JP2010057429A - 食品の殺菌処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全性、作業性および殺菌効果に優れた食品の殺菌処理方法を提供すること。
【解決手段】本発明の食品の殺菌処理方法は、亜塩素酸塩、有機酸および金属触媒を水溶液中で混合して殺菌液を調製する工程、および該殺菌液を食品と接触させる工程を含む。有機酸は、好ましくはクエン酸または/およびフィチン酸である。本発明の殺菌液は、簡便かつすぐに調製できる。また、食品に塩素臭を残すことなく、そして食品の外観も損なわないため、食品の殺菌処理に有用である。
【選択図】なし

Description

本発明は、食品の殺菌処理方法に関する。
従来、食品の殺菌処理方法として、次亜塩素酸塩を含有する水溶液に食品を浸漬する方法が一般に行われている。しかし、この方法では、水溶液の殺菌効果が経時的に低下し、低いpHでは水溶液から有害な塩素ガスが発生するという問題がある(特許文献1)。また、次亜塩素酸塩には、有害物質であるトリハロメタンなどの生成が危惧されている(特許文献2)。
そこで、安全に使用でき、かつ殺菌効果の高い亜塩素酸塩が注目され、亜塩素酸塩を食品の殺菌処理に使用するための方法が研究されている。
例えば、特許文献3および4には、野菜を、亜塩素酸塩溶液で処理した後、水洗せずに水切りし、保存する方法が開示されている。しかし、この方法には、食品に塩素が残留し、塩素臭を伴うという問題がある。
特許文献5および6には、カット野菜を、亜塩素酸塩と次亜塩素酸塩とを溶解した溶液で処理し、次いで次亜塩素酸塩を溶解した溶液で再処理するか、または亜塩素酸塩と次亜塩素酸塩とを溶解した殺菌溶液で1〜24時間処理した後、水洗した上で水切りし、保存する方法が開示されている。しかし、これらの方法は、殺菌溶液での処理回数が多いか、または処理時間が長いため、殺菌溶液による食品の食味への影響が大きく、殺菌処理の作業性も悪いという問題がある。
これらの亜塩素酸塩を含む殺菌溶液中では、二酸化塩素が発生し、二酸化塩素の強い酸化力が殺菌効果を与えていると考えられている(特許文献2、7および8)。
ところで、特許文献9および10には、金属触媒の存在下で、アルカリ金属塩素酸塩と塩酸とを連続的に反応させて、二酸化塩素、塩素およびアルカリ金属塩化物を生成し、生成したアルカリ金属塩化物を連続的に結晶化して除去することを特徴とする二酸化塩素の連続製造法が開示されている。しかし、この方法で得られる二酸化塩素ガスは、人体に与える毒性や貯蔵が困難であることを考慮すると、直接食品の殺菌処理に用いることはできず(特許文献1、7および8)、塩素酸塩を利用することからも食品への利用は難しい。また、二酸化塩素ガスを得るためには、塩酸という強酸を用い、約25℃〜90℃の比較的高い温度や約20〜400mmの水銀絶対減圧下などの反応条件が要求されるため、安全上や作業上の観点から簡便に二酸化塩素ガスを得ることはできない。
特許文献7には、亜塩素酸アルカリ金属塩水溶液に、次亜塩素酸アルカリ金属水溶液および有機オキシカルボン酸を添加して溶液pHを7〜9に調整することを特徴とする安定化二酸化塩素水溶液の製造法が開示されている。しかし、二酸化塩素水溶液を殺菌剤として使用する場合には、有機オキシカルボン酸を追加する必要がある。この場合、次亜塩素酸アルカリ金属存在下のpHの低下に伴い、塩素ガスが発生する危険性がある。
特許文献8には、亜塩素酸塩溶液と、酸と、アルカリ金属などの塩化物とを有する二酸化塩素水製造キットが開示されている。しかし、このキットでは、亜塩素酸塩および酸が高濃度であり、塩酸などの強酸が用いられるため、製造される二酸化塩素は食品への利用には適さない。また、酸とアルカリ金属塩化物と水とを含有する混合液に、亜塩素酸塩溶液をできる限り混じり合わないように静かに添加してから30秒〜10分間静置した後に混合する必要があるため、作業性も悪い。
特許文献11には、クエン酸二水素銀と、クエン酸と、ハロゲン化合物などの抗菌剤とを含む組成物が開示されている。しかし、ハロゲン化合物として次亜塩素酸塩を用いる場合、クエン酸との反応により、塩素ガスが発生する危険性がある。
国際公開第2004/098657号パンフレット 特許第3649672号公報 特許第3763658号公報 特許第3763661号公報 特許第3310264号公報 特開2004−65149号公報 特許第2638611号公報 特開平11−157805号公報 特開昭55−85406号公報 特公昭56−13642号公報 特表2007−504153号公報
本発明は、安全性、作業性および殺菌効果に優れた食品の殺菌処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、食品の殺菌処理方法について鋭意検討を重ねた結果、亜塩素酸塩、有機酸および金属触媒を水溶液中で混合して殺菌液を調製し、この殺菌液で食品を処理し、水洗したところ、食品に塩素臭を残すことなく、そして食品の外観も損なうことなく、殺菌効果を発揮できることを見出して本発明を完成するに至った。
本発明は、食品の殺菌処理方法を提供し、該方法は、亜塩素酸塩、有機酸および金属触媒を水溶液中で混合して殺菌液を調製する工程、および該殺菌液を食品と接触させる工程を含む。
1つの実施態様では、上記有機酸は、クエン酸または/およびフィチン酸である。
ある実施態様では、上記金属触媒は、金、銀、鉄、銅および白金からなる群から選択される少なくとも1つまたはそれを含有する化合物である。
さらなる実施態様では、上記亜塩素酸塩は、前記殺菌液中に10〜500ppmの濃度で含有される。
他の実施態様では、上記クエン酸は、前記殺菌液中に50〜20000ppmの濃度で含有される。
別の実施態様では、上記フィチン酸は、前記殺菌液中に25〜20000ppmの濃度で含有される。
本発明によれば、安全性、作業性および殺菌効果に優れた食品の殺菌処理方法が提供される。このため、食品工場で実施されている殺菌処理工程において、殺菌処理対象の食品の安全性だけでなく、殺菌処理に携わる作業者の作業性を高めることが可能となる。殺菌処理の作業性や殺菌効果が高まることで、殺菌処理作業のコストを低減することが可能となる。
本発明の食品の殺菌処理方法は、亜塩素酸塩、有機酸および金属触媒を水溶液中で混合して殺菌液を調製する工程、および該殺菌液を食品と接触させる工程を含む。
本発明においては、次式に示すように、水溶液中での亜塩素酸と酸との反応によって二酸化塩素が発生し、二酸化塩素を含有する水溶液を調製することができる。この水溶液は、二酸化塩素の濃度依存的な殺菌効果により、殺菌用の水溶液(すなわち、殺菌液)として機能し得る。このように調製した殺菌液のpHは2〜11であり、好ましくは4〜9である。
亜塩素酸ナトリウムとクエン酸との反応式
Figure 2010057429
亜塩素酸ナトリウムとフィチン酸との反応式
Figure 2010057429
本発明に用いられる亜塩素酸塩としては、亜塩素酸の金属塩が好ましく用いられる。例えば、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸カルシウムが挙げられる。好ましくは亜塩素酸ナトリウムである。
上記亜塩素酸塩の形態は、特に限定されず、粉末品や亜塩素酸塩水溶液などの一般に市場に流通しているものが使用される。
上記亜塩素酸塩の殺菌液中の濃度は、二酸化塩素の発生の程度、所望の殺菌効果、または食品の食味への影響などを考慮して適宜設定することができる。好ましくは10〜500ppm、より好ましくは100〜400ppmである。亜塩素酸ナトリウムは、食品添加物の使用基準によって、500ppmまでの濃度に限られているため、500ppm以上の濃度は好ましくない。一方、10ppm以下の濃度では、二酸化塩素の発生が少ないため、所望の殺菌効果を得ることができない。
本発明に用いられる有機酸としては、クエン酸、フィチン酸、フマル酸、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸、グルコン酸、酢酸、または乳酸などが挙げられる。好ましくはクエン酸または/およびフィチン酸である。
本発明に用いられるクエン酸の殺菌液中の濃度は、二酸化塩素の発生の程度、所望の殺菌効果、または食品の食味への影響などを考慮して適宜設定することができる。好ましくは50〜20000ppm、より好ましくは200〜5000ppmである。有機酸は、食品の食味への影響を考慮すると、20000ppmまでの濃度が適切と考えられるため、20000ppm以上のクエン酸の濃度は好ましくない。一方、50ppm以下の濃度では、二酸化塩素の発生が少ないため、所望の殺菌効果を得ることができない。
本発明に用いられるフィチン酸の殺菌液中の濃度は、二酸化塩素の発生の程度、所望の殺菌効果、または食品の食味への影響などを考慮して適宜設定することができる。好ましくは25〜20000ppm、より好ましくは80〜2000ppmである。有機酸は、食品の食味への影響を考慮すると、20000ppmまでの濃度が適切と考えられるため、20000ppm以上のフィチン酸の濃度は好ましくない。一方、25ppm以下の濃度では、二酸化塩素の発生が少ないため、所望の殺菌効果を得ることができない。
本発明に用いられる金属触媒としては、金、銀、鉄、銅または白金あるいはその化合物などが挙げられる。好ましくは銀である。
上記金属触媒の形態は、特に限定されず、粉末状、粒状、または板状のものが使用され、金属をアルミナなどに担持させた金属担時触媒なども有効である。
上記金属触媒が水溶液中に含有される濃度は、金属触媒の形態、二酸化塩素の発生の程度、所望の殺菌効果、または殺菌処理作業のコストなどを考慮して適宜設定することができる。例えば、銀粉末(325メッシュ)の場合は、好ましくは10〜50000ppm、より好ましくは1000ppmである。銀粉末は、殺菌処理作業のコストを考慮すると、50000ppm以上の濃度は好ましくない。一方、10ppm以下の濃度では、二酸化塩素の発生が少ないため、所望の殺菌効果を得ることができない。
本発明に用いられる水としては、水道水、イオン交換水、蒸留水などが挙げられるが、特に限定されない。
本発明において、亜塩素酸塩、有機酸および金属触媒を水溶液中で混合する工程の、水溶液に亜塩素酸塩、有機酸および金属触媒を添加、溶解または混合する順序は、特に限定されない。亜塩素酸塩を含有する水溶液に有機酸を添加・混合後、続けて金属触媒を添加してもよい。金属触媒を含有する水溶液に亜塩素酸塩を添加・溶解後、続けて有機酸を添加・混合してもよい。あるいは水溶液に有機酸、次いで亜塩素酸塩を溶解後、続けて金属触媒を添加してもよい。
本発明に用いられる金属触媒は、亜塩素酸と酸との反応速度を速め、二酸化塩素の発生を促進する役割を果たす。
本発明において、亜塩素酸塩、有機酸および金属触媒を水溶液中で混合して水溶液を活性化する時間、すなわち亜塩素酸と酸との反応時間は、二酸化塩素の発生の程度、所望の殺菌効果、または食品の食味への影響などを考慮して適宜設定することができる。好ましくは5分間〜1時間、より好ましくは10分間である。
本発明において、亜塩素酸塩、有機酸および金属触媒を水溶液中で混合するための手段は、特に限定されない。混合手段としては、撹拌、振盪、バブリングなどが挙げられる。プロペラなどで攪拌したり、バブリングしたりすることによって、二酸化塩素の発生がさらに促進される。
本発明においては、殺菌液を直接食品と接触させる。殺菌液は、希釈して食品と接触させてもよい。希釈は、水溶液、好ましくは水で行う。希釈する場合、希釈後に亜塩素酸塩および有機酸が水溶液中に含有される濃度が上記適切な濃度範囲となるように、希釈することが好ましい。また、殺菌液は、金属触媒を含有したまま食品の殺菌処理に用いてもよいし、金属触媒を除去して用いてもよい。好ましくは金属触媒を除去して用いる。金属触媒の除去には、ろ過などの常法が用いられる。
本発明において、殺菌液を食品と接触させる工程は、殺菌液に食品を浸漬する方法、殺菌液で食品を洗浄する方法、殺菌液を食品に噴霧する方法など適宜用いることができる。好ましくは、殺菌液に食品を浸漬する方法である。
本発明において、殺菌液を食品と接触させる時間は、所望の殺菌効果、または食品の食味への影響などを考慮して適宜設定することができる。好ましくは1分間〜10分間である。
本発明において、殺菌液を食品と接触させた後は、適宜食品を水洗する。
本発明に用いられる食品としては、野菜、果物、肉類、魚貝類などが挙げられるが、特に限定されない。
本発明に用いられる食品汚染菌としては、細菌、真菌などが挙げられるが、特に限定されない。
(実施例1)
二酸化塩素の発生を検討した。イオン交換水に、50ppmの亜塩素酸ナトリウム、200ppmのクエン酸、および1000ppmの銀粉末を添加し、22℃で4枚翼角型プロペラにて攪拌(313rpm)しながら水溶液中の二酸化塩素濃度の経時変化を測定した。二酸化塩素濃度の測定は、共立理化学研究所のパックテスト(二酸化塩素用)を使用した。結果を以下の表1に示す。
(実施例2)
50ppmの亜塩素酸ナトリウムに代えて200ppmの亜塩素酸ナトリウムを添加したこと以外、実施例1と同様にして、二酸化塩素濃度の経時変化を測定した。結果を以下の表1に示す。
(実施例3)
200ppmのクエン酸に代えて200ppmのフィチン酸を添加したこと以外、実施例1と同様にして、二酸化塩素濃度の経時変化を測定した。結果を以下の表1に示す。
(比較例1〜3)
1000ppmの銀粉末を添加しなかったこと以外、それぞれ実施例1〜3と同様にして、二酸化塩素濃度の経時変化を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2010057429
表1より明らかなように、触媒として銀を添加した実施例1〜3では、銀を添加していない比較例1〜3よりもはるかに高濃度の二酸化塩素が発生した。この結果は、金属触媒によって二酸化塩素の発生が促進されたことを示す。
(実施例4)
50ppmの亜塩素酸ナトリウムに代えて2000ppmの亜塩素酸ナトリウム、および200ppmのクエン酸に代えて2000ppmの表2に記載の種々の酸を添加したこと以外、実施例1と同様にして、二酸化塩素濃度の経時変化を測定した。結果を表2に示す。
Figure 2010057429
表2より明らかなように、有機酸としてフィチン酸またはクエン酸を用いた場合には、比較的高濃度の二酸化塩素が混合直後に発生し、その濃度は30分間一定であった。したがって、フィチン酸または/およびクエン酸の使用は、食材の殺菌処理に、より実用的であると考えられる。
(実施例5)
50ppmの亜塩素酸ナトリウムに代えて表3に記載の種々の濃度の亜塩素酸ナトリウム、および200ppmのクエン酸に代えて表3に記載の種々の濃度のクエン酸またはフィチン酸を添加したこと以外、実施例1と同様にして、二酸化塩素濃度の経時変化を測定した。結果を表3に示す。
Figure 2010057429
表3より明らかなように、クエン酸またはフィチン酸の濃度が50ppmの場合には、10ppm以上の亜塩素酸ナトリウムで、0.4ppm以上の二酸化塩素が1時間以内に発生した。亜塩素酸ナトリウムの濃度が50ppmの場合には、50ppm以上のクエン酸または25ppm以上のフィチン酸で、0.4ppm以上の二酸化塩素が1時間以内に発生した。
(実施例6)
二酸化塩素を含有する殺菌水の殺菌効果を検討した。イオン交換水に、50ppmの亜塩素酸ナトリウム、200ppmのクエン酸、および1000ppmの粒状の銀を添加し、22℃で10分間または60分間4枚翼角型プロペラにて攪拌(313rpm)した。銀を取り出して試験液を得た。各試験液を試験管に9mLずつ分注した。二酸化塩素濃度の測定は、共立理化学研究所のパックテスト(二酸化塩素用)を使用した。バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)NBRC−3134株、エシェリキア・コリ(Escherichia coli)NBRC−3972株、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)NBRC−12007株、および惣菜から単離されたハンゼヌラ・アノマラ(Hansenula anomala)を液体培地にて培養し、10〜10個/mLに調製したもの1mLを、上記各試験液9mLに接種し、各試験液を菌に30秒間〜10分間作用させた。次いで二酸化塩素の酸化力を失活させるために、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液1mLを、上記の菌を含む各試験液10mLに添加し、撹拌後、各液の1白金耳を寒天培地に塗抹した。次いで寒天培地を培養し、菌の生育の良否を判定した。バチルス・ズブチリス、エシェリキア・コリ、およびラクトコッカス・ラクチスは標準寒天培地にて35℃で48時間培養後判定し、ハンゼヌラ・アノマラはポテトデキストロース寒天培地にて25℃で72時間培養後判定した。結果を以下の表4〜7に示す。
(判定基準)
多くの発育あり:++
発育あり:+
発育なし:−
(比較例4)
1000ppmの粒状の銀を添加しなかったこと、および22℃で10分間4枚翼角型プロペラにて攪拌したこと以外、実施例1と同様にして、試験液を得た。試験液の殺菌効果については、実施例6と同様に検討した。
Figure 2010057429
Figure 2010057429
Figure 2010057429
Figure 2010057429
表4〜7より明らかなように、銀を添加しなかった場合は、いずれの菌種に対しても十分な殺菌効果を示さなかった(比較例4)。これに対して、実施例6の銀を添加した場合は、表4のバチルス・ズブチリスに対しては、10分間または5分間の接触で殺菌効果を示した。表5のエシェリキア・コリに対しては、10分間または5分間の接触で殺菌効果を示した。表6のラクトコッカス・ラクチスに対しては、10分間または3分間の接触で殺菌効果を示した。表7のハンゼヌラ・アノマラに対しては、1分間の接触で殺菌効果を示した。したがって、銀の添加により二酸化塩素の発生を促進することで殺菌効果が高まるといえる。
本発明によれば、安全性、作業性および殺菌効果に優れた食品の殺菌処理方法が提供される。このため、食品工場で実施されている殺菌処理工程において、殺菌処理対象の食品の安全性だけでなく、殺菌処理に携わる作業者の作業性を高めることが可能となる。殺菌処理の作業性や殺菌効果が高まることで、殺菌処理作業のコストを低減することが可能となる。

Claims (6)

  1. 亜塩素酸塩、有機酸および金属触媒を水溶液中で混合して殺菌液を調製する工程、および該殺菌液を食品と接触させる工程を含む、食品の殺菌処理方法。
  2. 前記有機酸が、クエン酸または/およびフィチン酸である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記金属触媒が、金、銀、鉄、銅および白金からなる群から選択される少なくとも1つまたはそれを含有する化合物である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記亜塩素酸塩が、前記殺菌液中に10〜500ppmの濃度で含有される、請求項1から3のいずれかの項に記載の方法。
  5. 前記クエン酸が、前記殺菌液中に50〜20000ppmの濃度で含有される、請求項2から4のいずれかの項に記載の方法。
  6. 前記フィチン酸が、前記殺菌液中に25〜20000ppmの濃度で含有される、請求項2から4のいずれかの項に記載の方法。
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