞれの携帯電話においてメニュー画面データ4が処理される。
例えば、ユーザXは、携帯電話2a向けにカスタマイズして作成したメニュー画面データ4を、パソコン1から携帯電話2aだけでなく、自身が使用する別の携帯電話2bに配布したり、あるいは、ユーザYの携帯電話2cに配布したりすることが可能となり、同じカスタマイズをあらゆる機種の携帯電話2間で楽しむことができる。次に、メニュー画面データ4を作成するパソコン1の構成について説明する。
〔データ作成装置の構成〕
図1は、本発明の実施形態におけるデータ作成装置としてのパソコン1の要部構成を示す図である。
図1に示すとおり、パソコン1は、制御部10、記憶部11、スキャナ12、表示部13、操作部14、および、通信部15を備える構成となっている。
制御部10は、パソコン1が備える各部を統括制御するものである。制御部10は、機能ブロックとしての、カスタマイズUI部20、機能データ生成部21、アイコンデータ生成部22、雛型選択部23、データ合成部24、画像取得部25およびメニュー画面データ作成部26を備えており、さらに、鍵生成部27を備えていてもよい。
記憶部11は、制御部10が実行する制御プログラム、OSプログラム、および、制御部10が、パソコン1が有する各種機能を実行するときに読み出す各種データを記憶するものである。また、記憶部11には、カスタマイズ情報記憶部40、機能情報記憶部41、アイコン情報記憶部42、雛型記憶部43、合成ルール記憶部44、画像記憶部45が含まれており、さらに、鍵情報記憶部46が含まれていてもよい。
制御部10の機能ブロックとしての各部(20〜27)は、記憶部11に記憶されている各種情報(40〜46)を用いて、ユーザの指示にしたがって、ユーザが所望するメニュー画面データ4を作成する。制御部10の各部(20〜27)および記憶部11の各種情報(40〜46)については後に詳述する。
スキャナ12は、紙媒体などに記録されている情報を、パソコン1が読み取り可能な画像データの形式(例えば、JPG、PNGなど)にて、画像として取得するものである。スキャナ12が読み取った画像は、制御部10を介して画像記憶部45に記憶される。画像記憶部45に記憶された画像は、メニュー画面の背景画像やアイコン画像として利用される。
表示部13は、操作部14を介して行われるユーザからの指示入力を促す操作画面(GUI画面など)を表示するものである。本実施形態では、携帯電話2のメニュー画面をカスタマイズするためのメニュー画面データ4を、ユーザが簡単に作成できるように、カスタマイズUI部20が、GUI画面を作成する。表示部13は、カスタマイズUI部20が作成したGUI画面を表示する。表示部13としては、例えばLC(Liquid Crystal)表示装置やEL(Electro Luminescence)表示装置等を好適に適用することができる。
表示部13に表示されるメニュー画面カスタマイズのためのGUI画面の具体例については、後述する。
操作部14は、ユーザがパソコン1に対する各種命令信号を入力するためのものである。例えば、操作部14は、これに限定されないが、マウス、キーボード、タッチパネルなどとして実現することができる。ユーザは、操作部14を操作することによって、表示部13に表示されるGUI画面を呼び出したり、該GUI画面を操作してメニュー画面データを作成したりすることができる。
通信部15は、ユーザの指示にしたがってパソコン1が作成したメニュー画面データ4を、カスタマイズの対象となる携帯電話2に送信するものである。本実施形態では、カスタマイズUI部20は、作成されたメニュー画面データ4を目的の携帯電話2に送信するためのGUI画面を作成する。ユーザは、表示部13に表示されるメニュー画面データ4送信のためのGUI画面を操作することにより、簡単に、所望の携帯電話2にパソコン1で作成したメニュー画面データ4を配布することが可能となる。
表示部13に表示されるメニュー画面データ配信のためのGUI画面の具体例については、後述する。
以下では、まず、第1部として、メニュー画面データ4を作成するパソコン1の詳細な構成および各部の動作について説明し、次に、第2部として、メニュー画面カスタマイズのためのGUI画面の具体例について説明し、最後に、第3部として、メニュー画面データ配信のためのGUI画面の具体例について説明する。
〔第1部:データ作成装置の構成(詳細)〕
再び図1を参照しながら、データ作成装置としてのパソコン1の要部構成について説明する。パソコン1の構成の特徴は、メニュー画面をカスタマイズするのに必要な各種データを分割管理し、カスタマイズするときに、合成ルールにしたがって、ユーザ設定情報を素にして、ユーザの意図するカスタマイズされたメニュー画面データ4を作成する点である。パソコン1のこの構成により、ユーザは、容易に、意図どおりに細部にわたってカスタマイズしたメニュー画面を得ることが可能となる。
制御部10は、ユーザが図3のカスタマイズ画面を介して入力したユーザ設定情報から、携帯電話2が読み取り可能なメニュー画面データ4を作成するために、機能ブロックとしての各部(20〜27)を備え、また、記憶部11は、各種記憶部(40〜46)を含む構成となっている。なお、図3のカスタマイズ画面およびユーザ設定情報については、第2部にて詳述する。
本実施形態では、ユーザ設定情報からメニュー画面データ4を作成するタイミングとしては、ユーザが、図3のOKボタン63を介してユーザ設定情報のファイルの保存を指示したときに、上述の各部がメニュー画面データ4の作成を開始するものとする。あるいは、ユーザが図8の転送ボタン70を介して転送を指示したときに、上述の各部がメニュー画面データ4作成を開始してもよい。
制御部10のカスタマイズUI部20は、GUI画面を生成し、表示部13に表示するとともに、当該GUI画面を介して受け付けたユーザ入力に応じて制御部10の各部に必要な情報を伝達するものである。具体的には、カスタマイズUI部20は、図3のカスタマイズ画面を介して入力されたユーザ設定情報をカスタマイズ情報記憶部40に保存したり、他の制御部10の各部に伝達したりする。
また、図8のデータ配布画面を介してメニュー画面データ4の転送が指示された場合には、制御部10の各部によって作成されたメニュー画面データ4を指定の携帯電話2に送信するように通信部15に対して指示を送る。
機能データ生成部21は、メニュー画面データ4に含まれる記述データのうち、機能データを生成するものである。機能データ生成部21は、カスタマイズUI部20から伝達されたユーザ設定情報と、機能情報記憶部41に記憶されている機能情報とに基づいて、ユーザの指定どおりにカスタマイズされた機能データを生成する。
アイコンデータ生成部22は、メニュー画面データ4に含まれる記述データのうち、アイコンデータを生成するものである。アイコンデータ生成部22は、カスタマイズUI部20から伝達されたユーザ設定情報と、アイコン情報記憶部42に記憶されているアイコン情報とに基づいて、ユーザの指定どおりにカスタマイズされたアイコンデータを生成する。
雛型選択部23は、メニュー画面データ4に含まれる記述データのうち、レイアウトデータを生成するものである。レイアウトデータについては、いくつかのパターン化された雛型があらかじめ雛型記憶部43に記憶されている。雛型選択部23は、カスタマイズUI部20から伝達されたユーザ設定情報(プルダウン群51に入力されたパターン)に基づいて、雛型記憶部43の中から適切なレイアウトデータを選択する。雛型選択部23によって選択されたレイアウトデータは、上述の機能データおよびアイコンデータと合成される。
データ合成部24は、雛型選択部23が選択したレイアウトデータに、機能データ生成部21が生成した機能データと、アイコンデータ生成部22が生成したアイコンデータとを合成して、メニュー画面データ4のUI記述データを生成するものである。データ合成部24は、合成ルール記憶部44に記憶されている合成ルールにしたがって、各データの合成を実行する。
なお、データ合成部24は、ユーザ設定情報と、上記レイアウトデータ(雛型)の記述と、合成ルールとの間の不整合、一致しない部分などを検出した場合には、当該記述部分の合成処理をスキップしてもよい。例えば、データ合成部24は、ユーザがアイコン画像についてメニュー文字列を「表示しない」を選択した場合には、メニュー文字列を合成する部分の雛型記述および合成ルールの処理をスキップすることが可能である。
画像取得部25は、メニュー画面データ4に含めるべき画像(アイコン画像、背景画像など)を、画像記憶部45から取得するものである。画像取得部25は、カスタマイズUI部20から伝達されたユーザ設定情報に基づいて、ユーザがどのアイコン画像、背景画像を指定したのかを特定することができる。画像取得部25は、データ合成部24からの合図により、ユーザが設定した背景画像やアイコン画像をメニュー画面データ作成部26へ画像を送信する機能を有する。
メニュー画面データ作成部26は、データ合成部24が合成したUI記述データと、画像取得部25が取得した画像とをアーカイブ化して(パッキングして)、メニュー画面データ4を作成するものである。メニュー画面データ作成部26が作成したメニュー画面データ4は、ユーザが入力したユーザ設定情報を素にして作成されたものであり、ユーザの希望どおりにカスタマイズされたメニュー画面を携帯電話2が表示するのに必要な情報を含むものである。また、アーカイブ化されたメニュー画面データ4は、携帯電話2に適用可能な形式になっている。
メニュー画面データ作成部26が作成したメニュー画面データ4は、素となるユーザ設定情報と対応付けてカスタマイズ情報記憶部40に記憶されてもよい。そして、図8の転送ボタン70が操作されたのに応じて、通信部15を介して、ユーザが指定する携帯電話2に配布される。これにより、携帯電話2は、メニュー画面データ4に含まれるUI記述データを解析して、UI記述データの記述にしたがって背景画像およびアイコン画像を配置し、UI記述データの記述にしたがった動作を実行することができる。したがって、携帯電話2上に表示されるメニュー画面をユーザの希望を詳細に反映したメニュー画面にカスタマイズすることが可能となる。
(メニュー画面データ作成処理)
次に、図11を参照しながら、パソコン1におけるメニュー画面データ作成処理フローの概要について説明する。メニュー画面データ作成処理とは、後述の手順でユーザ設定情報が入力された後、その内容に基づいて、ユーザの意図どおりにメニュー画面をカスタマイズし、メニュー画面データ4を作成する処理である。
図11は、パソコン1のメニュー画面データ作成処理の流れを示すフローチャートである。
メニュー画面データを作成する旨の指示がパソコン1に入力されると、すなわち、カスタマイズ画面のOKボタン63が押されたことをカスタマイズUI部20が検知すると(S1においてYES)、カスタマイズUI部20が、カスタマイズ情報記憶部40に記憶されているユーザ設定情報を、制御部10の各部(機能データ生成部21、アイコンデータ生成部22、雛型選択部23、データ合成部24、画像取得部25、および、鍵生成部27)に伝達する(S2)。
続いて、機能データ生成部21は、受け取ったユーザ設定情報を反映させて機能データを生成する(以下、機能データ生成処理)(S3)。機能データ生成処理にて生成された機能データは、データ合成部24へ伝送される。
一方、アイコンデータ生成部22は、受け取ったユーザ設定情報を反映させてアイコンデータを生成する(以下、アイコンデータ生成処理)(S4)。アイコンデータ生成処理にて生成されたアイコンデータは、データ合成部24へ伝送される。
一方、雛型選択部23は、ユーザ設定情報に含まれる、ユーザが指定したパターン(雛型のID)に基づいて、雛型記憶部43の中からレイアウトデータの雛型を選択する(以下、レイアウト選択処理)(S5)。選択されたレイアウトデータは、データ合成部24へ伝送される。
そして、データ合成部24は、まず、合成ルール記憶部44または雛型記憶部43に記憶されている合成ルールを参照する(S6)。
続いて、データ合成部24は、選択した合成ルールにしたがって、雛型選択部23から伝送されたレイアウトデータ(雛型)に、機能データ生成部21から伝送された機能データと、アイコンデータ生成部22から伝送されたアイコンデータとを合成する(S7)。
そして、必要な情報がすべて合成されて、メニュー画面データ4に含めるUI記述データが完成すると(S8においてYES)、完成したUI記述データは、メニュー画面データ作成部26へ伝送される。一方、画像取得部25は、ユーザ設定情報に基づいて、メニュー画面で使用するアイコン画像と背景画像とその他必要な画像とを画像記憶部45から取得する(S9)。取得した各画像は、メニュー画面データ作成部26へ伝送される。
最後に、メニュー画面データ作成部26は、データ合成部24から伝送されたUI記述データと、画像取得部25から伝送された各画像とを1つにアーカイブ化して、メニュー画面データ4を作成する(S10)。
カスタマイズUI部20を介して入力されるユーザ指示にしたがって、メニュー画面データ作成部26が作成したメニュー画面データ4は、通信部15を介して、指定された携帯電話2(例えば、携帯電話2a)に供給される。
続いて、制御部10の各部の構成および各部に入出力されるデータ構造についてのより詳細な説明を以下に示す。
(機能データ生成部の詳細)
機能データ生成部21は、カスタマイズUI部20から伝達されるユーザ設定情報に基づいて、メニュー画面上に表示されるアイコン画像から呼び出すことが可能な携帯電話2の機能のリストを含む機能データを作成し、データ合成部24に出力するモジュールである。
図12は、機能データ生成処理を実行する機能データ生成部の構成を示すブロック図である。
機能データ生成部21は、入力部211、パラメータ保持部212、機能選択部213、機能データ記述部214、および、出力部215を備える構成となっている。また、機能データ生成部21が参照する機能情報記憶部41は、機種別機能リスト411と、複数の機能情報(機能情報群412)とを含む構成となっている。
入力部211は、カスタマイズUI部20から伝送されるユーザ設定情報を受け付けて、ユーザ設定情報の各種値を機能データ生成部21の各部に振り分けるものである。
パラメータ保持部212は、入力部211から供給されたユーザ設定情報の各種値および該値に対応するパラメータを保持するものである。パラメータとは、図3のカスタマイズ画面を介してユーザが入力した値を、機能データに直接記述する値へと変換したものである。より具体的には、ユーザ設定情報に、ユーザが選択した機種が含まれている場合には、パラメータ保持部212は、当該機種に対応する(その機種が実行可能な)機能を特定する機能IDをパラメータとして特定し、これを保持する。機種と機能IDとの対応関係は、機種別機能リスト411に記憶されているので、パラメータ保持部212は、機種別機能リスト411を参照することにより、ユーザ設定情報に含まれる機種情報から、機能IDを特定することが可能である。パラメータ保持部212が保持するパラメータは、機能選択部213、機能データ記述部214によって利用される。
より具体的には、パラメータ保持部212は、ユーザ設定情報に含まれる情報のうち、ユーザが指定した各アイコン画像に対応する機能タイトルおよびメニュー番号を保持する。本実施形態では、メニュー番号は、図3に示すとおり、そのままアイコン画像の配置順序を表している。さらに、パラメータ保持部212は、ユーザが指定した携帯電話2の機種に対応する機能IDをパラメータとして保持する。
機能選択部213は、機能情報記憶部41に記憶されている、機能情報群412のうち、メニュー画面から呼び出せるようにユーザが指定した機能を記述した機能情報を選択、取得するものである。
機能情報とは、携帯電話2が実行可能な機能を定義したものであり、携帯電話2は、機能情報の記述を解析することにより、その記述にしたがって1つの機能を実行することができる。機能情報は、機能ごとにあらかじめ機能情報記憶部41に記憶されており、機能IDによって一意に識別できるようになっている。
したがって、機能選択部213は、ユーザが指定した、メニュー画面から呼び出す12個の機能を、パラメータ保持部212が保持する12個の機能IDに基づいて特定し、各機能を定義した機能情報を機能情報群412から選び出して、機能データ記述部214に供給する。
機能データ記述部214は、ユーザ設定情報およびパラメータに基づいて、カスタマイズされた機能データを記述し完成させるものである。機能データ記述部214は、パラメータ保持部212に保持されているメニュー番号から、アイコン画像の配置順を確認し、アイコン画像に対応する各機能の機能情報を配置順にならって記述する。機能データ記述部214が完成させた機能データは、出力部215によって、データ合成部24に伝送される。
図13(a)は、機能データ生成部21が参照する機能情報記憶部41に記憶される機種別機能リスト411の具体例を示す図であり、図13(b)は、機能情報群412の具体例を示す図である。
図13(a)に示すとおり、機種別機能リスト411には、携帯電話2の機種に応じて、当該機種の携帯電話2が実行できる機能の一覧が関連付けて記憶されている。これにより、パラメータ保持部212は、入力部211から供給されたユーザ設定情報のうちの「機種」に基づいて、機能データに記述すべき機能を特定することができる。本実施形態では、メニュー画面上から12個の機能を呼び出すことができるので、パラメータ保持部212は、機種に対応する12個の機能IDをパラメータとして保持する。
図13(b)に示すとおり、機能情報群412には、機能ごとに、機能IDに対応付けて機能タイトルおよび機能を定義する記述文が記憶されている。これにより、機能選択部213は、パラメータ保持部212が特定した12個の機能IDに基づいて、機能を定義する記述文を12個分抽出し、機能データ記述部214に供給することができる。
機能データ記述部214は、パラメータ保持部212から、機能タイトルおよびメニュー番号(配置順)の情報を取得し、一方、機能選択部213から、機能タイトルおよび当該機能を定義する記述文を取得する。
これにより、機能データ記述部214は、12個の機能を適切な順序で記述して機能データを完成させることが可能となる。
図14は、機能データ記述部214が記述し、完成させた機能データのデータ構造の一例を示す図である。機能データは、当該機能データのメタ情報を定義する機能定義エリアと、(本実施形態では12個の)機能の各々を記述する機能エリアとを少なくとも含んでいる。
図14に示すとおり、機能定義エリアでは、レイアウトデータとの紐付け情報を記述した「レイアウト情報ファイル」と、当該機能データに含まれる機能の数を記述した「機能の数」(ここでは「12」)とが定義されている。
また、機能エリアでは、機能の名前を示す「機能タイトル」、携帯電話2上で割り当てられている機能を識別する「メニュー番号」、アイコン画像のファイル名を示す「画像ファイル名」の情報が1セットととして一つ一つの機能ごとに記述されている。
なお、ユーザ操作によりアイコン画像の配置順が変更された場合は、「機能タイトル」および「メニュー番号」の情報が変更される。
機能データの機能定義エリアの記述および機能エリアの記述は、データ合成部24によって、レイアウトデータの指定した場所に当てはめられる。さらに、機能データ内のリンク番号(図14の「メニュー番号」)をURLなどに置き換えることで、携帯電話2内の機能だけでなく、ウェブサイトへのショートカット機能を搭載したアプリケーションをアイコン画像から呼び出すようにすることができる。
(アイコンデータ生成部の詳細)
アイコンデータ生成部22は、カスタマイズUI部20から伝達されるユーザ設定情報に基づいて、メニュー画面上に表示される、ユーザが指定したアイコン画像および機能タイトルの文字列の表示の仕方を定義したアイコンデータを生成し、データ合成部24に出力するモジュールである。
より具体的には、アイコンデータ生成部22は、アイコン画像の座標位置と、表示サイズ(幅および高さ)と、アイコン画像とともに表示される機能タイトルの文字列の表示座標位置と、文字列のフォントサイズおよびフォント色とを少なくとも定義したアイコンデータを生成する。
以下、ユーザが指定したアイコン画像と、当該アイコン画像に対応付けられた機能を説明する機能タイトルとを組み合わせたものを、単にアイコンと称する。
図15は、アイコンデータ生成処理を実行するアイコンデータ生成部の構成を示すブロック図である。
アイコンデータ生成部22は、入力部221、パラメータ保持部222、アイコン情報選択部223、アイコンデータ記述部224、画面回転処理部225、および、出力部226を備える構成となっている。また、アイコンデータ生成部22が参照するアイコン情報記憶部42は、パターン別アイコン情報リスト421と、複数のアイコン情報(アイコン情報群422)とを含む構成となっている。
入力部221は、カスタマイズUI部20から伝送されるユーザ設定情報を受け付けて、ユーザ設定情報の各種値をアイコンデータ生成部22の各部に振り分けるものである。
パラメータ保持部222は、入力部221から供給されたユーザ設定情報の各種値および該値に対応するパラメータを保持するものである。パラメータとは、図3のカスタマイズ画面を介してユーザが入力した値を、アイコンデータに直接記述する値へと変換したものである。より具体的には、ユーザ設定情報に、ユーザが選択したパターンIDが含まれている場合には、パラメータ保持部222は、当該パターンIDに対応するアイコン情報を特定するためのアイコン情報IDをパラメータとして特定し、これを保持する。パターンIDとアイコン情報IDとの対応関係は、パターン別アイコン情報リスト421に記憶されているので、パラメータ保持部222は、パターン別アイコン情報リスト421を参照することにより、ユーザ設定情報に含まれるパターンIDから、アイコン情報IDを特定することが可能である。パラメータ保持部222が保持するパラメータは、アイコン情報選択部223、アイコンデータ記述部224によって利用される。
その他のパラメータ保持部222が保持するパラメータの具体例としては、ユーザが設定した各アイコン画像の始点のx座標、y座標、幅、高さ、機能タイトルの文字列の始点のx座標、y座標、フォントサイズ、フォント色などが挙げられる。パラメータ保持部222は、これらのパラメータ値を、ユーザ設定情報に含まれるアイコン画像の配置の情報(図3の領域50の情報)から求める。
さらに、パラメータ保持部222は、ユーザ設定情報においてユーザがカスタマイズ対象として指定した携帯電話2の機種が、横長の画面表示にも対応可能な機種であるか否かを示すパラメータを保持してもよい。上述の横長可のパラメータは、近年増加する携帯電話の画面が90度回転し、横長画面用の横長のメニュー画面を表示可能な機種に備えて、画面回転処理部225が、縦長のメニュー画面を想定したユーザ設定情報から、横長のメニュー画面のアイコンデータを自動的に作成するために必要となる。
画面回転処理部225は、パラメータ保持部222が横長可のパラメータを保持している場合に、縦長画面用のユーザ設定情報から、横長画面用のアイコンデータを生成するものである。画面回転処理部225は、アイコン画像や機能タイトルの文字列の配置位置(x座標、y座標)を計算し、横画面用のアイコンデータを出力することが可能である。
アイコン情報選択部223は、アイコン情報記憶部42に記憶されているアイコン情報群422のうち、ユーザが指定したパターンに対応するアイコン情報を選択、取得するものである。
アイコン情報とは、アイコンおよびその表示の仕方を定義したものであり、携帯電話2は、アイコン情報の記述を解析することにより、その記述にしたがってアイコンを表示することができる。アイコン情報は、いくつかにパターン化されて、アイコン情報記憶部42に記憶されており、アイコン情報IDによって一意に識別できるようになっている(アイコン情報群422)。アイコン情報群422に含まれるアイコン情報の中には、アイコンの座標が固定であるレイアウトパターンに対応したアイコン情報もあるし、アイコンの座標やアイコン表示サイズが可変のレイアウトパターンに対応したアイコン情報もある。特に後者のアイコン情報においては、グリッド型や縦スクロール型、横スクロール型など複数のレイアウトパターンが存在しているので、ユーザが指定するレイアウトパターンに適したアイコン情報が選択されるよう、パターン別アイコン情報リスト421において、パターンIDとアイコン情報IDとの対応関係が記憶されている。
アイコン情報選択部223は、パラメータ保持部222が保持するアイコン情報IDに基づいて、ユーザが選択したレイアウトパターンに最適な、アイコン情報をアイコン情報群422の中から選び出して、アイコンデータ記述部224に供給する。
アイコンデータ記述部224は、ユーザ設定情報およびパラメータに基づいて、カスタマイズされたアイコンデータを記述し完成させるものである。アイコンデータ記述部224は、パラメータ保持部222に保持されているアイコンの座標値、表示サイズ、色などの情報に基づいて、アイコンの表示の仕方を記述する。さらに、横長可のパラメータがパラメータ保持部222に保持されている場合には、画面回転処理部225が作成した横長画面用のアイコンデータも併せて、アイコンデータを完成させる。
アイコンデータ記述部224が完成させたアイコンデータは、出力部226によって、データ合成部24に伝送される。
図16(a)は、アイコンデータ生成部22が参照するアイコン情報記憶部42に記憶されるパターン別アイコン情報リスト421の具体例を示す図であり、図16(b)は、アイコン情報群422の具体例を示す図である。
図16(a)に示すとおり、パターン別アイコン情報リスト421には、ユーザが指定するパターンIDに対して、当該パターンに適したアイコン情報を示すアイコン情報IDが関連付けて記憶されている。これにより、パラメータ保持部222は、入力部221から供給されたユーザ設定情報のうちの「パターンID」に基づいて、アイコンデータに記述すべきアイコン情報を特定することができる。
例えば、図3のプルダウン群51に示すとおり、レイアウトのパターン「パターンID:pattern002」がユーザによって指定された場合には、パラメータ保持部222は、「パターンID:pattern002」に対応する「アイコン情報ID:3」をパラメータとして保持する。
図16(b)に示すとおり、アイコン情報群422には、アイコン情報ごとに、アイコン情報IDに対応付けてアイコン情報の記述文が記憶されている。これにより、アイコン情報選択部223は、パラメータ保持部222が保持したアイコン情報IDに基づいて、アイコンの表示の仕方を定義するアイコン情報をアイコン情報群422から抽出し、アイコンデータ記述部224に供給することができる。
これにより、アイコンデータ記述部224は、ユーザが指定したレイアウトパターンに適したアイコン情報を用いてアイコンデータを完成させることが可能となる。
次に、画面回転処理部225が、縦長画面用のユーザ設定情報から、横長画面用のアイコンデータを生成するための計算アルゴリズムを図17および図18を用いて説明する。図17(a)は、パラメータ保持部222が保持するパラメータ値に基づいて、画面回転処理部225によって定義される、ある1つのアイコン画像の縦長画面上での表示位置および表示サイズを示す図である。図17(b)は、画面回転処理部225が算出する、上記アイコン画像の横長画面上での表示位置および表示サイズを示す図である。
図18は、画面回転処理部225の算出処理の流れを示すフローチャートである。
まず、画面回転処理部225は、パラメータ保持部222に保持されたパラメータ値に基づいて、12個分のアイコン画像の縦長画面における表示位置および表示サイズを取得する。
具体的には、図17(a)に示すとおり、
・縦長画面での画面全体の幅:width(縦)
・縦長画面での画面全体の高さ:height(縦)
・縦長画面でのアイコン画像の始点のxy座標:(x(縦)、y(縦))
・縦長画面でのアイコン画像の幅:W(縦)
・縦長画面でのアイコン画像の高さ:H(縦)
を取得する。なお、本実施形態では、画面の左上端を原点とする座標系を採用している。
上述のように取得した値を用いて、画面回転処理部225は、図18に示すフローチャートにしたがって、横長画面におけるアイコン画像の座標位置を算出する。
図18示すとおり、まず、画面回転処理部225は、次式(1)に基づいて縦長画面におけるアイコン画像の重心G(縦)のxy座標を求める(S11)。次式とはすなわち、
重心G(縦)のxy座標:(x(縦)+W(縦)/2,y(縦)+H(縦)/2)・・・(1)
である。
続いて、画面回転処理部225は、式(1)を使って求めた重心G(縦)のxy座標を、次式(2)に基づいて横長画面における重心G(横)のxy座標へと変換する(S12)。次式(2)とはすなわち、
重心G(横)のxy座標:(横座標系の解像度の幅−y(縦),x(縦))・・・(2)
である。
さらに続けて、画面回転処理部225は、次式(3−1および3−2)に基づいて、横長画面における上記アイコン画像の幅および高さを求める(S13)。次式(3−1および3−2)とはすなわち、
横長画面でのアイコン画像の幅:W(横)=W(縦)・・・(3−1)
横長画面でのアイコン画像の高さ:H(横)=H(縦)・・・(3−2)
である。
上記の式(3−1)および式(3−2)を、次式(4−1および4−2)に当てはめることで、画面回転処理部225は、横長画面におけるアイコン画像の始点のx座標、y座標を求めることができる(S14)。次式(4−1および4−2)とはすなわち、
x(横)=G(横)のx座標−W(横)/2・・・(4−1)
y(横)=G(横)のy座標−H(横)/2・・・(4−2)
である。
上述の方法によれば、重心Gを仲介して、縦長画面用のレイアウトから横長画面用のレイアウトに変換する。これにより、座標系変換をした場合に、元の座標系の配置を維持できるため、変換後の座標系の解像度の範囲からアイコン画像などがはみ出るケースを減らすことが可能となる。
なお、縦画面座標系における原点(画面左上端)を、横画面座標系においてどこにプロットするかについては特に限定されないが、例えば、以下の2種類の方法が考えられる。
1つ目は、縦画面における右下端を中心として、縦画面を右方向に45度回転したものを横画面(横画面座標系)とする方法である。縦画面座標系との相関関係があり、縦画面座標系における原点(画面左上端)は、横画面座標系において、横画面の右上端にプロットされる。
2つ目は、縦画面座標系と相関関係無くして横画面座標系を設ける方法である。
具体例として、グリッド型のメニュー画面において、12個のアイコン画像1〜12が、縦画面において横3個×縦4個で、左上から右下へ順番に1→2→3→4→5→6→7→8→9→10→11→12と配置されている例において、これを横画面に変換する場合について説明する。
1つ目の方法を採用して上記縦画面を横画面に変換すると、上記12個のアイコン画像は、横4個×縦3個で、左上から右下へ順番に10→7→4→1→11→8→5→2→12→9→6→3と配置される。
一方、2つ目の方法を採用した場合は、縦画面座標系の上述のアイコン画像の配置とは無関係に、横4個×縦3個で、左上から右下へ順番に1→2→3→4→5→6→7→8→9→10→11→12と配置されてもよい。この場合には、縦画面座標系の左上端の原点は、横画面座標系においても左上端で一致する。
画面回転処理部225は、アイコン画像とともに表示される機能タイトルの文字列Tの、横長画面における表示位置を、アイコン画像と同様の手順によって、縦長画面の座標値から変換して求める。
上述の手順によって画面回転処理部225が求めた図17(b)の横長画面用のアイコン情報は、アイコンデータ記述部224に供給される。アイコンデータ記述部224は、縦長画面用と横長画面用との共通のアイコンデータを完成させて、データ合成部24に伝送する。
図19は、アイコンデータ記述部224が記述し、完成させたアイコンデータのデータ構造の一例を示す図である。アイコンデータは、当該アイコンデータのメタ情報を定義するアイコン定義エリアと、(本実施形態では12個の)アイコンの各々の表示の仕方を記述するアイコンエリアとを少なくとも含んでいる。
図19に示すとおり、アイコン定義エリアでは、当該アイコンデータに含まれるアイコン画像の数を記述した「アイコン画像の数」(ここでは「12」)と、アイコン画像とともに表示される機能タイトルの文字列数を記述した「アイコン文字列の数」(ここでは「12」)とが定義されている。
また、アイコンエリアでは、12個のアイコンごとに、画像セットおよび文字列セットを定義している。画像セットには、アイコン画像の始点のx座標、y座標、アイコン画像の幅(ピクセル数)、アイコン画像の高さの情報が記述されている。これらの値は、ユーザ操作により変更可能である。文字列セットには、文字列の始点のx座標、y座標、文字列のフォントサイズ、フォント色の情報が記述されている。
アイコンデータのアイコン定義エリアの記述およびアイコンエリアの記述は、データ合成部24によって、レイアウトデータの指定した場所に当てはめられる。これらの値は、ユーザ操作により変更可能である。
(雛型選択部の詳細)
雛型選択部23は、ユーザが指定したレイアウトパターンに基づいて、レイアウトデータの雛型を雛型記憶部43から特定し、データ合成部24に出力するものである。雛型選択部23は、カスタマイズUI部20から、ユーザ設定情報を受け付けると、ユーザ設定情報に含まれる、パターンID(例えば、「pattern002」)に基づいて、データ合成部24に伝送すべきレイアウトデータを特定する。
図20(a)は、雛型選択部23が参照する雛型記憶部43に記憶されるパターン雛型対応表431の具体例を示す図であり、図20(b)は、雛型群432の具体例を示す図である。
図20(a)に示すとおり、パターン雛型対応表431には、ユーザが指定するパターンIDに対して、当該パターンに適した雛型を示す雛型IDが関連付けて記憶されている。これにより、雛型選択部23は、パターンIDに基づいて、UI記述データのベースとなるレイアウトデータの雛型を特定することができる。ここで、図3のカスタマイズ画面において、縦長画面用、横長画面用のそれぞれについてレイアウトパターンを指定できる場合には、雛型選択部23は、縦長画面用、横長画面用のそれぞれについて雛型IDをパラメータとして保持する。縦長画面、横長画面のそれぞれにおいて、アイコンを選択するときの最適なカーソルの移動方向は異なるため、レイアウトパターンごとにカーソルの移動方向について何種類も定義しておく。縦長画面用、横長画面用のそれぞれについて別の雛型を割り当てることができれば、画面の向きが変化しても常に最適なカーソルの移動方向が定義されているレイアウトデータにて、メニュー画面をカスタマイズできる。なお、横長画面用のメニュー画面データ4が不要な機種では、横画面用のレイアウトデータを特定する雛型IDは保持されなくてよい。
続いて、雛型選択部23は、特定した雛型IDに基づいて、雛型群432の中から目的の雛型(レイアウトデータ)を取得する。
図20(b)に示すとおり、雛型群432には、雛型ごとに、雛型IDに対応付けてレイアウトの雛型の記述文が記憶されている。これにより、雛型選択部23は、すでに特定した雛型IDに基づいて、メニュー画面データ4のUI記述データのベースとなるレイアウトデータ(の雛型)を雛型群432から抽出することができる。特定した雛型IDが2つある場合、すなわち、横長画面用の雛型IDも保持している場合、雛型選択部23は、縦長画面用、横長画面用のそれぞれについてレイアウトデータを抽出する。縦長画面用のメニュー画面と横長画面用のメニュー画面ではキー操作の方向が異なるため、レイアウトデータはそれぞれ用意される必要がある。
図21は、雛型選択部23がデータ合成部24へ伝送するレイアウトデータのデータ構造の一例を示す図である。レイアウトデータは、操作情報定義エリアと、メニュー部品定義エリアとを少なくとも含んでいる。
操作情報定義エリアには、携帯電話2に備えられた入力キーと、当該キーが操作されたときに携帯電話2が実行すべき動作とが定義されている。例えば、十字キーの上キーが押下された場合のカーソル動作、下キーが押下された場合のカーソル動作、左キーが押下された場合のカーソル動作、右キーが押下された場合のカーソル動作・・・などの操作情報が定義される。機種により、操作可能なキーが変わる場合、ここで定義されるキーも機種に応じて変わる。なお、キー割り当てなどは、雛型記憶部43に記憶されている作り置きの雛型データ内に予め記述されており、ユーザが選択した機種/メニューパターンに適した雛型データが雛型選択部23によって選択される。
また、部品定義エリアには、メニュー画面を構成している部品、すなわち、背景画像セット、アイコン画像セットおよびアイコン文字列セットが定義されている。
背景画像セットには、背景画像として参照する画像のファイル名、背景画像の始点のx座標、y座標、背景画像の幅(ピクセル数)、背景画像の高さの情報が記述されている。本実施形態では、これらの値は、ユーザが選択した機種に応じて決まる値であり、ユーザ操作による変更はできない。つまり、ユーザが選択した機種の解像度に適した値が設定されている雛型データが雛型選択部23によって選択される。
しかし、このような構成に限定されない。例えば、カスタマイズ対象機器が携帯電話2に限らず、様々なディスプレイ機能を有するその他の機器もカスタマイズの対象とした場合、そうした機器のあらゆるすべての解像度の雛型として保有することは困難であるので、図3のカスタマイズ画面などにおいてユーザが解像度を自由に設定し、その値を雛型データに反映させる構成をパソコン1が備えていてもよい。
アイコン画像セットには、12個のアイコンごとに、アイコン画像の始点のx座標、y座標、アイコン画像の幅、アイコン画像の高さ、透過度などを記述する場所が確保されている。ここで確保されているx座標、y座標などの場所に、アイコンデータに記述された実際の値が合成される。さらに、アイコン画像セットには、アイコン画像に付加されるアニメーションが定義されている。アニメーションとは、アイコン画像にカーソルが当たってフォーカスされたときに、アイコン画像に対してどのようなアニメーションを付加するのかを定義している。ここで定義された値は、ユーザが選択した機種に応じて決まる値であり、ユーザ操作による変更はできない。
アイコン文字列セットには、12個のアイコンごとに、機能タイトルの文字列の始点のx座標、y座標、フォントサイズ、フォント色、透過度などを記述する場所が確保されている。ここで確保されている場所に、アイコンデータに記述された実際の値が合成される。さらに、アイコン文字列セットには、文字列に付加されるアニメーションが定義されている。アニメーションとは、アイコン画像にカーソルが当たってフォーカスされたときに、アイコン画像とともに表示されている文字列に対してどのようなアニメーションを付加するのかを定義している。ここで定義された値は、ユーザが選択した機種に応じて決まる値であり、ユーザ操作による変更はできない。
上述のレイアウトデータは、データ合成部24に伝送される。そして、データ合成部24によって、機能データおよびアイコンデータに記述されている実際の値がレイアウトデータに組み込まれて、メニュー画面データ4に含めるUI記述データが完成する。
(データ合成部の詳細)
データ合成部24は、雛型選択部23が出力したレイアウトデータに、機能データ生成部21が生成した機能データと、アイコンデータ生成部22が生成したアイコンデータとを合成して、メニュー画面データ4に含めるカスタマイズされたUI記述データを生成するものである。
データ合成部24は、カスタマイズUI部20から、ユーザ設定情報を受け付けると、ユーザ設定情報に含まれるパターンIDに基づいて、合成処理時に参照する合成ルールを特定する。データ合成部24が参照すべき合成ルールは、ユーザが選択したレイアウトのパターンにより変わる。つまり、レイアウトの雛型と合成ルールとは1対1で対応している。
合成ルール記憶部44は、データ合成部24がレイアウトデータと、機能/アイコンデータとを合成するときに参照する合成ルールを記憶するものである。合成ルール記憶部44には、パターンIDと、合成ルールを一意に識別するための合成ルールIDとを対応付ける対応表と、合成ルールIDに対応付けて、複数の合成ルールが記憶されている。なお、合成ルールは、縦長画面用、横長画面用ともに同一のルールを採用することができる。
まず、データ合成部24は、上記対応表を参照して、ユーザが指定したパターンIDから、合成ルールIDを特定し、これをパラメータとして保持する。そして、保持した合成ルールIDに基づいて特定された合成ルールを参照し、レイアウトデータと、機能/アイコンデータとの合成を開始する。
図22は、データ合成部24が参照する合成ルールのデータ構造の一例を示す図である。合成ルールにおいて、メニュー画面に表示されるアイコンごとに、どの値をどこに埋め込むのかが規定されている。
具体的には、1つのアイコンにつき、(1)メニュー番号、(2)アイコン画像の始点のx座標、(3)y座標、(4)アイコン画像の幅(ピクセル数)、(5)高さ、(6)機能タイトルの文字列、(7)文字列の始点のx座標、(8)y座標、(9)文字列のフォントサイズ、および、(10)フォント色を1セットとして、実際の値と埋め込む場所との紐付け、すなわちルールが記述されている。
ここで、(1)および(6)のルールは、機能データの値とレイアウトデータの場所との紐付けを表しており、(2)〜(5)および(7)〜(10)のルールは、アイコンデータの値とレイアウトデータの場所との紐付けを表している。
なお、機能情報、アイコン情報、および、レイアウトの雛型は、これまで述べてきたとおり、分割して管理されているが、それらの管理方法に変更があっても、その変更に合わせて合成ルールを変更することで、簡単に変更に対応することができる。
以上のように、本発明のデータ作成装置としてのパソコン1は、機能情報と、アイコン情報と、レイアウトの雛型とを別々に管理して、それを素に、それぞれを別々にカスタマイズする。そして、図25に示すように、機能データ生成部21が機能データを、アイコンデータ生成部22がアイコンデータを、および、雛型選択部23がレイアウトデータを、各々出力する。そして、ユーザが行った設定に適した合成ルールに基づいて、上記各記述データを合成する。具体的には、図25に示すとおり、データ合成部24が、上記レイアウトデータに、上記アイコンデータの各アイコン情報と、上記機能データの各機能情報とを埋め込んで合成し、UI記述データとして完成させる。最後に、メニュー画面データ作成部26が、上記UI記述データと、画像取得部25が取得した各アイコン画像とをパッキングして、メニュー画面データ4を作成する。
これにより、メニュー画面データ4を構成する情報を部品化して、ユーザの詳細なカスタマイズの要望、変更希望に、即時かつ容易に対応することが可能となる。しかも、ユーザは、パソコン1のカスタマイズUI部20が出力するGUI画面によって、簡単な操作で、メニュー画面のカスタマイズをパソコン1に対して指示することができる。
さらに、パソコン1によってアーカイブ化され作成されたメニュー画面データ4は、あらゆる携帯電話に適用可能な汎用性の高いデータ形式になっている。したがって、ユーザは、パソコン1を用いて、適用先の携帯電話2に制約をうけることなく、あらゆる携帯電話2のメニュー画面を自由にカスタマイズすることができる。
〔第2部:ユーザ設定情報の受付〕
図1に示すとおり、パソコン1は、GUI画面で実現されるカスタマイズUI部20を備えている。そのため、ユーザは、表示部13に表示されるGUI画面を、パソコン1の操作部14を用いて操作するだけで容易にメニュー画面をカスタマイズすることが可能となる。
表示部13に表示されるGUI画面の具体例を参照しながら、本発明のパソコン1における、メニュー画面を詳細にカスタマイズする際の、ユーザの操作性の優れた点について以下に説明する。
図3は、パソコン1のカスタマイズUI部20が表示部13に表示するメニュー画面データ作成用のGUI画面(以下、カスタマイズ画面)の一例を示す図である。
例えば、カスタマイズ画面(グラフィカルユーザインターフェース画面)は、図3に示すようなUI部品を含む構成である。具体的には、領域50は、マウスで構成される操作部14を用いて、ユーザがドラッグアンドドロップなどのマウス操作を行うことにより、画像記憶部45に記憶されているファイルをアイコン画像または背景画像として呼び出して配置することができる領域である。ここで、アイコン画像とは、携帯電話2の機能を表現した画像であり、メニュー画面上に1以上表示されるものである。携帯電話2においてアイコン画像が選択されると、当該アイコン画像に対応する機能が呼び出される。背景画像とは、メニュー画面上に表示されるアイコン画像の背景に表示される画像である。
領域50には、画像の配置結果が、携帯電話2に表示されるメニュー画面と見た目が同じように表示されるので、ユーザは、携帯電話2に実際に表示されるメニュー画面をイメージしながらカスタマイズを容易に行うことができる。
ユーザは、画像記憶部45に保存している画像を1つ以上選択し、マウス操作によって画像を領域50にドロップする。この操作によって、選択した1つ以上の画像が領域50に表示される。図3に示す例では、配置可能な画像は、背景画像が1枚と、アイコン画像12枚の合計13枚である。画像を1枚ずつ配置した場合、最初に配置した画像が背景画像として使用され、その後はすべてアイコン画像として使用される。また、複数の画像を一度にドラッグアンドドロップ操作で配置した場合、ドロップする際にマウスによって選択されていた画像が背景画像に使用される。
なお、作業エリア(図3の領域50)内では、ユーザがすでに配置したアイコン画像とそのアイコン画像から呼び出せる携帯電話2の機能との組み合わせを変更できることが望ましい。本実施形態では、例えば、領域50に配置されたアイコン画像を削除して、削除した場所に新しいアイコン画像を設定し、電話機能に対応するアイコン画像を変更することができる。さらに、アイコン画像(とそのアイコン画像から呼び出せる機能)の表示位置を変更したい場合には、後述するプルダウン群54を操作することにより変更可能である。図3に示す例において、「1」の位置にある電話機能と電話のアイコン画像を「5」の位置に移動させたい場合には、ユーザは、プルダウン群54のうち、電話機能のプルダウンを操作して、「1」から「5」に変更すればよい。このとき、「5」の位置に別のアイコン画像と機能が既に割り当てられていた場合には、その機能のプルダウンが「5」から「1」に入れ替わる。
プルダウン群51は、ユーザが、カスタマイズの対象である携帯電話2の機種を入力したり、幾種類かにパターン化されているメニュー画面の雛型を選択したりするための入力補助を行うUI部品群である。
雛型とは、具体的には、メニュー画面のレイアウトの雛型であり、パターン化されたメニュー画面のレイアウトを規定する情報が、雛型記憶部43に記憶されている。本実施形態では、図3に示すカスタマイズ画面が表示される前に、図9に示すGUI画面を表示して、携帯電話2の機種と、希望のレイアウトパターンとをユーザに選択させるようにしている。しかし、ユーザは、メニュー画面データを編集中に、機種やレイアウトの雛型を変更したくなったときには、図3に示すカスタマイズ画面上のプルダウン群51にて後から変更することができる。変更方法としては、まず、ユーザは、プルダウンメニューを開き、その中から変更したい雛型を選択(クリック)することが考えられる。選択された雛型が変更されると、領域50に表示されるアイコン画像のレイアウトも変更される。
なお、領域50に背景画像およびアイコン画像が配置された後、プルダウン群51において選択されたレイアウトパターンによっては、領域50内に配置した画像を自由に移動させたり、アイコン画像の幅/高さを変更させたりできるようにしてもよい。
アイコン画像の配置位置や、アイコン画像の表示サイズを任意に編集できる雛型がプルダウン群51において選択されると、ユーザは、領域50に表示されているアイコン画像を移動させたり、サイズを変更させたりして思い通りにメニュー画面のレイアウトを編集する。図4は、領域50において、アイコン画像の配置位置および表示サイズが任意に変更された場合に、カスタマイズ画面に表示される領域50の具体例を示す図である。図4に示すように、アイコン画像の配置位置も表示サイズもまばらになっている。このように、図3に示すカスタマイズ画面を用いることにより、レイアウトのカスタマイズの自由度が飛躍的に向上する。さらに、一度配置したアイコン画像を、選択して削除することも可能である。
テキストボックス群52は、ユーザが、選択した背景画像のファイル名を表示するものである。さらに、参照ボタンを設けて、背景画像の選択をテキストボックス群52にて行えるようにしてもよい。また、テキストボックス群52では、領域50にドラッグアンドドロップで配置した背景画像を変更することができる。その場合、プルダウンメニューを開き、「参照」を選択する。これにより、「参照」ボタンが有効になるので、「参照」ボタンを押して、画像を参照するためのダイアログを開き、配置したい任意の画像を選択する。選択すると、選択した画像へのフルパスがテキストボックスに表示される。さらに、このテキストボックス群52を、プルダウンのUI部品にしてもよい。この場合は、メニュー画面データを作成するためのアプリケーション(以下、メニュー画面カスタマイズツール)においてあらかじめ用意されている背景画像が存在し、プルダウンメニューから、それらの背景画像を選択できるようにプルダウンを構成する。このようにすれば、ユーザがプルダウンメニューから背景画像を選択すると、領域50内に、メニュー画面カスタマイズツールであらかじめ用意された画像が背景画像として適用される。
最近の携帯電話2に多く見られるように、携帯電話2の表示部が回転し、横長のポジションと、縦長のポジションの2つのポジションにて携帯電話2を使用できるようになっている。そこで、それぞれのポジション専用にメニュー画面をカスタマイズすることができるようにしてもよい。よって、縦長ポジション時の背景画像と、横長ポジション時の背景画像とをそれぞれ選択できるように、テキストボックスを複数設けてもよい。
テキストボックス群53は、ユーザが、選択したアイコン画像のファイル名を表示するものである。さらに、参照ボタンを設けて、アイコン画像の選択をテキストボックス群53にて行えるようにしてもよい。テキストボックス群53には、メニュー画面に一度に表示されるアイコン画像数(ここでは、12個)分のテキストボックスが用意される。
また、テキストボックス群53では、領域50にドラッグアンドドロップで配置したアイコン画像を変更することができる。その場合、「参照」ボタンが有効になるので、「参照」ボタンを押して、画像を参照するためのダイアログを開き、配置したい任意の画像を選択する。選択すると、選択した画像へのフルパスがテキストボックスに表示される。さらに、テキストボックス群53を、プルダウンのUI部品にして、メニュー画面カスタマイズツールにて用意されているアイコン画像をプルダウンメニューから選択できるようにしてもよい。ユーザがプルダウンメニューからアイコン画像を選択すると、領域50内の対応するアイコン画像表示位置に、メニュー画面カスタマイズツールであらかじめ用意された画像がアイコン画像として適用される。
プルダウン群54は、アイコン画像が携帯電話2のメニュー画面上で選択されるときの、カーソルの移動順をユーザが指定するための入力補助を行うUI部品である。これにより、ユーザは、メニュー画面上のアイコン画像が、どのような順番でフォーカスされるかを定義することができる。本実施形態では、初期設定で、画像を配置した順番にカーソルが移動するように設定される。フォーカス順の変更方法は、変更したい任意のアイコン画像のプルダウンメニューを開き、任意の番号を選択する。これにより、初期設定でその順番に設定されていたアイコン画像と移動順序を入れ替えることができる。
プルダウン群55は、アイコン画像とともに携帯電話2の機能を説明する文字列を表示する場合の文字色をユーザが指定するための入力補助を行うUI部品である。ユーザは、文字色を変更したいアイコン画像のプルダウンメニューを開き、任意の文字色を選択する。文字色が変更されると、作業エリアの領域50においても、対応するアイコン画像の文字色が選択した色に変更される。
ラジオボタン56は、上記文字列をアイコン画像とともに表示するか、非表示にするかをユーザが指定するための入力補助を行うUI部品である。
プルダウン57は、カーソルがあたっている状態のアイコン画像に対して特殊効果を付ける場合にその内容をユーザが指定するための入力補助を行うUI部品である。特殊効果とは、例えば、アイコン画像の色をセピアやグレースケールなどに変更することを指す。ユーザは、プルダウン57のプルダウンメニューを開き、任意の特殊効果を選択する。特殊効果は、フォーカスされているときに現れる視覚的効果であるので、この時点では、領域50には反映されない。
プルダウン58は、カーソルがあたっている状態に移行するときにアイコン画像に付加するアニメーションをユーザが指定するための入力補助を行うUI部品である。アニメーションを付加することにより、携帯電話2上で、どのアイコン画像が選択されているのかを、ユーザにわかりやすくすることができる。ユーザは、プルダウン58のプルダウンメニューを開き、任意のアニメーションを選択する。アニメーションは、フォーカスされているときに現れる視覚的効果であるので、この時点では、領域50には反映されない。
プルダウン59は、ユーザがフォーカスの設定を行うための入力補助を行うUI部品である。フォーカスの設定とは、具体的には、カーソルの色、あるいは、カーソルとして用いる画像を指定することである。カーソル色を指定する場合、プルダウン59のプルダウンメニューを開き、ユーザが好みの色を選択する。または、カーソルとして用いる画像を指定する場合、プルダウン59のプルダウンメニューから「参照」を選択する。これにより、「参照」ボタンが有効になるので、テキストボックス60のエリアの「参照」ボタンを押して、画像を参照するためのダイアログを開き、カーソルにしたい任意の画像を選択する。画像が選択されると、選択された画像へのフルパスがテキストボックス60に表示される。カーソルの態様は、領域50には表示されない。
プレビューボタン61は、上述のUI部品を操作することにより作成されたユーザ設定情報に基づいてメニュー画面データが作成された場合に、当該メニュー画面データによるメニュー画面が携帯電話2上でどのように動作するのかをあらかじめパソコン1上で確かめるためのプレビュー画面(図5(a)または(b))を呼び出すためのボタンである。
図5(a)は、携帯電話2の表示部が縦長の場合に表示されるメニュー画面のプレビュー画面の具体例を示す図である。図5(b)は、横長の場合に表示されるメニュー画面のプレビュー画面の具体例を示す図である。
プレビュー画面に表示されるメニュー画面では、パソコン1の操作部14に備わっている特定のキーを使って、携帯電話2上で上下左右キーを押しているのと同様の動きを確認することが可能である。
携帯電話2の表示部が90度回転し、横長の画面表示が可能な機種も多く普及しているため、縦長のメニュー画面のプレビュー画面から横長のプレビュー画面へと切り替えられるボタンや表示を縦長用のプレビュー画面に設けてもよい。本実施形態では、図5(a)に示す縦長用のプレビュー画面から、図5(b)に示す横長用のプレビュー画面へと切り替える際には、ユーザは、「横画面プレビューへ」のテキストが記されたボタンを選択すればよい。
なお、ユーザによって、プレビューボタン61が選択されたとき、パソコン1のカスタマイズUI部20は、プレビュー画面を表示する前に、ユーザ設定情報を確認してもよい。具体的には、1から12までの機能に対応付けられたアイコン画像を検証し、12個のアイコン画像の中に互いに重複するものがないかを確認してもよい。
そして、アイコン画像が重なっている場合には、カスタマイズUI部20が、確認ダイアログ64(図6)を表示する。そして、確認ダイアログ64の「OK」ボタンが押されたら、プレビュー画面を表示する。図6は、アイコン画像が重複している場合にカスタマイズUI部20が表示する確認ダイアログの具体例を示す図である。
キャンセルボタン62は、カスタマイズ作業の中断をパソコン1に指示するためのボタンである。ユーザがキャンセルボタン62を押下すると、カスタマイズUI部20は、例えば、図7(a)に示す確認ダイアログを別画面で表示する。図7(a)は、キャンセルボタン62が押下された場合にカスタマイズUI部20が表示する確認ダイアログの具体例を示す図である。図7(a)に示す確認ダイアログは、ユーザが誤ってキャンセルボタン62を押した場合に、すぐにユーザ設定情報のデータを削除しないようにするためのものである。図7(a)に示すとおり、確認ダイアログに示される「編集中のものを保存しますか?」との問いかけに対して、ユーザは、「はい」/「いいえ」/「キャンセル」のボタンのいずれかをユーザは選択することができる。
ここで、「はい」のボタンが選択された場合には、カスタマイズUI部20は、図7(b)の確認ダイアログを表示する。図7(b)は、編集されたユーザ設定情報を保存するためにカスタマイズUI部20が表示する確認ダイアログの具体例を示す図である。図7(b)のテキストボックスに、ユーザが保存用のファイル名を入力し、「OK」ボタンを押下すると、カスタマイズUI部20は、図3のカスタマイズ画面介して入力されたユーザ設定情報を、上記ファイル名に関連付けてカスタマイズ情報記憶部40に記憶する。「いいえ」のボタンが選択された場合には、カスタマイズUI部20は、これまで作成されたユーザ設定情報のデータを保存せずに、メニュー画面カスタマイズツールを中断する。「キャンセル」のボタンが選択された場合には、カスタマイズUI部20は、図7(a)の確認ダイアログを非表示にして、図3のカスタマイズ画面を再び表示する。
OKボタン63は、カスタマイズ画面を介して入力されたユーザ設定情報の保存をパソコン1に指示するためのボタンである。ユーザがOKボタン63を押下すると、カスタマイズUI部20は、例えば、図7(b)の確認ダイアログを表示し、保存用のファイル名の入力をユーザに促す。ファイル名が入力された状態で「OK」ボタンが押されると、カスタマイズUI部20は、上記ファイル名に関連付けて、カスタマイズ画面を介して入力されたユーザ設定情報をカスタマイズ情報記憶部40に記憶する。「キャンセル」ボタンが押された場合は、カスタマイズUI部20は、ユーザ設定情報を保存せずに、上記確認ダイアログを閉じて、図3のカスタマイズ画面を再表示する。
上述のとおり、パソコン1において、カスタマイズUI部20が図3に示すようなカスタマイズ画面を表示して、ユーザの入力補助を行いながら、カスタマイズに必要なユーザ設定情報を受け付ける。これにより、ユーザは、携帯電話2のメニュー画面をカスタマイズするため各種設定をより簡単な操作で行うことが可能になる。
近年、多機能の携帯電話が普及するに伴って、ユーザが、メニュー画面をさらに、より多様に、詳細に、しかも簡単な操作でカスタマイズしたい、といった要求が高まってきている。しかしながら、上述の従来の技術では、このような要求に応えることができなかった。
具体的には、特許文献1の技術では、せいぜい、携帯電話のメニュー画面から呼び出せる機能に対して割り当てるアイコン画像を変更するという程度のカスタマイズしか行えない。しかも、メニュー画面から呼び出せる機能は固定されており、アイコン画像もあらかじめ携帯電話内に用意されたものを利用するのみである。
また、カスタマイズのための操作を、カスタマイズの対象となっているメニュー画面を表示する携帯電話そのものを用いて行う。ハードウェア的制約が大きい携帯電話を用いて行うカスタマイズには限界がある。
例えば、入力デバイスは、マウスやキーボードなどと比べて操作性が低く、メニュー画面に表示するアイコン画像を選択したり、その表示位置を決定したりするだけでも操作が煩雑になる。一般的な携帯電話では、メニュー画面に一度に表示される機能(アイコン)の数は、9〜12個程度ある。よって、特許文献1の技術において、携帯電話内でユーザがメニュー画面をカスタマイズする場合、上記の数の機能に対して、アイコンを選択するという同じ作業を何度も繰り返す必要があり、非常に煩雑に感じられる。さらに、携帯電話のメモリでは、ユーザを満足させるだけの豊富なデータをそろえておくにも容量の制約で限界がある。
特許文献2の技術では、コンテンツプロバイダが、あらかじめ部品単位で用意しているUI表示部品(背景画像やアイコン画像をパッケージ化したもの)をWeb経由で取得し、そのパッケージを適用するだけであるので、メニュー画面の設計の自由度が低く、ユーザの多様なオリジナリティ追求心を満足させることはできない。
しかし、上述した本発明の構成によれば、携帯電話2上で、メニュー画面のカスタマイズを行う場合に生じていた繰り返し作業の発生が軽減される。12個の機能に12個のアイコン画像を割り当てるために、12回も同様作業を繰り返す必要があったが、本発明のパソコン1においてカスタマイズUI部20が表示するカスタマイズ画面を用いれば、ドラッグアンドドロップの簡易な操作で、12個のアイコン画像をすべてそれぞれの機能に対応付けることが可能となる。
その他にも、カスタマイズ画面に表示されるUI部品の入力補助によって、ユーザは、携帯電話2上でのカスタマイズ操作に比べて、簡易な操作でより詳細に、多様に、メニュー画面をカスタマイズすることが可能となる。
〔第3部:メニュー画面データの配信〕
上述のようにしてユーザによってカスタマイズされ、それに基づいてパソコン1が作成したメニュー画面データ4は、さまざまな携帯電話で読み取り可能な汎用性に優れた形式で作成されている。メニュー画面データ4を携帯電話に供給する場合も、カスタマイズUI部20が表示するGUI画面(以下、データ配布画面)によって、ユーザが、パソコン1から携帯電話へ容易に供給することが可能になる。
表示部13に表示されるデータ配布画面の具体例を参照しながら、本発明のパソコン1における、カスタマイズしたメニュー画面データを携帯電話に供給する際の、ユーザの操作性の優れた点について以下に説明する。
本実施形態では、カスタマイズUI部20がカスタマイズ情報記憶部40に保存したユーザ設定情報のファイルを、メニュー画面データ4として携帯電話2が読み取り可能に加工して、通信部15を介して各携帯電話2に送信することが可能である。
図8は、カスタマイズUI部20が表示部13に表示するデータ配布画面の具体例を示す図である。本実施形態では、図8に示すデータ配布画面は、メニュー画面カスタマイズツールのアプリケーションが起動されたときに、カスタマイズUI部20が開く初期画面も兼ねている。
図8に示すとおり、データ配布画面は、一例として、ユーザが入力したユーザ設定情報に対応するメニュー画面データ4の一覧を表示する領域65と、メニュー画面データ4を新たに作成するための(ユーザ設定情報を入力するための)、図3のカスタマイズ画面を新規に呼び出す新規作成ボタン66と、既に作成されているメニュー画面データ4を再編集するためにカスタマイズ画面を呼び出す編集ボタン67と、領域65において選択されているメニュー画面データによるプレビュー表示を指示するためのプレビューボタン68と、作成されたメニュー画面データ4の削除を指示する削除ボタン69と、作成されたメニュー画面データ4をデータ転送用の記録媒体に転送するための転送ボタン70と、転送先の記録媒体に記憶されているメニュー画面データ4の一覧を表示する領域71と、転送先の記録媒体を選択するためのプルダウン72と、データ転送用記録媒体に記憶されているメニュー画面データ4の、媒体からの削除を指示するための削除ボタン73とを含む構成となっている。
図8のデータ配布画面が含む各UI部品をユーザが操作することによって、パソコン1がユーザ設定情報のファイルを素にして作成したメニュー画面データ4を、携帯電話2などの各装置に配布することができる。
より詳細に図8のデータ配布画面の操作手順について説明すると以下の通りである。
ユーザが操作部14を操作して、新規作成ボタン66を押すと、カスタマイズUI部20は、まず、例えば図9に示す新規データ作成用の入力ダイアログを表示する。図9は、新規データ作成時に、カスタマイズUI部20が表示する入力ダイアログの一例を示す図である。この入力ダイアログは、これから作成するメニュー画面データの転送先の携帯電話2、すなわち、カスタマイズの対象となる携帯電話2の機種をユーザに指定させるためのものである。本実施形態では、さらに、この入力ダイアログ上で、メニュー画面カスタマイズツールが提供可能な雛型の中から、所望のレイアウトのパターンをユーザに指定させるUI部品も表示する。ユーザは、図9に示す各プルダウンを操作して、「機種」および「パターン」を選択することができる。「機種」および「パターン」が選択された後に、「OK」ボタンが押されると、カスタマイズUI部20は、図3のカスタマイズ画面を表示する。このとき、図9の各プルダウンから指定されたユーザ設定情報は、図3のプルダウン群51に反映される。一方、「キャンセル」ボタンが押されると、カスタマイズUI部20は、図9に示す入力ダイアログを閉じ、図8のデータ配布画面を再表示する。
編集ボタン67は、再編集用のボタンであり、領域65で再編集対象のメニュー画面データを少なくとも1つ選択後に編集ボタン67が押されると、カスタマイズUI部20は、図3のカスタマイズ画面を表示して、選択されたメニュー画面データの再編集を受け付ける。
プレビューボタン68は、作成されたメニュー画面データのプレビュー画面の表示を指示するためのボタンである。領域65でプレビューを表示させたいメニュー画面データを少なくとも1つ選択後プレビューボタン68が押されると、カスタマイズUI部20は、図5(a)および/または(b)のプレビュー画面を表示する。
削除ボタン69は、パソコン1にて記録されているメニュー画面データ(対応するユーザ設定情報)を削除するボタンである。領域65にて削除対象のデータを少なくとも1つ選択後に削除ボタン69が押されると、カスタマイズUI部20は、まず、誤操作を防ぐための確認ダイアログを表示する。図10は、ユーザ設定情報の削除が指示されたときに、カスタマイズUI部20が表示する確認ダイアログの一例を示す図である。この確認ダイアログでは、選択したユーザ設定情報を削除してもよいかどうかをユーザに確認する旨のメッセージが表示される。ここで、「OK」ボタンが押されると、カスタマイズUI部20は、対象のメニュー画面データおよびその素であるユーザ設定情報を、カスタマイズ情報記憶部40から削除するとともに、領域65から上記ユーザ設定情報に対応するファイル名の表示を削除する。一方、「キャンセル」ボタンが押されると、カスタマイズUI部20は、図10に示す確認ダイアログを閉じ、図8のデータ配布画面を再表示する。
転送ボタン70は、作成されたメニュー画面データの、記録媒体への転送を指示するためのボタンであり、パソコン1がアクセス可能な転送用記録媒体が存在する場合のみ有効になるボタンである。転送方法としては、領域65にて転送したいファイルを少なくとも1つ選択後転送ボタン70が押されると、転送の指示がカスタマイズUI部20を介して、通信部15およびメニュー画面データを作成する各部に伝達される。通信部15は、上記各部によって、選択されたユーザ設定情報のファイルを素にして作成されたメニュー画面データを、指定されている記録媒体へ転送する。転送されたメニュー画面データの一覧は、領域71に表示される。
プルダウン72は、メニュー画面データの転送先の記録媒体が2つ以上存在する場合に有効になるUI部品である。プルダウン72のプルダウンメニュー内に表示される任意の記録媒体をユーザが選択すると、カスタマイズUI部20は、選択された記録媒体の中で管理されているメニュー画面データの一覧を領域71に表示する。
このように、図8に示すデータ配布画面を表示させてユーザ操作を受け付けることにより、ユーザは、直感的に分かりやすい画面を操作しながら、簡単に作成したメニュー画面データを所望の携帯電話2に配布することが可能となる。
従来の技術では、1つの装置(携帯電話)で作成したカスタマイズのためのメニュー画面データは、他の装置(他の携帯電話)に外部出力することができなかったが、本発明のパソコン1は、自装置にて作成したメニュー画面データを、パソコン1がアクセス可能な記録媒体に記憶したり、ウェブやメール経由で他の携帯電話に転送したりすることが可能となる。さらに、メニュー画面データの配布ルートとしては、上記のようなインターネット経由に限定されない。赤外線/BlueTooth(登録商標)などの近距離無線通信を経由して配布されてもよいし、SD/MicroSD/CD/DVD、USBメモリなどの記録媒体を経由して、通信網を介さずに携帯電話に直接配布されてもよい。
なお、これまで図示した各GUI画面の配置、デザイン、UI部品の種類などは、一例であって本発明を限定するものではない。
≪実施形態2≫
実施形態1では、メニュー画面データ4における、どんな携帯電話にでも供給できる汎用性の高さとその利点について説明してきた。しかし、どんな携帯電話にも供給でき、汎用性が高いと逆に不都合なこともある。
具体的には、携帯電話によっては、利用できない機能もある。例えば、図2の携帯電話2a向けに作成したメニュー画面データ4が機種の違う携帯電話2bにて処理されるとする。ここで、そのメニュー画面データ4に、携帯電話2bでは呼び出せない機能が混在していると、アイコンは表示されているのに、選択しても機能を実行できないといった不具合が発生してしまう。つまり、実際に携帯電話では呼び出せない機能をメニュー画面から呼び出すための画面をデザインしてしまうという人為的ミスを防ぐ必要がある。そこで、メニュー画面データ4の汎用性を損なうことなく、上述の人為的ミスをカバーできることが望まれる。
本実施形態では、メニュー画面データ4をあらゆる携帯電話に自由に送信ができるが、受け取った携帯電話2において、実行できない機能が混在する他の機種向けのメニュー画面データ4を受信した場合には、携帯電話2がそれを処理しないようにすることができる仕組みについて説明する。
〔データ作成装置の構成〕
本実施形態におけるパソコン1の構成について、再び図1を参照して、以下に説明する。本実施形態におけるパソコン1は、実施形態1における構成に加えて、制御部10において鍵生成部27を、記憶部11において鍵情報記憶部46を備える構成となっている。
鍵生成部27は、メニュー画面データ4に付与する鍵情報を生成するものである。鍵情報とは、メニュー画面データ4の中身(UI記述データおよび画像)が、そのまま読み取られないように保護している保護鍵の情報であり、対応する解除鍵によって解除されるものである。
本実施形態では、鍵生成部27が生成した鍵情報は、メニュー画面データ作成部26によって、メニュー画面データ4の先頭に付与され、それを解除しないと、携帯電話2において、UI記述データや画像などを読み取ることができないようにメニュー画面データ4が作成される。
また、本実施形態では、一例として、カスタマイズされたメニュー画面データ4を、同じ携帯電話2の機種同士でのみ共有できるものとする。したがって、鍵情報記憶部46は、機種ごとに用意された鍵情報を記憶しており、特定の機種の携帯電話2のみが鍵情報による保護を解除できる仕組みになっている。
鍵生成部27は、カスタマイズUI部20から伝送されたユーザ設定情報に含まれる機種の情報に基づいて、鍵情報記憶部46の中から、当該機種に対応する鍵情報を取得し、メニュー画面データ作成部26に出力する。
メニュー画面データ作成部26は、データの先頭に鍵生成部27から取得した鍵情報を含めてメニュー画面データ4を完成させる。
〔メニュー画面データのデータ構造〕
図23は、本実施形態におけるメニュー画面データ4のデータ構造の一例を示す図である。
上述したとおり、メニュー画面データ4は、メニュー画面の表示の仕方や携帯電話2の動作を定義するUI記述データと、アイコン画像や背景画像などの画像群とを含んでいる。本実施形態では、アイコン画像は12個含まれる。さらに、本実施形態では、図23に示すとおり、UI記述データおよび画像の読み取りを保護する鍵情報が含まれている。
図23に示すメニュー画面データ4では、データの左端がデータの先頭を表しており、左から右へ、すなわち、図示された矢印の通信方向にて、各情報が順次送受信される。本実施形態では、鍵情報は、メニュー画面データ4の先頭に含まれている。よって、携帯電話2においては、メニュー画面データ4を受信するときには、まず、鍵情報を処理することになり、この鍵情報による保護を解除できなければ後続の情報を処理できないようになっている。
〔データ処理装置の構成〕
図24は、本発明の実施形態におけるデータ処理装置としての携帯電話2(a〜c)の要部構成を示す図である。
図24に示すとおり、携帯電話2は、制御部80、記憶部81、表示部83、操作部84、および、通信部85を備える構成となっている。
制御部80は、携帯電話2が備える各部を統括制御するものである。制御部80は、機能ブロックとしての、鍵解除部90、記述データ実行部91、画像処理部92、および、メニュー画面UI部93を備えている。
記憶部81は、制御部80が実行する制御プログラム、OSプログラム、および、制御部80が、携帯電話2が有する各種機能を実行するときに読み出す各種データを記憶するものである。また、記憶部81には、少なくとも、解除鍵記憶部99を含んでいる。
通信部85は、パソコン1または他の携帯電話2と通信網3を介して通信するものである。具体的には、パソコン1から供給されたメニュー画面データ4を受信したり、受信した当該メニュー画面データ4を他の携帯電話2に送信したりする。
表示部83は、制御部80が処理したメニュー画面データ4に応じて、カスタマイズされたメニュー画面を表示するものである。表示部83としては、例えばLC(Liquid Crystal)表示装置やEL(Electro Luminescence)表示装置等を好適に適用することができる。
操作部84は、ユーザが携帯電話2に対する各種命令信号を入力するためのものである。例えば、操作部84は、携帯電話2の本体に表面に設けられた十字キー、決定キー、テンキーなどとして実現することができる。
制御部80の鍵解除部90は、解除鍵記憶部99に記憶されている解除鍵を用いて、通信部85を介して受信されたメニュー画面データ4に埋め込まれた鍵情報による保護を解除するものである。
解除鍵記憶部99には、携帯電話2の機種に応じて、鍵情報による保護を解除するための解除鍵があらかじめ記憶されている。この解除鍵は、保護鍵と対になっており、対応する鍵情報でなければ解除できない仕組みになっている。本実施形態では、鍵対は、機種ごとに用意にされている。したがって、同機種同士では、同じ鍵情報を解除することが可能となり、よって、同機種にて同じメニュー画面データ4を共有することが可能となる。
鍵解除部90は、まず、図23のメニュー画面データ4の先頭に含まれる鍵情報による保護を、解除鍵を用いて解除する。上記鍵情報を解除できた場合には、保護を解除した後のメニュー画面データ4を、記述データ実行部91および画像処理部92にそれぞれ伝送する。解除できなかった場合には、鍵解除部90は、受信したメニュー画面データ4を破棄する。
記述データ実行部91は、鍵解除部90より供給されたメニュー画面データ4に含まれるUI記述データを解析して、解析結果に基づいて動作するものである。例えば、入力キーに応じてカーソルを動かしたり、機能を呼び出したりする。
画像処理部92は、鍵解除部90より供給されたメニュー画面データ4に含まれる各画像を読み取って、必要があれば色やサイズ変更などの処理を行ってから、各画像をメニュー画面UI部93に出力する。
メニュー画面UI部93は、記述データ実行部91が解析したUI記述データにしたがって、画像処理部92が処理した背景画像およびアイコン画像を指定どおりに配置し、メニュー画面を表示部83に表示するものである。また、メニュー画面UI部93は、表示したメニュー画面に対して、操作部84を介して行われたユーザ操作を受け付けて、入力された信号を制御部80の各部に伝達するものである。
上記構成によれば、パソコン1は、メニュー画面データ4の先頭に特定の機種にしか解除できない鍵情報を埋め込んで、各携帯電話2に配布する。各携帯電話2においては、まず、メニュー画面データ4の先頭に埋め込まれている鍵情報の解除を、自装置にあらかじめ記憶されている解除鍵を用いて試みる。
ここで、解除に成功したら、後続するメニュー画面データ4のUI記述データおよび画像群を処理することが可能となり、メニュー画面データ4にしたがってカスタマイズされたメニュー画面を表示部83に表示することができる。一方、解除に失敗した場合には、携帯電話2は、自装置の機種には適合しないメニュー画面データ4が供給されたと判断し、受信したメニュー画面データ4を破棄する。
これにより、携帯電話2が備えていない機能を呼び出すメニュー画面が誤って携帯電話2の表示部83に表示されるといった不都合を解消することができる。よって、ユーザは、機種の違いを意識しながらユーザ設定情報を設定する必要がなくなる。また、同機種であれば、別の携帯電話2においても同じメニュー画面データ4を共有することができるので、本来のメニュー画面データ4の汎用性を損なうこともない。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、パソコン1の各ブロック、特にカスタマイズUI部20、機能データ生成部21、アイコンデータ生成部22、雛型選択部23、データ合成部24、画像取得部25、メニュー画面データ作成部26および鍵生成部27は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、パソコン1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるパソコン1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記パソコン1に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、パソコン1を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。