JP7226692B2 - 車両の燃料残量算出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の燃料残量算出装置に関するものである。
自動車の燃料残量表示においては、燃料タンクに設けたフロート式のフューエルセンダにより液面を検出するセンダ方式(1)と、燃料噴射装置(インジェクタ)の開弁時間から消費燃料を算出し、給油時の燃料から消費燃料を減算して燃料残量を算出するインジェクタ方式(2)とが知られている。
図7は上記センダ方式(1)によりセンダ値をベースにした演算により算出した燃料残量を示す図である。図に示すように、センダ値から演算した短時間平均値A(例えば、約3秒の平均値)を基に、燃料残量Aを以下のように演算している。
すなわち、燃料残量A>短時間平均値Aの場合、前回の燃料残量Aから所定量Kaを減算して今回の燃料残量Aを算出する。
燃料残量A(n)=燃料残量A(n-1)-Ka・・・・(1)
燃料残量A<短時間平均値Aの場合、燃料残量Aに所定量Kaを加算して燃料残量を算出する。Kaは燃料残量Aと短時間平均値Aの差に比例した値でもよい。
燃料残量A(n)=燃料残量A(n-1)+Ka・・・・(2)
このセンダ方式(1)により算出した燃料残量Aは、フューエルセンダ入力を使用しているため、車両が傾斜などに差しかかった場合、液面変動の影響を受けて実際の燃料残量A(実残量)と大きくずれが生じるといった難点がある。
図8は上記インジェクタ方式(2)によりインジェクタの開弁時間から消費燃料を算出し、この燃料消費量をベースにした燃料残量を示す図である。このインジェクタ方式(2)では、以下のように燃料残量を算出する。
燃料残量B(n)=燃料残量B(n-1)-燃料消費積算値・・・(3)
しかし、このインジェクタ方式(2)により算出された燃料残量Bは、燃料消費量を使用しているため、図7に示すセンダ方式(1)のように傾斜地の影響を受けないが、燃料消費量の初期値のズレや積算誤差が蓄積し、やはり実残量とのズレが生じるおそれがある。
そこで、上記インジェクタ方式(2)をさらに修正して、センダ値をベースとした燃料残量Aに徐々に近づくように補正する以下の修正方式(4)も考えられる。
燃料残量B(n)=燃料残量B(n-1)-燃料消費積算値+K (K:補正値)・・・(4)
上記修正方式(4)においては、燃料残量Bとセンダ値から演算した燃料残量Aとの差に応じて補正値Kを設定する。燃料残量Bが燃料残量Aよりも大きい場合、K<0として減算する。また、燃料残量Bが燃料残量Aよりも小さい場合、K>0として加算する。図8において、太い実線で示す補正ありの燃料残量Bが得られることになる。しかし、この場合は図7のセンダ方式(1)と同様に傾斜地の影響を受けることになる。
特許文献1には、図8に示すインジェクタ方式(2)と同様に、インジェクタの開弁時間から消費燃料を算出し、給油時の燃料量から消費燃料を減算して燃料残量を表示する燃料残量算出装置が開示されている。この特許文献1では、燃料噴射装置の製造誤差により残量が不正確になることを考慮して、燃料タンクの液面が予め設定した液面高さになった際に、残量表示の補正を行うようにしている。
特開昭58-122433号公報
しかし、特許文献1の技術では、予め設定した液面高さでしか補正が行われず、その以外の状態では、実際の残量との誤差が大きくなるおそれがあった。さらに、傾斜した道路やカーブなどを走行した場合、燃料液面が変動した状態となり、センダ値に基づいて算出した短時間平均値Aが即座にその変動を反映してしまう。その状況が連続して続けば、センダ値をフィルタリングして得られる燃料残量Aも徐々に短時間平均値Aに追従し、実残量から乖離していくことになる。
そこで、車両走行中に燃料残量を補正可能とする補正条件を設定し、その補正条件を満たし、燃料タンクの液面が安定であると判断したとき、燃料残量Bを燃料残量Aに近付ける補正を行なえばよいが、前記補正条件を満たしたとしても、必ずしも液面が安定であるわけではなく、その判断が非常に難しくなる。
特に、車両が傾斜路から平坦路に戻り、燃料残量Aが短時間平均値A(=実残量)に追従する過程で、燃料残量Aと短時間平均値Aとの差が所定値以下となる区間があるが、このとき、燃料残量Aが実残量まで復帰していないにも拘わらず、補正条件を満たしたものとして、誤って補正してしまう可能性もある。
本発明は、上記に鑑み、消費燃料から算出した燃料残量をベースに、燃料タンクの液面高さから検出した燃料残量が適切な場合、当該液面高さから検出した燃料残量に近づける補正を行うと共に、そのような補正を禁止する補正禁止条件を設定し、精度の良い燃料残量を算出(表示)可能な車両の燃料残量算出装置の提供を目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の好適な実施形態においては、インジェクタ開弁時間より求めた消費燃料を、給油時の燃料量から減算して算出した燃料残量Bと、燃料タンクの液面高さを検出するフューエルセンダからの入力を基に、フィルタ演算により平滑化した燃料残量Aとを用いて最終的な燃料残量を算出する制御部を有する車両の燃料残量算出装置において、前記制御部は、前記燃料残量Bと前記燃料残量Aとの差が第1の所定値C1(例えば、3リットル(L))以上の状態が第1の所定時間T1(例えば、5分)以上継続しているとき、前記燃料残量Bにズレがあり補正が必要であると判定し、前記燃料残量Bを前記燃料残量Aに近付ける補正を行なうものとする。
但し、制御部は、前記フューエルセンダ入力の短時間平均値Aと前記燃料残量Aとの差が第2の所定値L1(例えば、1リットル(L))以上で、その状態が第2の所定時間T4(例えば、120秒)以上継続したとき、前記燃料残量Aの乖離と判定し、前記第2の所定時間T4を含めて乖離時間T5をカウントし続け、前記短時間平均値Aと前記燃料残量Aとの大小関係が反転したとき、または前記カウント中に短時間平均値Aと前記燃料残量Aが第3の所定値L2(例えば0.5リットル(L))以下になったとき、乖離時間T5のカウントを停止し、さらに、前記乖離時間T5と同じか、それよりも所定時間α(例えば、60秒)長い時間を補正禁止時間T6として、前記燃料残量Bを前記燃料残量Aに近付ける補正を禁止する。
本発明によると、消費燃料から算出した燃料残量Bをベースに、燃料タンクの液面高さから検出した燃料残量が適切な場合のみ、消費燃料から算出した燃料残量を、液面高さから検出した燃料残量に近付ける補正を行なうが、このとき、短時間平均値Aと燃料残量Aとの差が第2の所定値L1以上で、その状態が第2の所定時間T4以上継続したとき、前記燃料残量Aの乖離と判定し、その乖離時間T5をカウントし続け、短時間平均値Aと燃料残量Aとの大小関係が反転(逆転)するか、所定値よりも小さいとき、乖離時間T5のカウントを停止し、この乖離時間T5とほぼ同じ時間を補正禁止時間T6として、燃料残量Bを燃料残量Aに近付ける補正を禁止するようにしているので、誤った補正を極力回避して精度の良い燃料残量の算出を行うことができる。
本発明の実施形態である車両の燃料残量算出装置の制御ブロック図である。 同じく本実施形態の燃料残量算出装置を使って燃料残量を算出した際の燃料残量を表わす図である。 経時的に変化する燃料残量とその補正禁止条件とを示す図である。 車両の高速走行時の燃料残量の演算状態を経時的に表す図である。 図4の一部区間を抜粋して拡大して表わす図である。 燃料残量の演算フローチャートである。 従来のフューエルセンダ入力値をベースにした演算により算出した燃料残量を示す図である。 従来の燃料消費量ベースの演算により算出した燃料残量を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態の車両の燃料残量算出装置1は、図1に示すように、制御部2となる車両の電子制御ユニット(ECU)の入力側に、車両の速度を検知する車速センサ3と、燃料タンク内の液面高さから燃料残量を検出するフロート式のフューエルセンダ4と、インジェクタ(燃料噴射装置)の開弁時間より求めた消費燃料量を出力する燃料消費量検出部5とが接続されている。
制御部2では、インジェクタ開弁時間より求めた消費燃料を、給油時の燃料量から減算して算出した燃料残量Bと、フューエルセンダ4により燃料タンクの液面高さから算出した燃料残量Aとを用いて最終的な燃料残量を算出する。制御部2では、フューエルセンダ4の液面高さから検出した燃料残量を短時間平均値7を介して燃料残量演算部8に入力し、また、インジェクタの開弁時間より求めた消費燃料量を積算部9により積算し、燃料残量演算部8において以下のように演算する。
すなわち、制御部2の燃料残量演算部8では、消費燃料から算出した燃料残量Bと、フューエルセンダ入力から算出した燃料残量Aとの差が第1の所定値C1(例えば3L)以上の状態が第1の所定時間T1(例えば5分)以上継続しているとき、消費燃料から算出した燃料残量Bにズレがあり補正が必要であると判定する。
但し、制御部2は、センダ値による短時間平均値Aと前記燃料残量Aとの差が第2の所定値L1(例えば、±3リットル)以上で、その状態が第2の所定時間T4以上継続したとき、前記燃料残量Aの乖離と判定し、前記第2の所定時間T4を含めて乖離時間T5をカウントし続け、前記短時間平均値Aと前記燃料残量Aとの大小関係が反転したとき、または前記カウント中に短時間平均値Aと前記燃料残量Aが第3の所定値(例えば0.5リットル)以下になったとき、乖離時間T5のカウントを停止し、さらに、前記乖離時間T5と同じか、それよりも所定時間α(例えば、60秒)長い時間を補正禁止時間T6として、前記燃料残量Bを前記燃料残量Aに近付ける補正を禁止する。
また、制御部2は、前記補正禁止条件の他に、以下の補正条件も設定している。すなわち、制御部2は、フューエルセンダ入力の短時間(たとえば3秒)平均値Aとフューエルセンダ入力から算出した燃料残量Aとの差が所定値C2(例えば1L)以下で、その状態が所定時間T2以上(例えば、12秒以上)継続するとき、燃料タンクの液面が安定であると判断して、上記フューエルセンダ入力から算出した燃料残量Aが正しいと判断して、消費燃料から算出した燃料残量Bをフューエルセンダ入力から算出した燃料残量Aに近付ける補正を行うようにしている。
さらに、制御部2では、車速センサ3から入力した車速が所定値V1(例えば、20km/h)以上のときに、消費燃料から算出した燃料残量Bを、フューエルセンダ入力から算出した燃料残量Aに近付ける補正を行なうようにしている。これは、長い登坂路やカーブでは車速が低下したときに短時間平均値Aと燃料残量Aとが時間が経過すると一致することを考慮したものである。
制御部2は、上記補正禁止条件等、すべての条件を満たした場合、消費燃料から算出した燃料残量Bを、フューエルセンダ入力から算出した燃料残量Aに近付ける補正を行なうようにしている。
但し、制御部2では、フューエルセンダ入力から算出した燃料残量Aが所定値C0以下(例えば、10リットル以下)であり、消費燃料から算出した燃料残量Bが、フューエルセンダ入力から算出した燃料残量Aよりも大きい場合、燃料切れ(ガス欠)のおそれがあるため、車速に拘わらず、消費燃料から算出した燃料残量Bを、フューエルセンダ入力から算出した燃料残量Aに近付ける補正を行なうようにしている。
そして、制御部2の出力側には、燃料残量演算部8によって演算された燃料残量値を、車室内のインストルメントパネルに設けられる液晶ディスプレイ等の燃料残量表示部6に表示するよう接続されている。
図2は本実施形態における燃料タンク内の燃料残量を時間軸(横軸)により表したグラフである。フューエルセンダ入力値から演算した短時間(例えば、約3秒)の平均値を短時間平均値A、十分に平滑となるようにフィルタ処理を施した燃料残量を「燃料残量A」とする。燃料消費積算値を基に演算した燃料残量を「燃料残量B」とする。
燃料残量B(n)=燃料残量B(n-1)-燃料消費積算値+K(K:補正値)・・(4)
図2は燃料残量を算出した際の演算状態を経時的に表わす図である。図2において、細かい点線B-2が補正していない燃料残量Bを示し、実線B-1が補正した燃料残量Bを夫々示す。また、粗い点線A-2がフューエルセンダ入力から算出した燃料残量Aを示し、階段状の細線A-1が短時間平均値A(フューエルセンダ入力値から短時間平均値:例えば約3秒の平均値)を夫々示す。
図2のM1時は、燃料残量Aと燃料残量B-1に差があり、かつ短時間平均値Aと燃料残量Aに差がない場合を示す。このM1時には、燃料タンク内の液面高さが安定しているものとして、燃料残量B-1を燃料残量A-2に向けて補正する。要するに、燃料タンク内の液面高さから検出されるフューエルセンダ値を信用する補正を行う。
図2のM2時において、短時間平均値Aと燃料残量Aに大きな差がある場合は燃料残量B-1を補正しない。つまり、燃料タンク内の液面高さから検出されるセンダ値が信用できないからである。また、図2のM3時において、燃料残量B-1と燃料残量Aの差が小さい。この場合も補正の必要性がないので補正しない。
図3は車両の走行環境(傾斜地走行か平坦地走行か)により変化する短時間平均値Aと燃料残量Aとを概念的に示す図である。区間Iは平坦路での走行を示す。この区間Iでは燃料残量Aは短時間平均値Aに徐々に収束している。区間IIは傾斜路での走行を示す。この区間IIでは、短時間平均値Aが傾斜に伴い残量が大きく変動する。センダ値から算出した燃料残量Aは短時間平均値Aへ追従し、実残量から乖離していく。区間IIIは平坦路に戻った走行を示す。この区間IIIでは短時間平均値Aが元の残量に戻る。燃料残量Aも短時間平均値Aに追従し、実残量に戻る。
図3において、ポイントXでは、短時間平均値Aと燃料残量Aの同一方向への乖離が継続し、液面傾斜判定が成立する。ポイントYでは短時間平均値Aと燃料残量Aの関係が逆転し(乖離の符号が逆転し)、液面傾斜判定が終了する。本実施形態では、短時間平均値Aと燃料残量Aとの差が所定値L1(例えば、±3リットル)以上で、その状態が所定時間T4(例えば120秒)以上継続したとき、前記燃料残量Aの乖離と判定し、この所定時間T4を含めて乖離時間T5をカウントし続ける。そして、短時間平均値Aと燃料残量Aの値が逆転(反転)したとき、乖離時間T5を停止し、次に、補正禁止時間T6をセットする。
補正禁止時間T6は、T6=乖離時間T5+所定時間αで設定することができる。所定時間αは例えば60秒とする。つまり、補正禁止時間T6は、乖離時間T5とほぼ同じ時間を設定する。ポイントZでは、短時間平均値Aと燃料残量Aの差が小さくなり、液面が安定であると誤って成立してしまう状況である。例えば、図6に示す補正条件Cが成立する状況である(S11:Y)。
本実施形態では、上記ポイントZの状況でも補正禁止時間内であるとして、燃料残量の補正を禁止する。ここで、補正禁止時間T6は、液面の安定は乖離時間T5とほぼ同等の補正禁止時間を確保することで成立するとの考え方に基づいている。
図4は車両の高速(ほぼ100km/h前後)走行時の燃料残量の演算状態を経時的に表す図である。図5は図4の一部区間を抜粋して拡大して表わす図である。図4において、車速S、未補正残量B―2、補正後残量B-1、短時間平均値A、補正フラグFを図示する。図4において付された符号は図2の符号と同じである。補正フラグFは、所定速度以上、かつ補正後残量Bー1と燃料残量Aの乖離判定が成立し、かつセンダ演算値による燃料残量Aと短時間平均値Aとが所定値(例えば1リットル)以内のときにオンし、それ以外のときはオフとなる。要するに、後述する補正条件A~Cが成立しているときにONとなる。
図4において、燃料残量Aと短時間平均値Aの差が所定値L1(例えば、±3リットル(L))以上で、その状態が所定時間T4(例えば、120秒)以上継続したとき、燃料残量Aの乖離と判定し、所定時間T4を含めて乖離時間T5を短時間平均値Aと燃料残量Aとの大小関係が反転するまでカウントし続ける(図4のおいて1600秒からカウントし続ける)。短時間平均値Aと燃料残量Aとの大小関係が反転したとき(図4における1900秒時点)、乖離時間T5のカウントを停止し、さらに、乖離時間T5とほぼ同じ時間を補正禁止時間T6とし、前記燃料残量Bを前記燃料残量Aに近付ける補正を禁止する。
この場合、乖離時間T5のカウントに上限を設けることができる。例えば、600秒を乖離時間T5の上限とする。また、補正禁止時間T6は、短時間平均値Aと燃料残量Aとの大小関係が反転してから所定時間(T6=T5+α、αは例えば60秒)は補正禁止とする。これにより、不要な補正がなくなり、残燃料演算精度が向上する。
さらに、詳述すると、図5において、乖離時間中T5および補正禁止時間T6のカウント中に補正フラグFがオンになったとしても補正を禁止する。補正フラグFは、短時間平均値Aと燃料残量Aの差が小さくなった場合(例えば、1リットル)、オンする。このような補正フラグFが立った場合でも、乖離時間T5とほぼ同じ時間(補正禁止時間T6)が経過するまで液面は安定していないと判断して、補正を禁止する。
図6は燃料残量の通常の補正に関するフローチャートである。このフローチャートでは、応答性の異なる2種類のフィルタ値(燃料残量Aと短時間平均値A)を比較し、両者が所定時間以上一致している場合、燃料タンク内の液面が安定していると判定し、燃料残量の補正(通常補正)を実施するようにしている。まず、5つの補正条件A~Eを定義する。これらの補正条件A~Eの全ての条件(AND条件)をクリアすれば燃料残量Bを補正する。
補正条件Aはフューエルセンダベースの燃料残量Aと消費量ベースの燃料残量Bに乖離がある場合である。乖離があれば補正条件Aをクリアすることになる。補正条件Bは車速が所定値以上(車両が傾斜路に長時間滞在していない)の場合である。補正条件Cはセンダベースの2つのフィルタ値(燃料残量Aと短時間平均値A)の乖離が小さい場合、つまり液面が安定している場合である。補正条件Dは上記補正条件A~Cの成立が第1の所定時間T1(例えば5分)以上継続した場合である。補正条件Eは乖離時間T5および補正禁止時間T6でないこと、つまり、補正禁止条件が成立していないことである。
まず、燃料残量演算を開始すると(S1)、フューエルセンダ4から入力した短時間平均値A(例えば短時間の3秒平均値)を演算する(S2)。この演算値を基にセンダベースの燃料残量Aを演算する(S3)。例えば、以下の式に基づいて燃料残量Aを演算する。
燃料残量A(n)=燃料残量A(n-1)-Ka(短時間平均値A<燃料残量A)・・・(5)
燃料残量A(n)=燃料残量A(n-1)+Ka(短時間平均値A>燃料残量A)・・・(6)
次に、演算周期毎の燃料消費量を積算して消費燃料を積算し(S4)、燃料残量Bを演算する(S5)。これは燃料消費量ベースでの燃料残量演算となる。例えば、
燃料残量B(n)=燃料残量B(n-1)-燃料消費量(積算値)・・(3)
次に、燃料残量Aに余裕がないか否かを判断する(S6)。つまり燃料残量が所定値C0(例えば、10リットル)以下か否かを判定し、燃料残量Aに余裕がある場合(燃料残量が所定値C0よりも大きい場合)、補正条件A~Dに当てはめる補正しきい値を以下のように設定する。即ち、補正条件Aにおける補正しきい値C1=大、補正条件Cにおける補正しきい値C2=小、補正条件Bにおける補正しきい値V1=大、補正条件Dにおける補正しきい値T2=大とする。ただし、センダベースの燃料残量Aと消費量ベースの燃料残量Bとの間の乖離が大の時のみ補正しきい値を上記のように設定する。例えば、C1=3リットル(L)、C2=1リットル(L)、V1=20km/h、T2=12秒とする。
燃料残量Aに余裕がないとき、すなわち、燃料残量が所定値Co以下の場合、補正条件Aにおける補正しきい値C1=小、補正条件Cにおける補正しきい値C2=大、補正条件Bにおける補正しきい値V1=小、補正条件Dにおける補正しきい値T2=小とする。この補正しきい値はセンダベースの燃料残量Aと消費量ベースの燃料残量Bとの間の乖離が小の場合でも補正し、燃料切れに対応する。例えば、C1=1リットル(L)、C2=2リットル(L)、V1=10km/h、T2=6秒とする。
そして、燃料残量Aの計測後(S6)、次に、燃料残量B-燃料残量Aの差を判定する(S9)。この場合、3つのルートに分岐する。第1のルートでは、両者の差が特大で所定値C3(例えば10リットル(L))よりも大きいとき、強制補正を行う。すなわち、燃料残量Bと燃料残量Aとの差(絶対値)が所定値(例えば、10リットル(L))を超える場合、無条件で両者の差が補正条件Aの補正しきい値C1以下になるまで補正する。
第2のルートは燃料残量B-燃料残量Aの差が補正しきい値C1(センダ値との差が大)を超えるとき、両者に差があるものとして、補正条件Aが成立する。第3のルートは、補正しきい値C1以下(センダ値との差がない)場合、両者に差がないものとして補正しないで終了する(S14)。
補正条件Aが成立したならば(S9:Y)、次に自車速度を判定する(S10)。自車速度が補正しきい値V1(所定速度)以上のとき(S10:Y)、傾斜やカーブの影響を受けにくいと判断して補正条件Bを成立させる。自車速度が補正しきい値V1よりも低速の場合(S10:N)、傾斜やカーブの影響を受け易いと判断して補正しないで終了する(S14)。
補正条件Bも成立したならば(S10:Y)、次に、短時間平均値A-燃料残量Aの絶対値が補正しきい値C2以下(フィルタ乖離小)か否かを判定する(S11)。ここでいう「フィルタ乖離小」あるいは「フィルタ乖離大」でいう「フィルタ」とは、燃料残量Aと短時間平均値Aの2種類をいい、その差が大きいとき「フィルタ乖離大」といい、その差が小さいとき「フィルタ乖離小」という。短時間平均値A-燃料残量Aの絶対値が補正しきい値C2以下の場合(S11:Y)、センダベース2つのフィルタ(燃料残量Aと短時間平均値A)に乖離なしと判断して補正条件Cを成立させる。短時間平均値A-燃料残量Aの絶対値が補正しきい値C2よりも大きい場合(S11:N)、センダベースの2つのフィルタ(燃料残量Aと短時間平均値A)の乖離が大きく液面が不安定であると判断して補正しないで終了する(S14)。
補正条件Cも成立したならば、次に、各条件成立時間を判定する(S12)。補正条件Aの成立時間が第1の所定時間T1(例えば、5分)以上、かつ補正条件Cの成立時間が所定時間T2(例えば12秒)以上の場合(S12:Y)である。各条件成立時間が所定時間T1よりも小さい場合、または補正条件Cの成立時間が所定時間T2よりも小さい場合、液面が不安定であると判断して、そのまま終了する(S14)。
さらに、補正条件Dの各条件成立時間が成立したならば(S12:Y)、次に、補正禁止条件が成立するか否かを判定する(S15)。補正禁止条件は、乖離時間T5及び補正禁止時間T6のカウント中か否かを判断する。乖離時間T5のカウント中の場合、および補正禁止時間T6のカウント中の場合(S15:Y)、補正を行わずに終了する(S14)。
補正禁止条件でない場合(S15:N)、補正条件A-Eの全ての条件をクリアすることになるため、燃料残量Bを燃料残量Aに近付ける補正を行なう。燃料残量Bを燃料残量Aに近付ける補正は、以下の式により行う。
燃料残量B(n)=燃料残量(n)+Kb
(Kbは固定値、または(燃料残量A-燃料残量B)に比例する値)・・・(7)
以上のとおり、本実施形態では、センダ方式(1)とインジェクタ方式(2)の長所を生かし、液面が安定しているときに補正を行い、より正確な燃料残量を算出する。つまり、車速をも考慮して、所定速度以上(例えば、20km/h以上)、かつ、短時間平均値Aと燃料残量Aの差が所定値以下の液面が安定している状態が所定時間以上継続(例えば、10秒)したとき、燃料残量Bが燃料残量Aに近づくように補正を行う。逆に、短時間平均値Aと燃料残量Aの差が所定値以上となった場合は液面が安定していないと判断して燃料残量Bを補正せず、燃料消費量をそのまま減算することで、不要な補正を抑制するようにしている。
特に、短時間平均値Aと燃料残量Aとの差が所定値L1以上で、その状態が所定時間T4以上継続したとき、燃料残量Aの乖離と判定し、所定時間T4を含めて乖離時間T5をカウントし続け、短時間平均値Aと燃料残量Aとの大小関係が反転したとき、乖離時間T5のカウントを停止し、さらに、乖離時間T5と同じか、それよりも所定時間(例えば、60秒)長い時間を補正禁止時間T6として設定し、その補正禁止時間T6は、燃料残量Bを燃料残量Aに近付ける補正を禁止するようにしている。
これにより、乖離時間T5とほぼ同等な補正禁止時間T6を設定し、乖離時間T5および補正禁止時間T6の間は、補正を禁止しているので、誤った補正を極力回避することができ、精度の良い燃料残量の算出(表示)を行うことができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で多くの修正・変更を加えることができるのは勿論である。例えば、上記実施形態では、補正禁止条件Eを設定し、その条件が不成立かつ他の補正条件A~Dの全てを充足したときに、燃料残量Bを燃料残量Aに近付ける補正を行えるようにしているが、これに限らず、補正禁止条件が不成立で、かつ補正条件A-Dのいずれか一つ以上を充足するときに、燃料残量Bを燃料残量Aに近付ける補正を行えるようにしてもよい。
1 燃料残量算出装置
2 制御部
3 車速センサ
4 フューエルセンダ
5 燃料消費量検出部
6 燃料残量表示部
7 短時間平均値
8 燃料残量演算部
9 積算部

Claims (1)

  1. インジェクタ開弁時間より求めた消費燃料を、給油時の燃料量から減算して算出した燃料残量(B)と、燃料タンクの液面高さを検出するフューエルセンダからの入力を基に、フィルタ演算により平滑化した燃料残量(A)とを用いて最終的な燃料残量を算出する制御部を有する車両の燃料残量算出装置において、
    前記制御部は、前記燃料残量(B)と前記燃料残量(A)との差が第1の所定値(C1)以上の状態が第1の所定時間(T1)以上継続しているとき、前記燃料残量(B)にズレがあり補正が必要であると判定し、前記燃料残量(B)を前記燃料残量(A)に近付ける補正を行なうものとし、
    但し、制御部は、前記フューエルセンダ入力値から演算した燃料残量の短時間の平均値である短時間平均値(A)と前記燃料残量(A)との差が第2の所定値(L1)以上で、その状態が第2の所定時間(T4)以上継続したとき、前記燃料残量(A)の乖離と判定し、前記第2の所定時間を含めて乖離時間(T5)をカウントし続け、前記短時間平均値(A)と前記燃料残量(A)との大小関係が反転したとき、または前記カウント中に短時間平均値(A)と前記燃料残量(A)が第3の所定値(L2)以下になったとき、乖離時間(T5)のカウントを停止し、さらに、前記乖離時間(T5)と同じか、それよりも所定時間(α)長い時間を補正禁止時間(T6)として、前記燃料残量(B)を前記燃料残量(A)に近付ける補正を禁止することを特徴とする燃料残量算出装置。
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