JP2012057592A - 固定翼式ターボチャージャ - Google Patents
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Abstract
【課題】特に翼体を配置する通路での流体の流れの乱れを防止した、固定翼式ターボチャージャを提供する。
【解決手段】軸受ハウジング1とタービンハウジング4との間の通路9及び軸受ハウジングとコンプレッサハウジングとの間の通路が、対向した第1部材と第2部材とよって形成されており、通路の少なくとも一方に翼体14が配置され固定されてなる固定翼式ターボチャージャである。翼体14を備えた通路9の外壁部15の外側に、外壁部15を補強する補強部16が設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】軸受ハウジング1とタービンハウジング4との間の通路9及び軸受ハウジングとコンプレッサハウジングとの間の通路が、対向した第1部材と第2部材とよって形成されており、通路の少なくとも一方に翼体14が配置され固定されてなる固定翼式ターボチャージャである。翼体14を備えた通路9の外壁部15の外側に、外壁部15を補強する補強部16が設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、簡単な構成によって固定翼による整流効果が高められるようにした固定翼式ターボチャージャに関する。
従来、自動車用などの内燃機関では、出力向上等を図るためにターボチャージャを備えたものが知られている。ターボチャージャは、内燃機関の排気が送り込まれるタービンスクロールと、タービンスクロール内の排気(流体)が通路を介して供給されることにより回転するタービンインペラと、タービンインペラと一体に回転するコンプレッサインペラと、コンプレッサインペラからの空気(流体)が通路を介して供給されるディフューザとしてのコンプレッサスクロールとを有し、コンプレッサスクロールからの加圧された空気を内燃機関の燃焼室へ強制的に供給するようにしたものである。
前記タービン側の排気が流動する通路及びコンプレッサ側の空気が流動する通路の一方あるいは両方には、流体の流れを整流するための翼体を備えたものが知られている。
タービン側の通路に備えられる翼体について説明すると、タービンハウジングに形成されたタービンスクロールにより流速が高められて送り込まれる排気は、翼体によりタービンインペラの周囲から均一に流入することで、タービンの効率向上が図られている。このような翼体には、翼体をタービンハウジングの対向前面又は軸受ハウジングの対向前面に固定するようにした固定翼式と、タービンハウジングと軸受ハウジングの対向前面間に、各翼体に備えた軸をリンク機構等により同時に回転させて翼体の角度を一斉に変えられるようにした可変翼式とが知られている。
固定翼式は、排気の流入角度が固定であるため、内燃機関の回転数等に応じて排気の流速を変化させることはできないのに対し、可変翼式では、内燃機関の回転数等に応じて排気の流入角度を変えることにより、排気の流速を変化させることができるようになっている。一方、固定翼式は比較的簡単な構成であるのに対し、可変翼式は可動とするため、構成が複雑なものとなっている。
本発明と関連するこの種のターボチャージャの先行技術文献情報としては、例えば、固定翼と可変翼体の両方を備えたものがある(特許文献1等参照)。また、後部排気導入壁と前部排気導入壁との間に翼体が回動可能に挾持された可変翼体において、各翼体の軸と軸受ハウジングとの間に、各軸を後部排気導入壁側へ押圧して翼体を後部排気導入壁側に変位させる押圧手段を備えたものがある(特許文献2等参照)。
ところで、固定翼式のターボチャージャにおいては、通路に翼体を配置し固定する必要上、従来の翼体を配置しないタイプのターボチャージャに比較し、タービンハウジングやコンプレッサハウジングは通路の分だけ径方向の長さが長くなっている。
このように径方向での長さが引き延ばされて形成された通路では、この通路を形成する外壁部、すなわちタービンハウジング側やコンプレッサハウジング側の壁部の厚さが、それぞれのスクロール部などに比べて厚く形成されている。
このように径方向での長さが引き延ばされて形成された通路では、この通路を形成する外壁部、すなわちタービンハウジング側やコンプレッサハウジング側の壁部の厚さが、それぞれのスクロール部などに比べて厚く形成されている。
これは、従来の翼体を配置しないタイプのターボチャージャでは、通路がないためスクロール部とハウジングのインペラを配置する側との間の長さが僅かであり、この部分については単に曲率を付与し湾曲させるだけの加工で形成していたためである。また、従来の翼体を配置しないタイプに比べて固定翼式のターボチャージャでは、スクロール部とハウジングのインペラを配置する側との間が通路の長さ分長くなっているため、この通路を形成する外壁部の厚さを薄くすると全体のバランスが悪くなり、通路部での強度が相対的に低くなってしまうからである。
しかしながら、従来の固定翼式のターボチャージャでは、通路の外壁部の厚さがこれに連続するスクロール部などに比べて厚いため、以下に述べる不都合がある。
タービンハウジングやコンプレッサハウジングについては、鋳造で製造するのが一般的であるが、鋳造で製造する場合、連続した部位の肉厚が大きく異なると、特に肉厚の厚い側で「す」が形成され易くなってしまう。すなわち、通路を形成する外壁部の厚さが厚いことから、外壁部側に「す」が多く形成されてしまう。
タービンハウジングやコンプレッサハウジングについては、鋳造で製造するのが一般的であるが、鋳造で製造する場合、連続した部位の肉厚が大きく異なると、特に肉厚の厚い側で「す」が形成され易くなってしまう。すなわち、通路を形成する外壁部の厚さが厚いことから、外壁部側に「す」が多く形成されてしまう。
すると、タービンハウジングやコンプレッサハウジングは、流路面となる内面側が研削による仕上げによって円滑面に形成されることから、その際に前記の「す」が流路面上に露出してしまい、流路面に凹凸が形成されてしまう。このようにして凹凸が形成されてしまうと、この流路面を有する前記通路では流体の流れに乱れが生じ、翼体による整流効果が損なわれるため、タービンやディフューザの効率向上が妨げられてしまう。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、特に翼体を配置する通路での流体の流れの乱れを防止した、固定翼式ターボチャージャを提供することにある。
本発明の固定翼式ターボチャージャは、軸受ハウジングとタービンハウジングとの間の通路及び軸受ハウジングとコンプレッサハウジングとの間の通路が、対向した第1部材と第2部材とよって形成されており、前記通路の少なくとも一方に翼体が配置され固定されてなる固定翼式ターボチャージャであって、
前記翼体を備えた通路の外壁部の外側に、該外壁部を補強する補強部が設けられていることを特徴としている。
前記翼体を備えた通路の外壁部の外側に、該外壁部を補強する補強部が設けられていることを特徴としている。
この固定翼式ターボチャージャによれば、翼体を備えた通路の外壁部の外側に補強部を設けたので、この通路の外壁部の肉厚を従来のように厚く形成することなく、例えばスクロール部と同等の厚さに形成しても、全体のバランスが悪くなって通路部での強度が相対的に低くなることが防止される。そこで、通路の外壁部の肉厚をスクロール部と同等の厚さに形成することで、タービンハウジングやコンプレッサハウジングを鋳造した際に、通路の外壁部に「す」が形成されるのが抑制される。これにより、前記「す」に起因して翼体が配置される通路で流体の流れに乱れが生じることが、防止される。
また、前記固定翼式ターボチャージャにおいて、前記外壁部は、前記タービンハウジングにおけるスクロール部又は前記コンプレッサハウジングにおけるスクロール部に連続して形成されており、前記外壁部の、径方向において前記翼体の形成位置に対応する範囲内の肉厚が、該外壁部に連続する前記スクロール部の肉厚と同じに形成されているのが好ましい。
このようにすれば、タービンハウジングやコンプレッサハウジングを鋳造した際に、前記したように通路の外壁部に「す」が形成されるのが抑制される。よって、前記「す」に起因して翼体が配置される通路で流体の流れに乱れが生じることが、防止される。
このようにすれば、タービンハウジングやコンプレッサハウジングを鋳造した際に、前記したように通路の外壁部に「す」が形成されるのが抑制される。よって、前記「す」に起因して翼体が配置される通路で流体の流れに乱れが生じることが、防止される。
また、前記固定翼式ターボチャージャにおいて、前記第1部材と第2部材とが前記軸受ハウジングとタービンハウジングとからなり、前記翼体は、前記軸受ハウジングの対向前面に備えられた遮熱板に、前記タービンハウジングに対向した状態で固定されていてもよい。
このようにすれば、翼体を遮熱板に固定してこれらを一体に形成しておくことにより、通路への翼体の組み込みが容易になる。
このようにすれば、翼体を遮熱板に固定してこれらを一体に形成しておくことにより、通路への翼体の組み込みが容易になる。
本発明の固定翼式ターボチャージャにあっては、前述したように通路の外壁部に「す」が形成されるのを抑制し、「す」に起因して翼体が配置される通路で流体の流れに乱れが生じるのを防止することができるので、タービンやディフューザの効率向上を図ることができる。
また、通路の外壁部の肉厚を従来のように厚く形成することなく、例えばスクロール部と同等の厚さに形成することで、前記外壁部を軽量化するとともに、肉厚を薄くした分コストを低減化することができる。
また、通路の外壁部の肉厚を従来のように厚く形成することなく、例えばスクロール部と同等の厚さに形成することで、前記外壁部を軽量化するとともに、肉厚を薄くした分コストを低減化することができる。
以下、本発明の固定翼式ターボチャージャを、図面を参照して詳しく説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
図1は、本発明の固定翼式ターボチャージャの一実施形態を示す図であって、タービン側の通路に翼体を備えた固定翼式ターボチャージャの要部側断面図である。この固定翼式ターボチャージャは、軸受ハウジング1(第1部材)とタービンハウジング4(第2部材)とが対向する各対向前面間に形成された通路9に、固定式の翼体14を備えたものである。
また、この固定翼式ターボチャージャは、軸受ハウジング1に回転可能に支持された回転軸2の一端に、タービンインペラ3を固定したものである。そして、この固定翼式ターボチャージャは、タービンハウジング4の対向前面(図1の右側面)に形成された位置決め段部4bが、軸受ハウジング1の対向前面(図1の左側面)側の位置決めピン5に合わされることで周方向(回転方向)の位置決めがなされ、その後、外周部に設けられた締結リング6が締結ボルト7で締め付けられることにより、軸受ハウジング1とタービンハウジング4とが一体に組み立てられている。
タービンハウジング4にはタービンスクロール8が形成されており、該タービンスクロール8からの排気(流体)は、軸受ハウジング1とタービンハウジング4との各対向前面間の通路9を通ってタービンインペラ3に周方向から導入されるようになっている。タービンスクロール8は、壁部を形成するスクロール部8aと、該スクロール部8a内に形成された流路8bとからなっており、スクロール部8aは前記通路9を形成する外壁部15に連続して形成されている。
ここで、タービンハウジング4は全体が鋳造によって製造されており、スクロール部8aはその全体の肉厚、すなわち図1中に矢印Sで示す範囲内の肉厚が、均一に形成されている。なお、スクロール部の8aの肉厚は、安全率を見込んだ設計上の許される最小限の厚さになっており、これによって全体の軽量化やコストの低減化が図られている。
また、図示しないものの、前記回転軸2の他端にはコンプレッサインペラが備えられている。このコンプレッサインペラの外周にはコンプレッサスクロールを形成するコンプレッサハウジングが設けられており、軸受ハウジング1とコンプレッサハウジングとは、各対向前面間に通路を形成して一体に組み立てられている。
コンプレッサスクロールは、前記タービンスクロール8と同様に、壁部を形成するスクロール部と該スクロール部内に形成された流路とからなっており、スクロール部は、その全体の肉厚が均一に形成されている。また、このスクロール部は、前記通路を形成する外壁部に連続して形成されている。さらに、コンプレッサハウジングもタービンハウジング4と同様に全体が鋳造によって製造されており、スクロール部はその全体の肉厚が均一に形成されている。したがって、コンプレッサハウジング側の構成は、タービンハウジング4側の構成とほぼ同じになっている。
図1に示すように、前記軸受ハウジング1(第1部材)の対向前面には円環状の嵌合溝10が形成されており、この嵌合溝10には、リング状(円環状)の遮熱板11が設けられている。この遮熱板11にはその背面の外周部に環状突部12が突出した状態に形成されており、この環状突部12が前記嵌合溝10に嵌合していることにより、遮熱板11は軸受ハウジング1(第1部材)の対向前面に取り付けられている。
また、環状突部12には凹部13が形成されており、この凹部13が前記位置決めピン5に係合することにより、遮熱板11は周方向への移動が規制されている。
また、環状突部12には凹部13が形成されており、この凹部13が前記位置決めピン5に係合することにより、遮熱板11は周方向への移動が規制されている。
また、本実施形態では、遮熱板11の前面に複数の翼体14の基端が固定されており、これによって遮熱板11と翼体14とは一体化されている。翼体14は、その先端がタービンハウジング4の対向前面に向けられて設けられたもので、この対向前面に対して僅かなサイドクリアランスを有して配置されている。ここで、翼体14は、図2に示すようにリング状の遮熱板11の前面に、周方向に所定の間隔で配置され、かつ、設計に基づいて同一方向に傾いて固定されている。また、図1に示すように遮熱板11は、高熱のタービンハウジング4側から、冷却されることで比較的低温となっている軸受ハウジング1側に熱が伝わるのを、抑制するようになっている。
翼体14を配置した通路9の外壁部15、すなわちタービンハウジング4におけるスクロール部8aとタービンインペラ3を配置する円筒部4aとの間の外壁部15は、タービンハウジング4の径方向において、少なくとも図1、図2に示す前記翼体14の形成位置に対応する範囲R内の肉厚が、該外壁部15に連続する前記スクロール部8aの肉厚と同じに形成されている。ただし、本実施形態では、前記範囲Rの径方向における両側も含めて、通路9を形成する外壁部15はほぼその全体が、スクロール部8aの肉厚と同じに形成されている。
ここで、外壁部15の肉厚がスクロール部8aの肉厚と同じとは、鋳造で得られる鋳物において回避できない寸法誤差や、一般に要求される加工精度より小さい、したがって一般の加工では許容される寸法誤差の範囲内において、スクロール部8aの肉厚とは異なっていても、この差異は回避困難なものであるため、本発明では外壁部15の肉厚がスクロール部8aの肉厚と同じであるものとしている。
このように通路9の外壁部15の肉厚がスクロール部8aと同じであるため、このタービンハウジング4は、従来のようにスクロール部8aの肉厚より格段に厚い場合に比べ、タービンスクロール8と通路9とタービンインペラ3を配置する側とのバランスが悪くなり、特にタービンスクロール8とタービンインペラ3を配置する側との間に位置する通路9においてその強度が相対的に低くなっている。
そこで、前記通路9の外壁部15の外側には、該外壁部15を補強する補強リブ(補強部)16が設けられている。補強リブ16は、図1に示すようにスクロール部8aとタービンインペラ3を内部に配置する円筒部4aとの間に設けられたもので、本実施形態では図1のA−A線矢視図である図3に示すように、回転軸2を中心にしてその半径方向に三つ設けられている。これら補強リブ16は、回転軸2の周方向において等間隔に設けられている。なお、補強リブ16の数や大きさ、形状については、特に限定されることなく、通路9の長さや要求される強度に応じて適宜に決定される。
次に、このような構成からなる固定翼式ターボチャージャの作用を説明する。
固定翼式ターボチャージャを組み立てるにあたり、まず、タービンハウジング4やコンプレッサハウジングをそれぞれ鋳造で製造する。その際、タービンハウジング4については、前記通路9の外壁部15の肉厚をスクロール部8aの肉厚と同じに形成するとともに、外壁部15の外側に補強リブ16を形成する。また、図示しないものの、コンプレッサハウジングについても、翼体を配置する通路の外壁部の肉厚をコンプレッサスクロールにおけるスクロール部の肉厚と同じに形成するとともに、外壁部の外側に補強リブを形成する。
固定翼式ターボチャージャを組み立てるにあたり、まず、タービンハウジング4やコンプレッサハウジングをそれぞれ鋳造で製造する。その際、タービンハウジング4については、前記通路9の外壁部15の肉厚をスクロール部8aの肉厚と同じに形成するとともに、外壁部15の外側に補強リブ16を形成する。また、図示しないものの、コンプレッサハウジングについても、翼体を配置する通路の外壁部の肉厚をコンプレッサスクロールにおけるスクロール部の肉厚と同じに形成するとともに、外壁部の外側に補強リブを形成する。
このようにしてタービンハウジング4やコンプレッサハウジングを製造すると、特にそれぞれのスクロール部8aから外壁部15にかけては同じ肉厚で連続しているため、スクロール部8aにも外壁部15にも「す」が形成されにくくなり、実際にほとんど「す」が形成されなくなる。したがって、仕上げ加工でその内面を研削すると、スクロール部8aにはもちろん外壁部15にも「す」に起因してその流路面に凹凸が形成されることがなく、良好な平滑面に仕上がる。
また、外壁部15の肉厚をスクロール部8aの肉厚と同じに形成し、したがって従来に比べ外壁部15の肉厚を格段に薄くしているものの、この外壁部15の外側に補強リブ16を形成しているので、タービンハウジング4やコンプレッサハウジング全体の強度バランスが悪くなるのが抑えられ、通路9の部位での強度が相対的に低くなるのが防止される。
したがって、このようにして形成したタービンハウジング4やコンプレッサハウジングと、別に形成した軸受ハウジング1とを一体に組み立てて得られた固定翼式ターボチャージャにあっては、通路9の外壁部15に「す」が形成されるのを抑制し、「す」に起因して翼体14が配置される通路9で流体の流れに乱れが生じるのを防止しているので、タービンやディフューザの効率向上を図ることができる。
また、通路9の外壁部15の肉厚を従来のように厚く形成することなく、例えばスクロール部8aと同等の厚さに形成することで、前記外壁部15を軽量化するとともに、肉厚を薄くした分コストを低減化することができる。
また、通路9の外壁部15の肉厚を従来のように厚く形成することなく、例えばスクロール部8aと同等の厚さに形成することで、前記外壁部15を軽量化するとともに、肉厚を薄くした分コストを低減化することができる。
また、特に軸受ハウジング1とタービンハウジング4との間の通路9に対して配置する翼体14を、軸受ハウジング1の対向前面に備えられた遮熱板11に固定しているので、これら翼体14と遮熱板11とを一体に形成しておくことにより、通路9への翼体14の組み込みを容易にして生産性を向上することができる。
以上、図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、前記実施形態では翼体14を例えば遮熱板11を介して軸受ハウジング4側に取り付け、固定するようにしたが、タービンハウジング4側やコンプレッサハウジング側、すなわち通路9を形成する外壁部15の内面(流路面)に翼体を取り付け、固定するようにしてもよい。このようにすれば、外壁部15の外側に形成した補強リブ16とともに、翼体も外壁部15を補強する補強部材として機能するようになり、補強リブ16の負担を軽減することができる。
例えば、前記実施形態では翼体14を例えば遮熱板11を介して軸受ハウジング4側に取り付け、固定するようにしたが、タービンハウジング4側やコンプレッサハウジング側、すなわち通路9を形成する外壁部15の内面(流路面)に翼体を取り付け、固定するようにしてもよい。このようにすれば、外壁部15の外側に形成した補強リブ16とともに、翼体も外壁部15を補強する補強部材として機能するようになり、補強リブ16の負担を軽減することができる。
また、前記実施形態では本発明に係る補強部として図1に示す補強リブ16を用いたが、例えばこのような補強リブ16に代えて、図4に示すような補強部17を用いてもよい。この補強部17は、スクロール部8aとタービンインペラ3を内部に配置する円筒部4aとの間に設けられた略円環状のもので、外壁部15との間に中空部17aを形成してこの中空部17aの外側、すなわち外壁部15の外側に形成配置されたものである。
このような補強部17にあっても、通路9を形成する外壁部15の両側(スクロール部8a側と円筒部4a側)を支持することにより、外壁部15の構造的負担を軽減して外壁部15を補強することができる。したがって、外壁部15の肉厚をスクロール部8aの肉厚と同じに形成することにより、外壁部15に「す」が形成されるのを抑制し、「す」に起因して翼体14が配置される通路9で流体の流れに乱れが生じるのを防止することができる。
また、前記実施形態では、翼体14を遮熱板11に設け、遮熱板11を例えば軸受ハウジング1(第2部材)側に固定配置するようにしたが、このような遮熱板11と翼体14とをその前後方向に移動可能に構成し、例えば皿ばね等の押圧手段によって翼体14及び遮熱板11をタービンハウジング4(第2部材)側に押圧してこれらを移動させ、通路9(外壁部15)の内面に翼体14の先端を圧接させることにより、サイドクリアランスをゼロクリアランスとするようにしてもよい。
1 …軸受ハウジング(第1部材)、4…タービンハウジング(第2部材)、8…タービンスクロール、8a…スクロール部、9…通路、11…遮熱板、14…翼体、15…外壁部、16…補強リブ(補強部)、17…補強部
Claims (3)
- 軸受ハウジングとタービンハウジングとの間の通路及び軸受ハウジングとコンプレッサハウジングとの間の通路が、対向した第1部材と第2部材とよって形成されており、前記通路の少なくとも一方に翼体が配置され固定されてなる固定翼式ターボチャージャであって、
前記翼体を備えた通路の外壁部の外側に、該外壁部を補強する補強部が設けられていることを特徴とする固定翼式ターボチャージャ。 - 前記外壁部は、前記タービンハウジングにおけるスクロール部又は前記コンプレッサハウジングにおけるスクロール部に連続して形成されており、
前記外壁部の、径方向において前記翼体の形成位置に対応する範囲内の肉厚が、該外壁部に連続する前記スクロール部の肉厚と同じに形成されていることを特徴とする請求項1記載の固定翼式ターボチャージャ。 - 前記第1部材と第2部材とが前記軸受ハウジングとタービンハウジングとからなり、
前記翼体は、前記軸受ハウジングの対向前面に備えられた遮熱板に、前記タービンハウジングに対向した状態で固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の固定翼式ターボチャージャ。
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