JP2010053164A - 封止用樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、封止用樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置に係り、特に封止物品における反りが少ないことが必要とされる用途、また高温時に高い弾性率が必要とされる用途に好適に用いられる封止用樹脂組成物、およびこの封止用樹脂組成物を用いて封止された樹脂封止型半導体装置に関する。
従来、半導体チップや基板等の部材を電気絶縁性の封止用樹脂組成物で封止することにより電子部品や半導体装置等の封止物品を製造している。このような封止用樹脂組成物としては、例えば液状のエポキシ樹脂組成物が用いられており、部材の表面に塗布した後、加熱硬化させることで部材を封止している。
しかしながら、部材の片面のみをエポキシ樹脂組成物で封止した場合、封止物品に反りが発生しやすい。このような反りを低減するには、エポキシ樹脂組成物の硬化収縮を小さくすること、および部材の線膨張係数とエポキシ樹脂組成物の硬化物の線膨張係数とを近づけることの2つの方法が重要である。
例えば、有機基板はBT樹脂やポリイミド樹脂のようなガラス転移温度の高いものを用いており、エポキシ樹脂組成物の硬化温度である150℃程度よりも高いガラス転移温度を有している。従って、成形温度から室温までの冷却過程では有機基板はガラス転移温度以下の領域で収縮し、エポキシ樹脂組成物の硬化物のガラス転移温度が高く、かつ線膨張係数が有機基板の線膨張係数と同じであり、さらに硬化収縮がゼロであれば、封止物品における反りはほぼゼロになると考えられる。
このため、エポキシ樹脂組成物を例えばエポキシ樹脂と酸無水物硬化剤とからなるものとすることでガラス転移温度を高くし、また無機充填材の配合量を調整することで線膨張係数を小さくすることが行われている。線膨張係数を小さくすることは、部材が半導体チップや基板等のエポキシ樹脂組成物の硬化物より小さい線膨張係数を有するものであることから、エポキシ樹脂組成物の硬化物の線膨張係数を部材の線膨張係数に近づけることを意味し、一般に無機充填材の配合量を高めることにより行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−1541号公報
しかしながら、硬化剤として酸無水物硬化剤を用いたエポキシ樹脂組成物については、高温時に樹脂が分解し、必ずしも十分な耐熱性を有していない。一方、線膨張係数を小さくするもの、すなわち無機充填材の配合量を高めるものについては、エポキシ樹脂組成物の流動性が低下し作業性が悪化する。
また、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルターやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の中空構造を有する封止物品については、中空構造を保護するためにエポキシ樹脂組成物による封止が行われている。しかしながら、エポキシ樹脂組成物の硬化物の高温時の弾性率が低いために、中空構造が破壊されやすくなっている。中空構造の保護については、例えば金属キャップやセラミック封止による保護が提案されているが、薄型化の観点からエポキシ樹脂組成物等による樹脂封止が有利である。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、流動性が高く作業性に優れると共に、封止物品における反りが抑制されて封止の信頼性に優れ、さらに封止物品の中空構造も保護される封止用樹脂組成物を提供することを目的としている。また、本発明は、このような封止用樹脂組成物を用いて製造される封止の信頼性に優れる樹脂封止型半導体装置を提供することを目的としている。
本発明の封止用樹脂組成物は、(A)下記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂、(B)下記一般式(2)で示される芳香族アミン型硬化剤、および(C)シリカ粉末を必須成分とし、硬化物の180℃における曲げ弾性率が4.0GPa以上であることを特徴としている。
また、本発明の封止用樹脂組成物は、(A)下記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂、(B)下記一般式(2)で示される芳香族アミン型硬化剤、(C)シリカ粉末、および(D)数平均分子量が1500以上のエポキシ樹脂を必須成分とし、硬化物の180℃における曲げ弾性率が4.0GPa以上であることを特徴としている。
本発明の樹脂封止型半導体装置は、素子を封止用樹脂組成物で封止してなる樹脂封止型半導体装置であって、前記封止用樹脂組成物が上記した本発明の封止用樹脂組成物であることを特徴としている。
本発明によれば、特定のエポキシ樹脂、特定の芳香族アミン型硬化剤、およびシリカ粉末を必須成分として含有させることで、流動性が高く作業性に優れると共に、封止物品における反りが抑制されて封止の信頼性に優れ、さらに封止物品の中空構造も保護される封止用樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、このような封止用樹脂組成物を用いて素子を封止することで、反りが抑制され封止の信頼性に優れると共に、中空構造も保護される樹脂封止型半導体装置を提供することができる。
以下、本発明の封止用樹脂組成物および樹脂封止型半導体装置について詳細に説明する。
本発明の封止用樹脂組成物は、(A)下記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂、(B)下記一般式(2)で示される芳香族アミン型硬化剤、および(C)シリカ粉末を必須成分とし、硬化物の180℃における曲げ弾性率が4.0GPa以上であることを特徴としている。
また、本発明の他の封止用樹脂組成物は、(A)下記一般式(1)で示されるエポキシ樹脂、(B)下記一般式(2)で示される芳香族アミン型硬化剤、(C)シリカ粉末、および(D)数平均分子量が1500以上のエポキシ樹脂を必須成分とし、硬化物の180℃における曲げ弾性率が4.0GPa以上であることを特徴としている。
本発明の封止用樹脂組成物によれば、少なくとも(A)成分のエポキシ樹脂、(B)成分の芳香族アミン型硬化剤、および(C)成分のシリカ粉末を含有することで、流動性が高く作業性に優れると共に、硬化後の収縮が小さく、封止物品における反りが抑制されて封止の信頼性が向上する。また、本発明の封止用樹脂組成物によれば、上記(A)〜(C)成分を含有することで、硬化物の180℃における曲げ弾性率が4.0GPa以上となり、高温時の変形が小さくなることで、封止物品の中空構造も保護することができる。
さらに、本発明では、上記(A)〜(C)成分と共に(D)成分のエポキシ樹脂を含有することで、特に硬化後の収縮が小さくなり、より一層封止物品における反りを抑制し封止の信頼性を向上させることができる。
以下、本発明に用いる各成分について説明する。
本発明に用いる(A)成分のエポキシ樹脂は、上記一般式(1)で示されるものであり、R1〜R4はそれぞれ水素原子またはアルキル基であればよいが、好ましくはR1〜R4が水素原子または炭素数3以下のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子である。R1〜R4が炭素数3を超えるアルキル基の場合、粘度が高くなるために封止用樹脂組成物の流動性が低下し、作業性に優れないおそれがある。R1〜R4が炭素数3以下のアルキル基であれば十分に粘度が低く、さらにR1〜R4が水素原子であればより一層粘度が低くなるために、封止用樹脂組成物の流動性が高く作業性に優れるために好ましい。
本発明に用いる(A)成分のエポキシ樹脂は、上記一般式(1)で示されるものであり、R1〜R4はそれぞれ水素原子またはアルキル基であればよいが、好ましくはR1〜R4が水素原子または炭素数3以下のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子である。R1〜R4が炭素数3を超えるアルキル基の場合、粘度が高くなるために封止用樹脂組成物の流動性が低下し、作業性に優れないおそれがある。R1〜R4が炭素数3以下のアルキル基であれば十分に粘度が低く、さらにR1〜R4が水素原子であればより一層粘度が低くなるために、封止用樹脂組成物の流動性が高く作業性に優れるために好ましい。
また、(A)成分のエポキシ樹脂としては、素子を封止して樹脂封止型半導体装置としたときの信頼性を確保する観点から、塩素濃度が2000ppm以下のものが好ましい。このような(A)成分のエポキシ樹脂としては、例えばJER−630(ジャパンエポキシレジン株式会社製、エポキシ樹脂当量97、R1〜R4=水素原子)が挙げられる。
本発明の封止用樹脂組成物に用いる(B)成分の芳香族アミン型硬化剤は、上記一般式(2)で示されるものであり、Rが水素原子またはアルキル基であればよいが、好ましくはRが水素原子または炭素数が3以下のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子である。Rが炭素数3を超えるアルキル基の場合、粘度が高くなるために封止用樹脂組成物の流動性が低下し、作業性に優れないおそれがある。Rが炭素数3以下のアルキル基であれば十分に粘度が低く、さらにRが水素原子であればより一層粘度が低くなるために、封止用樹脂組成物の流動性が高く作業性に優れるために好ましい。
一方、Xは水素原子またはアルキル基であればよいが、好ましくは炭素数が1以上3以下のアルキル基であり、さらに好ましくは−C2H5(エチル基)である。Xが水素原子の場合、封止用樹脂組成物の硬化物の耐熱性が不十分となるおそれがあり、炭素数が3を超えるアルキル基の場合、粘度が高くなるために封止用樹脂組成物の流動性が低下し、作業性に優れないおそれがある。Xが炭素数が1以上3以下のアルキル基であれば封止用樹脂組成物の作業性および硬化物の耐熱性に優れ、−C2H5であればより一層封止用樹脂組成物の作業性および硬化物の耐熱性が十分なものとなり好ましい。このような(B)成分の芳香族アミン型硬化剤としては、例えばカヤハードA−A(日本化薬株式会社製、アミン当量63、R=H、X=C2H5、n=1)が挙げられる。
(B)成分の芳香族アミン型硬化剤の含有量は、(A)成分のエポキシ樹脂と(B)成分の芳香族アミン型硬化剤との当量比、すなわち(A)成分のエポキシ樹脂中のエポキシ基数に対する(B)成分の芳香族アミン型硬化剤中の反応性基数(活性水素数)の比(芳香族アミン型硬化剤中の活性水素数/エポキシ樹脂中のエポキシ基数)が0.7以上1.6以下となるようにすることが好ましく、より好ましくは0.8以上1.4以下、さらに好ましくは0.9以上1.2以下となるようにする。このような含有量とすることで、(A)成分のエポキシ樹脂と(B)成分の芳香族アミン型硬化剤とのそれぞれの未反応分を少なくすることができる。
なお、(A)成分のエポキシ樹脂と共に(D)成分のエポキシ樹脂を併用する場合、(A)成分のエポキシ樹脂および(D)成分のエポキシ樹脂と(B)成分の芳香族アミン型硬化剤との当量比が上記範囲内となるように、(B)成分の芳香族アミン型硬化剤の含有量を調整することが好ましい。
本発明の封止用樹脂組成物に用いる(C)成分のシリカ粉末としては溶融シリカ、結晶性シリカ等が挙げられるが、コスト、特性のバランスから溶融球状シリカが好適に用いられる。溶融破砕シリカおよび結晶シリカは封止用樹脂組成物の流動性を低下させ、作業性を悪化させるおそれがあり好ましくない。
(C)成分のシリカ粉末の含有量は、封止用樹脂組成物の全体中、65質量%以上85質量%以下であることが好ましい。(C)成分のシリカ粉末の含有量が65質量%未満の場合、硬化物の耐クラック性が不十分となるおそれがあり、また封止物品における反りも大きくなるおそれがあり、さらに硬化物の180℃における曲げ弾性率も4.0GPa以上とならないおそれがある。一方、(C)成分のシリカ粉末の含有量が85質量%を超える場合、封止用樹脂組成物の流動性が低下し作業性が優れないおそれがある。
本発明の封止用樹脂組成物に用いる(D)成分のエポキシ樹脂は、(A)成分のエポキシ樹脂と共に必要に応じて併用されるものであって、数平均分子量が1500以上のものである。(A)成分のエポキシ樹脂と共にこのような(D)成分のエポキシ樹脂を併用することで、封止用樹脂組成物の成形後の収縮を小さくし、封止物品における反りをより一層抑制することができる。
(D)成分のエポキシ樹脂としては、数平均分子量が1500以上のものであれば特に制限されるものではないが、好ましくは数平均分子量が1700以上3000未満のものである。数平均分子量が1700以上であれば、封止用樹脂組成物の成形後の収縮がより一層小さくなり、封止物品における反りが抑制されるために好ましい。また、数平均分子量が3000以上となると、粘度が高くなるために封止用樹脂組成物の流動性が低下し、作業性に優れないおそれがある。このような(D)成分のエポキシ樹脂としては、例えば下記一般式(3)で示されるブタジエンの繰り返し構造をもつ液状タイプのエポキシ樹脂が好ましい。
(D)成分のエポキシ樹脂の含有量は、(A)成分のエポキシ樹脂と(D)成分のエポキシ樹脂との合計量中、(D)成分のエポキシ樹脂の割合が5質量%以上20質量%以下となるようにすることが好ましい。(D)成分のエポキシ樹脂の割合が5質量%未満の場合、封止用樹脂組成物の成形後の収縮を小さくする効果が少なく、一方20質量%を超える場合、封止用樹脂組成物の流動性が低下し作業性に優れないおそれがある。
本発明の封止用樹脂組成物においては、上記(A)成分のエポキシ樹脂、(B)成分の芳香族アミン型硬化剤、および(C)成分のシリカ粉末、ならびに必要に応じて併用される(D)成分のエポキシ樹脂に加えて、他の成分を含有させることができる。
他の成分としては、例えば上記(A)成分のエポキシ樹脂および(D)成分のエポキシ樹脂以外の他のエポキシ樹脂が挙げられ、このような他のエポキシ樹脂としては1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものでおれば特に限定されるものではなく、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添タイプのビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ブロム含有エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。
他のエポキシ樹脂の含有量は、(A)成分のエポキシ樹脂と他のエポキシ樹脂との合計量中、他のエポキシ樹脂の割合が20質量%以下となるようにすることが好ましい。他のエポキシ樹脂の割合が20質量%を超える場合、封止物品における反りが大きくなるおそれがあり、また硬化物の180℃における曲げ弾性率も4.0GPa以上とならないおそれがある。
また、エポキシ樹脂以外の他の成分としては、例えば硬化促進剤、カップリング剤、カーボンブラック、二酸化チタン等の顔料、シリコーンゴム、各種プラスチックス粉末、各種エンジニアリングプラスチックス粉末、ABS樹脂やMBS樹脂の粉末等の低応力化剤が挙げられる。
硬化促進剤としては、アミン系硬化剤を用いてエポキシ樹脂を硬化する際に硬化促進剤として使用することが知られているものであれば特に限定されるものではなく、例えば、2−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール化合物またはその誘導体等が挙げられ、これらは必要に応じて1種のみを単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの硬化促進剤の含有量は、それぞれの触媒活性が異なるため一概にその好適量は決められないが、封止用樹脂組成物の総量に対し、例えば0.1質量%以上5質量%以下の範囲とすることが好ましい。硬化促進剤の含有量が0.1質量%未満では硬化性能が十分でないおそれがあり、一方5質量%を超えると硬化物の耐湿信頼性等が低下するおそれがある。
また、カップリング剤としては一般に無概充填剤の表面処理に使用されるものであれば特に限定されるものではないが、例えばシリコン原子に結合したアルコキシ基を有するシラン化合物が好ましく、なかでも一級もしくは二級のアミンを有するシランカップリング剤が好ましい。このようなカップリング剤を用いることにより封止用樹脂組成物の成形性をより向上させることができる。このようなカップリング剤としては、具体的にはγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−N−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。このようなアミノシランは必要に応じて1種のみを単独で用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて用いてもよく、さらにこのようなアミノシランと共にそれ以外のカップリング剤を併用してもかまわない。
このようなカップリング剤の含有量は、封止用樹脂組成物全体の0.01質量%以上5質量%以下とすることが好ましい。カップリング剤の含有量が0.01質量%未満では成形性の向上に効果がなく、一方5質量%を超えると硬化物の信頼性に悪影響を与えるために好ましくない。
本発明の封止用樹脂組成物は、(A)成分のエポキシ樹脂、(B)成分の芳香族アミン型硬化剤、および(C)成分のシリカ粉末を必須成分として配合し、必要に応じて(D)成分のエポキシ樹脂、その他の成分を配合して、例えばプラネタリーミキサーによって充分混合し、さらに3本ロールにより混練処理することにより製造することができる。
このようにして得られる本発明の封止用樹脂組成物は、例えば室温においてE型粘度計により測定される粘度が100Pa・s以下であることが好ましい。封止用樹脂組成物の粘度がこのようなものとなっていることで、例えば平面形状に塗布する際の作業性、ディスペンサーにより塗布する際の作業性、アンダーフィルを行う際の作業性を十分なものとすることができる。なお、粘度の調整は、(A)成分のエポキシ樹脂、(B)成分の芳香族アミン型硬化剤、および(C)成分のシリカ粉末を必須成分として含有させると共に、それらの含有量を適宜調整することで容易に行うことができる。
また、本発明の封止用樹脂組成物は、硬化物の180℃における曲げ弾性率が4.0GPa以上となるものである。硬化物の180℃における曲げ弾性率が4.0GPa以上となることで、高温時の変形が小さく、封止物品の中空構造も有効に保護することができる。なお、硬化物の180℃における曲げ弾性率を4.0GPa以上とする場合についても、(A)成分のエポキシ樹脂、(B)成分の芳香族アミン型硬化剤、および(C)成分のシリカ粉末を必須成分として含有させると共に、それらの含有量を調整することで容易に行うことができる。また、硬化物の180℃における曲げ弾性率は、例えばDMS6100(SII株式会社製、商品名)を用いたDMS法により測定されるものである。
本発明の封止用樹脂組成物は、素子を封止することにより樹脂封止型半導体装置を製造するために用いられ、特に封止による反りの発生が少ないことが必要とされる用途、また高温時に高い弾性率が必要とされる用途に好適に用いられる。本発明の封止用樹脂組成物が好適に用いられる樹脂封止型半導体装置としては、例えばウエハー全体を封止し硬化するプロセスを含むウエハーレベルCSP(Chip Size Package)や、アンダーフィルされるフリップチップ接続の特殊な半導体装置や、SAW(Surface Acoustic Wave)フィルターやMEMS(Micro Electro Mechanical Systems) のような中空構造を有する半導体装置が挙げられる。
なお、本発明の封止用樹脂組成物を用いて製造される樹脂封止型半導体装置は必ずしも上記したものに限られるものではなく、リードフレーム、配線済みのテープキャリア、配線板、ガラス、シリコンウエハー等の支持部材に、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、抵抗アレイ、コイル、スイッチ等の受動素子等の素子が搭載され、必要な部分が本発明の封止用樹脂組成物で封止されるものであれば特に制限されるものではない。
また、本発明の封止用樹脂組成物を用いて樹脂封止型半導体装置を製造する場合、最も一般的にはディスペンサーによるポッティングが用いられるが、必ずしもこのようなものに限られず、例えばメタルマスクによる印刷、コンプレッション成形、注型等により封止を行うこともできる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(実施例1〜4および比較例1,2)
表1に示す割合(単位は質量部)で各成分を配合、混合し、三本ロールにて分散、混合の後、ホモディスパーにて300〜500rpmで分散、混合し、実施例1〜4および比較例1,2の封止用樹脂組成物を調製した。なお、封止用樹脂組成物の調製に用いた各原材料の詳細は以下に示す通りである。
表1に示す割合(単位は質量部)で各成分を配合、混合し、三本ロールにて分散、混合の後、ホモディスパーにて300〜500rpmで分散、混合し、実施例1〜4および比較例1,2の封止用樹脂組成物を調製した。なお、封止用樹脂組成物の調製に用いた各原材料の詳細は以下に示す通りである。
エポキシ樹脂a:一般式(1)で示されるエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名JER−630、エポキシ当量97)
エポキシ樹脂b:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名YDF−870GS、エポキシ当量163)
エポキシ樹脂c:一般式(3)で示されるエポキシ樹脂(新日本石油化学株式会社製、商品名E−1800−6.5」、エポキシ当量240、数平均分子量=1800)
エポキシ樹脂b:ビスフェノールF型エポキシ樹脂(東都化成株式会社製、商品名YDF−870GS、エポキシ当量163)
エポキシ樹脂c:一般式(3)で示されるエポキシ樹脂(新日本石油化学株式会社製、商品名E−1800−6.5」、エポキシ当量240、数平均分子量=1800)
硬化剤a:一般式(2)式で示されるアミン系硬化剤(日本化薬株式会社製、商品名カヤハードA−A、アミン当量63)
硬化剤b:テルペン系酸無水物硬化剤(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名YH306、分子量234)
硬化剤b:テルペン系酸無水物硬化剤(ジャパンエポキシレジン株式会社製、商品名YH306、分子量234)
添加剤:カーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名MA100)
無機充填材a:溶融球状シリカ(電気化学工業株式会社製、商品名FB−105、最大粒径75μm)
無機充填材b:溶融球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名SO−25H、最大粒径3μm)
硬化促進剤:2−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、商品名2MZ−P)
無機充填材a:溶融球状シリカ(電気化学工業株式会社製、商品名FB−105、最大粒径75μm)
無機充填材b:溶融球状シリカ(株式会社アドマテックス製、商品名SO−25H、最大粒径3μm)
硬化促進剤:2−メチルイミダゾール(四国化成工業株式会社製、商品名2MZ−P)
次に、実施例1〜4および比較例1,2の封止用樹脂組成物の特性を以下に示す方法で測定した。測定結果を表2に示す。
(粘度)
各実施例および比較例の封止用樹脂組成物について、室温(25℃)にてE型粘度計(3°コーン)を用いて2.5rpmでの値を測定した。
各実施例および比較例の封止用樹脂組成物について、室温(25℃)にてE型粘度計(3°コーン)を用いて2.5rpmでの値を測定した。
(180℃における曲げ弾性率)
各実施例および比較例の封止用樹脂組成物を硬化させて、長さ30mm以上×幅4mm×厚さ3mmの試験片を作製し、DMS6100(SII株式会社製、商品名)を使用したDMS法により曲げ弾性率を測定した。なお、測定は、支点間距離20mm、昇温速度5℃/min、測定周波数10Hzの条件で曲げモードにより30℃〜300℃まで測定した。
各実施例および比較例の封止用樹脂組成物を硬化させて、長さ30mm以上×幅4mm×厚さ3mmの試験片を作製し、DMS6100(SII株式会社製、商品名)を使用したDMS法により曲げ弾性率を測定した。なお、測定は、支点間距離20mm、昇温速度5℃/min、測定周波数10Hzの条件で曲げモードにより30℃〜300℃まで測定した。
(反り)
厚さ0.2mmのBT基板上に各実施例および比較例の封止用樹脂組成物を30mm×30mmの大きさで0.5mm厚に塗布し、150℃で1時間加熱し硬化させパッケージを成形して、その反り量を測定した。
厚さ0.2mmのBT基板上に各実施例および比較例の封止用樹脂組成物を30mm×30mmの大きさで0.5mm厚に塗布し、150℃で1時間加熱し硬化させパッケージを成形して、その反り量を測定した。
表2から明らかなように、比較例1,2の封止用樹脂組成物は、粘度が高く作業性に優れないと共に、封止による反りの発生も大きいことがわかる。また、比較例1,2の封止用樹脂組成物は、硬化物の180℃での曲げ弾性率が低く、高温での変形が大きいことが示唆される。
これに対し、実施例1〜4の封止用樹脂組成物は、粘度が低く作業性に優れると共に、封止による反りの発生も抑制されることがわかる。また、実施例1〜4の封止用樹脂組成物は、硬化物の180℃での曲げ弾性率が4.0GPa以上と高く、高温での変形が小さいことが示唆され、例えば中空構造がある場合、この中空構造を有効に保護できることがわかる。また、実施例3,4の封止用樹脂組成物の結果から、一般式(3)で示されるエポキシ樹脂を併用することで、封止による反りの発生をより有効に抑制できることがわかる。
Claims (3)
- 素子を封止用樹脂組成物で封止してなる樹脂封止型半導体装置であって、
前記封止用樹脂組成物が請求項1または2記載の封止用樹脂組成物であることを特徴とする樹脂封止型半導体装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013185106A (ja) * | 2012-03-08 | 2013-09-19 | Panasonic Corp | 半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物とそれを用いた半導体装置 |
JP2014013825A (ja) * | 2012-07-04 | 2014-01-23 | Namics Corp | カメラモジュール用アンダーフィル剤 |
JP2016060898A (ja) * | 2014-09-22 | 2016-04-25 | 京セラケミカル株式会社 | 2液性注型用エポキシ樹脂組成物、及びコイル部品 |
-
2008
- 2008-08-26 JP JP2008216254A patent/JP2010053164A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
JP2013185106A (ja) * | 2012-03-08 | 2013-09-19 | Panasonic Corp | 半導体封止用液状エポキシ樹脂組成物とそれを用いた半導体装置 |
JP2014013825A (ja) * | 2012-07-04 | 2014-01-23 | Namics Corp | カメラモジュール用アンダーフィル剤 |
JP2016060898A (ja) * | 2014-09-22 | 2016-04-25 | 京セラケミカル株式会社 | 2液性注型用エポキシ樹脂組成物、及びコイル部品 |
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