JP2010058757A - 自動二輪車 - Google Patents

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Abstract

【課題】フロントカウルの開口からエアクリーナに至る吸気通路の容積を増大させると共に、フロントカウルの後方空間の容積を確保し、他の車両部品の配置を容易にする。
【解決手段】自動二輪車は、少なくとも一部がヘッドパイプ11の前方に配置され、空気を取り入れる左右一対の吸気口64が形成されたフロントカウルと、ヘッドパイプ11の後方に配置されたエアクリーナ46と、左右の吸気口64とエアクリーナ46とをそれぞれ接続する左右一対の吸気ダクト90と、それぞれ各吸気ダクト90の後半部90bから車幅方向の外側に膨出する左右一対のチャンバ91と、を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、自動二輪車に関する。
従来から、空気を取り入れる開口が形成されたフロントカウルと、ヘッドパイプの後方に配置されたエアクリーナと、フロントカウルの開口から取り入れた空気をエアクリーナに導く吸気ダクトと、この吸気ダクトの中途部に設けられたチャンバとを備えた自動二輪車が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、ダクト本体からエア流れ方向に直交する方向へ膨出すると共に、互いに対向する第1チャンバおよび第2チャンバが開示されている。
特開2002−48021号公報
しかし、特許文献1に記載された自動二輪車では、第1チャンバおよび第2チャンバが互いに対向しているため、これらチャンバがダクト本体から大きく膨出してしまう。また、第1チャンバおよび第2チャンバは、吸気ダクトの比較的前側の部分に設けられている。そのため、これらチャンバによって、フロントカウルの後方の空間が狭くなり、他の車両部品の配置が困難となる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フロントカウルの開口からエアクリーナに至る吸気通路の容積を増大させると共に、フロントカウルの後方空間の容積を確保し、他の車両部品の配置を容易にすることにある。
本発明に係る自動二輪車は、少なくとも一部がヘッドパイプの前方に配置され、空気を取り入れる左右一対の開口が形成されたフロントカウルと、前記ヘッドパイプの後方に配置されたエアクリーナと、前記フロントカウルの左右の開口と前記エアクリーナとをそれぞれ接続する左右一対の吸気ダクトと、それぞれ前記各吸気ダクトにおける前後方向の中間位置よりも後側の部分から、車幅方向の外側に膨出する左右一対のチャンバと、を備えたものである。
本発明によれば、フロントカウルの開口からエアクリーナに至る吸気通路の容積を増大させると共に、フロントカウルの後方空間の容積を確保し、他の車両部品の配置を容易にすることができる。
図1に示すように、実施形態に係る自動二輪車1は、いわゆるモーターサイクル型の自動二輪車である。自動二輪車1は、前輪2と、後輪3と、車体8と、パワーユニット30とを備えている。
前輪2はフロントフォーク23に支持されている。フロントフォーク23は車体8に支持されている。フロントフォーク23にはステアリング軸22が連結されている。ステアリング軸22は、ヘッドパイプ11に回転自在に支持されている。
車体8はメインフレーム10を備えている。メインフレーム10は、ヘッドパイプ11と、側面視においてヘッドパイプ11から後方斜め下向きに延びる傾斜フレーム部12と、傾斜フレーム部12から下方に向かって延びる下部フレーム部13とを有している。
下部フレーム部13には、揺動軸であるピボット軸28が設けられている。このピボット軸28には、リアアーム14が揺動可能に取り付けられている。すなわち、リアアーム14の前端部は、ピボット軸28を介してメインフレーム10に揺動可能に設けられている。リアアーム14の後端部には、後輪3が回転可能に支持されている。
パワーユニット30は、メインフレーム10に支持されている。パワーユニット30は、側面視において、傾斜フレーム部12の下方かつ下部フレーム部13の前方に配置されている。パワーユニット30は、図示しない水冷式のエンジン、クラッチ、変速装置等を収容するケーシング32と、ケーシング32から前方斜め上向きに延びるシリンダ33とを備えている。
側面視において、リアアーム14の上方には、シート部40が配置されている。シート部40は、ライダー9が着座するシート本体41と、メインフレーム10に支持されたリアフレーム42と、リアフレーム42の側方を覆うリアサイドカバー43とを有している。
下部フレーム部13の後方には、足載せ部としてのフートレスト45が配置されている。傾斜フレーム部12の上方かつシート本体41の前方には、燃料タンク5が設けられている。
車体8の前方かつ前輪2の上方には、フロントカウル61が設けられている。フロントカウル61は、ヘッドパイプ11の前方に配置されている。図2に示すように、フロントカウル61には、左右一対の開口62が形成されている。各開口62の内部には、ヘッドライト63が設けられている。また、開口62の内部には、空気を取り入れる吸気口64が形成されている。吸気口64は、車幅方向に関して、ヘッドライト63の中心よりも外側に形成されている。ただし、吸気口64の位置は特に限定される訳ではない。また、本実施形態では、同一の開口62内に吸気口64とヘッドライト63とが設けられているが、吸気口64はヘッドライト63用の開口と別個に形成されていてもよい。
自動二輪車1は、車体8に支持された左右一対のサイドカウル70を備えている。図2に示すように、サイドカウル70は、フロントカウル61の左右両側の下端部から下方に向かって配設されている。
図3に示すように、ヘッドパイプ11の後方には、エアクリーナ46が設けられている。エアクリーナ46は、左右の傾斜フレーム部12の間に配置されている。フロントカウル61の左右の吸気口64とエアクリーナ46とは、それぞれ左右の吸気ダクト90を介して接続されている。吸気ダクト90は、若干蛇行しながら全体として前後方向に延びており、前半部90aと後半部90bとを有している。
吸気ダクト90の後半部90bには、チャンバ91が設けられている。チャンバ91は、後半部90bから車幅方向の外側に膨出している。また、チャンバ91は、後半部90bよりも後方に延びている。言い換えると、チャンバ91の一部は、吸気ダクト90の後端よりも後方に配置されている。メインフレーム10の傾斜フレーム部12の側面には、孔18が形成されている。チャンバ91の後側部分の一部は、この孔18に挿入されている。チャンバ91は、車幅方向(図4の上下方向)に関して、傾斜フレーム部12とサイドカウル70との間に配置されている。なお、図示は省略するが、右側のチャンバ91も同様に、右側の傾斜フレーム部12と右側のサイドカウル70との間に配置されている。
図4の符号92は、吸気ダクト90の後半部90bに形成された孔であり、吸気ダクト90とチャンバ91とは、この孔92を通じてつながっている。図5に示すように、孔92は、吸気ダクト90の側面の一部から底面に渡って形成されている。このように孔92の一部が吸気ダクト90の底面側に形成されていることにより、側面に占める孔92の大きさを小さく抑えることができ、側方からの外観を向上させることができる。
ヘッドパイプ11およびフロントフォーク23の後方には、ラジエータ81が配置されている。ラジエータ81は、パワーユニット30のシリンダ33の前方に配置されている。図6に示すように、ラジエータ81の後側には、ファン82が取り付けられている。
図6に示すように、ラジエータ81の左端部には、ECU(Electric Control Unit)85が配置されている。このECU85は、自動二輪車1の各種制御を実行する制御ユニットである。図7に示すように、ラジエータ81の右端部には、ブラケット86を介してレギュレータ87が取り付けられている。なお、ラジエータ81に対するECU85およびレギュレータ87の取付位置は、逆であってもよい。つまり、ラジエータ81の右端部にECU85が配置され、ラジエータ81の左端部にレギュレータ87が配置されていてもよい。レギュレータ87は、その全体がラジエータ81よりも前側に位置している。そのため、ラジエータ81で加熱された熱風がレギュレータ81に吹きかかるおそれがない。レギュレータ81には、走行風のみが供給されることになる。このようにレギュレータ81の全体をラジエータ81よりも前側に配置することにより、レギュレータ81を効果的に冷却することができる。
図6に示すように、パワーユニット30の左側の側部には、ラジエータ81用の冷却水を蓄えるリザーバタンク88が取り付けられている(なお、図1ではリザーバタンク88の図示は省略している)。このようにリザーバタンク88をパワーユニット30に取り付けることにより、リザーバタンク88の組み付けが容易になる。なお、このリザーバタンク88は、サイドカウル70よりも後方に配置されている。
《実施形態の効果》
以上のように、本実施形態に係る自動二輪車1は、フロントカウル61の左右の吸気口64とエアクリーナ46とをそれぞれ接続する左右一対の吸気ダクト90と、吸気ダクト90の後半部90bから車幅方向の外側に膨出する左右一対のチャンバ91とを備えている。このように、吸気ダクト90に加えてチャンバ91を備えていることにより、吸気口64からエアクリーナ46に至るまでの吸気通路の容積を大きくすることができる。また、チャンバ91が吸気ダクト90の後半部90bに接続され、しかも車幅方向の外側に膨出しているので、フロントカウル61の後方空間の容積を十分に確保することができる。したがって、フロントカウル61の後方空間に車両部品を配置することが容易となる。
また、チャンバ91は、少なくとも一部が吸気ダクト90の後端よりも後方に位置するように、比較的後方に延長されている。これにより、吸気通路の容積を大きく保ちながら、フロントカウル61の後方に十分な大きさの空間を確保することが更に容易となる。
なお、左側のチャンバ91は、左側の傾斜フレーム部12と左側のサイドカウル70との間に配置され、右側のチャンバ91は、右側の傾斜フレーム部12と右側のサイドカウル70との間に配置されている。これにより、車幅方向外側に膨出する各チャンバ91を、各サイドカウル70で効果的に保護することができる。
また、本実施形態では、メインフレーム10の傾斜フレーム部12に孔18が形成され、チャンバ91の一部が孔18内に挿入されている。これにより、十分な容積を確保しつつ、チャンバ91の車幅方向の出っ張りを抑制することができる。
本実施形態によれば、フロントカウル61の後方の空間(なお、ここでいう後方の空間とは、フロントカウル61の真後ろの空間だけでなく、後方斜め下側の空間も含まれる)にラジエータ81が配置され、さらに、このラジエータ81の左端部にECU85が配置され、ラジエータ81の右端部にレギュレータ87が配置されている。すなわち、前述したように十分な大きさが確保されたフロントカウル61の後方空間に、ラジエータ81、ECU85、およびレギュレータ87が配置されている。これにより、フロントカウル61の後方空間を車両部品の設置スペースとして有効に利用することができ、車両部品をコンパクトに配置することが可能となる。また、レギュレータ81をラジエータ81よりも前側に配置することにより、ラジエータ81からの熱風に影響を受けることなく、レギュレータ81を効果的に冷却することができる。
以上のように、本発明は、自動二輪車について有用である。
実施形態に係る自動二輪車の側面図である。 実施形態に係る自動二輪車の正面図である。 吸気ダクトおよびチャンバを示す斜視図である。 吸気ダクトおよびチャンバを示す平面図である。 図4のV−V線断面図である。 ラジエータを示す左側面図である。 ラジエータを示す右側面図である。
符号の説明
1 自動二輪車
11 ヘッドパイプ
12 傾斜フレーム部(フレーム)
18 孔
23 フロントフォーク
30 パワーユニット
33 シリンダ
46 エアクリーナ
61 フロントカウル
64 吸気口(開口)
70 サイドカウル
81 ラジエータ
85 ECU(制御ユニット)
87 レギュレータ
90 吸気ダクト
91 チャンバ

Claims (6)

  1. 少なくとも一部がヘッドパイプの前方に配置され、空気を取り入れる左右一対の開口が形成されたフロントカウルと、
    前記ヘッドパイプの後方に配置されたエアクリーナと、
    前記フロントカウルの左右の開口と前記エアクリーナとをそれぞれ接続する左右一対の吸気ダクトと、
    それぞれ前記各吸気ダクトにおける前後方向の中間位置よりも後側の部分から、車幅方向の外側に膨出する左右一対のチャンバと、
    を備えた自動二輪車。
  2. 前記各チャンバの少なくとも一部は、前記各吸気ダクトの後端よりも後方に配置されている、
    請求項1に記載の自動二輪車。
  3. 側面視において、前記ヘッドパイプから後方斜め下向きに延びる左右一対のフレームと、
    それぞれ前記左右のフレームよりも車幅方向の外側に配置された左右一対のサイドカウルと、をさらに備え、
    前記左右のチャンバは、車幅方向に関して、前記左側のフレームと前記左側のサイドカウルとの間、前記右側のフレームと前記右側のサイドカウルとの間にそれぞれ配置されている、
    請求項1に記載の自動二輪車。
  4. 前記各フレームには、車幅方向に貫通する孔が形成され、
    前記各チャンバの一部は、前記孔に挿入されている、
    請求項1に記載の自動二輪車。
  5. 前記フロントカウルの後方に配置されたラジエータと、
    前記ラジエータの左端部または右端部に配置された制御ユニットと、
    前記ラジエータの左端部または右端部に配置されたレギュレータと、
    をさらに備えた請求項1に記載の自動二輪車。
  6. 前記制御ユニットおよび前記レギュレータのいずれか一方は前記ラジエータの左端部に配置され、他方は前記ラジエータの右端部に配置されている、
    請求項5に記載の自動二輪車。
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