JP2010057776A - 消火装置 - Google Patents

消火装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010057776A
JP2010057776A JP2008227755A JP2008227755A JP2010057776A JP 2010057776 A JP2010057776 A JP 2010057776A JP 2008227755 A JP2008227755 A JP 2008227755A JP 2008227755 A JP2008227755 A JP 2008227755A JP 2010057776 A JP2010057776 A JP 2010057776A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water discharge
turning
transmission mechanism
pipe
fire extinguishing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008227755A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4972059B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Yokota
博之 横田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nohmi Bosai Ltd
Original Assignee
Nohmi Bosai Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nohmi Bosai Ltd filed Critical Nohmi Bosai Ltd
Priority to JP2008227755A priority Critical patent/JP4972059B2/ja
Publication of JP2010057776A publication Critical patent/JP2010057776A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4972059B2 publication Critical patent/JP4972059B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fire-Extinguishing By Fire Departments, And Fire-Extinguishing Equipment And Control Thereof (AREA)

Abstract

【課題】意匠性に優れる構造にできると共に構造がシンプルで位置制御も容易である消火装置を提供する。
【解決手段】基端側を筐体内に配置し、該基端側を旋回軸として先端側が筐体開口部から出没するように旋回する旋回アーム管9と、旋回アーム管9の先端側に旋回アーム管9に対して旋回可能に取り付けられた放水管13と、旋回アーム管9及び放水管13に旋回力を与える単一のモータ21と、モータ21の駆動力を旋回アーム管9及び放水管13に伝達して旋回アーム管9と放水管13を逆方向に旋回させる旋回力伝達機構とを備えたことを特徴とする消火装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、監視領域において発生した火災に対して放水ノズルを旋回させ、火源に放水ノズルを指向させて放水ノズルから水や消火剤等を放出して消火する消火装置に関する。
建築物における室内等を監視領域とし、この監視領域において火災が発生した場合に、この火災に放水ノズルから水や消火剤等を放出することによって発生した火災を消火する消火装置がある。
このような消火装置は、人が行き来する室内や駅構内等を監視領域とする場合が多く、そのため消火装置は通行人から見える壁面等に設置される。このような消火装置が稼動するのは火災が発生したとき(火災時)であり、火災が発生していないとき(通常時)においては待機状態にある。このように、稼動するときが限られたものであることから、稼動しないときには放水ノズル等が監視領域に露出しないようにすることが、監視領域を含む室内等の美観の観点から好ましい。
そこで、壁に埋設設置された筐体内に消火装置を設置し、通常時には筐体のカバー体だけが見えて内部の装置が見えないようにしておき、火災が検出されたときに所定の旋回軸と共にカバー体を回動させ、放水ノズル等の消火装置を露出させて消火動作を行なわせるという意匠性に配慮した消火装置が提案されている。
このように火災時のみ消火装置が露出するようにしたものにおいては、放水ノズルによる消火可能範囲を極力広げるために、この放水ノズルの回転中心になる旋回軸を、筐体の開口部と略同一平面上に配置するのが一般的であった。
しかしながら、放水ノズルの旋回軸を筐体の開口部と略同一平面上に配置した場合には、筐体における旋回軸の前面を覆う部分が他の部分よりも膨らむため、この部分が壁面よりも出っ張ってしまい、このことが美観の点から好ましくないという問題があった。
そこで、筐体の一部が突出するということがないようにさらなる工夫をしたものとして、第1の旋回軸を中心に消火ノズル(放水ノズルに相当する)を旋回させる第1の駆動手段と、第1の旋回軸に略平行である第2の旋回軸と、通常時には、格納位置へ前記消火ノズル及び前記第1の旋回軸を移動させ、火災時には、消火位置へ前記消火ノズル及び前記第1の旋回軸を移動させる第2の駆動手段とを備え、前記第2の駆動手段は、前記格納位置から前記消火位置へ、前記第2の旋回軸を中心に前記消火ノズル及び前記第1の旋回軸を旋回させることを特徴とする火災消火装置が提案されている(特許文献1の請求項4参照)。
特許文献1に開示された火災消火装置は、第1の旋回軸、第2の旋回軸という2軸構造にすることにより、消火ノズルが設置された第1の旋回軸を筐体の奥側に収納できるようにし、通常時において火災消火装置を覆うカバーを壁面と面一にして意匠性を向上したものである。
特開2006−223378号公報(請求項4、図8、図9参照)
特許文献1に開示された火災消火装置は第1の旋回軸と第2の旋回軸を駆動する駆動手段としてそれぞれ第1の駆動手段、第2の駆動手段を必要としている。
特許文献1の実施の形態を参照すると、第1の駆動手段としてはモータが例示されており、また、第2の駆動手段としては、モータ及び歯車等から構成される被駆動機構と第1の旋回軸と第2の旋回軸を連結する給水配管を兼ねた管体とから構成されるものが例示されている。
第2の駆動手段を構成するモータは第2の駆動手段を構成する管体を旋回させるが、管体の先端には第1の旋回軸が設けられており、さらに第1の旋回軸にはこれを駆動する第1の駆動手段(モータ等)が搭載されて複雑な構造の部品が集中している。そのため、第2の駆動手段を構成するモータが旋回させなければならない構造物の重量が大きくなっており、第2の駆動手段を構成するモータには大きな負荷がかかる。そして、重量が大きいために慣性力が大きくなり位置制御も難しくなる。さらに、増加した重量に耐える構造にするために、旋回に利用する歯車等の部品も、頑丈なものにする必要があり、コストも掛かる。
このように特許文献1のものは2軸構造にしたものの、この2軸をそれぞれ別の駆動装置で駆動するようにしているために種々の問題点を有している。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、意匠性に優れた構造にすることが可能であると共に構造がシンプルで放水管の位置制御も容易である消火装置を提供することを目的としている。
(1)本発明に係る消火装置は、基端側を筐体内に配置し、該基端側を旋回軸として先端側が筐体開口部から出没するように旋回する旋回アーム管と、該旋回アーム管の先端側に該旋回アーム管に対して旋回可能に取り付けられた放水管と、前記旋回アーム管及び前記放水管に旋回力を与える単一の駆動装置と、該駆動装置の駆動力を前記旋回アーム管及び前記放水管に伝達して前記旋回アーム管と前記放水管を逆方向に旋回させる旋回力伝達機構とを備えたことを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、旋回力伝達機構は、駆動装置の駆動力を旋回アーム管に伝達する第1旋回力伝達機構と、駆動装置の駆動力を放水管に伝達する第2旋回力伝達機構とを備えてなり、前記第1旋回力伝達機構は歯車伝動機構であり、前記第2旋回力伝達機構は巻掛伝動機構または歯車伝動機構であることを特徴とするものである。
(3)また、上記(1)又は(2)に記載のものにおいて、放水管から放水したときの放水反力を受けたときに旋回アーム管が旋回するのを防止するストッパ装置を設けたことを特徴とするものである。
(4)また、上記(2)に記載のものにおいて、第1旋回力伝達機構を駆動装置の回転軸に設置したウォームギアと旋回アーム管の旋回軸側に設置したウォームホイールによって構成し、第2旋回力伝達機構をロック作用のない歯車伝動機構または巻掛伝動機構によって構成したことを特徴とするものである。
(5)また、上記(2)〜(4)に記載のものにおいて、旋回アーム管が旋回できる最大旋回角度をα、第1旋回力伝達機構と第2旋回力伝達機構の旋回角度比を1:Pとしたときに、P≧(180+α)/αに設定したことを特徴とするものである。
本発明においては、基端側を筐体内に配置し、該基端側を旋回軸として先端側が筐体開口部から出没するように旋回する旋回アーム管と、該旋回アーム管の先端側に該旋回アーム管に対して旋回可能に取り付けられた放水管と、前記旋回アーム管及び前記放水管に旋回力を与える単一の駆動装置と、該駆動装置の駆動力を前記旋回アーム管及び前記放水管に伝達して前記旋回アーム管と前記放水管を逆方向に旋回させる旋回力伝達機構とを備えたことにより、放水管の旋回軸を筐体の奥側に収納可能となり、通常時において火災消火装置を覆うカバーを壁面と面一にすることができ、意匠性を向上することができる。
また、火災時には、旋回アーム管を旋回させて放水管を筐体開口部から突出させる動作をさせると同時に放水管を旋回アーム管の旋回方向とは逆方向に旋回させることができ、消火装置全体を壁面内の小さなスペースに収納しつつ、必要な範囲を全範囲に亘って走査できる。
さらに、駆動装置が単一であることから、装置全体の構造がシンプルであり、放水管側に駆動装置を搭載する必要がないことから、放水管側の重量を軽減でき、放水管の位置制御も容易である。
[実施の形態1]
図1は本発明の一実施の形態に係る消火装置1の要部の説明図である。図1に示すように、本実施の形態の消火装置1は、図示しない筐体内に設置される給水管3と、給水管3に回転可能に設置された第1短管5と、第1短管5の上端に第1短管5と一体的に設けられた従動歯車7と、一端側が第1短管5の側面に連結されて第1短管5の回転に伴って旋回すると共に消火水の流路となる旋回アーム管9と、旋回アーム管9の他端側に第1短管5と平行になるように取り付けられた第2短管11と、第2短管11に回転可能に設置された放水管13と、放水管13に固定された従動スプロケット15と、放水管13の先端に設けられた放水ノズル17と、放水管13に設置された火源センサ19とを備えている。
また、本実施の形態の消火装置1においては、消火装置1を駆動するためのモータ21が筐体内に設置され、モータ21の回転軸23には従動歯車7に噛み合う駆動歯車25と、駆動スプロケット27が取り付けられている。そして、駆動スプロケット27と従動スプロケット15の間にはチェーン29が掛け回されている。
以下、消火装置1の各構成部材を詳細に説明すると共に各構成部材と本発明の構成要件との関係について説明する。
<給水管>
給水管3は筐体内に設置され、筐体外の給水管と連結されて所定の圧力の消火水を放水ノズル17側に供給する。
<第1短管(第1旋回軸部材)>
第1短管5は、立ち上げられた給水管3に回転可能に取り付けられている。図2は第1短管5と給水管3の接続構造の説明図である。図2に示すように、第1短管5はベアリング押さえ31によって給水管3と第1短管5の間に設置されたベアリング33を介して給水管3に回転可能に設置されている。また、給水管3と第1短管5との間にはシール用のOリング35が設置されている。
なお、第1短管5が本発明における旋回アーム管9の旋回軸に相当する。
<旋回アーム管>
旋回アーム管9は、その一端側が直立している第1短管5の側面に連結されて第1短管5の回転に伴って水平方向に旋回すると共に消火水の流路となるものである。旋回アーム管9の長さは筐体の大きさ等の消火装置1設置状況に応じて適宜設定する。
旋回アーム管9は、本発明の旋回アーム管に相当する。
<第2短管>
第2短管11は、旋回アーム管9の他端側に第1短管5と平行になるように取り付けられて、放水管13を回転可能に支持するものである。したがって、直立している第2短管11の側面に旋回アーム管9の他端側が連結される。
第2短管11は旋回アーム管9と連通して消火水の流路となる。
<放水管>
放水管13は、その一端側が第2短管11に水平方向に回転可能に取り付けられ、他端である先端には放水ノズル17が設置されている。放水管13は全体がく字状に屈曲しており、放水管13には火源センサ19が取り付けられている。
図3は放水管13と第2短管11の接続構造の説明図である。放水管13と第2短管11の接続構造は図2に示した給水管3と第1短管5の接続構造と同様であり、図3に示すように、放水管13はベアリング押さえ31によって放水管13と第2短管11の間に設置されたベアリング33を介して第2短管11に回転可能に設置されている。また、放水管13と第2短管11との間にはシール用のOリング35が設置されている。
放水管13には従動スプロケット15が固定されており、チェーン29を介して従動スプロケット15に伝達される回転力によって放水管13が旋回する。
なお、放水管13は本発明の放水管に相当する。
<放水ノズル>
放水ノズル17は放水管13の先端に設置され、消火水を所定の範囲まで飛ばすものである。放水ノズル17は本発明の放水ノズルに相当する。
<モータ>
モータ21は消火装置1を回転駆動するための駆動装置であり、本発明の駆動装置に相当する。
<駆動歯車、従動歯車、駆動スプロケット、従動スプロケット、チェーン>
従動歯車7は第1短管5に、駆動歯車25はモータ21の回転軸23にそれぞれ取り付けられており、これらが噛み合うことでモータ21の回転力が第1短管5に伝達される。従動歯車7と駆動歯車25はそれぞれ平歯車からなり、これらが直接噛み合っているためモータ21の回転軸23の回転方向と逆方向の回転力が第1短管5に伝達される。
駆動スプロケット27は従動歯車7と同様にモータ21の回転軸23に取り付けられており、チェーン29を介してモータ21の回転力を従動スプロケット15に伝達する。駆動スプロケット27と従動スプロケット15はチェーン29を介して回転力が伝達されるので、モータ21の回転軸23の回転方向と同一方向の回転力が従動スプロケット15に伝達される。
このように、第1短管5はモータ21の回転軸23と逆回転となり、従動スプロケット15はモータ21の回転軸23と同方向回転となるので、第1短管5と従動スプロケット15は逆回転となる。
従動歯車7と駆動歯車25の歯車比は、例えばP:Qに設定する。この場合、モータ21の回転軸23の回転角度と第1短管5の回転角度の比はQ:Pとなる。
また、駆動スプロケット27と従動スプロケット15の歯車比をR:Sに設定すると、モータ21の回転軸23の回転角度と従動スプロケット15の回転角度の比はS:Rとなる。
したがって、第1短管5と従動スプロケット15の回転角度の比は(SP/R):Qとなる。本例では、第1短管5と従動スプロケット15の回転角度の比を1:5に設定している。
なお、従動歯車7と駆動歯車25は本発明の第1旋回力伝達機構に相当し、駆動スプロケット27、従動スプロケット15及びチェーン29は本発明の第2旋回力伝達機構に相当する。また、従動歯車7と駆動歯車25、駆動スプロケット27、従動スプロケット15及びチェーン29は本発明の旋回力伝達機構に相当する。
次に、上記のように構成された本実施の形態の動作を説明する。
図4〜図7は動作を説明する動作説明図であり、壁面37内に設置された筐体39内に設置された消火装置1を平面視した状態を模式的に示している。図4〜図7に付した各部の符号は図1に付したものに対応している。
以下の説明は、火災が発生していない通常時において消火装置1が筐体内に格納されている格納状態から、図示しない火災報知設備からの信号を受信して火源探査を行い、放水動作を行なうまでの一連の動作を順次説明するものである。
(1)格納状態
格納状態においては、図4に示すように、第1短管5が筐体39の奥側の図中右端に配置され、放水管13が筐体39の手前側の図中左端に配置されている。そして、旋回アーム管9が筐体39の対角線に沿うように配置され、放水ノズル17が平面視で旋回アーム管9に重なるように配置されている。
また、筐体39の扉41の一部が放水管13の一部に壁面37と面一になるように取り付けられており、放水管13の回動に連動して回動し、筐体39の開口部を開閉するようになっている。
なお、図4に示す旋回アーム管9と筐体右側壁との成す角度は58°となっている。この格納状態における旋回アーム管9と筐体右側壁との成す角度が旋回アーム管9の旋回できる最大角度となるが、これは消火装置1を設置する場所等によって決まる筐体39の形状等に応じて適宜設定できるものである。
なお、火源センサ19は図示を省略している。
(2)火源探査開始位置
図示しない火災報知設備からの信号が消火装置1の制御部に入力されると、制御部からの信号に基づき、モータ21が駆動する。
モータ21が駆動すると、その回転力が駆動歯車25、従動歯車7を介して第1短管5に伝達され、第1短管5が図中反時計回り方向に回動する。第1短管5が反時計回り方向に回動すると、第1短管5に連結された旋回アーム管9が反時計方向に旋回する。
他方、モータ21の回転力は駆動スプロケット27、チェーン29、従動スプロケット15を介して放水管13に伝達され、放水管13が時計方向に旋回する。
このように、旋回アーム管9が反時計方向に旋回すると共に放水管13が時計方向に旋回し、放水管13に設けられた火源センサ19が壁面37から突出して火源センサ19の死角がなくなる位置にきたときに火源センサ19による探査を開始する。
例えば、図5に示すように、第1短管5が格納状態から8°回動し、同様に旋回アーム管9も8°旋回し、この旋回アーム管9の旋回により放水管13が筐体39の開口側に押出され、旋回アーム管9の先端に設置された放水管13が壁面37から突出したとする。このとき、第1短管5と従動スプロケット15の回転角度比が1:5に設定されているので、放水管13は旋回アーム管9に対して時計方向に40°旋回することになる。この状態では、放水管13は、筐体内側面に対しては32°回動することになり、図5に示すように、壁面37と平行になるので、放水管13に設置された火源センサ19が壁面37から突出し、かつ放水管13が壁面37と平行になっていれば死角がない状態となり得るので、この位置を火源探査の初期位置とすることができる。
(3)火源探査中
火源探査は、図6に示すように、旋回アーム管9を反時計回り方向にさらに旋回させると共に放水管13を時計回り方向に旋回させて行なう。このとき、旋回アーム管9の旋回方向と放水管13の旋回方向が逆方向であるため、図6に示すように、旋回アーム管9が旋回して旋回アーム管9の先端側が図中右方向に移動すると、放水管13は逆に図中左方向に旋回し、両者が逆方向の動きをすることにより放水ノズル17の通過する領域が狭くなるようになっている。
(4)火源探査終了位置
火源探査は、火源センサ19が壁面前方の全範囲、本例では図5に示す状態から火源センサ19が180°走査した時に終了とする(図7参照)。
ここで、図5に示す状態から火源センサ19が壁面前方を180°旋回するためには、放水管13が旋回アーム管9に対して何度回動しなければならないかについて考察する。
仮に、放水管13が旋回しないとすれば、旋回アーム管9が反時計回りにα°旋回したとき旋回アーム管9に設置された放水管13は反時計回り方向にα°旋回することになる。つまり、放水管13は自身が旋回しないとすれば旋回アーム管9の旋回角度分だけ反時計回りに回動することになる。
したがって、図5に示す状態から、旋回アーム管9がα°旋回したときに火源センサ19が壁面前方を180°旋回するためには、火源センサ19は壁面37に対する時計回り方向への旋回角度である180°に加えて旋回アーム管9によって反時計方向へ回動するα°分を加えた角度、すなわち時計回り方向に180°+α°旋回する必要がある。
α°は、180°+α°=5α°の関係式から求めることができ、α=45°となる。つまり、図5に示す状態から旋回アーム管9が45°反時計回り方向に旋回したときに火源センサ19が壁面前方を180°旋回し、全範囲を走査することになる。このとき、旋回アーム管9は、図4の格納状態から53°旋回し、放水管13は旋回アーム管9に対して265°旋回することになる。
(5)放水位置
火源センサ19によって火源の位置が検出されると、モータ21を逆回転させることによって第1短管5及び放水ノズル17を図7に示す状態から逆方向に旋回させ、検出された火源位置へ放水ノズル17を指向させて、放水を行なう。
以上のように、本実施の形態においては、旋回アーム管9の先端側に放水管13を旋回可能に設置し、旋回アーム管9と放水管13が逆方向に旋回するようにしたので、旋回アーム管9を旋回させて放水管13を壁面37から突出させる動作をさせると同時に放水管13を旋回アーム管9の旋回方向とは逆方向に旋回させることができ、消火装置1全体を壁面内の小さなスペースに収納しつつ、必要な範囲を全範囲に亘って走査できる。
また、本実施の形態においては、旋回アーム管9と放水管13を1個のモータ21で駆動するようにしたので、駆動装置としてもモータが複数必要であった従来例に比較して構造が単純化され部品点数も少なくなる。
さらに、本実施の形態においては、駆動装置としてのモータ21が1個であることから、旋回アーム管9の先端部に別の駆動装置が搭載される従来例に比較して、旋回アーム管9の重量が軽減され旋回アーム管9の位置制御も容易になる。
また、本実施の形態においては、収納状態において第1短管5を筐体内の奥側の片隅に配置し、旋回アーム管9を筐体39の対角線に沿うように配置したので、図8(a)に示す先行文献1の例に比較して放水管13の旋回領域の最大長さを小さくすることができ(図8(b)参照)、装置全体を小型化できる。
また、本実施の形態においては、放水管13に筐体39の扉41を取り付けて放水管13の回動に伴って扉が開閉するようにしているので、無駄なスペースが発生せずに装置全体をコンパクトにできる。
この点、特許文献1に記載されたものでは、放水ノズルの近傍には放水ノズルを旋回させるモータ等を設置する必要があることから扉を放水ノズルに直接設けることができない。そのため扉を放水ノズルの旋回領域の外側に設置しなければならず無駄なスペースが生じている。
なお、上記の実施の形態においては、第1短管5と従動スプロケット15の回転角度比を1:5に設定した例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、第1短管5と従動スプロケット15の回転角度比は、消火装置1の設置箇所のスペースや監視領域によって適宜設定すればよい。
例えば、筐体39の幅が狭くならざるを得ないような場合には旋回アーム管9が旋回できる最大角度が小さくなるので、この小さい旋回角度でも火源センサ19が監視領域の全範囲を探査可能にするには第1短管5と従動スプロケット15の回転角度比を大きくする必要がある。
もっとも、筐体39の大きさが一定の場合には、第1短管5と従動スプロケット15の回転角度比を最適化することで、放水ノズル17が旋回する領域を小さくすることができる。
以下、この点を図9に基づいて説明する。
放水ノズル17及び火源センサ19の死角が無くなる状態を基点(以下、「火源探査開始位置」という)として考える(図9(a)(b)の左側の図参照)。
この火源探査開始位置において、旋回アーム管9が回動可能角度はα°である。したがって、旋回アーム管9がα°回転するまでに、放水ノズル17及び火源センサ19が全範囲(壁面180度範囲)走査できる必要がある。そのように考えると、第1短管5と従動スプロケット15の回転角度比を1:Pとすれば、この回転角度比が1:P=α:(180°+α)となるときに、旋回アーム管9が最大可動(α°可動)したとき、放水ノズル17及び火源センサ19が全範囲を走査することになる(図9(a)参照)。このときの回転角度比は、P=(180+α)/αとなる。
この場合には、図9(a)に示すように、放水ノズル17及び火源センサ19の平面視における旋回範囲は筐体39の開口部の範囲内にある。
Pの値が(180+α)/αよりも大きい場合には、旋回アーム管9の旋回角度がαに達しない状態で放水ノズル17及び火源センサ19が全範囲を走査することになる(図9(b)参照)。この図9(b)に示すような態様でもよいが、この場合には、図9(b)に示すように、放水ノズル17及び火源センサ19の平面視における旋回領域が筐体39の開口部の範囲を超えることになる。
したがって、P=(180+α)/αとなるときが、放水ノズル17及び火源センサ19の平面視における旋回範囲を最も小さくできるので好ましい。
なお、図10に示すように、放水ノズル17から消火水を放出したときに、放水反力が旋回アーム管9を図中の矢印の方向に外力として作用し、この外力が第1短管5を回転させる力として作用する。そして、本実施の形態の場合には、従動歯車7と駆動歯車25を平歯車で構成しているため、この外力の作用により第1短管5が回転する可能性があり、第1短管5が回転すると放水ノズル17の位置が所定の位置を保持できなくなり好ましくない。
そこで、放水時には放水反力によって第1短管5が回転しないようにストッパ装置を設けるのが好ましい。ストッパ装置の例としては、モータ21の動力によるブレーキであってもよいし、放水時に従動歯車7に噛み合う固定歯車を設けるようにしてもよい。
[実施の形態2]
実施の形態1においては放水反力によって第1短管5が回転する可能性があるため、別途ストッパ装置を設ける必要がある場合がある。
そこで、本実施の形態では、別途ストッパ装置を設けることなく、放水反力によっても第1短管5が回転しない機構の消火装置を提供するものである。
図11は本発明の実施の形態2の説明図であり、実施の形態と同一部分には同一の符号を付してある。
本実施の形態の消火装置51は、本発明における第1旋回力伝達機構をモータ21の回転軸23に設置したウォームギア53と第1短管5に設置したウォームホイール55によって構成し、第2旋回力伝達機構をモータ21の回転軸23の延長軸57に設けた駆動傘歯車59と、第2短管11に設けられて駆動傘歯車59に噛み合う従動傘歯車61によって構成したものである。
モータ21を駆動することによって、旋回アーム管9と放水管13が逆方向に旋回する点は実施の形態と同様である。
実施の形態1と異なる点は、図11の矢印で示すような放水反力等の外力が作用したときに、この外力は旋回アーム管9を介して第1短管5を回動させるように作用するが、第1短管5に設けたウォームホイール55がウォームギア53によってロックされるために第1短管5の回動が防止される点である。
なお、図12に示すように、従動傘歯車61を回転させるような外力、例えば従動傘歯車61と共に回動する扉41を回転させるような外力を作用させた場合には、従動傘歯車61の回転に伴ってウォームギア53が回転するので、ロックがかからず扉41を回転させることができる。
図13は、本実施の形態に係る消火装置51の放水時の状態を示す図であり、図4〜図7と同一部分には同一の符号を付してある。図13に示すように、消火時において放水反力が作用したとしてもウォームギア53のロック作用によって第1短管5が回転しないので、別途ロック機構を設けなくても放水位置を保持して確実に所定の方向に放水を継続することができる。
図14は、本実施の形態に係る消火装置51の収納状態を示す図である。図14に示すように、放水ノズル17を含む装置全体が壁内の筐体39に格納され、筐体39の開口部が扉41で覆われている場合において、モータ21が何らかの原因で故障してモータ21を駆動できなくなったようなときであっても、図12に基づいて説明したように扉41を手で回すことができるので、これによって図15に示すように旋回アーム管9を旋回させて装置を壁外へ露出させ修理することが容易に出来る。
以上のように、本実施の形態においては、本発明における第1旋回力伝達機構をモータ21の回転軸23に設置したウォームギア53と第1短管5に設置したウォームホイール55によって構成し、第2旋回力伝達機構をモータ21の回転軸23の延長軸57に設けた駆動傘歯車59と、第2短管11に設けられて駆動傘歯車59に噛み合う従動傘歯車61によって構成したことにより、放水時の放水反力によっては放水位置がずれることなく、かつ故障時等においては容易に手動操作することが可能な消火装置を構成することが出来る。
なお、上記の実施の形態においては、第1旋回力伝達機構をモータ21の回転軸23に設置したウォームギア53と第1短管5に設置したウォームホイール55によって構成し、第2旋回力伝達機構をモータ21の回転軸23の延長軸57に設けた駆動傘歯車59と、第2短管11に設けられた従動傘歯車61によって構成した例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、第1旋回力伝達機構にロック作用があり、第2旋回力伝達機構にロック作用のない回転力伝達機構であれば他の機構であってもよい。
本発明の一実施の形態に係る消火装置の説明図である。 図1に示した消火装置の一部を詳細に説明する説明図である。 図1に示した消火装置の一部を詳細に説明する説明図である。 本発明の実施の形態1の動作説明図であり、消火装置の格納状態を示す図である。 本発明の実施の形態1の動作説明図であり、消火装置の火源探査開始位置を示す図である。 本発明の実施の形態1の動作説明図であり、消火装置が火源探査を行なっている状態を示す図である。 本発明の実施の形態1の動作説明図であり、消火装置が火源探査を完了した状態を示す図である。 本発明の実施の形態1の効果を説明する説明図である。 本発明の実施の形態1の最適の態様の効果を説明する説明図である。 本発明の実施の形態2の解決すべき課題を説明する説明図である。 本発明の実施の形態2の構成を説明する説明図である。 本発明の実施の形態2の動作を説明する説明図である。 本発明の実施の形態2の動作を説明する説明図であり、放水状態を示す図である。 本発明の実施の形態2の動作を説明する説明図であり、格納状態を示す図である。 本発明の実施の形態2の動作を説明する説明図であり、手動操作状態を示す図である。
符号の説明
1 消火装置(実施の形態1)
3 給水管
5 第1短管
7 従動歯車
9 旋回アーム管
11 第2短管
13 放水管
15 従動スプロケット
17 放水ノズル
19 火源センサ
21 モータ
23 回転軸
25 駆動歯車
27 駆動スプロケット
29 チェーン
31 ベアリング押さえ
33 ベアリング
35 Oリング
37 壁面
39 筐体
41 扉
51 消火装置(実施の形態2)
53 ウォームギア
55 ウォームホイール
57 延長軸
59 駆動傘歯車
61 従動傘歯車

Claims (5)

  1. 基端側を筐体内に配置し、該基端側を旋回軸として先端側が筐体開口部から出没するように旋回する旋回アーム管と、該旋回アーム管の先端側に該旋回アーム管に対して旋回可能に取り付けられた放水管と、前記旋回アーム管及び前記放水管に旋回力を与える単一の駆動装置と、該駆動装置の駆動力を前記旋回アーム管及び前記放水管に伝達して前記旋回アーム管と前記放水管を逆方向に旋回させる旋回力伝達機構とを備えたことを特徴とする消火装置。
  2. 旋回力伝達機構は、駆動装置の駆動力を旋回アーム管に伝達する第1旋回力伝達機構と、駆動装置の駆動力を放水管に伝達する第2旋回力伝達機構とを備えてなり、前記第1旋回力伝達機構は歯車伝動機構であり、前記第2旋回力伝達機構は巻掛伝動機構または歯車伝動機構であることを特徴とする請求項1記載の消火装置。
  3. 放水管から放水したときの放水反力を受けたときに旋回アーム管が旋回するのを防止するストッパ装置を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の消火装置。
  4. 第1旋回力伝達機構を駆動装置の回転軸に設置したウォームギアと旋回アーム管の旋回軸側に設置したウォームホイールによって構成し、第2旋回力伝達機構をロック作用のない歯車伝動機構または巻掛伝動機構によって構成したことを特徴とする請求項2記載の消火装置。
  5. 旋回アーム管が旋回できる最大旋回角度をα、第1旋回力伝達機構と第2旋回力伝達機構の旋回角度比を1:Pとしたときに、P≧(180+α)/αに設定したことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の消火装置。
JP2008227755A 2008-09-05 2008-09-05 消火装置 Active JP4972059B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008227755A JP4972059B2 (ja) 2008-09-05 2008-09-05 消火装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008227755A JP4972059B2 (ja) 2008-09-05 2008-09-05 消火装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010057776A true JP2010057776A (ja) 2010-03-18
JP4972059B2 JP4972059B2 (ja) 2012-07-11

Family

ID=42185263

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008227755A Active JP4972059B2 (ja) 2008-09-05 2008-09-05 消火装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4972059B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103706065A (zh) * 2014-01-18 2014-04-09 凌昕 全自动消防车
KR101393795B1 (ko) * 2012-12-26 2014-05-12 (주)한화육삼시티 덕트 소화장치

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09262304A (ja) * 1996-03-29 1997-10-07 Nohmi Bosai Ltd 消火用放水装置
JP2002282749A (ja) * 2001-03-29 2002-10-02 Nohmi Bosai Ltd 放水銃の移動架台
JP2003212342A (ja) * 2002-01-21 2003-07-30 Japan Steel Works Ltd:The 基板の搬送方法及びその装置
JP2006223378A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Hochiki Corp 火災消火装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09262304A (ja) * 1996-03-29 1997-10-07 Nohmi Bosai Ltd 消火用放水装置
JP2002282749A (ja) * 2001-03-29 2002-10-02 Nohmi Bosai Ltd 放水銃の移動架台
JP2003212342A (ja) * 2002-01-21 2003-07-30 Japan Steel Works Ltd:The 基板の搬送方法及びその装置
JP2006223378A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Hochiki Corp 火災消火装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101393795B1 (ko) * 2012-12-26 2014-05-12 (주)한화육삼시티 덕트 소화장치
CN103706065A (zh) * 2014-01-18 2014-04-09 凌昕 全自动消防车

Also Published As

Publication number Publication date
JP4972059B2 (ja) 2012-07-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4873498B2 (ja) 換気口の開閉機構
KR100725801B1 (ko) 소화 설비용 유수 검지 장치
JP4972059B2 (ja) 消火装置
US10047545B2 (en) Door security and closing device
JP2010057778A (ja) 消火装置
JP2000199557A (ja) ロ―ラのためのラチェット型カム・ロック
JP6482920B2 (ja) 冷蔵庫用扉開閉装置
JP4680625B2 (ja) 火災消火装置
JP2006220434A (ja) 消火設備用流水検知装置
JP2009107467A (ja) 車両用シート
KR102210353B1 (ko) 건축물 소방용 옥내 소화전
JP3655382B2 (ja) 消火ロボット
JP2011072813A (ja) 火災消火装置
JP2002138778A (ja) 外部日除け装置
JP2006321655A (ja) 巻取機
JP3799569B2 (ja) 消火用ノズルを備えた消火栓装置
KR200278398Y1 (ko) 개폐창문
JP2005330724A (ja) ドア開閉装置
JP6978955B2 (ja) 放水銃装置
JP7262555B2 (ja) 放水銃装置
JP5261292B2 (ja) 窓開閉装置
JP2019170651A (ja) 消火装置
JPH07116280A (ja) 移動式消火装置
JP4215463B2 (ja) ブーム長さ検出装置
JP3187740U (ja) 放水銃装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100319

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110713

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110726

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110922

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120403

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120406

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150413

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4972059

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150