JP2010053793A - 可変容量排気ガスタービン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スクロール部を内周スクロール部と外周スクロール部とに分割した可変容量排気ガスタービンにおいて、タービンハウジングの開口端面に内、外周スクロール部を画成する蓋部材が配設され、該蓋部材の排気通路側に、前記インサートベーンが突設されており、前記蓋部材は、その内径側を軸受ハウジングとタービンロータの空隙に沿ってシャフト直交面方向に延在させた縮径板と一体的に形成されるとともに、前記縮径板をタービンロータに対向させて熱流を遮断する遮熱板として構成したことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
かかる可変容量排気ガスタービンは、排気ガスにより回転駆動されるタービンロータ10を、タービンハウジング01の中央部に収容(回転軸心100a)している。
前記タービンハウジング01は、排気入口部20及び排気出口部20aを有して、該排気入口部20と内周のタービンロータ10との間に通路断面積が漸次減少するスクロール部12を有する。
前記内周スクロール部2と外周スクロール部1との間は、前記スクロール部12の境界壁2aに沿うように周方向に複数個列設されたインサートベーン6aを介して分割され、それぞれのインサートベーン6aの間には、排気通路6bが形成されている。
また、インサートベーン6aは、図5に示すように、蓋部材6の本体部から前記周方向に複数個突設されており、該インサートベーン6aにより、該内周スクロール部2と前記外周スクロール部1とを分離している。
また、図5に示すように、前記蓋部材6は遮熱板6cの2枚を一体にして、タービンハウジング01を軸受ハウジング11に締め付けるボルト29を用いて、蓋部材の外縁のリング円8で前記タービンハウジング01の支持部1sで挟着しつつ、締め付けられている。
また、前記外周スクロール部1の排気入口部側には、制御弁4が設置され、該制御弁4は前記タービンハウジング01の周壁4aに接脱することにより、前記内周スクロール部2への排気ガス流量および外周スクロール部1への排気ガス流量をそれぞれ制御している。
またエンジンの高回転時には、制御弁4が周壁4aから離れて開くことにより、排気ガスは外周スクロール部1をU1のように流れて、インサートベーン6aの排気通路6bを通って内周スクロール部2に流入するとともに、内周スクロール部2へもU2のように流れる。
従って、エンジンの低回転時と高回転時とで、前記制御弁4により排気ガス流量を変えることができる。
そして前記インサートベーン6aは、前記蓋部材6の本体部から前記周方向に複数個突設されており、かかるインサートベーン6aの構成により、該内周スクロール部2と前記外周スクロール部1とを分離している。
また遮熱板6cを前記蓋部材6と別個に製作するため、図5に示すように、組み立て時には排気出口部20a側に位置するタービンハウジングの開口端面100b側から、前記蓋部材6と遮熱板6cとを同時にして組み付け難いために、2枚それぞれに組み付けねばならず、このため多くの組み立て工数を要する。
また、前記遮熱板6cは、薄い一枚板であって変形し易いので、高温になると板に変形や倒れを生じ易く、該遮熱板6cが変形によりタービンロータ10に接触するという事故が起こり得る。
前記外周スクロール部の排気入口部側に配設され前記内周スクロール部への排気ガス流量および外周スクロール部への排気ガス流量をそれぞれ制御する制御弁を備えるとともに、
前記タービンハウジングの開口端面に前記内、外周スクロール部を画成する蓋部材が配設され、該蓋部材の排気通路側に、前記インサートベーンが突設されている可変容量排気ガスタービンにおいて、
前記蓋部材は、その内径側を軸受ハウジングとタービンロータの空隙に沿ってシャフト直交面方向に延在させた縮径板と一体的に形成されるとともに、前記縮径板を該タービンロータに対向させて熱流を遮断する遮熱板として構成したことを特徴とする。
また、好ましくは、前記リング円は、軸受ハウジング側の円形段部に嵌合可能に支持される。
前記蓋部材は、その内径側を軸受ハウジングとタービンロータの空隙に沿ってシャフト直交面方向に延在させた縮径板と一体的に形成されるとともに、前記縮径板をタービンロータに対向させて熱流を遮断する遮熱板として構成したので、
タービンハウジングの開口端面側に前記内、外周スクロール部を画成し、排気通路側に前記インサートベーンが突設されている蓋部材と、内周のシャフト直交面方向に延在させ且つタービンロータに対向させて熱流を遮断する遮熱板として構成した縮径板とを一体的に形成し、該蓋部材と縮径板(遮熱板)との一体化体としたので、複数個のインサートベーンをそれぞれ突設した蓋部材の構成と熱流を遮断する遮熱板としての構成を、1部品で併せ持つことができる。従って、従来技術のような、蓋部材と遮熱板とが別個になってボルトにより一体に締め付けられているものに比べ、部品点数が低減される。
図1において、かかる可変容量排気ガスタービンは、タービンハウジング01内に、排気ガスにより回転駆動されるタービンロータ10を、該タービンハウジング01の中央部に配置し、該タービンロータ10は該タービンシャフト10aを介して、コンプレッサハウジング13内に収納されたコンプレッサ10bを直結駆動している(100aは回転軸心)。
また、前記コンプレッサハウジング13は軸受ハウジング11を介して前記タービンハウジング01に連結されている。
前記スクロール部12は、前記タービンロータ10の径方向に、内周スクロール部2および外周スクロール部1に、2分割して形成されている。後述する制御弁は符号4で、舌部は符号5で示されている。
前記蓋部材6及び縮径板62からなるインサート部材60は、この実施例では精密鋳造により素材成型を行うものとする。
即ち、前記蓋部材6には、図2に示すように、複数個のインサートベーン6aを、それぞれ排気側に一体にほぼ軸方向に突設して排気ガスの流動を制御するように構成している。そして、それぞれのインサートベーン6aの間には、排気通路6bが該インサートベーン6aの周方向に沿って形成されている。
この縮径板62は、タービンロータ10の背側10sに対向させて、該タービンロータ10の背面からの熱流を遮断する遮熱板として用いられる。
以上により、複数のインサートベーン6aが設置された蓋部材6とタービンシャフト10a直交面方向に延在させた縮径板62とが、一体化して形成されることとなる。
即ち、前記蓋部材6は、図2(A)のように、内側のリング円7において、該縮径板62に連結された形態となっている。図2において、内径D1なるリング円7で、該リング円7は、蓋部材6に形成された凸部7aと該凸部7aに嵌合するように軸受ハウジング11に形成された円形段部11a(図1参照)を嵌着している。かかるリング円7により、前記蓋部材6および縮径板62が、軸受ハウジング11に支持される。
また、複数個のインサートベーン6aをそれぞれ突設した蓋部材6の構成と、熱流を遮断する遮熱板62としての構成を、1つの部品で併せ持つことができ、従って、従来技術のような、蓋部材6と遮熱板62とが別個になってボルトにより一体に締め付けられているものに比べ、部品点数を低減することができる。
このように構成すれば、縮径板(遮熱板)62の熱膨張がリング円7を通じて軸受ハウジング11側の円形段部11aに流されてリング円7の変形を緩和できるとともに、またリング円7を軸受ハウジング11側の円形段部11aに確実に嵌合することにより、蓋部材6と縮径板(遮熱板)62の一体品の固定が確実にできる。
このようにすれば、外周側の蓋部材6に放射状に補強リブ7cを形成して強度を上昇させ、内周側に位置する高温の縮径板62側には補強リブ7cを形成せずに一様な肉厚(扁平な構造)とすることにより、熱拘束がなく熱変形を防止できる。なお、図2(B)(C)の符号5は舌部を示し、100aは回転軸心(図4参照)を示す。
このようにインサートベーン6aと蓋部材6を別体にして、ろう付け等で固定して製作するようにすれば、高温の際に温度が高くなるインサートベーンのみを高級部材で製作し、それを蓋部材と接続することで、インサートベーンと蓋部材の一体品をすべて高級部材で製作する場合よりもコストが安くなる。
また、リング円7と軸受ハウジング11との嵌合部で中心を合わせており、軸受ハウジング11とタービンハウジング01は軸受ハウジング11の外形部で嵌合されており、そこで中心を合わせている。これにより、3つの部材の中心が同軸上に合うことになる。
さらに、図3に示すように、前記内周スクロール部2の入口部には、該入口部に排気ガスをガイドし、排気ガスの流れを円滑に前記内周スクロール部2に流入されるための舌部5が、排気ガス流に沿って形成されている。
即ち、エンジンの低回転時には、制御弁4が周壁4aに接して閉じることにより外周スクロール部1が閉じて、排気ガスはU2のように内周スクロール部2側にのみ流れる。
またエンジンの高回転時には、制御弁4が周壁4aから離れて開くことにより、排気ガスは外周スクロール部1をU1のように流れて、インサートベーン6aの排気通路6bを通って内周スクロール部2に流入するとともに、内周スクロール部2へもU2のように流れる。
従って、エンジンの低回転時と高回転時とで、前記制御弁4により排気ガス流量を変えることができる。
1 外周スクロール部
2 内周スクロール部
2a 境界壁
4 制御弁
4a 周壁
5 舌部
6 蓋部材
6a インサートベーン
6b 排気通路
7 リング円
7c 補強リブ
8 リング円
10 タービンロータ
11 軸受ハウジング
12 スクロール部
20 排気入口部
20a 排気出口部
29 ボルト
30 止めピン
62 縮径板(遮熱板)
100b 開口端面
Claims (4)
- 軸受ハウジングにより軸支されるシャフトと、該シャフトの一端に固定され排気ガスにより回転駆動されるタービンロータと、該タービンロータを中央部に収容するとともに排気入口部及び排気出口部を有し、前記排気入口部とタービンロータとの間に通路断面積が漸次減少するスクロール部を有するタービンハウジングと、前記スクロール部を前記タービンロータの径方向に分割して形成された内周スクロール部および外周スクロール部とを備えるとともに、該タービンロータの周方向に複数個列設されたインサートベーンにより、内周スクロール部へ直接流入する排気ガスの流動と前記外周スクロール部を流れる排気ガスを内周スクロール部に流入させる排気ガスの流動とを制御するように構成し、
前記外周スクロール部の排気入口部側に配設され前記内周スクロール部への排気ガス流量および外周スクロール部への排気ガス流量をそれぞれ制御する制御弁を備えるとともに、
前記タービンハウジングの開口端面に前記内、外周スクロール部を画成する蓋部材が配設され、該蓋部材の排気通路側に、前記インサートベーンが突設されている可変容量排気ガスタービンにおいて、
前記蓋部材は、その内径側を軸受ハウジングとタービンロータの空隙に沿ってシャフト直交面方向に延在させた縮径板と一体的に形成されるとともに、前記縮径板を該タービンロータに対向させて熱流を遮断する遮熱板として構成したことを特徴とする可変容量排気ガスタービン。 - 前記蓋部材の内径側と縮径板との間が、軸受ハウジング側に突設するリング円を介して一体的に形成されていることを特徴とする請求項1記載の可変容量排気ガスタービン。
- 前記リング円は、軸受ハウジング側の円形段部に嵌合可能に支持されたことを特徴とする請求項2記載の可変容量排気ガスタービン。
- 前記リング円の外周側に位置する蓋部材に、放射状に補強リブを形成し、一方リング円の内周側に位置する縮径板側には補強リブを形成しないことを特徴とする請求項2記載の可変容量排気ガスタービン。
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