JP2010056280A - 太陽電池用裏面保護シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、黄変や劣化を生じることなく初期の高い反射率を長期間に亘って維持できると共に、機械的強度及び耐熱性に優れた太陽電池用裏面保護シートを提供する。
【解決手段】 本発明の太陽電池用裏面保護シートは、ポリオレフィン系樹脂100重量部、平均粒径が0.005〜0.25μmのルチル型酸化チタン10〜50重量部、及び、上記ルチル型酸化チタン以外の無機充填剤1〜30重量部を含有するポリオレフィン系樹脂組成物からなり且つ厚さが0.05〜1mmであることを特徴とするので、耐候性、耐熱性及び光反射性に優れており、太陽電池用裏面保護シートを用いた太陽電池モジュール内に入射した光を発電素子側に長期間に亘って安定的に反射し、太陽電池モジュールの発電性能を長期間に亘って良好に維持することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、太陽電池用裏面保護シートに関し、耐候性、耐熱性及び光反射性に優れた太陽電池用裏面保護シートに関する。
近年、石油をはじめとした化石燃料の枯渇、それらを使用することによる地球温暖化などの環境破壊が世界的な問題となっている。そこで、化石燃料に代わるクリーンエネルギーとして、太陽光発電、風力発電、水力発電、バイオマス、潮流、海流、波などの海洋エネルギー、地熱、温度差の利用などいろいろな検討が行われている。
太陽光発電は特にクリーンエネルギーとして注目され太陽電池の開発が進められている。太陽電池モジュールは、シリコンなどの発電素子をエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどの封止材によって表裏面から封止していると共に、表側の封止材上に透明保護部材としてガラス板を積層一体化し且つ裏側の封止材上に太陽電池用裏面保護シートをバックシートとして積層一体化してなる。
そして、特許文献1には、耐加水分解性樹脂フィルムと金属酸化物被着樹脂フィルム及び白色樹脂フィルムとの3層積層体からなることを特徴とする太陽電池カバー材用バックシートが提案されている。
しかしながら、白色樹脂フィルムは、ポリエステル系樹脂からなるものが開示されており、このポリエステル系樹脂からなる白色樹脂フィルムは、太陽光に含まれる紫外線によって加水分解を生じ、黄変や劣化を起こして光の反射率が低下し発電効率の低下や強度低下を生じるといった問題を生じていた。
又、特許文献2には、環状オレフィン共重合体フィルムからなる太陽電池用裏面保護シートが提案されているものの、この太陽電池用バックシートは反射特性を有しておらず太陽光を十分に有効利用して電力交換率を高めることができないことに加え、ジャンクションボックスの帯熱や太陽光によって高温となったり、或いは、太陽電池モジュールの作成時に太陽電池用裏面保護シートに加えられる熱によって、太陽電池用裏面保護シートが変形することが原因となって、リード線の断線を引き起こしたり、或いは、発電素子の封止材表面から太陽電池用裏面保護シートが剥離するなどの問題点を生じていた。
特開2002−100788号 特開2007−103813号
本発明は、黄変や劣化を生じることなく初期の高い光反射率を長期間に亘って維持できると共に、機械的強度及び耐熱性に優れた太陽電池用裏面保護シートを提供する。
本発明の太陽電池用裏面保護シートは、ポリオレフィン系樹脂100重量部、平均粒径が0.005〜0.25μmのルチル型酸化チタン10〜50重量部、及び、上記ルチル型酸化チタン以外の無機充填剤1〜30重量部を含有するポリオレフィン系樹脂組成物からなり且つ厚さが0.05〜1mmであることを特徴とする。
ポリオレフィン系樹脂組成物のポリオレフィン系樹脂としては、従来から太陽電池用裏面保護シートに用いられているものが用いられ、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリエチレン系樹脂、ホモポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−酢酸ビニル共重合体などのポリプロピレン系樹脂などが挙げられ、得られる太陽電池用裏面保護シートの耐熱性や機械的強度が優れていることから、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。なお、ポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
なお、エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテンなどが挙げられ、又、プロピレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−へキセン、1−オクテンなどが挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂の融点は、低いと、太陽電池用裏面保護シートの耐熱性が低下することがあるので、140℃以上が好ましく、高すぎると、剛性が高すぎるため加工特性を損なうことがあるので、143〜170℃がより好ましい。なお、ポリオレフィン系樹脂の融点は、JIS K7121に準拠して、DSC曲線の融解ピーク温度として測定されたものをいう。
そして、ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量Mwは、低いと、成膜時ドローダウンしやすくなる一方、高いと、押出成形しづらくなるので、150000〜650000に限定される。
なお、ポリオレフィン系樹脂の重量平均分子量Mwの測定方法は、カラムを用いて測定した平均分子量既知の数種の標準試料(ポリスチレン)の分析結果に基づき溶出時間から数平均分子量Mnを求める分子量校正曲線を作成する。
未知試料の分析結果であるクロマトグラムを時分割し、各分割時間に相当する数平均分子量の値Miを上記の分子量校正曲線から求める。時分割での検出器応答データHi(Mi×Niに比例する)と数平均分子量Mnから重量平均分子量Mwを算出する。この計算には以下の計算式が使用される。
Mw=Σ(Mi×Hi)/Σ(Hi×Mz)=Σ(Hi2 ×Hi)/Σ(Mi×Hi)
ポリオレフィン系樹脂組成物中にはルチル型酸化チタンが含有されている。酸化チタンとしてルチル型の結晶構造をもつ酸化チタンを用いることによって可視光域及び赤外光域において高い光反射率を得ることができる。
ルチル型酸化チタンの平均粒径は、小さいと、得られる太陽電池用裏面保護シートの光沢度が上昇し、反射輝度の方向性が強くなり、太陽電池用裏面保護シートを太陽電池モジュールに用いた場合に反射特性が低下する一方、大きいと、ポリオレフィン系樹脂に分散しにくくなり、太陽電池用裏面保護シートの反射特性が低下するので、0.005〜0.25μmに限定され、0.075〜0.25μmが好ましい。なお、ルチル型酸化チタンの平均粒径は、JIS Z8901に準拠して測定されたものをいう。
そして、ポリオレフィン系樹脂組成物中におけるルチル型酸化チタンの含有量は、少ないと、太陽電池用裏面保護シートの隠蔽性が不充分となり、太陽電池用裏面保護シートの光反射率が低下する一方、多いと、太陽電池用裏面保護シートの機械的強度が低下するので、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して10〜50重量部に限定され、15〜40重量部が好ましい。
更に、ポリオレフィン系樹脂組成物中にはルチル型酸化チタン以外に無機充填材が含有されており、このような無機充填材としては、例えば、グラスファイバー(ガラス繊維)、グラスフレーク、針状珪酸塩(ワラスト)、層状珪酸塩(マイカ)、針状単結晶(ウイスカ)などが挙げられ、グラスファイバー、層状珪酸塩(マイカ)が好ましい。グラスファイバーは、繊維状、細いストランド状に成形したものを裁断し圧縮して鱗片状としたものが好ましい。
グラスファイバーの長さは、長いと、太陽電池用裏面保護シートの表面から突出して露出することによって、太陽電池用裏面保護シートの表面の平滑性が低下するので、500μm以下が好ましく、100〜300μmがより好ましい。
グラスファイバーのアスペクト比は、太陽電池用裏面保護シートの製膜時にポリオレフィン系樹脂との接触面積が増大してポリオレフィン系樹脂の溶融張力や溶融粘度を効果的に増大させることができるので、2.0以上であることが好ましい。なお、グラスファイバーのアスペクト比は、グラスファイバーの長さと、長さ方向に垂直な断面の直径との比(長さ/直径)をいう。
なお、グラスファイバーの長さと長さ方向に垂直な断面の直径は下記の要領で測定されたものをいう。太陽電池用裏面保護シートを構成しているポリオレフィン系樹脂を芳香性炭化水素に80℃以上で溶解させてグラスファイバーのみを抽出し、グラスファイバーを光学顕微鏡を用いて観察し、グラスファイバーの長さ及び長さ方向に垂直な断面の直径を測定することができる。なお、光学顕微鏡は、例えば、KEYENCE社から商品名「VH−7000」で市販されている。
上記層状珪酸塩(マイカ)としては、特に限定されず、例えば、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライト、バイデライト、スティブンサイト、ノントロナイトなどのスメクタイト系粘土鉱物や、バーミキュライト、ハロイサイト、膨潤性マイカなどが挙げられ、モンモリロナイト、膨潤性マイカが好ましく、モンモリロナイトと膨潤性マイカとを併用してもよい。なお、天然物の層状珪酸塩を用いると太陽電池用裏面保護シートに着色が生じることがあり、太陽電池用裏面保護シートの光反射率が低下するため、合成物の層状珪酸塩を用いることが好ましい。なお、層状珪酸塩は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
層状珪酸塩としては、下記式で定義されるアスペクト比の大きいスメクタイト系粘土鉱物や膨潤性マイカを用いることが好ましい。アスペクト比の大きい層状珪酸塩を用いることにより、太陽電池用裏面保護シートの機械的強度や高温における耐久性が更に優れたものとなる。
アスペクト比=結晶表面の平均長さ/層状珪酸塩の最大厚み
なお、結晶表面は、層状珪酸塩の表面をその表面に対して法線方向から見た時に層状珪酸塩の表面積が最大となる面をいう。結晶表面の平均長さとは、結晶表面を包囲し得る最小面積を有する楕円形の長軸の長さをいう。
層状珪酸塩の結晶表面の平均長さは、特に限定されないが、0.01〜3μmが好ましく、0.05〜2μmがより好ましい。層状珪酸塩の最大厚みは、0.001〜1μmが好ましく、0.01〜0.5μmがより好ましい。層状珪酸塩のアスペクト比は20〜500が好ましく、50〜200がより好ましい。
なお、層状珪酸塩における結晶表面の平均長さ及び層状珪酸塩の最大厚みは下記の要領で測定されたものをいう。太陽電池用裏面保護シートを構成しているポリオレフィン系樹脂を芳香性炭化水素に80℃以上で溶解させて層状珪酸塩のみを抽出し、層状珪酸塩を光学顕微鏡を用いて観察し、層状珪酸塩における結晶表面の平均長さ及び層状珪酸塩の最大厚みを測定することができる。なお、光学顕微鏡は、例えば、KEYENCE社から商品名「VH−7000」で市販されている。
そして、ポリオレフィン系樹脂組成物中におけるルチル型酸化チタン以外の無機充填剤の含有量は、少ないと、太陽電池用裏面保護シートの耐熱性が低下する一方、多いと、太陽電池用裏面保護シートの製膜が困難となるので、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して1〜30重量部に限定され、5〜20重量部が好ましい。
太陽電池用裏面保護シートには、通常用いられる添加剤が含有されていてもよい。このような添加剤としては、例えば、蛍光増白剤、紫外線安定化剤(UVA,HALSなど)、酸化防止剤、帯電防止剤などが挙げられる。
上記蛍光増白剤は、太陽電池用裏面保護シートからの反射光の低波長域(青み成分)を増幅させ、広範囲の波長領域において光反射性を向上させるために添加され、紫外線安定化剤は、太陽電池用裏面保護シートが紫外線によって変色し或いは劣化するのを防止するために添加される。
蛍光増白剤としては、特に限定されず、例えば、2,5−チオフェンジイル(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾオキサゾール)、4,4−ビス(ベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベンなどが挙げられる。
そして、ポリオレフィン系樹脂組成物中における蛍光増白剤の含有量は、少ないと、蛍光の発光量が少なくなって太陽電池用裏面保護シートからの反射光の青み成分が減少し、その結果、太陽電池用裏面保護シートが黄味を帯び、十分な白色度が得られない一方、多いと、紫外線照射や高温高湿下において蛍光増白剤の変性に伴う太陽電池用裏面保護シートの変色が顕著になり、太陽電池用裏面保護シートの耐候性が低下するので、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.05〜3重量部が好ましく、0.1〜1.5重量部がより好ましい。
本発明の太陽電池用裏面保護シートの白色度(色差b0)は、−6.0≦b0≦−2.5となることが好ましく、−5.0≦b0≦−3.5となることがより好ましい。白色度(b0)とは、色差計により測定したバックシートのb値(黄色味の尺度)であり、この値が大きいほど黄色味が強くなる。太陽電池用裏面保護シートの白色度は、ルチル型酸化チタン及び蛍光増白剤の含有量によって制御することができる。
又、上記紫外線安定化剤としては、特に限定されず、例えば、2,2,4,4−テトラメチルピペリジル−4−ベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ホスファイト、1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチル−3−n−オクチルスピロ[4,5]デカン−2,4−ジオン、1,2,3,4−テトラ(4−カルボニルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)−ブタン、1,3,8−トリアザ−7,7,9,9−テトラメチル−2,4−ジオキソースピロ[4,5]デカン、トリ(4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル)アミン、4−アセトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル、4−ステアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル、4−ベンジルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジル、4−フェニルカルバモイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジルなどが挙げられる。
そして、ポリオレフィン系樹脂組成物中における紫外線安定化剤の含有量は、少ないと、太陽電池用裏面保護シートの耐候性が低下する一方、多いと、紫外線安定化剤がブリードアウトして、太陽電池用裏面保護シートの光反射性を低下させることになるので、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.05〜3重量部が好ましく、0.1〜1.0重量部がより好ましい。
更に、太陽電池用裏面保護シートの厚さは、薄いと、太陽電池用裏面保護シートの光反射性が低下する一方、厚いと、太陽電池用裏面保護シートの加工性が低下し、所望形状への断裁が困難となるので、0.05〜1mmが好ましく、0.15〜0.6mmがより好ましい。
上述では、太陽電池用裏面保護シートを単層のシートから形成されている場合を説明したが、図1に示したように、ポリオレフィン系樹脂100重量部、平均粒径が0.005〜0.25μmのルチル型酸化チタン10〜50重量部、及び、上記ルチル型酸化チタン以外の無機充填剤1〜30重量部を含有するポリオレフィン系樹脂組成物からなるフィルム層11、11・・・が複数層、積層一体化されて複層とされたものであってもよい。太陽電池用裏面保護シートがフィルム層11、11・・・を複数層、積層一体化されてなる場合、各フィルム層11の組成は互いに異なっていても同一であってもよい。なお、複数のフィルム層11、11・・・を積層一体化させてなる太陽電池用裏面保護シートの厚みは0.05〜1mmである必要がある。ポリオレフィン系樹脂、ルチル型酸化チタン及びルチル型酸化チタン以外の無機充填剤は上述と同様であるのでその説明を省略する。
次に、本発明の太陽電池用裏面保護シートの製造方法について説明する。太陽電池用裏面保護シートの製造方法としては、特に限定されず、(1)ポリオレフィン系樹脂、ルチル型酸化チタン、及び、ルチル型酸化チタン以外の無機充填剤、並びに、必要に応じて添加される添加剤を含むポリオレフィン系樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し、押出機の先端に取り付けられたTダイからシート状に押出して太陽電池用裏面保護シートを製造する製造方法、(2)ポリオレフィン系樹脂、ルチル型酸化チタン、及び、ルチル型酸化チタン以外の無機充填剤、並びに、必要に応じて添加される添加剤を含むポリオレフィン系樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し、押出機から押出された溶融状態のポリオレフィン系樹脂組成物を一組或いは複数組のロール対のロール間に供給してポリオレフィン系樹脂組成物を圧延してシート化する太陽電池用裏面保護シートの製造方法などが挙げられる。
なお、太陽電池用裏面保護シートが複数のフィルム層11を積層一体化してなる場合には、複数の押出機のそれぞれに、各フィルム層を構成するポリオレフィン系樹脂組成物を供給して溶融混練して共押出することによって複層の太陽電池用裏面保護シートを製造すればよい。
次に、本発明の太陽電池用裏面保護シートの使用要領について説明する。太陽電池用裏面保護シート1は太陽電池モジュールAのバックシートとして用いられる。図2に示したように、シリコンなどから形成される発電素子2はエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムなどの封止材31、32によって上下方向から挟持されることによって封止されており、表側の封止材31上には透明保護部材としてガラス板4が積層一体化されていると共に、裏側の封止材32上には太陽電池用裏面保護シート1がバックシートとして積層一体化されることによって太陽電池モジュールAが構成されている。
そして、太陽電池モジュールAは通常、屋外に配設、固定されて用いられ、ガラス板4及び表側の封止材31を透して太陽光が発電素子2に照射されて発電素子2によって発電が行われる。この際、ガラス板4及び表側の封止材31を透して太陽電池モジュールA内に入射した光の一部は、発電素子2に吸収されることなく、裏側の封止材32方向に直進する。
この裏側の封止材32方向に直進した光は、封止材32を透過して太陽電池用裏面保護シート1に到達するが、この太陽電池用裏面保護シート中にはルチル型酸化チタンが所定量含有されており光反射性に優れていることから、太陽電池用裏面保護シート1に入射した光を効率良く発電素子2側に反射し、発電素子2に反射光を吸収させることによって発電を行わせることができ、太陽電池モジュールの光発電効率を向上させることができる。
又、太陽電池モジュールAは、屋外に配設されて非常に高温になるが、太陽電池用裏面保護シート1は、ルチル型酸化チタン及びこのルチル型酸化チタン以外の無機充填剤を所定量含有しているので耐熱性に優れており、太陽電池モジュールAの使用中に太陽電池用裏面保護シートが変形して裏側の封止材32上から不測に剥離するようなことはなく、長期間に亘って安定的に積層された状態を維持する。
本発明の太陽電池用裏面保護シートは、ポリオレフィン系樹脂100重量部、平均粒径が0.005〜0.25μmのルチル型酸化チタン10〜50重量部、及び、上記ルチル型酸化チタン以外の無機充填剤1〜30重量部を含有するポリオレフィン系樹脂組成物からなり且つ厚さが0.05〜1mmであることを特徴とするので、耐候性、耐熱性及び光反射性に優れており、太陽電池用裏面保護シートを用いた太陽電池モジュール内に入射した光を発電素子側に長期間に亘って安定的に反射し、太陽電池モジュールの発電性能を長期間に亘って良好に維持することができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
ポリプロピレン系樹脂(三井化学社製 商品名「F107DV」、融点:165℃以上、重量平均分子量:250000)100重量部、平均粒径が0.18μmのルチル型酸化チタン25重量部、合成膨潤性フッ素雲母(コープケミカル社製 商品名「MAE−100」、結晶表面の平均長さ:1.5μm、最大厚み:0.01μm、アスペクト比:150)20重量部、2,5−チオフェンジイル(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾオキサゾール)(長瀬産業社製 商品名「UVITEX(R)OB」)1重量部及びヒンダードアミン系紫外線安定化剤(チバ社製 商品名「キマソーブ119」)0.3重量部からなるポリプロピレン系樹脂組成物を押出機に供給して230℃にて溶融混練し、押出機の先端に取り付けられたTダイからシート状に押出して厚さ0.2mmの単層の太陽電池用裏面保護シートを得た。なお、太陽電池用裏面保護シートの白色度(色差b0)は−3.9であった。
(実施例2)
ポリプロピレン系樹脂(三井化学社製 商品名「F107DV」、融点:165℃以上、重量平均分子量:250000)100重量部、平均粒径が0.18μmのルチル型酸化チタン25重量部、グラスファイバー(旭ファイバー社製、商品名「06MW2−20」、平均長さ:100μm、アスペクト比:7)20重量部、2,5−チオフェンジイル(5−tert−ブチル−1,3−ベンゾオキサゾール)(長瀬産業社製 商品名「UVITEX(R)OB」)1重量部及びヒンダードアミン系紫外線安定化剤(チバ社製 商品名「キマソーブ119」)0.3重量部からなるポリプロピレン系樹脂組成物を押出機に供給して230℃にて溶融混練し、押出機の先端に取り付けられたTダイからシート状に押出して厚さ0.2mmの単層の太陽電池用裏面保護シートを得た。なお、太陽電池用裏面保護シートの白色度(色差b0)は−4.1であった。
(比較例1)
環状オレフィン共重合体(日本ゼオン社製 商品名「ZEONOR」)100重量部及びヒンダードアミン系紫外線安定化剤(チバ社製 商品名「キマソーブ119」)0.3重量部からなる環状オレフィン共重合体系樹脂組成物を押出機に供給して230℃にて溶融混練し、押出機の先端に取り付けられたTダイからシート状に押出して厚さ0.2mmの単層の太陽電池用裏面保護シートを得た。
(比較例2)
微細な気泡を有する白色ポリエステル層の両面に、無機系微粒子を含有する白色ポリエステル層が積層一体化されてなる厚さが188μmの二軸延伸白色積層ポリエステルフィルム(東レ社製 商品名「E−60」)を太陽電池用裏面保護シートとして用いた。
(比較例3)
グラスファイバーを20重量部の代わりに0.5重量部としたこと以外は実施例2と同様の要領で太陽電池用裏面保護シートを得た。
得られた太陽電池用裏面保護シートの光反射率、耐候性、寸法変化率及び平面性を下記の要領で測定し、その結果を表1に示した。
(光反射率)
得られた太陽電池用裏面保護シートの光反射率を分光光度計(日立製作所社製 商品名「U−3300型」)を用いてJIS Z8722に準じて400〜700nmの範囲の分光反射率を10nmの間隔で測定し、その平均値を光反射率とした。
(耐候性)
得られた太陽電池用裏面保護シートに加速試験機(東洋精機社製 商品名「アトラスユブコン UC−1」)を用いて63±3℃にて100時間に亘って紫外線を照射した。しかる後、太陽電池用裏面保護シートの光反射率を分光光度計(常陸製作所社製 商品名「U−3300型」)を用いてJIS Z8722に準じて400〜700nmの範囲の分光光反射率を10nmの間隔で測定し、その平均値を耐候性とした。
(寸法変化率)
得られた太陽電池用裏面保護シートから一辺が100mmの平面正方形状の試験片を切り出し、この試験片を恒温槽試験器(いすゞ製作所社製 商品名「熱風循環式定温恒温器そよかぜ ESF−114S」)を用いて80±3℃の雰囲気中に無加重で2時間に亘って放置した。しかる後、試験片の任意の一辺を縦方向とし、試験片の縦方向の寸法L1を測定すると共に、試験片における縦方向に直交する方向(横方向)の寸法L2を測定して下記式に基づいて縦方向及び横方向の寸法変化率を算出した。
縦方向の寸法変化率(%)=100×(L1−100)/100
横方向の寸法変化率(%)=100×(L2−100)/100
(平面性)
寸法変化率の測定後の試験片を平らな水平面上に載置し、試験片にカール、波打ち及び反りが発生しているか否かを目視観察し、下記基準に基づいて判断した。
○:試験片にカール、波打ち及び反りは発生していなかった。
△:試験片にカール又は反りが若干見られた。試験片の端縁において水平面からの浮き
は5mm以上で且つ10mm未満であった。
×:試験片に大きなカール又は反りが見られ、或いは、試験片の表面に凹凸が生じてい
た。試験片の端縁において水平面からの浮きは10mm以上であった。
Figure 2010056280
本発明の太陽電池用裏面保護シートの一例を示した断面図である。 太陽電池モジュールの一例を示した断面図である。
符号の説明
1 太陽電池用裏面保護シート
2 発電素子
31、32 封止材
4 ガラス板
A 太陽電池モジュール

Claims (2)

  1. ポリオレフィン系樹脂100重量部、平均粒径が0.005〜0.25μmのルチル型酸化チタン10〜50重量部、及び、上記ルチル型酸化チタン以外の無機充填剤1〜30重量部を含有するポリオレフィン系樹脂組成物からなり且つ厚さが0.05〜1mmであることを特徴とする太陽電池用裏面保護シート。
  2. ルチル型酸化チタン以外の無機充填剤が、グラスファイバー又は層状珪酸塩であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池用裏面保護シート。
JP2008219445A 2008-08-28 2008-08-28 太陽電池用裏面保護シート Pending JP2010056280A (ja)

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