JP2010057776A - 消火装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基端側を筐体内に配置し、該基端側を旋回軸として先端側が筐体開口部から出没するように旋回する旋回アーム管9と、旋回アーム管9の先端側に旋回アーム管9に対して旋回可能に取り付けられた放水管13と、旋回アーム管9及び放水管13に旋回力を与える単一のモータ21と、モータ21の駆動力を旋回アーム管9及び放水管13に伝達して旋回アーム管9と放水管13を逆方向に旋回させる旋回力伝達機構とを備えたことを特徴とする消火装置。
【選択図】 図1
Description
このような消火装置は、人が行き来する室内や駅構内等を監視領域とする場合が多く、そのため消火装置は通行人から見える壁面等に設置される。このような消火装置が稼動するのは火災が発生したとき(火災時)であり、火災が発生していないとき(通常時)においては待機状態にある。このように、稼動するときが限られたものであることから、稼動しないときには放水ノズル等が監視領域に露出しないようにすることが、監視領域を含む室内等の美観の観点から好ましい。
このように火災時のみ消火装置が露出するようにしたものにおいては、放水ノズルによる消火可能範囲を極力広げるために、この放水ノズルの回転中心になる旋回軸を、筐体の開口部と略同一平面上に配置するのが一般的であった。
しかしながら、放水ノズルの旋回軸を筐体の開口部と略同一平面上に配置した場合には、筐体における旋回軸の前面を覆う部分が他の部分よりも膨らむため、この部分が壁面よりも出っ張ってしまい、このことが美観の点から好ましくないという問題があった。
特許文献1の実施の形態を参照すると、第1の駆動手段としてはモータが例示されており、また、第2の駆動手段としては、モータ及び歯車等から構成される被駆動機構と第1の旋回軸と第2の旋回軸を連結する給水配管を兼ねた管体とから構成されるものが例示されている。
このように特許文献1のものは2軸構造にしたものの、この2軸をそれぞれ別の駆動装置で駆動するようにしているために種々の問題点を有している。
また、火災時には、旋回アーム管を旋回させて放水管を筐体開口部から突出させる動作をさせると同時に放水管を旋回アーム管の旋回方向とは逆方向に旋回させることができ、消火装置全体を壁面内の小さなスペースに収納しつつ、必要な範囲を全範囲に亘って走査できる。
さらに、駆動装置が単一であることから、装置全体の構造がシンプルであり、放水管側に駆動装置を搭載する必要がないことから、放水管側の重量を軽減でき、放水管の位置制御も容易である。
図1は本発明の一実施の形態に係る消火装置1の要部の説明図である。図1に示すように、本実施の形態の消火装置1は、図示しない筐体内に設置される給水管3と、給水管3に回転可能に設置された第1短管5と、第1短管5の上端に第1短管5と一体的に設けられた従動歯車7と、一端側が第1短管5の側面に連結されて第1短管5の回転に伴って旋回すると共に消火水の流路となる旋回アーム管9と、旋回アーム管9の他端側に第1短管5と平行になるように取り付けられた第2短管11と、第2短管11に回転可能に設置された放水管13と、放水管13に固定された従動スプロケット15と、放水管13の先端に設けられた放水ノズル17と、放水管13に設置された火源センサ19とを備えている。
また、本実施の形態の消火装置1においては、消火装置1を駆動するためのモータ21が筐体内に設置され、モータ21の回転軸23には従動歯車7に噛み合う駆動歯車25と、駆動スプロケット27が取り付けられている。そして、駆動スプロケット27と従動スプロケット15の間にはチェーン29が掛け回されている。
以下、消火装置1の各構成部材を詳細に説明すると共に各構成部材と本発明の構成要件との関係について説明する。
給水管3は筐体内に設置され、筐体外の給水管と連結されて所定の圧力の消火水を放水ノズル17側に供給する。
第1短管5は、立ち上げられた給水管3に回転可能に取り付けられている。図2は第1短管5と給水管3の接続構造の説明図である。図2に示すように、第1短管5はベアリング押さえ31によって給水管3と第1短管5の間に設置されたベアリング33を介して給水管3に回転可能に設置されている。また、給水管3と第1短管5との間にはシール用のOリング35が設置されている。
なお、第1短管5が本発明における旋回アーム管9の旋回軸に相当する。
旋回アーム管9は、その一端側が直立している第1短管5の側面に連結されて第1短管5の回転に伴って水平方向に旋回すると共に消火水の流路となるものである。旋回アーム管9の長さは筐体の大きさ等の消火装置1設置状況に応じて適宜設定する。
旋回アーム管9は、本発明の旋回アーム管に相当する。
第2短管11は、旋回アーム管9の他端側に第1短管5と平行になるように取り付けられて、放水管13を回転可能に支持するものである。したがって、直立している第2短管11の側面に旋回アーム管9の他端側が連結される。
第2短管11は旋回アーム管9と連通して消火水の流路となる。
放水管13は、その一端側が第2短管11に水平方向に回転可能に取り付けられ、他端である先端には放水ノズル17が設置されている。放水管13は全体がく字状に屈曲しており、放水管13には火源センサ19が取り付けられている。
図3は放水管13と第2短管11の接続構造の説明図である。放水管13と第2短管11の接続構造は図2に示した給水管3と第1短管5の接続構造と同様であり、図3に示すように、放水管13はベアリング押さえ31によって放水管13と第2短管11の間に設置されたベアリング33を介して第2短管11に回転可能に設置されている。また、放水管13と第2短管11との間にはシール用のOリング35が設置されている。
放水管13には従動スプロケット15が固定されており、チェーン29を介して従動スプロケット15に伝達される回転力によって放水管13が旋回する。
なお、放水管13は本発明の放水管に相当する。
放水ノズル17は放水管13の先端に設置され、消火水を所定の範囲まで飛ばすものである。放水ノズル17は本発明の放水ノズルに相当する。
モータ21は消火装置1を回転駆動するための駆動装置であり、本発明の駆動装置に相当する。
従動歯車7は第1短管5に、駆動歯車25はモータ21の回転軸23にそれぞれ取り付けられており、これらが噛み合うことでモータ21の回転力が第1短管5に伝達される。従動歯車7と駆動歯車25はそれぞれ平歯車からなり、これらが直接噛み合っているためモータ21の回転軸23の回転方向と逆方向の回転力が第1短管5に伝達される。
駆動スプロケット27は従動歯車7と同様にモータ21の回転軸23に取り付けられており、チェーン29を介してモータ21の回転力を従動スプロケット15に伝達する。駆動スプロケット27と従動スプロケット15はチェーン29を介して回転力が伝達されるので、モータ21の回転軸23の回転方向と同一方向の回転力が従動スプロケット15に伝達される。
このように、第1短管5はモータ21の回転軸23と逆回転となり、従動スプロケット15はモータ21の回転軸23と同方向回転となるので、第1短管5と従動スプロケット15は逆回転となる。
また、駆動スプロケット27と従動スプロケット15の歯車比をR:Sに設定すると、モータ21の回転軸23の回転角度と従動スプロケット15の回転角度の比はS:Rとなる。
したがって、第1短管5と従動スプロケット15の回転角度の比は(SP/R):Qとなる。本例では、第1短管5と従動スプロケット15の回転角度の比を1:5に設定している。
図4〜図7は動作を説明する動作説明図であり、壁面37内に設置された筐体39内に設置された消火装置1を平面視した状態を模式的に示している。図4〜図7に付した各部の符号は図1に付したものに対応している。
以下の説明は、火災が発生していない通常時において消火装置1が筐体内に格納されている格納状態から、図示しない火災報知設備からの信号を受信して火源探査を行い、放水動作を行なうまでの一連の動作を順次説明するものである。
格納状態においては、図4に示すように、第1短管5が筐体39の奥側の図中右端に配置され、放水管13が筐体39の手前側の図中左端に配置されている。そして、旋回アーム管9が筐体39の対角線に沿うように配置され、放水ノズル17が平面視で旋回アーム管9に重なるように配置されている。
また、筐体39の扉41の一部が放水管13の一部に壁面37と面一になるように取り付けられており、放水管13の回動に連動して回動し、筐体39の開口部を開閉するようになっている。
なお、図4に示す旋回アーム管9と筐体右側壁との成す角度は58°となっている。この格納状態における旋回アーム管9と筐体右側壁との成す角度が旋回アーム管9の旋回できる最大角度となるが、これは消火装置1を設置する場所等によって決まる筐体39の形状等に応じて適宜設定できるものである。
なお、火源センサ19は図示を省略している。
図示しない火災報知設備からの信号が消火装置1の制御部に入力されると、制御部からの信号に基づき、モータ21が駆動する。
モータ21が駆動すると、その回転力が駆動歯車25、従動歯車7を介して第1短管5に伝達され、第1短管5が図中反時計回り方向に回動する。第1短管5が反時計回り方向に回動すると、第1短管5に連結された旋回アーム管9が反時計方向に旋回する。
他方、モータ21の回転力は駆動スプロケット27、チェーン29、従動スプロケット15を介して放水管13に伝達され、放水管13が時計方向に旋回する。
このように、旋回アーム管9が反時計方向に旋回すると共に放水管13が時計方向に旋回し、放水管13に設けられた火源センサ19が壁面37から突出して火源センサ19の死角がなくなる位置にきたときに火源センサ19による探査を開始する。
火源探査は、図6に示すように、旋回アーム管9を反時計回り方向にさらに旋回させると共に放水管13を時計回り方向に旋回させて行なう。このとき、旋回アーム管9の旋回方向と放水管13の旋回方向が逆方向であるため、図6に示すように、旋回アーム管9が旋回して旋回アーム管9の先端側が図中右方向に移動すると、放水管13は逆に図中左方向に旋回し、両者が逆方向の動きをすることにより放水ノズル17の通過する領域が狭くなるようになっている。
火源探査は、火源センサ19が壁面前方の全範囲、本例では図5に示す状態から火源センサ19が180°走査した時に終了とする(図7参照)。
ここで、図5に示す状態から火源センサ19が壁面前方を180°旋回するためには、放水管13が旋回アーム管9に対して何度回動しなければならないかについて考察する。
仮に、放水管13が旋回しないとすれば、旋回アーム管9が反時計回りにα°旋回したとき旋回アーム管9に設置された放水管13は反時計回り方向にα°旋回することになる。つまり、放水管13は自身が旋回しないとすれば旋回アーム管9の旋回角度分だけ反時計回りに回動することになる。
したがって、図5に示す状態から、旋回アーム管9がα°旋回したときに火源センサ19が壁面前方を180°旋回するためには、火源センサ19は壁面37に対する時計回り方向への旋回角度である180°に加えて旋回アーム管9によって反時計方向へ回動するα°分を加えた角度、すなわち時計回り方向に180°+α°旋回する必要がある。
α°は、180°+α°=5α°の関係式から求めることができ、α=45°となる。つまり、図5に示す状態から旋回アーム管9が45°反時計回り方向に旋回したときに火源センサ19が壁面前方を180°旋回し、全範囲を走査することになる。このとき、旋回アーム管9は、図4の格納状態から53°旋回し、放水管13は旋回アーム管9に対して265°旋回することになる。
火源センサ19によって火源の位置が検出されると、モータ21を逆回転させることによって第1短管5及び放水ノズル17を図7に示す状態から逆方向に旋回させ、検出された火源位置へ放水ノズル17を指向させて、放水を行なう。
また、本実施の形態においては、旋回アーム管9と放水管13を1個のモータ21で駆動するようにしたので、駆動装置としてもモータが複数必要であった従来例に比較して構造が単純化され部品点数も少なくなる。
さらに、本実施の形態においては、駆動装置としてのモータ21が1個であることから、旋回アーム管9の先端部に別の駆動装置が搭載される従来例に比較して、旋回アーム管9の重量が軽減され旋回アーム管9の位置制御も容易になる。
この点、特許文献1に記載されたものでは、放水ノズルの近傍には放水ノズルを旋回させるモータ等を設置する必要があることから扉を放水ノズルに直接設けることができない。そのため扉を放水ノズルの旋回領域の外側に設置しなければならず無駄なスペースが生じている。
例えば、筐体39の幅が狭くならざるを得ないような場合には旋回アーム管9が旋回できる最大角度が小さくなるので、この小さい旋回角度でも火源センサ19が監視領域の全範囲を探査可能にするには第1短管5と従動スプロケット15の回転角度比を大きくする必要がある。
以下、この点を図9に基づいて説明する。
この火源探査開始位置において、旋回アーム管9が回動可能角度はα°である。したがって、旋回アーム管9がα°回転するまでに、放水ノズル17及び火源センサ19が全範囲(壁面180度範囲)走査できる必要がある。そのように考えると、第1短管5と従動スプロケット15の回転角度比を1:Pとすれば、この回転角度比が1:P=α:(180°+α)となるときに、旋回アーム管9が最大可動(α°可動)したとき、放水ノズル17及び火源センサ19が全範囲を走査することになる(図9(a)参照)。このときの回転角度比は、P=(180+α)/αとなる。
この場合には、図9(a)に示すように、放水ノズル17及び火源センサ19の平面視における旋回範囲は筐体39の開口部の範囲内にある。
したがって、P=(180+α)/αとなるときが、放水ノズル17及び火源センサ19の平面視における旋回範囲を最も小さくできるので好ましい。
そこで、放水時には放水反力によって第1短管5が回転しないようにストッパ装置を設けるのが好ましい。ストッパ装置の例としては、モータ21の動力によるブレーキであってもよいし、放水時に従動歯車7に噛み合う固定歯車を設けるようにしてもよい。
実施の形態1においては放水反力によって第1短管5が回転する可能性があるため、別途ストッパ装置を設ける必要がある場合がある。
そこで、本実施の形態では、別途ストッパ装置を設けることなく、放水反力によっても第1短管5が回転しない機構の消火装置を提供するものである。
本実施の形態の消火装置51は、本発明における第1旋回力伝達機構をモータ21の回転軸23に設置したウォームギア53と第1短管5に設置したウォームホイール55によって構成し、第2旋回力伝達機構をモータ21の回転軸23の延長軸57に設けた駆動傘歯車59と、第2短管11に設けられて駆動傘歯車59に噛み合う従動傘歯車61によって構成したものである。
モータ21を駆動することによって、旋回アーム管9と放水管13が逆方向に旋回する点は実施の形態と同様である。
なお、図12に示すように、従動傘歯車61を回転させるような外力、例えば従動傘歯車61と共に回動する扉41を回転させるような外力を作用させた場合には、従動傘歯車61の回転に伴ってウォームギア53が回転するので、ロックがかからず扉41を回転させることができる。
3 給水管
5 第1短管
7 従動歯車
9 旋回アーム管
11 第2短管
13 放水管
15 従動スプロケット
17 放水ノズル
19 火源センサ
21 モータ
23 回転軸
25 駆動歯車
27 駆動スプロケット
29 チェーン
31 ベアリング押さえ
33 ベアリング
35 Oリング
37 壁面
39 筐体
41 扉
51 消火装置(実施の形態2)
53 ウォームギア
55 ウォームホイール
57 延長軸
59 駆動傘歯車
61 従動傘歯車
Claims (5)
- 基端側を筐体内に配置し、該基端側を旋回軸として先端側が筐体開口部から出没するように旋回する旋回アーム管と、該旋回アーム管の先端側に該旋回アーム管に対して旋回可能に取り付けられた放水管と、前記旋回アーム管及び前記放水管に旋回力を与える単一の駆動装置と、該駆動装置の駆動力を前記旋回アーム管及び前記放水管に伝達して前記旋回アーム管と前記放水管を逆方向に旋回させる旋回力伝達機構とを備えたことを特徴とする消火装置。
- 旋回力伝達機構は、駆動装置の駆動力を旋回アーム管に伝達する第1旋回力伝達機構と、駆動装置の駆動力を放水管に伝達する第2旋回力伝達機構とを備えてなり、前記第1旋回力伝達機構は歯車伝動機構であり、前記第2旋回力伝達機構は巻掛伝動機構または歯車伝動機構であることを特徴とする請求項1記載の消火装置。
- 放水管から放水したときの放水反力を受けたときに旋回アーム管が旋回するのを防止するストッパ装置を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の消火装置。
- 第1旋回力伝達機構を駆動装置の回転軸に設置したウォームギアと旋回アーム管の旋回軸側に設置したウォームホイールによって構成し、第2旋回力伝達機構をロック作用のない歯車伝動機構または巻掛伝動機構によって構成したことを特徴とする請求項2記載の消火装置。
- 旋回アーム管が旋回できる最大旋回角度をα、第1旋回力伝達機構と第2旋回力伝達機構の旋回角度比を1:Pとしたときに、P≧(180+α)/αに設定したことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の消火装置。
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2008
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