JP2010059946A - 内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料の残量の推定にかかる精度を向上させることのできる内燃機関の燃料供給装置を提供する。
【解決手段】主燃料タンク22と補助燃料タンク27とを備える燃料供給機構20において、主燃料タンク22内の燃料の液面が安定したときにセンダーゲージ33の検出値に基づいて算出される推定残量を基準残量値とし、この基準残量値と燃料噴射弁21の噴射量とに基づいてそのときどきの燃料残量表示値を確定し、新たに主燃料タンク22内の燃料の液面が安定したときにはそのときのセンダーゲージ33の検出値に基づく推定残量が最新の基準残量値以下の場合はこの推定残量を基準残量値として更新する第1の推定処理と、補助燃料タンク27から燃料噴射弁21供給された余剰な補助燃料が主燃料タンク22に戻されるときは、今回の更新条件の成立時に算出した推定残量値が最新の基準残量値を上回るものであっても基準残量値を更新する第2の推定処理とを行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料を貯留する第1燃料タンク及び第2燃料タンクと、第1燃料タンク内に貯留されている燃料の液面の高さを検出する燃料センサとを備え、この燃料センサの検出値に基づいて、第1燃料タンク内に貯留されている燃料の残量の推定値である推定残量値を算出する内燃機関の燃料供給装置に関する。
従来、燃料残量を把握する方法として、燃料タンク内の液面高さを計測するセンダーゲージの計測値をもとに燃料残量を算出する方法が知られている。車両の走行中においては、燃料の液面が安定しないため、センダーゲージ値が信頼できない場合がある。このため、より精確な残量を把握するために、走行中のような車両の非安定時には車両安定時のセンダーゲージ値に基づいた推定の燃料残量に燃料消費量を反映させ、燃料残量表示値として車両の乗員に知らせる燃料供給装置が知られている。
上記燃料供給装置としては、例えば特許文献1に記載のものが知られている。
この装置では、燃料の液面が車両の走行にともない波打つことに起因して、センサの検出値が正確な残量を示さないこともある点に鑑み、次の構成を採用している。すなわち、車両走行中に液面が安定した状態にある旨判定したとき、その時点のセンサの検出値に基づいて燃料の残量を推定し、その後、次に液面が安定した状態にある旨判定するまで同推定値を基準として、これに燃料消費量を順次反映させることによりそのときどきの燃料残量を推定するようにしている。
特開平10−193992号公報
ところで近年、ガソリンとアルコールとの混合燃料を燃焼させる内燃機関を搭載した車両が普及している。またその燃料供給装置として、同混合燃料が低温始動に適さないことから、低温始動時の燃焼を補助する目的で、主燃料としての混合燃料を蓄える主燃料タンクとは別に、補助燃料としてのガソリンのみを蓄える補助燃料タンクを備えるものも開発されている。
こうした燃料供給装置において主燃料タンク内の燃料の残量を推定するため、例えば上記特許文献1に記載の推定方法を用いることも考えられるが、同推定方法は燃料タンクを複数備える燃料供給装置を前提としたものではなく、燃料の推定精度が十分に維持されるとは限らないため、これに代わる燃料残量の推定方法の提案が望まれる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、第1燃料タンク及び第2燃料タンクを備えるものにおいて、第1燃料タンク内に貯留されている燃料の残量の推定にかかる精度を向上させることのできる内燃機関の燃料供給装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
(1)請求項1に記載の発明は、燃料を噴射する燃料噴射弁と、これに供給された余剰燃料を還流する還流通路と、燃料を貯留する第1燃料タンク及び第2燃料タンクと、第1燃料タンク内の燃料の液面高さに基づいて同タンク内の燃料残量の推定値である推定残量値の算出およびこの残量値を基準残量値として設定する制御装置とを備える内燃機関の燃料供給装置において、前記燃料噴射弁は、第1燃料タンク及び第2燃料タンクの少なくとも一方から供給された燃料を噴射するものであり、前記還流通路は、前記余剰燃料を前記第1燃料タンクに還流するものであり、前記制御装置は、前記第1燃料タンク内の燃料の液面が安定した状態にあることを示す更新条件が成立している旨判定したときに前記推定残量値を算出し、この推定残量値が最新の基準残量値以下のときに前記算出した推定残量値を新たな基準残量値として設定し、前記算出した推定残量値が前記最新の基準残量値よりも大きいときには同基準残量値の更新を保留する第1の推定処理と、前記第2燃料タンク内の燃料が前記燃料噴射弁に供給されたときには、今回の更新条件の成立時に算出した推定残量値が前記最新の基準残量値より大きくとも基準残量値を更新する第2の推定処理とを行うものであることを要旨としている。
更新条件の成立時における燃料センサの検出値は、基本的には実際の液面高さに即したものになると考えられるが、更新条件の成立時においても実際には液面の波打ちが生じているために検出値が不適当な値を示していることもある。このため燃料センサの検出値が、基準残量値の算出データとして適当なものであるかどうかを判定する必要がある。
そこで上記発明では、この判定材料として基準残量値の採用範囲を設定し、その上限値としてそのときに設定されている基準残量値(前回に基準残量値の更新が行われたときに設定された基準残量値(以下、「最新の基準残量値」))を用いるようにしている。前回の基準残量値が設定されてから今回の基準残量値の更新タイミングが訪れるまでには、燃料タンク内の燃料が消費されているため、今回の更新タイミングにて算出した推定残量値が最新の基準残量値を上回ることは通常であれば生じ得ない。従って、上記のように基準残量値の採用範囲を設定することにより、液面の波打ちに起因して基準残量値が不適切なものになることについて、その抑制を図ることはできるようになる。しかし、上記発明のように第2燃料タンクから燃料噴射弁に供給された燃料が第1燃料タンクに還流する燃料供給構造を採用した場合には、そうした基準残量値の更新方法を取り入れることにともない、新たに次の問題が生じるようになる。
すなわち、上記燃料供給構造によれば、第2燃料タンクから燃料噴射弁に供給された燃料のうちの余剰分が第1燃料タンクに還流されたとき、この還流された分だけ第1燃料タンク内の燃料残量がそれまでの燃料残量よりも増加することになる。そしてこの燃料残量の増加が生じる状態のもと、今回の基準残量値の更新タイミングにおいて推定残量値を算出した場合、この推定残量値は上記燃料残量の増加にともない前回の基準残量値よりも大きな値を示すようになる。しかし、上述した基準残量値の採用範囲の設定態様によれば、算出した推定残量値が前回の基準残量値を上回ることをもって基準残量値の更新がなされないため、次の更新条件の成立までは前回の基準残量値を基準とした推定残量値の算出が継続されることになる。この場合、算出された推定残量値には上記燃料残量の増加分が反映されていないため、同残量値は実際の値から大きく乖離したものとなるおそれもある。
そこで上記発明では、第2燃料タンク内の燃料が燃料噴射弁に供給されたときには、第1の推定処理に代えて第2の推定処理を行うようにしている。すなわち、今回の基準残量値の更新タイミングにおいて第1燃料タンク内の実際の燃料残量が最新の基準残量値よりも大きい可能性のあるときには、今回の推定残量値が前回の基準残量値を上回るものであってもこれを基準残量値として採用するようにしている。このように上記発明によれば、基準残量値の採用範囲はより実情に即したものとなるため、燃料の残量の推定にかかる精度を向上させることができるようになる。
(2)請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置において、
前記制御装置は、前記基準残量値の更新をしてから次に更新条件が成立した旨判定するまでは、前記基準残量値と前記燃料噴射弁の噴射量とに基づいて算出した値をそのときどきの推定残量値として確定することを要旨としている。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記第2の推定処理は、前記更新条件の成立時にそのときの基準残量値よりも一定値だけ大きい値を推定残量値に対する上限値として設定し、次回の更新条件の成立時に算出した推定残量値が前記上限値以上のときには基準残量値の更新を保留することを要旨としている。
この発明によれば、第2燃料タンクから第1燃料タンクへの流入があった場合の基準残量を更新する処理である第2の推定処理において、第1の推定処理における上限値よりも一定値だけ大きくなるような上限値を設定することで、新たな基準残量の採用範囲の不要な拡大を抑制することができるようになる。これにより、燃料の残量の推定にかかる精度を向上させることができるようになる。
(4)請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記一定値として前記第2燃料タンクから前記燃料噴射弁に供給されて前記第1燃料タンクに戻される量を設定することを要旨としている。
(5)請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記一定値を補助燃料の使用時に供給される燃料量に基づいて可変設定することを特徴とすることを要旨としている。
この発明によれば、第2の推定処理において、上限値を第2燃料タンク内の燃料が第1燃料タンクへ流入する量に基づいた値に可変設定することで、新たな基準残量値の採用範囲をより実際に即したものに限定することができるようになる。これにより、燃料の残量の推定にかかる精度を向上させることができるようになる。
(6)請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記制御装置は、前記第2燃料タンク内の燃料が前記燃料噴射弁に供給されてそのうちの余剰分が前記第1燃料タンク内に還流されたとき、この還流された燃料の量に相当する燃料が前記燃料噴射弁により噴射されて以降は、前記第1の推定処理のみを行うことを要旨としている。
第2燃料タンク内から第1燃料タンクに流入した燃料と同等量以上の燃料が第1燃料タンクから消費された後には、第1燃料タンク内の燃料量が前回の基準残量値よりも大きな値を示すことはないため、基準残量値の更新にかかる上限値を増大補正する必要がない。従って、この発明によれば、第2の推定処理を行う期間を第2燃料タンク内の燃料が燃料噴射弁に供給されたときから所定の期間のみとすることで、基準残量値の採用範囲の不要な拡大を抑制することができるようになる。これにより、燃料の残量の推定にかかる精度を向上させることができるようになる。
(7)請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料供給装置において、前記第1燃料タンクに貯留される燃料はアルコール、ガソリンまたはアルコール及びガソリンの混合燃料のいずれかであり、前記第2燃料タンクに貯留される燃料はガソリンであることを要旨としている。
この発明によれば、第1燃料タンクの貯留燃料と第2燃料タンクの貯留燃料とが異なる内燃機関の燃料供給装置において、第2燃料タンクから第1燃料タンクへの燃料の流入が発生する場合であっても、燃料の残量の推定にかかる精度を向上させることができるようになる。
図1〜図7を参照して、本発明の内燃機関の燃料供給装置をガソリン及びアルコールの混合燃料を用いるフレキシブル燃料車両の燃料供給装置として具体化した一実施形態について説明する。
図1に示されるように、内燃機関1は、吸入空気と燃料との混合気を燃焼させる機関本体10と、この機関本体10の燃焼室11に吸入空気及び燃料を供給する吸気管12と、燃焼室11での燃焼後の排気を外部に送り出す排気管13とを備えている。さらに、吸気管12に燃料を供給する燃料供給機構20と、内燃機関1の各種装置を統括的に制御する制御装置30とを備えて構成されている。
機関本体10は、燃焼室11での混合気の燃焼を通じて往復運動するピストン14と、このピストン14の往復運動を回転運動に変換するクランクシャフト15と、吸気管12と燃焼室11との接続部を開閉する吸気弁16と、排気管13と燃焼室11との接続部を開閉する排気弁17とを備えている。さらに、内燃機関を冷却するための冷却水を保持するウォータジャケット18を備えて構成されている。
燃料供給機構20は、主燃料タンク22と、気筒毎に設けられた燃料噴射弁21に燃料を分配するデリバリパイプ25と、このデリバリパイプ25に設けられて吸気管12に燃料を噴射する燃料噴射弁21と、主燃料タンク22とデリバリパイプ25とを接続する主燃料供給管23とを備えて構成されている。主燃料タンクには、主燃料としてアルコールまたはガソリンまたはこれらの混合燃料が貯留されており、主燃料タンク22から主燃料を汲み上げる電動燃料ポンプ24によって主燃料供給管23から燃料噴射弁21へ送られる。さらに、補助燃料としてのガソリンを貯留する補助燃料タンク27と、補助燃料タンク27とデリバリパイプ25とを接続する補助燃料管28と、補助燃料のデリバリパイプ25への供給態様を制御する補助燃料弁29と、燃料残量を車両の乗員に表示する燃料計36とを備えている。
制御装置30は、機関運転状態等をモニタする各種センサ、すなわち水温センサ32、センダーゲージ33、回転速度センサ34および車速センサ35を含む各種センサと、これらセンサの出力に基づいて各装置の動作を制御する電子制御装置31とにより構成されている。水温センサ32は、機関冷却水の温度に応じた信号を出力する。またセンダーゲージ33は、主燃料タンク22内の燃料の液面高さに応じた信号を出力する。また回転速度センサ34は、クランクシャフト15の回転速度に応じた信号を出力する。また車速センサ35は、車輪の回転速度に応じた信号を出力する。なお、本発明の燃料供給装置は、燃料供給機構20と制御装置30とを含めて構成されている。
燃料噴射弁21は、電子制御装置31によってその燃料噴射が制御されるものであり、噴射量の指令値は電子制御装置31に逐一記録される。
主燃料タンク22内の主燃料は、タンク内に設置された燃料供給口から電動燃料ポンプ24によって汲み上げられる。そして、主燃料供給管23を通ってデリバリパイプ25に供給された後、燃料噴射弁21により噴射される。このとき、燃料噴射弁21から吸気管12内に噴射されなかった余剰供給燃料はデリバリパイプ25から燃料戻し管26を通って主燃料タンク22内へと戻される。主燃料タンク22には、燃料の液面高さを検出するセンダーゲージ33が備えられており、センダーゲージの計測値は電子制御装置31へと随時送信される。
補助燃料管28には、同燃料管28内の通路を開閉する補助燃料弁29が設けられている。補助燃料弁29が開弁されたとき、補助燃料タンク27内の補助燃料は重力によってデリバリパイプ25まで供給される。こうした補助燃料弁29の開弁による燃料供給は、機関始動時にウォータジャケット18内の冷却水の水温を計測する水温センサ32の計測値が低いときに行われる。デリバリパイプ25に供給された補助燃料は、燃料噴射弁21を介して吸気管12内に噴射される。このとき噴射されなかった余剰な補助燃料は、主燃料の場合と同様にデリバリパイプ25から燃料戻し管26を介して主燃料タンク22内へと還流される。
さて、電子制御装置31は、燃料計36を通じて車両の乗員に主燃料タンク22内の燃料の残量を知らせるため、センダーゲージ33によって計測された主燃料タンク22内の燃料の液面高さに基づいて、同タンク22内の燃料残量の推定値(以下、「推定残量値」)を算出する。
ここで、液面高さは運転状況等を原因とする車両の不安定さに大きな影響を受けて計測値が振幅することより本来の液面高さ(液面が安定した状態にあるときの液面高さ)から大幅にずれた値を出力することがある。従って、センダーゲージ33の測定値によって常に精確な燃料残量を把握することは困難である。そこで電子制御装置31は、車両が安定した状態、すなわち液面の安定した状態が検出されるときに限り、センダーゲージ33の測定値に基づいて推定残量値を算出し、さらにこの算出した推定残量値が信頼できると考えられるときに限りこれを基準残量値として確定し、この基準残量値をメモリに記録する。そして、基準残量値の確定をしてから次に上記液面高さの安定状態が検出されるまでは、確定からそのときどきまでの燃料噴射量の累積値を算出し、これを上記確定した基準残量値から減算することによりそのときどきの推定残量を算出して確定し、これを車両の乗員への表示用の燃料残量値である燃料残量表示値として燃料計36に出力している。なお、燃料噴射量の累積値は例えば、基準残量値の確定直後から累積値の算出時までの期間における噴射量の指令値の積算値として算出することができる。
電子制御装置31による上記推定残量値の算出は、具体的には、「電源投入時の燃料供給装置制御処理(図2)」、「車両安定時の燃料残量推定処理(図4)」、「燃料残量表示値の算出処理(図6)」、さらにはこれらの補助処理である「車両安定状態判定処理(図3)」、および「推定残量の採用範囲値の算出処理(図5)」により構成されている。
図2を参照して、「電源投入時の燃料供給装置制御処理」の詳細な処理手順について説明する。
この処理では、ステップS11においてイグニッションスイッチがOFFからONに切り替えられたか否かを判定する。イグニッションスイッチがOFFからONに切り替えられるまでは、次のステップには進まない。イグニッションスイッチがOFFからONに切り替えられたとき、この時点では走行前であることより車両が安定していると想定されるため、ステップS12においてセンダーゲージ33の値から算出される推定の燃料残量値を基準残量として採用する。次に、ステップS13において水温センサ32によって検出されるエンジン冷却水温が所定値以下であるかを判定する。混合燃料を燃焼させる内燃機関1においては、エンジン冷却水温が所定値以下である旨判定したときには、始動が円滑に行われない恐れがあるため、ステップS14に進み補助燃料弁29を開き、補助燃料タンク27から補助燃料であるガソリンをデリバリパイプ25に供給してガソリンを燃料として始動を行う。ステップS15では、内燃機関1の始動が完了したか否かを判定する。ここでは、内燃機関1の完爆をもって始動が完了した旨判定する。完爆の旨判定した場合には、ステップS16において補助燃料弁29を閉じて補助燃料の供給を停止するとともに、ステップS17にて電動燃料ポンプ24の駆動を開始して主燃料タンク22からデリバリパイプ25への主燃料の供給を開始する。なお、ステップS13においてエンジン冷却水温が所定値以上である旨判定したときには、補助燃料弁29を閉弁状態に維持し、ステップS17へと移行して直ちに電動燃料ポンプ24の駆動を開始する。
ところで、推定残量値は、信頼できるセンダーゲージ33の検出値に基づいて算出することが要求されるため、走行開始後のセンダーゲージ33の値の利用においては、まずはセンダーゲージ33の検出値が信頼できるものか否かを判定することが重要となる。そこで、液面の安定状態すなわち車両の安定状態を判定するための処理として、以下に示す「車両安定状態判定処理」を行うようにしている。
図3を参照して、「車両安定状態判定処理」についてその処理手順を説明する。
まずステップS21においてイグニッションスイッチがONであるか否かを判定する。OFFである旨判定したときには、以降のステップを省略して本判定処理を終了する。一方、ONである旨判定したときには、以降の各判定処理を行う。
すなわち、まずはステップS22において車速センサ35の検出値に基づく車速が所定車速以下であるか否かを、またステップS23においてはその状態が一定時間にわたり継続されたか否かを判定する。またステップS24においては回転速度センサ34の検出値に基づく機関回転速度が所定回転速度以下であるか否かを、そしてステップS25においてはその状態が一定時間以上にわたり継続されたか否かを判定する。これらの条件が全て成立している旨判定したときには、ステップS26において車両が安定した状態にあることを示す車両安定フラグがOFFであった場合にはOFFからONに変更する。既にONに設定されている場合は、ONの状態を維持する。一方、ステップS22からステップS25までの条件のうちいずれか一つでも成立していないものがあるときには、ステップS27において車両安定フラグをONであった場合にはONからOFFに変更する。または、既にOFFに設定されている場合は、OFFの状態を維持する。なお、ステップS22の判定にて用いる所定車速およびステップS23の判定にて用いる一定時間について、その一例として、所定車速については時速0.1キロメートルを、また一定時間については10秒を設定することができる。同様に、ステップS24の判定にて用いる所定回転速度およびステップS25の判定にて用いる一定時間について、その一例として、所定回転速度については1500rpmを、また一定時間については10秒を設定することができる。ただし、これらの値は、車両の状態ひいては主燃料タンク22内の燃料液面が十分に安定するために必要となる条件に応じて適宜変更することが可能である。
図4を参照して、ステップS26において設定した車両安定フラグに基づいて実行される「車両安定時の燃料残量推定処理」の処理手順について説明する。
本処理ではまず、ステップS31において車両安定フラグがONか否かを判定する。ONである旨判定したときには、ステップS32においてセンダーゲージ33の検出値を一定期間内(例えば10秒間)に毎秒取得する。次にステップS33において、ステップS32にて取得したセンダーゲージ33の検出値の平均値を算出する。その後、ステップS34においては、この平均値が「0」以上であるか否かを、またステップS36においては、上記平均値がタンクの最大容量以下であるか否かを判定する。ステップS34において平均値が「0」を下回っている旨判定したときには、ステップS35にて平均値を「0」に補正し、ステップS36において平均値が最大燃料量を超過している旨判定したときには、ステップS37にて平均値を最大燃料量に補正する。これらの補正処理は、実際において燃料残量が「0」より小さくなること、あるいは燃料タンクの最大容量を超えることがない点に鑑み、センダーゲージ33の検出値の平均値がこれら現実には生じ得ない状態を示すものであるときには、この平均値を現実に生じ得る値のうち同平均値に最も近いと推定されるものに変更するための処理である。
次のステップS40、S38及びS39においては、上記算出した平均値または補正した平均値について、これをそれ以降の推定残量値の算出のための基準(基準残量値)とすることが適切か否かを判定する。すなわち、上記平均値を基準残量値として採用した場合とそうでない場合とのうち、それ以降の推定残量値の算出精度が高いものとなるのはいずれの場合かを判定する。そして、上記平均値を基準残量値として適切である旨判定したときに限り、同平均値を新たな基準残量値として設定する。
具体的には、ステップS40において「推定残量の採用範囲値の算出処理(図6)」を実行し、平均値の採用範囲値となる上限値及び下限値を算出する。この処理を実行した後、ステップS38において平均値が採用範囲内にあるか否かを判定し、平均値が採用範囲内にある旨判定したときは、ステップS39においてこの平均値を基準残量値として更新する。すなわち、そのときに既に設定されている基準残量値に代えて、同平均値を新たな基準残量値として設定する。ステップS38において平均値が採用範囲内にない旨判定したときは、算出された平均値が妥当な値ではないとみなして、基準残量値の更新を行わない。
図5を参照して、「推定残量の採用範囲値の算出処理」の詳細な処理手順について説明する。
本処理ではまず、ステップS41において、そのときに設定されている基準残量値である最新の基準残量値を上限値として設定する。次のステップS42では、始動時に補助燃料弁29が開弁されたか否か、すなわち補助燃料が主燃料タンク22に還流された可能性があるか否かを判定する。ここで補助燃料弁29が開弁された旨判定したときには、ステップS43にて、イグニッションスイッチがOFFからONに変更されてからの経過時間が上限値増大補正有効期間Tx内か否かを判定する。上限値増大補正有効期間Tx内である旨判定したときには、ステップS44にて上限値を増大側に補正する。このときの補正量(以下、「増大補正量Gx」)としては、補助燃料タンク27からデリバリパイプ25への補助燃料の供給にともない、同パイプ25から燃料戻し管26を介して主燃料タンク22に還流したと考えられる量の最大値(以下、「最大還流量」)、すなわち補助燃料の還流による主燃料タンク22内の燃料増加量の最大値が用いられる。なお、機関始動時に必要とされる補助燃料の量は基本的には一定値となるため、ここでは試験を通じて把握した最大還流量に基づいて、増大補正量Gxを予め設定している。
一方、ステップS42にて始動時に補助燃料弁29が開弁されていない旨判定したとき、またはステップS43にてイグニッションスイッチがOFFからONに変更されてからの経過時間が上限値増大補正有効期間Txを超えている旨判定したとき、上限値の増大側への補正を省略する。ここで、補助燃料弁29が開弁されていないときには、主燃料タンク22内への補助燃料の還流はなされていないとみなすことができるため、ステップS42の判定処理を通じて上限値の補正を省略するようにしている。また、上記経過時間が上限値増大補正有効期間Txを超えているときには、主燃料タンク22内に還流された燃料の量に相当する燃料が燃料噴射弁21により噴射されたと推定されるため、ステップS43の判定処理を通じて上限値の補正を省略するようにしている。
ステップS45においては、基準残量値を更新してからの燃料噴射量の予測の最大累積値(以下、「予測最大累積値」)を算出する。この予測最大累積値は具体的には、最後に基準残量値の確定がなされた直後から予測最大累積値の算出時までの期間における噴射量の指令値の積算値を算出し、さらに同期間において生じる指令値の積算値と実際の噴射量の総量とのずれを算出し、最終的にこれら指令値の積算値及びずれを加算することにより算出される。そして次のステップS46では、この予測最大累積値をそのときの基準残量値から減算し、その結果の値を下限値として設定する。
このように、ステップS41(増大補正された場合はステップS44)およびステップS46において推定残量値の基準残量値としての採用範囲値を規定する上限値及び下限値が設定され、これらが先に説明した「車両安定時の燃料残量推定処理」のステップS37にて用いられる。
図6を参照して、「燃料残量表示値の算出処理」の処理手順について説明する。
まず、ステップS51において最新の基準残量値の確定がなされてから現在までの燃料噴射指令量の累積値を算出する。次のステップS52においては、最新の基準残量値から燃料噴射指令量の累積値を減算し、ステップS53においてこの減算結果を燃料残量表示値として確定する。そして、ステップS54においてはこの確定した燃料残量表示値を燃料計36に表示させる。この処理は運転中に随時行われるものであるため、車両の乗員は運転中の燃料残量としてもっとも確からしい値を燃料計36の表示を通じて適宜知ることが可能となる。
図7を参照して、燃料供給装置制御の実行態様の一例について説明する。
図7(a)は始動時に補助燃料弁29が開弁されなかった場合、すなわち補助燃料タンク27の燃料が使用されなかった場合の制御態様の一例である。
時刻ta0においてイグニッションスイッチがOFFからONに切り替えられたとすると、このときのセンダーゲージ33の検出値に基づいて基準残量値の更新がなされる。例えば、センダーゲージ33の検出値に基づいて算出される燃料残量値が図中の時刻ta0における白丸の値に相当する場合には、この白丸の値が同時刻においての基準残量値として確定される。
次に時刻ta0以降において、車両が安定状態にある旨判定される時刻taaまでの期間、そのときに設定されている基準残量値(時刻ta0の基準残量値)及び、そのときどきの燃料噴射指令量の累積値に基づいて燃料残量表示値の算出がなされ、この算出された値が燃料計36に反映される。即ち、時刻ta0以降の任意の時刻において、その時点にて算出された燃料噴射量の累積値が基準残量値から減算され、その結果の値が燃料残量表示値として採用される。
次に時刻taaにおいて、車両が安定状態にある旨判定されたとすると、そのときにセンダーゲージ33の検出値の平均値が算出され、この平均値が採用範囲内にあるか否かが判定される。即ち、そのときに設定されている基準残量値が上限値として用いられ、またこの基準残量値からそのときまでの予測最大燃料噴射量の累積値が減算された値が下限値として用いられ、これら上限値及び下限値の間に基準残量値があるか否かが判定される。ここで、センダーゲージ33値の平均値(図中の丸)が採用範囲外にある旨判定されたとすると(図中の黒丸)、この平均値に基づく基準残量値の更新はなされず、基準残量値としては引き続きそれまでの値が有効とされる。
次に時刻ta1において、車両が安定状態にある旨の判定が再びなされたとすると、上記と同様の態様をもってセンダーゲージ33値の平均値が採用範囲内にあるか否かが判定される。このとき、平均値が採用範囲内にある旨判定されたとすると(図中の白丸)、この平均値がそのときに設定されている基準残量値に代わる新たな基準残量値として設定される。そしてこれ以降は、次に基準残量値が更新されるまでは、時刻ta1にて設定された基準残量値、及び時刻ta1以降の燃料噴射量の累積値に基づいて燃料残量表示値の算出がなされる。
次に時刻tabにおいて、車両が安定状態にある旨の判定が再びなされ、このときの平均値が採用範囲外にある旨判定されたとすると、基準残量値の更新が保留されて時刻ta1の基準残量値が引き続き有効とされる。
そして以降において、車両が安定状態にある旨判定され且つセンダーゲージ33値の平均値が採用可能範囲内にある旨判定されたとき(時刻ta2及び時刻ta3)は、上記と同様にそのときどきの白丸に相当する値が基準残量値として更新される。また、車両が安定状態にある旨判定され且つセンダーゲージ33値が採用範囲外にある旨判定されたとき(時刻tac)は、上記と同様に基準残量値の更新が保留される。また、イグニッションスイッチがONからOFFに切り替えられた際には、最後に算出された燃料残量表示値が内燃機関1停止時における主燃料タンク22内の燃料残量として記録される。
図7(b)は始動時に補助燃料弁29が開弁された場合、すなわち補助燃料タンク27の燃料が使用された場合の制御態様の一例である。
時刻tb0においてイグニッションスイッチがOFFからONに切り替えられたとすると、このときのセンダーゲージ33の検出値に基づいて基準残量値の更新がなされる。例えば、センダーゲージ33の検出値に基づいて算出される燃料残量値が図中の時刻tb0における白丸の値に相当する場合には、この白丸の値が同時刻においての基準残量値として確定される。これは補助燃料弁29の開閉に関わらず同じ作業である。時刻tb0以降においても補助燃料弁29が開弁したときと同じく、車両が安定状態にある旨判定される時刻tb1までの期間、そのときに設定されている基準残量値(時刻tb0の基準残量値)及び、そのときどきの燃料噴射量の累積値に基づいて燃料残量表示値の算出がなされ、この算出された値が燃料計36に反映される。
時刻tb1において、車両が安定状態にある旨判定されたとすると、そのときにセンダーゲージ33の検出値の平均値が算出され、この平均値が採用範囲内にあるか否かが判定される。下限値については始動時に補助燃料弁29が開弁されなかった場合と同様にこの基準残量値からそのときまでの予測最大累積噴射量が減算された値が用いられる。一方、上限値については、時刻tb1が上限値増大補正有効期間Tx内であったときは、補助燃料弁29の開弁によって補助燃料タンク27内の補助燃料が主燃料タンク22に還流されて主燃料タンク22内の実際の燃料残量が増量していると考えられるため、そのときに設定されている基準残量値に増大補正量Gxを加算した値が用いられる。これら上限値及び下限値の間に基準残量値があるか否かが判定され、ここで、センダーゲージ33値の平均値(図中の丸)が採用範囲内にある旨判定されたとすると、この平均値に基づいて基準残量値が更新される(図中の白丸)。平均値が採用範囲外にある旨判定されたとすると(図中の黒丸)、この平均値に基づく基準残量値の更新はなされず、基準残量値としては引き続きそれまでの値が有効とされる。そしてこれ以降は、次に基準残量値が更新されるまでは、時刻tb1にて設定された基準残量値、及び時刻tb1以降の燃料噴射量の累積値に基づいて燃料残量表示値の算出がなされる。次に時刻tb2において、車両が安定状態にある旨の判定が再びなされたとすると、上記と同様の態様をもってセンダーゲージ33値の平均値が採用範囲内にあるか否かが判定される。また、時刻tb2が上限値増大補正有効期間Tx内であれば、このときも平均の採用範囲の上限値が増大補正量Gxだけ増大補正される。この上限値の増大補正は、上限値増大補正有効期間Txが終了するまで行われる。
次に上限値増大補正有効期間Tx以降の任意の時刻tbaにおいて、車両が安定状態にある旨の判定が再びなされた場合、再びこのときの平均値が採用範囲外にあるか否かが判定される。このとき、時刻tbaは上限値増大補正有効期間Txを超えているため、上限値の増大補正は行われない。このように、上限値増大補正有効期間Tx以降は補助燃料弁29が開弁されなかったときと同様に前回の基準残量値を上限値とした採用範囲が設定される。従って、tbaにおける平均値が採用範囲外にある旨判定されたとすると(図中の黒丸)これは基準残量値としては採用されない。
そして以降において、車両が安定状態にある旨判定され且つセンダーゲージ33値の平均値が採用可能範囲内にある旨判定されたとき(時刻tb3及び時刻tb4)は、上記と同様にそのときどきの白丸に相当する値が基準残量値として更新される。また、車両が安定状態にある旨判定され且つセンダーゲージ33値が採用範囲外にある旨判定されたとき(時刻tbb)は、上記と同様に基準残量値の更新が保留される。また、イグニッションスイッチがONからOFFに切り替えられた際には、最後に算出された燃料残量表示値が内燃機関1停止時における主燃料タンク22内の燃料残量として記録される。
[実施形態の効果]
以上にて詳述した本実施形態の内燃機関の燃料供給装置によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)本実施形態の燃料供給装置では、車速と機関回転速度を用いた車両の安定状態の判定をもって更新条件としているため、更新条件の成立時におけるセンダーゲージ33の検出値は、基本的には実際の液面高さに即したものになると考えられる。しかし、更新条件の成立時においても実際には液面の波打ちが生じているために検出値が不適当な値を示していることもある。このためセンダーゲージ33の検出値が、基準残量値の算出データとして適当なものであるかどうかを判定する必要がある。
そこで本実施形態の燃料供給装置では、この車両安定状態で取得した10個のセンダーゲージ33の値の平均値を基準残量値として採用するか否かの判定材料としてとして平均値の採用範囲を設定している。その上限値として最新の基準残量値を用いるようにしている。最新の基準残量値が設定されてから今回の基準残量値の更新タイミングが訪れるまでには、主燃料タンク22内の主燃料が消費されているため、今回の更新タイミングにて算出した平均値が最新の基準残量値を上回ることは通常であれば生じ得ない。従って、上記のように平均値の基準残量値としての採用範囲を設定することにより、液面の波打ちに起因して基準残量値が不適切なものになることについて、その抑制を図ることができるようになる。
ところが本実施形態の燃料供給装置では、補助燃料タンク27から燃料噴射弁21に供給された燃料が主燃料タンク22に還流する燃料供給構造を採用しており、この構造を採用した場合には新たな問題が発生することになる。
すなわち、本実施形態の燃料供給構造によれば、補助燃料タンク27から燃料噴射弁21に供給された燃料のうちの余剰分が主燃料タンク22に還流されたとき、この還流された分だけ主燃料タンク22内の燃料残量がそれまでの燃料残量よりも増加することになる。そしてこの燃料残量の増加が生じる状態のもと、今回の基準残量値の更新タイミングにおいてセンダーゲージ33の値の平均値を算出した場合、この平均値は上記燃料残量の増加にともない最新の基準残量値よりも大きな値を示すようになる。しかし、上述した平均値の採用範囲の設定態様によれば、算出した平均値が前回の基準残量値を上回ることをもって基準残量値の更新がなされないため、次の更新条件の成立までは前回の基準残量値を最新の基準残量値としたままで推定残量値の算出が継続されることになる。この場合、算出された推定残量値には上記燃料残量の増加分が反映されていないため、同残量値は実際の値から大きく乖離したものとなるおそれもある。
そこで本実施形態の燃料供給構造では、補助燃料タンク27内の燃料が燃料噴射弁21に供給されたときには、すなわち始動時に補助燃料弁29が開弁された場合には、基準残量値の更新にかかる採用範囲値のうちの上限値を増大補正量Gxだけ増大補正する上限値増大補正を行うようにしている。すなわち、今回の基準残量値の更新タイミングにおいて主燃料タンク22内の実際の燃料残量が前回の基準残量値よりも大きい可能性のあるときには、今回のセンダーゲージ33の10回分の平均値が最新の基準残量値を上回るものであってもこれを基準残量値として採用するようにしている。
このように上記発明によれば、基準残量値の採用範囲はより実情に即したものとなるため、基準残量値更新の機会が増加することとなり、燃料の残量の推定にかかる精度を向上させることができるようになる。
(2)本実施形態の燃料供給装置では、補助燃料タンク27から主燃料タンク22への流入があった場合の基準残量値の更新にかかる採用範囲値のうちの上限値を増大補正する処理において、通常の推定処理における上限値よりも大きくなるような上限値を設定することで、新たな基準残量値の採用範囲の不要な拡大を抑制することができるようになる。これにより、燃料の残量の推定にかかる精度を向上させることができるようになる。さらに、この上限値の増大補正量を補助燃料タンク27内の燃料が主燃料タンク22へ流入する量に基づいた値である増大補正量Gxとして可変設定することで、基準残量値の採用範囲をより実際に即したものに限定することができるようになり、基準残量値更新の機会の不要な拡大を抑制することができるようになる。
(3)本実施形態の燃料供給装置では、補助燃料タンク27内から主燃料タンク22に流入した燃料と同等量以上の燃料が主燃料タンク22から消費された後には、主燃料タンク22内の燃料量が前回の基準残量値よりも大きな値を示すことはないと考えられる。従って、最大還流量が十分に消費されると想定される期間に基づいて設定される上限値増大補正有効期間Tx以降は基準燃料の更新にかかる上限値を増大補正する必要がない。従って、上限値の増大補正を行う期間を補助燃料タンク27内の燃料が燃料噴射弁に供給されたときから上限値増大補正有効期間Txのみとすることで、基準残量値の採用範囲の不要な拡大を抑制することができるようになる。これにより、燃料の残量の推定にかかる精度を向上させることができるようになる。
(4)本実施形態の燃料供給装置では、主燃料タンク22と補助燃料タンク27の貯留燃料が異なる内燃機関の燃料供給装置において、補助燃料タンク27から主燃料タンク22への燃料の流入が発生する場合であっても、燃料の残量の推定にかかる精度を向上させることができるようになる。
(その他の実施形態)
なお、本発明の実施態様は上記実施形態に限られるものではなく、例えば以下に示す態様をもって実施することもできる。
・上記実施形態では、増大補正量Gxとして予め設定した一定値を用いるようにしたが、これに代えて、デリバリパイプ25及び燃料戻し管26を介して主燃料タンク22に還流された燃料量に基づいて増大補正量を可変設定することもできる。具体的には、機関始動時にデリバリパイプ25及び燃料戻し管26を介して主燃料タンク22に還流された燃料量について、これを例えば、上記還流された燃料量と相関を有するパラメータに基づいて推定し、この推定した値に基づいて増大補正量を設定することができる。パラメータの例としては機関始動から完了までに要した時間及び機関冷却水温度及び機関始動時に噴射された燃料の総量などが想定される。
・上記実施形態では、補助燃料タンク27から主燃料タンク22への流入があった場合、つまり始動時に補助燃料弁29が開かれた場合の基準残量値を更新する処理を行った場合に増加する上限値の増大補正量Gxを設定した。しかし、これは常に一定の値とはせず、例えば走行中の燃料噴射指令値と実際の噴射量の誤差を考慮した予測最小燃料噴射量の累積値を計測しておき、あらかじめ設定した増大補正量Gxからこの累積値を常時減算した値を、そのときどきの上限補正値として用いることも可能である。このとき、時間依存的な増大補正量が「0」よりも小さな値とならないようにしておく処理があってもよい。
・上記実施形態では、補助燃料弁29が開弁され、かつ上限値増大補正有効期間Tx内に車両安定状態と判定された場合、最新の基準残量値に増大補正量Gxを加算した値を上限値とするようにした。ここで、例えば今回の基準残量値が最新の基準残量値よりも大きく上限値よりも小さな値となった場合にはこれが最新の基準残量値として採用される。さらに、次の車両安定状態判定時も上限値増大補正有効期間Tx内であった場合には、その上限値は最新の基準残量値に増大補正量Gxを加算したものとなるので、上限値が前回よりも大きな値となることが考えられる。しかし、補助燃料弁29が閉弁した後、最初の基準残量値更新時、すなわち補助燃料が主燃料タンク22に還流されてから最初の車両安定状態判定時における主燃料タンク22の燃料残量よりも、さらに後の車両安定状態判定時の燃料残量が増加することは実質起こらないと考えられる。このため、上限値増大補正有効期間Txにおける基準残量値の上限補正時に、増大補正後の上限値が、前回の基準残量値更新時に設定された上限値を超えるか否かの判定を行うようにしても良い。そして、判定の結果、今回の上限値の方が前回よりも大きな値であると判定された場合には、前回の上限値を今回の上限値として設定する処理を行い、採用範囲値に使用するものとすることも可能である。
・上記実施形態では、低温始動による補助燃料弁29の開弁を想定したため、エンジン冷却水温の水温センサ32による検出値によって補助燃料弁29の開閉制御を行うものとした。しかし、例えば運転状況に応じて運転中に補助燃料弁29の開閉が可能な構成である場合を想定することも可能である。この場合には、上限値増大補正有効期間Txが経過した後においても主燃料タンク22内の車両安定時のセンダーゲージ33の検出値による燃料残量の推定値が最新の基準残量値よりも増加することが考えられる。このような場合にも、補助燃料弁29が開いてから一定期間、上限値の増大補正を行うことで、基準残量値更新の機会の増加が見込めると考えられる。
・上記実施形態では、「車両安定状態判定処理」において、車両の安定状態を判定する材料として車速と機関回転速度を用いたが、センダーゲージ33の値が適当な範囲内に収まるような車両安定状態を判定可能な条件ならばこれに代えることが可能である。また、センダーゲージ33の値自体の振幅の大きさによってこれを判定することも考えられる。
・上記実施形態では、イグニッションがOFFからONに変更されたとき、センダーゲージ33の値を基準残量値とするようにしたが、前回運転終了時に記録した燃料残量表示値をそのまま始動時の基準残量値として使用することも可能である。
・上記実施形態では、主燃料をアルコールとガソリンの混合燃料とし、補助燃料をガソリンとしたが、主燃料タンク22と補助燃料タンク27を備え、補助燃料タンク27に貯留される燃料が燃料噴射弁21を介して主燃料タンク22に還流される構成をとるものであれば、燃料の種類に限定されず同様の効果を得ることができる。従って、例えば主燃料のアルコールとガソリンの混合比を限定するものではないし、主燃料がアルコールのみまたはガソリンのみであっても良い。また、主燃料と補助燃料が同じものであっても同様の効果を得ることができると考えられる。
本発明の内燃機関の燃料供給装置を具体化した一実施形態について、同装置を搭載した内燃機関の構成を模式的に示す模式図。 同実施形態において実行される「電源投入時の燃料供給装置制御処理」について、その処理手順を示すフローチャート。 同実施形態において実行される「車両安定状態判定処理」について、その処理手順を示すフローチャート。 同実施形態において実行される「車両安定時の燃料残量推定処理」について、その処理手順を示すフローチャート。 同実施形態において実行される「推定残量の採用範囲値の算出処理」について、その処理手順を示すフローチャート。 同実施形態において実行される「燃料残量表示値の算出処理」について、その処理手順を示すフローチャート。 (a)同実施形態の燃料供給装置について、始動時に補助燃料弁が開弁されないときの上限値及び下限値の更新態様の一例を示すタイミングチャート。(b)同燃料供給装置について、始動時に補助燃料弁が開弁されたときの上限値及び下限値の更新態様の一例を示すタイミングチャート。
符号の説明
1…内燃機関、10…内燃機関本体、11…燃焼室、12…吸気管、13…排気管、14…ピストン、15…クランクシャフト、16…吸気弁、17…排気弁、18…ウォータジャケット、20…燃料供給機構、21…燃料噴射弁、22…主燃料タンク、23…主燃料供給口、23…燃料供給管、24…電動燃料ポンプ、25…デリバリパイプ、26…燃料戻し管、27…補助燃料タンク、28…補助燃料供給管、29…補助燃料弁、30…制御装置、31…電子制御装置、32…水温センサ、33…センダーゲージ、34…回転速度センサ、35…車速センサ、36…燃料計。

Claims (7)

  1. 燃料を噴射する燃料噴射弁と、これに供給された余剰燃料を還流する還流通路と、燃料を貯留する第1燃料タンク及び第2燃料タンクと、第1燃料タンク内の燃料の液面高さに基づいて同タンク内の燃料残量の推定値である推定残量値の算出およびこの残量値を基準残量値として設定する制御装置とを備える内燃機関の燃料供給装置において、
    前記燃料噴射弁は、第1燃料タンク及び第2燃料タンクの少なくとも一方から供給された燃料を噴射するものであり、
    前記還流通路は、前記余剰燃料を前記第1燃料タンクに還流するものであり、
    前記制御装置は、前記第1燃料タンク内の燃料の液面が安定した状態にあることを示す更新条件が成立している旨判定したときに前記推定残量値を算出し、この推定残量値が最新の基準残量値以下のときに前記算出した推定残量値を新たな基準残量値として設定し、前記算出した推定残量値が前記最新の基準残量値よりも大きいときには同基準残量値の更新を保留する第1の推定処理と、前記第2燃料タンク内の燃料が前記燃料噴射弁に供給されたときには、今回の更新条件の成立時に算出した推定残量値が前記最新の基準残量値より大きくとも基準残量値を更新する第2の推定処理とを行うものである
    ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の燃料供給装置において、
    前記制御装置は、前記基準残量値の更新をしてから次に更新条件が成立した旨判定するまでは、前記基準残量値と前記燃料噴射弁の噴射量とに基づいて算出した値をそのときどきの推定残量値として確定する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関の燃料供給装置において、
    前記第2の推定処理は、前記更新条件の成立時にそのときの基準残量値よりも一定値だけ大きい値を推定残量値に対する上限値として設定し、次回の更新条件の成立時に算出した推定残量値が前記上限値以上のときには基準残量値の更新を保留する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の燃料供給装置において、
    前記一定値として前記第2燃料タンクから前記燃料噴射弁に供給されて前記第1燃料タンクに戻される量を設定する
    ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  5. 請求項4に記載の内燃機関の燃料供給装置において、
    前記一定値を前記始動時に供給される燃料量に基づいて可変設定することを特徴とする
    内燃機関の燃料供給装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料供給装置において、
    前記制御装置は、前記第2燃料タンク内の燃料が前記燃料噴射弁に供給されてそのうちの余剰分が前記第1燃料タンク内に還流されたとき、この還流された燃料の量に相当する燃料が前記燃料噴射弁により噴射されて以降は、前記第1の推定処理のみを行う
    ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の内燃機関の燃料供給装置において、
    前記第1燃料タンクに貯留される燃料はアルコール、ガソリンまたはアルコール及びガソリンの混合燃料のいずれかであり、前記第2燃料タンクに貯留される燃料はガソリンである
    ことを特徴とする内燃機関の燃料供給装置。
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