JP2010056237A - リアクトル - Google Patents

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宏幸 三谷
Takafumi Hojo
啓文 北条
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裕志 橋本
Takashi Hase
隆司 長谷
Takashi Zaitsu
享司 財津
Osamu Ozaki
修 尾崎
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Abstract

【課題】騒音や漏れ磁束が発生するという問題を解消することができるにもかかわらず、直流重畳時のインダクタンス特性を安定化することができ、しかも、廃棄物を発生することなくコアに空隙を形成することができるリアクトルを提供すことを課題とする。
【解決手段】コイル3が外周に巻き付けられた圧粉コア2aのコイル捲回領域5内が、磁束経路4の直進方向とは異なる方向に長い複数本の柱状体6および空隙7で形成されており、コイル捲回領域5内に占める空隙7の体積率は10〜45%であり、コア2を通る磁束経路4は、少なくとも空隙の7一つで分断されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、バッテリー電圧を高電圧に変換する昇圧コンバータ用リアクトルとして、例えば、ハイブリッド自動車のインバータに装備されているリアクトルに係るものであって、特にコアにギャップが形成されることのないリアクトルに関するものである。
ハイブリッド自動車は、作動原理が異なる二つ以上の動力源を持ち、状況に応じて単独、或いは複数の動力源で走行することができる自動車であり、そのエネルギー効率が電気自動車や燃料電池自動車と同程度であって、環境負荷が小さくしかも実用的であるという観点から、近年注目されており、実際に実用化もされている。
このハイブリッド自動車には、モータを制御するインバータが搭載されており、より高出力を出すためにバッテリー電圧を昇圧コンバータにより高電圧に変換してモータを駆動する昇圧コンバータ用のリアクトルが組み込まれている。
このリアクトル11は、図9に示すように、電磁鋼板を積層した複数の分割コア12a、12bをギャップ17を介して一体に組み立ててなるコア12と、そのコア12の外周に巻き付けられたコイル(図示せず)より形成されている。リアクトル11は、このコイルにより励磁することで、コア12を通る磁束経路(図示せず)を形成する。
ギャップ17は、リアクトル11のコア12に磁気飽和する箇所が生じないようにして透磁率を調整するもので、直流重畳時のインダクタンス特性を安定化するために設けるものである。このギャップ17は、例えば、分割コア12a,12a間及び分割コア12a,12b間に無機材料等で成る非磁性材料のスペーサ(図示せず)を挟み込み、それら分割コア12a,12bとスペーサを接合することで、隣り合う分割コア12a,12a間及び分割コア12a,12b間に形成されている。
このコイルにより励磁すると、コア12には電磁吸引力が作用することになるが、コア12はギャップ17で分断されて分割コア12a,12bとなっているため、電磁吸引力が作用すると、分割コア12a,12bと、ギャップ17を形成するためのスペーサとの接合部で振動が発生することになってしまう。リアクトル11にギャップ17を形成すると、直流重畳時のインダクタンス特性が安定するという作用があるが、一方で分割コア12a,12bと、ギャップ17を形成するためのスペーサとの接合部で振動が発生し、その振動を起因とする騒音がリアクトル11から発生するという問題が発生する。
また、コア12にギャップ17が設けられていると、ギャップ17を形成する非磁性材料のスペーサは、コア12を形成する積層鋼板に比べて透磁率がはるかに小さいため、磁束経路が外部に漏れることになる。この漏れ磁束が外周に巻き付けられたコイルに侵入し、コイル内で渦電流損を発生させることになる。
この騒音が発生するという問題と、漏れ磁束が発生するという問題は、ともにコアにギャップを形成したことで発生する問題ではあるが、一方でギャップを設けることによって直流重畳時のインダクタンス特性が安定化するという作用があるため、単にギャップをなくするという解決方法では、インダクタンス特性が安定化しなくなってしまい対応することはできない。そこで、ギャップに代えてコアに透孔や貫通孔を形成することでインダクタンス特性を安定化しようという技術が、特許文献1や特許文献2として提案されている。
特許文献1に記載の提案は、電磁鋼板、フェライトコアなどからなるE型コアとI型コアを有するトランスにおいて、E型コアの中脚部に単一の透孔を形成したトランスに関する提案である。また、特許文献2に記載の提案は、特許文献1に記載の提案を更に改善しようというリアクトルに関する提案で、積層ケイ素鋼板などからなるコアのコイルが捲回される領域に、複数の貫通孔を形成したリアクトルに関する提案である。
しかしながら、特許文献1、特許文献2に記載の提案は、ともにギャップに代えて透孔や貫通孔を形成することで磁束経路を遮り、直流重畳時のインダクタンス特性を安定化しようとしているものの、これら透孔や貫通孔は、従来のギャップのように、コイルの励磁により形成される磁束経路を完全には分断してはおらず、必ず磁束経路が連続する箇所があるため、直流重畳時のインダクタンス特性の安定化は必ずしも十分ではないということができる。
また、特許文献1、特許文献2に記載のリアクトル(トランス)は、コアが電磁鋼板や積層ケイ素鋼板などで形成されているため、電磁鋼板や積層ケイ素鋼板で作製されたコアに、後で孔を開けるという作業が必要になる。従って、特許文献1、特許文献2に記載の提案は、透孔や貫通孔を形成することで歩留まりが低下するという問題、透孔や貫通孔を形成することで発生する打ち抜きカスが廃棄物になるという問題も兼ね備えている技術であるといえる。
特開2001−176732号公報 特開2006−351920号公報
本発明は、上記従来の問題を解決せんとしてなされたもので、コアに形成されるギャップをなくすることによって、騒音や漏れ磁束が発生するという問題を解消することができるにもかかわらず、コアにギャップを形成する場合と同様に、直流重畳時のインダクタンス特性を安定化することができ、しかも、廃棄物を発生することなくコアに空隙を形成することができるリアクトルを提供することを課題とするものである。
請求項1記載の発明は、コアと、前記コアの外周に巻き付けられたコイルを備え、前記コイルの励磁によって前記コアを通る磁束経路が形成されるリアクトルであって、前記コアは軟磁性粉末を圧粉成形した圧粉コアであり、前記コイルが外周に巻き付けられた前記圧粉コアのコイル捲回領域内は、前記磁束経路の直進方向とは異なる方向に長い複数本の柱状体および空隙で形成されており、前記コイル捲回領域内に占める前記空隙の体積率は10〜45%であり、前記コアを通る磁束経路は、少なくとも前記空隙の一つで分断されていることを特徴とするリアクトルである。
請求項2記載の発明は、前記磁束経路の直進方向を水平方向としたとき、前記複数の柱状体と空隙は、垂直方向に長く形成されていることを特徴とする請求項1記載のリアクトルである。
本発明の請求項1記載のリアクトルによると、コアに形成されるギャップをなくすることによって、騒音や漏れ磁束が発生するという問題を解消することができるにもかかわらず、コアにギャップを形成する場合と同様に、直流重畳時のインダクタンス特性を十分に安定化させることができる。また、コアが軟磁性粉末を圧粉成形して形成されているので、成形時に空隙を形成することができ、空隙を形成するという余分な作業が不要で、また、廃棄物を発生することなく空隙を形成することができる。
本発明の請求項2記載のリアクトルによると、柱状体と空隙を垂直方向に長く形成するので、コアを圧粉成形等により容易に成形することができる。
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて更に詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態を示すリアクトル1の断面図である。この実施形態のリアクトル1は、コア2と、そのコア2のコイル捲回領域5の外周に巻き付けられたコイル3とから形成されている。
コア2は、図1に示すような垂直方向の空洞(以下、この方向を垂直方向として説明する。)を有する角筒状や、図9に示すような角が丸みを帯びた略角筒状、或いは円筒状等をなしており、両側の本体コア8,8と連結コア9,9を一体に組み合わせて形成されている。この本体コア8と連結コア9は、ともに軟磁性粉末等を圧粉成形した圧粉コア2aである。連結コア9は単なる圧粉コア2aであるが、両側の本体コア8は、コイル3が外周に巻き付けられるコイル捲回領域5内が、垂直方向に長い複数本の柱状体6と、垂直方向に長い複数本の空隙7で形成されている。
図1に示す実施形態では、複数本の柱状体6は全て断面四角形であるが、その断面形状は、三角形、六角形等の多角形、或いは円形、楕円形等であっても良く、圧粉成形で成形できる形状であればその断面形状は問わない。また、図1に示す実施形態では、全ての空隙7が、本体コア8を垂直方向に貫通する貫通孔であるが、必ずしも空隙7は本体コア8を貫通する必要はなく、有底の穴であっても良い。更には、図1に示す実施形態では、全ての柱状体6並びに空隙7は、垂直方向に長い形状であるが、傾斜した方向に長い形状であっても良い。このような形状であっても圧粉成形等により成形することは可能である。また、柱状体6並びに空隙7は、成形金型による圧粉成形等で形成されるため、断面形状は、どの位置で切っても全て同じ形状である。尚、本明細書で述べる柱状体6並びに空隙7の断面とは、それらの長手方向に直交する方向の断面のことを示す。
複数本の柱状体6は、互いにその四隅の角が当接しており、柱状体6が存在しない位置が空隙7となっている。これら空隙7の一つあたりの断面積は10mm以上とする。10mmより小さな断面積の空隙7は、圧粉成形で形成することは困難である。コア2のコイル捲回領域5内では、これら空隙7が複数、しかも密に形成されるので、下記する磁束経路4の直進方向の全てが、少なくとも空隙7の一つで確実に分断されることになる。
尚、このように、コア2に小さな空隙7を数多く形成することで、発生する漏れ磁束を、大きなギャップ17を形成した従来のコア12より少なくすることができ、コイル3内での渦電流損の発生を抑制することができる。また、コア2に小さな空隙7を数多く形成することで、急激な磁力の変化を抑えることができ、電磁吸引力を小さくすることができるので、振動の発生も、従来のギャップ17を設けたコア12と比較して低減することができ、騒音発生の問題を解消、或いは少なくとも抑制することができる。
コイル3は、この複数の空隙7が形成された両側夫々の本体コア8の外周に巻き付けられた銅製や銅合金製等の導電性の高い金属製の巻線であって、その表面にはエナメル等の絶縁被覆が施されている。また、コイル3は、基本的には本体コア8の表面外周を、その両端部を一部残して略完全に被覆するが、複数の空隙7については、その表面を完全に被覆する。このコイル3は、両側の本体コア8,8と連結コア9,9を一体に組み合わせ接合される前に、本体コア8の外周に事前に巻き付けられる。
また、本体コア8のコイル3が外周に巻き付けられたコイル捲回領域5内で空隙7が占める体積率は、10〜45%である。コイル捲回領域5内で空隙7が占める体積率が45%を超えると、インダクタンスが小さくなり過ぎる。そのインダクタンスが小さくなり過ぎるという現象に対応するためにはコア2を大きくする必要があり、結果として部品の大型化を引き起こしてしまうため、現実的ではない。一方、コイル捲回領域5内で空隙7が占める体積率が10%未満の場合は、磁束経路4の直進方向の全てを空隙7で分断することが困難になってしまい、また、たとえ磁束経路4の直進方向の全てを分断することができたとしても、インダクタンス特性の安定化が不十分となる。尚、そのコイル捲回領域5内で空隙7が占める体積率を20%以上とした方が、インダクタンス特性がより安定化するので好ましい。磁束経路4については次に説明する。
以上に説明したような構成のリアクトル1のコイル3に電流を流してコイル3を励磁することで、コア2には、そのコア2を水平方向に通る磁束経路4が形成される。この磁束経路4は、コア2に従来のコア12に設けられたギャップ17のような障害がない場合、コア2の内部を水平方向に直進する。その結果、コア12に磁気飽和する箇所が生じることになりインダクタンスは低下し、直流重畳時のインダクタンス特性の安定化が不十分になってしまう。本発明のリアクトル1でも磁束経路4は基本的にはコア2の内部を直進しようとするが、ギャップ17を設けた従来のコア12と同様に磁束経路4の直進方向の全てが、少なくとも一つの空隙7で確実に分断されているので、磁束経路4がコア2の内部をスムーズに直進することができなくなる。その結果として磁気飽和を抑制し、本発明のリアクトル1では、直流重畳時のインダクタンス特性の安定化を図ることができる。
先に説明したように、本発明のリアクトル1のコア2は圧粉コア2aである。この圧粉コア2aは、例えば、表面を絶縁処理した軟磁性粉末とバインダ樹脂等により形成されている。この圧粉コア2aを形成する軟磁性粉末は、純鉄粉や軟磁性鉄基合金粉末(Fe−Al合金、Fe−Si合金等)、或いはアモルファス粉末等の表面を絶縁処理した軟磁性粉末である。これらの軟磁性粉末は、還元法や、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、粉砕等によって作製することができる。
軟磁性粉末の表面を絶縁処理する場合、軟磁性粉末の表面に絶縁被膜を形成することが望ましい。この絶縁被膜としては、リン酸系化成被膜等のリン酸を主成分とする被膜やクロム系化成被膜などの無機物、或いは様々な樹脂を用いて形成することができる。樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン/アクリル樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレンなどのオレフィン樹脂、カーボネート樹脂、ケトン樹脂、フッ化メタクリレートやフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂、PEEKなどのエンジニアリングプラスッチックまたはその変性品などを被膜として用いることができる。また、絶縁被膜は、例えば、リン酸系化成被膜とシリコーン樹脂被膜の二層構造等、複数層であっても良い。
また、バインダ樹脂としては熱可塑性樹脂、非熱可塑性樹脂、高級脂肪酸等を用いることができる。
圧粉コア2aの作製は、これら軟磁性粉末とバインダ樹脂を用いて、型潤滑成形等で行う。まず、成形金型の内壁面に潤滑剤を塗布し、その成形金型の内部に絶縁処理した軟磁性粉末とバインダ樹脂を充填し、プレス圧をかけることで圧粉成形を行って圧粉体を得た後、最後に熱処理してバインダ樹脂の硬化を行うことで圧粉コア2aを作製する。
このように、圧粉コア2aは、成形金型による成形で作製することができるため、複数の空隙7は、この成形時に形成することが可能となる。すなわち、コア2を圧粉コア2aとすることで、コア2の作製後に空隙7を形成するための作業を不要とすることができ、歩留まりが低下するという問題、空隙7を形成することで発生する打ち抜きカスが廃棄物になるという問題の発生を解消することができる。
尚、この空隙7を形成する方法としては、例えば、セラミック、樹脂等の非磁性体で、空隙7に相当する部分を事前に作製し、圧粉成形する際に一体化することで形成することが可能である。また、柱状体6に相当する微小な圧粉コアを数多く作製し、それら微小な圧粉コアを組み立てることでも形成することも可能である。この場合もコア2の作製後に空隙7を形成するための作業を不要とすることができる。尚、本発明で説明する空隙7は、従来のギャップ17と同様に完全な空間ではなく、前記した非磁性体のような何らかのサポートを必要とする。
また、この圧粉コア2aは、成形金型による成形のほか、射出成形によっても作製することが可能である。射出成形でも空隙7を成形時に形成することができる。
尚、先に圧粉コア2aを形成する軟磁性粉末の表面を絶縁処理すると説明したが、軟磁性粉末の表面を絶縁処理することで、圧粉成形後の圧粉コア2aの電気抵抗率を200μΩ・m以上とすることができ、渦電流損を抑制することができる。
<実施例1>
まず、実施例1では、コイル捲回領域5内に占める空隙7の体積率が45%のリアクトル1を作製した。図1に示す発明例のリアクトル1は、コア2を通る磁束経路4が空隙7で必ず分断されているのに対し、図2に示す比較例のリアクトル1は、コア2には発明例と同じ体積率で空隙7が形成されているものの、磁束経路4は空隙7では分断されておらず連続している。
この発明例のリアクトル1のコイル3と比較例のリアクトル1をコイル3により励磁した。図3にコイル3に通るコイル電流とインダクタンス比との関係を示し、コイル電流が5Aのときのインダクタンス比を1としたときの5Aから200Aまでのインダクタンス比を示す。
磁束経路4を空隙7で分断した発明例では、5Aから200Aまでのインダクタンス比が1から殆ど変動せずに安定しているのに対し、磁束経路4が分断されていない比較例では、コイル電流が増加するに伴いインダクタンス比は低下しており、特に20Aに到達するまでに急激に低下している。この結果から、コア2を通る磁束経路4を空隙7で分断することで、インダクタンス特性を安定化することができることが分かる。
<実施例2>
実施例2では、磁束経路4を空隙7で分断し、コイル捲回領域5内に占める空隙7の体積率が夫々10%、20%、25%、45%、50%、75%のリアクトル1を作製した。図4には空隙7の体積率が75%のリアクトル1の断面形状を、図5には空隙7の体積率が50%のリアクトル1の断面形状を、図6には空隙7の体積率が25%のリアクトル1の断面形状を夫々例示する。尚、図4〜6に示すリアクトル1の個々の柱状体6並びに空隙7の断面は、図1に示すリアクトル1の柱状体6並びに空隙7の断面より小さいため、図面には断面の詳細を確実に示すことができていないが、図1に示すように断面が格子状となり交互に並んだ構成となっている。また、空隙7の体積率が0%で、空隙7が全く存在せず磁束経路4が分断されていないリアクトル1も作製した。
これら7種のリアクトル1をコイル3により励磁した。図7にコイル3に通るコイル電流とインダクタンス比との関係を示す。コイル電流が5Aのときのインダクタンス比を1.00とし、5Aから100Aまでのインダクタンス比を示す。
磁束経路4を空隙7で分断し、コイル捲回領域5内に占める空隙7の体積率を夫々10%、20%、25%、45%、50%、75%としたリアクトル1では、5Aから100Aまでのインダクタンス比が1.00から殆ど変動せずにインダクタンス特性が安定しているのに対し、空隙7の体積率が0%の場合、すなわち空隙7を全く形成しなかったリアクトル1では、コイル電流が増加するに伴いインダクタンス比の急激な低下があることが分かった。実施例1の比較例(空隙7を形成したが磁束経路4を分断していないリアクトル1)と比較してもその傾向は顕著である。
コイル捲回領域5内に占める空隙7の空隙7の体積率が10%のリアクトル1では、特にリアクトル1の性能上問題のない範囲ではあるが、コイル電流を70A以上としたときにインダクタンス比が僅かに低下する傾向があることが分かる。これに対し、コイル捲回領域5内に占める空隙7の空隙7の体積率が20%以上の各リアクトル1では、インダクタンス特性がより安定化していることが分かる。
図8には空隙7の体積率(空隙率)とインダクタンスの関係を示す。この図8によると、コイル捲回領域5内に占める空隙7の体積率が10%、20%、25%、45%の場合は、インダクタンスは175μH以上と安定しているが、コイル捲回領域5内に占める空隙7の体積率が50%、75%の場合は、インダクタンスが130μH以下となり、リアクトル1として用いるにはインダクタンスが小さくなり過ぎている。すなわち、コイル捲回領域5内に占める空隙7の体積率を45%超にするとインダクタンスが小さくなり過ぎることが分かる。
以上の結果から、コイル捲回領域5内に占める空隙7の体積率を10〜45%、好ましくは20〜45%とすることで、直流重畳時のインダクタンス特性を十分に安定化させることができることが確認した。
本発明の一実施形態のリアクトルを示す断面図である。 比較例のリアクトルを示す断面図である。 図1に示すリアクトルと図2に示すリアクトルのコイル電流とインダクタンス比との関係を示すグラフ図である。 本発明の一実施形態であって、コイル捲回領域内に占める空隙の体積率が75%のリアクトルを示す断面図である。 本発明の一実施形態であって、コイル捲回領域内に占める空隙の体積率が50%のリアクトルを示す断面図である。 本発明の一実施形態であって、コイル捲回領域内に占める空隙の体積率が25%のリアクトルを示す断面図である。 磁束経路を分断し、コイル捲回領域内に占める空隙の体積率を、10%、20%、25%、45%、50%、75%とした夫々のリアクトルのコイル電流とインダクタンス比との関係を示すグラフ図である。 コイル捲回領域内に占める空隙の体積率(空隙率)とインダクタンスの関係を示すグラフ図である。 従来のギャップが形成されたリアクトルを示す斜視図である。
符号の説明
1…リアクトル
2…コア
2a…圧粉コア
3…コイル
4…磁束経路
5…コイル捲回領域
6…柱状体
7…空隙
8…本体コア
9…連結コア

Claims (2)

  1. コアと、前記コアの外周に巻き付けられたコイルを備え、前記コイルの励磁によって前記コアを通る磁束経路が形成されるリアクトルであって、
    前記コアは軟磁性粉末を圧粉成形した圧粉コアであり、
    前記コイルが外周に巻き付けられた前記圧粉コアのコイル捲回領域内は、前記磁束経路の直進方向とは異なる方向に長い複数本の柱状体および空隙で形成されており、
    前記コイル捲回領域内に占める前記空隙の体積率は10〜45%であり、
    前記コアを通る磁束経路は、少なくとも前記空隙の一つで分断されていることを特徴とするリアクトル。
  2. 前記磁束経路の直進方向を水平方向としたとき、前記複数の柱状体と空隙は、垂直方向に長く形成されていることを特徴とする請求項1記載のリアクトル。
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