JP2010053013A - ガラス - Google Patents

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JP2010053013A JP2008298237A JP2008298237A JP2010053013A JP 2010053013 A JP2010053013 A JP 2010053013A JP 2008298237 A JP2008298237 A JP 2008298237A JP 2008298237 A JP2008298237 A JP 2008298237A JP 2010053013 A JP2010053013 A JP 2010053013A
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Tomokazu Morita
友和 森田
Kosuke Nakajima
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Abstract

【課題】低熱膨張性を有し、比較的低温での溶融が可能であり、0℃〜50℃における平均線膨張係数が好ましくは25×10−7−1以下、より好ましくは15×10−7℃−以下、最も好ましくは10×10−7−1以下である、構成相として結晶相を含まないガラスを提供する事。
【解決手段】酸化物基準で表わされたB成分、ZrO成分、P成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、MoO成分、TiO成分、NiO成分、Fe成分、Co成分、CeO成分、Eu成分、およびZnO成分から選ばれる一種以上の成分、SiO成分、Al成分、ならびにCuO成分を含有し、
酸化物基準の質量%でこれらの成分の合量が80%以上、
0〜50℃における平均線膨張係数が25×10−7−1以下であるガラス。
【選択図】なし

Description

本発明は、各種基板材として有用な低い平均線膨張係数を有するガラスに関する。
平均線膨張係数の低いガラスは精密機器分野における基板材、耐熱ガラス等の幅広い分野で使用されている。
近年、半導体精密装置や天体望遠鏡の反射基板用途などにおいて、それら装置および機器の高分解能化に伴い、平均線膨張係数が低いガラスが求められている。さらにこれらのガラスは低コストが求められており、低温で溶融可能であることが必要である。
低熱膨張性のガラスとして一般的に知られているのは硼珪酸ガラスである。その代表としてコーニング社製の#7740が知られているが、その平均線膨張係数は0〜300℃で32.5×10−7−1と大きく、また溶融温度が1550℃以上と非常に高温である。
そのため、前掲用途で使用された場合、周囲の温度環境変化による基板自体の熱膨張の影響が大きく、基板の寸法安定性に欠ける状態となる。更に溶融温度が高いため、製造段階でのガラスの清澄・均質化が困難であり、成型されたガラスの内部品質が悪くなりやすくなるとともに、製造設備のコストが高くなるという問題があった。
一方、気相合成法などで製造される合成シリカガラスやチタンドープシリカガラスは室温近傍で5×10−7−1以下の平均線膨張係数を示すが、塩化物や有機金属化合物などの前駆体を燃焼させてシリカおよびチタニアを混合堆積させて製造するため、その製造方法に起因する不均質性(層状脈理)の発生を根本的に防ぐ事が出来ない。また溶融法に比べ、製造コストが高くなりやすい。
下記特許文献1には、SiO、Al、CuOおよびZnOを含み、5×10−7−1以下の平均線膨張係数を示すガラスが開示されているが、これらガラスの溶融温度が1550℃以上であり、やはりガラスの清澄性や製造コストに難がある。
下記特許文献2には、SiO、Al、CuOおよびZnOを含み、5×10−7−1以下の平均線膨張係数を示す材料、文献3には、SiO、Al、Li2Oなどを含み、5×10−7−1以下の平均線膨張係数を示す材料が開示されているが、これらはガラスを熔融法で製造後、再度二次的な加熱処理が必要な結晶化ガラスであり、製造コストに難がある上に、ガラス相と結晶相の2相で構成されるため、外部温度環境の変化が加わるとそれら2相の応答性の差(所謂熱ヒステリシス)が発生し、基板の面変化など前記用途上好ましくない現象を導いてしまう。
特公昭49−032646号公報 特開昭56−069240号公報 特開平8−133783号公報
本発明の目的は、低熱膨張性を有し、比較的低温での溶融が可能であり、0℃〜50℃における平均線膨張係数が好ましくは25×10−7−1以下、より好ましくは15×10−7℃−以下、最も好ましくは10×10−7−1以下である、構成相として結晶相を含まないガラスを提供することである。
なお、本明細書においてガラス原料の溶融温度(単に溶融温度ともいう)とは原料を加熱溶融して溶残物が無い状態に出来る温度をいう。
また、平均線膨張係数は低熱膨張性の指標であり、JOGIS(日本光学硝子工業会規格)16−2003「光学ガラスの常温付近の平均線膨張係数の測定方法」に則り、温度範囲を0℃から50℃の範囲に換えて測定した値をいう。
上記の課題の解決のため、本発明者は酸化物基準で表わされたB成分、ZrO成分、P成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、MoO成分、TiO成分、NiO成分、Fe成分、Co成分、CeO成分、Eu成分、およびZnO成分から選ばれる一種以上の成分、SiO成分、Al成分、ならびにCuO成分を含有し、酸化物基準の質量%でこれらの成分の合量が80%以上であることを特徴とするガラスは0℃から50℃における平均線膨張係数が25×10−7−1以下、より好ましくは15×10−7−1以下、最も好ましくは10×10−7−1以下であり、1500℃以下という比較的低温で溶融が可能であることを見出した。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(構成1)
酸化物基準で表わされたB成分、ZrO成分、P成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、MoO成分、TiO成分、NiO成分、Fe成分、Co成分、CeO成分、Eu成分、およびZnO成分から選ばれる一種以上の成分、SiO成分、Al成分、ならびにCuO成分を含有し、
酸化物基準の質量%でこれらの成分の合量が80%以上、
0〜50℃における平均線膨張係数が25×10−7−1以下であるガラス。
(構成2)
酸化物基準の質量%で、B成分、ZrO成分、P成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、MoO成分、TiO成分、NiO成分、Fe成分、Co成分、CeO成分、Eu成分、およびZnO成分から選ばれる一種以上の成分の合計の含有量が0.1%〜25%である構成1に記載のガラス。
(構成3)
成分、ZrO成分、P成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、MoO成分、TiO成分、NiO成分、Fe成分、Co成分、CeO成分、Eu成分、およびZnO成分の合量に対するCuO成分の酸化物基準の質量%の比
CuO/(B+ZrO+P+Ta+Nb+WO+MoO+TiO+NiO+Fe+Co+CeO+Eu+ZnO)
が0.4以上である、構成1または2に記載のガラス。
(構成4)
酸化物基準の質量%で、
SiO成分を40〜71%、
Al成分を7〜22%、
CuO成分を7〜40%、
含有する構成1〜3のいずれかに記載のガラス。
(構成5)
酸化物基準の質量%で、
成分を0〜10%、および/または
ZrO成分を0〜10%、および/または
成分を0〜15%、および/または
Ta成分を0〜10%、および/または
Nb成分を0〜10%、および/または
WO成分を0〜10%、および/または
MoO成分を0〜10%、および/または
TiO成分を0〜10%、および/または
NiO成分を0〜10%、および/または
Fe成分を0〜10%、および/または
Co成分を0〜10%、および/または
CeO成分を0〜10%、および/または
Eu成分を0〜10%、および/または
ZnO成分を0〜15%、
含有する構成1〜4のいずれかに記載のガラス。
(構成6)
酸化物基準で表わされた、As成分、Sb成分から選ばれる少なくとも一種以上を含有し、これらの成分の酸化物基準の質量%の合量が0%を超え1%以下である構成1〜5のいずれかに記載のガラス。
(構成7)
As成分およびSb成分を実質的に含有しない構成1〜6のいずれかに記載のガラス。
(構成8)
溶融温度が1550℃以下である構成1〜7のいずれかに記載のガラス。
(構成9)
構成相として結晶相を含まない構成1〜8のいずれかに記載のガラス。
(構成10)
構成1から9のいずれかに記載のガラスを用いた天体望遠鏡反射ミラー。
(構成11)
酸化物基準で表わされたB成分、ZrO成分、P成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、MoO成分、TiO成分、NiO成分、Fe成分、Co成分、CeO成分、Eu成分ならびにZnO成分から選ばれる一種以上の成分、SiO成分、Al成分、およびCuO成分を含有し、酸化物基準の質量%でこれらの成分の合量が80%以上である原料を溶融法によって溶融し、前記溶融温度の最高温度が1550℃以下であるガラスの製造方法。
(構成12)
前記原料に含まれる、B成分、ZrO成分、P成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、MoO成分、TiO成分、NiO成分、Fe成分、Co成分、CeO成分、Eu成分、およびZnO成分から選ばれる一種以上の成分の含有量が酸化物基準の質量%で、0.1%〜25%である構成11に記載のガラスの製造方法。
(構成13)
前記原料に含まれる、B成分、ZrO成分、P成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、MoO成分、TiO成分、NiO成分、Fe成分、Co成分、CeO成分、Eu成分、およびZnO成分の合量に対するCuO成分の酸化物基準の質量%の比
CuO/(B+ZrO+P+Ta+Nb+WO+MoO+TiO+NiO+Fe+Co+CeO+Eu+ZnO)
が0.4以上である、構成11または12に記載のガラスの製造方法。
(構成14)
前記原料は酸化物基準の質量%で、
SiO成分を40〜71%、
Al成分を7〜22%、
CuO成分を7〜40%、
含有する構成11〜13のいずれかに記載のガラスの製造方法。
(構成15)
前記原料は酸化物基準の質量%で、
成分を0〜10%、および/または
ZrO成分を0〜10%、および/または
成分を0〜15%、および/または
Ta成分を0〜10%、および/または
Nb成分を0〜10%、および/または
WO成分を0〜10%、および/または
MoO成分を0〜10%、および/または
TiO成分を0〜10%、および/または
NiO成分を0〜10%、および/または
Fe成分を0〜10%、および/または
Co成分を0〜10%、および/または
CeO成分を0〜10%、および/または
Eu成分を0〜10%、および/または
ZnO成分を0〜15%
含有する構成11〜14のいずれかに記載のガラスの製造方法。
また、本発明は、成分組成を質量%で表しているため、直接表せるべきものではないが、上記の構成と同様の効果を奏するには、モル%にて概ね以下の範囲となる。
(構成16)
酸化物基準で表わされたB成分、ZrO成分、P成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、MoO成分、TiO成分、NiO成分、Fe成分、Co成分、CeO成分、Eu成分、およびZnO成分から選ばれる一種以上の成分、SiO成分、Al成分、ならびにCuO成分を含有し、酸化物基準のモル%で、これらの成分の合量が80%以上、0〜50℃における平均線膨張係数が25×10−7−1以下であるガラス。
(構成17)
酸化物基準のモル%で、B成分、ZrO成分、P成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、MoO成分、TiO成分、NiO成分、Fe成分、Co成分、CeO成分、Eu成分、およびZnO成分から選ばれる一種以上の成分の合計の含有量が0.1%〜17%である構成16に記載のガラス。
(構成18)
酸化物基準のモル%で、
SiO成分を55〜75%、
Al成分を4〜15%、
CuO成分を8〜25%、
含有する構成16または17のいずれかに記載のガラス。
(構成19)
酸化物基準のモル%で、
成分を0〜10%、および/または
B2O3成分を0〜10%、および/または
ZrO2成分を0〜10%、および/または
WO3成分を0〜5%、および/または
Ta2O5成分を0〜5%、および/または
Nb2O5成分を0〜5%、および/または
MoO成分を0〜5%、および/または
TiO成分を0〜10%、および/または
NiO成分を0〜10%、および/または
Fe成分を0〜10%、および/または
Co成分を0〜10%、および/または
CeO成分を0〜5%、および/または
Eu成分を0〜10%、および/または
ZnO成分を0〜10%
含有する構成16〜18のいずれかに記載のガラス。
(構成20)
酸化物基準のモル%でAs成分および/またはSb成分を0〜1%含有する構成16〜19のいずれかに記載のガラス。
本発明によれば、低熱膨張性を有し、より好ましい特性として低温溶融性をも兼ね備えたガラスを提供することができる。すなわち、0℃〜50℃における平均線膨張係数が好ましくは25×10−7−1以下、より好ましくは15×10−7−1以下、最も好ましくは10×10−7−1以下であり、ガラス原料の溶融温度(原料を加熱溶融して、溶残物が無い状態に出来る温度)が好ましくは1550℃以下、より好ましくは1530℃以下、最も好ましくは1500℃以下のガラスを提供することができる。
本発明のガラスは、熱的寸法安定性を要求する各種基板材、構造部材等として好適である。
本発明のガラスの平均線膨張係数は、熱的寸法安定性を要求する各種基板材、構造部材等として好ましく適用可能となるために、0℃〜50℃において25×10−7−1以下が好ましく、15×10−7−1以下がより好ましく、10×10−7−1以下が最も好ましい。また、0℃〜50℃における平均線膨張係数の下限値は低い程好ましいが、本発明のガラスにおいては3.2×10−7−1まで得ることが可能である。
ガラス原料の溶融温度はガラス製造のコストを低くし、ガラスの清澄を容易とするために1550℃以下であることが好ましく、1530℃以下がより好ましく、1500℃以下が最も好ましい。また、本発明のガラスの前記溶融温度は1480℃程度まで低い値を示すことが可能である。
本発明のガラスを構成する各成分について説明する。なお、特に記載の無い場合、本明細書においては前記各成分は酸化物基準の質量%にて表現する。
ここで、「酸化物基準」とは、本発明のガラスの構成成分の原料として使用される酸化物酸等が溶融時にすべて分解され酸化物へ変化すると仮定して、ガラス中に含有される各成分の組成を表記する方法であり、この生成酸化物の質量の総和を100質量%として、ガラス中に含有される各成分の量を表記する。
本発明のガラスは酸化物基準で表わされたB成分、ZrO成分、P成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、MoO成分、TiO成分、NiO成分、Fe成分、Co成分、CeO成分、Eu成分、およびZnO成分から選ばれる一種以上の成分(以下これらの成分を総称するときは「添加成分」と称する)、SiO成分、Al成分、ならびにCuO成分を含有し、酸化物基準の質量%で、これらの成分の合量が80%以上である事を特徴とする。
SiO成分、Al成分、CuO成分は本発明のガラス骨格を形成する成分である。
SiO成分は低い平均線膨張係数を得るために必須な成分であるが、ガラスの溶融温度を高くする傾向がある。
Al成分は低温溶融性を向上させる効果があるが、一方で導入し過ぎるとガラスからの失透もしくは溶け残りが発生しやすくなる傾向がある。
CuO成分は低い平均線膨張係数を得るために必須な成分であるが、一方で導入し過ぎるとガラスからの失透もしくは溶け残りが発生しやすくなる傾向がある。
また、添加成分は低温溶融性を向上させる効果を有するが、ガラスからの失透もしくは溶け残りが発生しやすくなる傾向がある。
このようにこれらの成分は所望の物性に貢献する効果と相反する効果があり、本発明はこれらのSiO成分、Al成分、CuO成分、添加成分の合量を特定の範囲とすることで、所望の物性とは相反する効果の影響を最小限とし、所望の物性を得るための効果を最大限に得ることができ、低い溶融温度を維持しながら、0〜50℃における平均線膨張係数が25×10−7−1以下で溶融温度が1550℃以下のガラスを得ることを可能とするものである。
前記SiO成分、Al成分、CuO成分、添加成分の合量が80%未満であると、上述したこれらの成分による所望の物性に貢献する効果が充分に得られないため、これらの成分の合量の下限値は80%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、97%以上であることが最も好ましい。
前記SiO成分の含有量が40%未満であると、所望の平均線膨張係数得難くなるためSiO成分の含有量の下限は40%以上とすることが好ましく、42%以上とすることがより好ましく、45%以上とすることが最も好ましい。
また、本発明のガラスの溶融温度をより低くし、低温溶融性をより良くするためには、前記SiO成分の含有量の上限は71%以下とすることが好ましく、66%以下とすることがより好ましく、62.5%以下とすることが最も好ましい。
前記Al成分が7%未満であると、溶融が困難になりやすくなるため、Al成分の含有量の下限は7%以上とすることが好ましく、9%以上とすることがより好ましく、10%以上とすることが最も好ましい。また22%を超えると溶解性が著しく低下するとともに、所望のガラス転移点を有するガラスが得難くなるため、Al成分の含有量の上限は22%とすることが好ましく、20%以下とすることがより好ましく、18%以下とすることが最も好ましい。
前記CuO成分の含有量が7%未満であると、ガラスの平均線熱膨張係数が大きくなりやすいため、前記CuO成分の含有量の下限を7%以上とすることが好ましく、8%以上とすることがより好ましく、9%以上とすることが最も好ましい。
また、前記CuO成分の含有量が40%を超えるとガラスの溶融が困難になるため、前記CuO成分の含有量の上限は40%以下とすることが好ましく、35%以下とすることがより好ましく、30%以下とすることが最も好ましい。
次に添加成分について説明する。添加成分は上述の通り、酸化物基準で表わされたB成分、ZrO成分、P成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、MoO成分、TiO成分、NiO成分、Fe成分、Co成分、CeO成分、Eu成分、およびZnO成分から選ばれる一種以上の成分であり、SiO成分、Al成分、CuO成分と共にそれらの合量が規制されることによって低温溶融性向上の効果を付与する成分である。
この添加成分の含有量、すなわち、酸化物基準で表わされたB成分、ZrO成分、P成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、MoO成分、TiO成分、NiO成分、Fe成分、Co成分、CeO成分、Eu成分、およびZnO成分から選ばれる一種以上の成分の合計の含有量は低温溶融性向上の効果を得やすくするためにその下限値を0.1%とすることが好ましく、0.5%とすることがより好ましく、1.0%とすることが最も好ましい。また、添加成分の含有量が25%を超えるとガラスからの失透もしくは溶け残りが発生しやすくなり、平均線膨張係数が増大しやすいので、添加成分の含有量の上限は25%とすることが好ましく、22%以下とすることがより好ましく、20%以下とすることが最も好ましい。
また、添加成分の含有量に対するCuO成分の酸化物基準の質量%の比、CuO/(B+ZrO+P+Ta+Nb+WO+MoO+TiO+NiO+Fe+Co+CeO+Eu+ZnO)の値(CuO/添加成分の値)が0.28未満であると低温溶融性が低下するため、CuO/添加成分の値を0.28以上とすることが好ましく、0.35以上とすることがより好ましく、0.45以上とすることが最も好ましい。
成分は低膨張特性を維持しつつ低温溶融性を向上させやすくする任意で添加できる成分である。ただし含有量が大きくなると、平均線膨張係数が増大するため、その含有量の上限は、好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下である。
ZrO成分は低膨張特性を維持しつつ低温溶融性を向上させやすくする任意で添加できる成分である。ただし含有量が大きくなると、溶け残りが発生するとともに、平均線膨張係数が増大するため、その含有量の上限は、好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下である。
成分は低膨張特性を維持しつつ低温溶融性を向上させやすくする任意で添加できる成分であるが、本発明のガラスにおいてはその効果が得られやすいため0.1%以上含有させることがより好ましく、0.5%以上含有させることが最も好ましい。
また、含有量が15.0%を超えると乳白傾向が増大し、ガラスとしての安定性を著しく損なうため、その含有量の上限は15.0%以下であることが好ましく、12%以下であることがより好ましく、10%以下であることが最も好ましい。
Ta成分は低膨張特性を維持しつつ低温溶融性を向上させやすくする任意で添加できる成分である。ただし含有量が大きくなると、溶け残りが発生するとともに、平均線膨張係数が増大するため、その含有量の上限は、好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下である。
Nb成分は低膨張特性を維持しつつ低温溶融性を向上させやすくする任意で添加できる成分である。ただし含有量が大きくなると、溶け残りが発生するとともに、平均線膨張係数が増大するため、その含有量の上限は、好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下である。
WO成分は低膨張特性を維持しつつ低温溶融性を向上させやすくする任意で添加できる成分である。ただし含有量が大きくなると、溶け残りが発生するとともに、平均線膨張係数が増大するため、その含有量の上限は、好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下である。
MoO成分は低膨張特性を維持しつつ低温溶融性を向上させやすくする任意で添加できる成分である。ただし含有量が大きくなると、溶け残りが発生するとともに、平均線膨張係数が増大するため、その含有量の上限は、好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下である。
TiO成分は低膨張特性を維持しつつ低温溶融性を向上させやすくする任意で添加できる成分である。ただし含有量が大きくなると、溶け残りが発生するとともに、平均線膨張係数が増大するため、その含有量の上限は、好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下である。
NiO成分は低膨張特性を維持しつつ低温溶融性を向上させやすくする任意で添加できる成分である。ただし含有量が大きくなると、溶け残りが発生するとともに、平均線膨張係数が増大するため、その含有量の上限は、好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下である。
Fe成分は低膨張特性を維持しつつ低温溶融性を向上させやすくする任意で添加できる成分である。ただし含有量が大きくなると、溶け残りが発生するとともに、平均線膨張係数が増大するため、その含有量の上限は、好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下である。
Co成分は低膨張特性を維持しつつ低温溶融性を向上させやすくする任意で添加できる成分である。ただし含有量が大きくなると、溶け残りが発生するとともに、平均線膨張係数が増大するため、その含有量の上限は、好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下である。
CeO成分は低膨張特性を維持しつつ低温溶融性を向上させやすくする任意で添加できる成分である。ただし含有量が大きくなると、溶け残りが発生するとともに、平均線膨張係数が増大するため、その含有量の上限は、好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下である。
Eu成分は低膨張特性を維持しつつ低温溶融性を向上させやすくする任意で添加できる成分である。ただし含有量が大きくなると、溶け残りが発生するとともに、平均線膨張係数が増大するため、その含有量の上限は、好ましくは10%以下、最も好ましくは5%以下である。
ZnO成分は低膨張特性を維持しつつ低温溶融性を向上させやすくする任意で添加できる成分であるが、本発明のガラスにおいてはその効果が得られやすく、ガラスの低温溶融性を得やすくするために、ZnO成分の含有量の下限を1.5%以上とすることがより好ましく、2.5%以上とすることが最も好ましい。
ZnO成分の含有量が15%を超えるとガラスの平均線膨張係数が大きくなりやすくなるとともに失透傾向が増大しやすくなるため、その含有量は15%以下が好ましく、12%以下がより好ましく、9.0%以下が最も好ましい。
上記の添加成分のなかでも、P成分とZnO成分のみを選択し、これらの2成分を含有させることが、低膨張特性を維持しつつ低温溶融性を向上させやすくする点、および原材料を低コスト化できる点で特に好ましい。
As成分およびSb成分はガラスの清澄剤として任意で添加できる成分である。ただし多量に加えても清澄効果は大きくならないため各々の含有量は1%を上限とし、好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.3%以下である。
PbO成分はガラスを製造、加工、及び廃棄をする際に環境対策上の措置を講ずる必要があり、そのためのコストを要するため、本発明のガラスにPbOを含有させるべきでない。
さらに本発明のガラスにおいては、Mg、V、Ca、Sr、Ba等の各成分は本発明の目的への貢献が少ないため、含有しないことが好ましい。
ただし、ここでいう含有しないとは、不純物として混入される場合を除き、人為的に含有させないことを意味する。
その他の成分については、本発明の主旨を損なわない程度であれば添加しても良いが、小さい平均線膨張係数を得やすくするために、SiO成分、Al成分、CuO成分以外のガラス中に含有される各成分が、酸化物基準の質量%で15%を超えないことが好ましく、10%を超えないことがより好ましい。
本発明のガラスの製造方法としては、公知の溶融法を用いる事が出来る。すなわち、本発明のガラスが酸化物基準で表わされた組成となるように珪砂、酸化アルミニウム、酸化銅等からなるガラス原料を、石英または白金などからなる坩堝へ充填する。そして電気炉、ガス炉などの溶融炉で加熱溶融する。本発明のガラスはガラス原料の溶融温度が1550℃以下であり、前記溶融炉での加熱溶融時の温度は1550℃〜1500℃、好ましい態様においては1500℃〜1480℃の温度で溶融することができる。
溶融後、必要に応じ清澄、撹拌してガラスを均質化させ、その後成形型に溶融ガラスを流しこみ急冷することによって成形、徐冷炉において徐冷する。
徐冷炉から取りだしたガラスは必要に応じて切断、研削、研磨を行うことで、各種基板材、構造部材を得ることができる。
本発明の実施例について説明する。ガラスが酸化物基準で表わされた表1に示す組成比となるように珪砂、酸化アルミニウム、酸化銅からなるガラス原料バッチを調製した。バッチは白金坩堝へ充填し、1450〜1550℃の電気炉により、6時間加熱溶融した。溶融したガラスを板状に成型し徐冷した。
表1に本発明の実施例の酸化物基準の質量%で表わされたガラス組成、溶融温度、0℃〜50℃における平均線膨張係数(α)、取得ガラス中の溶け残りの有無、溶融温度を示す。
Figure 2010053013
Figure 2010053013
Figure 2010053013
上記実施例のガラスは、すべて0℃から50℃における平均線膨張係数が10×10−7−1以下、溶融温度が1550℃以下である。
これらのガラスを切断、研削、研磨といった加工を順に行い、基板材および構造部材を作成した。これらは全て熱的な寸法安定性を有するものであり、従来の熱低膨張性ガラス、セラミックス材料等に比較して安価に製造でき、容易に加工ができた。

Claims (15)

  1. 酸化物基準で表わされたB成分、ZrO成分、P成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、MoO成分、TiO成分、NiO成分、Fe成分、Co成分、CeO成分、Eu成分、およびZnO成分から選ばれる一種以上の成分、SiO成分、Al成分、ならびにCuO成分を含有し、
    酸化物基準の質量%でこれらの成分の合量が80%以上、
    0〜50℃における平均線膨張係数が25×10−7−1以下であるガラス。
  2. 酸化物基準の質量%で、B成分、ZrO成分、P成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、MoO成分、TiO成分、NiO成分、Fe成分、Co成分、CeO成分、Eu成分、およびZnO成分から選ばれる一種以上の成分の合計の含有量が0.1%〜25%である請求項1に記載のガラス。
  3. 成分、ZrO成分、P成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、MoO成分、TiO成分、NiO成分、Fe成分、Co成分、CeO成分、Eu成分、およびZnO成分の合量に対するCuO成分の酸化物基準の質量%の比
    CuO/(B+ZrO+P+Ta+Nb+WO+MoO+TiO+NiO+Fe+Co+CeO+Eu+ZnO)
    が0.4以上である、請求項1または2に記載のガラス。
  4. 酸化物基準の質量%で、
    SiO成分を40〜71%、
    Al成分を7〜22%、
    CuO成分を7〜40%、
    含有する請求項1〜3のいずれかに記載のガラス。
  5. 酸化物基準の質量%で、
    成分を0〜10%、および/または
    ZrO成分を0〜10%、および/または
    成分を0〜15%、および/または
    Ta成分を0〜10%、および/または
    Nb成分を0〜10%、および/または
    WO成分を0〜10%、および/または
    MoO成分を0〜10%、および/または
    TiO成分を0〜10%、および/または
    NiO成分を0〜10%、および/または
    Fe成分を0〜10%、および/または
    Co成分を0〜10%、および/または
    CeO成分を0〜10%、および/または
    Eu成分を0〜10%、および/または
    ZnO成分を0〜15%、
    含有する請求項1〜4のいずれかに記載のガラス。
  6. 酸化物基準で表わされた、As成分、Sb成分から選ばれる少なくとも一種以上を含有し、これらの成分の酸化物基準の質量%の合量が0%を超え1%以下である請求項1〜5のいずれかに記載のガラス。
  7. As成分およびSb成分を実質的に含有しない請求項1〜6のいずれかに記載のガラス。
  8. 溶融温度が1550℃以下である請求項1〜7のいずれかに記載のガラス。
  9. 構成相として結晶相を含まない請求項1〜8のいずれかに記載のガラス。
  10. 請求項1から9のいずれかに記載のガラスを用いた天体望遠鏡反射ミラー。
  11. 酸化物基準で表わされたB成分、ZrO成分、P成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、MoO成分、TiO成分、NiO成分、Fe成分、Co成分、CeO成分、Eu成分ならびにZnO成分から選ばれる一種以上の成分、SiO成分、Al成分、およびCuO成分を含有し、酸化物基準の質量%でこれらの成分の合量が80%以上である原料を溶融法によって溶融し、前記溶融温度の最高温度が1550℃以下であるガラスの製造方法。
  12. 前記原料に含まれる、B成分、ZrO成分、P成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、MoO成分、TiO成分、NiO成分、Fe成分、Co成分、CeO成分、Eu成分、およびZnO成分から選ばれる一種以上の成分の含有量が酸化物基準の質量%で、0.1%〜25%である請求項11に記載のガラスの製造方法。
  13. 前記原料に含まれる、B成分、ZrO成分、P成分、Ta成分、Nb成分、WO成分、MoO成分、TiO成分、NiO成分、Fe成分、Co成分、CeO成分、Eu成分、およびZnO成分の合量に対するCuO成分の酸化物基準の質量%の比
    CuO/(B+ZrO+P+Ta+Nb+WO+MoO+TiO+NiO+Fe+Co+CeO+Eu+ZnO)
    が0.4以上である、請求項11または12に記載のガラスの製造方法。
  14. 前記原料は酸化物基準の質量%で、
    SiO成分を40〜71%、
    Al成分を7〜22%、
    CuO成分を7〜40%、
    含有する請求項11〜13のいずれかに記載のガラスの製造方法。
  15. 前記原料は酸化物基準の質量%で、
    成分を0〜10%、および/または
    ZrO成分を0〜10%、および/または
    成分を0〜15%、および/または
    Ta成分を0〜10%、および/または
    Nb成分を0〜10%、および/または
    WO成分を0〜10%、および/または
    MoO成分を0〜10%、および/または
    TiO成分を0〜10%、および/または
    NiO成分を0〜10%、および/または
    Fe成分を0〜10%、および/または
    Co成分を0〜10%、および/または
    CeO成分を0〜10%、および/または
    Eu成分を0〜10%、および/または
    ZnO成分を0〜15%
    含有する請求項11〜14のいずれかに記載のガラスの製造方法。
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