JP2010052918A - 用紙積載装置、画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】特別な装置を用いることなく、熱を持った用紙の後部の温度を下げることができるようにする。
【解決手段】本発明では、積載部90の第2積載部93において、第1積載部91の後部積載面91aから用紙の排出方向に向かって下る傾斜面93aが、形成されている。このため、定着後の用紙が積載部90に排出されると、用紙の前部が、第2積載部93の傾斜面93aに積載される。そして、用紙の後部が、第1積載部91の後部積載面91aに積載される。これにより、用紙の後部において用紙同士の間に空間を形成した状態で、複数の用紙が、積載部90に積載される。
【選択図】図2

Description

本発明は、用紙積載装置に関する。また、本発明は、用紙積載装置を有する画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、用紙収納部に積載収納された用紙を画像形成部に搬送して用紙の表面に画像形成を行い、用紙排出部に排出する構成となっている。画像形成部では感光体の表面を帯電手段帯電し、情報処理端末から送信された信号により露光手段により露光して潜像画像形成し、現像手段により潜像画像をトナー画像に変換する。感光体表面に形成されたトナー画像は転写部において用紙収納部から搬送された用紙に転写され、更に用紙は定着部に搬送されて熱及び圧力が加えられて、トナー画像が用紙に定着される。トナー画像が定着された用紙は、用紙排出部において装置の外部に排出され、積載台に積み重ねられる。
このように用紙にトナー画像を形成するときには、定着部において、トナー画像に熱を加えることにより、トナー画像を用紙に定着させている。このため、定着後の用紙を装置外に連続的に排出したときには、熱をもった用紙が、積載台に次々に重なり合い、用紙束に熱が蓄積されてしまうおそれがある。
排出された用紙は自然に冷却されて用紙表面のトナーは十分に硬化するが、用紙束に熱が蓄積されてしまうと、用紙上のトナーが十分に硬化せずに一部軟化した状態であり、上に積み重なった用紙の重みが加わって、用紙同士が強く接着してしまうおそれがある。また、ここで、接着した用紙を分離しようとすると、トナーが用紙から剥がれてしまい、対向する用紙の裏面に付着してしまうおそれがある。すなわち、用紙束に熱が蓄積されてしまうことにより、画質劣化や用紙汚れを起こしてしまうという問題があった。
このような問題を解決するために、これまでに様々な技術が提案されてきた。これら技術のうちの1つとして、たとえば、連続出力枚数が多くなったときに積載台に積載された用紙を下方に移動させて、積載台には用紙が存在しない状態にすることにより、積み重なった用紙の重みによる用紙同士の接着が生じにくくなるようにする方法が、提案されている(特許文献1を参照)。
特開2007−331869
従来の画像形成装置では、連続印刷時に、積載台に積載された用紙を定期的に下方に移動させることにより、積載台に一定枚数以上の用紙が積載されないようにする方法が採用される場合がある。この場合、積載台には一定枚数以上の用紙が積載されないので、積み重なった用紙の重みが小さくなる。このため、用紙同士が接着しにくくなると期待されている。
このような画像形成装置においては、積み重なった用紙の重みを小さくするために、積載台に積載された用紙を定期的に下方に移動させる排紙装置が必要となる。このような排紙装置では、画像形成装置で取り扱われる用紙サイズ以上の投影面積と、用紙を下方に移動させる機構が積載台と干渉しないだけの高さと、を有する空間が、必要となる。このため、排紙装置を用いた画像形成装置では、装置が大型化してしまうおそれがある。また、このような排紙装置を用いた場合、用紙を下方に移動させるときに、排紙動作を一時的に停止する必要があり、出力スピードが低下してしまい、コピーの生産性が低下してしまうおそれがある。
一方で、定着後の用紙は排出過程において放熱するため、積載台に積載された直後の用紙の温度は、定着直後の用紙の温度より低下している。特に、用紙の前部は、用紙の後部と比較して、トナーの定着が行われた時点から経過した時間が長いので、用紙同士が接着しない温度まで低下することが知られている。しかしながら、積載台に積載された直後の用紙では、依然、用紙の後部の温度が、用紙の前部の温度より高いため、用紙の後部において、用紙同士が接着してしまうおそれがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、特別な装置を用いることなく、熱を持った用紙の後部の温度を下げることができる用紙積載装置を提供することを目的とする。また、本発明では、特別な装置を用いることなく、熱を持った用紙の後部の温度を下げることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る用紙積載装置は、定着後に排出された用紙を積載可能な用紙積載装置である。この用紙積載装置は、積載部を備えている。積載部は、第1積載部と第2積載部とを有している。第1積載部は、用紙の後部を積載する後部積載面を有している。第2積載部は、傾斜面を有しており、この傾斜面に、用紙の後部を除いた部分が積載される。傾斜面は、第1積載部の後部積載面から用紙の排出方向に向かって下る面である。
この用紙積載装置では、積載部の第2積載部において、第1積載部の後部積載面から用紙の排出方向に向かって下る傾斜面が、形成されている。このため、定着後の用紙が積載部に排出されると、用紙の前部が、第2積載部の傾斜面に積載される。そして、用紙の後部が、第1積載部の後部積載面に積載される。このように、後部積載面に対して下方に傾斜した傾斜面に、用紙の前部が積載されると、用紙の後部を、用紙の弾力(腰)により後部積載面から浮き上がらせることができる。
続いて、次の用紙が積載部に排出されると、この用紙の前部が、積載済みの用紙の上に積載される。この用紙の排出中には、積載済みの用紙の後部が、後部積載面から浮き上がった状態で自重により下方にさがる。そして、この用紙の後部が、積載済みの用紙の上に積載されると、この用紙の後部を、この用紙の弾力により積載済みの用紙から浮き上がらせることができる。
このように、本発明では、第1積載部において、ある用紙の後部を、他の用紙の後部から浮き上がらせることができるので、この浮き上がりにより形成された空間において、熱を持った用紙の後部を放熱することができる。すなわち、本発明では、特別な装置を用いることなく、熱を持った用紙の後部の温度を下げることができる。また、本発明では、連続的な排紙動作を停止することなく、熱を持った用紙の後部の温度を下げることができる。
請求項2に係る用紙積載装置では、請求項1に記載の用紙積載装置において、後部積載面が、水平面である。この用紙積載装置では、第1積載部の後部積載面が水平面になっているので、第1積載部を容易に形成することができる。また、第1積載部の後部積載面を水平面にしておけば、用紙の後部において用紙同士の間に空間を形成した状態で、複数の用紙を、積載部に積載することができる。
請求項3に係る用紙積載装置では、請求項1に記載の用紙積載装置において、後部積載面が、用紙の排出方向とは反対方向に向かって下る傾斜面である。この用紙積載装置では、第1積載部の後部積載面が、用紙の排出方向とは反対方向に向かって下る傾斜面になっているので、用紙同士の後部の空間を確実に確保することができる。
請求項4に係る用紙積載装置では、請求項1から3のいずれかに記載の用紙積載装置において、後部積載面と傾斜面とがなす角度が60度以上150度以下になるように、積載部が形成されている。この用紙積載装置では、後部積載面と傾斜面とがなす角度が60度以上150度以下であるので、様々な種類の用紙を利用したとしても、用紙同士の後部の空間を確実に確保することができる。
請求項5に係る用紙積載装置では、請求項1から4のいずれかに記載の用紙積載装置において、用紙の幅の70%から90%までの範囲の部分が、第2積載部の傾斜面に積載される。この用紙積載装置では、用紙の幅の70%から90%までの範囲の部分を、第2積載部の傾斜面に積載することにより、用紙同士の後部の空間を確保するために必要となる用紙の弾力を、確保することができる。これにより、用紙同士の後部の空間において、熱を持った用紙の後部の温度を確実に放熱することができる。
請求項6に係る用紙積載装置では、請求項1から5のいずれかに記載の用紙積載装置において、第2積載部が、用紙止め部材を、さらに有している、用紙止め部材は、用紙の排出方向に進む用紙の前端を受けて用紙を停止させるために、第2積載部の傾斜面に装着される。
この用紙積載装置では、排出された各用紙が、第2積載部の傾斜面に装着された用紙止め部材により、停止させられる。これにより、排出された複数の用紙の先端が用紙止め部材に当接した状態で、複数の用紙の前部を、第2積載部に位置決めし積載することができる。すなわち、用紙の後部を、第1積載部の上方に確実に位置決めし積載することができる。このため、用紙の後部すなわち放熱する必要のある部分を、第1積載部の上方において、確実に冷却することができる。また、この用紙積載装置において、用紙止め部材が第2積載部の傾斜面に移動自在に装着された場合、用紙の大きさに応じて、用紙止め部材を適切な位置に位置決めすることができる。このため、用紙の後部を、第1積載部の上方において、より確実に冷却することができる。
請求項7に係る画像形成装置であって、画像情報に基づいて用紙に画像を形成する画像形成部と、画像形成部において画像が形成された用紙を積載するための、請求項1から6のいずれかに記載の用紙積載装置と、を備えている。この画像形成装置では、上述した、請求項1から6のいずれかに記載の用紙積載装置と同様の効果を、得ることができる。
本発明に係る用紙積載装置では、第2積載部の傾斜面を、第1積載部の後部積載面に対して下方に傾斜させているので、第1積載部において、ある用紙の後部を、他の用紙の後部から浮き上がらせることができる。このため、この浮き上がりにより形成された空間において、熱を持った用紙の後部を放熱することができる。すなわち、本発明では、特別な装置を用いることなく、熱を持った用紙の後部の温度を下げることができる。また、本発明では、連続的な排紙動作を停止することなく、熱を持った用紙の後部の温度を下げることができる。また、この用紙積載装置を備える画像形成装置においても、同様の効果を得ることができる。
<全体構成>
図1は、本発明の一実施形態による画像形成装置の概略構成図を示している。ここに示す画像形成装置は、画像情報に基づいて用紙に画像を形成可能なタンデム型のカラープリンタ1である。
このカラープリンタ1は、プリンタ本体100と、カラー画像形成のための各色の画像形成部2M,2Y,2C,2Bと、各色のトナー容器3M,3Y,3C,3Bと、用紙を搬送する搬送ベルト4と、搬送される用紙に各色のトナー画像を転写するための第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bと、画像形成部2M,2Y,2C,2Bに用紙を給紙する給紙機構6と、用紙上に転写されたトナー画像を定着するための定着部7と、排出部8と、用紙積載装置9と、積載台19とを有している。
画像形成部2M,2Y,2C,2Bは、プリンタ本体100に設けられている。画像形成部2M,2Y,2C,2Bは、それぞれがマゼンダ、イエロー、シアン、ブラックの各色のトナー画像を形成するためのものである。画像形成部2M,2Y,2C,2Bは、用紙の搬送方向上流側から搬送ベルト4に沿って横方向に順に並べて配置されている。これらの画像形成部2M,2Y,2C,2Bのそれぞれは、像担持体としてのアモルファスシリコン等からなる感光層を有する感光体ドラム10と、帯電器11と、露光器12と、現像装置13と、クリーニング装置14とを有している。各感光体ドラム10の周囲には、帯電器11、露光器12、現像装置13及びクリーニング装置14が順に配置されている。
トナー容器3M,3Y,3C,3Bは、それぞれがマゼンダ、イエロー、シアン、ブラックのトナーを収容するためのものである。トナー容器3M,3Y,3C,3Bは、プリンタ本体100に装着されており、画像形成部2M,2Y,2C,2Bの上方において、用紙の搬送方向上流側から搬送ベルト4に沿う方向に順に並べて配置されている。
搬送ベルト4は、駆動ローラ20と従動ローラ21との間に掛け渡されて循環駆動される。この搬送ベルト4は、給紙機構6から給紙搬送路22を介して搬送されてきた用紙を吸着して、この用紙を、各感光体ドラム10と、第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bとの間において、ほぼ水平方向に搬送する。なお、駆動ローラ20と従動ローラ21とは、プリンタ本体100に回転自在に装着されている。
第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bは、プリンタ本体100に回転自在に装着されており、各画像形成部2M,2Y,2C,2Bの感光体ドラム10に対向するように配置されている。この第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bは、それぞれがソレノイド23によって上方の転写位置と下方の解除位置との間で移動可能となっている。ここで、第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bが上方に移動して転写位置に配置されると、搬送ベルト4上の用紙は感光体ドラム10に接触した状態になる。一方で、第1から第4転写ローラ5M,5Y,5C,5Bが下方に移動して解除位置に配置されると、搬送ベルト4上の用紙と感光体ドラム10とは離れた状態になる。
給紙搬送路22は、プリンタ本体100に設けられている。給紙搬送路22は、搬送のガイドとなるガイド部材22aと、複数のローラ対22bと、レジストローラ25とから構成されている。給紙搬送路22の最も下流側には、トナー画像の形成と用紙の搬送とを同期させるためのレジストローラ対25が設けられている。そして、レジストローラ対25と第1転写ローラ5Mとの間には、吸着ローラ26が設けられている。この例では、吸着ローラ26が、搬送ベルト4が掛けられた従動ローラ21の上方で従動ローラ21と対向して配置されている。この位置で、吸着ローラ26は、用紙の先端部あるいは全面に吸着用のバイアス電圧を印加して、用紙を搬送ベルト4に吸着させている。
なお、給紙搬送路22は、上下に並べて配置された4個の給紙機構6それぞれから、用紙を吸着ローラ26へと搬送可能になっている。図1には、最上段の給紙機構6に連結された給紙搬送路22だけが、示されている。
定着部7は、定着ローラ7aと加圧ローラ7bとを有している。定着ローラ7aは、プリンタ本体100に回転自在に装着されている。定着ローラ7aは、用紙に転写されたトナーを加熱して、転写紙上のトナー画像を定着させるためのものである。定着ローラ7aには、ヒータが内蔵されている。加圧ローラ7bは、ヒータを内蔵した定着ローラ7aに圧接した状態で、プリンタ本体100に回転自在に装着されている。この加圧ローラ7bと上記の定着ローラ7aとの間を、トナー画像が転写された用紙が通過するときに、用紙に転写されたトナーが用紙上で定着ローラ7aにより加熱されながら、加圧ローラ7bにより加圧される。これにより、用紙に転写されたトナーが、用紙上に定着される。
排出部8は、プリンタ本体100に設けられている。排出部8は、定着部7を通過した用紙(トナーを定着させた用紙)を搬送し装置外に排出するためのものである。排出部8は、一対の排出ローラ81と、複数対の搬送ローラ82と、搬送のガイドとなるガイド部材83とを有している。一対の排出ローラ81および複数対の搬送ローラ82は、駆動手段たとえばモータ(図示しない)により、駆動させられる。
一対の排出ローラ81は、搬送ローラ82によって搬送されてきた用紙を、用紙積載装置9に向けて排出するためのものである。排出ローラ81は、モータに連結されており、モータにより回転駆動される。複数対の搬送ローラ82は、トナーを定着させた用紙を挟持して搬送するためのものである。搬送ローラ82は、モータに連結されており、モータにより回転駆動される。また、ガイド部材83は、トナーを定着させた用紙を搬送するときに、この用紙をガイドするためのものである。これら複数対の搬送ローラ82およびガイド部材83によって、トナーを定着させた用紙が、排出ローラ81へと搬送され、排出ローラ81により用紙積載装置9又は積載台19へと排出される。
用紙積載装置9は、定着後に排出された用紙を積載可能になっている。図2に示すように、用紙積載装置9は、積載部90を備えている。積載部90は、排出ローラ81から排出された用紙が積載される部分である。積載部90は、第1積載部91と第2積載部93とを有している。
第1積載部91は、用紙の後部を積載する後部積載面91aを有している。後部積載面91aは、第1積載部91の上面に形成されている。ここでは、後部積載面91aが、水平面になっており、後部積載面91aの搬送方向の長さL1が、50mmに設定されている。なお、用紙の後部とは、排出中に排出方向に進む用紙の後部に対応する。言い換えると、用紙の後部とは、用紙の排出方向における用紙の後部に対応する。
第2積載部93は、用紙の前部を積載する前部積載面93aを有している。前部積載面93aは、第1積載部91の後部積載面91aから用紙の排出方向に向かって傾斜している。前部積載面すなわち傾斜面93aには、用紙の後部を除いた部分(以下では、用紙の前部と呼ぶ)が、積載される。この傾斜面93aは、第2積載部93の上面に形成されている。
また、第2積載部93は、用紙止め部材93bを有している。用紙止め部材93bは、用紙の排出方向に進む用紙の前端を受けて用紙を停止させるためのものである。用紙止め部材93bは、第2積載部93の傾斜面93aに移動自在に装着される。具体的には、用紙止め部材93bは、用紙の排出方向および用紙の排出方向とは反対方向に移動可能なように、第2積載部93の傾斜面93aに装着される。
ここでは、用紙止め部材93bを、用紙サイズに対応する位置に、位置決めすることにより、傾斜面93aに沿った搬送方向の長さL2、すなわち傾斜面93aにおいて用紙が積載される部分の搬送方向の長さが、設定される。たとえば、用紙止め部材93bは、A3縦、A3横、A4縦、およびA4横等の各用紙サイズに応じて、所定の位置にスライドされ、位置決めされる。たとえば、用紙止め部材93bが、A4横の用紙排出用の位置に位置決めされると、A4サイズの用紙の横幅(210mm)の約81%の長さ(170mm)が、傾斜面93aに沿った搬送方向の長さL2に設定される。
なお、ここでは、A4サイズの用紙の横幅(210mm)の約81%の長さ(170mm)が、傾斜面93aに沿った搬送方向の長さL2に設定される場合の例を示したが、傾斜面93aに沿った搬送方向の長さL2は、用紙の幅の70%から90%までの範囲内であれば、どのような長さに設定しても良い。
さらに、第1積載部91の後部積載面91aと、第2積載部93の傾斜面93aとがなす角度α(傾斜角度)は、150度に設定されている。ここでは、傾斜角度αが150度である場合の一例が示されているが、傾斜角度αは150度に限定されるものではなく、60度以上150度以下に設定されればどのようにしても良い。
図3には、傾斜角度αに応じた貼り付きの有無を調べた実験結果が、示されている。この実験により、傾斜角度αを150度以下に設定すれば、用紙同士の貼り付きを防止することができるということが、確認されている。この結果に基づいて、傾斜角度αを、上述したように、150度に設定した。図3では、丸記号は、用紙同士の貼り付きが無いことを示し、三角記号は、印字枚数の98%以上に貼り付きが無いことを示し、X記号は、印字枚数の5%以上に貼り付きが有ることを示している。
なお、この実験では、システム速度は250mm/sに設定され、テストチャートには日本画像学会標準チャートNo.5−1が用いられている。また、この実験では、250枚の連続印字をした後に、用紙積載装置9の積載部90に5分間放置した後に、上記の問題の有無が確認されている。また、定着ローラの設定温度は170度、排出直後の用紙の表面温度は88度であった。トナー付着量は、1.0mg/cm2に設定した。
<動作>
次に、画像形成時の動作について説明する。
コンピュ−タからの印刷デ−タ(画像情報)がカラープリンタ1に送られてくると、印刷デ−タは、カラープリンタ1の制御部によって各色毎の画像デ−タに振り分けられて適宜処理された後、露光器12に送られる。感光体ドラム10は帯電器11によって表面が帯電させられており、この感光体ドラム10に対して露光器12から画像デ−タに応じた露光を行うことによって、感光体ドラム10の表面に静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム10の表面に形成された静電潜像が現像装置13によって現像され、各色のトナ−画像が形成される。各色のトナー画像は、各色に対応した感光体ドラム10と第1から第4転写ロ−ラ5M,5Y,5C,5Bとの間を用紙が搬送ベルト4に吸着されて順次通過するときに、用紙上に順に転写される。このようにして、カラートナ−画像が用紙上に形成される。そして、カラートナ−画像は、用紙が定着部7を通過する際に、熱および圧力が加えられ、用紙上に定着される。すると、カラー画像が形成された用紙が、複数対の搬送ローラ82およびガイド部材83により搬送される。そして、この用紙が、排出ローラ81を通過して、積載部90又は積載台19に積載される。
次に、用紙が積載装置たとえば積載部90に積載されるときの詳細な説明を行う。
用紙が排出ローラ81に挟持された状態で送り出されはじめると、まず、この用紙の前方の部分が自重により下方に垂れ下がる。そして、この用紙の先端が、第2積載部93の前部積載面すなわち傾斜面93aに当接する。そして、この用紙が排出ローラ81によりさらに送り出されると、用紙の前方の部分が、排出ローラ81から離反する方向すなわち用紙の排出方向に、第2積載部93の傾斜面93aに沿って、移動する。そして、この用紙が排出ローラ81から排出されると、用紙の先端が、用紙止め部材93bに当接する。これにより、用紙が積載部90に位置決めされる。
たとえば、A4サイズの用紙の短辺方向が排出方向になるように、A4サイズの用紙が排出される場合を一例として説明を行うと、用紙止め部材93bが、A4横の用紙排出用の位置に位置決めされた状態において、A4サイズの用紙が排出ローラ81から排出されると、排出された用紙の先端が用紙止め部材93bに当接した状態において、この用紙の前部すなわち用紙前方の“297mm×170mm”の部分が、第2積載部93の傾斜面93aに積載される。この状態において、用紙の後部すなわち用紙後方の“297mm×40mm”の部分は、第1積載部91の後部積載面91aから浮いた状態で、第1積載部91の後部積載面91aの上方に積載される。第1積載部91の後部積載面91aからの浮きは、用紙の弾力により発生する。このようにして、用紙が積載部90に位置決めされる。
続いて、A4サイズの次の用紙が排出ローラ81から排出されると、排出された用紙の先端が用紙止め部材93bに当接した状態において、この用紙前部が、排出済みの用紙の上に積載される。また、この用紙の排出中には、排出済みの用紙の後部が、後部積載面91aから浮き上がった状態で自重により下方にさがる。そして、この用紙の後部が、排出済みの用紙の上に積載されたときには、この用紙の後部が、排出済みの用紙から浮き上がった状態で、排出済みの用紙の上方に積載される。
このように、本発明の用紙積載装置9では、A4サイズの用紙を排出ローラ81から連続的に排出すると、用紙の後部において用紙同士の間に空間を形成することができる。一般的に記述すると、本発明の用紙積載装置9では、用紙を排出ローラ81から連続的に排出すると、用紙の後部において用紙同士の間に空間を形成することができる。
<特徴>
本カラープリンタ1では、用紙を排出ローラ81から連続的に排出すると、第1積載部91の上方において、ある用紙の後部を、他の用紙の後部から浮き上がらせることができるので、この浮き上がりにより形成された空間において、熱を持った用紙の後部を放熱することができる。すなわち、本カラープリンタ1では、特別な装置を用いることなく、熱を持った用紙の後部の温度を下げることができる。また、本カラープリンタ1では、連続的な排紙動作を停止することなく、熱を持った用紙の後部の温度を下げることができる。
また、本カラープリンタ1では、所定の傾斜角度αたとえば150度の傾斜角度αを有する積載部90を形成することにより、様々な種類の用紙を利用したとしても、用紙同士の後部の空間を確実に確保することができる。これにより、熱を持った用紙の後部の温度を確実に低下させることができる。
〔他の実施形態〕
(a)前記実施形態では、第1積載部91の後部積載面91aが水平に形成された場合の例を示したが、後部積載面91aの形成形態は、積載部90の傾斜角度βが60度以上150度以下になれば、前記実施形態に限定されず、どのようにしても良い。たとえば、図4に示すように、用紙の排出方向とは反対方向に向かって下る後部積載面91a’を、形成しても良い。この場合、傾斜角度βが150度以下になるため、様々な種類の用紙を利用したとしても、用紙同士の後部の空間をより確実に確保することができる。なお、図4では、前記実施形態と同じ部材については、図2で用いた部材番号と同じ番号を付している。
(b)前記実施形態と前記他の実施形態では、画像形成装置がカラープリンタの場合の例を示したが、本発明はカラー複写機等の他の画像形成装置にも適用することができる。
本実施形態が採用されたカラープリンタの概略断面構成図。 用紙積載装置の構成を示す図。 貼り付きの有無を調べた実験結果を示す図。 用紙積載装置の他の構成を示す図。
符号の説明
1 カラープリンタ
2M,2Y,2C,2B 画像形成部
8 排出部
81 排出ローラ
9 用紙積載装置
90 積載部
91 第1積載部
91a,91a’ 後部積載面
93 第2積載部
93a 傾斜面
93b 用紙止め部材
α,β 傾斜角度


Claims (7)

  1. 定着後に排出された用紙を積載可能な用紙積載装置であって、
    前記用紙の後部を積載する後部積載面を有する第1積載部と、前記第1積載部の前記後部積載面から前記用紙の排出方向に向かって下る傾斜面を有し、前記傾斜面に前記用紙の後部を除いた部分を積載する第2積載部とを有する積載部、
    を備える用紙積載装置。
  2. 前記後部積載面は、水平面である、
    請求項1に記載の用紙積載装置。
  3. 前記後部積載面は、前記用紙の排出方向とは反対方向に向かって下る傾斜面である、
    請求項1に記載の用紙積載装置。
  4. 前記積載部は、前記後部積載面と前記傾斜面とがなす角度が60度以上150度以下になるように形成される、
    請求項1から3のいずれかに記載の用紙積載装置。
  5. 前記用紙の幅の70%から90%までの範囲の部分が、前記第2積載部の前記傾斜面に積載される、
    請求項1から4のいずれかに記載の用紙積載装置。
  6. 前記第2積載部は、前記用紙の排出方向に進む前記用紙の前端を受けて前記用紙を停止させるために、前記第2積載部の前記傾斜面に装着される用紙止め部材を、さらに有している、
    請求項1から5のいずれかに記載の用紙積載装置。
  7. 画像形成装置であって、
    画像情報に基づいて用紙に画像を形成する画像形成部と、
    前記画像形成部において画像が形成された前記用紙を積載するための、請求項1から6のいずれかに記載の用紙積載装置と、
    を備える画像形成装置。


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