JP2010058636A - 車両用シートのケーブル配索構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シートバック6のフレーム6F側面を伝うケーブル10を、ストッパ部材40の孔部44に挿通しつつ回動装置22を跨いでシートクッション4側に配索する構成とした。
【選択図】図2
Description
そこで特許文献1に開示の技術では、シートバック後面に配索されたケーブルを、シートクッションとの連結箇所(隙間)からシート内に導き入れる。そしてケーブルの余長部分をシート内に橋渡しされた軸部材に取付けることで、シートバック後傾時の弛みを解消することができる。
もっとも他の部材(例えば回動装置を覆うシールド部材)にケーブルを取付けて回動装置への噛み込みを防止することもできるが、そうするとケーブルの配索構造が複雑となり、取付け作業も面倒である。
本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、より簡単な構成によって、シート後傾時のケーブルの弛みを極力なくしつつ、ケーブルを適切な位置に配索することにある。
そして本発明では、シートバックのフレーム側面を伝うケーブルを、回動装置付近を通過させてシートクッション側に配索するのであるが、このときシート後傾時のケーブルの弛みや、ストッパ部材等への噛み込みに配慮すべきである。
このように本発明では、ストッパ部材によってケーブルを位置決めして支持させる構成(既存構成を兼用する構成)により、ケーブルの弛みをなくしつつストッパ部材等への噛み込みをより確実に防止することができる。
そして本発明によれば、ストッパ部材が回動装置回りを回転移動するとき、ケーブルをその回転移動に極力追従させないように、ケーブルに対してストッパ部材が相対的に回転移動する。このため回転移動するストッパ部材によって、ケーブルが強引に牽引されることを防止又は低減することができる。
本実施例の車両用シート2は、図1を参照して、シートクッション4のフレーム(クッションフレーム4F)と、シートバック6のフレーム(バックフレーム6F)と、後述のエアバック8を備える。
そしてクッションフレーム4F上部とバックフレーム6F下部は、正面視略矩形のブラケット7Fを介して連結されている。このブラケット7F下部を、リクライニング機構60(詳細は後述)を介してクッションフレーム4F上部に対して回動可能に連結することで、シートクッション4に対してシートバック6が傾倒可能となる。
この前倒し機構20により、シートバック6が、シートクッション4に対して起立する起立姿勢(図1の実線状態)と、前倒しされる前傾姿勢(図1の二点破線状態)との間で変位する構成である。
そこで本実施例では、後述するケーブル配索構造を採用することで、ケーブル10の弛みを解消するとともに、前倒し機構20への噛み込みを極力回避することとした。
本実施例のケーブル配索構造は、図1を参照して、被ストッパ部材(第一被ストッパ部24b及び第二被ストッパ部24f)と、ストッパ部材40と、このストッパ部材40に形成された孔部44を備える。
そして本実施例では、これら各部材が、前倒し機構20の構成要素となり、後述する第一回動装置22付近に配設されている。以下各構成について詳述する。
本実施例の前倒し機構20は、図2を参照して、ブラケット7F上部(シートクッション側のフレーム)とバックフレーム6F下部を連結する第一回動装置22(略円形状)と、レバー部材30を有する。このブラケット7Fの上部外形は、第一回動装置22の外周に沿う略半円状である。
そしてこのブラケット7F上部に設けた挿通孔16に対して、バックフレーム6F下部側面に突設した第一回動装置22の回動軸26を回転可能に挿通する。そして回動軸26に、シート後方に延びるレバー部材30(長尺な平板部材)を嵌装する。このレバー部材30をシート上下に揺り動かすことにより、前倒し機構20のロックが解除されてシートバック6が前倒し又は起立可能となる(図1を参照)。
そして上述のブラケット7F上部のシート前側に切欠き部24(略四半円弧状)を形成して、切欠き部24の形成範囲MRからバックフレーム6Fを露出させる。
本実施例では、この切欠き部24のシート後縁側(切欠き端)が第一被ストッパ部24bとなる。第一被ストッパ部24bは、回動軸26を通る鉛直線からシート後方に若干傾斜した位置に形成される。
また切欠き部24のシート前縁側(切欠き端)が第二被ストッパ部24fとなる。この第二被ストッパ部24fは、回動軸26を通る水平線から若干シート下方に傾斜した位置に形成される。
本実施例のストッパ部材40は、図2及び図3を参照して、縦断面視略クランク状の板部材である。このストッパ部材40は、バックフレーム6F側面から立設の基部片40bと、基部片40bから屈曲の上部片40uを備える。
本実施例では、ストッパ部材40の上部片40uを回動軸26に向けて屈曲する。そして基部片40bの突設寸法を調節して、第一回動装置22と上部片40uの間にケーブル10が通過可能なクリアランスを設けておく。
そしてシートバック6の前倒し動作に伴い、ストッパ部材40が第一回動装置22周りを回動移動して(形成範囲MR内を回動移動して)、切欠き部24の第二被ストッパ部24fに当接する。このストッパ部材40と第二被ストッパ部24fの当接により、シートバック6の前傾方向の回動動作を規制して前傾姿勢で保持する。
そしてストッパ部材40に、図3を参照して、ケーブル10を挿通可能な孔部44を設ける。この孔部44は、ストッパ部材40に設けた貫通孔であり、シートバック6が起立姿勢にあるときにシート上下に開口する。
本実施例の孔部44(縦長矩形状)は、その幅開口寸法W1よりも、長さ開口寸法W2が大きく(広く)設定されている。また孔部44の周縁は円弧状とされており、挿通状態のケーブル10との摩耗を生じにくい構成である。
そして本実施例では、この孔部44の各開口寸法(W1,W2)を、ケーブル10の径寸法φ3より大きく(広く)設定することで、孔部44に挿通されたケーブル10に対して、ストッパ部材40が相対移動可能となる構成とする。
図1及び図2を参照して、エアバック8から延びるケーブル10を、その上側でバックフレーム6F側面にクリップ止め(樹脂クリップ50)する。
そしてバックフレーム6Fを伝うケーブル10を、ストッパ部材40の孔部44に挿通したのち、第一回動装置22を跨がせてシートクッション4側に配索する。このときケーブル10とレバー部材30が極力干渉しないように、ケーブル10をシート前側から回動軸26に沿わして配索する。そしてケーブル10の下端側を、前倒し機構20下方からシートクッション4内に導き入れる。このように第一回動装置22付近のケーブル10を、既存構成であるストッパ部材40によって位置決めして支持する。
そしてストッパ部材40が第二被ストッパ部24fに当接して、シートバック6の回動を規制してシートバック6を前傾姿勢とする。このときケーブル10は、ストッパ部材40に位置決めされて支持されているため、ストッパ部材40と第二被ストッパ部24fの間に噛み込まれることがより確実に防止される。
またシートバック6を後傾させる際には、ケーブル10が極力弛まないよう、第一回動装置22周り(シートバック6の回動中心近傍)のストッパ部材40でケーブル10を支持する。そしてシートバック6を起立姿勢とするときも、ケーブル10が、ストッパ部材40に位置決めされて支持されているため、ストッパ部材40と第一被ストッパ部24bの間に噛み込まれることがより確実に防止される。
また本実施例の構造では、孔部44の寸法(W1,W2)を調節することにより、ケーブル10に対してストッパ部材40を相対移動可能とした。こうすることで、回転移動するストッパ部材40によって、ケーブル10が強引に牽引されること(ケーブル10に過度の負荷がかかること)を防止又は低減することができる。
(1)本実施例では、バックフレーム側面に配設される部材としてエアバック8を例示した。本実施例のケーブル配索構造は、バックフレーム側面に配設される各種の部材(例えばランバーサポート、パワーシートの操作部やスイッチ類等)のケーブルに適用可能である。
このケーブルとは、例えばワイヤハーネス、電線及びボーデンケーブルである。そしてケーブルは、例えばコルゲートチューブで被覆することが望ましく、そうすることで孔部内面との摩耗による破損を防止又は低減することができる。
また本実施例では、ケーブル10に対してストッパ部材40を相対移動可能とする構成(ケーブルに無理な負荷をかけない構成)を説明した。これとは異なり、ケーブルに無理な負荷がかからないならば、ケーブルを相対移動不能に支持する孔部(例えば幅開口寸法W1と長さ開口寸法W2の少なくとも一方が、ケーブルの径寸法φ3と同一設定(ゼロ隙間設定)の孔部)を用いてもよい。
(4)一方、被ストッパ部(被ストッパ部材)も、上述のストッパ部材と当接可能である限り、いかなる形状であってもよい。なお本実施例では、複数の被ストッパ部(24b,24f)を設ける例を説明したが、この被ストッパ部は単数であってもよい。
また本実施例では、ブラケット7Fと一体の被ストッパ部材(第一被ストッパ部24b,第二被ストッパ部24f)を例示したが、この被ストッパ部材は、ブラケット7Fとは異なる別部材で構成されていてもよい。
(6)また本実施例では、エアバック8から延びるケーブル10を、その上側でバックフレーム6F側面にクリップ止めする構成(樹脂クリップ50を用いる構成)を説明した。この樹脂クリップ50はケーブル10をより安定的に取付けるためのものであり、ストッパ部材40にてケーブル10を安定的に取付け可能であれば、樹脂クリップ50を適宜省略してもよい。
なお本実施例の構成は、樹脂クリップやワイヤハーネスブラケットなどの取付け部材を全く用いない趣旨ではない。すなわちケーブル配索構造の部品点数が極端に多くならない限り、これら取付け部材を適宜併用してもよい。
例えば本実施例のリクライニング機構60は、ブラケット7F下部とクッションフレーム4F上部を連結する第二回動装置(回動軸62のみ図示)と、第二レバー部材66を有する。そして第二回動装置(62)周りには、ブラケット7F下部(シートバック側のフレーム)と一体で回動する第二ストッパ部材64が配設されている。この第二ストッパ部材64に孔部を形成してケーブル10を挿通する構成とする。
(8)また本実施例の構成は、リクライニング機構60のみを備える(前倒し機構を備えない)車両用シートにも適用することができる。
この種の車両用シートでは、クッションフレームとバックフレームを直接連結する(ブラケットを省略する)こともある。この場合には、バックフレーム下部にストッパ部材を設けるとともに、クッションフレーム上部に被ストッパ部材を設ける構成とする。
4 シートクッション
4F クッションフレーム
6 シートバック
6F バックフレーム
7F ブラケット
8 エアバック
10 ケーブル
16 挿通孔
20 前倒し機構
22 第一回動装置
24 切欠き部
24b 第一被ストッパ部
24f 第二被ストッパ部
26 回動軸
30 レバー部材
40 ストッパ部材
40u 上部片
40b 基部片
44 孔部
60 リクライニング機構
62 回動軸
64 第二ストッパ部材
66 第二レバー部材
Claims (2)
- シートクッションに対してシートバックを起倒可能に連結する回動装置と、前記シートバック側のフレームに設けたストッパ部材と、前記シートクッション側のフレームに設けた被ストッパ部材を有して、前記シートバックの回動動作によって、前記ストッパ部材が、前記回動装置周りを回動して前記被ストッパ部材に当接することにより、前記シートバックを起立姿勢又は前傾姿勢で保持する車両用シートのケーブル配索構造において、
前記シートバックのフレーム側面を伝うケーブルを、前記ストッパ部材の孔部に挿通しつつ前記回動装置を跨いで前記シートクッション側に配索する構成とした車両用シートのケーブル配索構造。 - 前記ストッパ部材に設けた孔部の開口寸法を、前記ケーブルの径寸法よりも大きく設定することにより、前記ケーブルに対して前記ストッパ部材を相対移動可能とした請求項1に記載の車両用シートのケーブル配索構造。
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