JP2004316491A - 燃料残量計測装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料の残量を精度の良く求めることができる燃料残量計測装置を提供する。
【解決手段】燃料タンク8内の燃料9の残量計測値を求める燃料残量計測装置であって、燃料タンク8内の燃料9の液面レベルを検出する液位センサ10からの残量情報FSと、インジェクタ3からの噴射量に関する第1の消費情報Fcとを入力し、現時点の残量計測値FMと残量情報FSとを比較し、この比較結果によって第1の消費情報Fcを補正処理して第2の消費情報Fdを求め、現時点の残量計測値FMと第2の消費情報Fdとに基づいて新たな残量計測値FNを決定するマイコン12を備える。
【選択図】 図2
【解決手段】燃料タンク8内の燃料9の残量計測値を求める燃料残量計測装置であって、燃料タンク8内の燃料9の液面レベルを検出する液位センサ10からの残量情報FSと、インジェクタ3からの噴射量に関する第1の消費情報Fcとを入力し、現時点の残量計測値FMと残量情報FSとを比較し、この比較結果によって第1の消費情報Fcを補正処理して第2の消費情報Fdを求め、現時点の残量計測値FMと第2の消費情報Fdとに基づいて新たな残量計測値FNを決定するマイコン12を備える。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンク内の燃料(液体燃料)の残量を計測する装置に関し、例えば、電子制御燃料噴射装置なるインジェクタを介して内燃機関に燃料を供給する車両において好適な燃料残量検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車,自動二輪車,航空機,船舶,農業機械,建設機械などの車両に搭載する燃料タンクの燃料の残量を計測する方式として、燃料タンクの液面レベル(液位)とともに上下動するフロートを備え、このフロートの上下動とコンタクトアームを介して連動する接点が、センダ部の摺動用抵抗上を接しながら摺動し、液面レベルとともに変化する抵抗値変化を検出信号として出力し、この検出信号に基づいて指示計器からなる燃料計の指針を動作させるものが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−50045号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術は、フロートの浮いている高さに基づいて燃料の残量を計測するようにしている。ところが、車両が加減速して慣性が作用した場合や坂道上で自動車が傾斜する場合のような環境条件では、燃料タンク内で燃料が移動することで液面レベルが変動するため、実際の燃料残量を正確に計測できないという問題があった。
【0005】
また、近年、車両への搭載上の制約から燃料タンクの形状は、扁平化したり、複雑化する傾向にある。したがって、従来の燃料残量計測装置においては、フロートの浮いている高さと燃料の残量とが一定の変化(比例関係)をなさないため、摺動用抵抗の抵抗値の設定が難しくなるだけでなく、燃料残量が大きく変化する割に液面レベルの変動が少ない不感域を生じてしまうという問題があった。したがって、燃料タンク内に残っている燃料残量の計測精度が、液面レベルと燃料残量との関係が略一定の変化となる単純な形状の燃料タンク内の燃料残量を計測するものに比べて、低下するという問題となっていた。
【0006】
そこで、本発明は上述した問題に着目してなされたものであり、多様な環境条件下であっても、あるいは燃料タンクの形状にこだわることなく、燃料の残量を精度の良く求めることができる燃料残量計測装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料残量計測装置は、前記課題を解決するため、請求項1に記載したように、燃料タンク内の燃料の残量計測値を求める燃料残量計測装置であって、前記燃料タンク内の前記燃料の液面レベルを検出する燃料検出手段からの残量情報と、インジェクタからの燃料消費に関する第1の消費情報とを入力し、現時点の残量計測値と前記残量情報とを比較し、この比較結果によって前記第1の消費情報を補正処理して第2の消費情報を求め、前記現時点の残量計測値と前記第2の消費情報とに基づいて新たな残量計測値を決定する制御手段を備えてなることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2に記載したように、請求項1に記載の燃料残量計測装置において、前記制御手段は、前記残量計測値を記憶する記憶手段を備えてなることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項3に記載したように、請求項2に記載の燃料残量計測装置において、前記残量情報と前記現時点の残量計測値との前記制御手段による比較結果に応じて選択可能な複数の補正調整値を前記記憶手段に記憶し、前記制御手段は、選択された前記補正調整値と前記第1の消費情報とによって前記第2の消費情報を求めることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項4に記載したように、請求項3に記載の燃料残量計測装置において、前記制御手段は、前記残量情報と前記現時点の残量計測値とを比較し、前記残量情報が前記現時点の残量計測値よりも大きい場合、前記第2の消費情報が前記第1の消費情報よりも小さくなるように前記補正調整値を選択し、また前記残量情報が前記現時点の残量計測値よりも小さい場合、前記第2の消費情報が前記第1の消費情報よりも大きくなるように前記補正調整値を選択することを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項5に記載したように、請求項4に記載の燃料残量計測装置において、前記制御手段は、前記新たな残量計測値が前記現時点の残量計測値よりも必ず小さくなるように、前記補正処理してなることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項6に記載したように、請求項2から請求項5のいずれかに記載の燃料残量計測装置において、前記記憶手段は、前記残量情報と前記現時点の残量計測値との差の大きさに応じた複数の補正調整値を記憶し、前記制御手段は、前記差の絶対値が大きい場合に、前記第1の消費情報に大きな変化量を与える補正調整値を選択することを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項7に記載したように、請求項1から請求項6のいずれかに記載の燃料残量計測装置において、前記制御手段によって算出される前記残量計測値を表示する表示手段を備えてなることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項8に記載したように、請求項1から請求項7のいずれかに記載の燃料残量計測装置において、前記制御手段は、車両の燃費を算出し、前記燃費と前記残量計測値とに基づいて、前記燃料タンク内の前記燃料による前記車両の走行可能距離を算出してなることを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項9に記載したように、請求項1から請求項8のいずれかに記載の燃料残量計測装置において、音または照明によって警報を行う警報手段を備え、前記制御手段は、前記残量計測値が所定量よりも少ない場合、前記警報手段が作動するように制御してなることを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の燃料残量計測装置は、請求項10に記載したように、燃料タンク内の燃料の残量計測値を求める燃料残量計測装置であって、現時点の残量計測値と、前記燃料タンク内の前記燃料の液面レベルを検出する燃料検出手段からの残量情報と、前記現時点の残量計測値と前記残量情報との比較結果によって補正処理されるインジェクタからの燃料消費に関する消費情報と、に基づいて新たな残量計測値を決定する制御手段を備えてなることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態をインジェクタ(電子制御燃料噴射装置)を用いてエンジン(内燃機関)に燃料を供給する自動車(車両)に適応される燃料残量計測装置について例に挙げ、添付図面を用いて説明する。
【0018】
図1は、自動車のエンジン制御系の概略図であり、1は車両に搭載されたエンジンであり、吸入空気はエアクリーナから吸気管2を通して各気筒へ供給され、後述する燃料はインジェクタ3により噴射される。そして、気筒内の混合気は先端が燃焼室に露呈する点火プラグの放電作用により所定の点火タイミングで着火及び爆発し、排気管4を通して排気される。
【0019】
インジェクタ3は、燃料供給管5によりフィルタ6及びポンプ7を介して燃料タンク8に連通されており、ノズルの開閉弁を開閉させて、燃料タンク8からの燃料9をエンジン1内に噴射するものである。また、インジェクタ3は、噴射量(燃料消費)に応じた消費情報を検出信号として出力する。
【0020】
燃料タンク8には、燃料9の残量を測定するためのフロートや摺動抵抗等からなる液位センサ(燃料検出手段)10が装着されている。液位センサ10は、燃料9の液面レベルに応じて変化する摺動抵抗の抵抗値を示す情報を検出信号として出力する。
【0021】
車速センサ11は、自動車の車輪回転に同期して回転する被検出部の回転速度に応じた車速情報を検出信号として出力するものである。
【0022】
マイコン12は、例えばメータのハウジング内の回路基板に搭載されるマイクロコンピュータからなる制御手段であり、インジェクタ3や液位センサ10からの検出信号に基づいて、各種演算処理を行う手段としてのCPU(中央処理装置)と、CPUにおける演算処理結果を一時記憶する読出しおよび書換え可能な作業用メモリなるRAMと、制御プログラムを記憶した読出し専用のプログラムメモリなるROMとを備えている。また、マイコン12は、インジェクタ3や液位センサ10等に電気的に接続するための入出力インターフェイスを備えている。
【0023】
また、マイコン12は、インジェクタ3や液位センサ10からの検出信号を入力し、この検出信号に基づいてROMに記憶された所定のプログラムや後述する記憶手段13の各種データに従って得られる残量計測値を表示器(表示手段)14に出力する。また、マイコン12は、車速センサ11等の各種センサからの情報を入力し、燃料9の単位消費量(燃費)や走行可能距離を演算して表示器14へ出力することもできる。
【0024】
また、マイコン12に設けられるRAMやROMの他に、マイコン12による各演算処理に関する各種データを記憶することができるEEPROMからなる不揮発性記憶媒体が記憶手段13として、マイコン12に接続されている。
【0025】
表示器14は、車両の運転席前方に搭載されるコンビネーションメータからなり、マイコン12からの制御信号に基づいて図示しない駆動回路を介して作動するものである。また、表示器14は、後述するマイコン12の演算処理にて得られる残量計測値や車速に応じて回動する指針と、この指針の指示対象である指標を有する文字板とを対比判読することで車速や燃料残量をアナログ表示する指示計器や、燃料9の単位消費量や走行可能距離を数値にて表示するため液晶素子や有機EL素子等からなる表示パネルなどが備えられている。
【0026】
また、表示器14には、発光ダイオードまたはランプ等の光源を有する警報手段15を備えており、マイコン12からの制御信号に基づいて点灯もしくは点滅作動することで、警報状態を報知することができる。
【0027】
上述した構成を自動車に搭載することによって、燃料残量計測装置を提供することができる。また、マイコン12によって、インジェクタ3や各種センサ10,11の検出信号に基づいた演算処理を行うとともに、表示器14を駆動制御することができる。
【0028】
次に、表示器14を駆動制御するためのマイコン12による演算処理について、図2から図4を用いて説明する。
【0029】
また、マイコン12は、記憶手段13に記憶された液位センサ10の抵抗値と燃料9の残量との関係を示すデーターテーブルを用いて演算処理することによって、液位センサ10からの検出信号に基づいた燃料9の残量を残量情報FSとして算出する(ステップS1)。例えば、液位センサ10からの検出信号が抵抗値50Ωを示すものであれば、燃料9の残量が40リットルとなるといった関係式によって、前記検出信号に応じた残量情報FSを導き出すことができる。
【0030】
マイコン12は、インジェクタ3からの検出信号を入力し燃料9の噴射量(所定時間当たりの燃料噴射量)を第1の消費情報Fcとして入力するとともに、RAMに記憶された現時点の残量計測値(前回の演算処理で得た燃料残量)FMを入力する(ステップS2)。なお、自動車のイグニションオン時には、不揮発性記憶媒体である記憶手段13に記憶される残量計測値(イグニションオフ時に記憶された残量計測値)、もしくは液位センサ10からの検出信号によって算出される残量情報FSを残量計測値FMとして入力する。
【0031】
マイコン12は、現時点の残量計測値FMと残量情報FSとを比較処理(ステップS3)する。
【0032】
この比較処理により、予め記憶手段13に記憶された係数(補正調整値)Rを選択する(ステップS4)。例えば、図3に示すように、残量計測値FMと残量情報FSとの差(FS−FM)について階調毎に対応する係数Rが定められている。この場合、残量情報FSが残量計測値FMより大きい場合は、係数Rが「0」より大きく「1」以上の値(0<R<1)となるようにし、残量情報FSが残量計測値FMより小さい場合は、係数Rが「1」より大きい値(R>1)となるような値に設定されている。また、残量情報FSと残量計測値FMとの差の絶対値が大きい程、係数Rが「1」より離れた値に設定されており、この場合4段階の階調別に区分されている。例えば、「区分1」に示すように残量計測値FMと残量情報FSとの差が2リットル以上の場合、係数Rが「0.4」を選択するようにしている。
【0033】
マイコン12は、ステップS4で選択された係数Rに基づいて、第1の消費情報Fcを補正処理し、第2の消費情報Fdを求める(ステップS5)。この場合、マイコン12は、第1の消費情報Fcに係数Rを乗じて得られる値を第2の消費情報Fdとして算出する(Fd=Fc・R)。したがって、ステップS5は、残量計測値FMに対する液位センサ10からの残量情報FSに基づいて第1の消費情報Fcを補正処理し第2の消費情報Fdを求めることになる。
【0034】
マイコン12は、現時点の残量計測値FMとステップS5の補正処理によって得られる第2の消費情報Fdとに基づいて、新たな残量計測値FNを決定する(ステップS6)。新たな残量計測値FNは、現時点の残量計測値FMから第2の消費情報Fdを差し引いて求めることができる(FN=FM−Fd)。例えば、図4で示すように、区分1の場合の新たな残量計測値FNを決定することができる。なお、マイコン12は、算出された新たな残量計測値FNをRAMに一次記憶する。
【0035】
マイコン12は、ステップS6で決定された新たな残量計測値FNに基づく制御信号を表示器14に出力し、表示器14に設けられる指示計器もしくは表示パネル上に燃料残量として表示させる(ステップS7)。
【0036】
また、マイコン12は、ステップS6で決定された新たな残量計測値FNに基づいて、所定値(例えば10リットル)未満であるか否かを判定し、残量計測値FNが所定値未満である場合に、警報手段15を作動させて燃料9が少ないことを報知させることもできる。また、マイコン12は、車速センサ11からの検出信号(パルス信号)によって、単位時間当たりの走行距離を求めるとともに、第2の消費情報Fdによって単位時間当たりの燃料9の消費量を求めて、これら単位時間当たりの走行距離と消費量とによって、燃費を求めることができる。また、前記燃費と新たな残量計測値FNとによって走行可能距離を算出し、これらの情報を表示器14の表示パネル上に表示出力させることもできる。
【0037】
上述のステップS1からステップS7までの処理を繰り返すことにより、滑らかな変動でかつ正確な燃料9の残量を計測し、その値を表示器14に表示させることができる。なお、給油時には液位センサ10から算出される残量情報FSを新たな残量計測値FNとして決定する給油判定処理を含む上述と異なる別の処理を行うが、この実施の形態では説明を省く。
【0038】
かかる自動車に搭載された燃料残量計測装置は、燃料タンク8内の燃料9の残量計測値を求める燃料残量計測装置であって、燃料タンク8内の燃料9の液面レベルを検出する液位センサ10からの残量情報FSと、インジェクタ3からの噴射量に関する第1の消費情報Fcとを入力し、現時点の残量計測値FMと残量情報FSとを比較し、この比較結果によって第1の消費情報Fcを補正処理して第2の消費情報Fdを求め、現時点の残量計測値FMと第2の消費情報Fdとに基づいて新たな残量計測値FNを決定するマイコン12を備えてなることによって、現時点の残量計測値FMに対する液位センサ10からの残量情報FSに基づいてインジェクタ3からの第1の消費情報Fcを補正処理して燃料情報FNを決定できるため、インジェクタ3及び液位センサ10の2つの手段に基づいて新たな残量計測値FNを求めるため、多様な環境条件下においても、あるいは燃料タンク8の形状にこだわることなく、燃料残量を精度の良く計測することのできる燃料残量計測装置となる。
【0039】
また、マイコン12は、燃料残量FNや各種データを記憶する記憶手段13を備えてなることによって、インジェクタ3及び液位センサ10からの検出信号に加えて、現時点での燃料情報FNを情報源として総合的に燃料情報を計測することができるため、より精度の良い燃料残量を計測することのできる燃料残量計測装置となる。
【0040】
また、マイコン12は、残量情報FSと現時点の燃料残量FMとを比較し、残量情報FSが現時点の燃料残量FMよりも大きい場合、第2の消費情報Fdが第1の消費情報Fcよりも小さくなるように係数Rを選択し、また、残量情報FMが現時点の燃料残量FMよりも小さい場合、第2の消費情報Fdが第1の消費情報Fcよりも大きくなるように係数Rを選択することによって、燃料残量FMと液位センサ10からの残量情報FSとに大きな差があったとしても、徐々に燃料残量FNが残量情報FSに近づく補正を行うものとなり、インジェクタ3及び液位センサ10の2つの手段に基づいた、精度の良い燃料残量を計測することのできる燃料残量計測装置となる。
【0041】
また、マイコン12は、新たな燃料残量FNが現時点の燃料残量FMよりも必ず小さくなるように補正処理してなる。すなわち、第2の消費情報Fdが「0」より大きな値になるように処理するもので、係数Rは必ず「0」以上に設定される。したがって、燃料残量の値が下方側のみに変化し、従来のようにフロートに追従して上下に脈動して変化することが無くなり、表示器14による不明確な表示を行なわないで済むため、信頼性の高い燃料残量計測装置となる。
【0042】
また、記憶手段13は、残量情報FSと現時点の燃料残量FMとの差の大きさに応じた複数通りの係数Rを記憶し、マイコン12は、前記差の絶対値が大きい場合に、第1の消費情報Fcを大きく変化させる係数Rを選択することによって、自動車の加減速や傾斜に応じて微少に変動する液面レベルに対して、脈動せずに滑らかな変動でかつ追従性の良好な燃料9の残量を求めることができる。
【0043】
また、マイコン12によって算出される残量計測値を表示する表示器14を備えてなり、前記残量計測値に基づいて算出される燃費や走行可能距離を表示させたり、前記残量計測値に応じた警報を行うことによって、これらの多様な情報に対しても精度の良好な値を提供するものとなる。
【0044】
なお、本発明の実施の形態では、上述した自動車に適応される燃料残量計測装置について例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、燃料タンクに溜められた液体燃料をインジェクタによって内燃機関へ噴射する車両に適応されるものであればよい。また、燃料残量計測装置としての構成は同様の効果が得られるものであればよく種々の変形が可能である。例えば、制御手段は、車両の電子制御装置(ECU)やナビゲーション装置の制御装置の演算回路にて演算処理するものであってもよい。また、制御装置で用いる係数Rは、燃料タンクの形状等に応じて任意に定められるが、図3で示すようなデータテーブルによる区分選択ではなく、所定の演算式によって算出して選択するものであってもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、インジェクタによって燃料消費されるべく燃料の残量を計測する燃料残量計測装置に関して、多様な環境条件下であっても、あるいは燃料タンクの形状にこだわることなく、燃料の残量を精度の良く求めることができる燃料残量計測装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の自動車のエンジン制御系の概略図。
【図2】同上実施の形態のマイコンによる演算処理の流れ図。
【図3】同上実施の形態での係数Rを選択するためのテーブルデータを示す図。
【図4】同上実施の形態における燃料情報の一例を示すグラフ。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
3 インジェクタ
8 燃料タンク
9 燃料
10 液位センサ
12 マイコン(制御装置)
13 記憶手段
14 表示器(表示手段)
15 警報手段
Fc 第1の消費情報
Fd 第2の消費情報
FM 現時点の残量計測値
FS 新たな残量計測値
R 係数(補正調整値)
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料タンク内の燃料(液体燃料)の残量を計測する装置に関し、例えば、電子制御燃料噴射装置なるインジェクタを介して内燃機関に燃料を供給する車両において好適な燃料残量検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車,自動二輪車,航空機,船舶,農業機械,建設機械などの車両に搭載する燃料タンクの燃料の残量を計測する方式として、燃料タンクの液面レベル(液位)とともに上下動するフロートを備え、このフロートの上下動とコンタクトアームを介して連動する接点が、センダ部の摺動用抵抗上を接しながら摺動し、液面レベルとともに変化する抵抗値変化を検出信号として出力し、この検出信号に基づいて指示計器からなる燃料計の指針を動作させるものが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−50045号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術は、フロートの浮いている高さに基づいて燃料の残量を計測するようにしている。ところが、車両が加減速して慣性が作用した場合や坂道上で自動車が傾斜する場合のような環境条件では、燃料タンク内で燃料が移動することで液面レベルが変動するため、実際の燃料残量を正確に計測できないという問題があった。
【0005】
また、近年、車両への搭載上の制約から燃料タンクの形状は、扁平化したり、複雑化する傾向にある。したがって、従来の燃料残量計測装置においては、フロートの浮いている高さと燃料の残量とが一定の変化(比例関係)をなさないため、摺動用抵抗の抵抗値の設定が難しくなるだけでなく、燃料残量が大きく変化する割に液面レベルの変動が少ない不感域を生じてしまうという問題があった。したがって、燃料タンク内に残っている燃料残量の計測精度が、液面レベルと燃料残量との関係が略一定の変化となる単純な形状の燃料タンク内の燃料残量を計測するものに比べて、低下するという問題となっていた。
【0006】
そこで、本発明は上述した問題に着目してなされたものであり、多様な環境条件下であっても、あるいは燃料タンクの形状にこだわることなく、燃料の残量を精度の良く求めることができる燃料残量計測装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の燃料残量計測装置は、前記課題を解決するため、請求項1に記載したように、燃料タンク内の燃料の残量計測値を求める燃料残量計測装置であって、前記燃料タンク内の前記燃料の液面レベルを検出する燃料検出手段からの残量情報と、インジェクタからの燃料消費に関する第1の消費情報とを入力し、現時点の残量計測値と前記残量情報とを比較し、この比較結果によって前記第1の消費情報を補正処理して第2の消費情報を求め、前記現時点の残量計測値と前記第2の消費情報とに基づいて新たな残量計測値を決定する制御手段を備えてなることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2に記載したように、請求項1に記載の燃料残量計測装置において、前記制御手段は、前記残量計測値を記憶する記憶手段を備えてなることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項3に記載したように、請求項2に記載の燃料残量計測装置において、前記残量情報と前記現時点の残量計測値との前記制御手段による比較結果に応じて選択可能な複数の補正調整値を前記記憶手段に記憶し、前記制御手段は、選択された前記補正調整値と前記第1の消費情報とによって前記第2の消費情報を求めることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項4に記載したように、請求項3に記載の燃料残量計測装置において、前記制御手段は、前記残量情報と前記現時点の残量計測値とを比較し、前記残量情報が前記現時点の残量計測値よりも大きい場合、前記第2の消費情報が前記第1の消費情報よりも小さくなるように前記補正調整値を選択し、また前記残量情報が前記現時点の残量計測値よりも小さい場合、前記第2の消費情報が前記第1の消費情報よりも大きくなるように前記補正調整値を選択することを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項5に記載したように、請求項4に記載の燃料残量計測装置において、前記制御手段は、前記新たな残量計測値が前記現時点の残量計測値よりも必ず小さくなるように、前記補正処理してなることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項6に記載したように、請求項2から請求項5のいずれかに記載の燃料残量計測装置において、前記記憶手段は、前記残量情報と前記現時点の残量計測値との差の大きさに応じた複数の補正調整値を記憶し、前記制御手段は、前記差の絶対値が大きい場合に、前記第1の消費情報に大きな変化量を与える補正調整値を選択することを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項7に記載したように、請求項1から請求項6のいずれかに記載の燃料残量計測装置において、前記制御手段によって算出される前記残量計測値を表示する表示手段を備えてなることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項8に記載したように、請求項1から請求項7のいずれかに記載の燃料残量計測装置において、前記制御手段は、車両の燃費を算出し、前記燃費と前記残量計測値とに基づいて、前記燃料タンク内の前記燃料による前記車両の走行可能距離を算出してなることを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項9に記載したように、請求項1から請求項8のいずれかに記載の燃料残量計測装置において、音または照明によって警報を行う警報手段を備え、前記制御手段は、前記残量計測値が所定量よりも少ない場合、前記警報手段が作動するように制御してなることを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の燃料残量計測装置は、請求項10に記載したように、燃料タンク内の燃料の残量計測値を求める燃料残量計測装置であって、現時点の残量計測値と、前記燃料タンク内の前記燃料の液面レベルを検出する燃料検出手段からの残量情報と、前記現時点の残量計測値と前記残量情報との比較結果によって補正処理されるインジェクタからの燃料消費に関する消費情報と、に基づいて新たな残量計測値を決定する制御手段を備えてなることを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態をインジェクタ(電子制御燃料噴射装置)を用いてエンジン(内燃機関)に燃料を供給する自動車(車両)に適応される燃料残量計測装置について例に挙げ、添付図面を用いて説明する。
【0018】
図1は、自動車のエンジン制御系の概略図であり、1は車両に搭載されたエンジンであり、吸入空気はエアクリーナから吸気管2を通して各気筒へ供給され、後述する燃料はインジェクタ3により噴射される。そして、気筒内の混合気は先端が燃焼室に露呈する点火プラグの放電作用により所定の点火タイミングで着火及び爆発し、排気管4を通して排気される。
【0019】
インジェクタ3は、燃料供給管5によりフィルタ6及びポンプ7を介して燃料タンク8に連通されており、ノズルの開閉弁を開閉させて、燃料タンク8からの燃料9をエンジン1内に噴射するものである。また、インジェクタ3は、噴射量(燃料消費)に応じた消費情報を検出信号として出力する。
【0020】
燃料タンク8には、燃料9の残量を測定するためのフロートや摺動抵抗等からなる液位センサ(燃料検出手段)10が装着されている。液位センサ10は、燃料9の液面レベルに応じて変化する摺動抵抗の抵抗値を示す情報を検出信号として出力する。
【0021】
車速センサ11は、自動車の車輪回転に同期して回転する被検出部の回転速度に応じた車速情報を検出信号として出力するものである。
【0022】
マイコン12は、例えばメータのハウジング内の回路基板に搭載されるマイクロコンピュータからなる制御手段であり、インジェクタ3や液位センサ10からの検出信号に基づいて、各種演算処理を行う手段としてのCPU(中央処理装置)と、CPUにおける演算処理結果を一時記憶する読出しおよび書換え可能な作業用メモリなるRAMと、制御プログラムを記憶した読出し専用のプログラムメモリなるROMとを備えている。また、マイコン12は、インジェクタ3や液位センサ10等に電気的に接続するための入出力インターフェイスを備えている。
【0023】
また、マイコン12は、インジェクタ3や液位センサ10からの検出信号を入力し、この検出信号に基づいてROMに記憶された所定のプログラムや後述する記憶手段13の各種データに従って得られる残量計測値を表示器(表示手段)14に出力する。また、マイコン12は、車速センサ11等の各種センサからの情報を入力し、燃料9の単位消費量(燃費)や走行可能距離を演算して表示器14へ出力することもできる。
【0024】
また、マイコン12に設けられるRAMやROMの他に、マイコン12による各演算処理に関する各種データを記憶することができるEEPROMからなる不揮発性記憶媒体が記憶手段13として、マイコン12に接続されている。
【0025】
表示器14は、車両の運転席前方に搭載されるコンビネーションメータからなり、マイコン12からの制御信号に基づいて図示しない駆動回路を介して作動するものである。また、表示器14は、後述するマイコン12の演算処理にて得られる残量計測値や車速に応じて回動する指針と、この指針の指示対象である指標を有する文字板とを対比判読することで車速や燃料残量をアナログ表示する指示計器や、燃料9の単位消費量や走行可能距離を数値にて表示するため液晶素子や有機EL素子等からなる表示パネルなどが備えられている。
【0026】
また、表示器14には、発光ダイオードまたはランプ等の光源を有する警報手段15を備えており、マイコン12からの制御信号に基づいて点灯もしくは点滅作動することで、警報状態を報知することができる。
【0027】
上述した構成を自動車に搭載することによって、燃料残量計測装置を提供することができる。また、マイコン12によって、インジェクタ3や各種センサ10,11の検出信号に基づいた演算処理を行うとともに、表示器14を駆動制御することができる。
【0028】
次に、表示器14を駆動制御するためのマイコン12による演算処理について、図2から図4を用いて説明する。
【0029】
また、マイコン12は、記憶手段13に記憶された液位センサ10の抵抗値と燃料9の残量との関係を示すデーターテーブルを用いて演算処理することによって、液位センサ10からの検出信号に基づいた燃料9の残量を残量情報FSとして算出する(ステップS1)。例えば、液位センサ10からの検出信号が抵抗値50Ωを示すものであれば、燃料9の残量が40リットルとなるといった関係式によって、前記検出信号に応じた残量情報FSを導き出すことができる。
【0030】
マイコン12は、インジェクタ3からの検出信号を入力し燃料9の噴射量(所定時間当たりの燃料噴射量)を第1の消費情報Fcとして入力するとともに、RAMに記憶された現時点の残量計測値(前回の演算処理で得た燃料残量)FMを入力する(ステップS2)。なお、自動車のイグニションオン時には、不揮発性記憶媒体である記憶手段13に記憶される残量計測値(イグニションオフ時に記憶された残量計測値)、もしくは液位センサ10からの検出信号によって算出される残量情報FSを残量計測値FMとして入力する。
【0031】
マイコン12は、現時点の残量計測値FMと残量情報FSとを比較処理(ステップS3)する。
【0032】
この比較処理により、予め記憶手段13に記憶された係数(補正調整値)Rを選択する(ステップS4)。例えば、図3に示すように、残量計測値FMと残量情報FSとの差(FS−FM)について階調毎に対応する係数Rが定められている。この場合、残量情報FSが残量計測値FMより大きい場合は、係数Rが「0」より大きく「1」以上の値(0<R<1)となるようにし、残量情報FSが残量計測値FMより小さい場合は、係数Rが「1」より大きい値(R>1)となるような値に設定されている。また、残量情報FSと残量計測値FMとの差の絶対値が大きい程、係数Rが「1」より離れた値に設定されており、この場合4段階の階調別に区分されている。例えば、「区分1」に示すように残量計測値FMと残量情報FSとの差が2リットル以上の場合、係数Rが「0.4」を選択するようにしている。
【0033】
マイコン12は、ステップS4で選択された係数Rに基づいて、第1の消費情報Fcを補正処理し、第2の消費情報Fdを求める(ステップS5)。この場合、マイコン12は、第1の消費情報Fcに係数Rを乗じて得られる値を第2の消費情報Fdとして算出する(Fd=Fc・R)。したがって、ステップS5は、残量計測値FMに対する液位センサ10からの残量情報FSに基づいて第1の消費情報Fcを補正処理し第2の消費情報Fdを求めることになる。
【0034】
マイコン12は、現時点の残量計測値FMとステップS5の補正処理によって得られる第2の消費情報Fdとに基づいて、新たな残量計測値FNを決定する(ステップS6)。新たな残量計測値FNは、現時点の残量計測値FMから第2の消費情報Fdを差し引いて求めることができる(FN=FM−Fd)。例えば、図4で示すように、区分1の場合の新たな残量計測値FNを決定することができる。なお、マイコン12は、算出された新たな残量計測値FNをRAMに一次記憶する。
【0035】
マイコン12は、ステップS6で決定された新たな残量計測値FNに基づく制御信号を表示器14に出力し、表示器14に設けられる指示計器もしくは表示パネル上に燃料残量として表示させる(ステップS7)。
【0036】
また、マイコン12は、ステップS6で決定された新たな残量計測値FNに基づいて、所定値(例えば10リットル)未満であるか否かを判定し、残量計測値FNが所定値未満である場合に、警報手段15を作動させて燃料9が少ないことを報知させることもできる。また、マイコン12は、車速センサ11からの検出信号(パルス信号)によって、単位時間当たりの走行距離を求めるとともに、第2の消費情報Fdによって単位時間当たりの燃料9の消費量を求めて、これら単位時間当たりの走行距離と消費量とによって、燃費を求めることができる。また、前記燃費と新たな残量計測値FNとによって走行可能距離を算出し、これらの情報を表示器14の表示パネル上に表示出力させることもできる。
【0037】
上述のステップS1からステップS7までの処理を繰り返すことにより、滑らかな変動でかつ正確な燃料9の残量を計測し、その値を表示器14に表示させることができる。なお、給油時には液位センサ10から算出される残量情報FSを新たな残量計測値FNとして決定する給油判定処理を含む上述と異なる別の処理を行うが、この実施の形態では説明を省く。
【0038】
かかる自動車に搭載された燃料残量計測装置は、燃料タンク8内の燃料9の残量計測値を求める燃料残量計測装置であって、燃料タンク8内の燃料9の液面レベルを検出する液位センサ10からの残量情報FSと、インジェクタ3からの噴射量に関する第1の消費情報Fcとを入力し、現時点の残量計測値FMと残量情報FSとを比較し、この比較結果によって第1の消費情報Fcを補正処理して第2の消費情報Fdを求め、現時点の残量計測値FMと第2の消費情報Fdとに基づいて新たな残量計測値FNを決定するマイコン12を備えてなることによって、現時点の残量計測値FMに対する液位センサ10からの残量情報FSに基づいてインジェクタ3からの第1の消費情報Fcを補正処理して燃料情報FNを決定できるため、インジェクタ3及び液位センサ10の2つの手段に基づいて新たな残量計測値FNを求めるため、多様な環境条件下においても、あるいは燃料タンク8の形状にこだわることなく、燃料残量を精度の良く計測することのできる燃料残量計測装置となる。
【0039】
また、マイコン12は、燃料残量FNや各種データを記憶する記憶手段13を備えてなることによって、インジェクタ3及び液位センサ10からの検出信号に加えて、現時点での燃料情報FNを情報源として総合的に燃料情報を計測することができるため、より精度の良い燃料残量を計測することのできる燃料残量計測装置となる。
【0040】
また、マイコン12は、残量情報FSと現時点の燃料残量FMとを比較し、残量情報FSが現時点の燃料残量FMよりも大きい場合、第2の消費情報Fdが第1の消費情報Fcよりも小さくなるように係数Rを選択し、また、残量情報FMが現時点の燃料残量FMよりも小さい場合、第2の消費情報Fdが第1の消費情報Fcよりも大きくなるように係数Rを選択することによって、燃料残量FMと液位センサ10からの残量情報FSとに大きな差があったとしても、徐々に燃料残量FNが残量情報FSに近づく補正を行うものとなり、インジェクタ3及び液位センサ10の2つの手段に基づいた、精度の良い燃料残量を計測することのできる燃料残量計測装置となる。
【0041】
また、マイコン12は、新たな燃料残量FNが現時点の燃料残量FMよりも必ず小さくなるように補正処理してなる。すなわち、第2の消費情報Fdが「0」より大きな値になるように処理するもので、係数Rは必ず「0」以上に設定される。したがって、燃料残量の値が下方側のみに変化し、従来のようにフロートに追従して上下に脈動して変化することが無くなり、表示器14による不明確な表示を行なわないで済むため、信頼性の高い燃料残量計測装置となる。
【0042】
また、記憶手段13は、残量情報FSと現時点の燃料残量FMとの差の大きさに応じた複数通りの係数Rを記憶し、マイコン12は、前記差の絶対値が大きい場合に、第1の消費情報Fcを大きく変化させる係数Rを選択することによって、自動車の加減速や傾斜に応じて微少に変動する液面レベルに対して、脈動せずに滑らかな変動でかつ追従性の良好な燃料9の残量を求めることができる。
【0043】
また、マイコン12によって算出される残量計測値を表示する表示器14を備えてなり、前記残量計測値に基づいて算出される燃費や走行可能距離を表示させたり、前記残量計測値に応じた警報を行うことによって、これらの多様な情報に対しても精度の良好な値を提供するものとなる。
【0044】
なお、本発明の実施の形態では、上述した自動車に適応される燃料残量計測装置について例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、燃料タンクに溜められた液体燃料をインジェクタによって内燃機関へ噴射する車両に適応されるものであればよい。また、燃料残量計測装置としての構成は同様の効果が得られるものであればよく種々の変形が可能である。例えば、制御手段は、車両の電子制御装置(ECU)やナビゲーション装置の制御装置の演算回路にて演算処理するものであってもよい。また、制御装置で用いる係数Rは、燃料タンクの形状等に応じて任意に定められるが、図3で示すようなデータテーブルによる区分選択ではなく、所定の演算式によって算出して選択するものであってもよい。
【0045】
【発明の効果】
本発明は、インジェクタによって燃料消費されるべく燃料の残量を計測する燃料残量計測装置に関して、多様な環境条件下であっても、あるいは燃料タンクの形状にこだわることなく、燃料の残量を精度の良く求めることができる燃料残量計測装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の自動車のエンジン制御系の概略図。
【図2】同上実施の形態のマイコンによる演算処理の流れ図。
【図3】同上実施の形態での係数Rを選択するためのテーブルデータを示す図。
【図4】同上実施の形態における燃料情報の一例を示すグラフ。
【符号の説明】
1 エンジン(内燃機関)
3 インジェクタ
8 燃料タンク
9 燃料
10 液位センサ
12 マイコン(制御装置)
13 記憶手段
14 表示器(表示手段)
15 警報手段
Fc 第1の消費情報
Fd 第2の消費情報
FM 現時点の残量計測値
FS 新たな残量計測値
R 係数(補正調整値)
Claims (10)
- 燃料タンク内の燃料の残量計測値を求める燃料残量計測装置であって、
前記燃料タンク内の前記燃料の液面レベルを検出する燃料検出手段からの残量情報と、インジェクタからの燃料消費に関する第1の消費情報とを入力し、現時点の残量計測値と前記残量情報とを比較し、この比較結果によって前記第1の消費情報を補正処理して第2の消費情報を求め、前記現時点の残量計測値と前記第2の消費情報とに基づいて新たな残量計測値を決定する制御手段を備えてなることを特徴とする燃料残量計測装置。 - 前記制御手段は、前記残量計測値を記憶する記憶手段を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の燃料残量計測装置。
- 前記残量情報と前記現時点の残量計測値との前記制御手段による比較結果に応じて選択可能な複数の補正調整値を前記記憶手段に記憶し、前記制御手段は、選択された前記補正調整値と前記第1の消費情報とによって前記第2の消費情報を求めることを特徴とする請求項2に記載の燃料残量計測装置。
- 前記制御手段は、前記残量情報と前記現時点の残量計測値とを比較し、前記残量情報が前記現時点の残量計測値よりも大きい場合、前記第2の消費情報が前記第1の消費情報よりも小さくなるように前記補正調整値を選択し、また前記残量情報が前記現時点の残量計測値よりも小さい場合、前記第2の消費情報が前記第1の消費情報よりも大きくなるように前記補正調整値を選択することを特徴とする請求項3に記載の燃料残量計測装置。
- 前記制御手段は、前記新たな残量計測値が前記現時点の残量計測値よりも必ず小さくなるように、前記補正処理してなることを特徴とする請求項4に記載の燃料残量計測装置。
- 前記記憶手段は、前記残量情報と前記現時点の残量計測値との差の大きさに応じた複数の補正調整値を記憶し、前記制御手段は、前記差の絶対値が大きい場合に、前記第1の消費情報に大きな変化量を与える補正調整値を選択することを特徴とする請求項2から請求項5のいずれかに記載の燃料残量計測装置。
- 前記制御手段によって算出される前記残量計測値を表示する表示手段を備えてなることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の燃料残量計測装置。
- 前記制御手段は、車両の燃費を算出し、前記燃費と前記残量計測値とに基づいて、前記燃料タンク内の前記燃料による前記車両の走行可能距離を算出してなることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の燃料残量計測装置。
- 音または照明によって警報を行う警報手段を備え、前記制御手段は、前記残量計測値が所定量よりも少ない場合、前記警報手段が作動するように制御してなることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の燃料残量計測装置。
- 燃料タンク内の燃料の残量計測値を求める燃料残量計測装置であって、
現時点の残量計測値と、前記燃料タンク内の前記燃料の液面レベルを検出する燃料検出手段からの残量情報と、前記現時点の残量計測値と前記残量情報との比較結果によって補正処理されるインジェクタからの燃料消費に関する消費情報と、に基づいて新たな残量計測値を決定する制御手段を備えてなることを特徴とする燃料残量計測装置。
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